JP2013203315A - 可変ダクト取付構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】空力性能を向上するとともに軽衝突時における可変ダクトの損傷を抑制した可変ダクト取付構造を提供する。
【解決手段】車体前端部に設けられ走行風が導入される開口を有するバンパフェイス10の開口内に配置され回転軸121,131回りに回動して開口内を実質的に開閉する可動ルーバ120,130をそれぞれ有する第1の可変ダクト100L及び第2の可変ダクト100Rを、バンパフェイスの開口に取付ける可変ダクト取付構造を、第1の可変ダクト及び第2の可変ダクトは、車幅方向に並べて配置されるとともに、車幅方向内側の端部が車幅方向外側の端部に対して前方側に配置される構成とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両前端部のバンパフェイス開口部に設けられる可変ダクトの取付構造に関し、特に空力性能を向上するとともに軽衝突時における可変ダクトの損傷を抑制したものに関する。
自動車等の車両においては、車両前端部のバンパフェイスに設けられた開口から冷却用の走行風を導入し、ラジエータ、エアコンディショナのコンデンサ、インタークーラ等を冷却している。
また、近年では、このような開口に開閉可能な可変ダクトを設けて、冷却負荷が小さく走行風の風量が少なくても良い場合には可変ダクトを閉じることにより、空気抵抗の低減等を図ったものが知られている。
このような可変ダクトに関する従来技術として、例えば特許文献1には、エンジンルーム前端部近傍において、ラジエータの直前に可変ダクト(可変グリルシャッタ装置)を取り付けたものが記載されている。
特開2007− 1503号公報
一般に車両のバンパフェイスは車両前方が凸となるように湾曲して形成され、バンパビームもバンパフェイスの湾曲にほぼ沿って湾曲している。
しかし、可変ダクトは回転軸回りにルーバを回動させる構造上、ストレートな形状とせざるを得ず、バンパフェイスの表面から奥まった位置に配置することになり、車両の空力性能向上効果が限られたものとなっていた。
また、空力性能を優先して可変ダクトを前方に配置した場合、軽衝突でのバンパビーム変形時に、衝突相手と直接干渉し、可変ダクトが破損することが懸念される。
本発明の課題は、空力性能を向上するとともに軽衝突時における可変ダクトの損傷を抑制した可変ダクト取付構造を提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により、上述した課題を解決する。
請求項1に係る発明は、車体前端部に設けられ走行風が導入される開口を有するバンパフェイスの前記開口内に配置され回転軸回りに回動して前記開口内を実質的に開閉する可動ルーバをそれぞれ有する第1の可変ダクト及び第2の可変ダクトを、前記バンパフェイスの前記開口に取り付ける可変ダクト取付構造であって、前記第1の可変ダクト及び前記第2の可変ダクトは、車幅方向に並べて配置されるとともに、車幅方向内側の端部が車幅方向外側の端部に対して前方側に配置されることを特徴とする可変ダクト取付構造である。
これによれば、第1の可変ダクト及び第2の可変ダクトを、車幅方向中央部において張り出すように配置することによって、可変ダクトの配置をバンパフェイスの外表面の形状に近づけて、可変ダクトを閉塞した場合の空気抵抗を低減して車両の空力性能を改善し、燃費を向上することができる。
また、軽衝突によって車両前方側から障害物が干渉した場合には、第1の可変ダクト及び第2の可変ダクトがそれぞれ車幅方向中央側を後退させる方向に回動することによって、各可変ダクトの損傷を防止し、修理に要する工数やコストを低減することができる。
請求項2に係る発明は、前記第1の可変ダクトの車幅方向内側の端部と、前記第2の可変ダクトの車幅方向内側の端部とを、可撓性を有する連結部材によって連結したことを特徴とする請求項1に記載の可変ダクト取付構造である。
これによれば、軽衝突時における第1の可変ダクト及び第2の可変ダクトの相対角度変化を許容し、上述した効果をより確実に得ることができる。
以上説明したように、本発明によれば、空力性能を向上するとともに軽衝突時における可変ダクトの損傷を抑制した可変ダクト取付構造を提供することができる。
本発明を適用した可変ダクト取付構造の実施例を有する車両の車体前端部を、車幅方向中央部からオフセットした箇所で鉛直面で切ってみた模式的断面図であって、衝突前かつ可変ダクトを開いた状態を示す図である。 図1の車両の可変ダクト周辺部の部品配置を示す模式的斜視図である。 図1の車両の可変ダクト周辺部の部品配置を示す模式的平面視図である。 本発明の比較例の車両の可変ダクト周辺部の部品配置を示す模式的平面視図である。 図1の車両の可変ダクト周辺部の部品配置を示す模式的平面視図であって、車両前方から軽衝突を受けた際の状態を示す図である。
本発明は、空力性能を向上するとともに軽衝突時における可変ダクトの損傷を抑制した可変ダクト取付構造を提供する課題を、左右1対の可変ダクトを、中央部が前進するように傾斜して配置するとともに、この中央部を可撓性を有する連結部材で連結することによって解決した。
以下、本発明を適用した可変ダクト取付構造の実施例について説明する。
実施例の可変ダクト取付構造は、例えば、乗用車等の自動車の車体前端部に設けられるものである。
図1は、実施例の可変ダクト取付構造を有する車両の車体前端部を、車幅方向中央部から左側にオフセットした箇所で鉛直面で切ってみた模式的断面図であって、衝突前かつ可変ダクトを開いた状態を示す図(図2のI−I部矢視断面相当)である。
図2は、図1の車両の可変ダクト周辺部の部品配置を示す模式的斜視図である。
図3は、図1の車両の可変ダクト周辺部の部品配置を示す模式的平面視図である。
車体前部には、バンパフェイス10、バンパビーム20、ラジエータ30、コンデンサ40、ラジエータパネル50、エネルギ吸収材(EA材)60、右可変ダクト100R、左可変ダクト100L等を有して構成されている。
バンパフェイス10は、車体前端部に設けられる外装部材であって、例えばPP等の樹脂材料によって一体に形成されている。
バンパフェイス10は、本体部11、エアダム部12等を有して構成されている。
本体部11は、図示しないフロントグリル、ヘッドランプ等の下部に配置される部分である。
エアダム部12は、本体部11の下側に、本体部11に対して間隔を隔てて配置されている。
本体部11とエアダム部12との間は、冷却用の走行風が導入される開口となっている。
本体部11は、前面部11a、上面部11b、下面部11cを有して構成されている。
前面部11aは、車両前方側に配置され上下方向にほぼ沿って配置された面部である。
上面部11bは、前面部11aの上端部から後方へ伸びて配置された面部である。
下面部11cは、前面部11aの下端部から後方へ伸びて配置された面部である。
下面部11cは、ほぼ水平に配置され、可変ダクト100の上部が固定される。
エアダム部12は、前面部12a、上面部12b、下面部12cを有して構成されている。
前面部12aは、車両前方側に配置され上下方向にほぼ沿って配置された面部である。
上面部12bは、前面部12aの上端部から後方へ伸びて配置された面部である。
下面部12cは、前面部12aの下端部から後方へ伸びて配置された面部であって、可変ダクト100の下部が固定される。
バンパビーム20は、バンパフェイス10の本体部11の後方側に配置され、車幅方向にほぼ沿って伸びた梁状の部材である。
バンパビーム20は、実質的に矩形状の閉断面を有して構成されている。
図2、図3に示すように、バンパビーム20は、バンパフェイス10の造形にあわせて、前方側が凸となるように湾曲して形成されている。
バンパビーム20の左右端部近傍における後部には、車両後方側に突き出して形成され、図示しない車両のフロントサイドフレームと結合されるステー21が形成されている。
ラジエータ30は、図示しないエンジンの冷却水を、走行風との熱交換によって冷却するものである。
ラジエータ30は、冷却水が通過するチューブの周囲に多数のフィンを配置して構成されている。
コンデンサ40は、図示しないエアコンディショナの気相冷媒を、走行風との熱交換によって冷却し、凝縮させて液相とするものである。
コンデンサ40は、冷媒が通過するチューブの周囲に多数のフィンを配置して構成されている。
コンデンサ40は、ラジエータ30の前方に配置されている。
ラジエータパネル50は、ラジエータ30及びコンデンサ40の周囲に設けられた枠状の車体構造部材であって、これらを支持するものである。
ラジエータパネル50の下部には、一対の板金パネルをモナカ状に接合して閉断面状に構成されたラジエータパネルロワ51が形成されている。
また、図2に示すように、ラジエータ30及びコンデンサ40の上部及び側部には、それぞれラジエータパネルアッパ52、ラジエータパネルサイド53が設けられ、さらに、左右のラジエータパネルサイド53の中央部には、ラジエータパネルアッパ52とラジエータパネルロワ51を上下方向に連結するステー54が設けられている。
EA材60は、エアダム部12の後方に配置され、衝突時にエアダム部12から入力される荷重を吸収しつつ車体側へ伝達するものである。
EA材60は、車両の前後方向に配列され上下方向にほぼ沿って伸びた複数のリブを、上面部で連結して構成され、例えば樹脂材料によって一体に形成されている。
EA材60の前端部は、エアダム部12の内部に挿入され、EA材60の下部は、ラジエータパネル50の下部に配置されている。
右可変ダクト100R、左可変ダクト100Lは、バンパフェイス10の開口に設けられ、開口を実質的に開閉するものである。
これらは実質的に共通の構造を有するため、以下、左可変ダクト100Lの構成を、図1を参照して説明する。
左可変ダクト100Lは、枠体110、アッパルーバ120、ロワルーバ130、リンク140、図示しないアクチュエータ等を備えて構成されている。
枠体110は、開口の内周縁部にほぼ沿って形成され、車両前方側から見た平面形が実質的に矩形状に形成されている。
枠体110の内部は、左可変ダクト100Lを開いた際に走行風が通過する空気流路となっている。
アッパルーバ120及びロワルーバ130は、車幅方向にほぼ沿って延び、枠体110の左右側端部間にわたして設けられた帯板状の部材である。
アッパルーバ120及びロワルーバ130は、上下方向に離間して配置されるとともに、その長手方向にほぼ沿って配置された回転軸121,131回りに回動可能となっている。
回転軸121,131は、アッパルーバ120、ロワルーバ130の幅方向における中央部に配置されている。
アッパルーバ120及びロワルーバ130は、その本体部が実質的に水平に配置された全開状態と、実質的に上下方向に沿って配置された全閉状態との間で回動する。
この全閉状態においては、アッパルーバ120及びロワルーバ130は、枠体110の内部を実質的に閉塞するようになっている。
アッパルーバ120及びロワルーバ130は、これらが全開状態にある場合に、回転軸121,131に対して上方かつ後方側に突き出したアーム部122,132を備えている。
アーム部122,132は、アッパルーバ120、ロワルーバ130とそれぞれ一体に形成されている。
リンク140は、アッパルーバ120及びロワルーバ130のアーム部122,132の先端部間を、アッパルーバ120及びロワルーバ130の後方側で連結し、かつ、アーム部122,132に対して回動可能に接続されている。
アクチュエータは、アッパルーバ120近傍における枠体110の側部に設けられ、図示しない可変ダクト制御ユニットからの指令に応じて、アッパルーバ120を駆動するものである。
アクチュエータは、例えば、電動モータ及び減速ギヤ機構等を有して構成される。
アクチュエータは、車両前方から見た位置が、ラジエータ30及びコンデンサ40からオフセットして配置されている。
アッパルーバ120がアクチュエータによって駆動され回動すると、ロワルーバ130はリンク140によってアッパルーバ120と連動して回動する。
可変ダクト制御手段は、図示しないエンジン制御ユニット、空調制御ユニット等から冷却負荷に関する情報を取得し、これに基いて、冷却負荷が所定値以下である場合には、左可変ダクト100Lを閉塞する。
左可変ダクト100Lは、開状態におけるアッパルーバ120及びロワルーバ130の前端部が回転軸121,131に対してほぼ真下となるまで回動することによって、枠体110の内部がアッパルーバ120、ロワルーバ130によって実質的に閉塞される。
右可変ダクト100Rも上述した左可変ダクト100Lと実質的に同様の構成を有し、左可変ダクト100Lと連動して開閉される。
図2、図3に示すように、右可変ダクト100R及び左可変ダクト100Lは、車幅方向中央側の端部が、車幅方向外側の端部に対して前進するように、車幅方向に対して傾斜して配置されている。
右可変ダクト100R及び左可変ダクト100Lの車幅方向外側の端部は、バンパフェイス10の開口側部に、上下方向にほぼ沿った軸回りに揺動が可能なように取り付けられている。
このような揺動は、例えば、右可変ダクト100R及び左可変ダクト100Lの車幅方向外側の支持箇所を、このような揺動を妨げない程度の低剛性とし、軽衝突時に撓ませることによって実現可能である。
右可変ダクト100R及び左可変ダクト100Lの車幅方向中央側の端部間は、連結部材150によって連結されている。
連結部材150は、可撓性を有する材料によって変形可能に構成され、右可変ダクト100Rと左可変ダクト100Lとを、上下方向にほぼ沿った軸回りに揺動可能に連結する。
このような連結部材150は、例えば、一般的にバンパフェイス等に用いられるPP樹脂等よりも相対的に硬度の低いゴム系、樹脂系の材料や、薄板の板金部材によって形成することができる。
次に、上述した実施例の効果を、以下説明する本発明の比較例と対比して説明する。
なお、比較例の説明において、上述した実施例と実質的に共通する箇所については同じ符号を付して説明を省略し、主に相違点について説明する。
図4は、比較例の可変ダクト取付構造の部品配置を示す模式的平面視図である。
比較例においては、実施例の右可変ダクト100R、左可変ダクト100Lに代えて、左右一体の可変ダクト100Aを備えている。
可変ダクト100Aは、上方から見た平面形が車幅方向に沿ったストレート状に配置されている。
また、可変ダクト100Aの車幅方向中央部における前方には、バンパフェイス10の開口中央部における剛性を確保するため、本体部11とエアダム部12とを連結する連結部13が設けられている。
このような比較例においては、連結部13が設けられることによって開口の有効面積が減少し、導風効果が損なわれてしまう。
また、軽衝突時に、障害物によって連結部13が後方に押されて可変ダクト100Aに干渉したり、あるいは、障害物が可変ダクト100Aと直接干渉した場合、可変ダクト100Aが損傷を受けて交換等が必要となり、修理に要する工数やコストが増加してしまう。
図5は、図1の車両の可変ダクト周辺部の部品配置を示す模式的平面視図であって、車両前方から軽衝突を受けた際の状態を示す図である。
実施例においては、軽衝突時に障害物との干渉によってバンパビーム20が変形したり、あるいは右可変ダクト100R又は左可変ダクト100Lに直接障害物が干渉した場合には、右可変ダクト100R及び左可変ダクト100Lは、それぞれ車幅方向内側の端部が車両後方側へ後退する方向へ、車幅方向外側の端部回りに回動する。
このとき、連結部材150は、撓むことによって、このような右可変ダクト100R及び左可変ダクト100Lの回動を妨げない。
以上説明した実施例によれば、右可変ダクト100R及び左可変ダクト100Lを、中央部が前進するようにくさび型に配置することによって、各可変ダクトをバンパフェイス10の前縁の湾曲に近づけて配置することが可能となり、各可変ダクトを閉塞した際の車両の空力性能を向上し、燃費を改善することができる。
また、上述したように、軽衝突時には柔軟構造を有する連結部材150によって、右可変ダクト100R及び左可変ダクト100Lがそれぞれ回動して障害物から逃げることが許容され、各可変ダクトの圧壊を防止して損傷が抑制され、修理に要する工数やコストが低減される。
(変形例)
本発明は、以上説明した実施例に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。
可変ダクト支持構造を構成する各部材の形状、構造、材質、製法、配置、数量等は、上述した実施例に限定されず、適宜変更することができる。
例えば、実施例においては、左右1対の可変ダクトを用いる構成としているが、3個以上の可変ダクトを車幅方向に並べて配置する構成としてもよい。
10 バンパフェイス 11 本体部
11a 前面部 11b 上面部
11c 下面部 12 エアダム部
12a 前面部 12b 上面部
12c 下面部 13 連結部
20 バンパビーム 21 ステー
30 ラジエータ
40 コンデンサ 50 ラジエータパネル
51 ラジエータパネルロワ 52 ラジエータパネルアッパ
53 ラジエータパネルサイド 54 ステー
60 エネルギ吸収材
100R 右可変ダクト 100L 左可変ダクト
100A 可変ダクト 110 枠体
120 アッパルーバ 121 回転軸
122 アーム部 123 突出部
130 ロワルーバ
131 回転軸 132 アーム部
140 リンク 150 連結部材

Claims (2)

  1. 車体前端部に設けられ走行風が導入される開口を有するバンパフェイスの前記開口内に配置され回転軸回りに回動して前記開口内を実質的に開閉する可動ルーバをそれぞれ有する第1の可変ダクト及び第2の可変ダクトを、前記バンパフェイスの前記開口に取り付ける可変ダクト取付構造であって、
    前記第1の可変ダクト及び前記第2の可変ダクトは、車幅方向に並べて配置されるとともに、車幅方向内側の端部が車幅方向外側の端部に対して前方側に配置されること
    を特徴とする可変ダクト取付構造。
  2. 前記第1の可変ダクトの車幅方向内側の端部と、前記第2の可変ダクトの車幅方向内側の端部とを、可撓性を有する連結部材によって連結したこと
    を特徴とする請求項1に記載の可変ダクト取付構造。
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