JP2008296403A - 感熱孔版印刷装置 - Google Patents

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Masayuki Shima
正行 島
Hajime Kato
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Abstract

【課題】サーマルヘッド自身を小型化する事が可能で、コモン電極による電力損失も少なくなり、なお且つコート紙印刷等においても印刷シワを発生させず、最適な印刷画像品質が得られる感熱孔版印刷装置を提供する。
【解決手段】画素1ドット分のサーマルヘッドの発熱体300を直列接続の複数の発熱体300に分割し、それらを主走査方向および副走査方向に所定の距離(ずらし量)を置いて配列する。このサーマルヘッドによって穿孔するとき、感熱性孔版原紙の副走査方向の送りピッチをずらし量のほぼ2倍にすると千鳥格子状の穿孔パターンが形成される。このようにすると主走査方向に関し弱い部分が少なくなって副走査方向の曲げに対して強くなる。
【選択図】図3

Description

本発明は、感熱孔版印刷装置に関し、さらに詳しくは、感熱孔版印刷装置に具備されているサーマルヘッドによる感熱性孔版原紙への穿孔が画像データ1つに対して複数個得られる感熱孔版印刷装置に関し、なお且つ、活性エネルギー線硬化型インキでの印刷が可能でインキを完全定着させることが出来、更には使用出来る印刷用紙としてコート紙にも印刷可能な孔版印刷装置に関する。
従来より簡便な印刷方式としてデジタル感熱式の感熱孔版印刷装置が知られている。この装置では、発熱素子あるいは発熱抵抗体とも呼ばれている微小な発熱体を主走査方向に複数配列されてなるサーマルヘッドを、熱可塑性樹脂フィルムを有する感熱性孔版原紙を介してプラテンローラに押圧させ、サーマルヘッドの発熱抵抗体にパルス的に通電し発熱させながらプラテンローラで主走査方向と直交する副走査方向に原紙を搬送することで、画像情報に基づいて加熱溶融・穿孔製版させてマスタとした後、該マスタを自動搬送して多孔性円筒状の版胴の外周面に自動的に巻き付け、その版胴上のマスタに対してプレスローラ等の押圧手段で印刷用紙を連続的に押し付けてその穿孔部分からインキを通過させ印刷用紙に転移させることで印刷画像を形成させるようになっている。
感熱孔版印刷装置には、上記したような穿孔製版を行う製版装置が装備されていて、一昔前までは上記したような感熱孔版印刷装置に搭載するサーマルヘッド自身の外形としては比較的大きく、サーマルヘッドが具備しているコモン電極幅もサーマルヘッドの発熱効率に大きく影響を及ぼさない程度のものを使用していた。けれども、近年ではサーマルヘッド自身が小型化されてきており、コモン電極での電力ロスに関して無視できなくなってきた。また、従来のサーマルヘッドでは、画像データの1画素に対応して発熱駆動される発熱体の1つに穿孔用エネルギーを印加させて原紙の熱可塑性樹脂フィルム部分に穿孔を施し、印刷画像を得ていた。
感熱孔版印刷装置を使用して印刷画像を得る場合に、ユーザに対してはより良い印刷画像を提供するということが大前提であり、また感熱孔版印刷装置に特有の裏移り(排出されてくる印刷用紙の表面ではなく、その印刷用紙の裏面に前の印刷物の印刷用紙表面のインキが転移して生じるインキの汚れ不具合を指す)をより低減することができる装置が今後はさらに望まれる。昨今では上述した印刷画像品質の向上等の他に、より安い製品であると共に、地球規模で考えた場合に環境に優しい製品を作り上げていくことがますます必要になってきており、そのためには感熱孔版印刷装置を構成している部品自身の製造高効率化および部品材料等の量等の低減化が必須となってきている。それ故に、部品としてはより小型化にしていかなければならなくなってきており、製版印刷装置や製版装置に搭載されているサーマルヘッドにおいても、小型化を図って活用する技術の確立を進めていかなければならない。
従来の感熱孔版印刷装置において、インキはエマルジョンインキであり、用紙への転写後インキはすぐには定着しない。印刷物の乾燥は、インキの用紙への吸収そして自然乾燥に頼っている。つまり孔版印刷を実行するに際して、通常の印刷インキを使用すると、インキは浸透乾燥されるために裏移りや泌み通しが生じるので、一般に良好な両面印刷物は得難く、また表面が光沢を有するアート紙やコート紙では容易に乾燥しないので、片面印刷であっても良好な印刷物を得難かった。そこで、活性エネルギー線硬化型のインキと活性エネルギー線照射手段を使用して、孔版により印刷する装置がある(例えば、特許文献1 参照。)。しかし、この感熱孔版印刷装置では、活性エネルギー線硬化型インキの使用は記載されているが、用紙の種類による問題点には言及されておらず、実際に活性エネルギー線硬化型インキとコート紙との組み合わせで印刷すると、感熱性孔版原紙の浮きによる印刷シワ(白スジ状の画像)や感熱性孔版原紙の寄りが発生していた。
特開平05−64878号公報
本発明の目的としては、
感熱孔版印刷装置でサーマルヘッドを使用してマスタに製版させる際に、製版すべき如何なる原稿画像であっても、コモン電極等での電力ロスを抑制することができ、
溶融穿孔・製版されたマスタの穿孔状態として、均一かつ微細であって各穿孔が互いに独立したものを、画像データの1画素に対応して発熱駆動されるサーマルヘッドの発熱体の如何なる箇所においても得られ、
主走査方向および副走査方向の解像度に応じた好適な穿孔画像を形成して、製版すべき如何なる原稿画像においても、マスタ収縮を抑えることにより画像寸法再現性が良好で、なおかつ、印刷画像濃度ムラ等が少ない最適な印刷画像を形成することができ、
同時に感熱孔版印刷装置で使用するインキの印刷用紙への過剰転移を低減することにより製版印刷装置特有の裏移りという不具合をかなり低減することができ、
また感熱孔版印刷装置に搭載されるサーマルヘッドの小型化に伴い、製造上高効率化を達成し、ユーザにとっては安価なものとなって製品の価格にも反映できると共に、
サーマルヘッドの小型化に伴い使用材料の量等を低減できて、ひいてはより環境に優しいものを提供できる
というこれらの多くのメリットが得られる感熱孔版印刷装置を提供することと、
感熱孔版印刷装置で使用するインキがエマルジョンインキ若しくは孔版印刷用活性エネルギー線硬化型インキの場合であっても、如何なる条件下(環境温度、サーマルヘッド温度、インキ温度、インキ種類、用紙別(非コート/コート紙等))においてもマスタの浮きによるマスタ破れや印刷シワ等が発生せず、最適な印刷画像品質が得られる孔版印刷装置を提供する事にある。
請求項1に記載の発明では、主走査方向に配列された多数の発熱部を具備してなるサーマルヘッドに対して、少なくとも熱可塑性樹脂フィルムを有する感熱性孔版原紙をプラテンローラで押圧させた状態で、前記主走査方向と直交する副走査方向にマスタ搬送手段により前記感熱性孔版原紙を移動させながら、所定の解像度の画像信号に応じて前記発熱部を発熱させて前記熱可塑性樹脂フィルムを位置選択的に溶融穿孔して前記画像信号に応じた穿孔パターンを生じたマスタを得、このマスタを印刷ドラムに巻装し、該印刷ドラムの内周側からインキを供給し、前記穿孔パターンを介して滲み出たインキにより前記画像信号に応じたインキ画像を印刷用紙上に形成する印刷部を有する感熱孔版印刷装置において、1つの画像データに対応して、複数の微細化発熱抵抗体からなる微細化発熱抵抗体群を前記主走査方向に配列具備し、前記微細化発熱抵抗体群内の各微細化発熱抵抗体が主走査方向に対して一列直線上ではなく、副走査方向に関して所定の距離のずらし量でずらして配置されていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の感熱孔版印刷装置において、前記各微細化発熱抵抗体の副走査方向へのずらし量は、サーマルヘッドの解像度ピッチの1/2以下とすることを特徴とする。
請求項3に記載の発明では、請求項1または2に記載の感熱孔版印刷装置において、前記感熱性孔版原紙を移動させる送りピッチは、前記主走査方向に関するサーマルヘッドの解像度ピッチの1/2以下で、前記ずらし量以上とすることを特徴とする。
請求項4に記載の発明では、請求項3に記載の感熱孔版印刷装置において、前記感熱性孔版原紙を移動させる送りピッチは、前記ずらし量のほぼ2倍に設定したことを特徴とする。
請求項5に記載の発明では、請求項1ないし4のいずれか1つに記載の感熱孔版印刷装置において、前記各微細化発熱抵抗体の主走査方向の寸法Wは、以下の(式1)で算出された長さであることを特徴とする。
W=α1×1000×25.4÷Rs ・・・(式1)
W :微細化発熱抵抗体の主走査方向長さ(μm)
α1:係数(α1=0.15〜0.40)
Rs:サーマルヘッドの解像度(dpi)
請求項6に記載の発明では、請求項1ないし5のいずれか1つに記載の感熱孔版印刷装置において、前記各微細化発熱抵抗体の副走査方向の寸法Lは、以下の(式2)で算出された長さであることを特徴とする。
L=α1×1000×25.4÷Rs ・・・(式2)
L :微細化発熱抵抗体の副走査方向長さ(μm)
α2:係数(α2=0.20〜0.45)
Rs:サーマルヘッドの解像度(dpi)
請求項7に記載の発明では、請求項1ないし6のいずれか1つに記載の感熱孔版印刷装置において、環境温度を得る環境温度検出手段、前記サーマルヘッドの温度を得るサーマルヘッド温度検出手段、インキの温度を得るインキ温度検出手段、インキ種類設定手段若しくは同検出手段、用紙種類設定手段若しくは同検出手段のいずれか1つ以上を有し、前記サーマルヘッドに与えるエネルギーは、前記各手段からの1つ以上の情報を基に調整することを特徴とする。
請求項8に記載の発明では、請求項1ないし7のいずれか1つに記載の感熱孔版印刷装置において、環境温度を得る環境温度検出手段、前記サーマルヘッドの温度を得るサーマルヘッド温度検出手段、インキの温度を得るインキ温度検出手段、インキ種類設定手段若しくは同検出手段、用紙種類設定手段若しくは同検出手段のいずれか1つ以上を有し、前記印刷部にて前記印刷ドラムに与える印圧は、前記各手段からの1つ以上の情報を基に調整することを特徴とする。
請求項9に記載の発明では、請求項1ないし8のいずれか1つに記載の感熱孔版印刷装置において、前記感熱性孔版原紙は、熱可塑性樹脂フィルムの1面に少なくとも多孔性樹脂膜の塗布層1層が設けられていることを特徴とする。
請求項10に記載の発明では、請求項1ないし9のいずれか1つに記載の感熱孔版印刷装置において、エマルジョンインキおよび活性エネルギー硬化型インキのどちらも使用可能であることを特徴とする。
請求項11に記載の発明では、請求項1ないし10のいずれか1つに記載の感熱孔版印刷装置において、印刷用紙としては、非コート紙、コート紙のどちらも使用可能であることを特徴とする。
本発明によれば、サーマルヘッド自身を小型化する事が可能で、コモン電極による電力損失も少なくなり、なお且つコート紙印刷等においても印刷シワを発生させず、最適な印刷画像品質が得られる感熱孔版印刷装置を提供する事が可能となる。
図1は公知のデジタル孔版印刷装置を示す図である。
同図において符号100は孔版印刷装置、101は原稿読み取り部、102は製版部、103は給紙部、104は印刷部、105は排紙部、106は排版部をそれぞれ示す。
図2は活性エネルギー線硬化定着装置を備えた印刷装置を示す概念図である。
同図において符号200は感熱孔版印刷装置本体、201は活性エネルギー線硬化定着装置、203は給紙部、204は排紙台をそれぞれ示す。
図1にはプレスローラ方式が図示されているが、圧胴方式の感熱孔版印刷装置でも無論本発明は適用される。
本発明に多くは関わらない工程(給紙部103、印刷部104、排版部106等)については説明を省略した。
本発明では、活性エネルギー線硬化型のインキの使用が可能である為、その活性エネルギー線硬化型のインキを硬化させる為の活性エネルギー線硬化定着装置を孔版印刷装置の排紙側に併設され他図を図2に示した。
図2において、感熱孔版印刷装置本体200(図1の100に相当)に、給紙部203が設けられている。孔版印刷装置200の排紙側に活性エネルギー線硬化定着装置201が併設されており、この装置内には活性エネルギー線ランプや印刷用紙を搬送するモータやベルト、吸着ファン等が組み込まれている。そして、この活性エネルギー線硬化定着装置201内で活性エネルギー線硬化型インキを印刷用紙上に定着させ、ベルト・吸着搬送で排紙台204へ印刷・定着済み印刷用紙を排紙させる。
図3は本発明のサーマルヘッドの構成を説明するための図である。同図(a)は従来の1つの画像データに1つの発熱抵抗体を対応させる構成、同図(b)は1つの画像データに2つの微細化発熱抵抗体を並べて対応させる構成、同図(c)、(d)は1つの画像データに2つの微細化発熱抵抗体をずらして対応させる構成をそれぞれ示す図である。
同図において符号300は発熱抵抗体、300’は微細化発熱抵抗体群、301はリード電極、302は微細化発熱抵抗体、303はコモン電極、304は折り返し電極、Prはサーマルヘッドの解像度ピッチをそれぞれ示す。
従来の発熱体300の構成は、同図(a)に示すように、1つの画素に対して1つの発熱体300が対応する構成になっており、リード電極301およびコモン電極303によって所定の電源に接続されている。他の従来例の同図(b)は1つの画素に対して2個の微細化発熱抵抗体302が主走査方向に所定の間隔を空けて配置され、1つの発熱体300であるかのように微細化発熱抵抗体群300’を形成する構成となっている。すなわち2個の微細化発熱抵抗体302は折り返し電極304を介して電気的に直列に接続されており、発熱するときは両方同時に発熱することになる。
これに対し、本発明の同図(c)、(d)に示す構成は、1つの画素に対して2個の微細化発熱抵抗体302が主走査方向に所定の間隔を空けて配置される点では同図(b)に類似であるが、副走査方向にも所定の間隔を空けて配置されている点が異なる。
同図(b)は2個の微細化発熱抵抗体302が同一主走査方向に並んでおり、同図(c)、(d)は2個の微細化発熱抵抗体302が副走査方向にずらして配置されている。
同図(c)、(d)に示した本発明のサーマルヘッドの構成の特徴は、1つの画像データに対して2つの微細化発熱抵抗体302を発熱させるのであるが、その2個は主走査方向に対して1列に並べないで、所定の距離のずらし量を与えて配置する。本実施例では、そのずらし量の所定の距離として、それぞれ、副走査方向に対し上記サーマルヘッドの解像度ピッチPrの1/4、および1/2としている。このような配列で穿孔を行うと、1回の穿孔で感熱性孔版原紙上には孔の千鳥状パターンができる。したがって、原紙を所定ピッチで送りながら連続的に穿孔すると、原紙上には千鳥格子状のパターンが形成される。
主走査方向に関するピッチPrはサーマルヘッドの構成によって定まるので、同図のように主走査方向で示してあるが、通常主走査方向の解像度と副走査方向の解像度は同じ値に採っているので、同図のPrで副走査方向の画素ピッチも代用する。ただし、副走査方向の解像度は孔版原紙の送りピッチで定まるものであり、主走査方向と必ずしも同じになるとは限らない。
ずらし量はPrの1/2に限った事ではなく、プラテンローラでのニップ幅、リード電極長さの違いによる放熱性の違い等の観点からも極力短い方が望ましく、細線等の再現性等の点からも上記サーマルヘッドのピッチPrの1/2以下にする事が望ましい。
サーマルヘッドの構成上以下のような利点もある。
従来のサーマルヘッドにおける発熱体300と本発明のサーマルヘッドでの微細化発熱抵抗体302の寸法として、主走査方向と副走査方向の寸法の比率が1:1であって(簡単に言えば、どちらも正方形であって)、各厚みおよび各材料が等しいものであるのならば、電気抵抗値としては抵抗値の式R=ρL/Sによって、発熱体1個あたりの抵抗値が互いに等しくなる(R:抵抗値、ρ:抵抗率、L:長さ、S:断面積)。すなわち、本発明のサーマルヘッドの抵抗値としては、従来のサーマルヘッドよりも微細化発熱抵抗体302が2つの直列接続なので2倍の抵抗値が得られる。したがって、高抵抗化が図れるということは流れる電流も抑制することができることであるから、コモン電極でのエネルギーロスという影響はかなり低減することができる。なお、過剰なほど高抵抗になってしまう場合には、上記した式で分かるように、微細化発熱抵抗体302の厚みを増すことで抵抗値を下げることができ、微細化発熱抵抗体302の寿命としても延命効果が得られるという利点もある。
サーマルヘッドの小型化を図る際には、コモン電極幅を如何に狭幅化できるかが重要な項目の1つである。本発明のサーマルヘッドによれば、折り返し電極幅としては低電流化によりコモン電極での電力損失をかなり低減できるので、かなり狭幅化することができ、サーマルヘッドの小型化に対してもかなり有効となる。
図4はサーマルヘッドとプラテンローラの位置関係を説明するための図である。同図(a)は従来方式による図、同図(b)は本発明の方式による図である。
同図において121は発熱部、122はサーマルヘッド基板、103はプラテンローラをそれぞれ示す。
その他の利点として、折り返し電極幅の狭幅化を達成できるということは、副走査方向の下流端面側である感熱性孔版マスタの搬送出口側での薄膜基板もしくはアルミ放熱板端面に、微細化発熱抵抗体302を極力近づけることができ、プラテンローラ103で感熱性孔版マスタをサーマルヘッドに対して密着させる際の感熱性孔版マスタの搬送出口側での端面から微細化発熱抵抗体302までの距離を短くすることができると共に、搬送出口側での端面から微細化発熱抵抗体302までの薄膜基板上のニップ幅自体としても短くできることを意味している。プラテンローラ103で感熱性孔版マスタをサーマルヘッドに密着させる際の感熱性孔版マスタの搬送出口側での端面から微細化発熱抵抗体302までの薄膜基板上のニップ幅を短くした場合の作用利点としては、製版すべき如何なる原稿画像においても、特にはプラテンローラ103と感熱性孔版マスタとの摩擦力不足により生じる滑りによって発生する副走査方向でのマスタ収縮等にかなり有効で、そのマスタ収縮を極力低減して、画像寸法再現性が極めて良好で、製版シワ等が無く、最適な印刷画像を形成することができるなど極めて有効となってくる。
図5は本発明の孔版印刷装置でのサーマルヘッドで溶融穿孔される穿孔パターンを示す図である。同図(a)は図3(c)に示すサーマルヘッドによる穿孔パターン、図5(b)は図3(a)もしくは図3(b)に示す従来型のサーマルヘッドによる穿孔パターンをそれぞれ示す図である。ただし、孔のサイズが同じになるように表示してある。
図5において符号400はサーマルヘッドで溶融穿孔させた孔、401は2個ある微細化発熱抵抗体群の一方の発熱抵抗体の主走査方向配列を示すライン、402は他方の発熱抵抗体の主走査方向配列を示すライン、403は溶融穿孔された孔の副走査方向のピッチPr、404は一方の発熱抵抗体と他方の発熱抵抗体の副走査方向のずらし量、405は溶融穿孔された孔の主走査方向のピッチをそれぞれ示す。
同図(a)は本発明での概略的な穿孔パターンであり、ベタ部での状態を抜粋したものである。
本発明では、1つの画像データに対して副走査方向にずらして2つの穿孔を施す。特徴的なこととしては、大きくは製版パターンの配置として蜂の巣(いわゆるハニカム)のようになっていることであり、規則正しく配置されている事である。同図(a)は、サーマルヘッドでの発熱部で溶融穿孔された状態であって、微細化発熱抵抗体群の各微細化発熱抵抗体のずらし量として、副走査方向に対し上記サーマルヘッドの解像度により定まるピッチPrの1/4と設定してあり、感熱性孔版原紙の副走査方向への送りピッチは、上記サーマルヘッドのピッチPrの1/2の図となっている。
このように、感熱性孔版原紙の副走査方向への送りピッチは、原則として、ずらし量の2倍程度にしておくと、穿孔後の孔のパターンが均等な配列になるので好ましい。同図(b)に示した従来方式による穿孔密度と同程度の穿孔密度を得るには、同図(a)に示すようにずらし量をPrの1/4、副走査方向への送りピッチをPrの1/2とするのが良い。
これよりもさらに穿孔密度をあげるには、送りピッチを1/2以下にすればよい。ただし、送りピッチをずらし量以下にすると孔の配列が好ましい形にならないので、送りピッチはずらし量よりは大きくしておく必要がある。
参考迄に従来の穿孔状態に関しても同図(b)に記載しておく。この図は図3(a)のサーマルヘッドで穿孔されたものを示しており、孔の大きさを図4(a)に示すそれと同じ大きさに表示してある。400’、403’は同図(a)での400、403に各々対応しており、405’はサーマルヘッドの解像度でのピッチを示している。また、本発明の穿孔状態としては、独立穿孔されており、その熱可塑性樹脂フィルムの溶融穿孔した際の残存幅が熱可塑性樹脂フィルムの厚みよりも広いことが特徴である。
なお、本発明で使用する感熱性孔版原紙に於いては、熱可塑性樹脂フィルムの片面に多孔性樹脂膜の塗布層1層が設けられているものを使用している。理由としては、上述した内容の感熱性孔版原紙ではフィルム面での平滑性が向上したものであるので、より穿孔不良が低減され、また、インキの分散性も良好となる為、更なる好適な印刷画像品質を得る事が可能となる為である。
本発明でのサーマルヘッドの、各微細化発熱抵抗体の主走査方向寸法Wは、以下の(式1)で算出された長さである事を特徴としている。
W=α1×1000×25.4÷Rs ・・・(式1)
W:微細化発熱抵抗体の主走査方向長さ(μm)
α1:係数(α1=0.15〜0.40)
Rs:サーマルヘッドの解像度(dpi)
また、本発明でのサーマルヘッドの、各微細化発熱抵抗体の副走査方向寸法Lは、以下の(式2)で算出された長さである事を特徴としている。
L=α2×1000×25.4÷Rs ・・・(式2)
L :微細化発熱抵抗体の副走査方向長さ(μm)
α2:係数(α2=0.20〜0.45)
Rs:サーマルヘッドの解像度(dpi)
前述の、解像度によって定まるピッチPrは上記両式に含まれる式、すなわち、
Pr=1000×25.4÷Rs
によって表される。したがって、(式1)、(式2)は次のように表すことができる。
W=α1×Pr ・・・(式3)
L=α2×Pr ・・・(式4)
この式から分かるように、係数αは、ピッチPrに対するサーマルヘッドのサイズの占める率を表している。したがって、感熱性孔版原紙の副走査方向への送りピッチがピッチPrの1/2以下にする場合は、当然ながら係数αは少なくともその送りピッチ以下にしておくことが必要である。
(式1)において、α1が0.15未満だと一般的に他のメディアと比較した場合に感熱性孔版原紙のサーマルヘッドの単位面積当たりの必要印加エネルギーは高い為、サーマルヘッドの寿命の劣悪化を招いてしまう問題が発生する。その逆にα1が0.5より大きい場合には、感熱性孔版原紙への穿孔状態として主走査方向に対して最悪分離せず、感熱孔版印刷機特有の裏移り問題や耐刷性等の劣悪化を招いてしまう。したがって、α1は0.4より小さいことが望ましい。(式2)でも同様であり、α2が0.2未満だとサーマルヘッドの寿命の劣悪化を招いてしまう問題が発生し、α2が0.5よりも大きい場合には、感熱性孔版原紙への穿孔状態として副走査方向に対して最悪分離せず、感熱孔版印刷機特有の裏移り問題や耐刷性等の劣悪化を招いてしまう。したがって、α2は0.45より小さいことが望ましい。
(式1)、(式2)の条件を満足することによって、感熱性孔版マスタの主走査方向の穿孔の大きさとして好適なものとなり、サーマルヘッドでの微細化発熱抵抗体の延命化が図れ、また、マスタのスティッキング等から生じる画像寸法再現性が低下すること無く、印刷時でのマスタ破れやマスタ伸び等が避けられ、耐刷枚数の延命化を図る事が可能となる。
図6は本発明を説明するためのフローチャートである。
同図において符号Sは流れのステップを示す。
図7は操作パネルの一例を示す図である。
同図において符号90は操作パネル部、98はタッチパネル、99は7セグメントコード表記部をそれぞれ示す。
説明は本発明に関わる箇所のみ概略を説明する事にし、関わらない箇所に関しては省略する。
先ず、ステップS1で、少なくとも環境温度、サーマルヘッド温度、インキ種類、インキ温度、用紙種類のいずれか1つ以上の情報を収集する。その収集方法としては、環境温度、サーマルヘッド温度、インキ温度等の温度関係に関しては、サーミスタ等を使用してそのサーミスタ等の入力値をA/D変換して情報収集する。
その他のインキ種類、用紙種類等に関しては、入力手段を用意して、操作者が必要に応じ、操作パネル部90のタッチパネル98上で入力して設定し識別することができる。その識別した内容はタッチパネル上などに表示しておく。全て操作パネル部90のタッチパネル98上に表示してもよいが、これに限ったことではなく、単なるLCD表示やLED表示、7セグメントを使用したコード表記99でも構わないし、警告音、音声等で告知しても構わない。
インキ種類を検知する検知手段を用意することもできる。検知方法としては、エマルジョンインキ、活性エネルギー硬化インキのどちらのインキを使用しているかのインキ種類検知手段を用いても構わない。インキ種類検知手段に関して説明すると、活性エネルギー硬化インキは、エマルジョンインキよりもインキの凝集力、降伏値が高い。そこで、印刷ドラム110の駆動部には図示しないモータトルク測定器を設置しておき、印刷ドラム110の回転負荷(トルク)が大きい場合、活性エネルギー硬化インキが使用されていると判断出来るようになっているものである。
用紙種類の識別としては、コート紙、非コート紙のみではなく、具体的な用紙種類名等を図6のタッチパネル98上で選択、若しくは入力して、より細かな制御、そして好適な印刷画像が得られるように構成されていても構わない。用紙種類を検知する手段を設けておいて、操作者を介さず、自動的に識別しても良い。
図8は環境等の条件と印加すべきエネルギーの増減関係を示す図である。
ステップS2で、工程の段階によって、製版動作と印刷動作に分岐される。先ず製版動作の方は、上述したような方法で少なくとも環境温度、サーマルヘッド温度、インキ種類、インキ温度、用紙種類のいずれか1つ以上の情報を収集した内容でサーマルヘッドへの印加エネルギーを設定し、その設定された好適な印加エネルギーにて製版させる。一般的なサーマルヘッドへの印加エネルギーの大小を同図に記載している。環境温度、サーマルヘッド温度、インキ温度に対しては、その温度が高い程、印加エネルギーを小さく制御する。その逆にその温度が低い程、印加エネルギーを大きく制御する。これは、使用するインキが温度特性を持っており、インキ吐出し量を制御する為や使用する感熱性孔版原紙の穿孔温度特性を補う為である。また、条件項目により各々寄与率が違う為、その制御の大小が異なる事は無論説明するまでも無い。
次にインキ種類に関して、本発明に於いては大きくエマルジョンインキと活性エネルギー硬化型インキに大別する事が出来る。一般的には、エマルジョンインキの方が印刷用紙上に印刷した場合の印刷ドットの拡がりが、活性エネルギー硬化型インキよりも大きい為、サーマルヘッドへの印加エネルギーを小さくし、感熱性孔版マスタへの穿孔状態を小さくして、その印刷ドットの拡がりを抑制させる。しかしながら、エマルジョンインキと活性エネルギー硬化型インキに大別したが、インキの処方次第ではその逆転もあり得るので、一概には言えないが、設定する際にその諸特性を見極めて実施すれば構わない。エマルジョンインキ、活性エネルギー硬化型インキでも数種類のインキ等を扱える場合や、各々のカラーインキ等のようにもう少し詳細に設定および識別し、より細かい制御で各々のインキに好適な製版画像を作成しても構わない。
このように、エマルジョンインキ及び活性エネルギー硬化型インキの双方使用することが可能であることから、使用者が完全定着させた印刷物を要望する場合においても印刷シワを発生させず、好適な印刷画像品質を得る事が可能となる。
用紙種類に関しては、非コート紙とコート紙で大別する事が出来る。一般的にコート紙は非コート紙に比べて、印刷用紙上の印刷ドットの拡がりは小さい為、サーマルヘッドへの印加エネルギーを大きくし、感熱性孔版マスタへの穿孔状態を大きくして、その印刷ドットとして好適なものを得るようにする。しかしながら、非コート紙、コート紙にも様々なものがある。例えば、コート紙に於いては、グロス紙と呼ばれるものは用紙表面の平滑性がかなり高く、印刷ドットの拡がりを見せないものやマット紙と呼ばれるものはグロス紙よりも用紙表面の平滑性が低く、印刷ドットの拡がりがある程度あるものもある。この様に各印刷用紙を詳細に設定し、より細かい制御で各々の印刷用紙に好適な製版画像を作成しても構わない。本発明では、特にはコート紙での感熱性孔版マスタの浮きによる印刷シワ(白スジ状の画像)を抑制するものであるので、この製版時での設定条件はかなり重要である。尚、製版させるモード(文字モード、写真モード)が各種あるが、無論そのモードによって好適な製版画像を得るようにモード毎に調整しても構わない。そのような総合的な組み合わせに最適な製版画像が得られるように設定・制御出来ることを1つの特徴としている。
このように、印刷用紙として、非コート紙のみならず、コート紙で印刷することが可能であることから、コート紙で主に発生する印刷シワを発生させず、最適な印刷画像品質が得られ、特にコート紙のベタ埋まりに関しても良好な印刷画像を得られる感熱孔版印刷装置を提供する事が可能となる。
図9は環境等の条件と印加すべき印圧の増減関係を示す図である。
次に、印刷動作の方は、上述したような方法で少なくとも環境温度、サーマルヘッド温度、インキ種類、インキ温度、用紙種類のいずれか1つ以上の情報を収集した内容と設定された印刷速度で印刷部での印圧を設定し、その設定された印圧にて印刷させる。一般的な印刷部での印圧の大小を同図に記載している。環境温度、サーマルヘッド温度、インキ温度に対しては、その温度が高い程、印圧を小さくして印刷する。その逆にその温度が低い程、印圧を大きくして印刷する。これは、使用するインキが温度特性を持っており、そのインキ吐出し量を制御する為や使用する感熱性孔版マスタの穿孔温度特性を補う為である。また、条件項目により各々寄与率が違う為、その制御の大小が異なることは無論説明するまでも無い。
前述のように、一般的には、エマルジョンインキの方が印刷用紙上に印刷した場合の印刷ドットの拡がりが、活性エネルギー硬化型インキよりも大きい為、印刷部での印圧を小さくし、その印刷ドットの拡がりを抑制させる。しかしながら、エマルジョンインキと活性エネルギー硬化型インキに大別したが、インキの処方次第ではその逆転もあり得るので、一概には言えないが、設定する際にその諸特性を見極めて実施すれば構わない。エマルジョンインキ、活性エネルギー硬化型インキでも数種類のインキ等を扱える場合や、各々のカラーインキ等のようにもう少し詳細に設定および識別し、より細かい制御で各々のインキに好適な印圧に設定しても構わない。
このように、エマルジョンインキ及び活性エネルギー硬化型インキの双方使用することが可能であることから、使用者が完全定着させた印刷物を要望する場合においても印刷シワを発生させず、好適な印刷画像品質を得る事が可能となる。
前述のように、一般的にコート紙は非コート紙に比べて、印刷用紙上の印刷ドットの拡がりは小さい為、印刷部での印圧を大きく設定し、その印刷ドットとして好適なものを得るようにする。しかしながら、非コート紙、コート紙にも様々なものがある。例えば、コート紙に於いては、グロス紙と呼ばれるものは用紙表面の平滑性がかなり高く、印刷ドットの拡がりを見せないものやマット紙と呼ばれるものはグロス紙よりも用紙表面の平滑性が低く、印刷ドットの拡がりがある程度あるものもある。この様に各印刷用紙を詳細に設定し、より細かい制御で各々の印刷用紙に好適な印圧を設定しても構わない。本発明では、特にはコート紙での感熱性孔版マスタの浮きによる印刷シワ(白スジ状の画像)を抑制するものであるので、この印刷時での設定条件はかなり重要である。尚、製版させるモード(文字モード、写真モード)が各種あるが、無論そのモードによって好適な印刷画像を得るようにモード毎に印圧を調整しても構わない。そのような総合的な組み合わせに最適な印刷画像が得られるように設定・制御出来る事も1つの特徴としている。
このように、印刷用紙として、非コート紙のみならず、コート紙で印刷することが可能であることから、コート紙で主に発生する印刷シワを発生させず、最適な印刷画像品質が得られ、特にコート紙のベタ埋まりに関しても良好な印刷画像を得られる感熱孔版印刷装置を提供する事が可能となる。
図7ないし図9を用いて示した本発明によれば、いかなる環境・条件下においても適正な印刷物を得ることができるようになる。
図10はマスタのベタ部穿孔状態と印刷結果を従来技術と本発明で比較した図である。同図(a)は従来技術による穿孔状態、同図(b)はその印刷結果、同図(c)は本発明による穿孔状態、同図(d)はその印刷結果をそれぞれ示す。
従来の製版方法で穿孔したマスタでコート紙に印刷した場合の穿孔状態および印刷状態と本発明の製版方法によるそれらを同図に示し、活性エネルギー線硬化型インキとコート紙との組み合わせで印刷中に発生する感熱性孔版マスタの浮きによる印刷シワに関して説明する。
同図は33×33mmベタ画像を穿孔製版させ、印刷したものである。
同図(b)は従来の製版方法と活性エネルギー線硬化型インキの組み合わせでコート紙に印刷した印刷物で活性エネルギー線硬化定着装置201を使用し、完全定着させた印刷物であり、同図(d)が本発明によるもので、1つの画像データに対応して、複数発熱駆動される微細化発熱抵抗体群を上記主走査方向に具備し、上記微細化発熱体群の各微細化発熱抵抗体が主走査方向に対して一列直線上ではなく、副走査方向に対し上記サーマルヘッドの解像度ピッチPrの1/4だけ離したもので孔版印刷装置で活性エネルギー線硬化型インキとコート紙の組み合わせで印刷し、活性エネルギー線硬化定着装置201を使用し、完全定着させた印刷物である。この実施例では、副走査方向の解像度がサーマルヘッドの解像度の2倍となり、高画質化となる。
上記印刷を実施した条件概要を以下に示す。
《条件》
環境 :23℃ 42%RH
サーマルヘッド解像度:(従来) 600dpi
(本発明)300dpi
副走査方向送りピッチ: 600dpi相当
本発明サーマルヘッド微細化発熱体寸法:
主走査20μm、副走査20μm
使用マスタ :(株)リコー製TypeIマスタ
使用インキ :今回実験用に試作した孔版印刷用活性エネルギー線硬化型インキ
印刷用紙 :三菱製紙製パールコート紙68k
印刷機 :リコー製サテリオA650改造品
同図(b)に示す印刷結果では、問題となるベタ画像でベタの横方向に白スジ状の画像が発生してしまっているのに対して、同図(d)に示す印刷結果では、ベタ画像に於いて問題の無い画像が得られている。
白スジ状の画像(印刷シワ)が発生する理由としては、第1にコート紙は非コート紙に比べ平滑度が高いため用紙と感熱性孔版マスタの密着力が高いこと、第2に活性エネルギー線硬化性インキは一般的にインキの凝集力、降伏値が高いため用紙とマスタの密着力が高くなることが挙げられる。そのため印刷している際にベタ印刷部が徐々に感熱性孔版マスタの搬送後方側即ち印刷画像の排出後方側へ引っ張られて最初は感熱性孔版マスタの浮きによる曲げが発生し、徐々に感熱性孔版マスタが伸びてたるみ、ひだになって感熱性孔版マスタの浮きによる印刷シワ(白スジ状の画像)が発生してしまう。
図11は従来技術によるマスタの折れ曲がりやすさを示す図である。
図12は本発明によるマスタの折れ曲がりにくさを示す図である。
このようなシワは感熱孔版印刷装置では致命的な問題であり、また許されない問題でもある。しかし、本発明のサーマルヘッドによる穿孔パターンとしては、2個の微細化発熱体の一方で溶融穿孔された孔が隣接ビット同士一列上に形成され、他方の微細化発熱体で溶融穿孔させた孔が主走査方向に対して上記一列上に隣り合わないことを特徴としている(副走査方向にずらしている)ので、両図に太線Rで示すように、孔部が最も多い主走査方向の直線部を見ると、従来技術による図11の場合は、非画像部(穴の開いていない部分)の長さの和が非常に小さい。これに対し、本発明による図12の場合は、同図に太線Rで示すように、非画像部の長さの和が図11の場合の2倍以上長くなっている。したがって、本発明によるマスタの方が、副走査方向への曲げ、折れ等には強くなっており、結果的にベタ部での印刷シワに対して効果が得られる。
以上述べてきたように、本発明では、感熱孔版印刷装置で使用するインキがエマルジョンインキ若しくは孔版印刷用活性エネルギー線硬化型インキの場合であっても、さらには非コート紙(上質紙等)若しくはコート紙の場合であっても、感熱性孔版マスタの印刷シワが発生せず、最適な印刷画像品質が得られる感熱孔版印刷装置を提供する事が可能となる。
公知のデジタル孔版印刷装置を示す図である。 活性エネルギー線硬化定着装置を備えた印刷装置を示す概念図である。 本発明のサーマルヘッドの構成を説明するための図である。 サーマルヘッドとプラテンローラの位置関係を説明するための図である。 本発明の孔版印刷装置のサーマルヘッドで溶融穿孔される穿孔パターンを示す図である。 本発明を説明するためのフローチャートである。 操作パネルの一例を示す図である。 環境等の条件と印加すべきエネルギーの増減関係を示す図である。 環境等の条件と印加すべき印圧の増減関係を示す図である。 マスタのベタ部穿孔状態と印刷結果を従来技術と本発明で比較した図である。 従来技術によるマスタの折れ曲がりやすさを示す図である。 本発明によるマスタの折れ曲がりにくさを示す図である。
符号の説明
100 孔版印刷装置
102 製版部
201 活性エネルギー線硬化定着装置
300 発熱抵抗体
302 微細化発熱抵抗体群

Claims (11)

  1. 主走査方向に配列された多数の発熱部を具備してなるサーマルヘッドに対して、少なくとも熱可塑性樹脂フィルムを有する感熱性孔版原紙をプラテンローラで押圧させた状態で、前記主走査方向と直交する副走査方向にマスタ搬送手段により前記感熱性孔版原紙を移動させながら、所定の解像度の画像信号に応じて前記発熱部を発熱させて前記熱可塑性樹脂フィルムを位置選択的に溶融穿孔して前記画像信号に応じた穿孔パターンを生じたマスタを得、このマスタを印刷ドラムに巻装し、該印刷ドラムの内周側からインキを供給し、前記穿孔パターンを介して滲み出たインキにより前記画像信号に応じたインキ画像を印刷用紙上に形成する印刷部を有する感熱孔版印刷装置において、1つの画像データに対応して、複数の微細化発熱抵抗体からなる微細化発熱抵抗体群を前記主走査方向に配列具備し、前記微細化発熱抵抗体群内の各微細化発熱抵抗体が主走査方向に対して一列直線上ではなく、副走査方向に関して所定の距離のずらし量でずらして配置されていることを特徴とする感熱孔版印刷装置。
  2. 請求項1に記載の感熱孔版印刷装置において、前記各微細化発熱抵抗体の副走査方向へのずらし量は、サーマルヘッドの解像度ピッチの1/2以下とすることを特徴とする感熱孔版印刷装置。
  3. 請求項1または2に記載の感熱孔版印刷装置において、前記感熱性孔版原紙を移動させる送りピッチは、前記主走査方向に関するサーマルヘッドの解像度ピッチの1/2以下で、前記ずらし量以上とすることを特徴とする感熱孔版印刷装置。
  4. 請求項3に記載の感熱孔版印刷装置において、前記感熱性孔版原紙を移動させる送りピッチは、前記ずらし量のほぼ2倍に設定したことを特徴とする感熱孔版印刷装置。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1つに記載の感熱孔版印刷装置において、前記各微細化発熱抵抗体の主走査方向の寸法Wは、以下の(式1)で算出された長さであることを特徴とする感熱孔版印刷装置。
    W=α1×1000×25.4÷Rs ・・・(式1)
    W :微細化発熱抵抗体の主走査方向長さ(μm)
    α1:係数(α1=0.15〜0.40)
    Rs:サーマルヘッドの解像度(dpi)
  6. 請求項1ないし5のいずれか1つに記載の感熱孔版印刷装置において、前記各微細化発熱抵抗体の副走査方向の寸法Lは、以下の(式2)で算出された長さであることを特徴とする感熱孔版印刷装置。
    L=α1×1000×25.4÷Rs ・・・(式2)
    L :微細化発熱抵抗体の副走査方向長さ(μm)
    α2:係数(α2=0.20〜0.45)
    Rs:サーマルヘッドの解像度(dpi)
  7. 請求項1ないし6のいずれか1つに記載の感熱孔版印刷装置において、環境温度を得る環境温度検出手段、前記サーマルヘッドの温度を得るサーマルヘッド温度検出手段、インキの温度を得るインキ温度検出手段、インキ種類設定手段若しくは同検出手段、用紙種類設定手段若しくは同検出手段のいずれか1つ以上を有し、前記サーマルヘッドに与えるエネルギーは、前記各手段からの1つ以上の情報を基に調整することを特徴とする感熱孔版印刷装置。
  8. 請求項1ないし7のいずれか1つに記載の感熱孔版印刷装置において、環境温度を得る環境温度検出手段、前記サーマルヘッドの温度を得るサーマルヘッド温度検出手段、インキの温度を得るインキ温度検出手段、インキ種類設定手段若しくは同検出手段、用紙種類設定手段若しくは同検出手段のいずれか1つ以上を有し、前記印刷部にて前記印刷ドラムに与える印圧は、前記各手段からの1つ以上の情報を基に調整することを特徴とする感熱孔版印刷装置。
  9. 請求項1ないし8のいずれか1つに記載の感熱孔版印刷装置において、前記感熱性孔版原紙は、熱可塑性樹脂フィルムの1面に少なくとも多孔性樹脂膜の塗布層1層が設けられていることを特徴とする感熱孔版印刷装置。
  10. 請求項1ないし9のいずれか1つに記載の感熱孔版印刷装置において、エマルジョンインキおよび活性エネルギー硬化型インキのどちらも使用可能であることを特徴とする感熱孔版印刷装置。
  11. 請求項1ないし10のいずれか1つに記載の感熱孔版印刷装置において、印刷用紙としては、非コート紙、コート紙のどちらも使用可能であることを特徴とする感熱孔版印刷装置。
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