JP2008286007A - 可変圧縮比機構 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ピストン1とクランクシャフト5とを機械的に連係する複数のリンク2、3と、クランクシャフト5と略平行に延びる制御軸6、7と、その偏心軸6b、7bと、両端がそれぞれ異なる偏心軸に回転可能に連結された連結リンク8と、一端がロアリンク3に回転可能に連結され他端が偏心軸6bに回転可能に連結されたコントロールリンク4と、制御軸6、7の少なくとも一つに備えられた駆動手段17と、制御軸6、7を所定の回転位置に保持し得る保持手段18、19とを有し、制御軸6、7が回転することにより圧縮比が連続的に低下又は増加する可変圧縮比機構であって、主軸6a、7aがエンジンブロックに回転可能に支持されていることにより、コントロールリンク4から偏心軸6bに作用する荷重を前記複数の制御軸で分担して受ける。
【選択図】図1
Description
(1)第1コントロールシャフト6と第2コントロールシャフト7の2本のコントロールシャフトを備え、第1コントロールシャフト6は偏心軸6bを有し、連結リンク8は第1コントロールシャフトの偏心軸6bと第2コントロールシャフト7の偏心軸7bとを連結し、コントロールリンク4の他端が第1コントロールシャフト6の偏心軸6bに回転可能に連結され、コントロールリンク4から第1コントロールシャフト6の偏心軸6bに作用する荷重を第1コントロールシャフト6及び第2コントロールシャフト7で受けるので、燃焼荷重、運動部品の慣性力を2本のコントロールシャフト6、7で分担して受けることになり、1本当りに作用するコントロールシャフトトルクが低減するため、アクチュエータ26に作用する最大荷重を低減することができる。そのため、減速機構16の耐荷重と駆動側角度保持機構18の保持トルクとを低減し、アクチュエータ26を小型化することができる。また、第1、第2コントロールシャフト6、7に作用する荷重を分散、低減することでアクチュエータロッド13の変形による圧縮比ずれを抑制することができる。
(2)第1コントロールシャフト6と第2コントロールシャフト7の2本のコントロールシャフトを備え、連結リンク8は第1コントロールシャフト6の偏心軸6bと第2コントロールシャフト7の偏心軸7bとを連結し、コントロールリンク4の他端が連結リンク8に回転可能に連結され、コントロールリンク4から連結リンク8に作用する荷重を第1コントロールシャフト6及び第2コントロールシャフト7で受けるので、上記と同様にアクチュエータ26の小型化、アクチュエータロッド13の変形による圧縮比ずれの抑制が可能となる。
(3)前記保持手段が前記コントロールシャフトを所定の回転位置に保持するのに必要なトルクが最高圧縮比時及び最低圧縮比時に略最小となるよう各リンク2、3、4の配置や寸法、クランクシャフト5や各コントロールシャフト6、7の配置等を設定するので、最高圧縮比時、最低圧縮比時のコントロールシャフトトルクを略最小化するとともに、中間圧縮比時のコントロールシャフトトルクも低減でき、最高圧縮比から最低圧縮比までの全領域に渡ってコントロールシャフトトルクを低減することができる。これにより駆動側角度保持機構18、20の保持トルク限界を低減し、また減速機構16、19、アクチュエータロッド13への入力荷重を低減できるため、アクチュエータ26を大幅に小型化することができるとともに、アクチュエータ26からの騒音、振動発生も低減できる。
(4)最高圧縮比時又は最低圧縮比時のいずれか一方において、ベクトルB1とベクトルB2とがベクトルB1とベクトルB2の変動範囲内で最も平行に近づき、かつ他方においてベクトルB3とベクトルB4とがベクトルB3とベクトルB4の変動範囲内で最も平行に近づくので、ベクトルB1とベクトルB2が最も平行に近づくときには、コントロールシャフト角度を保持するために必要な第1コントロールシャフト6まわりのコントロールシャフトトルクが最小となり、アクチュエータ26に作用する荷重を最小化することができる。また、ベクトルB3とベクトルB4とがもっとも平行に近づくときには、第2Knとロールシャフト7まわりのコントロールシャフトトルクが最小となり、第2コントロールシャフト7の主軸7aがもつフリクションによって第1コントロールシャフト6のコントロールシャフト角度を保持する際にアクチュエータ26に作用する荷重が低減する。そのため、全圧縮比領域に渡ってコントロールシャフトトルクを低減することができ、結果として全圧縮比領域に渡ってアクチュエータ26に作用する荷重を低減することができる。
(5)ベクトルB1とベクトルB2の向きが変動範囲内で最も平行に近づくときに、第2コントロールシャフト7に作用する荷重の方が第1コントロールシャフト6に作用する荷重よりも小さく、ベクトルB3とベクトルB4の向きが変動範囲内で最も平行に近づくときに、第1コントロールシャフト6に作用する荷重の方が第2コントロールシャフト7に作用する荷重よりも小さいので、偏心軸6b、7bから主軸6a、7a方向と第1、第2コントロールシャフト6、7に作用する荷重の作用方向とがなす角度が最も小さくなるときに、より大きな荷重を受けることとなる。これによって、より小さい力で第1、第2コントロールシャフト6、7の回転角を保持することが可能となり、アクチュエータ26に作用する荷重を圧縮比によらず低減することができる。
(6)第1コントロールシャフト6に作用する荷重よりも第2コントロールシャフト7に作用する荷重の方が大きいときに、ベクトルB2とベクトルB3が略直交するので、ベクトルB1〜B4と第1、第2コントロールシャフト6、7に作用する荷重とが上記(5)のような関係にあるときには、連結リンク8に作用する最大荷重を低減することができ、これにより連結リンク8を小型化することができる。
(7)機関運転中の少なくとも一のクランク角度において、ベクトルB1とベクトルB3とが平行になるので、第1コントロールシャフト6の軸受荷重の発生、及びベクトルB3の増大を防止することができる。
(8)全気筒共通の第1コントロールシャフト6を備え、第1コントロールシャフト6に同一気筒列の全気筒のコントロールリンク4が連結され、第2コントロールシャフト7は少なくとも一つの連結リンク8で第1コントロールシャフト6に連結されるので、連結リンク8の数を気筒数よりも少なくすることができ、これにより第2コントロールシャフト7の長さを第1コントロールシャフト6よりも短縮し、コンパクト化することができる。
例えば、連結リンク8を気筒列の前端又は後端の何れか一方又は両方に配置することで、コントロールリンク4及び第1、第2コントロールシャフト6、7の軸受部と干渉することなく連結リンク8を配置することが可能となる。
(9)第1コントロールシャフト6に駆動側角度保持機構18を、第2コントロールシャフト7に非駆動側角度保持機構20を、備え、圧縮比に応じて、駆動側角度保持機構18又は非駆動側角度保持機構20のうちより小さいトルクで第1コントロールシャフト6及び第2コントロールシャフト7の角度を保持可能な方を作動させるので、駆動側角度保持機構18及び非駆動側角度保持機構20は、それぞれ必要な保持トルクが小さくなるので小型化することが可能となる。
(10)電動モータ17は第1コントロールシャフト6を駆動し、かつベクトルB3とベクトルB4は平行にならないので、第1コントロールシャフト6を回転させるために必要な電動モータ17の出力の増大を抑制することができ、これにより圧縮比によらず、常に第1コントロールシャフト6を電動モータ17で駆動することができる。
(1)第1コントロールシャフト6と第2コントロールシャフト7の2本の制御軸を備え、第1コントロールシャフト6は第1、第2の偏心軸6b、6cを有し、連結リンク8は第1コントロールシャフト6の第1偏心軸6bと第2コントロールシャフト7の偏心軸7bとを連結し、コントロールリンク4の他端が第1コントロールシャフト6の第2偏心軸6cに回転可能に連結され、コントロールリンク4から第1コントロールシャフト6の第1偏心軸6bに作用する荷重を第1コントロールシャフト6及び第2コントロールシャフト7で受けるので、第1実施形態の(1)、(2)の効果と同様の効果を得ることができる。
(2)第1コントロールシャフト6の第1偏心軸6bと第2偏心軸6cとが、第1コントロールシャフト6の中心を基準として略同方向に位置するので、コントロールリンク4から第1コントロールシャフト6に作用する荷重と、連結リンク8から第1コントロールシャフト6に作用する荷重が相殺されるため、第1コントロールシャフト6の主軸6aに作用する荷重が低減される。
2 アッパーリンク
3 ロアリンク
4 コントロールリンク
5 クランクシャフト
6 第1コントロールシャフト
7 第2コントロールシャフト
8 連結リンク
11 フォーク部材
13 アクチュエータロッド
14 ボールネジネット
15 平歯車
16 減速機構(駆動側)
17 電動モータ
18 角度保持機構(駆動側)
19 減速機構(非駆動側)
20 角度保持機構(非駆動側)
21 コイル
22 バネ
23 ディスク
24 アーマチュア
26 アクチュエータ
27 偏心ベアリンク
Claims (16)
- ピストンのピストンピンとクランクシャフトのクランクピンとを機械的に連係する複数のリンクと、
前記クランクシャフトと略平行に延びる複数の制御軸と、
前記複数の制御軸にそれぞれ偏心して設けられた偏心軸と、
両端がそれぞれ異なる前記偏心軸に回転可能に連結された連結リンクと、
一端が前記複数のリンクの一に回転可能に連結されるとともに、他端が前記偏心軸のいずれか一つ又は前記連結リンクに回転可能に連結されたコントロールリンクと、
前記制御軸の少なくとも一つに備えられ所定の制御範囲内で当該制御軸を回転駆動する駆動手段と、
前記制御軸を所定の回転位置に保持し得る保持手段と、
を有し、
前記制御軸が回転することにより圧縮比が連続的に低下又は増加する可変圧縮比機構であって、
前記複数の制御軸の主軸部分がエンジンブロックに回転可能に支持されていることにより、前記コントロールリンクから前記偏心軸の一又は前記連結リンクに作用する荷重を前記複数の制御軸で分担して受けることを特徴とする可変圧縮比機構。 - 前記制御軸として第1制御軸と第2制御軸を備え、
前記第1制御軸は第1、第2の偏心軸を有し、
前記連結リンクは第1制御軸の第1偏心軸と第2制御軸の偏心軸とを連結し、
前記コントロールリンクの他端が第1制御軸の第2偏心軸に回転可能に連結され、
前記コントロールリンクから前記第1制御軸の第2偏心軸に作用する荷重を前記第1制御軸及び第2制御軸で受けることを特徴とする請求項1に記載の可変圧縮比機構。 - 前記制御軸として第1制御軸と第2制御軸を備え、
前記連結リンクは第1制御軸の偏心軸と第2制御軸の偏心軸とを連結し、
前記コントロールリンクの他端が前記連結リンクに回転可能に連結され、
前記コントロールリンクから前記連結リンクに作用する荷重を前記第1制御軸及び第2制御軸で受けることを特徴とする請求項1に記載の可変圧縮比機構。 - 前記保持手段が前記制御軸を所定の回転位置に保持するのに必要なトルクが最高圧縮比時及び最低圧縮比時に略最小となることを特徴とする請求項2または3に記載の可変圧縮比機構。
- 最高圧縮比時又は最低圧縮比時のいずれか一方において、前記コントロールリンクから前記第1制御軸の前記コントロールリンクとの連結部に作用する荷重ベクトルである第1ベクトルと前記第1制御軸の中心から前記連結リンクとの連結部方向のベクトルである第2ベクトルとが前記第1ベクトルと前記第2ベクトルの変動範囲内で最も平行に近づき、かつ他方において前記連結リンクの長手方向ベクトルである第3ベクトルと前記第2制御軸の中心から偏心軸方向のベクトルである第4ベクトルとが前記第3ベクトルと前記第4ベクトルの変動範囲内で最も平行に近づくことを特徴とする請求項2から4のいずれか一つに記載の可変圧縮比機構。
- 前記第1ベクトルと前記第2ベクトルの向きが前記変動範囲内で最も平行に近づくときに、前記第2制御軸に作用する荷重の方が前記第1制御軸に作用する荷重よりも小さく、
前記第3ベクトルと前記第4ベクトルの向きが前記変動範囲内で最も平行に近づくときに、前記第1制御軸に作用する荷重の方が前記第2制御軸に作用する荷重よりも小さいことを特徴とする請求項5に記載の可変圧縮比機構。 - 前記第1制御軸に作用する荷重よりも前記第2制御軸に作用する荷重の方が大きいときに、前記第2ベクトルと前記第3ベクトルが略直交することを特徴とする請求項2から6のいずれか一つに記載の可変圧縮比機構。
- 機関運転中の少なくとも一のクランク角度において、前記第1ベクトルと前記第3ベクトルが平行になることを特徴とする請求項2から7のいずれか一つに記載の可変圧縮比機構。
- 前記第1制御軸の第1偏心軸と第2偏心軸とが、前記第1制御軸の中心を基準として略同方向に位置することを特徴とする請求項2又は4から8のいずれか一つに記載の可変圧縮比機構。
- 前記第1制御軸の第1偏心軸と第2偏心軸とが、前記第1制御軸の中心を基準として異なる方向に位置することを特徴とする請求項2又は4から8のいずれか一つに記載の可変圧縮比機構。
- 多気筒エンジンに適用する可変圧縮比機構において、
各気筒ごとに分割されて独立に回転可能な第1制御軸と、
全気筒共通の第2制御軸と、
を備え、
前記第1制御軸は各気筒ごとに連結リンクにより前記第2制御軸に連結され、かつ各気筒ごとに前記コントロールリンクが連結され、
前記駆動手段が前記第2制御軸を駆動することで全気筒同時に圧縮比の変更が可能であり、
かつ、前記第1制御軸の主軸部分の軸受に調整偏心ベアリングを備えることにより、気筒間の圧縮比のバラツキを低減しうることを特徴とする請求項2から10のいずれか一つに記載の可変圧縮比機構。 - 多気筒エンジンに適用する可変圧縮比機構において、
全気筒共通の第1制御軸を備え、
前記第1制御軸に同一気筒列の全気筒の前記コントロールリンクが連結され、
前記第2制御軸は少なくとも一つの前記連結リンクで前記第1制御軸に連結されることを特徴とする請求項2または4から10のいずれか一つに記載の可変圧縮比機構。 - 前記第1制御軸に第1保持手段を、前記第2制御軸に第2保持手段を、それぞれ備え、
圧縮比に応じて、前記第1保持手段又は前記第2保持手段のうちより小さいトルクで前記第1制御軸及び前記第2制御軸の角度を保持可能な方の保持手段を作動させることを特徴とする請求項2から12のいずれか一つに記載の可変圧縮比機構。 - 前記第1、第2の制御軸のうち前記駆動手段により駆動される制御軸を駆動側制御軸、他方の制御軸を非駆動側制御軸としたときに、
非駆動側制御軸の主軸部分のフリクショントルクよりも駆動側制御軸の主軸部分のフリクショントルクの方が大きく、
少なくとも非駆動側制御軸に前記保持手段を備えることを特徴とする請求項2から13のいずれか一つに記載の可変圧縮比機構。 - 前記第1、第2の制御軸のうち前記駆動手段により駆動される制御軸を駆動側制御軸、他方の制御軸を非駆動側制御軸としたときに、
非駆動側制御軸の主軸部分のフリクショントルクよりも駆動側制御軸の主軸部分のフリクショントルクの方が小さく、
少なくとも駆動側制御軸に前記保持手段を備え、
前記第3ベクトルと前記第4ベクトルが略平行にはならないことを特徴とする請求項2から13のいずれか一つに記載の可変圧縮比機構。 - 前記駆動手段は前記第1制御軸を駆動し、かつ前記第3ベクトルと前記第4ベクトルは平行にならないことを特徴とする請求項2から15のいずれか一つに記載の可変圧縮比機構。
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