JP2009108731A - 可変圧縮比エンジン - Google Patents

可変圧縮比エンジン Download PDF

Info

Publication number
JP2009108731A
JP2009108731A JP2007280388A JP2007280388A JP2009108731A JP 2009108731 A JP2009108731 A JP 2009108731A JP 2007280388 A JP2007280388 A JP 2007280388A JP 2007280388 A JP2007280388 A JP 2007280388A JP 2009108731 A JP2009108731 A JP 2009108731A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
shaft
control shaft
fork
compression ratio
actuator rod
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2007280388A
Other languages
English (en)
Inventor
Ryosuke Hiyoshi
亮介 日吉
Yoshiaki Tanaka
儀明 田中
Shinichi Takemura
信一 竹村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP2007280388A priority Critical patent/JP2009108731A/ja
Publication of JP2009108731A publication Critical patent/JP2009108731A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Shafts, Cranks, Connecting Bars, And Related Bearings (AREA)
  • Transmission Devices (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)

Abstract

【課題】コントロールシャフトの生産性の悪化を抑制し、フォークの組み付け性を改善する可変圧縮比エンジンを提供する。
【解決手段】ピストン11とクランクシャフト12とを複数のリンクで連結し、コントロールシャフト20を回転させ、コントロールシャフト20の偏心軸21の位置を変えてリンクの姿勢を制御することで圧縮比を可変にする可変圧縮比エンジン1において、コントロールシャフト20に設けられ、その軸方向と直交する向きに一定の断面を有するスライド面22aと、スライド面22aを両面から挟持する係合部31cを有するフォーク31と、フォーク31を揺動自在に配置し、コントロールシャフト20と直交する方向に進退するアクチュエータロッド32と、を備え、エンジン運転状態に応じてアクチュエータロッド32を進退させ、フォーク31によってシャフト制御軸22を介してコントロールシャフト20を回転させて圧縮比を可変にする。
【選択図】図1

Description

本発明は、エンジンの可変圧縮比機構に関する。
エンジンの可変圧縮比機構として、ピストンとクランクとを複数のリンクを介して連結するものが知られている。例えば、特許文献1には、ピストンとクランクとがアッパリンク及びロアリンクを介して連結され、ロアリンクの姿勢を制御することで圧縮比を可変に制御している。具体的には、一端がロアリンクに連結され、他端がクランクシャフトと略平行に延びるコントロールシャフトに設けた偏心軸に連結されたコントロールリンクを備え、コントロールシャフトの回転角を変化させることによりコントロールリンクを介してロアリンクの姿勢を制御している。
このコントロールシャフトの回転角は、コントロールシャフトに一体に設けたフォークと、そのフォークに連結ピンを介して連結されるアクチュエータロッドとからなるシャフト制御機構により制御される。
特開2002−115571号公報
しかしながら、特許文献1に記載の複リンク式可変圧縮比エンジンのシャフト制御機構では、コントロールシャフトにフォークを一体形成し、コントロールシャフトからフォークが突出する複雑な構成となっているので、コントロールシャフトの生産性が悪化するという問題がある。また、フォークとアクチュエータロッドの連結ピンとは位置合わせして連結されるが、コントロールシャフト自体を回転させてフォークの角度を調整して、フォークをアクチュエータロッドの連結ピンに係合させるので組み付けが容易でないという問題がある。
そこで、本発明は、上記した問題に鑑みてなされたものであり、コントロールシャフトの生産性の悪化を抑制するとともに、フォークの組み付け性を改善することができる可変圧縮比エンジンを提供することを目的とする。
本発明は、以下のような解決手段によって前記課題を解決する。
なお、理解を容易にするために本発明の実施形態に対応する符号を付するが、これに限定されるものではない。
本発明は、ピストン(11)とクランクシャフト(12)とを複数のリンクで連結し、コントロールシャフト(20)を回転させ、コントロールシャフト(20)に形成された偏心軸(21)の位置を変えてリンクの姿勢を制御することで、ピストン上死点位置を変更して圧縮比を可変にする可変圧縮比エンジン(1)において、コントロールシャフト(20)に設けられ、その軸方向と直交する向きに一定の断面を有するスライド面(22a)と、スライド面(22a)を両面から挟持する係合部(31c)を有するフォーク(31)と、フォーク(31)を揺動自在に配置し、コントロールシャフト(20)と直交する方向に進退するアクチュエータロッド(32)と、を備え、エンジン運転状態に応じてアクチュエータロッド(32)を進退させ、フォーク(31)によってシャフト制御軸(22)を介してコントロールシャフト(20)を回転させて圧縮比を可変にする、ことを特徴とする。
本発明によれば、アクチュエータロッドに別体のフォークを連結し、このフォークをコントロールシャフトのスライド面に係合させる。そのため、従来手法のようにコントロールシャフトにフォークを一体形成する場合よりも、コントロールシャフトの形状を簡素な構成とすることができ、コントロールシャフトの生産性の悪化を抑制することができる。
また、従来手法ではコントロールシャフト自体を回転させてフォークの角度を調整して、フォークをアクチュエータロッドの連結ピンに係合させるので組み付け作業性が悪化するが、本実施形態ではフォークをスライド面に係合させてからアクチュエータロッドに組み付けることができ、コントロールシャフト自体を回転させて組み付ける必要がないので組み付け作業性が向上する。
以下では図面等を参照して本発明を実施するための最良の形態について説明する。
(第1実施形態)
図1は、クランクシャフト軸方向から見た複リンク式可変圧縮比エンジンの概略構成図である。
可変圧縮比エンジン1は、ピストン上死点位置を変化させて圧縮比を変更する圧縮比可変機構10を備える。圧縮比可変機構10は、ピストン11とクランクシャフト12とをアッパリンク13、ロアリンク14で連結して、コントロールリンク15でロアリンク14の姿勢を制御することで圧縮比を変更する。
アッパリンク13は、その上端でピストンピン13aを介してピストン11に連結する。アッパリンク13の下端は、連結ピン14aを介してロアリンク14の一端に連結する。ロアリンク14の他端は、連結ピン14bを介してコントロールリンク15に連結する。ロアリンク14は連結孔14cを有し、この連結孔14cにクランクシャフト12のクランクピン12aが挿入される。そして、ロアリンク14は、クランクピン12aを中心軸として揺動する。
クランクシャフト12は、クランクピン12a、ジャーナル12b及びカウンターウェイト12cを備える。クランクピン12aの中心はジャーナル12bの中心から所定量偏心する。カウンターウェイト12cは、クランクアームに一体形成されて、ピストン運動の回転1次振動成分を低減する。
コントロールリンク15の上端は、連結ピン14bを介してロアリンク14に対して回動自在に連結する。コントロールリンク15の下端は、コントロールシャフト20に連結する。
コントロールシャフト20は、クランクシャフト12と平行に配置され、エンジンのブロックが支持する主軸(ジャーナル部)と、偏心軸21と、シャフト制御軸22とを備える。偏心軸21はコントロールシャフト20の回転軸から所定量偏心しており、コントロールリンク15がその偏心軸21に対して揺動する。また、シャフト制御軸22もコントロールシャフト20の回転軸から所定量偏心している。シャフト制御軸22は、その軸心を挟んで互いに平行な2つの面からなる二面幅22aを有する。そして、このシャフト制御軸22の二面幅22aに、シャフト制御機構30のフォーク31が係合する。すなわち、本実施形態では二面幅22aが、コントロールシャフト20の軸方向と直交する向きに一定の断面を有するスライド面を構成している。このスライド面は、必ずしも本実施例のように平坦な面を平行に形成した二面幅に限定する必要はない。
シャフト制御機構30は、フォーク31と、アクチュエータロッド32と、ボールネジナット部33と、減速ギヤ34と、保持機構35と、駆動モータ36とを備え、コントロールシャフト20の回転角を制御する。
フォーク31は、先端側が二股形状となるように一対のアーム31aを有する。一対のアーム31aの間には開口部31bが形成されている。フォーク31の開口部31bには、フォーク31が二面幅22aに対して摺動自在となるように、シャフト制御軸22が挿入される。そして、フォーク31は、基端側で連結ピン37を介してアクチュエータロッド32に回転自在に設置される。上述のように、スライド面を構成する二面幅22aを両面から挟持する係合部としての一対のアーム31aを介して、フォーク31がコントロールシャフト20と係合している。
アクチュエータロッド32には、一対の軸受け38がフォーク31を挟んで配置される。この軸受け38の内側のアクチュエータロッド32には、一対の回転規制部39が配置される。回転規制部39は、アクチュエータロッド32のねじれ変形を防止する。
また、アクチュエータロッド32は、基端側の外周に雄ネジが形成されたボールネジ部32aを有し、このボールネジ部32aがボールネジナット部33の内部に形成された雌ネジと螺合する。駆動モータ36の回転は、保持機構35を介して、減速ギヤ34で減速されてボールネジナット部33に伝達される。そのため、ボールネジナット部33が駆動モータ36によって軸周りに回転駆動されると、アクチュエータロッド32はボールネジナット部33に対して相対的に往復動する。
上記した保持機構35は、コントロールシャフト20に回転の許可、禁止を切換える機構を有しており、コントロールシャフト20を所定の回転角に保持する。コントロールシャフト20には、筒内の燃焼圧やピストン11の慣性力等がアッパリンク13、ロアリンク14、コントロールリンク15を介して伝達される。この伝達された荷重は、偏心軸21がコントロールシャフト20の回転軸から偏心しているため、コントロールシャフト20を回転させる荷重(以下、「コントロールシャフトトルク」という。)として作用する。保持機構35は、コントロールシャフト20の回転の許可、禁止を切換えるので、コントロールシャフトトルクに対抗してコントロールシャフト20を所定の回転角に保持することができる。なお、保持機構35は、駆動モータ36を用い、駆動時とは逆方向の電流を流すことでコントロールシャフトトルクに対抗するものでもよい。
可変圧縮比エンジン1は、エンジン運転状態に応じて圧縮比を変化させるためにコントローラ40を備える。コントローラ40はCPU、ROM、RAM及びI/Oインタフェースを有する。コントローラ40は、エンジン運転状態に応じて圧縮比を変化させるために、シャフト制御機構30の駆動モータ36の駆動を制御する。
次に、図2を参照して、フォーク31とアクチュエータロッド32との連結部の近傍の構成について説明する。
図2(A)は、フォーク31の近傍の概略構成図である。図2(B)は軸受け38の断面図であって、図2(A)のB−B断面である。
図2(A)に示すように、アクチュエータロッド32は、丸棒形状のロッド部32bと、平行な2面からなる平板部32cとを有する。アクチュエータロッド32の平板部32cはロッド部32bの一部を削り出すようにして形成されており、平板部32cの幅はロッド部32bの直径と同じとなる。
先端側が二股形状となるフォーク31は、その基端側にアクチュエータロッド32の平板部32cを挿通する挿通溝31cを、アクチュエータロッド32の長手方向に沿って形成する。フォーク31は、挿通溝31cに平板部32cを挿通した状態で、連結ピン37を介してアクチュエータロッド32に対して回転自在に設置される。
また、一対の軸受け38はフォーク回動時にフォーク31と干渉しない位置であって、軸受け38の間隔が最も狭くなるように配置される。この軸受け38は、図2(B)に示すように円筒形状であって、軸受け38の内径はアクチュエータロッド32のロッド部32bの径とほぼ同径に形成される。そのため、アクチュエータロッド32の平板部32cの上端面と下端面とが軸受け38の内周を摺動するだけでなく、ロッド部32bも軸受け38の内周を摺動することができる。
軸受け38よりも内側のアクチュエータロッド32に配置される回転規制部39は、断面が略L字形状であって、取付部39aから起立する壁部39bにスリット39cを形成する。回転規制部39の取付部39aは、シャフト制御機構30の図示しないハウジングにボルトによって固定される。壁部39bのスリット39cは、その間隔がアクチュエータロッド32の平板部32cの板厚よりも僅かに広く、平板部32cを挿通する。アクチュエータロッド32のボールネジ部32aとボールネジナット部33との摩擦抵抗が大きい場合やコントロールシャフトトルクが大きい場合には、アクチュエータロッド32がその軸心に対して回転したり、ねじれ変形したりする。しかしながら、回転規制部39のスリット39cによって平板部32cの回転が規制されるので、アクチュエータロッド32の回転やねじれ変形が防止される。
なお、この回転規制部39もフォーク回動時にフォーク31と干渉しないように配置される。
上記のように構成される可変圧縮比エンジン1では、コントローラ40によって駆動モータ36の駆動を制御し、エンジン運転状態に応じてアクチュエータロッド32を直線的に進退させることでコントロールシャフト20の回転角を制御し、圧縮比を変化させる。
図3(A)は最高圧縮比時におけるフォーク31を示す図であり、図3(B)は最低圧縮比時におけるフォーク31を示す図である。
図3(A)に示すように、シャフト制御機構30のアクチュエータロッド32が図中左側に後退すると、コントロールシャフト20が図中時計回り方向に回転するように、フォーク31がシャフト制御軸22をコントロールシャフト20の回転軸周りに回動させる。コントロールシャフト20が時計回り方向に回転すると、コントロールリンク15が連結する偏心軸21の位置が下降する(図1参照)。このように偏心軸が下降すると、ロアリンク14がクランクピン12a周りに図中時計回り方向に傾いて連結ピン14aの位置が上昇するので、ピストン11の上死点位置が上昇して圧縮比が高くなる。
これに対して、図3(B)に示すように、シャフト制御機構30のアクチュエータロッド32が図中右側に前進すると、コントロールシャフト20が図中反時計回り方向に回転するように、フォーク31がシャフト制御軸22をコントロールシャフト20の回転軸周りに回動させる。コントロールシャフト20が反時計回り方向に回転すると、偏心軸21の位置が上昇し、ロアリンク14が傾いて連結ピン14aの位置が下降するので、ピストン11の上死点位置が下降して圧縮比が低下する(図1参照)。
なお、複リンク式可変圧縮比エンジン1の運転状態に応じた具体的な圧縮比制御は、例えば特開2002−115571号公報に開示されたものと同様であるので、説明を省略する。
また、図3(A)及び図3(B)に示すように、複リンク式可変圧縮比エンジン1の圧縮比が最高圧縮比から最低圧縮比に変化するようにフォーク31が回動しても、軸受け38及び回転規制部39はフォーク31と干渉することはない。
以上により、第1実施形態では下記の効果を得ることができる。
本実施形態では、アクチュエータロッド32の平板部32cに別体のフォーク31を連結し、このフォーク31をコントロールシャフト20のシャフト制御軸22に係合させる。そのため、従来手法のようにコントロールシャフト20にフォーク31を一体形成する場合よりも、コントロールシャフト20の形状を簡素な構成とすることができ、コントロールシャフト20の生産性の悪化を抑制することができる。従来手法ではコントロールシャフト自体を回転させてフォーク31の角度を調整して、フォーク31をアクチュエータロッド32の連結ピンに係合させるので組み付け作業性に問題があるが、本実施形態ではフォーク31をシャフト制御軸22に係合させてからアクチュエータロッド32に組み付けることができ、コントロールシャフト自体を回転させて組み付ける必要がないので組み付け作業性が向上する。
シャフト制御機構30は、フォーク31と干渉せず、配置間隔が最も狭くなるように一対の軸受け38を備えるので、アクチュエータロッド32の長さを可能な限り短縮することができ、シャフト制御機構30の小形化を図ることが可能となる。また、一対の軸受け38でアクチュエータロッド32を支持するようにしたので、アクチュエータロッド32の平板部32cを支持する場合であっても、軸受け38での面圧を圧程度確保するこができ、アクチュエータロッド32の変形を防止できる。そのため、アクチュエータロッド32の変形に起因する圧縮比変動を防止することが可能となる。
さらに、シャフト制御機構30は、フォーク31と干渉しないようにアクチュエータロッド32に回転規制部39を備えるので、アクチュエータロッド32が回転したり、ねじれ変形したりすることを防止でき、アクチュエータロッド32の変形に起因する圧縮比変動を防止することが可能となる。
(第2実施形態)
図4は、第2実施形態の複リンク式可変圧縮比エンジン1のコントロールシャフト近傍を示す図である。
第2実施形態の複リンク式可変圧縮比エンジン1の基本構成は第1実施形態とほぼ同様であるが、コントロールシャフト20の構成において相違する。つまり、コントロールシャフト20のシャフト制御軸22の軸心(前記スライド面が設けられた部位のコントロールシャフト軸直断面の図心)が、コントロールシャフト20の主軸(ジャーナル部)の軸心よりも偏心軸21の軸心に近くなるようにしたもので、以下にその相違点を中心に説明する。
図4(A)に示すように、コントロールシャフト20は、偏心軸21と、シャフト制御軸22(スライド面が設けられた部位)と、主軸23(ジャーナル部)とを有している。
主軸23は、コントロールシャフト20に複数形成され、図示しないシリンダブロックに形成されたボスによって回転自在に支持される。この主軸23の軸心は、コントロールシャフト20の回転軸と一致する。偏心軸21は、主軸23の間のコントロールシャフト20に形成され、各気筒のコントロールリンクが連結できるよう気筒ごとに設けられる。この偏心軸21の外形は、主軸23よりも小さくなるように形成される。そして、シャフト制御機構30のフォーク31が係合するシャフト制御軸22は、コントロールシャフト20上に少なくとも1つ設けられる。このシャフト制御軸22の外径は偏心軸21とほぼ同じになるように形成される。
コントロールシャフト20では、図4(B)に示すように偏心軸21の軸心Qは主軸23の軸心Pから所定量だけ偏芯する。また、本実施形態では、シャフト制御軸22の軸心R(スライド面が設けられた部位のコントロールシャフト軸直断面の図心)は、主軸23の軸心Pよりも偏心軸21の軸心Qに近くなるように設定されている。
例えば、図4(C)に示すように、シャフト制御軸22の軸心Rが、主軸23の軸心Pに近くなるように設定されている場合には、コントロールシャフト20上において偏心軸21とシャフト制御軸22とが離れる。そうすると、領域Aが大きくなって、コントロールシャフト20が凹凸を有する形状となって応力集中しやくなるので、シャフト制御軸22の近傍の剛性が低下してしまう。
これに対して、本実施形態では、シャフト制御軸22の軸心Rが偏心軸21の軸心Qに近くなるように設定されているので、コントロールシャフト20に偏心軸21とシャフト制御軸とを形成しても、図4(B)のようにシャフト制御軸22を形成した部分の領域Aが小さく、コントロールシャフト20を比較的滑らかな形状とすることができる。
次に、図5を参照して、コントロールシャフト20のシャフト制御軸22と主軸23との関係を説明する。図5は、コントロールシャフト20を軸方向から見たときの図である。
コントロールシャフト20のシャフト制御軸22(スライド面が設けられた部位のコントロールシャフト軸直断面の外形)は、図5(A)に示すように主軸23(ジャーナル部)の外形からはみ出さないように形成される。
例えば、図5(B)の領域Bに示すように、シャフト制御軸22が主軸23の外径からはみ出す場合には、コントロールシャフト20を回転自在に支持するボスに、コントロールシャフト20を挿通させようとしても、主軸23の外形からはみ出るシャフト制御軸22がボスに引っ掛かり組み付け性が悪化する。
しかしながら、本実施形態では、シャフト制御軸22は、図5(A)に示すように主軸23の外形からはみ出さないので、コントロールシャフト20をボスに容易に挿通することができる。
以上により、第2実施形態では下記の効果を得ることができる。
コントロールシャフト20のシャフト制御軸22の軸心Rは、主軸23の軸心Pよりも偏心軸21の軸心Qに近くなるように設定されているので、コントロールシャフト20を比較的滑らかな形状とすることができ、シャフト制御軸22の近傍の剛性の低下を抑制することが可能となる。
また、コントロールシャフト20のシャフト制御軸22は、主軸23の外形からはみ出さないように形成されるので、コントロールシャフト20をボスに容易に挿通することができ、コントロールシャフト挿通時の組み付け性の悪化を抑制することができる。
(第3実施形態)
図6は、コントロールシャフトのシャフト制御軸の形状を示す図である。
第3実施形態の複リンク式可変圧縮比エンジン1の基本構成は第1実施形態とほぼ同様であるが、コントロールシャフト20のシャフト制御軸22の形状(スライド面が設けられた部位のコントロールシャフト軸直断面の外形形状)において相違する。つまり、フォーク31を小形化するため、シャフト制御軸22の二面幅22a(2つのスライド面)の長さを非対称とするようにしたもので、以下にその相違点を中心に説明する。
第1実施形態でも説明したように、コントロールリンク15と連結するコントロールシャフト20の偏心軸21には、筒内の燃焼圧等に起因してコントロールシャフト20を回転させるコントロールシャフトトルクが作用する。本実施形態では、コントロールシャフトトルクは、図6(A)の矢印Aに示すように作用するので、コントロールシャフト20は、その回転軸(軸心P)に対して反時計回りに回転しようとする。そうすると、シャフト制御軸22もコントロールシャフト20の軸心Pに対して反時計周りに回動するので、フォーク31のアーム31aには荷重F1及び荷重F2が図中矢印のように作用する。
フォーク31の開口部31bの下底位置における根元部31dには、荷重F1、F2に起因してアーム31aを外側に広げるようなフォーク根元応力M1、M2が生じるが、フォーク31はこのフォーク根元応力M1、M2に耐え得るように設計される。フォーク31の小形化を図るには、根元部31dからの距離が長くなる荷重F1に起因して生じるフォーク根元応力M1を低減する必要がある。
そこで、本実施形態では、図6(A)に示すように、シャフト制御軸22の二面幅22aのうち、主軸23の軸心Pに近い側の面のフォーク摺動方向の長さ(以下「面長さ」という)を、主軸23の軸心Pに遠い側の面よりも長くし、フォーク根元応力M1の低減を図る。
上記したフォーク根元応力の低減効果について、図6(B)及び図6(C)を参照して説明する。図6(B)は、シャフト制御軸22の二面幅22aの面長さが同じになるように設定した場合を示す。また、図6(C)は、シャフト制御軸22の二面幅22aの面長さを非対称に設定した場合を示す。
図6(B)において、シャフト制御軸22の軸心Rと荷重F1が作用する位置とのフォーク摺動方向の距離はL1であり、フォーク31の根元部31dと荷重F1が作用する位置とのフォーク摺動方向の距離はL2であり、距離L1が距離L2よりも小さくなっている。この場合には、フォーク31の根元部31dにおけるフォーク根元応力M1aは次式(1)で表される。
Figure 2009108731
これに対して、図6(C)では、シャフト制御軸22の軸心Rと荷重が作用する位置とのフォーク摺動方向の距離を図6(B)よりもL1だけ長くして2L1とする。そうすると、コントロールシャフト20が回転したときにアーム31aに作用する荷重はF1の半分となり、フォーク31の根元部31dと荷重が作用する位置とのフォーク摺動方向の距離はL2+L1となる。したがって、この場合には、フォーク31の根元部31dにおけるフォーク根元応力M1bは次式(2)で表される。
Figure 2009108731
ここで、距離L1は距離L2よりも小さく設定されているので、上記した(2)式は(3)式のように変形できる。
Figure 2009108731
(3)式に示すようにM1bはM1aよりも小さくなり、シャフト制御軸22の二面幅22aのうち、主軸23の軸心Pに近い側の面長さを主軸23の軸心Pに遠い側の面よりも長くすることで、二面幅の長さを対称とする場合よりもフォーク根元応力を低減させることができる。
以上により、第3実施形態では下記の効果を得ることができる。
シャフト制御軸22の二面幅22aのうち主軸23の軸心Pに近い側の面長さを主軸23の軸心Pに遠い側の面よりも長くして、二面幅22aを非対称とするので、フォーク根元応力を低減させることができ、フォーク31を小形化することができる。このようにフォーク31が小形化されると、フォーク31がアクチュエータロッド上で回動する範囲が狭くなるので、フォーク31が連結されるアクチュエータロッド32の平板部32cを少なくできる。そのため、アクチュエータロッド32の剛性が向上して、アクチュエータロッド変形に起因する圧縮比変動を防止することが可能となる。
(第4実施形態)
図7は、第4実施形態の複リンク式可変圧縮比エンジン1のシャフト制御機構30を示す図である。
第4実施形態の複リンク式可変圧縮比エンジン1の基本構成は第1実施形態とほぼ同様であるが、アクチュエータロッド32の支持の仕方において相違する。つまり、アクチュエータロッド32をインナーベアリング50で支持するようにしたもので、以下にその相違点を中心に説明する。
第4実施形態のシャフト制御機構30では、図7(A)及び図7(B)に示すようにアクチュエータロッド32をインナーベアリング50で支持する。インナーベアリング50は、フォーク31を挟んで一対配置される。このインナーベアリング50は、アクチュエータロッド32の周囲を覆うハウジング60に形成されたベアリング支持部61に固定される。また、インナーベアリング50の内側には、アクチュエータロッド32の回転を規制する回転規制部39が配置されている。回転規制部39は、インナーベアリング50の端部に当接するように配置されおり、インナーベアリング50がベアリング支持部61から抜けることを防止する。
インナーベアリング50は、図7(C)に示すように、円筒部51と、挿通部52とを備える。
インナーベアリング50の円筒部51は、ハウジング60のベアリング支持部61に固定される。挿通部52は円柱形状であって、挿通部52の内部にはベアリング軸方向にアクチュエータロッド32の平板部32cを挿通する挿通孔52aが形成される。そして、挿通部52は、円筒部51の内側に、円筒部51の軸心に対して回転自在に配置される。
ところで、第1実施形態のように円筒形状の軸受け38でアクチュエータロッド32を支持すると、アクチュエータロッド32がその軸心に対してねじれ変形する場合等に、アクチュエータロッド32の平板部32cのエッジ部分が軸受け38の内周を摺動してしまうことがある。そうすると、アクチュエータロッド32と軸受け38との接触面圧が高くなりすぎて、アクチュエータロッド32と軸受け38との間で焼き付きが生じる可能性がある。
しかしながら、第4実施形態のシャフト制御機構30、アクチュエータロッド32がその軸心に対してねじれ変形しても、その変形に応じてインナーベアリング50の挿通部52が円筒部51に対して回転するので、アクチュエータロッド32とインナーベアリング50との間の接触面圧の増加が抑制される。
以上により、第4実施形態では以下の効果を得ることができる。
第4実施形態では、アクチュエータロッド32を挿通する挿通部52を円筒部51の軸心に対して回転自在に配置したインナーベアリング50によって、アクチュエータロッド32を支持するので、アクチュエータロッド32がねじれ変形してもアクチュエータロッド32とインナーベアリング50との間の接触面圧の増加を抑制できる。そのため、アクチュエータロッド32のねじれ変形や回転等に起因して生じるアクチュエータロッド32と軸受け38との間の焼き付きや偏磨耗を防止することが可能となる。
本発明は上記の実施の形態に限定されずに、その技術的な思想の範囲内において種々の変更がなしうることは明白である。
例えば、第1実施形態〜第4実施形態では、回転規制部39はフォーク31を挟んで一対設けるようにしたが、1つの回転規制部39によってアクチュエータロッド32の回転やねじれ変形を防止するようにしてもよい。
複リンク式可変圧縮比エンジンの概略構成図である。 フォークとアクチュエータロッドとの連結部の近傍を示す図である。 シャフト制御機構の動作を示す図である。 シャフト制御軸と偏心軸との関係を説明する図である。 シャフト制御軸と主軸との関係を説明する図である。 第3実施形態のシャフト制御軸の形状を示す図である。 第4実施形態のシャフト制御機構を示す図である。
符号の説明
1 複リンク式可変圧縮比エンジン
11 ピストン
12 クランクシャフト
20 コントロールシャフト
21 偏心軸
22 シャフト制御軸
22a 二面幅(スライド面)
23 主軸(ジャーナル部)
31 フォーク
31b 開口部(係合部)
31c 挿通溝
32 アクチュエータロッド
32b ロッド部
32c 平板部
38 軸受け
39 回転規制部
39c スリット
50 インナーベアリング
51 円筒部
52 挿通部
52a 挿通孔

Claims (9)

  1. ピストンとクランクシャフトとを複数のリンクで連結し、コントロールシャフトを回転させ、前記コントロールシャフトに形成された偏心軸の位置を変えて前記リンクの姿勢を制御することで、ピストン上死点位置を変更して圧縮比を可変にする可変圧縮比エンジンにおいて、
    前記コントロールシャフトに設けられ、その軸方向と直交する向きに一定の断面を有するスライド面と、
    前記スライド面を両面から挟持する係合部を有するフォークと、
    前記フォークを揺動自在に配置し、前記コントロールシャフトと直交する方向に進退するアクチュエータロッドと、を備え、
    エンジン運転状態に応じて前記アクチュエータロッドを進退させ、前記フォークによって前記シャフト制御軸を介して前記コントロールシャフトを回転させて圧縮比を可変にする、
    ことを特徴とする可変圧縮比エンジン。
  2. 前記スライド面が設けられた部位のコントロールシャフトの軸直断面の図心は、前記コントロールシャフトのジャーナル部の軸心よりも、前記偏心軸の軸心に近い、
    ことを特徴とする請求項1に記載の可変圧縮比エンジン。
  3. 前記スライド面が設けられた部位のコントロールシャフトの軸直断面の外形は、前記コントロールシャフトの軸方向から見て、前記コントロールシャフトのジャーナル部の外形よりも内側に収まるように形成される、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の可変圧縮比エンジン。
  4. 前記スライド面が設けられた部位のコントロールシャフトの軸直断面の図心は、前記コントロールシャフトのジャーナル部の軸心に対してオフセットしており、前記フォークに係合する前記スライド面のうち前記ジャーナル部の軸心に近い側のスライド面のフォーク摺動方向の長さを、ジャーナル部の軸心から遠い側のスライド面よりも長くする、
    ことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一つに記載の式可変圧縮比エンジン。
  5. 前記アクチュエータロッドは、棒形状のロッド部と、平行な2面からなる平板部とを有し、
    前記フォークは、前記平板部を挿通した状態で、その平板部に対して回転自在に連結される、
    ことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一つに記載の可変圧縮比エンジン。
  6. 前記アクチュエータロッドを摺動自在に支持するとともに、前記アクチュエータロッドに対して揺動するフォークに干渉しない位置であって、間隔が最も狭くなるように配置される一対の軸受けを備え、
    前記軸受けは、前記アクチュエータロッドのロッド部と平板部とを摺動自在に支持するように円筒形状に形成される、
    ことを特徴とする請求項5に記載の可変圧縮比エンジン。
  7. 前記アクチュエータロッドを摺動自在に支持するとともに、前記アクチュエータロッドに対して揺動するフォークと干渉しない位置であって、間隔が最も狭くなるように配置される一対のインナーベアリングを備え、
    前記インナーベアリングは、
    前記アクチュエータロッドの平板部を挿通し、前記平板部を摺動自在に支持する挿通孔を有する円柱形状の挿通部と、
    前記挿通部を挿通部の軸心に対して回転自在に配置する円筒形状の円筒部と、を備える、
    ことを特徴とする請求項5に記載の可変圧縮比エンジン。
  8. 前記アクチュエータロッドの平板部を挿通し、アクチュエータロッドが軸周りに回転するのを規制するスリットを有する回転規制部を備える、
    ことを特徴とする請求項5〜請求項7のいずれか一つに記載の可変圧縮比エンジン。
  9. 前記回転規制部を、前記フォークを挟んで一対設ける、
    ことを特徴とする請求項8に記載の可変圧縮比エンジン。
JP2007280388A 2007-10-29 2007-10-29 可変圧縮比エンジン Pending JP2009108731A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007280388A JP2009108731A (ja) 2007-10-29 2007-10-29 可変圧縮比エンジン

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007280388A JP2009108731A (ja) 2007-10-29 2007-10-29 可変圧縮比エンジン

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2009108731A true JP2009108731A (ja) 2009-05-21

Family

ID=40777471

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007280388A Pending JP2009108731A (ja) 2007-10-29 2007-10-29 可変圧縮比エンジン

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2009108731A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101511091B1 (ko) 2013-08-08 2015-04-10 국방과학연구소 신축가능한 링크를 이용한 변위증폭 출력장치
CN110966087A (zh) * 2018-09-30 2020-04-07 长城汽车股份有限公司 偏心轴驱动机构和可变压缩比机构

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101511091B1 (ko) 2013-08-08 2015-04-10 국방과학연구소 신축가능한 링크를 이용한 변위증폭 출력장치
CN110966087A (zh) * 2018-09-30 2020-04-07 长城汽车股份有限公司 偏心轴驱动机构和可变压缩比机构
CN110966087B (zh) * 2018-09-30 2021-08-03 长城汽车股份有限公司 偏心轴驱动机构和可变压缩比机构

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4882912B2 (ja) 可変圧縮比内燃機関
US8087390B2 (en) Multi-link variable compression ratio engine
JP4798061B2 (ja) 可変圧縮比機構
US8881695B2 (en) Variable compression ratio internal combustion engine
US7383800B2 (en) Assembly for actuating apparatus
JP5577913B2 (ja) リンク機構の連結ピン軸受構造
JP5810675B2 (ja) 内燃機関の複リンク式ピストン−クランク機構
JP6183558B2 (ja) 可変圧縮比内燃機関
JP4289192B2 (ja) エンジンの可変動弁装置
JP2009108731A (ja) 可変圧縮比エンジン
JP2008208783A (ja) リンク機構の軸受構造
JP5971424B2 (ja) 内燃機関の複リンク式ピストンクランク機構
JP4888273B2 (ja) 複リンク式ピストン−クランク機構のアッパピン連結構造
JP4714609B2 (ja) 内燃機関の可変圧縮比機構
US20170030229A1 (en) Adjustable camshaft
JP2011252505A (ja) 可変圧縮比内燃機関
JP5088437B2 (ja) 可変圧縮比内燃機関
JP5321724B2 (ja) リンク機構の軸受構造
JP5115644B2 (ja) 可変圧縮比内燃機関
JP4269810B2 (ja) リンク機構のピン連結構造
JP7127380B2 (ja) 内燃機関の複リンク式ピストンクランク機構
JP4016956B2 (ja) エンジンの可変動弁機構及びその制御装置
JP5070689B2 (ja) 連結ピン
JP5321148B2 (ja) 複リンク式可変圧縮比内燃機関
JP5093393B2 (ja) 可変圧縮比内燃機関