JP2008291664A - 冷却ファンシュラウドのフラッパー構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】フラッパーの初期回転抵抗を低減し、該フラッパーを走行風によって開閉し易くすることのできる冷却ファンシュラウドのフラッパー構造を提供する。
【解決手段】シュラウド壁4に冷却ファンが取り付けられると共に、この冷却ファンから外れた位置に形成された開口部9を開閉自在とするフラッパー8が取り付けられた冷却ファンシュラウドのフラッパー構造である。フラッパー8は、開時に走行風によるフラッパー開口を促進するように走行風を受ける略S字状をなす波型形状とする。
【選択図】図2
【解決手段】シュラウド壁4に冷却ファンが取り付けられると共に、この冷却ファンから外れた位置に形成された開口部9を開閉自在とするフラッパー8が取り付けられた冷却ファンシュラウドのフラッパー構造である。フラッパー8は、開時に走行風によるフラッパー開口を促進するように走行風を受ける略S字状をなす波型形状とする。
【選択図】図2
Description
本発明は、冷却ファンシュラウドのフラッパー構造に関する。
例えば、自動車等のラジエータやコンデンサ等の熱交換器では、バンパーやフロントグリルから導入される空気(外気)と冷媒との間(差温)で熱交換するものであるが、熱交換能力を高めるために熱交換された暖かい空気をモータファンが取り付けられた冷却ファンシュラウドで車両後方に追いやるようにしている(例えば、特許文献1などに記載)。
この冷却ファンシュラウドには、モータファンの通風孔から外れた位置のシュラウド壁に開口を形成し、その開口を走行風により開閉自在とするフラッパーが取り付けられている。かかるフラッパーは、高速走行時にはモータファンが抵抗とならないように走行風を受けて前記開口を開くことでモータファンを通過しないバイパス通路を形成し、一方、ファン性能を必要とするアイドル時(アイドリング時)には前記開口を閉じてバイパス通路を閉鎖する。
特開2004−257362号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、冷却システムの通気抵抗を低減すべくシュラウド壁に形成した開口の面積を大きくした場合、平板形状のフラッパーを使用しているためにフラッパー単体の質量が重くなり、フラッパーが開き難くなる恐れがある。
そこで、本発明は、フラッパーの初期回転抵抗を低減し、該フラッパーを走行風によって開閉し易くすることのできる冷却ファンシュラウドのフラッパー構造を提供することを目的とする。
本発明は、冷却ファンシュラウドのシュラウド壁に形成された開口部を走行風により開閉自在とするフラッパーが取り付けられた冷却ファンシュラウドのフラッパー構造であって、前記フラッパーは、開時に走行風によるフラッパー開口を促進するように走行風を受ける波型形状を有したことを特徴とする。
本発明の冷却ファンシュラウドのフラッパー構造によれば、フラッパーを波型形状としたので、フラッパー初期回転時に走行風を受け止めることから、フラッパー初期回転抵抗を低減することができ、当該フラッパーを走行風によって開閉し易くすることができる。これにより、本発明によれば、冷却システムの通気抵抗を低減すべく開口の面積を大きくしてフラッパー自体の質量が重くなってもフラッパーが開き難くなるのを防止できる。
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
「第1の実施の形態」
図1は第1の実施の形態における冷却ファンシュラウドの斜視図、図2は図1のフラッパー構造部分を示す要部拡大斜視図、図3はアイドリング時のフラッパーの姿勢状態を示す図、図4は走行風を受けて回転し始めた時のフラッパーの姿勢状態を示す図、図5は走行時のフラッパーの姿勢状態を示す図である。
図1は第1の実施の形態における冷却ファンシュラウドの斜視図、図2は図1のフラッパー構造部分を示す要部拡大斜視図、図3はアイドリング時のフラッパーの姿勢状態を示す図、図4は走行風を受けて回転し始めた時のフラッパーの姿勢状態を示す図、図5は走行時のフラッパーの姿勢状態を示す図である。
冷却ファンシュラウド1は、図1に示すように、例えば樹脂成形することによって箱形状とされ、ラジエータやコンデンサへの取付けフランジ部2、3を左右両側に有している。この冷却ファンシュラウド1の背面側であるシュラウド壁4には、冷却ファン5を取り付けるための通風孔6とこの通風孔6を取り囲む円筒壁7とが形成されている。円筒壁7は、内部に冷却ファン5を回転自在に取り付ける周壁として車両後方に突出して形成されている。
また、シュラウド壁4には、通風孔6から離れた位置にフラッパー8を開閉自在に取り付けたフラッパー構造が設けられている。フラッパー構造は、図2に示すように、シュラウド壁4に形成された通気孔である開口部9と、この開口部9を開閉自在とするフラッパー8と、から構成される。
開口部9は、平面視略矩形状の通気孔として形成されており、シュラウド壁4に縦方向に3つ設けられている。この開口部9の大きさを大きくして開口部面積を広げれば、冷却ファン5に対する通気抵抗をより一層低減させることができる。かかる開口部9の車幅方向(図2中矢印Aで示す左右方向)には、後述するフラッパー8に設けられた回転軸11を回転自在に支持する軸受け部12が形成されている。
軸受け部12は、シュラウド壁内面4aの一部を断面視略半円弧形状にへこませた回転軸装着凹部13と、この回転軸装着凹部13の上を跨るように形成されたアーチ部14と、からなる。アーチ部14は、回転軸装着凹部13に嵌合させた回転軸11の脱落を防止し、車両後方(図2中矢印Bで示す方向)とは反対方向に突出して形成されている。
フラッパー8は、図2に示すように、フラッパー本体15と、このフラッパー本体15に設けられた回転軸11と、から構成されている。フラッパー本体15は、開口部9を閉塞する閉時に上部15Aがシュラウド壁内面4aに当接し、下部15Bがシュラウド壁外面4bに当接するように略S字状の波型形状とされている。フラッパー8の下部15Bは、走行風を受ける様に開時に走行風の流れる方向に突出する第一凸形状とされている。一方、フラッパー8の上部15Aは、開時に前記第一凸形状に走行風を導く様に走行風(図2中矢印Cで示す)に向かって突出する第二凸形状とされている。このようにすることで、フラッパー8の走行風の流れに対する回転の向きが、従来のフラッパーの回転方向と同一になり、中低車速等のフラッパー8の開度が水平にならない時に、フラッパー8を通過した熱気が車両下方向に向き車外に抜けやすくなり、エンジンルーム内の部品の熱環境に影響を及ぼしにくくなる効果がある。
回転軸11は、フラッパー本体15の上下方向(車両高さ方向である図2中矢印Dで示す方向)センター位置から偏心した上方位置に設けられている。かかる回転軸11は、フラッパー本体15の車幅方向両端から外側へ突出するようにして形成されている。
そして、この実施の形態では、フラッパー本体15の下端側凹部16における左右方向両端には、ファン性能低下防止用のリブ17が設けられている。かかるリブ17は、凸形状とされた下部15Bの裏側に形成される下端側凹部16に半円弧形状をなす突起として形成されている。また、フラッパー本体15の上端側凹部18における左右方向両端には、同じくファン性能低下防止用のリブ19が設けられている。このリブ19は、凸形状とされた上部15Aの裏側に形成される上端側凹部18に半円弧形状をなす突起として形成されている。これらリブ17、19により、アイドル時にフラッパー本体15が閉じた時に、フラッパー本体15の側部とシュラウド壁4とで形成される連通孔を塞ぎファン性能が低下することを防ぐ役目をする。
このように構成されたフラッパー構造においては、自動車の停車時やアイドル時には、図3に示すように、フラッパー本体15の上部15Aの先端がシュラウド壁内面4aに当接し、下部15Bの先端が開口部9から外に飛び出してそのシュラウド壁外面4bに当接し、前記開口部9をフラッパー8で閉塞した状態にある。また、上下のリブ17、19も開口部9の車幅方向両側縁部に当接して前記開口部9の側縁を閉塞した状態となっている。
自動車が走行し始めると、図4に示すように、走行風Cを受けてフラッパー8が回転軸11を中心として回転し始める。このとき、フラッパー8は、回転軸11がフラッパー本体15の上下方向センター位置から偏心した上方位置に設けられていることから回転し易くなる。つまり、フラッパー8は、その下部15Bの走行風受け止め面積が増加するため、回転し易くなる。一方、閉時は、その上下のアンバランスにより閉まり易くなる。
そして、このフラッパー8は、走行風を受けたフラッパー本体15の上部15Aが走行風に向かって突出する凸形状であるため、この凸形状とされた部位で走行風の抵抗を分散させる。また、フラッパー8は、フラッパー本体15の下部15Bが走行風の流れる方向に突出する凸形状であるため、走行風を受ける側が逆にへこんだ凹形状となり、この凹形状となる部位で走行風を受け止めて回転力を増大させる。これにより、フラッパー8は、走行風を最大限に利用して初期回転抵抗を大幅に低減し、スムーズに回転することになる。また、フラッパー本体15の下部15Bにリブ17が設けられているため、走行風を受け易くなり、やはりフラッパー8の初期回転抵抗を減少させることができる。
フラッパー8が回転し始めると、フラッパー本体15の上部15Aには、フラッパー8を下方へ押さえつけるダウンフォースが発生する。一方、フラッパー本体15の下部15Bには、フラッパー8を上方へ押し上げる揚力が発生する。フラッパー本体15に発生するダウンフォースと揚力とにより、前記フラッパー8は、中後期段階での回転力が助長される。図5は、フラッパー8が走行風と平行になった状態を示す。フラッパー8が走行風を受けて、フラッパー本体15の形状によりダウンフォースと揚力がバランスして水平状態を保っている。
このように構成されたフラッパー構造によれば、初期回転抵抗を減少させてフラッパー8を回転させ易くなると共に、中後期回転力が助長されてスムーズに回転するため、開口部9の面積を広げてフラッパー自体を大型化しても走行風を受けて回転できる。
「第2の実施の形態」
図6はアイドリング時のフラッパーの姿勢状態を示す図、図7は走行時のフラッパーの姿勢状態を示す図である。
図6はアイドリング時のフラッパーの姿勢状態を示す図、図7は走行時のフラッパーの姿勢状態を示す図である。
第2の実施の形態は、フラッパー本体15の上部15Aを走行風の流れる方向に突出させる凸形状とせずに、開口部9を閉じたときにシュラウド壁4と平行なフラット形状として全体が略S字状の波型形状とした例である。なお、フラッパー本体15の下部15Bの形状は、第1の実施の形態と同一形状である。
第2の実施の形態のフラッパー8によれば、フラッパー本体15の上部15Aの形状がフラット形状であるがフラッパー本体全体として見ると略S字状の波型形状であるから第1の実施の形態と同様、初期回転抵抗を減少させて回転し易くなり、また上部15Aに発生するダウンフォースと下部15Bに発生する揚力によって中後期回転力を助長させてスムーズに回転させることが可能となる。
以上、本発明を適用した具体的な実施の形態について説明したが、上述の実施の形態は、本発明の一例に過ぎず、前記した実施の形態に制限されることはない。
図8は、フラッパー本体15にリブ17、19を設けるのではなく、開口部9の周縁部にリブ17、19を設けた例である。一方のリブ17は、シュラウド壁外面4bから車両後方に向かって突出するように前記開口部9の周縁部に形成され、他方のリブ19は、シュラウド壁内面4aから車両前方に向かって突出するように前記開口部9の周縁部に形成されている。これらリブ17、19を開口部9の車幅方向左右両端縁に形成すれば、フラッパー閉時に開口部9を閉塞することができ、アイドル時のファン性能の低下を防ぐことができる。また、リブ17、19をシュラウド壁面に設けることで、フラッパー本体15を軽量化でき、フラッパー本体15を比較的低車速で開くことができる。
尚、本実施の形態は、フラッパー本体15の上部15Aをシュラウド壁内面4aに当接し、下部15Bがシュラウド壁外面4bに当接するようにしたが、本発明がこれに限らず、逆に、下部15Bをシュラウド壁内面4aに当接し、上部15Aがシュラウド壁外面4bに当接するようにしてもよい。
1…冷却ファンシュラウド
4…シュラウド壁
4a…シュラウド壁内面
4b…シュラウド壁外面
5…冷却ファン
6…通風孔
7…加圧低減用突起部
8…フラッパー
9…開口部
11…回転軸
15…フラッパー本体
15A…フラッパー本体の上部(第二凸形状)
15B…フラッパー本体の下部(第一凸形状)
17、19…リブ
4…シュラウド壁
4a…シュラウド壁内面
4b…シュラウド壁外面
5…冷却ファン
6…通風孔
7…加圧低減用突起部
8…フラッパー
9…開口部
11…回転軸
15…フラッパー本体
15A…フラッパー本体の上部(第二凸形状)
15B…フラッパー本体の下部(第一凸形状)
17、19…リブ
Claims (5)
- 冷却ファンシュラウドのシュラウド壁に形成された開口部を走行風により開閉自在とするフラッパーが取り付けられた冷却ファンシュラウドのフラッパー構造であって、
前記フラッパーは、開時に走行風によるフラッパー開口を促進するように走行風を受ける波型形状を有した
ことを特徴とする冷却ファンシュラウドのフラッパー構造。 - 請求項1に記載の冷却ファンシュラウドのフラッパー構造であって、
前記フラッパーの下部は、開時に走行風を受ける様に走行風の流れる方向に突出する第一凸形状とし、前記フラッパーの上部は、開時に前記第一凸形状に走行風を導く様に走行風に向かって突出する第二凸形状とした
ことを特徴とする冷却ファンシュラウドのフラッパー構造。 - 請求項1または請求項2に記載の冷却ファンシュラウドのフラッパー構造であって、
前記フラッパーを前記シュラウド壁に対して開閉自在に取り付ける回転軸を、該フラッパーの上下方向センター位置から偏心した上方位置に設けた
ことを特徴とする冷却ファンシュラウドのフラッパー構造。 - 請求項1から請求項3の何れか一つに記載の冷却ファンシュラウドのフラッパー構造であって、
前記波型形状とされたフラッパーの左右方向両端にリブが設けられた
ことを特徴とする冷却ファンシュラウドのフラッパー構造。 - 請求項1から請求項3の何れか一つに記載の冷却ファンシュラウドのフラッパー構造であって、
前記波型形状とされたフラッパーの左右方向両端に対応する前記開口部の周縁部にリブが設けられた
ことを特徴とする冷却ファンシュラウドのフラッパー構造。
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JP2007135398A JP2008291664A (ja) | 2007-05-22 | 2007-05-22 | 冷却ファンシュラウドのフラッパー構造 |
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2007
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