JPH10329350A - サーマルヘッドおよび感熱記録装置 - Google Patents

サーマルヘッドおよび感熱記録装置

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JPH10329350A
JPH10329350A JP14204497A JP14204497A JPH10329350A JP H10329350 A JPH10329350 A JP H10329350A JP 14204497 A JP14204497 A JP 14204497A JP 14204497 A JP14204497 A JP 14204497A JP H10329350 A JPH10329350 A JP H10329350A
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JP
Japan
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heating element
scanning direction
thermal head
sub
thermal
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JP14204497A
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English (en)
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Yasunobu Kidoura
康宣 木戸浦
Hajime Kato
肇 加藤
Yoshiyuki Shishido
善幸 宍戸
Yasumitsu Yokoyama
保光 横山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tohoku Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Tohoku Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 サーマルヘッドの交換をすることなく、その
副走査方向の解像度の切り替えをユーザの所望するとお
りに簡単に行うことのできる利便性の高いサーマルヘッ
ドを提供する。 【解決手段】 発熱抵抗体4の一方に共通電極2a,2
bを他方に個別電極3を接続して形成した第1および第
2の発熱体4A,4Bを有し、第1の発熱体4Aを主走
査方向Sにアレイ状に複数個配列したサーマルヘッド5
0であって、第2の発熱体4Bを、第1の発熱体4Aに
対して、副走査方向Fにその配置位置をずらして(発熱
体4Aと発熱体4Bとの間隔を1.4mm以下とし)、
主走査方向Sにアレイ状に複数個配列し、かつ、第1お
よび第2の発熱体4A,4Bにおける副走査方向寸法が
異なる(第1発熱体4Aの寸法a1<第2の発熱体4B
の寸法a2)ことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、サーマルヘッドお
よびそれを用いる感熱記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、例えば薄膜サーマルヘッドを
用いて、感熱記録紙や感熱孔版マスタ等の感熱メディア
に感熱的に画像記録や感熱製版を行うことが広く行われ
ている。本願出願人は、先に特願平9−89740号に
おいて、後述するようなサーマルヘッドの有する微小構
造に鑑みてサーマルヘッドの寿命を向上する新規な技術
(以下、「前者の技術」という)を提案した。そこで、
以下、上記出願における課題と目的とについて言及する
ことにより、その出願経過を述べておく。
【0003】上記したような薄膜サーマルヘッドの構造
は、図18ないし図20に示すような構造を有してい
る。図19は、主走査方向Sと直交する副走査方向F
(感熱メディアの搬送方向でもある)におけるサーマル
ヘッド100の断面構造を示している。サーマルヘッド
100は、図19に示すように、その一番下部に放熱板
6と呼ばれているアルミニウムでできたベースが形成さ
れ、この放熱板6の上部にセラミックスでできた基板5
が形成され、この基板5の上部にグレーズ層1と呼ばれ
ているガラスでできた40〜80μm程度の厚さの層が
形成されている。そして、このグレーズ層1の上部にタ
ンタル(Ta)系合金材等でできている発熱抵抗体層4
が形成され、この発熱抵抗体層(以下、単に「発熱抵抗
体」というときがある)4を挾んでアルミニウムででき
た共通電極2および個別電極3が形成されており、これ
ら両者を合わせてリード電極と呼んでいる。
【0004】リード電極の共通電極2と個別電極3とで
囲まれた発熱抵抗体4のa,bで示す領域部分は、発熱
体4A(あるいは発熱素子もしくは発熱抵抗体領域とも
呼ばれる)と呼ばれており、この例の場合は平面視で矩
形状をなしている。このように、発熱体4Aは、発熱抵
抗体4の一方に共通電極2を、他方に個別電極3を接続
されて形成されている。サーマルヘッド100の主走査
方向Sには、発熱体4Aがアレイ状に複数配列されてい
る。以下、図の明確化を図るため発熱体4Aの平面視形
状を梨地模様で示す。共通電極2は、図18に示すよう
に、主走査方向Sに延びて形成された広幅パターン2A
と呼ばれている部分に接続されている。発熱体4A、共
通電極2、個別電極3および広幅パターン2A等のさら
に上部であるサーマルヘッド100の表面部には、Si
−O−N系の材料が蒸着されて形成された保護膜7と呼
ばれている層が形成されている。
【0005】図18において、符号8は発熱体4Aを駆
動させるドライブICを示し、従来のサーマルヘッド駆
動回路の例を図21に示す。サーマルヘッド駆動回路8
Bにおいて、書き込みデータは、画像データ信号より入
力され、クロック信号に同期し、シフトレジスタ13へ
シリアル転送される。そして、ある数(サーマルヘッド
100の発熱体数)を転送後、ラッチ信号によりシフト
レジスタ13のQ0,Q1…に書き込みデータ(画像デー
タ信号)が確定・出力される。次いで、通電信号のオン
時間とアンドゲート12をとることで、書き込みデータ
のあるところのドライブIC8がオンすることにより、
発熱体4A1,4A2…がオンし発熱する。つまり、サー
マルヘッド駆動回路8Bは、ドライブIC8を含み、画
像データ信号を取り込み、その画像データ信号に応じて
ドライブIC8を駆動させて発熱体4Aを選択的に発熱
駆動させるようになっている。
【0006】リード電極の共通電極2と個別電極3との
間に、ドライブIC8により選択的に一定のライン周期
をもって通電すると、その電気エネルギーが発熱体4A
で熱エネルギーに変換され、このとき発熱体4Aを流れ
る電流によりジュール熱が発生することにより、保護膜
7を介して接触する感熱メディアに熱が伝達され、感熱
紙への熱印字や感熱孔版マスタへの熱製版がされるよう
になっている。以下、熱印字や熱製版をまとめて単に熱
印字という。
【0007】一方、感熱記録紙や感熱孔版マスタ等の感
熱メディアを介して、サーマルヘッドに押圧するプラテ
ンローラやその下流側に配設されている搬送ローラ等に
より、感熱メディアを搬送するときには、感熱メディア
とプラテンローラおよびサーマルヘッドとの間に生じる
摩擦電気によって感熱メディアのプラテンローラへの張
り付きによる搬送不良が発生することがある。このよう
な感熱メディアの搬送不良の防止とプラテンローラおよ
びサーマルヘッドへの帯電量の低減を図る目的で、通
常、感熱メディアには種々の帯電防止剤等が塗布されて
いる。例えば、感熱メディアとして感熱孔版マスタを例
にとって説明すると、その搬送力を上げるために、ポリ
エステル等の熱可塑性樹脂フィルムと和紙や合成繊維あ
るいは和紙および合成繊維を混抄したものとを接着剤で
貼り合わせてラミネート構造としたものであって、帯電
防止剤の微量成分からなる層を形成したマスタや、実質
的に熱可塑性樹脂フィルムのみからなるマスタであっ
て、帯電防止剤成分を含有しているものが用いられる。
帯電防止剤成分としては、例えば特開平6−32070
0号公報に記載されているような有機スルホン酸金属塩
等の吸湿性を有するもの、あるいは例えば特公平7−6
1750号公報に記載されているような第4アンモニウ
ム塩型等からなるカチオン系のものが使用され、この帯
電防止剤が熱可塑性樹脂フィルムに塗布等されて帯電防
止剤層が形成される。
【0008】上記したような帯電防止剤層の塗布等によ
り、感熱メディアの搬送不良の防止と帯電量の低減を図
ったとしても、サーマルヘッドが図20に示すような微
小構造を有することがあることから、以下に述べるよう
な問題点を生じてしまう。
【0009】図20において、サーマルヘッド100の
微小構造の一つは、発熱抵抗体4の上部に形成されたリ
ード電極(共通電極2および個別電極3)端部等の段差
箇所において保護膜7に生じるステップガバレージのク
ラック101である。このステップガバレージのクラッ
ク101は、サーマルヘッド100の製造過程におい
て、保護膜7を蒸着させる際に、リード電極端等での段
差の影響を受けて保護膜形成後にも段差を生じている箇
所であるステップガバレージに発生するひび割れであ
る。
【0010】もう一つの微小構造は、サーマルヘッド1
00の製造過程における保護膜7の形成前後等におい
て、発熱体4A領域近傍の個別電極3や共通電極2上に
微小な異物が付着し、その異物の混入した部分が保護膜
7から剥がれてその剥離跡に符号102で示すようなピ
ンホール状の剥がれ跡が形成されることである。この異
物の剥がれた跡を以下、異物剥離箇所102という。
【0011】このようなステップガバレージのクラック
101および異物剥離箇所102を有するサーマルヘッ
ド100の表面部位には、上記のような帯電防止剤を用
いて帯電量を低減したとしても静電気は若干残留してい
る。そして、その状態を保ったままにしておくと、その
残留電位により、プラテンローラ、感熱メディア、サー
マルヘッド100の表面部位に生じたステップガバレー
ジのクラック101や、あるいは異物剥離箇所102、
リード電極に至る微弱な電気が流れる電流経路を形成し
てしまう。このような電流経路が形成されている状態に
おいて、感熱メディアに塗布されている上記した帯電防
止剤や接着剤等に含有されているカチオン系やアニオン
系等の物質が腐食性イオン生成物となり、この腐食性イ
オン生成物がサーマルヘッド100の表面部位に生じた
ステップガバレージのクラック101や異物剥離箇所1
02からサーマルヘッド100の内部に加速的にイオン
電導し、サーマルヘッド100のリード電極を腐食さ
せ、しまいにはリード電極の抵抗値が上がってしまい、
リード電極へ電力を供給しても発熱体4Aは発熱するこ
とができなくなってしまう。また、過度な熱的ストレス
による酸化や、物質そのものの変化によって発熱体4A
が破壊された場合においても、当然のことながら発熱体
4Aへ電流が供給されても発熱体4Aは発熱することが
できず、これらの結果としていわゆる画像抜けと呼ばれ
る現象が発生し、サーマルヘッド100の有する本来的
な画像再現性という機能を消滅させてしまうことで、サ
ーマルヘッド100が使用不能となる不具合があった。
【0012】また、例えば特開平6−320700号公
報に記載されているような種々の帯電防止剤に含まれて
いる有機スルホン酸金属塩等の吸湿性材料が、サーマル
ヘッド100の表面の保護膜7に接触することによる吸
湿作用によっても、結果的にサーマルヘッド100のリ
ード電極の腐食を一層促進させる場合もあった。
【0013】現在におけるサーマルヘッド100の製造
技術水準では、ステップガバレージのクラック101、
あるいは異物の混入を完全に防いで異物剥離箇所102
等を完全に無くすことは困難である上、異物剥離箇所1
02への腐食性イオン生成物の侵入を防ぐことも困難な
ものとなっている。それ故に、サーマルヘッド100を
使用する立場からすれば、サーマルヘッド100が上記
微小構造を有するものとしてサーマルヘッド100を使
わなければいけない現状にあり、結局、発熱体4A近傍
の1本のリード電極の腐食もしくは酸化、および1ビッ
トもしくは1画素の発熱体4Aの損傷により、画像抜け
(サーマルヘッド100の不良)となってしまい、高価
なサーマルヘッド100を交換するに至っていた。ま
た、上記した過度な熱的ストレスによる発熱体4Aの焼
損でも同様なことが起きていた。このことは、ユーザに
迷惑を掛けるばかりか、サーマルヘッド100の交換と
いうことでサーマルヘッド100自身を再利用すること
ができない点から、環境的にも決して望ましい状態であ
るとは言えないものとなっていた。
【0014】このようなことから、上記出願の目的は、
上述の不具合を解決するためになされたものであって、
サーマルヘッドにおけるリード電極および発熱体の新し
い配置・形状パターン、すなわち第1および第2の発熱
体を有し、第2の発熱体を、第1の発熱体に対して副走
査方向にその配置位置をずらして主走査方向にアレイ状
に複数個配列した構成等を提案することにより、サーマ
ルヘッドの延命の向上を図り、ユーザにとっても環境に
とっても望ましいサーマルヘッドを提供することにあっ
た。
【0015】また、特開昭62−216764号公報で
は、サーマルヘッドの交換周期をほぼ2倍にして実質的
にサーマルヘッドの寿命を高めることができるプリンタ
を提供することを目的として、印字用の抵抗要素が2列
並行に設けられたサーマルヘッドと、サーマルヘッドの
印字用の抵抗要素を選択的に駆動する手段と、選択駆動
される抵抗要素列に応じて印字位置を補正する手段とで
構成されている技術が提案されている。また、特開昭6
3−69664号公報では、2種類の文字サイズの印字
が可能なシリアル型熱印字ヘッドにおいて、ヘッドサイ
ズを可及的に小さくすることを目的として、印字ドット
部のピッチが互いに異なる第1発熱抵抗体と第2発熱抵
抗体を基板の左右に配置して、共通リードの切り換えに
よって両発熱抵抗体の択一的な駆動を可能にした技術も
提案されている。これら特開昭62−216764号お
よび特開昭63−69664号公報に記載された技術を
合せて、以下、「後者の技術」という。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
技術では、第1の発熱体と第2の発熱体との副走査方向
の長さが実質的に同じであるため、サーマルヘッドの交
換や全く別機種を揃えるといったことなく、例えば文字
サイズの変更を行いたいような場合に副走査方向の解像
度について300dpi(ドット/インチ)と400d
piとの切り替えを、第1および第2の発熱体ラインの
いずれか一方を駆動させるかによって行うというように
簡単に対応することができなかった。
【0017】後者の技術は、サーマルヘッドの種類がシ
リアル型熱印字用のものであり、本願のようなライン型
サーマルヘッドを対象としたものでない点および第1の
発熱体に対して第2の発熱体を副走査方向にその配置位
置をずらして主走査方向にアレイ状に複数個配列すると
共に、第1の発熱体と第2の発熱体との間隔を1.4m
m以下に規制するような技術的な示唆がない点で本願技
術に対して相違している。これに伴い後者の技術では、
サーマルヘッドの選択駆動される抵抗要素列に応じて印
字位置を補正する手段として、特にサーマルヘッドの主
走査方向において印字ドット部のピッチが互いに異なる
第1発熱体(発熱抵抗体)と第2発熱体(発熱抵抗体)
との間隔に応じてキャリッジの移動量を補正しながらそ
の何れか一方の発熱体ライン(抵抗要素A1〜ANまたは
1〜BN)を選択的に駆動して印字を行うため、キャリ
ッジを含む特別の移動機構を必要とし、これによる煩雑
な動作を行わなければいけないという問題点があった。
【0018】したがって、本発明は上述の問題点を解決
するためになされたものであって、請求項1記載の発明
の目的は、発熱抵抗体の一方に共通電極を他方に個別電
極を接続して形成した第1および第2の発熱体を有し、
第2の発熱体を、第1の発熱体に対して、主走査方向と
直交する副走査方向にその配置位置をずらして主走査方
向にアレイ状に複数個配列し、かつ、第1および第2の
発熱体における副走査方向の長さを異ならせることによ
って、サーマルヘッドの交換をすることなく、その副走
査方向の解像度の切り替えをユーザの所望するとおりに
簡単に行うことのできる利便性の高いサーマルヘッドを
提供することにある。
【0019】請求項2記載の発明の目的は、副走査方向
における第1の発熱体と第2の発熱体との間隔を1.4
mm以下とすることにより、略どのようなプラテンロー
ラの直径および/またはプラテンローラの押し圧でも対
応することができるとともに、サーマルヘッドにおける
第1および第2の発熱体位置とプラテンローラのニップ
位置の機械的な調整を実施しなくても、上記発明の効果
を奏することができるサーマルヘッドを提供することに
ある。
【0020】請求項3記載の発明の目的は、請求項1ま
たは2記載の発明の目的に加えて、共通電極切替手段に
より第1または第2の発熱体ラインに切り替え可能とす
ることによって、さらに利便性の高いサーマルヘッドを
提供することにある。また、第1および第2の発熱体ラ
インの何れか一方が、上述したような不具合を生じて機
能を果たさなくなったり使用不能になったりしたような
場合であっても、共通電極切替手段により第1および第
2の発熱体ラインの何れか他方の発熱体ラインに切り替
え可能とすることによって、応急的に使用することがで
きるサーマルヘッドを提供することにある。
【0021】請求項4記載の発明の目的は、請求項1ま
たは2記載の発明の目的に加えて、個別電極切替手段に
より第1または第2の発熱体ラインに切り替え可能とす
ることによって、さらに利便性の高いサーマルヘッドを
提供することにある。また、第1および第2の発熱体ラ
インの何れか一方が、上述したような不具合を生じて機
能を果たさなくなったり使用不能になったりしたような
場合であっても、個別電極切替手段により第1および第
2の発熱体ラインの何れか他方の発熱体ラインに切り替
え可能とすることによって、応急的に使用することがで
きるサーマルヘッドを提供することにある。
【0022】請求項5記載の発明の目的は、請求項3記
載の発明の効果を奏するサーマルヘッドを用いた感熱記
録装置において、サーマルヘッドの交換や全く別機種を
揃えるといったことなく、ユーザが副走査方向の解像度
の切り替え設定をサーマルヘッドの外部から所望すると
おりに簡単に行うことのできる利便性の高い感熱記録装
置を提供することにある。
【0023】請求項6記載の発明の目的は、請求項4記
載の発明の効果を奏するサーマルヘッドを用いた感熱記
録装置において、サーマルヘッドの交換や全く別機種を
揃えるといったことなく、ユーザが副走査方向の解像度
の切り替え設定をサーマルヘッドの外部から所望すると
おりに簡単に行うことのできる利便性の高い感熱記録装
置を提供することにある。
【0024】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、請求項1記載の発明は、発熱抵抗体の一方に共通
電極を他方に個別電極を接続して形成した第1および第
2の発熱体を有し、第1の発熱体を主走査方向にアレイ
状に複数個配列したサーマルヘッドであって、第2の発
熱体を第1の発熱体に対して、上記主走査方向と直交す
る副走査方向にその配置位置をずらして上記主走査方向
にアレイ状に複数個配列し、かつ、第1および第2の発
熱体における上記副走査方向の長さが異なることを特徴
とする。
【0025】請求項2記載の発明は、請求項1記載のサ
ーマルヘッドにおいて、上記副走査方向における第1の
発熱体と第2の発熱体との間隔を1.4mm以下とした
ことを特徴とする。
【0026】請求項3記載の発明は、請求項1または2
記載のサーマルヘッドにおいて、第1の発熱体および第
2の発熱体の一方は上記個別電極を介して接続され、第
1の発熱体の他方は第1の共通電極に、第2の発熱体の
他方は第2の共通電極にそれぞれ接続されており、第1
の共通電極および第2の共通電極のうちの何れか一方を
選択的に通電するための共通電極切替手段を有すること
を特徴とする。
【0027】共通電極切替手段としては、ジャンパー線
によって切り替える手段、有接点型の機械式のリレー素
子あるいは無接点型の半導体素子を用いたフォトMOS
リレーやSSR(ソリッドステート リレー)等のリレ
ー、スイッチによる手段もしくはセレクタICで切り替
える等の種々の周知の手段が挙げられる。これらの各切
替手段をマイクロコンピュータやマイクロプロセッサあ
るいは制御回路に接続して、一方の発熱体ラインが使用
不能となったとき、もしくはその信号を受けて上記各切
替手段を他方の発熱体ラインに通電するべく、自動的に
切り替えさせるようにしてもよい。またこれに限らず、
手動の切替スイッチを設けて、一方の発熱体ラインが使
用不能となったときに、ユーザが他方の発熱体ラインに
通電するべく上記切替スイッチを手動で切り替えてもよ
い。
【0028】請求項4記載の発明は、請求項1または2
記載のサーマルヘッドにおいて、第1の発熱体および第
2の発熱体の一方には上記共通電極がそれぞれ接続さ
れ、第1の発熱体および第2の発熱体の他方には独立し
た上記個別電極がそれぞれ接続されており、各上記個別
電極を選択的に通電するための個別電極切替手段を有す
ることを特徴とする。
【0029】個別電極切替手段としては、好ましくは、
第1の発熱体および第2の発熱体を発熱駆動させるサー
マルヘッド駆動回路内に各上記個別電極を選択的に通電
するセレクタを配設して自動的に制御する。
【0030】請求項5記載の発明は、請求項3記載のサ
ーマルヘッドを用いた感熱記録装置であって、感熱記録
すべき感熱メディアを第1の発熱体および第2の発熱体
に接触させた状態で上記感熱メディアを上記副走査方向
に移動する移動手段と、上記感熱メディアを所定の移動
速度をもって移動するように上記移動手段を駆動する駆
動手段と、上記副走査方向の解像度を設定する副走査方
向解像度設定手段と、上記副走査方向解像度設定手段か
らの信号に基づき、設定された上記副走査方向の解像度
に対応した上記移動速度に変えるように上記駆動手段を
制御すると共に、設定された上記副走査方向の解像度に
対応した第1の共通電極および第2の共通電極のうちの
何れか一方を選択的に通電するように上記共通電極切替
手段を制御する共通電極切替制御手段とを有することを
特徴とする。
【0031】請求項6記載の発明は、請求項4記載のサ
ーマルヘッドを用いた感熱記録装置であって、感熱記録
すべき感熱メディアを第1の発熱体および第2の発熱体
に接触させた状態で上記感熱メディアを上記副走査方向
に移動する移動手段と、上記感熱メディアを所定の移動
速度をもって移動するように上記移動手段を駆動する駆
動手段と、上記副走査方向の解像度を設定する副走査方
向解像度設定手段と、上記副走査方向解像度設定手段か
らの信号に基づき、設定された上記副走査方向の解像度
に対応した上記移動速度に変えるように上記駆動手段を
制御すると共に、設定された上記副走査方向の解像度に
対応した各上記個別電極を選択的に通電するように上記
個別電極切替手段を制御する個別電極切替制御手段とを
有することを特徴とする。
【0032】共通電極切替制御手段や個別電極切替制御
手段としては、マイクロコンピュータが好ましく用いら
れる。
【0033】本発明におけるサーマルヘッドは、いわゆ
る薄膜サーマルヘッドにおいて、平面ライン型サーマル
ヘッドの他に、部分グレーズ型のサーマルヘッドを用い
てもよく、またサーマルヘッドの発熱体の平面形状は、
いわゆる矩形型の他に、熱集中型であっても勿論よく、
あらゆるタイプのサーマルヘッドが対象となる。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、図を参照して実施例を含む
本発明の実施の形態を説明する。上述した従来の技術お
よび後述する発明の実施の形態等に亘り、同一の機能お
よび形状等を有する構成部品等については、同一符号を
付すことによりその説明をできるだけ省略する。図にお
いて一対で構成されていて特別に区別して説明する必要
がない構成部品は、説明の簡明化を図る上から、その片
方を適宜記載することでその説明に代えるものとする。
また、各発明の実施の形態(以下、単に「実施の形態」
という)のサーマルヘッドにおける発熱体、共通電極、
個別電極等の主走査方向の大きさ・寸法は、対象とする
感熱メディアを取り扱う装置によってそれぞれ異なる最
適な範囲の値を有するので、説明の簡明化を図るためそ
の一々の実施例については適宜省略する。
【0035】(実施の形態1)図1ないし図4を参照し
て、本発明のサーマルヘッドに係る実施の形態1につい
て説明する。図1において、符号50は実施の形態1の
サーマルヘッドを示す。この実施の形態1のサーマルヘ
ッド50の断面構造については、図19において、サー
マルヘッド100の断面と異なる所を括弧を付して区別
して示してある。サーマルヘッド50は、図19に示す
ように、断面構造的にはサーマルヘッド100の断面と
略同様の構造を有しているが、保護膜7を透過して見た
平面視状態で特徴的なリード電極および発熱体の配置パ
ターンを有する。図1および図19において、符号1は
サーマルヘッド50のグレーズ層を示す。サーマルヘッ
ド50の断面は、その下部から順に放熱板6、基板5、
グレーズ層1、発熱抵抗体4までは従来におけるサーマ
ルヘッド100の断面と同じ積層構造をなす。符号2
a,2bは共通電極を、符号3は個別電極をそれぞれ示
し、両者を合わせてリード電極と呼ぶ。これらの共通電
極2a,2b、個別電極3は、発熱抵抗体4上に積層形
成されている。
【0036】サーマルヘッド50は、図1に示すよう
に、副走査方向Fの長さがa1である第1の発熱体4A
(以下、単に「発熱体4A」という)と副走査方向Fの
長さがa2である第2の発熱体4B(以下、単に「発熱
体4B」という)とを有し、発熱体4Aおよび発熱体4
Bにおける副走査方向Fの長さが異なることを一つの特
徴としている。発熱体4Aは、共通電極2aと個別電極
3とに囲まれた発熱抵抗体4の領域に矩形状をなして形
成されている。一方、発熱体4Bは、個別電極3と共通
電極2bとに囲まれた発熱抵抗体4の領域に矩形状をな
して形成されている。以下、図の簡明化を図るため発熱
体4Aの表示と同様に発熱体4Bの平面視形状を梨地模
様で示す。
【0037】このように、サーマルヘッド50は、発熱
抵抗体4の一方に共通電極2a,2bを他方に個別電極
3,3を接続して形成され副走査方向Fの長さ(以下、
「副走査方向寸法」という)が互いに異なる発熱体4
A,4Bを有し、発熱体4Aを主走査方向Sにアレイ状
に複数個配列していて、発熱体4Bを、発熱体4Aに対
して副走査方向Fにその配置位置をずらして主走査方向
Sにアレイ状に複数個配列されていることを特徴として
いる。また、サーマルヘッド50は、発熱体4A,4B
の一方は個別電極3を介して接続され、発熱体4Aの他
方は共通電極2aに、発熱体4Bの他方は共通電極2b
にそれぞれ接続されていることも特徴としている。従来
のサーマルヘッド100では、1つのリード電極に対し
て1つの発熱体4Aが配置・接続されていたが、この実
施の形態1では1つの個別電極3に対して2つの発熱体
4A,4Bが配置・接続されている。また、このサーマ
ルヘッド50では、発熱体4Bが、発熱体4Aに対して
主走査方向Sにずれて配置されている。
【0038】後述する感熱記録装置等において、そのサ
ーマルヘッドの発熱体における副走査方向寸法は、副走
査方向Fの解像度により好適な値を持つ。例えば、感熱
紙に熱印字を行う感熱記録装置では、以下の様である。
勿論、感熱孔版マスタに感熱的に穿孔製版を行う感熱製
版装置においても、その目的および用途に応じて同様に
好適な値を持つ。
【0039】 副走査方向Fの解像度:300dpi…120μm程度 400dpi… 85μm程度 発熱体4Aおよび発熱体4Bにおける副走査方向寸法に
ついて、実施例的に述べると、発熱体4Aにおける副走
査方向寸法a1が85μmに、発熱体4Bにおける副走
査方向寸法a2が120μmにそれぞれ設定されている
(a1≠a2,a1<a2)。これにより、サーマルヘッド5
0の発熱体4Aラインは副走査方向Fの解像度が400
dpiに、発熱体4Bラインは副走査方向Fの解像度が
300dpiにそれぞれ設定されているものである。そ
して、サーマルヘッド50の主走査方向Sの解像度は、
実施例的には300dpi(または400dpi)に設
定されている。
【0040】副走査方向Fにおける発熱体4Aと発熱体
4Bとの間隔(ピッチ寸法)Lは、45〜150μm程
度で製作されているが、後述する理由および現在のサー
マルヘッド50の製造技術水準から好ましくは40μm
〜1.4mmとしている。
【0041】各発熱体4Aの他方を接続している共通電
極2aは、主走査方向Sの図において左側に延び、か
つ、クランク状に折曲がった形状パターンを有してい
て、その端部には符号Aで示す第1の共通電極が形成さ
れている。一方、各発熱体4Bの他方を接続している共
通電極2bは、主走査方向Sの図において左側に延び、
かつ、クランク状に折曲がった形状パターンを有してい
て、その端部には符号Bで示す第2の共通電極が形成さ
れている。これらの第1および第2の共通電極A,Bの
何れか一方には、後述するように、発熱体4A,4Bの
うちの何れか一方を選択的に通電するために電圧が印加
されるようになっている。
【0042】この実施の形態1では、図2および図3に
示すように、サーマルヘッド50における第1および第
2の共通電極A,Bのうちの何れか一方を選択的に通電
して電圧VHDを印加するための共通電極切替手段を構
成する切替スイッチ35を有している。図3は、サーマ
ルヘッド駆動回路を示し、同図において符号4A1,4
2は、一方の主走査方向に配列された発熱体列の抵抗
を、符号4B1,4B2は他方の主走査方向に配列された
発熱体列の抵抗をそれぞれ示す。
【0043】サーマルヘッド駆動回路8Bにおいて、書
き込みデータは、画像データ信号より入力され、クロッ
ク信号に同期し、シフトレジスタ13へシリアル転送さ
れる。そして、ある数(サーマルヘッド50の発熱体
数)を転送後、ラッチ信号によりシフトレジスタ13の
0,Q1…に書き込みデータ(画像データ信号)が確定
・出力される。次いで、通電信号のオン時間とアンドゲ
ート12をとることで、書き込みデータのあるところの
ドライブIC8がオンすることにより、発熱体4A
1…、発熱体4B1…がオンし発熱する。ここで、発熱体
4A1ラインと発熱体4B1ラインとに対する通電の切替
は、共通電極A,Bへの電圧VHDの印加(通電)の切
替で実施される。実際には、サーマルヘッド駆動回路8
Bは、ドライブIC8からシフトレジスタ13まで一体
のIC(集積回路)となってサーマルヘッド50に搭載
される。
【0044】つまり、このサーマルヘッド駆動回路8B
は、ドライブIC8を含み、画像データ信号を取り込
み、その画像データ信号に応じて最終的にドライブIC
8を駆動させて、発熱体4A,4Bを選択的に発熱駆動
させるようになっている。
【0045】例えば、切替スイッチ35により共通電極
Aが選択された場合、共通電極Aより供給された電流が
共通電極2aを通り、サーマルヘッド駆動回路8Bのド
ライブIC8により画像データ信号に対応して選択され
た発熱体4Aに選択的に一定のライン周期をもって通電
信号に応じた通電が行われ、その電気エネルギーが発熱
体4Aで熱エネルギーに変換されてジュール熱が発生
し、保護膜(図示せず)を介して接触する感熱メディア
mが熱印字される。一方、例えば、切替スイッチ35に
より共通電極Bが選択された場合、共通電極Bより供給
された電流が共通電極2bを通り、サーマルヘッド駆動
回路8BのドライブIC8により画像データ信号に対応
して選択された発熱体4Bに選択的に一定のライン周期
をもって通電信号に応じた通電が行われ、その電気エネ
ルギーが発熱体4Bで熱エネルギーに変換されてジュー
ル熱が発生し、保護膜(図示せず)を介して接触する感
熱メディアmが熱印字される。
【0046】切替スイッチ35としては、ジャンパー線
によって切り替える手段、有接点型の機械式のリレー素
子あるいは無接点型の半導体素子を用いたフォトMOS
リレーやSSR(ソリッドステート リレー)等のリレ
ー、スイッチによる手段もしくはセレクタICで切り替
える等の種々の周知の手段が挙げられる。
【0047】次に、図5ないし図8を参照して、副走査
方向Fにおける発熱体4Aと発熱体4Bとの間隔Lを4
0μm〜1.4mmとした理由について述べる。一般的
に多くの公報にあるように、図5および図6に示すよう
な従来型のサーマルヘッド100を用いて熱印字する場
合、各種の感熱メディアmを介してサーマルヘッド10
0をプラテンローラ51に押し付けて(あるいはプラテ
ンローラ51をサーマルヘッド100に押し付けて)、
サーマルヘッド100の発熱体4Aの熱を感熱メディア
mに伝達し、画像形成を行うようになっている。その場
合、一般的に、プラテンローラ51の直径は12〜24
mm程度のものが使用され、そのプラテンローラ押し圧
は1.5〜3.5N/cm程度で設定・使用されてい
る。この場合、プラテンローラ51とサーマルヘッド1
00との副走査方向Fの接地面幅(以下、「ニップ幅」
という)の最小値は、最悪の組み合わせで、つまりプラ
テンローラ51の直径が12mm、プラテンローラ押し
圧が1.5N/cmの組み合わせで決まる。
【0048】サーマルヘッド100の発熱体4Aの熱を
感熱メディアmに画像形成上問題なく伝達することがで
きるプラテンローラ51とサーマルヘッド100との副
走査方向Fの有効接地面幅(以下、「有効ニップ幅」と
いう)の範囲が存在することは、言うまでもないところ
である。また、その有効ニップ幅は、プラテンローラ5
1の直径が小さく、かつ、プラテンローラ51の押し圧
が小さいほど小さくなることも経験則からよく理解でき
るところである。
【0049】ここで、有効ニップ幅が最も小さくなるプ
ラテンローラ51の直径12mmでのプラテンローラ押
し圧と有効ニップ幅との関係を実験的に求めてみる。図
5および図6は、プラテンローラ51で感熱メディアm
をサーマルヘッド100に押し付けた状態を示してい
る。このような図5および図6に示す状態で、プラテン
ローラ51を副走査方向Fに移動可能にして、プラテン
ローラ51をサーマルヘッド100に対して副走査方向
Fの図において左側および右側に位置を少しずつずらし
ていき、そのときのサーマルヘッド100の発熱体4A
から感熱メディアmへの熱伝達状態の良否を感熱メディ
アmの画像形成状態の良否で目視確認した結果につい
て、図7(a),(b),(c)に示してある。図7
(a),(b),(c)の横軸には、プラテンローラ5
1のサーマルヘッド100に対する副走査方向Fへの移
動距離(mm)をとってあり、取り敢えず画像上良好な
状態が確保できるニップ幅の中央をゼロ(0)mmとし
た。図8は、図7(a),(b),(c)の結果に基づ
いて、横軸にプラテンローラ押し圧(N/cm)をとる
と共に縦軸に有効ニップ幅(mm)をとって、プラテン
ローラ押し圧(N/cm)と有効ニップ幅(mm)との
関係をグラフ化したものである。
【0050】実験条件としては、感熱メディアmとして
ワードプロセッサのプリンタ等で使用されている一般的
な感熱紙を使用し、プラテンローラ51は直径12mm
のもので、シリコーンゴム厚2mm(芯金直径8m
m)、ゴム硬度HS(JIS−Aスケール)43度の物
を使用した。サーマルヘッド100の発熱体4Aの寸法
としては、図18に示した寸法でa×b=50×60μ
mの物を用いた。なお、通常のサーマルヘッド100の
発熱体4Aの寸法の範囲a×b=120×140μm以
内までの物ならば、有効ニップ幅の有効数字に対して十
分小さいので、実験誤差等も考慮してこの発熱体4Aの
寸法を問題とする必要がない。
【0051】上記した結果より、プラテンローラ51の
直径が12mm、プラテンローラ押し圧が1.5N/c
mである最悪の組み合わせ条件で、サーマルヘッド10
0の副走査方向Fに1.4mmの有効ニップ幅を確保で
きることが求まった。プラテンローラ51の直径が12
mmを超える場合、プラテンローラ押し圧が1.5N/
cmを超える場合は、その有効ニップ幅が1.4mm以
上になることは言うまでもない。
【0052】上記実験の仕方については、上記例に限ら
ず、サーマルヘッド100を副走査方向Fに移動可能に
して、サーマルヘッド100をプラテンローラ51に対
して副走査方向Fの図において左側および右側に位置を
少しずつずらして求めることも勿論できる。また、従来
型のサーマルヘッド100に限らず、実施の形態1のサ
ーマルヘッド50を用いて、その何れか一方の発熱体4
A,4Bを切替スイッチ35により選択的に発熱駆動さ
せて実験を行うことも勿論できる。
【0053】次に、図4を参照して、副走査方向Fにお
ける発熱体4Aと発熱体4Bとの間隔Lの下限値寸法に
ついて述べる。発熱体4Aと発熱体4Bとの間のリード
電極等の寸法l1,l2,l3は、現在のサーマルヘッド
50の製造プロセスにおけるエッチング精度上5μm以
上は必要となっている。また、発熱体4A,4Bにおけ
る副走査方向寸法a1,a2は、一部上記したように各種
感熱メディアmにより異なり、かつ、その副走査方向F
の解像度からも異なる。例えば、副走査方向解像度30
0dpi時では副走査方向寸法a1,a2は40〜120
μmで、副走査方向解像度400dpi時では副走査方
向寸法a1,a2は25〜85μmでそれぞれ現在使用さ
れている。
【0054】これらの寸法関係により、発熱体4Aと発
熱体4Bとの下限値の間隔Lは、L=l1+l2+l3
(1/2)・a1+(1/2)・a2となる。ここで例え
ば、副走査方向解像度400dpiとした時、副走査方
向寸法a1,a2は共に25μmであるので、L=5+5
+5+(1/2)・25+(1/2)・25=40[μ
m]となる。
【0055】上述したように、発熱体4Aと発熱体4B
との間のリード電極等の寸法l1,l2,l3は、現在の
サーマルヘッド50の製造プロセス上の限界値であり、
今後の超微細加工技術の発展によってはさらに精度向上
を望めるため、発熱体4Aと発熱体4Bとの下限値の間
隔Lをさらに小さくすることが可能となる。
【0056】実施の形態1のサーマルヘッド50では、
発熱体4Bは、発熱体4Aに対して主走査方向Sにずれ
て配置されているが、最大、主走査方向Sにおける各発
熱体4A,4Bのピッチ分ずれていても、通常は発熱体
4Aのみ、あるいは発熱体4Bのみ通電されて発熱駆動
されるので、発熱体4A同士のピッチおよび発熱体4B
同士のピッチが守られていれば、印字画像品質上問題と
なることはなく、他の調整(例えば、画像を主走査方向
Sにずらすように制御および/または用紙をずらしてセ
ットする等)により補うことができる。この場合、より
好ましくは、後述するように図10に示す変形例2のサ
ーマルヘッド50Bのようにするのがよい。
【0057】(実施の形態1の変形例1)図9を参照し
て、実施の形態1の変形例1について説明する。この変
形例1は、実施の形態1のサーマルヘッド50に対し
て、サーマルヘッド50Aを有することのみ相違する。
サーマルヘッド50Aは、サーマルヘッド50に対し
て、サーマルヘッド50における基板5上に積層形成さ
れた一方の共通電極2bに代えて、一方の共通電極2b
(サーマルヘッド50の共通電極と識別するため黒太ラ
イン状に示されている)をドライブIC8等を搭載する
ドライブ回路搭載基板37に配設したことのみ相違す
る。ドライブ回路搭載基板37は、図9において破線で
囲んで示されているが、この変形例1では説明の簡明化
を図るためその詳細構成を省略している。
【0058】(実施の形態1の変形例2)図10を参照
して、実施の形態1の変形例2について説明する。この
変形例2は、実施の形態1のサーマルヘッド50に対し
て、サーマルヘッド50Bを有することのみ相違する。
サーマルヘッド50Bは、サーマルヘッド50に対し
て、発熱体4Bが発熱体4Aと主走査方向Sにおいて同
じ位置、換言すれば主走査方向Sにずれないように配置
されていることのみ相違する。
【0059】(実施の形態1の変形例3)図11を参照
して、実施の形態1の変形例3について説明する。この
変形例3は、変形例1のサーマルヘッド50Aに対し
て、サーマルヘッド50Cを有することのみ相違する。
サーマルヘッド50Cは、サーマルヘッド50Aに対し
て、発熱体4Bが発熱体4Aと主走査方向Sにおいて同
じ位置、換言すれば主走査方向Sにずれないように配置
されていることのみ相違する。
【0060】上述したようなサーマルヘッド50を具備
した実施の形態1および各サーマルヘッド50A,50
B,50Cを具備した変形例1ないし3によれば、副走
査方向寸法が互いに異なる発熱体4A,4Bを有し、発
熱体4Aを、発熱体4Bに対して、副走査方向Fにおけ
る発熱体4Aと発熱体4Bとの間隔Lを40μm〜1.
4mmとし、有効ニップ幅に相当する副走査方向Fにそ
の配置位置をずらして主走査方向Sにアレイ状に複数個
配列した構成を有し、共通電極切替手段としての切替ス
イッチ35により発熱体4Aまたは4Bのラインに切り
替え可能とすることによって、サーマルヘッドを交換す
ることなく、副走査方向Fの解像度の切り替えをユーザ
の所望するとおりに簡単に行うことのできる利便性の高
いサーマルヘッドを提供することができる。
【0061】加えて、発熱体4Aおよび4Bのラインの
何れか一方が、リード電極の腐食や熱的ストレス等によ
る焼損等の不具合を生じて使用不能となったような場合
であっても、切替スイッチ35により発熱体4Aおよび
4Bの発熱体ラインの何れか他方の発熱体ラインに切り
替え可能とすることによって、応急的に使用することが
できるサーマルヘッドを提供することができる。
【0062】また、サーマルヘッド50,50A,50
B,50Cの発熱体4A,4Bとプラテンローラ51と
のニップ位置については、機械的に調整することなく変
更することができる。つまり、現在のサーマルヘッドの
製造技術水準においては、副走査方向Fにおける発熱体
4Aと発熱体4Bとの間隔Lを好ましくは40μm〜
1.4mmとしたことにより、将来的には発熱体4Aと
発熱体4Bとの間隔Lを1.4mm以下とすることで4
0μmよりもさらに小さい間隔とすることも可能となる
ことにより、略どのようなプラテンローラの直径、プラ
テンローラ押し圧でも上記利点を得ることができる。
【0063】(実施の形態2)図12および図13を参
照して、実施の形態2について説明する。
【0064】この実施の形態2は、実施の形態1のサー
マルヘッド50に代えて、サーマルヘッド50Dを有す
ることのみ相違する。サーマルヘッド50Dは、サーマ
ルヘッド50に対して、発熱体4A,4Bの一方は個別
電極3を介して接続され、発熱体4Aの他方は共通電極
2aに、発熱体4Bの他方は共通電極2bにそれぞれ接
続されている構成に代えて、発熱体4A,4Bの一方に
は共通電極2aがそれぞれ接続され、発熱体4A,4B
の他方には独立した個別電極3がそれぞれ接続されてい
ること、および共通電極切替手段としての切替スイッチ
35に代えて、各個別電極3を選択的に通電するための
個別電極切替手段を構成するセレクタIC9および後述
する制御装置(図17に示す)を有することが主に相違
する。
【0065】なお、一部説明が重複するが、サーマルヘ
ッド50と同様の構成についても述べておく。共通電極
2aは、上記したように副走査方向寸法が異なる発熱体
4A,4Bの一方を接続していて、広幅パターンを形成
している。サーマルヘッド50Dは、サーマルヘッド5
0と同様に、発熱体4Aを主走査方向Sにアレイ状に複
数個配列していて、発熱体4Bを、発熱体4Aに対して
副走査方向Fにその配置位置をずらして主走査方向Sに
アレイ状に複数個配列されている。副走査方向Fにおけ
る発熱体4Aと発熱体4Bとの間隔(ピッチ寸法)L
は、サーマルヘッド50と同様に、45〜150μm程
度で製作されているが、上述した理由等から好ましくは
40μm〜1.4mmとしている。
【0066】図12および図13において、符号8Cは
サーマルヘッド駆動回路を示す。サーマルヘッド駆動回
路8C内には、発熱体4A,4Bを発熱駆動させるドラ
イブIC8と、ドライブIC8をして1つの画像データ
信号に対して2つの発熱体4A,4Bラインの中から1
つの発熱体ラインを選択させるセレクタIC9と、セレ
クタIC9をして1つの画像データ信号に対して2つの
発熱体4A,4Bラインに対応したドライブIC8の中
から1つの発熱体を選択させるようにドライブIC8を
選択させるための個別電極セレクト信号10を送信する
上記制御装置とから主に構成されている。セレクタIC
9には、ドライブIC8をして1つの画像データ信号に
対して2つの発熱体4A,4Bの中から1つの発熱体を
選択させるための出力端子QA,QBがそれぞれ設けられ
ている。
【0067】サーマルヘッド駆動回路8Cは、図3に示
したサーマルヘッド駆動回路8Bに対して、シフトレジ
スタ13からの出力後に、セレクタIC9を搭載したこ
とが主に相違する。すなわち、サーマルヘッド駆動回路
8Cでは、シフトレジスタ13からの書き込みデータ
(画像データ信号)が、セレクタIC9内のD端子に入
力されると、個別電極セレクト信号10のH,L信号に
より、セレクタIC9内の出力端子QA,QBの何れかに
出力される。実際には、サーマルヘッド駆動回路8C
は、ドライブIC8からシフトレジスタ13まで一体の
IC(集積回路)となってサーマルヘッド50Dに搭載
される。
【0068】例えば、上記制御装置からの個別電極セレ
クト信号10により、セレクタIC9内の出力端子QA
が選択された場合、共通電極2が接続された広幅パター
ン2aから供給された電流は、セレクタIC9およびド
ライブIC8により選択され画像データ信号に対応した
発熱体4Aラインの各発熱体4Aを通り、個別電極3へ
と流れる。このとき、各発熱体4Aでは選択的に一定の
ライン周期をもって通電信号に応じた通電が行われ、そ
の電気エネルギーが発熱体4Aで熱エネルギーに変換さ
れてジュール熱が発生し、保護膜(図示せず)を介して
接触する感熱メディアmが熱印字される。一方、例え
ば、上記制御装置からの個別電極セレクト信号10によ
り、セレクタIC9内の出力端子QBが選択された場
合、共通電極2が接続された広幅パターン2aから供給
された電流は、セレクタIC9およびドライブIC8に
より選択され画像データ信号に対応した発熱体4Bのラ
インの各発熱体4Bを通り、個別電極3へと流れる。こ
のとき、各発熱体4Bでは選択的に一定のライン周期を
もって通電信号に応じた通電が行われ、その電気エネル
ギーが発熱体4Bで熱エネルギーに変換されてジュール
熱が発生し、保護膜(図示せず)を介して接触する感熱
メディアmが熱印字される。
【0069】(実施の形態2の変形例4)図14を参照
して、実施の形態2の変形例4について説明する。この
変形例4は、実施の形態2のサーマルヘッド50Dに対
して、サーマルヘッド50Eを有することのみ相違す
る。サーマルヘッド50Eは、サーマルヘッド50Dに
対して、発熱体4Bが発熱体4Aと主走査方向Sにおい
て同じ位置、換言すれば主走査方向Sにずれないように
配置されていることのみ相違する。
【0070】上述したようなサーマルヘッド50Dを具
備した実施の形態2およびサーマルヘッド50Eを具備
した変形例4によれば、副走査方向寸法が互いに異なる
発熱体4A,4Bを有し、発熱体4Aを、発熱体4Bに
対して、副走査方向Fにおける発熱体4Aと発熱体4B
との間隔Lを40μm〜1.4mmとし、有効ニップ幅
に相当する副走査方向Fにその配置位置をずらして主走
査方向Sにアレイ状に複数個配列した構成を有し、上記
制御装置およびセレクタIC9により発熱体4Aまたは
4Bのラインに切り替え可能とすることによって、サー
マルヘッドを交換することなく、副走査方向Fの解像度
の切り替えをユーザの所望するとおりに簡単に行うこと
のできる利便性の高いサーマルヘッドを提供することが
できる。
【0071】加えて、発熱体4Aおよび4Bのラインの
何れか一方が、リード電極の腐食や熱的ストレス等によ
る焼損等の不具合を生じて使用不能となったような場合
であっても、上記制御装置およびセレクタIC9により
発熱体4Aおよび4Bの発熱体ラインの何れか他方の発
熱体ラインに切り替え可能とすることによって、応急的
に使用することができるサーマルヘッドを提供すること
ができる。
【0072】また、サーマルヘッド50D,50Eの発
熱体4A,4Bとプラテンローラ51とのニップ位置に
ついては、実施の形態1と同様に、機械的に調整するこ
となく変更することができる。
【0073】(実施の形態3)この実施の形態3は、実
施の形態1のサーマルヘッド50を図15に示す感熱記
録装置に適用したものである。図15において、符号3
9は本体フレームを示し、符号40は感熱記録装置を総
括的に示す。本体フレーム39の上部にある符号80で
示す部分は原稿読取装置を示している。
【0074】原稿読取装置80は、図示を省略した原稿
載置台上に載置された複数枚の原稿gを1枚ずつに分離
してその最下部の原稿gから順次分離ローラ81へ案内
する分離ブレード84と、分離ブレード84により分離
された原稿gを矢印Y2方向に送り出す分離ローラ81
と、原稿gを矢印Y2方向からY3方向に搬送する前原
稿搬送ローラ対82a,82bおよび後原稿搬送ローラ
対83a,83bと、後原稿搬送ローラ83aを回転駆
動する原稿搬送モータ83Mと、前原稿搬送ローラ対8
2a,82bと後原稿搬送ローラ対83a,83bとの
間に配設され原稿gを保持するコンタクトガラス85
と、コンタクトガラス85上を搬送される原稿gの表面
を照明する蛍光灯86と、原稿gの表面からの反射光を
折り返し反射するミラー87と、ミラー87により反射
された反射光をレンズ88を介して受光するCCD等の
画像センサ89と、後原稿搬送ローラ対83a,83b
によりY3方向に搬送排出された原稿gを積載する原稿
トレイ80Aとを有する。
【0075】後原稿搬送ローラ83aは原稿搬送モータ
83Mによって回転駆動されると共に、前原稿搬送ロー
ラ82aは搬送ローラ83aと82aとの間に掛け渡さ
れたタイミングベルト(図示せず)を介して回転駆動さ
れ、ローラ82b,83bはそれぞれ従動回転する。原
稿gの画像読み取りは、コンタクトガラス85上を搬送
させつつ、蛍光灯86により照明された原稿gの表面か
らの反射光を、ミラー87で反射させレンズ88を通し
て、CCD(電荷結合素子)等から成る画像センサ89
に入射させることにより行なわれる。原稿gの読み取り
は、公知の「縮小式の原稿読取方式」で行なわれ、画像
センサ89で光電変換された電気信号は、本体フレーム
39内の図示しないアナログ/デジタル(A/D)変換
基板に入力されてデジタル画像信号に変換され、復号化
回路等を備えた制御部で画像データ信号に処理される。
【0076】感熱記録装置40は、ロール状に形成され
た感熱メディアmを繰り出し可能に支持するロール支持
部材49と、上記A/D変換基板および制御部で処理さ
れて送出される画像データ信号に基づいて感熱メディア
mを熱印字するサーマルヘッド50と、感熱メディアm
を第1および第2の発熱体4A,4Bに所定の押し圧で
接触させた状態で感熱メディアmを副走査方向Fに移動
する移動手段としてのプラテンローラ51と、感熱メデ
ィアmを所定の移動速度をもって移動するようにプラテ
ンローラ51を駆動する駆動手段としての感熱メディア
搬送モータ51Mと、熱印字された感熱メディアmを副
走査方向Fの下流側に送り出す送りローラ対52a,5
2bと、感熱メディアmを所定の長さに切断するカッタ
53とを有する。プラテンローラ51は、図示しないタ
イミングベルト等の回転伝達部材を介して感熱メディア
搬送モータ51Mに連結されている。感熱メディア搬送
モータ51Mは、ステッピングモータからなり、間欠的
に回転駆動される。よって、感熱メディアmは、感熱メ
ディア搬送モータ51Mによりプラテンローラ51を介
して所定の移動速度および所定の送りピッチをもって副
走査方向Fに移動される。
【0077】本体フレーム39上部の図示しない操作パ
ネルには、熱印字画像における副走査方向Fの解像度を
設定するための副走査方向解像度設定手段としての副走
査方向解像度設定キー23が配設されている。この副走
査方向解像度設定キー23は、例えば複写機等における
ファインモード設定キーと同様な機能を有しており、感
熱メディアm上の熱印字画像の副走査方向Fの解像度を
設定するために、ユーザが所望する解像度に手動で任意
に入力し設定できるものである。副走査方向解像度設定
キー23は、本実施の形態3においては1回押す毎に、
副走査方向Fの解像度を300dpiまたは400dp
i(ドット/インチ)の2段階に切り替えて設定できる
ようになっている。
【0078】副走査方向解像度設定キー23の近傍の操
作パネルには、図において左から順に300dpiおよ
び400dpiの副走査方向Fの解像度の設定を表示す
るためのLED(発光ダイオード)からなる設定解像度
表示器25が、2個配置されている。副走査方向解像度
設定キー23の左側の操作パネルには、発熱体4Aおよ
び4Bのラインの何れか一方がリード電極の腐食や熱的
ストレス等による焼損等の不具合を生じて使用不能とな
ったような場合に、発熱体4Aおよび4Bのラインの何
れか他方のみ駆動されるように強制的に設定するための
副走査方向解像度固定キー24が配設されている。
【0079】図16を参照して、感熱記録装置40およ
び原稿読取装置80の制御構成を説明する。図16にお
いて、符号15は制御装置を示す。制御装置15は、サ
ーマルヘッド駆動回路8B、共通電極切替手段としての
切替スイッチ35、感熱メディア搬送モータ駆動回路5
5、原稿搬送モータ駆動回路83A、副走査方向解像度
設定キー23および副走査方向解像度固定キー24の間
で、各種の指令信号およびオン/オフ信号やデータ信号
を送受信し、感熱記録装置40および原稿読取装置80
全体のシステムを制御している。制御装置15は、CP
U(中央処理装置)16、I/O(入出力)ポート(図
示せず)およびROM(読み出し専用記憶装置)18、
RAM(読み書き可能な記憶装置)17等を備え、図示
を省略した信号バスによって接続されたマイクロコンピ
ュータを具備している。
【0080】制御装置15のCPU16(以下、説明の
簡明化を図るために単に制御装置15というときがあ
る)は、以下の諸制御機能を有する。第1に、制御装置
15は、副走査方向解像度設定キー23からの出力信号
に基づき、設定された副走査方向Fの解像度に対応した
感熱メディアmの移動速度に変えるように感熱メディア
搬送モータ51Mを制御すると共に、設定された副走査
方向Fの解像度に対応した原稿gの搬送速度に変えるよ
うに原稿搬送モータ83Mを制御する機能を有する。
【0081】第2に、制御装置15は、副走査方向解像
度設定キー23からの出力信号に基づき、設定された副
走査方向Fの解像度に対応した第1の共通電極Aおよび
第2の共通電極Bのうちの何れか一方を選択的に通電す
るように切替スイッチ35を制御する共通電極切替制御
手段としての機能を有する。
【0082】第3に、制御装置15は、副走査方向解像
度設定キー23の出力信号に基づき、設定された副走査
方向Fの解像度に対応した印加エネルギー(電気エネル
ギー)をサーマルヘッド50の個々の第1の発熱体4A
または第2の発熱体4Bに供給するようにサーマルヘッ
ド50を制御するエネルギー調整手段の機能を有する。
【0083】印加エネルギーの調整は、例えば特開平8
−67061号公報にて詳しく述べたように、画像デー
タ信号に応じて個々の第1の発熱体4Aまたは第2の発
熱体4Bに流す電流値もしくは個々の第1の発熱体4A
または第2の発熱体4Bに印加する電圧値の変化により
行うようにしてもよいが、本実施の形態1においてはサ
ーマルヘッド50における第1の発熱体4Aまたは第2
の発熱体4Bへの通電パルス幅の変化により行う。
【0084】制御装置15のROM18には、設定され
た副走査方向Fの解像度に対応した感熱メディアmの移
動速度に変えるための関係データと、設定された副走査
方向Fの解像度に対応した原稿gの搬送速度に変えるた
めの関係データと、設定された副走査方向Fの解像度に
対応した第1の共通電極Aおよび第2の共通電極Bのう
ちの何れか一方を選択的に通電するように切替スイッチ
35を制御するための関係データと、設定された副走査
方向Fの解像度に対応した最適な大きさの熱印字を形成
するための印加エネルギーに対応した通電パルス幅との
関係データと、エネルギー調整のためのプログラムと
が、予め実験的あるいは設計的に定められて記憶されて
いる。
【0085】副走査方向解像度設定キー23により設定
された副走査方向Fの解像度設定信号が、制御装置15
のCPU16に入力されると、設定された副走査方向F
の解像度に対応して設定解像度表示器25の何れか一方
が点灯表示される。
【0086】感熱メディア搬送モータ駆動回路55は、
1−2相励磁パルスを発生する1−2相励磁回路の出力
を感熱メディア搬送モータ51Mに供給するようになっ
ている。感熱メディア搬送モータ駆動回路55は、感熱
メディア搬送モータ51Mに接続されていて、感熱メデ
ィア搬送モータ51Mを駆動する。
【0087】原稿搬送モータ駆動回路83Aは、感熱メ
ディア搬送モータ駆動回路55と同様な構成を有し、1
−2相励磁パルスを発生する1−2相励磁回路の出力を
原稿搬送モータ83Mに供給するようになっている。
【0088】上記制御部から出力される画像データ信号
や、副走査方向解像度を示す信号並びに制御装置15か
ら出力される通電パルス幅設定の信号(図3に示す通電
信号でもある)は、サーマルヘッド駆動回路8Bに送信
される。
【0089】図16において、符号26はサーマルヘッ
ド発熱体供給用電源を示す。この電源26は、切替スイ
ッチ35を介してサーマルヘッド駆動回路8Bに接続さ
れていて、感熱メディアmを熱印字するための電気エネ
ルギーを供給する。
【0090】次に、副走査方向Fの解像度を設定する際
の動作プロセスを説明する。先ず、上記操作パネルに配
設されている図示を省略した印字スタートキーを押して
感熱印字工程を実行する前に、副走査方向解像度設定キ
ー23を押して、熱印字画像として所望する副走査方向
Fの解像度を設定する。この副走査方向Fの解像度設定
信号が制御装置15に出力されると、制御装置15は、
その副走査方向解像度に対応した搬送速度設定の信号を
感熱メディア搬送モータ駆動回路55に送出すると共
に、その副走査方向解像度に対応した搬送速度設定の信
号を原稿搬送モータ駆動回路83Aに送出する。これと
同時に、制御装置15は、設定された副走査方向Fの解
像度に応じた最適な大きさの印字を形成するための通電
パルス幅設定の信号をサーマルヘッド駆動回路8Bへ送
出する。そして、制御装置15により設定された副走査
方向解像度に対応した搬送速度設定の信号に基づき、感
熱メディア搬送モータ駆動回路55を介して感熱メディ
ア搬送モータ51Mが駆動され、さらに感熱メディア搬
送モータ51Mによりプラテンローラ51が回転駆動さ
れ、感熱メディアmが所定の移動速度および送りピッチ
で搬送される。
【0091】また、制御装置15により設定された副走
査方向解像度に対応した搬送速度設定の信号に基づき、
原稿搬送モータ駆動回路83Aを介して原稿搬送モータ
83Mが駆動され、さらに原稿搬送モータ83Mにより
前・後原稿搬送ローラ対82a,82b・83a,83
bが回転駆動され、原稿gが所定の搬送速度および送り
ピッチで搬送される。
【0092】このように、副走査方向Fに2つ以上の解
像度を有すると共に、原稿読取装置80と一体的に構成
された感熱記録装置40においては、その副走査方向F
の印字ピッチが異なるため、感熱メディアmの移動速度
と原稿gの搬送速度とを設定された副走査方向Fの解像
度に対応して制御しなければならない。ここで、実施例
的に感熱メディアmの移動速度と原稿の搬送速度との設
定例について述べる。例えば、サーマルヘッド50の1
ラインの印字周期(ライン周期)を3msec/lin
eとしたとき、副走査方向Fの解像度300dpiの場
合には、(25.4mm/300dot)×(1/3×
10-3sec)≒28.2mm/secで、副走査方向
Fの解像度400dpiの場合には、(25.4mm/
400dot)×(1/3×10-3sec)≒21.2
mm/secで感熱メディアmを移動しつつ熱印字を行
うと共に、原稿gを搬送しつつ原稿gの画像読み取りを
行わなければならない。
【0093】そして、制御装置15は、設定された副走
査方向Fの解像度に対応した第1の共通電極Aおよび第
2の共通電極Bのうちの何れか一方を選択的に通電する
ように切替スイッチ35を制御する共通電極切替信号を
切替スイッチ35に送信すると共に、設定された副走査
方向Fの解像度に対応した電気エネルギーをサーマルヘ
ッド50の個々の第1の発熱体4Aまたは第2の発熱体
4Bに供給するように通電パルス幅設定の信号(通電信
号)をサーマルヘッド駆動回路8Bに送信する。これに
より、サーマルヘッド駆動回路8Bでは、上記通電パル
ス幅設定の信号(通電信号)に基づき通電パルスが生成
され、電源26からの電力供給を受けてサーマルヘッド
50の個々の第1の発熱体4Aまたは第2の発熱体4B
に出力され、黒画素に対応した第1の発熱体4Aまたは
第2の発熱体4Bがジュール熱を発生し、感熱メディア
mが熱印字される。
【0094】ここで、発熱体4Aおよび4Bのラインの
何れか一方が、リード電極の腐食や熱的ストレス等によ
る焼損等の損傷不具合を生じて印字機能が損なわれ事実
上使用不能となったような場合の対処方法について述べ
る。このような場合、印字機能が損なわれた発熱体4A
または4Bのラインを使用すると、正常な熱印字画像を
記録できなくなる。そこで、その対策として、副走査方
向解像度固定キー24により、腐食や焼損等の不具合を
生じていない正常に熱印字することができる発熱体4A
および4Bのラインの何れか他方を強制的に使用・駆動
するように強制的に設定する。この副走査方向解像度固
定キー24の情報は、制御装置15内に付設された電源
バックアップメモリ(図示せず)に記憶することで、装
置本体のメイン電源オフ/オン後も正常な発熱体4Aお
よび4Bのラインの何れか他方が強制的に選択されて、
熱印字することができるようにするとよい。したがっ
て、これにより、サーマルヘッド50の交換までの応急
的な処置が可能となる。
【0095】次に、副走査方向Fの解像度の低い方の発
熱体4Bラインが、リード電極の腐食や焼損等の損傷不
具合を生じて印字機能が損なわれ事実上使用不能となっ
たような場合の対処方法について述べる。副走査方向解
像度設定キー23による副走査方向Fの解像度設定の如
何にかかわらず、制御装置15のCPU16により、発
熱体ラインは副走査方向Fの解像度の高い方が(損傷し
ていない方の発熱体4Aライン)選択される。ここで、
副走査方向解像度設定キー23により低解像度の方が設
定された場合、その発熱体に対し、副走査方向Fの解像
度が高いときのエネルギー条件よりも大きな印加エネル
ギーを通電することにより、感熱メディアmに対し、低
解像度を実現することができる発熱量に対応した熱を伝
熱することで、低解像度の画像を得ることができる。
【0096】上記とは逆に、副走査方向Fの解像度の高
い方の発熱体4Aラインが、上記等の損傷不具合を生じ
て印字機能が損なわれたような場合には、上記と逆の印
加エネルギー制御を行うことで熱印字は可能であるが、
ユーザの求めている高解像度の熱印字画像を得ることは
困難であることから、画像品質は落ちてもサーマルヘッ
ド50の交換までの応急的な熱印字を得るような使い方
ができる。
【0097】上記した実施の形態3では、サーマルヘッ
ド50を用いたが、同様の発熱体配置パターンを有し、
サーマルヘッド駆動回路8Bを備えたサーマルヘッド5
0A,50B,50Cを用いることができることは言う
までもない。
【0098】(実施の形態4)図17に実施の形態4を
示す。この実施の形態4は、実施の形態3に対して、感
熱記録装置40に用いるサーマルヘッド50に代えて、
サーマルヘッド50Dを用いること、これに伴いサーマ
ルヘッド駆動回路8Bに代えて個別電極切替手段として
のセレクタIC9を備えたサーマルヘッド駆動回路8C
を有すること、および制御装置15に代えて制御装置1
5Aを有することが主に相違する。
【0099】以下、実施の形態3に対して、相違する点
を中心に説明する。図17において、制御装置15A
は、サーマルヘッド駆動回路8C、セレクタIC9、感
熱メディア搬送モータ駆動回路55、原稿搬送モータ駆
動回路83A、副走査方向解像度設定キー23および副
走査方向解像度固定キー24の間で、各種の指令信号お
よびオン/オフ信号やデータ信号を送受信し、感熱記録
装置40および原稿読取装置80全体のシステムを制御
している。制御装置15Aは、制御装置15と同様な構
成を有するマイクロコンピュータを具備している。
【0100】制御装置15AのCPU16(以下、説明
の簡明化を図るために単に制御装置15Aというときが
ある)は、実施の形態3における制御装置15に対し
て、その第2の制御機能に代えて、設定された副走査方
向Fの解像度に対応した各個別電極3(図12に示す)
を選択的に通電するようにセレクタIC9を制御する個
別電極切替制御手段としての制御機能を有することのみ
相違する。
【0101】制御装置15AのROM18には、設定さ
れた副走査方向Fの解像度に対応した感熱メディアmの
移動速度に変えるための関係データと、設定された副走
査方向Fの解像度に対応した原稿gの搬送速度に変える
ための関係データと、設定された副走査方向Fの解像度
に対応した各個別電極3を選択的に通電するようにセレ
クタIC9を制御するための関係データと、実施の形態
3と同様のエネルギー調整のためのプログラムとが、予
め設計的あるいは実験的に定められて記憶されている。
【0102】図17において、電源26は、セレクタI
C9を介してサーマルヘッド駆動回路8Cに接続されて
いて、感熱メディアmを熱印字するための電気エネルギ
ーを供給する。
【0103】次に、副走査方向Fの解像度を設定する際
の動作プロセスを説明する。先ず、上記操作パネルに配
設されている図示を省略した印字スタートキーを押して
感熱印字工程を実行する前に、副走査方向解像度設定キ
ー23を押して、熱印字画像として所望する副走査方向
Fの解像度を設定する。この副走査方向Fの解像度設定
信号が制御装置15Aに出力されると、制御装置15A
は、その副走査方向解像度に対応した搬送速度設定の信
号を感熱メディア搬送モータ駆動回路55に送出すると
共に、その副走査方向解像度に対応した搬送速度設定の
信号を原稿搬送モータ駆動回路83Aに送出する。これ
と同時に、制御装置15Aは、設定された副走査方向F
の解像度に応じた最適な大きさの印字を形成するための
通電パルス幅設定の信号をサーマルヘッド駆動回路8C
へ送出する。そして、制御装置15Aにより設定された
副走査方向解像度に対応した搬送速度設定の信号に基づ
き、感熱メディア搬送モータ駆動回路55を介して感熱
メディア搬送モータ51Mが駆動され、さらに感熱メデ
ィア搬送モータ51Mによりプラテンローラ51が回転
駆動され、感熱メディアmが所定の移動速度および送り
ピッチで搬送される。
【0104】また、制御装置15Aにより設定された副
走査方向解像度に対応した搬送速度設定の信号に基づ
き、原稿搬送モータ駆動回路83Aを介して原稿搬送モ
ータ83Mが駆動され、さらに原稿搬送モータ83Mに
より前・後原稿搬送ローラ対82a,82b・83a,
83bが回転駆動され、原稿gが所定の搬送速度および
送りピッチで搬送される。
【0105】そして、制御装置15Aは、設定された副
走査方向Fの解像度に対応した各個別電極3(図12に
示す)を選択的に通電するようにセレクタIC9を制御
する個別電極セレクト信号をセレクタIC9に送信する
と共に、設定された副走査方向Fの解像度に対応した電
気エネルギーをサーマルヘッド50Dの個々の第1の発
熱体4Aまたは第2の発熱体4Bに供給するように通電
パルス幅設定の信号(通電信号)をサーマルヘッド駆動
回路8Cに送信する。これにより、サーマルヘッド駆動
回路8Cでは、上記通電パルス幅設定の信号(通電信
号)に基づき通電パルスが生成され、電源26からの電
力供給を受けて、サーマルヘッド50Dの個々の第1の
発熱体4Aまたは第2の発熱体4Bに出力され、黒画素
に対応した第1の発熱体4Aまたは第2の発熱体4Bが
ジュール熱を発生し、感熱メディアmが熱印字される。
【0106】発熱体4Aおよび4Bのラインの何れか一
方が、リード電極の腐食や焼損等の損傷不具合を生じて
印字機能が損なわれ事実上使用不能となったような場合
の対処方法、および副走査方向Fの解像度の低い方(あ
るいは高い方)の発熱体ラインが、リード電極の腐食や
焼損等の損傷不具合を生じて印字機能が損なわれ事実上
使用不能となったような場合の対処方法については、上
記実施の形態3と同様にして対処できることは言うまで
もない。
【0107】上記した実施の形態4では、サーマルヘッ
ド50Dを用いたが、同様の発熱体配置パターン等を有
し、サーマルヘッド駆動回路8Cを備えたサーマルヘッ
ド50Eを用いることができることは言うまでもない。
【0108】上記した実施の形態1〜4等は、例えば特
開平7−241974号および特開平8−67061号
公報に記載されている感熱孔版印刷装置にも適用でき
る。
【0109】以上述べたとおり、本発明を実施例を含む
特定の実施の形態等について説明したが、本発明の構成
は、上述した各実施の形態等に限定されるものではな
く、これらを適宜組合わせて構成してもよく、本発明の
範囲内において、その必要性及び用途等に応じて種々の
発明の実施の形態や実施例を構成し得ることは当業者な
らば明らかである。
【0110】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明によれば、発熱抵抗体の一方に共通電極を他方に個別
電極を接続して形成した第1および第2の発熱体を有
し、第1の発熱体を主走査方向にアレイ状に複数個配列
したサーマルヘッドであって、第2の発熱体を、第1の
発熱体に対して、主走査方向と直交する副走査方向にそ
の配置位置をずらして主走査方向にアレイ状に複数個配
列し、かつ、第1および第2の発熱体における副走査方
向の長さを異ならせることによって、サーマルヘッドの
交換をすることなく、その副走査方向の解像度の切り替
えをユーザの所望するとおりに簡単に行うことができる
ので、利便性の高いサーマルヘッドを提供することがで
きる。
【0111】請求項2記載の発明によれば、副走査方向
における第1の発熱体と第2の発熱体との間隔を1.4
mm以下としたことにより、略どのようなプラテンロー
ラの直径および/またはプラテンローラの押し圧でも対
応することができるとともに、サーマルヘッドにおける
第1および第2の発熱体位置とプラテンローラのニップ
位置の機械的な調整を実施しなくても、上記発明の効果
を奏することができるサーマルヘッドを提供することが
できる。
【0112】請求項3記載の発明によれば、請求項1ま
たは2記載の発明の効果に加えて、共通電極切替手段に
より第1または第2の発熱体ラインに切り替え可能とす
ることによって、さらに利便性の高いサーマルヘッドを
提供することができる。また、第1および第2の発熱体
ラインの何れか一方が、上述したような不具合を生じて
機能を果たさなくなったり使用不能になったりしたよう
な場合であっても、共通電極切替手段により第1および
第2の発熱体ラインの何れか他方の発熱体ラインに切り
替え可能とすることによって、応急的に使用することが
できるサーマルヘッドを提供することができる。
【0113】請求項4記載の発明によれば、請求項1ま
たは2記載の発明の効果に加えて、個別電極切替手段に
より第1または第2の発熱体ラインに切り替え可能とす
ることによって、さらに利便性の高いサーマルヘッドを
提供することができる。また、第1および第2の発熱体
ラインの何れか一方が、上述したような不具合を生じて
機能を果たさなくなったり使用不能になったりしたよう
な場合であっても、個別電極切替手段により第1および
第2の発熱体ラインの何れか他方の発熱体ラインに切り
替え可能とすることによって、応急的に使用することが
できるサーマルヘッドを提供することができる。
【0114】請求項5記載の発明によれば、上記構成を
有することによって、副走査方向解像度設定手段により
副走査方向の解像度が設定されると、共通電極切替制御
手段は、副走査方向解像度設定手段からの信号に基づ
き、設定された副走査方向の解像度に対応した移動速度
に変えるように駆動手段を制御すると共に、設定された
副走査方向の解像度に対応した第1の共通電極および第
2の共通電極のうちの何れか一方を選択的に通電するよ
うに共通電極切替手段を制御する。
【0115】したがって、請求項3記載の発明の効果を
奏するサーマルヘッドを用いた感熱記録装置において、
サーマルヘッドの交換や全く別機種を揃えるといったこ
となく、ユーザが副走査方向解像度設定手段を操作する
という簡単な操作を行うことにより、副走査方向の解像
度の切り替え設定をサーマルヘッドの外部から所望する
とおりに簡単に行うことができるので、利便性の高い感
熱記録装置を提供することができる。また、第1および
第2の発熱体ラインの何れか一方が、上述したような不
具合を生じて機能を果たさなくなったり使用不能になっ
たりしたような場合であっても、共通電極切替手段によ
り第1および第2の発熱体ラインの何れか他方の発熱体
ラインに切り替えることができるので、応急的に使用す
ることができる感熱記録装置を提供することができる。
【0116】請求項6記載の発明によれば、上記構成を
有することによって、副走査方向解像度設定手段により
副走査方向の解像度が設定されると、個別電極切替制御
手段は、副走査方向解像度設定手段からの信号に基づ
き、設定された副走査方向の解像度に対応した移動速度
に変えるように駆動手段を制御すると共に、設定された
副走査方向の解像度に対応した各個別電極を選択的に通
電するように個別電極切替手段を制御する。
【0117】したがって、請求項4記載の発明の効果を
奏するサーマルヘッドを用いた感熱記録装置において、
サーマルヘッドの交換や全く別機種を揃えるといったこ
となく、ユーザが副走査方向解像度設定手段を操作する
という簡単な操作を行うことにより、副走査方向の解像
度の切り替え設定をサーマルヘッドの外部から所望する
とおりに簡単に行うことができるので、利便性の高い感
熱記録装置を提供することができる。また、第1および
第2の発熱体ラインの何れか一方が、上述したような不
具合を生じて機能を果たさなくなったり使用不能になっ
たりしたような場合であっても、個別電極切替手段によ
り第1および第2の発熱体ラインの何れか他方の発熱体
ラインに切り替えることができるので、応急的に使用す
ることができる感熱記録装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のサーマルヘッドに係る実施の形態1を
示すサーマルヘッドにおけるリード電極および発熱体の
配置・形状パターンの要部の平面図である。
【図2】実施の形態1におけるサーマルヘッドの要部の
電子回路図である。
【図3】図2におけるサーマルヘッドの電子回路を別の
面から見た場合の電子回路図である。
【図4】実施の形態1におけるサーマルヘッドの第1お
よび第2の発熱体の間隔を説明するための要部の平面図
である。
【図5】図4における第1および第2の発熱体の間隔設
定値を導入するためのサーマルヘッドとプラテンローラ
との押圧状態を示す要部の正面図である。
【図6】図5におけるa部の拡大正面図である。
【図7】図4における第1および第2の発熱体の間隔設
定値を導入するためのプラテンローラ押し圧を変化させ
たときの画像状態とニップ幅との関係を表す説明図であ
る。
【図8】図4における第1および第2の発熱体の間隔設
定値を導入するためのプラテンローラ押し圧と有効ニッ
プ幅との関係を表すグラフである。
【図9】実施の形態1の変形例1におけるサーマルヘッ
ドのリード電極および発熱体の配置・形状パターンの要
部の平面図である。
【図10】実施の形態1の変形例2におけるサーマルヘ
ッドのリード電極および発熱体の配置・形状パターンの
要部の平面図である。
【図11】実施の形態1の変形例3におけるサーマルヘ
ッドのリード電極および発熱体の配置・形状パターンの
要部の平面図である。
【図12】本発明のサーマルヘッドに係る実施の形態2
を示すサーマルヘッドにおけるリード電極および発熱体
の配置・形状パターンの要部の平面図である。
【図13】実施の形態2におけるサーマルヘッドの要部
の電子回路図である。
【図14】実施の形態2の変形例4におけるサーマルヘ
ッドのリード電極および発熱体の配置・形状パターンの
要部の平面図である。
【図15】本発明の感熱記録装置に係る実施の形態3を
示す原稿読取装置および感熱記録装置の要部の構成図で
ある。
【図16】実施の形態3における原稿読取装置および感
熱記録装置の制御構成を表すブロック図である。
【図17】実施の形態4における原稿読取装置および感
熱記録装置の制御構成を表すブロック図である。
【図18】従来のサーマルヘッドのリード電極および発
熱体の配置・形状パターンの要部の平面図である。
【図19】図18におけるサーマルヘッドのS19−S
19の断面図である。
【図20】従来のサーマルヘッドの不具合を説明するた
めの要部の拡大断面図である。
【図21】従来のサーマルヘッドの要部の電子回路図で
ある。
【符号の説明】
1 グレーズ層 2,2a,2b 共通電極 3 個別電極 4A 第1の発熱体 4B 第2の発熱体 7 保護膜 9 個別電極切替手段を構成するセレクタIC 35 共通電極切替手段を構成する切替スイッチ 15 共通電極切替制御手段としての制御装置 15A 個別電極切替制御手段としての制御装置 23 副走査方向解像度設定手段としての副走査方向
解像度設定キー 50,50A,50B,50C,50D,50E サ
ーマルヘッド 51 移動手段としてのプラテンローラ 51M 駆動手段としての感熱メディア搬送モータ a1 第1の発熱体における副走査方向寸法 a2 第2の発熱体における副走査方向寸法 A 第1の共通電極 B 第2の共通電極 L 第1の発熱体と第2の発熱体との間隔 m 感熱メディア VHD 電圧
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宍戸 善幸 宮城県柴田郡柴田町大字中名生字神明堂3 番地の1・東北リコー株式会社内 (72)発明者 横山 保光 宮城県柴田郡柴田町大字中名生字神明堂3 番地の1・東北リコー株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】発熱抵抗体の一方に共通電極を他方に個別
    電極を接続して形成した第1および第2の発熱体を有
    し、第1の発熱体を主走査方向にアレイ状に複数個配列
    したサーマルヘッドであって、 第2の発熱体を、第1の発熱体に対して、上記主走査方
    向と直交する副走査方向にその配置位置をずらして上記
    主走査方向にアレイ状に複数個配列し、かつ、第1およ
    び第2の発熱体における上記副走査方向の長さが異なる
    ことを特徴とするサーマルヘッド。
  2. 【請求項2】請求項1記載のサーマルヘッドにおいて、 上記副走査方向における第1の発熱体と第2の発熱体と
    の間隔を1.4mm以下としたことを特徴とするサーマ
    ルヘッド。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載のサーマルヘッドに
    おいて、 第1の発熱体および第2の発熱体の一方は上記個別電極
    を介して接続され、第1の発熱体の他方は第1の共通電
    極に、第2の発熱体の他方は第2の共通電極にそれぞれ
    接続されており、 第1の共通電極および第2の共通電極のうちの何れか一
    方を選択的に通電するための共通電極切替手段を有する
    ことを特徴とするサーマルヘッド。
  4. 【請求項4】請求項1または2記載のサーマルヘッドに
    おいて、 第1の発熱体および第2の発熱体の一方には上記共通電
    極がそれぞれ接続され、第1の発熱体および第2の発熱
    体の他方には独立した上記個別電極がそれぞれ接続され
    ており、 各上記個別電極を選択的に通電するための個別電極切替
    手段を有することを特徴とするサーマルヘッド。
  5. 【請求項5】請求項3記載のサーマルヘッドを用いた感
    熱記録装置であって、 感熱記録すべき感熱メディアを第1の発熱体および第2
    の発熱体に接触させた状態で上記感熱メディアを上記副
    走査方向に移動する移動手段と、 上記感熱メディアを所定の移動速度をもって移動するよ
    うに上記移動手段を駆動する駆動手段と、 上記副走査方向の解像度を設定する副走査方向解像度設
    定手段と、 上記副走査方向解像度設定手段からの信号に基づき、設
    定された上記副走査方向の解像度に対応した上記移動速
    度に変えるように上記駆動手段を制御すると共に、設定
    された上記副走査方向の解像度に対応した第1の共通電
    極および第2の共通電極のうちの何れか一方を選択的に
    通電するように上記共通電極切替手段を制御する共通電
    極切替制御手段と、 を有することを特徴とする感熱記録装置。
  6. 【請求項6】請求項4記載のサーマルヘッドを用いた感
    熱記録装置であって、 感熱記録すべき感熱メディアを第1の発熱体および第2
    の発熱体に接触させた状態で上記感熱メディアを上記副
    走査方向に移動する移動手段と、 上記感熱メディアを所定の移動速度をもって移動するよ
    うに上記移動手段を駆動する駆動手段と、 上記副走査方向の解像度を設定する副走査方向解像度設
    定手段と、 上記副走査方向解像度設定手段からの信号に基づき、設
    定された上記副走査方向の解像度に対応した上記移動速
    度に変えるように上記駆動手段を制御すると共に、設定
    された上記副走査方向の解像度に対応した各上記個別電
    極を選択的に通電するように上記個別電極切替手段を制
    御する個別電極切替制御手段と、 を有することを特徴とする感熱記録装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006281673A (ja) * 2005-04-01 2006-10-19 Canon Inc 記録装置、記録ヘッド及びその駆動方法
JP2008296403A (ja) * 2007-05-29 2008-12-11 Tohoku Ricoh Co Ltd 感熱孔版印刷装置

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