JP4516864B2 - 内燃機関の可変圧縮比装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ピストン上死点位置の変化を伴って機関圧縮比を可変とする可変圧縮比機構を備えた内燃機関の可変圧縮比装置に関し、特に、上記可変圧縮比機構を作動するアクチュエータ機構の振動・騒音を抑制・防止する技術に関する。
特許文献1には、ピストン上死点位置の変化を伴って機関圧縮比を可変とする可変圧縮比機構が開示されている。この可変圧縮比機構は、クランクシャフトのクランクピンに回転可能に取り付けられるロアリンクと、このロアリンクとピストンとを連係するアッパリンクと、の2本のリンクによってピストンとクランクピンとを連係する複リンク式ピストン−クランク機構であり、かつ、ロアリンクの運動を拘束するように、ロアリンクにコントロールリンクの一端が連結されている。このコントロールリンクの他端は、制御軸の偏心カム部に嵌合している。アクチュエータ機構により制御軸の回転位置を変更することにより、上記の可変圧縮比機構が作動して、機関圧縮比が変更される。
このような可変圧縮比機構に特有の課題として、燃焼サイクルに伴いコントロールリンク及び制御軸を介してアクチュエータ機構にピストン側より大きな反力・荷重が作用し、この大きな荷重に抗してアクチュエータ機構により制御軸の回転位置を応答性良く変更したり保持する必要がある。そこで、上記の特許文献1では、制御軸を回転駆動するアクチュエータ機構に、モータにより駆動される雌ネジ部材としてのスリーブと、このスリーブにネジ要素としての台形ネジを介して噛み合う雄ネジ部材としてのロッドとを設け、ロッドの直進運動を例えば制御軸に固定したリンクレバーを介して回転運動として制御軸に伝達している。このようなネジ要素を備えたアクチュエータ機構によれば、大きな減速比が得られ、駆動トルクや制御精度の上で有利であるとともに、特に、ネジ要素を台形ネジとすれば、軸方向の荷重を支える接触面の面積を大きく確保できる利点がある。しかも、減速比と摩擦係数との関係を適切に設定することで、軸方向の荷重に対し、摩擦力のみで対抗することが可能であるため、制御軸の位置をある位置に継続的に保持する場合(例えば定常走行のように運転条件が変化しない場合)に、その位置を保持するためのモータのトルクが不要となり、モータの消費電力を実質的に0にし得る可能性がある。
特開2003−90409号公報
しかしながら、上記のようなアクチュエータ機構を可変圧縮比機構に用いた場合に、実際には、モータトルクに依存せずにその位置を保持することが困難であることが判明した。以下に説明すると、アクチュエータ機構の台形ネジに加わる荷重は、機関低速域では筒内のガス圧が主体となり、機関高速域ではピストンの慣性力が主体となる。前者のガス圧は、ピストンに対し常に一方向に作用するので、コントロールリンクを介してアクチュエータ機構の台形ネジに作用する荷重も、やはり一方向となる。つまり、低速時には、アクチュエータ機構の雄ネジ部材と雌ネジ部材との間には、常に同じ方向つまり軸方向のいずれか一方へ向かって荷重が加わっており、その荷重の大小が変動する。従って、雄ネジ部材と雌ネジ部材との間で、互いに圧接している2つのフランク(ネジ山側面の傾斜面)に着目すると、それぞれの接触面は、荷重変動に伴って面圧が変動するものの、常時接触し続けることになる。アクチュエータ機構は一般に何らかの潤滑油によって潤滑されているが、このように常時接触状態にある接触面の場合、接触面間に油膜が構成されても、吸着分子程度の境界膜であり、摩擦係数は比較的高い。つまり、表面性状によっても異なるが、境界潤滑特有の0.1〜0.2程度の値に維持することが容易である。そのため、前述したように、適宜な寸法の設定等により、モータトルクに依存せずに制御軸の位置を一定位置に保持し続けることが可能である。
これに対し、中〜高速時には、2方向に作用するピストン慣性力が回転数の2乗に比例して増大してくるため、コントロールリンクを介してアクチュエータ機構の台形ネジに作用する荷重が、2方向の交番荷重となる。例えば、低速時に雄ネジ部材と雌ネジ部材との間で引張方向の荷重のみが作用していたとすると、引張荷重と圧縮荷重の双方が交互に作用するようになる。このような場合、例えば引張荷重により互いに圧接した状態となる2つのフランクに着目すると、両者間の距離が繰り返し変化することになり、常時接触し続ける前述の条件とは大きく異なってくる。つまり、2つのフランクの接触面間に潤滑油が存在し、その絞り膜作用によって、接触面同士が接近した際に油膜圧力が急上昇し、互いの接触が阻まれるようになる。これは、変動荷重下での滑り軸受の潤滑原理そのものである。このように油膜が構成されると、摩擦係数は一般の流体潤滑時のオーダ、例えば0.01程度の値となり、前述した境界潤滑時とは桁違いの低摩擦状態となる。この条件下では、台形ネジの摩擦力のみによる制御軸の位置の保持は困難であり、圧縮比を変化させる必要がない間も、モータトルクによる保持が必要となって電力消費が増大してしまう。
上記の特許文献1では、このような課題に対し、雄ネジ側のネジ山に、放射状に多数の溝を形成し、潤滑油膜の絞り膜作用による摩擦係数の急激な低下を抑制し、交番荷重による軸方向の移動を抑制する技術が開示されている。しかしながら、特許文献1の技術では、機関運転条件にかかわらず摩擦係数の低下抑制効果が得られるため、例えば低速運転域のように交番荷重による軸方向の移動が問題とならない運転領域でも、摩擦係数の低下が抑制され、逆に、アクチュエータ機構の応答性を阻害するおそれがある。バックラッシュを小さく設定すれば、振動・騒音の発生を低減・解消できる反面、摺動に伴う摩擦力が増加するので、アクチュエータ機構のモータへの負荷が増大し、やはりアクチュエータ機構の応答速度の低下を招いてしまう。
本発明は、このような課題に着目してなされたものであり、アクチュエータ機構の応答速度の低下等を招くことなく、変動荷重に起因するアクチュエータ機構の可動部材の微少な振動及びこれに起因する騒音を有効に阻止し得る新規な内燃機関の可変圧縮比装置を提供することを主たる目的としている。
シリンダ内を往復動するピストンの上死点位置の変化を伴って機関圧縮比を可変とする可変圧縮比機構と、可動部材の移動を伴って上記可変圧縮比機構を駆動するアクチュエータ機構と、所定の機関運転条件のときにのみ、上記可動部材に当接して、この可動部材の微少な振動を抑制するストッパ機構と、を有する。
所定の機関運転条件では、ストッパ機構が可動部材に当接して、この可動部材の微少な振動を抑制することにより、可動部材の振動及びこれに起因する騒音の発生を防止することができる。また、所定の機関運転条件以外の大半の機関運転条件では、ストッパ機構が可動部材に当接することがなく、このストッパ機構が可動部材の移動を妨げることはないので、アクチュエータ機構の応答性に影響を与えることはない。つまり、アクチュエータ機構の振動・騒音の防止と作動性の確保とを良好に両立することができる。
以下、この発明の好ましい実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図3および図4は、前述した内燃機関の可変圧縮比機構に本発明のアクチュエータ機構31を適用した第1実施例を示している。特に、図3は、高圧縮比に制御された状態を、図4は、低圧縮比に制御された状態を、それぞれ示している。この可変圧縮比機構は、シリンダブロック1のシリンダ2内を摺動するピストン3にピストンピン4を介して一端が連結されたアッパリンク5と、このアッパリンク5の他端に連結ピン6を介して連結されるとともに、クランクシャフト7のクランクピン8に回転可能に取り付けられたロアリンク9と、このロアリンク9の自由度を制限するために、このロアリンク9に連結ピン10を介して一端が連結され、かつ他端が内燃機関本体に揺動可能に支持されたコントロールリンク11と、を備えており、上記コントロールリンク11の揺動支持位置が制御軸(コントロールシャフト)12の偏心カム部13によって可変制御される構成となっている。上記制御軸12はクランクシャフト7と平行に配置され、かつシリンダブロック1に回転自在に支持されている。この制御軸12には、リンクレバー32が固定されており、このリンクレバー32のスリットに、アクチュエータ機構31のロッド33先端のピンが係合している。これにより、上記ロッド33の軸方向の進退に伴って、制御軸12が回転する。
アクチュエータ機構31は、雄ネジ部材としての上記のロッド33と、このロッド33の雄ネジ部分に螺合した雌ネジ部材としてのスリーブ34と、このスリーブ34を回転可能に保持したケーシング35と、を備えており、上記スリーブ34が後述する電動モータ61によって回転駆動される構成となっている。上記ロッド33および上記スリーブ34の雄ネジおよび雌ネジは、ネジ山の断面が台形をなす台形ネジとなっている。
なお、この第1実施例では、図3に示すように、制御軸12に接続するロッド33の先端がケーシング35側に後退した位置において高圧縮比となり、図4に示すように、ロッド33の先端がケーシング35より伸張した位置において低圧縮比となる。
上記のように可変圧縮比機構に適用されたアクチュエータ機構31においては、ガス圧およびピストン慣性力による反力がコントロールリンク11から制御軸12を介してロッド33に軸方向に作用する。機関の低速時には、主にガス圧による反力が作用するので、図5に示すように、ロッド33が制御軸12寄りに引っ張られる引張荷重となり、この引張荷重の大きさがサイクル中に変動する。これに対し、機関の中高速時には、ピストン慣性力による影響が大となるので、図6に示すように、ロッド33に軸方向の交番荷重が作用する。つまり、基本的には、ロッド33が制御軸12寄りに引っ張られる引張荷重が作用するが、サイクル中に、一時的に逆方向の圧縮荷重が作用する。
図7に示すように、アクチュエータ機構31の電動モータ61は、その出力軸に形成された駆動ギヤ62及びスリーブ34に固定された被駆動ギヤ63を介してスリーブ34の回転位置を変更・保持する。エンジンコントロールユニット64は、電動モータ61の回転角を検出する回転角検出センサ65の他、各種センサ類66より検出されるエンジン回転数,エンジン負荷,吸入負圧及び排気温度等の機関運転条件に応じて電動モータ61へ制御信号を出力し、この電動モータ61の動作を制御する。図8に示すように、制御軸12は、所定の制御角度範囲θ(例えば60〜110°、典型的には約90°)で制御される。制御軸12を一方へ移動するほど圧縮比が高くなり、他方へ移動するほど圧縮比が低くなる関係にある。また、図9に示すように、アクチュエータ機構31は、例えばスペース的に余裕のある機関前後方向の端部近傍のシリンダブロック1の側壁に、シリンダ軸線に対して傾斜した姿勢でブロック側壁に沿うように組み付けられる。
次に、図1及び図2を参照して、本実施例の要部をなすストッパ機構70について説明する。このストッパ機構70は、所定の機関運転条件(第1実施例では最高圧縮比の近傍)で、アクチュエータ機構31の可動部材としてのロッド33の端面に当接して、このロッド33の軸方向の微少な振動及びこれに伴う騒音の発生を抑制・防止する。すなわち、ストッパ機構70は、シリンダブロック1等の機関固定要素に支持されるハウジング71と、このハウジング71に往復動可能に支持されるストッパプランジャ72と、このストッパプランジャ72の背面に油圧を作用させる油圧室73と、この油圧室73へ作動油を供給する油圧回路74と、を有している。油圧回路74には、プランジャ72の移動に伴って開閉可能なハウジング側供給孔75及びプランジャ側供給孔76が設けられ、かつ、油圧室73側から油圧源側のプランジャ内部空間77の方向への作動油の逆流を禁止するチェック弁78が設けられている。また、油圧室73には、プランジャ72をロッド33側へ付勢するリターンスプリング79が設けられている。
図2は、機関圧縮比を最高圧縮比に変更し、この最高圧縮比の状態でしばらく保持する場合の動作を示している。アクチュエータ機構31により機関圧縮比を最高圧縮比に変更する過程では、図2(A)に示すように、ロッド33が高圧縮比側(図の右側)へ軸方向に移動し、最高圧縮比の設定状態の近傍(例えば1〜2mm手前)で、その端面がストッパ機構70のプランジャ72の先端に当接する。当接後に、続けてロッド33が高圧縮比側へ僅かに(例えば1〜2mm)移動すると、ハウジング71とプランジャ72との間から作動油がリークしつつプランジャ72がロッド33により押されて移動する。ロッド33が最高圧縮比の位置に達すると、ロッド33がその位置に停止する。
本実施例のように台形ネジを利用したアクチュエータ機構31では、電動モータ61による保持トルクを0又は極めて小さくしても、基本的にはロッド33の軸方向位置を保持することができる。但し、台形ネジの噛み合い部分の摺接面間の隙間、すなわちバックラッシュに起因して、ピストン側より交番荷重が作用すると、ロッド33の微少な振動を招くおそれがあるものの、本実施例では以下のようにしてロッド33の微少な振動を防止することができる。
図2(B)に示すように、ロッド33が最高圧縮比に相当する位置で停止した状態で最初に荷重の向きが変わり、台形ネジのバックラッシュ及び弾性変形に相当する分、ロッド33が低圧縮比方向(図の左方向)へ移動すると、プランジャ72が油圧室73の油圧によりロッド33側へ付勢されて、速やかにロッド33に追従して移動し、ロッド33と当接する状態に維持される。このようなプランジャ72の移動に伴って、油圧回路74のチェック弁78を経由して油圧室73へ作動油が補充される。
この後、図2(C)に示すように、再び荷重の向きが変わり、ロッド33が高圧縮比側(図2の右側)へ戻ろうとしても、チェック弁78による油圧室73内の高い油圧によりプランジャ72が抵抗し、ロッド33の高圧縮比側への移動が防止される。このように、交番荷重が作用しても、台形ネジのバックラッシュに起因するロッド33の微少な軸方向の振動が防止され、これに起因する振動・騒音の発生を確実に回避することができる。
また、図1に示すように、ストッパ機構70のハウジング71には、ストッパプランジャ72の移動範囲、つまりプランジャ72がロッド33に当接して、その微少な振動を防止する範囲を規制・限定する規制手段としての押さえリング80が設けられている。これにより、ストッパプランジャ72がロッド33の低圧縮比側への移動に過度に追従することを確実に防止することができる。つまり、ストッパ機構70が所定の圧縮比条件(この実施例では最高圧縮比の近傍)でのみ機能し、他の多くの機関圧縮比領域では、ストッパ機構70がロッド33に当接することなく、このロッド33のスムーズな移動を妨げることはないので、アクチュエータ機構31の所期の作動応答性を損ねることなない。
このように第1実施例では、例えば高圧縮比状態で連続運転できる条件(高速定常走行など)に入ったら、最高圧縮比までアクチュエータ機構31でロッド33を移動させ、ロッド33の端部をストッパ機構70のプランジャ72の先端に当て、例えば1〜2mm程度、油圧室73を圧縮・加圧した後、アクチュエータ機構31が最高圧縮比の状態で停止する。この過程で、油圧室73の油はリークして、油圧は元に戻る。チェック弁78はこの状態では閉じている。エンジン高回転域にてバックラッシに起因する交番荷重が作用しても、図2に示した原理によって、台形ネジの隙間・バックラッシュを詰める方向にストッパ機構70が作用し、振動の発生が抑制される。この状態から、アクチュエータ機構31によりロッド33を圧縮比低下方向(図2の左方向)に作動すると、最初バックラッシュが詰められている分、摩擦抵抗が大きいが、直ぐにストッパ機構70のプランジャ72がロッド33から離れるため、応答性に与える影響は極めて少ない。
過給機を備え、高速時には過給を行ない最大出力を大幅に向上させるエンジンでは、高過給に伴うノック発生を回避し、ピストンの負荷を軽減するために、高速側で低圧縮比とするのが良い。このような場合、第2実施例として、ロッド33の微少な振動が問題となり易い機関高速側、つまり機関最低圧縮比の近傍でのみ、ストッパ機構70のプランジャ72がロッド33に当接し、このロッド33の微少な振動を防止するように設定すれば良い。具体的には、図10に示すように、第1実施例の図3及び図4に示すレイアウトに対し、制御軸12に対する偏心カム部13の偏心方向を逆方向として、制御軸12を低圧縮比側へ回転するほど、ロッド33がプランジャ72へ近づくように設定すれば良い。
一方、自然吸気エンジンでは、高速時に燃焼速度を増大させる必要から圧縮比を高めるようにする。従って、高圧縮比の近傍でストッパ機構70を作用させる方が良い。つまり、機能的に見れば、機関高速域で用いる圧縮比の設定状態の場合に、ストッパ機構70のプランジャ72がロッド33に当接して、その微少な振動を抑制するように設定すればよい。
また、有る程度の広範囲の圧縮比制御条件で、必要に応じてストッパ機構70による振動抑制機能すなわちストッパ機能を発揮させたい場合は、図11に示す第3実施例のように、油圧源としてのアキュムレータ81と、このアキュムレータ81と上記の油圧室73とを接続する油路83を開閉する電磁弁82とを設けれる。また、プランジャ72の移動範囲を規制する押さえリング(図1の符号80参照)を省略して、ロッド33に追随し得るプランジャ72の移動範囲を拡大する。上記のエンジンコントロールユニット64により機関運転状態に応じて電磁弁82を開閉することにより、油圧室73の油圧を調整して、プランジャ72の位置を調整できるので、任意の圧縮比条件つまりロッド33位置でストッパ機能を得ることが可能となる。
以上の実施例より把握し得る技術思想について、その作用効果とともに列記する。
(1)シリンダ2内を往復動するピストン3の上死点位置の変化を伴って機関圧縮比を可変とする可変圧縮比機構と、可動部材33の移動を伴って上記可変圧縮比機構を駆動するアクチュエータ機構31と、所定の機関運転条件のときにのみ、上記可動部材33に当接して、この可動部材33の微少な振動を抑制するストッパ機構70と、を有する。
この構成により、機関高回転域のように交番荷重に起因するアクチュエータ機構31の可動部材33の微少な振動が問題となる所定の機関運転条件では、ストッパ機構70が可動部材33に当接して、この可動部材33の微少な振動を防止することができる。また、所定の機関運転条件以外の大半の運転条件では、ストッパ機構70が可動部材33と非接触状態となり、可動部材33のスムーズな移動が阻害されることはない。すなわち、アクチュエータ機構31の作動性や応答性を実質的に妨げることなく、アクチュエータ機構31の可動部材33の微少な振動及びこれに起因する打音等の騒音の発生を有効に防止することができる。
(2)上記アクチュエータ機構31がネジ要素を含み、上記ストッパ機構70が、上記ネジ要素のバックラッシュを詰めるように、上記可動部材33を一方向に付勢する。アクチュエータ機構31にネジ要素を設けることにより、減速比の向上や保持トルクの抑制化等のメリットが得られる反面、このネジ要素のバックラッシュに起因して可動部材33の微少な振動を生じ易い。ここでは、上記ネジ要素のバックラッシュを詰めるように、上記可動部材33を一方向に付勢しているため、バックラッシュに起因する可動部材33の微少な振動を確実に防止することができる。
(3)上記所定の機関運転条件が、最高圧縮比の近傍である。これは、例えば高速定常走行時のような機関高速域で最高圧縮比の設定を用いる機関に適している。高速定常走行時には、主としてピストン側からの慣性荷重によりアクチュエータ機構の可動部材に交番荷重が作用し易く、この可動部材の微少な振動を招き易い傾向にあり、このような可動部材の微少な振動をストッパ機構70により有効に防止することができる。
(4)上記所定の機関運転条件が、最低圧縮比の近傍である。これは、例えば過給機を備え、機関高速時には、過給を行ない最大出力を大幅に向上しつつ、高過給に伴うノック発生を回避するように圧縮比を低くする機関に適している。この場合、最低圧縮比の設定を用いる機関高速時に、主としてピストン側からの慣性荷重によりアクチュエータ機構31の可動部材33に交番荷重が作用し易く、この可動部材33の微少な振動を招き易い傾向にあり、このような可動部材33の微少な振動をストッパ機構70により有効に防止することができる。
(5)上記所定の機関運転条件が、機関高回転域である。つまり、可動部材の微少な振動を招き易い機関高回転域で用いる機関圧縮比条件のときに、ストッパ機構70により可動部材の微少な振動を防止するように設定する。
(6)上記アクチュエータ機構31が、電動モータ61により軸周りに回転駆動されるスリーブ34と、このスリーブ34に台形ネジを介して噛み合い、スリーブ34の回転に伴って軸方向に移動するロッド33と、を有し、上記ストッパ機構70が、ハウジング71と、このハウジング71に往復動可能に支持されるプランジャ72と、を有し、このプランジャ72の先端が上記ロッド33の端面に当接するように設定されている。
このようにアクチュエータ機構31がネジ要素として台形ネジを含んでいるため、軸方向の荷重を支える接触面の面積を大きく確保できる利点がある。しかも、減速比と摩擦係数との関係を適切に設定することで、軸方向の荷重に対し、摩擦力のみで対抗することが可能であるため、制御軸の位置をある位置に継続的に保持する場合(例えば定常走行のように運転条件が変化しない場合)に、その位置を保持するためのモータのトルクが不要となり、モータの消費電力を抑制することができる。
(7)上記ストッパ機構70が、上記プランジャ72の背面に油圧を作用させる油圧室73と、この油圧室73へ作動油を供給する油圧回路74と、この油圧回路74に設けられ、油圧室73側からの作動油の逆流を防止するチェック弁78と、を有する。
このように、ストッパ機構70を油圧機構として簡易に構成することができ、かつ、チェック弁78の機能により、油圧室73の油圧を高く保持し、プランジャ72からロッド33への付勢力を十分に確保して、所期の振動防止効果つまりストッパ効果を得ることができる。
(8)上記ハウジング71に対するプランジャ72の移動範囲を規制する規制手段(押さえリング80)を有する。これにより、プランジャ72がロッド33へ過度に追従して、ストッパ機能を敢えて必要としない運転条件でロッド33の作動応答性を妨げることを確実に防止することができる。
(9)アキュムレータ81と、このアキュムレータ81と上記油圧室73とを接続する油路83を開閉する電磁弁82と、を有する。機関運転状態に応じて電磁弁82を開閉することにより、油圧室73の油圧を調整して、プランジャ72の位置を調整できるので、ストッパ機構70によりロッド33の振動を防止する機関圧縮比条件を調整することができる。
(10)上記可変圧縮比機構が、クランクシャフト7のクランクピン8に回転可能に取り付けられるロアリンク9と、このロアリンク9とピストン3とを連係するアッパリンク5と、上記アクチュエータ機構31により回転位置が変更・保持される制御軸12と、この制御軸12に偏心して設けられた偏心カム部13と、この偏心カム部13とロアリンク9とを連係するコントロールリンク11と、を有する。
この可変圧縮比機構は、機関圧縮比を連続的・無段階で広範囲に調整できるとともに、ピストンとクランクピンとを一本のリンクにより連係する単リンク式ピストン−クランク機構に比して、ピストンストローク特性そのものを例えば単振動のような適正な特性に近づけることができる。加えて、コントロールリンク11をロアリンク9に連結しているため、このコントロールリンク11や制御軸12及びそのアクチュエータ機構31等を、スペース的に余裕のあるクランクシャフト7の斜め下方に配置することができ、機関搭載性にも優れている。
以上のように本発明を具体的な実施例に基づいて説明してきたが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で、種々の変形・変更を含むものである。例えば、上記特許文献1のように、アクチュエータ機構の台形ネジのネジ山に、放射状に多数の溝を設けて、摩擦係数の急激な低下を抑制するようにしても良い。
本発明に係る可変圧縮比機構のアクチュエータ機構の一例を示す断面図。 上記アクチュエータ機構の作動説明図。 第1実施例に係る可変圧縮比機構を高圧縮比位置で示す断面図。 同じく低圧縮比位置で示す断面図。 低速時にアクチュエータ機構の台形ネジに加わる荷重の特性を示す説明図。 中高速時にアクチュエータ機構の台形ネジに加わる荷重の特性を示す説明図。 上記アクチュエータ機構のシステム構成を示す構成図。 上記アクチュエータ機構による制御軸の回転角と圧縮比との関係を示す説明図。 上記アクチュエータ機構の機関組付態様の一例を示す説明図。 第2実施例に係る可変圧縮比機構を最高圧縮比位置(A)及び最低圧縮比位置(B)で示す断面図。 第3実施例に係るアキュムレータ及び電磁弁を含むアクチュエータ機構の断面対応図。
符号の説明
3…ピストン
5…アッパリンク
7…クランクシャフト
8…クランクピン
9…ロアリンク
11…コントロールリンク
12…制御軸
13…偏心カム部
31…アクチュエータ機構
33…ロッド(可動部材)
34…スリーブ
70…ストッパ機構
71…ハウジング
72…プランジャ
73…油圧室
78…チェック弁
80…押さえリング(規制手段)
81…アキュムレータ
82…電磁弁
83…油路

Claims (10)

  1. シリンダ内を往復動するピストンの上死点位置の変化を伴って機関圧縮比を可変とする可変圧縮比機構と、
    可動部材の移動を伴って上記可変圧縮比機構を駆動するアクチュエータ機構と、
    機関運転条件が最高圧縮比の近傍であるときにのみ、上記可動部材に当接して、この可動部材の微少な振動を抑制するストッパ機構と、
    を有する内燃機関の可変圧縮比装置。
  2. シリンダ内を往復動するピストンの上死点位置の変化を伴って機関圧縮比を可変とする可変圧縮比機構と、
    可動部材の移動を伴って上記可変圧縮比機構を駆動するアクチュエータ機構と、
    機関運転条件が最低圧縮比の近傍であるときにのみ、上記可動部材に当接して、この可動部材の微少な振動を抑制するストッパ機構と、
    を有する内燃機関の可変圧縮比装置。
  3. シリンダ内を往復動するピストンの上死点位置の変化を伴って機関圧縮比を可変とする可変圧縮比機構と、
    可動部材の移動を伴って上記可変圧縮比機構を駆動するアクチュエータ機構と、
    機関運転条件が機関高回転域であるときにのみ、上記可動部材に当接して、この可動部材の微少な振動を抑制するストッパ機構と、
    を有する内燃機関の可変圧縮比装置。
  4. 上記アクチュエータ機構が、電動モータにより軸周りに回転駆動されるスリーブと、このスリーブに台形ネジを介して噛み合い、スリーブの回転に伴って軸方向に移動するロッドと、を有し、
    上記ストッパ機構が、ハウジングと、このハウジングに往復動可能に支持されるプランジャと、を有し、このプランジャの先端が上記ロッドの端面に当接するように設定されている請求項1〜のいずれかに記載の内燃機関の可変圧縮比装置。
  5. 上記ストッパ機構が、上記プランジャの背面に油圧を作用させる油圧室と、この油圧室へ作動油を供給する油圧回路と、この油圧回路に設けられ、油圧室側からの作動油の逆流を防止するチェック弁と、を有する請求項に記載の内燃機関の可変圧縮比装置。
  6. シリンダ内を往復動するピストンの上死点位置の変化を伴って機関圧縮比を可変とする可変圧縮比機構と、
    可動部材の移動を伴って上記可変圧縮比機構を駆動するアクチュエータ機構と、
    所定の機関運転条件のときにのみ、上記可動部材に当接して、この可動部材の微少な振動を抑制するストッパ機構と、を有し、
    上記アクチュエータ機構が、電動モータにより軸周りに回転駆動されるスリーブと、このスリーブに台形ネジを介して噛み合い、スリーブの回転に伴って軸方向に移動するロッドと、を有し、
    上記ストッパ機構が、ハウジングと、このハウジングに往復動可能に支持されるプランジャと、を有し、このプランジャの先端が上記ロッドの端面に当接するように設定されており、
    上記ストッパ機構が、上記プランジャの背面に油圧を作用させる油圧室と、この油圧室へ作動油を供給する油圧回路と、この油圧回路に設けられ、油圧室側からの作動油の逆流を防止するチェック弁と、を有する内燃機関の可変圧縮比装置。
  7. 上記ハウジングに対するプランジャの移動範囲を規制する規制手段を有する請求項又はに記載の内燃機関の可変圧縮比装置。
  8. アキュムレータと、このアキュムレータと上記油圧室とを接続する油路を開閉する電磁弁と、を有する請求項5〜7のいずれかに記載の内燃機関の可変圧縮比装置。
  9. 上記アクチュエータ機構がネジ要素を含み、
    上記ストッパ機構が、上記ネジ要素のバックラッシュを詰めるように、上記可動部材を一方向に付勢する請求項1〜8のいずれかに記載の内燃機関の可変圧縮比装置。
  10. 上記可変圧縮比機構が、クランクシャフトのクランクピンに回転可能に取り付けられるロアリンクと、このロアリンクとピストンとを連係するアッパリンクと、上記アクチュエータ機構により回転位置が変更・保持される制御軸と、この制御軸に偏心して設けられた偏心カム部と、この偏心カム部とロアリンクとを連係するコントロールリンクと、を有する請求項1〜9のいずれかに記載の内燃機関の可変圧縮比装置。
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