JP2010174760A - 内燃機関の複リンク式可変圧縮比装置 - Google Patents

内燃機関の複リンク式可変圧縮比装置 Download PDF

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Abstract

【課題】機関加速時に主アクチュエータ30の応答によらずに速やかに低圧縮比化できるようにする。
【解決手段】複リンク式の可変圧縮比機構を備え、制御軸18の回転位置によって圧縮比が定まるものにおいて、第1,第2リンク61,62を介して、電動モータ31を用いた主アクチュエータ30が連結される。リンク61,62の自由度を制限するように油圧ピストン機構50が第3リンク65を介して連結される。油圧ピストン機構50のピストン52は、低圧縮比側(下限位置)と高圧縮比側(上限位置)とに2値的に制御され、いずれかの位置で主アクチュエータ30を動かすことにより制御軸18が目標圧縮比位置に制御される。油圧により交番トルクによる振動がダンピングされる。急加速時には、油圧を解放することで、燃焼荷重により瞬時に低圧縮比化する。
【選択図】図1

Description

この発明は、複リンク式ピストン−クランク機構を利用した内燃機関の複リンク式可変圧縮比装置に関し、特に、その圧縮比を変更するためのアクチュエータ機構の改良に関する。
内燃機関の圧縮比を可変制御するために、特許文献1,2に例示されているように、複リンク式ピストン−クランク機構を利用した複リンク式可変圧縮比装置が知られている。これは、内燃機関のピストンとクランクシャフトとが複数のリンク部材を介して連結されているとともに、これらのリンク部材の自由度を制限するコントロールリンクを備え、このコントロールリンクの基端の位置(揺動支点位置)を変更することで、ピストン位置を相対的に上下に変位させ、圧縮比を変更する構成となっている。上記コントロールリンクの揺動支点位置の変更には、例えば、コントロールリンク基端が連結される偏心軸を備えた制御軸が用いられ、この制御軸の回転位置を電動モータ等からなるアクチュエータによって変化させる構成となっている。
さらに、特許文献3には、アクチュエータとなるサーボモータと制御軸との間に電磁クラッチを介在させ、例えばサーボモータの焼き付き等により圧縮比可変機構が高圧縮比のまま制御不能となったような場合に、電磁クラッチを遮断することで、圧縮比可変機構をフリーの状態とし、燃焼圧によって自然に低圧縮比状態に復帰させることが開示されている。
特開2000−73804号公報 特開2002−21592号公報 特開2004−169660号公報
内燃機関の可変圧縮比装置は、一般に、熱効率向上のために低中負荷領域では高い圧縮比とする一方、高負荷域ではノッキング回避のために低圧縮比に制御されるが、周知のように、高圧縮比となる低中負荷領域で負荷が急激に増加(加速)した際の圧縮比変化の応答遅れが大きな技術課題となっている。つまり、機関急加速時には、圧縮比を速やかに低圧縮比に変化させる必要があり、応答遅れによってノッキングが発生したり、あるいはノッキング回避のための点火時期遅角が実行されてしまう。
ここで、特許文献3が開示する電磁クラッチを用いた構成では、サーボモータと制御軸との間での伝達トルクの全てを電磁クラッチが受け、また、制御軸から入力される燃焼荷重やピストンの慣性荷重による交番トルクの全てをサーボモータならびに電磁クラッチが直接に受けるので、これらの容量が大きいものが必要となる。
この発明に係る内燃機関の複リンク式可変圧縮比装置は、内燃機関のピストンとクランクシャフトとが複数のリンク部材を介して連結されているとともに、これらのリンク部材の自由度を制限するコントロールリンクを有し、このコントロールリンクの基端が制御軸の偏心軸に揺動可能に連結され、この制御軸の回転位置に応じた上記偏心軸の位置によって圧縮比が変化するものである。
そして、互いに折曲可能に連結された第1,第2リンクを介して上記制御軸に連係した主アクチュエータと、上記2つのリンクの折曲角度を変化させるように、一方のリンクないしは両者の連結点に連結された副アクチュエータと、を備えており、上記副アクチュエータが燃焼荷重方向に沿って変位することにより圧縮比が低下するように構成されている。
一つの態様では、上記コントロールリンクを介して作用する燃焼荷重が、上記第1,第2リンクを伸長させる方向に作用するように構成されており、上記折曲角度は、上記副アクチュエータが低圧縮比側にあるときに相対的に180°に近く、上記副アクチュエータが高圧縮比側にあるときに相対的に小さい。
また他の一つの態様では、上記コントロールリンクを介して作用する燃焼荷重が、逆に、上記第1,第2リンクを押し縮める方向に作用するように構成されており、上記折曲角度は、上記副アクチュエータが高圧縮比側にあるときに相対的に180°に近く、上記副アクチュエータが低圧縮比側にあるときに相対的に小さい。
このような構成においては、主アクチュエータによる変位に加えて副アクチュエータの変位により制御軸の回転位置が定まる関係となり、主アクチュエータが一定の制御位置にあっても、副アクチュエータが変位すると、第1,第2リンクの折曲角度が変化し、制御軸の回転位置つまり圧縮比が変化する。また制御軸側からは、コントロールリンクからの燃焼荷重の一部が、第1,第2リンクの姿勢に応じた分力として副アクチュエータに作用する。そのため、例えば機関加速時に低圧縮比化する際に、主アクチュエータの作動に加えて、あるいはこれに代えて、副アクチュエータを低圧縮比側へ作動させることによって、燃焼荷重を利用した高い応答性でもって低圧縮比化することができる。なお、この副アクチュエータの低圧縮比側への作動は、副アクチュエータを積極的に動かすようにし、燃焼荷重をその補助として利用してもよく、あるいは、単に副アクチュエータを一時的にフリーとし、燃焼荷重によって動くようにしてもよい。
また、所望の目標圧縮比にあるときに、コントロールリンク側から制御軸に入力される交番トルクの一部は、やはり分力として副アクチュエータに作用し、残りの成分が主アクチュエータに作用する。つまり、主アクチュエータおよび副アクチュエータの双方で交番トルクを分担して支承することとなる。
この発明によれば、機関加速時等において燃焼荷重を利用して応答性よく低圧縮比化が行えるとともに、主アクチュエータおよび副アクチュエータの双方が分力として交番トルクの一部を受けることになり、各々を比較的小型の構成とすることができる。
この発明の一実施例を示す構成説明図。 この発明の第2の実施例を示す構成説明図。 高圧縮比位置におけるリンクの折曲角度と分力の関係の説明図。 中間圧縮比位置におけるリンクの折曲角度と分力の関係の説明図。 リンクの折曲方向の比較例を示す説明図。 制御軸が逆方向に回転する場合の高圧縮比位置における説明図。 主アクチュエータと油圧ピストン機構による制御軸の動作範囲の説明図。 同じく圧縮比可変範囲の説明図。 油圧ピストン機構を傾斜させた実施例の構成説明図。 複リンク式可変圧縮比装置の全体的な構成の一例を示す構成説明図。
図10は、本発明のアクチュエータ機構が適用される複リンク式可変圧縮比装置の基本的な構成の一例を示しており、図示するように、シリンダブロック5に形成されたシリンダ6内に、ピストン1が摺動可能に配設されており、このピストン1に、アッパリンク11の一端がピストンピン2を介して揺動可能に連結されている。このアッパリンク11の他端は、第1連結ピン12を介してロアリンク13の一端部に回転可能に連結されている。このロアリンク13は、その中央部においてクランクシャフト3のクランクピン4に揺動可能に取り付けられている。なお、ピストン1は、その上方に画成される燃焼室から燃焼圧力を受ける。また、クランクシャフト3は、クランク軸受ブラケット7によってシリンダブロック5に回転可能に支持されている。
上記ロアリンク13の他端部には、コントロールリンク15の一端が第2連結ピン14を介して回転可能に連結されている。このコントロールリンク15の他端は、内燃機関本体の一部に揺動可能に支持されており、かつ、圧縮比の変更のために、その揺動支点16の位置が内燃機関本体に対して変位可能となっている。具体的には、クランクシャフト3と平行に延びた制御軸18を備え、この制御軸18に偏心して設けられた偏心軸19に上記コントロールリンク15の他端が回転可能に嵌合している。上記制御軸18は、上記のクランク軸受ブラケット7と制御軸受ブラケット8との間に回転可能に支持されている。
従って、圧縮比の変更のために、後述するアクチュエータ機構により制御軸18を回転駆動すると、コントロールリンク15の揺動支点16となる偏心軸19の中心位置が機関本体に対して移動する。これにより、コントロールリンク15によるロアリンク13の運動拘束条件が変化して、クランク角に対するピストン1の行程位置が変化し、ひいては機関圧縮比が変更されることになる。
なお、本発明は、図示したような特定の形式の複リンク式可変圧縮比装置に限定されるものではなく、複リンク式ピストン−クランク機構を利用した種々の形式の可変圧縮比装置に適用することが可能である。
図1は、この発明の要部であるアクチュエータ機構の構成を示しており、このアクチュエータ機構は、電動モータ31を用いた主アクチュエータ30と、副アクチュエータとしてシリンダ51およびピストン52からなる油圧ピストン機構50と、を備えている。上記主アクチュエータ30は、この実施例では、電動モータ31の回転が減速ギヤ32,33を介してボールネジ機構34のボールナット35に伝達され、出力部材となるボールシャフト36が軸方向に直線往復運動する構成となっている。
上記ボールシャフト36の先端には、第1リンク61の基端が揺動可能に連結され、この第1リンク61の先端には、さらに第2リンク62の基端が揺動可能に連結されている。そして、この第2リンク62の先端が、制御軸18に固定された該制御軸18の半径方向に延びたアーム63の先端に揺動可能に連結されている。つまり、上記アーム63の先端は、ボールシャフト36の延長線上近くに位置し、両者を、ほぼ直線状に延びる折曲可能な2つのリンク61,62が接続している。そして、これら2つのリンク61,62の運動を規定するために、いずれか一方のリンク61,62あるいは両者の連結点64に、さらに第3リンク65の一端が揺動可能に連結されており、この第3リンク65の他端が、油圧ピストン機構50のピストン52のロッド52a先端に揺動可能に連結されている。図示例では、第1リンク61の中間部に、第3リンク65の一端が連結されている。
上記油圧ピストン機構50は、ボールシャフト36の軸方向(さらには第1,第2リンク61,62の長手方向)に対しほぼ直交する姿勢で配置されており、従って、3つのリンク61,62,65が概ねT字形に配置されている。この実施例では、油圧ピストン機構50は、ピストン52によって画成された2つの油室つまり第1油室53および第2油室54を有し、各々に連通する油路55,56に、開閉弁57,58が介装されている。上記開閉弁57,58は、この実施例では、大気開放されたリザーバタンク側と油圧ポンプ等の油圧源とに選択的に油路を切り換える切換弁であり、2つの切換弁が互いに連動した実質的に一体のものとすることも可能である。
また、主アクチュエータ30の単体での制御位置(換言すればボールシャフト36の変位)を検知するために、例えばロータリエンコーダからなる主アクチュエータ側センサ71が設けられているとともに、制御軸18の回転位置(ひいては圧縮比)を検知するために、制御軸18に対し制御軸位置センサ72が設けられている。油圧ピストン機構50にはセンサは設けられていないが、主アクチュエータ30を固定した状態で油圧ピストン機構50のピストン52を動かせば制御軸18が回転し、逆に、油圧ピストン機構50を固定した状態で主アクチュエータ30を動かせばやはり制御軸18が回転する関係にあるので、油圧ピストン機構50のピストン52の位置は、制御軸位置センサ72が検出する制御軸18の変位と主アクチュエータ側センサ71が検出する主アクチュエータ30の変位との一種の差分として検知することができる。
なお、図1の各リンクの姿勢は、低圧縮比状態に対応しており、このとき両リンク61,62はほぼ直線状態となる。そして、高圧縮比状態では、両リンク61,62は逆V字形に折曲している(図3参照)。
図には、前述したコントロールリンク15等を模式的に記載してあるが、機関のピストン1に作用する燃焼荷重は、コントロールリンク15に矢印Fで示すように偏心軸19を引き上げる方向に作用する。従って、この実施例の構成では、制御軸18は反時計回り方向に燃焼荷重を受け、2つのリンク61,62を互いに引き延ばす方向にアーム63を介して引っ張ることになる。また、制御軸18を時計回り方向に変位させると圧縮比が上昇し、反時計回り方向に変位させると圧縮比が低下する関係にあり、従って、主アクチュエータ30としては、図左方への変位が高圧縮比側、図右方への変位が低圧縮比側、また油圧ピストン機構50としては、図上方への変位が高圧縮比側、図下方への変位が低圧縮比側となる。
なお、このような燃焼荷重による制御軸18の回転方向は、逆に構成することができる。具体的には、図示例では、偏心軸19が制御軸18の図右側に配置されているが、例えば制御軸18の図左側に偏心軸19があれば(図6参照)、燃焼荷重Fによって制御軸18は時計回り方向に回転しようとする。また、これに伴って、圧縮比の高・低の方向も逆となる。このような実施例については、後述する。
図示した実施例の構成においては、油圧ピストン機構50は、基本的に2値的に制御され、低中負荷領域のように目標圧縮比が高圧縮比側にあれば、ピストン52が上限位置に位置するように第1,第2油室53,54の油圧供給が制御される。そして、この状態で、主アクチュエータ30が制御軸18の位置を目標圧縮比に対応させるようにフィードバック制御される。また、高負荷領域のように目標圧縮比が低圧縮比側にあれば、ピストン52が下限位置に位置するように第1,第2油室53,54の油圧供給が制御され、この状態で、主アクチュエータ30が制御軸18の位置を目標圧縮比に対応させるようにフィードバック制御される。目標圧縮比に合致した状態では、各油室53,54は開閉弁57,58によって密閉される。従って、制御軸18に作用する交番トルクに対し油圧ピストン機構50が一種のダンパとして機能し、振動入力を吸収する。なお、この交番トルクに伴う制御軸18の微小な変位は、主アクチュエータ30のフィードバック系に加えずに無視することが、電力消費削減の上で望ましい。また、ピストン52の位置は前述したように検知し得るので、ピストン52周囲等を介した油の漏洩によるピストン52の変位に対しては、油圧供給を適時に追加することで容易に対処できる。
一方、高圧縮比で運転している状態(つまり低中負荷領域)において機関の負荷が急激に増加した場合、つまり、運転者により操作されるアクセル開度が急激に増加した場合には、直ちに第1油室53の油圧を解放し、かつ同時に第2油室54に油圧を供給する。なお、油圧源による油圧供給の応答性が高くない場合などは、第2油室54も同時に解放するようにしてもよい。これにより、上限位置にあったピストン52は、燃焼荷重Fによる力を受けて瞬時に下降し、機関の圧縮比が直ちに低下する。また、これに並行して、主アクチュエータ30も低圧縮比側へ変位するが、この主アクチュエータ30の変位を待たずに圧縮比が低下し、従って、ノッキングを確実に回避できる。
運転者のアクセル操作による一時的な高負荷運転が終了し、低中負荷運転に復帰した場合には、前述したように油圧ピストン機構50のピストン52が上限位置に復帰し、かつ主アクチュエータ30が目標圧縮比(このときは比較的高い目標圧縮比となる)に沿うように制御されるが、基本的に、油圧ピストン機構50が先行して高圧縮比位置に動かされ、上限位置に復帰した後に、主アクチュエータ30が高圧縮比側へ変位する。換言すれば、油圧ピストン機構50が高圧縮比側の限界位置になければ、主アクチュエータ30の制御目標値が所定の低圧縮比側の範囲あるいは最低圧縮比位置に制限される。このように制御することで、例えば再度急加速がなされた場合に、油圧ピストン機構50を用いて再度確実に低圧縮比化することが可能となる。
次に、図2は、アクチュエータ機構の第2の実施例を示している。この実施例では、油圧ピストン機構50のピストン52に基端が連結された第3リンク65の先端が、第1,第2リンク61,62の連結点64にさらに同軸状に連結されている。また、この実施例では、油圧ピストン機構50は、1つの油室53のみを有し、この油室53に連通する油路55に開閉弁57が設けられている。また、ピストン52の一方の側は大気開放されており、油室53内には、ピストン52を高圧縮比側(上限位置)へ付勢するリターンスプリング59が配置されている。
このような構成においては、機関加速時に開閉弁57を開くことでピストン52がフリーとなって燃焼荷重により下降し、瞬時に低圧縮比化が行われる。そして、その後、機関の負荷ひいては燃焼荷重が低下した段階で、ピストン52は、リターンスプリング59の付勢力により、上方の位置に復帰し得る。
次に、図3に基づいて、リンクジオメトリについてさらに説明する。この例では、前述したように燃焼荷重により制御軸18が反時計回り方向のトルクを受け、その荷重が第1,第2リンク61,62を伸長させる方向に作用するが、このような燃焼荷重の方向に対しては、油圧ピストン機構50が図3のように高圧縮比側つまり上限位置にあるときに、第1,第2リンク61,62が逆V字形に折曲するように構成されている。この図3のような油圧ピストン機構50の高圧縮比側におけるリンクの姿勢において、第2リンク62に沿った力F3の分力として、第3リンク65に沿って油圧ピストン機構50に作用する力F1の方が、第1リンク61に沿って主アクチュエータ30側に作用する力F2よりも大きくなるように、そのリンクジオメトリを構成することが望ましい。このようにすれば、機関加速時に低圧縮比化する際に、制御軸18からの燃焼荷重による力が油圧ピストン機構50に効果的に作用し、ピストン52が速やかに移動する。
そして、油圧ピストン機構50が低圧縮比側に変位すると、折曲角度つまり第1,第2リンク61,62のなす角θ1は、高圧縮比状態に比べて相対的に大きくなり、油圧ピストン機構50が低圧縮比側の下限位置に達したときに角θ1が180°となる。従って、これが低圧縮比側への実質的なストッパ機構となり、別途のストッパ機構、例えば制御軸18の回転角度を規制するストッパなどが不要となる。
図4は、油圧ピストン機構50が中間圧縮比位置まで変位した状態を示しているが、このように低圧縮比側のリンク姿勢では、第2リンク62に沿った力F3の分力として、第3リンク65に沿って油圧ピストン機構50に作用する力F1の方が、第1リンク61に沿って主アクチュエータ30側に作用する力F2よりも小さくなるように、そのリンクジオメトリを構成することが望ましい。これにより、高負荷時(低圧縮比時)に交番荷重となる分力F1による油圧ピストン機構50の変位ひいては圧縮比の変動が小さくなる。
また、図3に示すように、制御軸18の回転トルクが力F3に効果的に変換されるように、アーム63と第2リンク62とのなす角θ2が、高圧縮比状態において、ほぼ90°であることが望ましい。従って、第1,第2リンク61,62の折曲方向としては、アーム63に連結された第2リンク62が、折曲角度の減少に伴い制御軸18中心に接近するように、つまり図では逆V字形となるように、その折曲方向が定められている。換言すれば、図3において、第1リンク61のボールシャフト36側の連結点61aと第2リンク62のアーム63側の連結点62aとを通る直線(図示せず)を基準として、中央の連結点64が、制御軸18の中心と同じ側(図示例では上側)となるように、その折曲方向が選択されている。これに対し、参考例として示す図5のように、逆向きに第1,第2リンク61,62が折曲する構成では、折曲した状態において、第2リンク62とアーム63とのなす角θ2が非常に大きくなり、好ましくない。
次に、図6に示す実施例は、前述したように、燃焼荷重によって制御軸18が時計回り方向のトルクを受ける構成としたものであり、この場合、制御軸18の回転方向に対する圧縮比の高・低の方向が逆となるため、図示した高圧縮比状態において角θ1が180°となる。従って、これが高圧縮比側への実質的なストッパ機構となる。また、低圧縮比状態では、図3と同様に、両リンク61,62は逆V字形に折曲する。そのため、燃焼荷重が大である高負荷域つまり低圧縮比状態において、油圧ピストン機構50による振動のダンピング作用がより効果的に得られる。なお、高圧縮比状態において角θ1が完全な180°であると、加速時に低圧縮比化するための油圧ピストン機構50への分力が得られないので、180°よりも僅かに小さい角度で両リンク61,62の拡開が規制されるように構成するようにしてもよく、あるいは、両リンク61,62が折曲する方向にこれらのリンク61,62あるいはピストン52を付勢するように、適宜なリターンスプリングを付加してもよい。完全な180°の状態からリンク61,62が僅かでも折曲すれば、燃焼荷重の分力が油圧ピストン機構50に作用し、前述したように低圧縮比化する作用が得られる。
図7および図8は、主アクチュエータ30および油圧ピストン機構50による圧縮比の可変範囲(換言すれば制御軸18の角度変化量)について説明するもので、油圧ピストン機構50を低圧縮比側(図示例では下限位置)に固定した状態において主アクチュエータ30を動かすと、制御軸18は、角θ3の範囲で変化し得る。これは、圧縮比としては、最低圧縮比から所定の中間圧縮比の範囲に相当する。他方、主アクチュエータ30が最も高圧縮比側(図示例では左端位置)に位置した状態において油圧ピストン機構50を動かすと、制御軸18は、角θ4の範囲で変化し得る。これは、圧縮比としては、所定の中間圧縮比から最高圧縮比の範囲に相当する。ここで、角θ3は、角θ4よりも大きく、圧縮比変化量として見ても、図8に示すように、主アクチュエータ30による圧縮比変化量の方が油圧ピストン機構50による圧縮比変化量よりも大である。
このように、上記実施例では、主アクチュエータ30あるいは油圧ピストン機構50の個々では、最低圧縮比から最高圧縮比までの全範囲をカバーすることができず、双方を併せて制御することで、全範囲の圧縮比を実現できる。従って、主アクチュエータ30および油圧ピストン機構50は、それぞれ比較的小型の構成となり、特に、油圧ピストン機構50は大きなストロークが要求されないことから、小型かつ小容量のもので足り、必要な油量も少ない。しかも、仮に、主アクチュエータ30および油圧ピストン機構50の一方ないし双方の制御が不能となっても、所定の最高圧縮比相当の位置を超えて制御軸18が回転することがなく、例えば機関のピストン1の位置が過度に上昇してバルブと干渉したりするような事態を確実に回避できる。
また、加速時等には油圧ピストン機構50によって最高圧縮比から中間圧縮比まで瞬時に変化させることができるので、主アクチュエータ30には、高い応答性が要求されず、小型化が図れる。また、このように高い応答性が要求されないことから、例えば減速機構として、ウォームギヤとウォームホイールとからなるウォーム型のような逆方向からの入力に対する効率が低い形式のものを使用することが可能となり、これにより、静止中に、第1リンク61から燃焼荷重の一部が入力されても、いわゆるセルフロック作用が得られ、電動モータ31の位置が変化することがない。従って、静止位置を保持するための電力消費が軽減できる。
上記各実施例では、上記油圧ピストン機構50が、ボールシャフト36の軸方向に対しほぼ直交する姿勢で配置されているが、図9に例示するように、油圧ピストン機構50を、その中心軸線がボールシャフト36の軸線に対し斜めに傾斜するように配置することも可能である。また図3以降の説明図では、1つの油室を備えた油圧ピストン機構50が例示されているが、油圧ピストン機構50として図1に示したような2つの油室53,54を備えた形式のものも勿論適用できる。
また、本発明においては、副アクチュエータとして、上記実施例の油圧駆動のものに限らず、電動モータを用いたものや電磁式のアクチュエータなど種々の形式のものを利用できる。また主アクチュエータ30としても、上記のボールねじ形式のものに限らず、例えば、クランク機構を利用したものなど出力部材が非直線に運動するものも適用可能である。
1…ピストン
3…クランクシャフト
11…アッパリンク
13…ロアリンク
15…コントロールリンク
18…制御軸
19…偏心軸
30…主アクチュエータ
31…電動モータ
50…油圧ピストン機構
51…シリンダ
52…ピストン
61…第1リンク
62…第2リンク

Claims (10)

  1. 内燃機関のピストンとクランクシャフトとが複数のリンク部材を介して連結されているとともに、これらのリンク部材の自由度を制限するコントロールリンクを有し、このコントロールリンクの基端が制御軸の偏心軸に揺動可能に連結され、この制御軸の回転位置に応じた上記偏心軸の位置によって圧縮比が変化する複リンク式可変圧縮比装置において、
    互いに折曲可能に連結された第1,第2リンクを介して上記制御軸に連係した主アクチュエータと、上記2つのリンクの折曲角度を変化させるように、一方のリンクないしは両者の連結点に連結された副アクチュエータと、を備え、上記副アクチュエータが燃焼荷重方向に沿って変位することにより圧縮比が低下することを特徴とする内燃機関の複リンク式可変圧縮比装置。
  2. 上記コントロールリンクを介して作用する燃焼荷重が、上記第1,第2リンクを伸長させる方向に作用するように構成され、
    上記折曲角度は、上記副アクチュエータが低圧縮比側にあるときに相対的に180°に近く、上記副アクチュエータが高圧縮比側にあるときに相対的に小さい、ことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の複リンク式可変圧縮比装置。
  3. 上記コントロールリンクを介して作用する燃焼荷重が、上記第1,第2リンクを押し縮める方向に作用するように構成され、
    上記折曲角度は、上記副アクチュエータが高圧縮比側にあるときに相対的に180°に近く、上記副アクチュエータが低圧縮比側にあるときに相対的に小さい、ことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の複リンク式可変圧縮比装置。
  4. 上記制御軸が最低圧縮比位置にあるときに上記折曲角度が180°であることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の複リンク式可変圧縮比装置。
  5. 上記制御軸が最高圧縮比位置にあるときに上記折曲角度が180°であり、かつ両リンクが折曲する方向に付勢するばね手段を備えることを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の複リンク式可変圧縮比装置。
  6. 上記制御軸が最高圧縮比位置にあるときに上記折曲角度が180°未満であることを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の複リンク式可変圧縮比装置。
  7. 上記副アクチュエータは、第3リンクを介して第1,第2リンクの一方のリンクないしは両者の連結点に連結されており、第2リンクを介してコントロールリンクから入力される燃焼荷重の分力として、
    上記副アクチュエータが低圧縮比側にあるときのリンク姿勢では、第1リンクに沿って主アクチュエータに入力される分力に比較して第3リンクに沿って副アクチュエータに入力される分力の方が小となり、
    上記副アクチュエータが高圧縮比側にあるときのリンク姿勢では、第1リンクに沿って主アクチュエータに入力される分力に比較して第3リンクに沿って副アクチュエータに入力される分力の方が大となることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の複リンク式可変圧縮比装置。
  8. 上記第1,第2リンクは一方の側にV字形に折曲するように構成され、上記制御軸に連結された第2リンクが、折曲角度の減少に伴い制御軸中心に接近するように、その折曲方向が定められていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の内燃機関の複リンク式可変圧縮比装置。
  9. 上記主アクチュエータが電動アクチュエータであることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の内燃機関の複リンク式可変圧縮比装置。
  10. 上記副アクチュエータが油圧ピストン機構であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の内燃機関の複リンク式可変圧縮比装置。
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