JP2000310273A - 電磁式能動型防振装置 - Google Patents

電磁式能動型防振装置

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JP2000310273A
JP2000310273A JP11117004A JP11700499A JP2000310273A JP 2000310273 A JP2000310273 A JP 2000310273A JP 11117004 A JP11117004 A JP 11117004A JP 11700499 A JP11700499 A JP 11700499A JP 2000310273 A JP2000310273 A JP 2000310273A
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vibration
elastic body
rubber elastic
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vibrating
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English (en)
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Masayuki Hibi
雅之 日比
Akio Saeki
明雄 佐伯
Shoji Akasa
彰治 赤佐
Atsushi Muramatsu
篤 村松
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Sumitomo Riko Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Riko Co Ltd
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16FSPRINGS; SHOCK-ABSORBERS; MEANS FOR DAMPING VIBRATION
    • F16F13/00Units comprising springs of the non-fluid type as well as vibration-dampers, shock-absorbers, or fluid springs
    • F16F13/04Units comprising springs of the non-fluid type as well as vibration-dampers, shock-absorbers, or fluid springs comprising both a plastics spring and a damper, e.g. a friction damper
    • F16F13/26Units comprising springs of the non-fluid type as well as vibration-dampers, shock-absorbers, or fluid springs comprising both a plastics spring and a damper, e.g. a friction damper characterised by adjusting or regulating devices responsive to exterior conditions
    • F16F13/264Units comprising springs of the non-fluid type as well as vibration-dampers, shock-absorbers, or fluid springs comprising both a plastics spring and a damper, e.g. a friction damper characterised by adjusting or regulating devices responsive to exterior conditions comprising means for acting dynamically on the walls bounding a working chamber

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電磁式アクチュエータで加振部材を加振する
ことにより、流体室の圧力を制御する一方、該流体室に
対して第一のオリフィス通路を通じて連通された容積可
変の平衡室を設けた電磁式能動型防振装置において、加
振部材を安定して且つ効率的に加振制御可能とするこ
と。 【解決手段】 加振部材48に対して加振方向に離間し
て対向位置する安定化部材50を設けると共に、それら
加振部材48と安定化部材50を連結部材62で連結す
る一方、それら加振部材48と安定化部材50を、第一
の支持ゴム弾性体64と第二の支持ゴム弾性体66によ
って、第二の取付部材14に対して弾性的に連結支持せ
しめた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、流体室の壁部の一部を構成する
加振部材を電磁式アクチュエータで加振変位せしめて、
該流体室の圧力を制御することにより能動的な防振効果
を得るようにした防振装置に係り、特に、加振部材を安
定して且つ効率的に加振変位させることができ、例えば
自動車用エンジンマウントやボデーマウント,キャブマ
ウント等に好適に用いられる電磁式能動型防振装置に関
するものである。
【0002】
【背景技術】従来から、振動伝達系を構成する部材間に
介装される防振支持体や防振連結体の一種として、第一
の取付部材と第二の取付部材を本体ゴム弾性体で連結
し、該本体ゴム弾性体によって壁部の一部が構成されて
非圧縮性流体が封入された流体室を形成すると共に、該
流体室の壁部の別の一部を加振駆動せしめられる加振部
材で構成する一方、壁部の一部が可撓性膜で構成されて
非圧縮性流体が封入された平衡室を形成し、該平衡室と
前記流体室を第一のオリフィス通路によって相互に連通
せしめた電磁式能動型防振装置が、知られている。かく
の如き防振装置においては、防振すべき振動に応じて加
振部材を加振することにより、流体室の圧力を制御し
て、振動を相殺的乃至は積極的に低減することができる
のであり、防振すべき振動の周波数や振幅等の変化にも
容易に対処することも可能であることから、例えば自動
車用のエンジンマウント等への採用が検討されている。
【0003】ところで、このような能動型防振装置にお
いて、目的とする防振効果を安定して有効に得るために
は、加振部材を安定して且つ効率的に加振制御すること
が必要である。そこで、例えば特開昭59−1829号
公報や特開昭61−2939号公報等に記載されている
ように、加振部材を駆動するために電磁力や電磁石によ
る磁力を利用した電磁式アクチュエータを用いたもの
が、制御性や制御精度に優れていること等から有利に採
用され得る。
【0004】ところが、このような電磁式アクチュエー
タを採用した場合でも、加振部材の変位に際して加振部
材が傾いたり、他部材から加振部材に外力が作用するこ
と等によって、加振部材の変位が不安定となって目的と
する防振効果を、必ずしも安定して得ることができない
場合があった。なお、かかる問題に対処するために、例
えば、加振部材を変位方向に案内する摺動機構を採用す
ることも考えられるが、摺動機構を用いると、摺動に伴
う異音や発熱が問題となり易いことに加えて、摺動抵抗
によって発生加振力が低下することから、目的とする防
振特性を高精度に得ることが難しく、必ずしも有効な方
策ではなかったのである。
【0005】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、上述の如き事情
を背景として為されたものであって、その解決課題とす
るところは、加振部材を電磁式アクチュエータによって
安定して且つ効率的に加振変位させることができ、それ
によって、目的とする防振効果を有効に且つ安定して得
ることのできる新規な構造の電磁式能動型防振装置を提
供することにある。
【0006】
【解決手段】以下、このような課題を解決するために為
された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各
態様は、任意の組み合わせで採用可能である。また、本
発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに限
定されることなく、明細書全体および図面に記載され、
或いはそれらの記載から当業者が把握することの出来る
発明思想に基づいて認識されるものであることが理解さ
れるべきである。
【0007】先ず、本発明の第一の態様は、第一の取付
部材と第二の取付部材を本体ゴム弾性体で連結し、該本
体ゴム弾性体によって壁部の一部が構成されて非圧縮性
流体が封入された流体室を形成すると共に、該流体室の
壁部の別の一部を変位可能な加振部材で構成し、該加振
部材を電磁式アクチュエータで加振するようにする一
方、壁部の一部が可撓性膜で構成されて非圧縮性流体が
封入された平衡室を形成し、該平衡室と前記流体室を第
一のオリフィス通路によって相互に連通せしめた電磁式
能動型防振装置において、前記加振部材に対して前記流
体室と反対側に離間して対向位置する安定化部材を設け
て、それら加振部材と安定化部材を連結部材で一体的に
連結すると共に、該加振部材および該安定化部材を、第
一の支持ゴム弾性体および第二の支持ゴム弾性体によ
り、前記第二の取付部材に対してそれぞれ変位可能に弾
性支持せしめて、それら加振部材と安定化部材の対向面
間に、前記電磁式アクチュエータを配設する一方、該安
定化部材を挟んで該加振部材と反対側に、前記平衡室を
形成し、且つ前記可撓性膜を該電磁式アクチュエータに
よる加振力が及ぼされる部材から独立して配設したこと
を、特徴とする。
【0008】このような本発明態様に従う構造とされた
電磁式能動型防振装置においては、加振部材と安定化部
材が加振方向で離間配置されると共に、それら加振部材
と安定化部材が連結部材で連結されて一体的に加振変位
せしめられる。その際、加振部材が、第二の取付部材に
より、第一の支持ゴム弾性体を介して弾性支持されてい
ると共に、安定化部材が、第二の取付部材により、第二
の支持ゴム弾性体を介して弾性支持されていることか
ら、一体的に加振変位せしめられる加振部材と安定化部
材に対して、第一及び第二の支持ゴム弾性体による弾性
的な位置決め力が、互いに加振方向に離間した部分で有
効に作用せしめられる。その結果、加振部材の加振時に
おける変位方向が安定化し、加振部材の加振変位を高精
度に制御することが可能となって、目的とする防振特性
を安定して得ることができるのである。
【0009】しかも、このように、加振部材と安定化部
材とを加振方向に離間した複数の点で第二の取付部材に
対して弾性支持せしめたことにより、加振部材の加振変
位方向を、摺動機構等を必要とすることなく、有利に安
定化させることができるのであり、それ故、加振部材の
加振時における異音の発生等が有効に回避され得ると共
に、加振部材を効率的に加振させて、目的とする防振特
性を得ることが可能となる。
【0010】加えて、振動入力時等に変形せしめられる
可撓性膜が、加振部材を含む加振部分から独立形成され
ることから、可撓性膜の変形、特に不規則な変形等に伴
う外力が加振部分に及ぼされることがないのであり、そ
れによって、加振部材の加振変位の更なる安定化が実現
され得る。
【0011】なお、本態様において、連結部材は、加振
部材と安定化部材を一体的に変位するように連結し得る
ものであれば良く、例えば加振方向に延びる剛性ロッド
状部材等、具体的には例えば金属製のハイプ材等が好適
に採用される。また、本態様において、加振部材および
安定化部材は、第二の取付部材に対して加振変位可能に
配設されて、連結部材により相互に一体的に連結され得
るものであれば良く、第一のゴム弾性体や第二のゴム弾
性体によって加振部材や安定化部材を構成することも可
能であるが、好適には、例えば、金属等の硬質材で形成
されて加振方向に略直角に広がる板状体等が採用され、
それによって、特に加振部材においては、その変位によ
る流体室の圧力制御効果がより有効に発揮されると共
に、第一及び第二の支持ゴム弾性体による加振部材の加
振方向への案内作用が一層有利に発揮され得ることとな
る。
【0012】また、本発明の第二の態様は、前記第一の
態様に従う構造とされた電磁式能動型防振装置におい
て、前記流体室を、壁部の一部が前記本体ゴム弾性体で
構成されて該本体ゴム弾性体の弾性変形に伴って圧力変
化が生ぜしめられる主液室と、壁部の一部が前記加振部
材で構成されて、該加振部材の変位に伴って圧力変化が
生ぜしめられる副液室から構成すると共に、それら主液
室と副液室を相互に連通する第二のオリフィス通路を設
けたことを、特徴とする。このような本態様において
は、加振部材の加振変位によって副液室に生ぜしめられ
た圧力変化が、第二のオリフィス通路を通じての流体流
動により、主液室に伝達される。その際、第二のオリフ
ィス通路を流動せしめられる流体の共振作用を利用し
て、主液室の圧力を一層効率的に制御することが可能と
なる。なお、その際、第一のオリフィス通路を流動せし
られる流体の共振作用等の流動作用に基づく防振効果を
十分に確保しつつ、上述の如き第二のオリフィス通路に
よる効果を有効に得るためには、第二のオリフィス通路
を、第一のオリフィス通路よりも高周波数域にチューニ
ングすることが望ましい。
【0013】また、本発明の第三の態様は、前記第一又
は第二の態様に従う構造とされた電磁式能動型防振装置
であって、前記第一の支持ゴム弾性体および前記第二の
支持ゴム弾性体をそれぞれ略円環形状とし、該第一の支
持ゴム弾性体を、前記加振部材と前記第二の取付部材の
間において、該加振部材の加振方向に略直交する軸直角
方向対向面間に配設すると共に、該第二の支持ゴム弾性
体を、前記安定化部材と前記第二の取付部材の間におい
て、前記加振部材の加振方向に略直交する軸直角方向対
向面間に配設したことを、特徴とする。このような本態
様においては、第一及び第二の支持ゴム弾性体が、加振
部材の加振方向への変位に際しては主に剪断変形せしめ
られる一方、加振部材の加振方向に直角な方向への変位
に際しては圧縮変形せしめられる。それ故、加振部材の
加振方向において要求されるばね特性を確保しつつ、加
振方向に略直交する方向のばね特性を硬くして、加振部
材の加振方向に傾斜した方向の変位を有利に制限するこ
とができるのであり、それによって、加振部材の加振変
位をより安定化させることが可能となる。
【0014】また、本発明の第四の態様は、前記第一乃
至第三の何れかの態様に従う構造とされた電磁式能動型
防振装置において、前記第二の取付部材に筒状ハウジン
グ部を設け、該筒状ハウジング部の一方の開口部側に前
記第一の取付部材を配設して前記本体ゴム弾性体で連結
することにより、該筒状ハウジング部の一方の開口部を
流体密に閉塞すると共に、該筒状ハウジング部の他方の
開口部を前記可撓性膜で流体密に閉塞せしめて、該筒状
ハウジング部に前記加振部材および前記安定化部材を収
容して該筒状ハウジング部の軸方向で対向配置せしめる
ことにより、それら加振部材と安定化部材の対向面間に
配された前記電磁式アクチュエータを該筒状ハウジング
部に収容する一方、該加振部材と前記本体ゴム弾性体の
間に前記流体室を形成すると共に、該安定化部材と前記
可撓性膜の間に前記平衡室を形成したことを、特徴とす
る。このような本態様に従えば、電磁式アクチュエータ
を防振装置の内部に一体的に組み込むことができると共
に、該電磁式アクチュエータや流体室および平衡室を、
簡単な構造と優れたスペース効率をもって有利に形成す
ることが可能となる。
【0015】また、本発明の第五の態様は、前記第一乃
至第四の何れかの態様に従う構造とされた電磁式能動型
防振装置において、前記第二の取付部材に対して固定的
に取り付けられるホルダ部材によって支持されたコイル
と、前記加振部材に対して固定的に設けられて、該コイ
ルに対して軸方向に相対変位可能に配設せしめられると
共に、該コイルへの通電により駆動力が及ぼされる磁性
部材とによって、前記電磁式アクチュエータを構成した
ことを特徴とする。このような本態様においては、電磁
式アクチュエータを第二の取付部材に対して有利に支持
せしめることができる。また、磁性部材は、コイルへの
通電によって変位力が及ぼされるものであれば良く、例
えば鉄等の強磁性体の他、永久磁石等も採用可能であ
る。そして、磁性部材をコイルの軸方向一方の側に離間
して対向配置することにより、コイルへの通電によって
生ぜしめられる磁力を磁性部材に及ぼして変位せしめる
他、例えばコイルの内周面側または外周面側に離間して
磁性部材を配設し、コイルへの通電によって磁性部材と
の間に電磁力を生ぜしめて、加振部材を加振変位させる
ことも可能である。
【0016】かかる第五の態様において、より好ましく
は、前記第四の態様に従う構造が採用されて組み合わさ
れ、第二の取付部材における筒状ハウジング部に対し
て、ホルダ部材を内挿して嵌着固定せしめた構成が有利
に採用される。なお、その際には、流体室と平衡室を相
互に連通する第一のオリフィス通路が、周上の一カ所ま
たは複数箇所においてホルダ部材と筒状ハウジング部材
の嵌着面間を軸方向に延びる形態をもって有利に形成さ
れ得る。
【0017】また、本発明の第六の態様は、前記第五の
態様に従う構造とされた電磁式能動型防振装置におい
て、加振部材および安定化部材を、第一の支持ゴム弾性
体および第二の支持ゴム弾性体を介して、ホルダ部材に
対して弾性支持せしめたことを、特徴とする。このよう
な構造を採用すれば、電磁式アクチュエータと、加振部
材、安定化部材、第一及び第二の支持ゴム弾性体を備え
た一つのアッセンブリとして組み付けることが出来るこ
とから、組付作業性の向上等が達成され得る。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明を更に具体的に明ら
かにするために、本発明の実施形態について、図面を参
照しつつ、詳細に説明する。
【0019】先ず、図1には、本発明の一実施形態とし
ての自動車用エンジンマウント10が示されている。こ
のエンジンマウント10は、第一の取付部材としての第
一の取付金具12と第二の取付部材としての第二の取付
金具14が本体ゴム弾性体16によって連結されてい
る。そして、第一の取付金具12が自動車のパワーユニ
ットに取り付けられる一方、第二の取付金具14が自動
車のボデーに取り付けられることにより、パワーユニッ
トをボデーに対して防振支持せしめるようになってい
る。なお、以下の説明中、上下方向とは、原則として図
中の上下方向をいうものとする。
【0020】より詳細には、第一の取付金具12は、略
逆円錐台形のブロック形状を有していると共に、大径側
端面から軸方向上方に向かって突出する螺着部が一体形
成されており、この螺着部に設けられたねじ穴によっ
て、第一の取付金具12が、図示しない自動車のパワー
ユニットに固定的に取り付けられるようになっている。
また、第一の取付金具12の大径側端部外周面には、径
方向外方に向かって突出する鍔状のストッパ部22が一
体形成されている。
【0021】また、この第一の取付金具12には、本体
ゴム弾性体16が加硫接着されている。かかる本体ゴム
弾性体16は、全体として大径の略円錐台形状を呈して
いると共に、大径側端面に開口する大径の凹部18を有
しており、その小径側端面から第一の取付金具12が軸
方向に差し込まれた状態で同一中心軸上に配されて加硫
接着されている。また、本体ゴム弾性体16の大径側端
部外周面には、大径円筒形状の金属スリーブ20が重ね
合わされて加硫接着されている。これにより、本体ゴム
弾性体16は、第一の取付金具12と金属スリーブ20
を有する一体加硫成形品として形成されている。また、
第一の取付金具12のストッパ部22には、緩衝ゴム2
3が、軸方向上方に向かって突出して、本体ゴム弾性体
16と一体形成されている。
【0022】一方、第二の取付金具14は、大径の略段
着き円筒形状を有しており、軸方向中間部分に形成され
た段差部24を挟んで、軸方向上部が大径部26とされ
ていると共に、軸方向下部が小径部28とされている。
また、これら大径部26および小径部28の内周面に
は、略全面を覆う薄肉のシールゴム層30が設けられて
加硫接着されていると共に、小径部28側の開口部に
は、薄肉逆皿形状の薄肉ゴム膜からなるダイヤフラム3
2が配設されており、このダイヤフラム32の外周縁部
が第二の取付金具14の開口周縁部に加硫接着されるこ
とによって、第二の取付金具14の下側開口部が流体密
に閉塞されている。なお、本実施形態では、このダイヤ
フラム32が、シールゴム層30と一体形成されている
と共に、このダイヤフラム32によって可撓性膜が構成
されている。
【0023】そして、第二の取付金具14は、その大径
部26が金属スリーブ20に外挿されて、圧入や絞り加
工等で嵌着固定されることによって、本体ゴム弾性体1
6の外周面に固着されている。これにより、第一の取付
金具12と第二の取付金具14が、同一中心軸上で軸方
向に相互に離間して配設されており、本体ゴム弾性体1
6によって弾性的に連結されている。また、第二の取付
金具14の大径部26が本体ゴム弾性体16に固着され
ることにより、第二の取付金具14の上側開口部が本体
ゴム弾性体16によって流体密に閉塞されている。
【0024】また、第二の取付金具14には、軸方向中
間部分に位置して仕切部材34が収容配置されており、
本体ゴム弾性体16とダイヤフラム32の対向面間の中
間部分に配設されている。この仕切部材34は、金属や
合成樹脂等の硬質材で形成されて略円板形状を有してお
り、第二の取付金具14の軸直角方向に広がる状態で配
設されて、外周縁部を、第二の取付金具14の段差部2
4と本体ゴム弾性体16の大径側軸方向端面の間で挟圧
保持されることによって、第二の取付金具14に固設さ
れている。これにより、第二の取付金具14の中空内部
が、仕切部材34を挟んで、本体ゴム弾性体16側とダ
イヤフラム32側とに流体密に仕切られている。そし
て、本体ゴム弾性体16と仕切部材34の間には、壁部
の一部が本体ゴム弾性体16で構成されて、内部に非圧
縮性流体が封入された主液室としての受圧室35が形成
されている。そして、この受圧室35には、第一の取付
金具12と第二の取付金具14の間に振動入力された
際、本体ゴム弾性体16の弾性変形に基づいて内圧変化
が生ぜしめられるようになっている。なお、封入流体と
しては、水やアルキレングリコール,ポリアルキレング
リコール,シリコーン油等が採用され得るが、特に本実
施形態では、後述するように流体の共振作用に基づく防
振効果が有効に発揮されるように、粘性が0.1Pa・
s以下の低粘性流体が好適に採用される。また、かかる
非圧縮性流体の充填は、例えば、第二の取付金具14に
対する本体ゴム弾性体16の組み付けを非圧縮性流体中
で行うこと等によって、有利に為され得る。
【0025】また、第二の取付金具14の外周縁部の下
面には、それぞれ外周面に開口して周方向に延びる第一
の凹溝36と第二の凹溝38が、下方に突出して形成さ
れている。なお、第一の凹溝36は、第二の凹溝38よ
りも大きな溝内断面積をもって形成されている。そし
て、これら第一の凹溝36と第二の凹溝38の開口部
が、第二の取付金具14の小径部28で流体密に覆蓋さ
れることによって、それぞれ周方向に所定長さで延びる
第一のオリフィス通路40と第二のオリフィス通路42
が形成されている。なお、本実施形態では、後述するよ
うに、第一のオリフィス通路40よりも第二のオリフィ
ス通路42の方が、通路断面積:Aと通路長さ:Lの
比:A/Lの値が大きく設定されて、第一のオリフィス
通路40よりも第二のオリフィス通路42の方が高周波
数域にチューニングされている。
【0026】さらに、第二の取付金具14の内部には、
仕切部材34の下方に位置する小径部28内において、
加振駆動ユニット44が収容状態で組み込まれている。
この加振駆動ユニット44は、ホルダ部材としてのホル
ダブロック46に対して、加振部材としての加振板48
と安定化部材としての安定板50が、それぞれ変位可能
に支持された一つのアッセンブリ構造とされている。ホ
ルダブロック46は、剛性材によって、好ましくは鉄等
の強磁性材によって形成されており、全体として略円形
のブロック形状を呈している。また、ホルダブロック4
6には、中心軸上を軸方向に貫通して延びる挿通孔60
が設けられていると共に、この挿通孔60の周りには、
周方向に連続して延びる収容凹所52が、上面に開口し
て同軸的に形成されている。そして、この収容凹所52
にコイル54が挿入され、収容配置されて、挿通孔60
の周方向に巻回された状態で、ホルダブロック46に固
定的に組み付けられている。なお、ホルダブロック46
の内周縁部と外周縁部には、内周突出部56と外周突出
部58が、それぞれ軸方向上方に向かって所定高さで突
出する円筒形状をもって形成されて、互いに径方向で対
向位置せしめられている。
【0027】また、ホルダブロック46の軸方向一方の
側(図中、上側)には、加振板48が離間して対向配置
されていると共に、軸方向他方の側(図中、下側)に
は、安定板50が離間して対向配置されている。これら
加振板48と安定板50は、何れも略浅底の逆カップ形
状を有しており、底壁部分が軸直角方向に広がる状態で
配設されている。また、加振板48には、磁性部材とし
ての可動子78が固定的に取り付けられている。この可
動子78は、鉄等の強磁性材で形成されて円板形状を有
しており、中央部分の上面に突設された嵌着部におい
て、加振板48に圧入固定されることにより、加振板4
8から下方に延びだして軸直角方向外方に広がって配設
されている。
【0028】さらに、ホルダブロック46の挿通孔60
には、連結部材としての連結パイプ62が、遊挿状態で
貫通されて、ホルダブロック46に接触することなく、
挿通孔60の内周面から離間して中心軸上に配設されて
いる。この連結パイプ62は、金属等の剛性材で形成さ
れてホルダブロック46の挿通孔60よりも長い中空の
直管形状を有しており、ホルダブロック46の挿通孔6
0から上方に突出せしめられた上側先端部が、可動子7
8に圧入されて加振板48の底壁中央に固着されている
一方、ホルダブロック46の挿通孔60から下方に突出
せしめられた下側先端部が、安定板50の底壁中央に固
着されている。これにより、加振板48と安定板50が
連結パイプ62によって相互に剛結されており、可動子
78を備えた加振板48と安定板50および連結パイプ
62が、ホルダブロック46に対して、全体として一体
的に変位せしめられるようになっている。
【0029】更にまた、加振板48とホルダブロック4
6の間には、第一の支持ゴム弾性体としての第一の支持
ゴム64が配設されて、加振板48がホルダブロック4
6に弾性支持されていると共に、安定板50とホルダブ
ロック46の間には、第二の支持ゴム弾性体としての第
二の支持ゴム66が配設されて、安定板50がホルダブ
ロック46に弾性支持されている。これら第一の支持ゴ
ム64と第二の支持ゴム66は、何れも厚肉の円環板形
状を有しており、第一の支持ゴム64の内周面と外周面
には、内周側嵌着筒金具68と外周側嵌着筒金具70が
加硫接着されていると共に、第二の支持ゴム66の内周
面と外周面には、内周側嵌着筒金具72と外周側嵌着筒
金具74が加硫接着されている。そして、第一の支持ゴ
ム64に加硫接着された内周側嵌着筒金具68が加振板
48の筒壁部に外嵌固定されると共に、外周側嵌着筒金
具70がホルダブロック46の軸方向上端部外周面に外
嵌固定されており、これにより、加振板48が、ホルダ
ブロック46に対して、第一の支持ゴム64によって弾
性的に連結、支持されている。また、第二の支持ゴム6
6に加硫接着された内周側嵌着筒金具72が安定板50
の筒壁部に外嵌固定されると共に、外周側嵌着筒金具7
4がホルダブロック46の軸方向下端部外周面に外嵌固
定されており、それにより、安定板50が、ホルダブロ
ック46に対して、第一の支持ゴム64によって弾性的
に連結、支持されている。なお、ホルダブロック46の
軸方向両端部には、それぞれ、外周側嵌着筒金具70,
74の外周側に補強筒金具76が圧入固定されて、外周
側嵌着筒金具70,74の取付強度が補強されている。
【0030】また、ホルダブロック46の軸方向両端部
に離間して対向配置された加振板48と安定板50が、
第一及び第二の支持ゴム64,66を介して、ホルダブ
ロック46に取り付けられることにより、ホルダブロッ
ク46の軸方向両側において、ホルダブロック46と加
振板48の間およびホルダブロック46と安定板50の
間が第一及び第二の支持ゴム64,66によって流体密
に閉塞されており、加振駆動ユニット44の内部、即ち
ホルダブロック46と加振板48,安定板50の対向面
間の他、コイル54の配設領域や挿通孔60等が、外部
に対する流体密性をもって形成されている。
【0031】そして、これら第一及び第二の支持ゴム6
4、66により、連結パイプ62の軸方向両端部に固設
された加振板48と安定板50が、それぞれ、ホルダブ
ロック46に対して弾性支持されており、第一及び第二
の支持ゴム64,66の弾性変形に基づいて、連結パイ
プ62を含む加振板48と安定板50が、ホルダブロッ
ク46に対して一体的に変位せしめられるようになって
いる。また、第一及び第二の支持ゴム64,66で弾性
支持されることにより、加振板48と安定板50が、ホ
ルダブロック46の軸方向両側に離間して変位可能に配
設されていると共に、加振板48に固着された可動子7
8が、コイル54を固定的に保持するホルダブロック4
6の軸方向上方に離間して対向配置されている。なお、
可動子78の外周縁部には、薄肉の緩衝ゴム層が固着さ
れており、ホルダブロック46等への当接から保護され
ている。また、特に本実施形態では、可動子78が、ホ
ルダブロック46の軸方向上端面に突設された内周突出
部56と外周突出部58の径方向間に位置するように配
設されている。
【0032】このような構造とされた加振駆動ユニット
44においては、コイル54への通電時に、コイル54
の周りに配設されたホルダブロック46がヨークとなっ
て生ぜしめられる磁界が、可動子78に及ぼされること
により、可動子78がホルダブロック46側、即ち図中
の下方に吸引駆動せしめられる。特に、本実施形態で
は、可動子78が対向位置するホルダブロック46の上
端部に収容凹所52の開口部が設けられて磁気ギャップ
状が形成されていることから、可動子78に対して磁気
吸引力がより有効に及ぼされる。それ故、コイル54へ
の通電周波数や電流を制御することにより、可動子78
を適当な周波数と振幅で加振することができるのであ
る。
【0033】そして、かかる加振駆動ユニット44は、
第二の取付金具14の小径部28に内挿され、軸方向上
端部において、外周側嵌着筒金具70が仕切部材34に
おける第二の凹溝38の内周面に圧入されて流体密に嵌
着固定されることにより、第二の取付金具14内で、仕
切部材34とダイヤフラム32の対向面間において、第
二の取付金具14の中心軸上に収容配置されている。ま
た、加振駆動ユニット44は、軸方向中央部分におい
て、ホルダブロック46から径方向外方に突設された嵌
着突部80の突出先端面が、第二の取付金具14の内周
面に圧接されることにより、第二の取付金具14に対し
て径方向で位置決め固定されている。なお、嵌着突部8
0は、周方向に一周以下の長さで一つ、或いは周方向に
離間して複数形成されており、それによって、ホルダブ
ロック46が第二の取付金具14に対して有利に位置決
めされている。なお、加振駆動ユニット44の組付け
は、例えば、仕切部材34に加振駆動ユニット44を嵌
着固定した後に、それら加振駆動ユニット44と仕切部
材34を第二の取付金具14に内挿し、その後、第二の
取付金具14に対して、第一の取付金具12を有する本
体ゴム弾性体16を組み付けることによって有利に為さ
れ得る。その際、加振駆動ユニット44と仕切部材34
を第二の取付金具14に内挿した後に第二の取付金具1
4の小径部28を絞り加工等で縮径することによって、
ホルダブロック46を第二の取付金具14に対してより
強固に位置決め固定することが望ましい。
【0034】このように、ホルダブロック46の上端部
が、仕切部材34に組み付けられることによって、仕切
部材34と加振板48の対向面間には、第一及び第二の
凹溝36,38で周壁が構成されて密閉された加振室8
2が、受圧室35から独立して形成されている。この加
振室82は、壁部の一部が加振板48で構成されてお
り、加振板48の変位によって内圧変化が生ぜしめられ
るようになっている。そして、この加振室82は、第二
のオリフィス通路42によって受圧室35に連通されて
おり、加振板48の変位によって加振室82に生ぜしめ
られた圧力変化が、第二のオリフィス通路42を通じて
の流体流動によって受圧室35に伝達されるようになっ
ている。特に、この第二のオリフィス通路42の通路長
さや通路断面積を調節して、能動的な防振効果を得よう
とする振動周波数域、例えばアイドリング振動周波数域
において第二のオリフィス通路42を流動せしめられる
流体の共振作用が発揮されるようにチューニングするこ
とにより、加振室82から受圧室35に液圧変化をより
効率的に伝達することが可能となる。なお、上述の説明
から明らかなように、本実施形態では、主液室としての
受圧室35と副液室としての加振室82によって流体室
が構成されている。
【0035】また、第二の取付金具14の内部には、加
振駆動ユニット44の外周側と軸方向下側を取り巻くよ
うにして広がる平衡室84が、受圧室35や加振室82
から独立して形成されている。要するに、この平衡室8
4は、加振駆動ユニット44によって加振室82から独
立して形成されているのであり、壁部の一部がダイヤフ
ラム32で構成されることによって、該ダイヤフラム3
2の変形に基づいて容積変化が容易に許容され、内圧変
化が回避されるようになっている。なお、かかる平衡室
84の壁部の別の一部は、安定板50と第二の支持ゴム
66によって構成されているが、安定板50や第二の支
持ゴム66の変位に際しても、平衡室84の内圧変化が
ダイヤフラム32の変形で回避されるようになってい
る。
【0036】さらに、上述の如き構造とされたエンジン
マウント10には、図示されているように、軸方向上側
からストッパ筒金具85が被せられて第二の取付金具1
4の大径部26に外嵌固定されている。このストッパ筒
金具85は、軸方向中央部分に形成された段差部86を
挟んだ軸方向上下に小径部88と大径部90を有してい
ると共に、軸方向上端部において径方向内方に突出する
円環板状の当接突起91が一体形成されており、この当
接突起91が、第一の取付金具12のストッパ部22に
対して軸方向上方に離間して対向位置せしめられてい
る。そして、過大な振動荷重が入力された際、ストッパ
部22が緩衝ゴム23を介して当接突起91に当接する
ことにより、第一の取付金具12と第二の取付金具14
のリバウンド方向(離間方向)の相対変位量が制限され
るようになっている。
【0037】また、ストッパ筒金具85には、大径部9
0の外周面に対して、ブラケット92が外嵌され、必要
に応じて溶接されること等によって固着されている。こ
のブラケット92は、ストッパ筒金具85の大径部90
から軸方向下方に延び出し、突出先端部で軸直角方向外
方に広がる複数本の脚部94を備えており、各脚部94
が自動車のボデーにボルト固定されることによって、ス
トッパ筒金具85、ひいては第二の取付金具14がボデ
ーに対して固定的に取り付けられるようになっている。
【0038】このような本実施形態のエンジンマウント
10を用いて能動的防振効果を得るに際しては、例え
ば、コイル54への供給電流を、公知の制御装置を用い
て、防振すべき振動に応じた周波数と大きさで制御する
ことにより、可動子78、ひいては加振板48に及ぼさ
れる軸方向の磁気吸引力を変化させて、加振板48を加
振する。そして、それによって加振室82に生ぜしめた
圧力変化を、第二のオリフィス通路42を通じて受圧室
35に伝達せしめて、受圧室35の内圧を入力振動に対
して能動的に制御することにより、振動に対して能動的
防振効果を有効に得ることができるのである。
【0039】そこにおいて、加振板48は、加振方向に
離間して対向配置された安定板50に対して連結パイプ
62で一体的に連結されており、安定板50と共に加振
変位されるようになっていると共に、加振方向両端部に
離間配置された加振板48と安定板50が、それぞれ、
第一の支持ゴム64と第二の支持ゴム66によって、第
二の取付金具14に対して弾性支持せしめられているこ
とから、それら第一及び第二の支持ゴム64,66によ
って、加振板48と安定板50に対して有効な変位方向
の制限作用が及ぼされることとなる。特に本実施形態で
は、第一及び第二の支持ゴム64,66が、加振板48
と安定板50の外周面から径方向外方に広がる形状とさ
れて、軸方向ばね剛性と径方向ばね剛性の比が大きく設
定されていることから、加振板48と安定板50に対し
て、加振軸方向の変位を許容しつつ、軸直角方向の変位
に対して大きな規制効果を発揮し得るのであり、加振板
48が一層安定して、加振軸方向に加振変位せしめられ
るのである。
【0040】そして、これにより、コイル54への供給
電流の制御により、加振板48の変位、ひいては加振室
82および受圧室35に生ぜしめられる圧力変化を、高
精度に安定して制御することができるのであり、その結
果、目的とする能動的防振効果を有利に且つ安定して得
ることができるのである。また、加振板48が第一及び
第二の支持ゴム64,66によって加振方向に案内され
ることから、加振板48を案内する摺動ブッシュの摺動
機構を設ける必要がなく、摺動に伴う異音や出力のロス
等の問題も有利に回避され得るのである。
【0041】しかも、本実施形態においては、加振板4
8と安定板50が、コイル54や可動子78からなる電
磁式アクチュエータを挟んだ両側に配設されていること
から、電磁式アクチュエータの配設スペースを有利に確
保しつつ、加振板48と安定板50の対向面間距離を十
分に大きく設定することができるのであり、それによっ
て、第一及び第二の支持ゴム64,66による加振板4
8の加振方向への案内作用を一層有利に得ることができ
ると共に、加振駆動ユニット44全体のコンパクト化が
有利に実現され得るのである。
【0042】また、本実施形態のエンジンマウント10
においては、振動入力によって受圧室35と平衡室84
の間に生ぜしめられる圧力差に基づいて、それら両室3
5,84間で、第一のオリフィス通路40を通じての流
体流動が生ぜしめられる。その結果、この第一のオリフ
ィス通路40を流動せしめられる流体の共振作用に基づ
く、受動的防振効果を得ることができるのである。ここ
において、本実施形態では、第一のオリフィス通路40
が、内部を流動せしめられる流体の共振作用に基づい
て、例えばシェイク等のように、能動的防振効果が発揮
されるより低周波大振幅の振動に対して高減衰効果を発
揮し得るようにチューニングされている。なお、本実施
形態では、受圧室35と平衡室84の間での第一のオリ
フィス通路40を通じての流体流動が、第二のオリフィ
ス通路42および加振室82を介して為されるようにな
っている。
【0043】特に、本実施形態では、平衡室84の壁部
の一部を構成し、圧力変化に際して大きく弾性変形する
ことによって容積変化を許容するダイヤフラム32が、
加振板48と一体的に変位せしめられる安定板50や連
結パイプ62等から完全に独立して形成されていること
から、ダイヤフラム32の変形状態が加振板48の加振
変位特性に影響を及ぼすようなことがなく、加振板48
の制御精度が十分に安定して発揮されるのである。
【0044】以上、本発明の一実施形態について詳述し
てきたが、これはあくまでも例示であって、本発明は、
かかる実施形態における具体的記載によって限定的に解
釈されるものでない。
【0045】例えば、前記エンジンマウント10におい
ては、コイル54への通電によって可動子78に及ぼさ
れる磁力の作用により、加振板48が加振されるように
なっていたが、その他、コイルと永久磁石の各一方を加
振部材と第二の取付部材の各何れか一方に固設すること
により、コイルへの通電によって永久磁石との間に生ぜ
しめられる電磁力に基づいて、加振部材を加振すること
も可能である。なお、その場合には、例えば、筒状の永
久磁石を第二の取付部材に固設する一方、該永久磁石の
内周側または外周側に離間配置したコイルを加振部材に
固設した構造等も、好適に採用され得る。
【0046】また、仕切部材34や第二のオリフィス通
路42を設けることなく、受圧室35と加振室82を一
体的な流体室として形成することも可能である。
【0047】更にまた、第一及び第二のオリフィス通路
の具体的構造は、要求される防振特性や防振装置の基本
的構造等に応じて適宜に変更されるものであって限定さ
れるものでなく、例えば、加振駆動ユニット44と第二
の取付金具14との径方向での嵌着面間に第一のオリフ
ィス通路を形成することも可能である。
【0048】また、本発明は、例示の如き構造の防振装
置だけでなく、例えば、第一の取付部材としての軸部材
の外周側に離間して、第二の取付部材としての外筒部材
が配設されると共に、それら軸部材と外筒部材が、両部
材間に介装された本体ゴム弾性体で連結された構造を有
し、例えばFF型自動車用エンジンマウント等に好適に
採用される筒型防振装置等にも適用可能である。
【0049】加えて、本発明は、自動車用エンジンマウ
ントの他、自動車用のボデーマウントやデフマウント
等、或いは自動車以外の各種装置に用いられる電磁式能
動型防振装置に対して、何れも適用可能であることは、
勿論である。
【0050】その他、一々列挙はしないが、本発明は、
当業者の知識に基づいて種々なる変更,修正,改良等を
加えた態様において実施され得るものであり、また、そ
のような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、
何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、
言うまでもないところである。
【0051】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に従う構造とされた電磁式能動型防振装置においては、
加振部材と一体的に変位せしめられる安定化部材を加振
方向に離間配置すると共に、それら加振部材と安定化部
材を第一及び第二の支持ゴム弾性体によって第二の取付
部材に対して連結支持せしめたことにより、かかる加振
部材を加振方向に有利に案内し得る弾性的な支持機構
が、摺動ブッシュ等の摺動機構を用いることなく、有利
に実現され得るのである。それ故、かかる電磁式能動型
防振装置においては、加振部材を安定して高精度に加振
制御することが可能となり、目的とする能動的防振効果
を有利に且つ安定して得ることができるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としての自動車用エンジン
マウントを示す縦断面説明図である。
【符号の説明】
10 エンジンマウント 12 第一の取付金具 14 第二の取付金具 16 本体ゴム弾性体 32 ダイヤフラム 34 仕切部材 35 受圧室 40 第一のオリフィス通路 42 第二のオリフィス通路 44 加振駆動ユニット 46 ホルダブロック 48 加振板 50 安定板 54 コイル 62 連結パイプ 64 第一の支持ゴム 66 第二の支持ゴム 78 可動子 82 加振室 84 平衡室
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16F 13/18 F16F 13/00 620Q 620P (72)発明者 赤佐 彰治 愛知県小牧市大字北外山字哥津3600番地 東海ゴム工業株式会社内 (72)発明者 村松 篤 愛知県小牧市大字北外山字哥津3600番地 東海ゴム工業株式会社内 Fターム(参考) 3D035 CA05 3J047 AA03 AB01 CA04 CA12 CD01 CD05 FA01 FA02 FA03 GA03 5D107 AA12 AA14 BB20 CC09 CC10 CC13 DD03 DD12 DE01 DE02 EE01 FF02 FF03

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第一の取付部材と第二の取付部材を本体
    ゴム弾性体で連結し、該本体ゴム弾性体によって壁部の
    一部が構成されて非圧縮性流体が封入された流体室を形
    成すると共に、該流体室の壁部の別の一部を変位可能な
    加振部材で構成し、該加振部材を電磁式アクチュエータ
    で加振するようにする一方、壁部の一部が可撓性膜で構
    成されて非圧縮性流体が封入された平衡室を形成し、該
    平衡室と前記流体室を第一のオリフィス通路によって相
    互に連通せしめた電磁式能動型防振装置において、 前記加振部材に対して前記流体室と反対側に離間して対
    向位置する安定化部材を設けて、それら加振部材と安定
    化部材を連結部材で一体的に連結すると共に、該加振部
    材および該安定化部材を、第一の支持ゴム弾性体および
    第二の支持ゴム弾性体により、前記第二の取付部材に対
    してそれぞれ変位可能に弾性支持せしめて、それら加振
    部材と安定化部材の対向面間に、前記電磁式アクチュエ
    ータを配設する一方、該安定化部材を挟んで該加振部材
    と反対側に、前記平衡室を形成し、且つ前記可撓性膜を
    該電磁式アクチュエータによる加振力が及ぼされる部材
    から独立して配設したことを特徴とする電磁式能動型防
    振装置。
  2. 【請求項2】 前記流体室を、壁部の一部が前記本体ゴ
    ム弾性体で構成されて該本体ゴム弾性体の弾性変形に伴
    って圧力変化が生ぜしめられる主液室と、壁部の一部が
    前記加振部材で構成されて、該加振部材の変位に伴って
    圧力変化が生ぜしめられる副液室から構成すると共に、
    それら主液室と副液室を相互に連通する第二のオリフィ
    ス通路を設けた請求項1に記載の電磁式能動型防振装
    置。
  3. 【請求項3】 前記第一の支持ゴム弾性体および前記第
    二の支持ゴム弾性体をそれぞれ略円環形状とし、該第一
    の支持ゴム弾性体を、前記加振部材と前記第二の取付部
    材の間において、該加振部材の加振方向に略直交する軸
    直角方向対向面間に配設すると共に、該第二の支持ゴム
    弾性体を、前記安定化部材と前記第二の取付部材の間に
    おいて、前記加振部材の加振方向に略直交する軸直角方
    向対向面間に配設した請求項1又は2に記載の電磁式能
    動型防振装置。
  4. 【請求項4】 前記第二の取付部材に筒状ハウジング部
    を設け、該筒状ハウジング部の一方の開口部側に前記第
    一の取付部材を配設して前記本体ゴム弾性体で連結する
    ことにより、該筒状ハウジング部の一方の開口部を流体
    密に閉塞すると共に、該筒状ハウジング部の他方の開口
    部を前記可撓性膜で流体密に閉塞せしめて、該筒状ハウ
    ジング部に前記加振部材および前記安定化部材を収容し
    て該筒状ハウジング部の軸方向で対向配置せしめること
    により、それら加振部材と安定化部材の対向面間に配さ
    れた前記電磁式アクチュエータを該筒状ハウジング部に
    収容する一方、該加振部材と前記本体ゴム弾性体の間に
    前記流体室を形成すると共に、該安定化部材と前記可撓
    性膜の間に前記平衡室を形成した請求項1乃至3の何れ
    かに記載の電磁式能動型防振装置。
  5. 【請求項5】 前記第二の取付部材に対して固定的に取
    り付けられるホルダ部材によって支持されたコイルと、
    前記加振部材に対して固定的に設けられて、該コイルに
    対して軸方向に相対変位可能に配設せしめられると共
    に、該コイルへの通電により駆動力が及ぼされる磁性部
    材とによって、前記電磁式アクチュエータを構成した請
    求項1乃至4の何れかに記載の電磁式能動型防振装置。
  6. 【請求項6】 前記加振部材および前記安定化部材を、
    前記第一の支持ゴム弾性体および前記第二の支持ゴム弾
    性体を介して、前記ホルダ部材に対して弾性支持せしめ
    た請求項5に記載の電磁式能動型防振装置。
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