JP5109955B2 - 可変圧縮比内燃機関 - Google Patents

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Description

本発明は、シリンダブロックをクランクケースに対して相対移動させて内燃機関の燃焼室容積を変更することにより圧縮比を可変とする、可変圧縮比内燃機関に関する。
近年、内燃機関の燃費性能や出力性能などを向上させることを目的として、内燃機関の圧縮比を可変にする技術が提案されている。この種の技術としては、シリンダブロックとクランクケースとを相対移動可能に連結するとともにその連結部分にカム軸を設け、前記カム軸を回動させてシリンダブロックとクランクケースとを接近又は離反させることにより圧縮比を変更する技術が提案されている(例えば、特許文献1及び2を参照。)。
また、シリンダブロックとクランクケースとの間には、シリンダの両側方に平行に配置される一対のカム軸を備えるとともに、カム軸にはその回転中心に対して偏心した円形のカム部を有しており、一対のカム軸が互いに同期しつつ同一方向に回転することで、シリンダブロックをクランクケースに対して相対移動させる技術が提案されている(例えば、特許文献3を参照。)
しかしながら上記の技術は、動力源としてのモータの回転をウォームギアによって減速させるとともにトルクを増大してカム軸を回転させるものであった。すなわち上記の技術においては、ウォームギアを一対のカム軸に対して各々設ける必要があり、装置の重量、スペース及びコストの低減の妨げになっていた。また、大型のウォームホイールを回転させる必要があることからモータに要求される電力負荷が大きくなっていた。さらに、V型内燃機関に上記技術を適用する場合には、シリンダブロック自体が大型化するために、ウォームホイールを設置するスペースを確保することが困難な場合があった。
特開平7−26981号公報 特開2003−206771号公報 特開2005−113839号公報
本発明は、上記従来技術に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、可変圧縮比内燃機関の重量、スペースまたはコストを低減することができる技術を提供することである。
上記目的を達成するための本発明は、シリンダブロックと、クランクケースとの間に構築されるカム軸を、互いに同期させつつ同一方向に回転させることにより、クランクケースに対してシリンダブロックを少なくともシリンダ中心軸方向に相対移動させる可変圧縮比内燃機関に関する。そして、各々のカム軸に、少なくともカム軸の軸方向に垂直に延びた揺動部を設け、各々のカム軸の揺動部を一本の連結部材に回転(揺動)可能に接続し、当該連結部材をアクチュエータで移動させることで、各々のカム軸を回転させるように構成したことを最大の特徴とする。
より詳しくは、シリンダが形成されたシリンダブロックが、クランク軸を回動自在に支持するクランクケースに対して相対移動可能に結合され、
前記シリンダの両側方に平行に配置され前記シリンダブロックまたは前記クランクケースの一方に形成された軸収納孔に回転可能に支持された一対のカム軸を備え、
前記カム軸の回転中心に対して偏心して該カム軸に設けられた円柱状のカム部は、前記シリンダブロックまたは前記クランクケースの他方に形成されたカム収納孔に収納され、
前記一対のカム軸が互いに同期しつつ同一方向に回転することで前記シリンダブロックを、前記クランクケースに対して少なくとも前記シリンダの軸方向に相対移動させることにより、圧縮比を変更する可変圧縮比内燃機関であって、
少なくとも該カム軸の軸方向と直交する方向に延びるように各々の前記カム軸に設けられた揺動部と、
前記一対のカム軸に設けられた一対の前記揺動部が各々回転可能に接続されるとともに、移動することにより一対の前記揺動部を、各々の揺動部が設けられたカム軸の回転中心の回りに同期して揺動させる連結部材と、
前記連結部材を移動させるアクチュエータと、
をさらに備えたことを特徴とする。
これによれば、連結部材を移動させ揺動部を揺動させることによってカム軸を回転させることができ、より簡単な構成により、シリンダブロックをクランクケースに対してシリンダの軸方向に相対移動させることができる。よって、ウォームホイールなどの大型の部品を省略することができ、装置のコスト、スペース及び重量を低減することが可能となる。
また、本発明においては、前記揺動部は、カム軸に一端が接続されたアームにより形成され、
前記連結部材は、一対の前記アームの先端が各々回転可能に接続され、前記シリンダの軸方向及び前記カム軸の軸方向と直交するように設けられたシャフト部材であり、
前記アクチュエータは、前記シャフト部材を該シャフト部材の軸方向に移動させるようにしてもよい。
これによれば、シャフト部材を軸方向に移動させアームを揺動させることでカム軸を回転させることができ、より簡単な構成により、シリンダブロックをクランクケースに対してシリンダの軸方向に相対移動させることができる。また、アームの長さを適宜調節することで、装置の重量及びサイズを抑えたまま、アクチュエータへの負荷を低減することが可能となる。
また、本発明においては、前記クランクケースと前記シリンダブロックとが接近する方向に前記連結部材を付勢する付勢手段をさらに備えるようにしてもよい。
ここで、上記の可変圧縮比内燃機関では、燃焼室において燃焼圧が生じた際には、クランクケースとシリンダブロックとに、それらを離反させる方向の力が働く。そうすると、クランクケースとシリンダブロックとが離反する方向にカム軸及び揺動部材を回転及び揺動させようとする力が働き、連結部材にも同様にこれを移動させようとする力が働く。その場合、燃焼室における燃焼圧の大きさと、アクチュエータにおける保持力の大きさとによっては、燃焼圧に起因して連結部材を移動させようとする力にアクチュエータの保持力が抗しきれず、連結部材が実際に移動してしまい、結果として圧縮比が変動してしまうおそれがある。
そこで、本発明においては、クランクケースとシリンダブロックとが接近する方向に連結部材を付勢する付勢手段を備えることとした。これによれば、燃焼圧に起因して、連結部材に対して、クランクケースとシリンダブロックとが離反する方向に過大な力が作用することを抑制でき、内燃機関の燃焼圧によって圧縮比が変動してしまうことを抑制できる。
なお、上記した本発明の課題を解決する手段については、可能なかぎり組み合わせて用いることができる。
本発明にあっては、クランクケースに対してシリンダブロックを相対移動させて圧縮比を可変とする可変圧縮比内燃機関において、ウォームギアを使用する必要性を排除することができ、可変圧縮比内燃機関の重量、スペースまたはコストを低減することができる。
<実施例1>
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面を参照して詳細に説明する。まず、図1を用いて、本実施例に係る可変圧縮比内燃機関10の概要(基本構成)を説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る可変圧縮比内燃機関10は、4つのシリンダ22を有するシリンダブロック20、シリンダブロック20をシリンダ22の軸線方向に移動可能な形で保持するためのクランクケース30、クランクケース30に対してシリンダブロック20を相対移動させるための2つのカム軸40、アクチュエータとしてのモータ60等を備えている。以下、説明の便宜上、シリンダ22の軸線方向のことを、上下方向(シリンダブロック20側が上)と表記することにする。また、図1においては、シリンダヘッドなど、本発明の説明に必要のない構成は省略している。
この可変圧縮比内燃機関10は、2つのカム軸40が回転することにより、シリンダブロック20がクランクケース30に対して少なくとも上下に相対移動し、その結果として圧縮比を変更する内燃機関である。
より具体的には、図2に示すように、カム軸40は、回転軸としての軸部41に、回転軸に対して偏心した軸を有する円柱状のカム部42が4箇所設けられた構成となっている。また、カム軸40の軸方向中央部には、リング状のアーム接続部44が固定されており、アーム接続部44にはアーム45の一端が固定されている。アーム45はアーム接続部44に対して、長手方向が軸部41の軸方向に垂直になるように固定されている。また、アーム45の先端には長孔45aが設けられている。
図1の説明に戻る。カム軸40のカム部42は、シリンダブロック20に、カム軸40の軸方向に並ぶように4個設けられたカム支持部材21に回動可能に支持されている。すなわちカム支持部材21にはカム部42を収納する収納孔が備えられている。この収納孔は本実施例においてカム収納孔に相当する。また、カム軸40の両端の軸部41は、クランクケース30に設けられた軸受孔33に回転可能に支持されている。また、カム軸40のカム部42の間に位置する軸部41は、クランクケース30におけるカム支持部材21の間の領域に設けられた半円状の軸受部(不図示)に回転可能に支持されている。なお、図示しないが、カム支持部材21の間の領域において同じく半円状の軸受部を形成するカム軸カバーを外側からクランクケース30に取り付けることにより、クランクケース30におけるカム支持部材21の間の領域において断面円形の軸受部が完成し、この軸受部においても軸部41を回転可能に支持する構成となっている。この断面円形の軸受部と軸受孔33とは本実施例において軸収納孔に相当する。
また、カム軸40のアーム45の先端には、連結部材としての連結シャフト50が接続されている。この連結シャフト50は、概略棒状の部材であって、アーム45と接続するための接続部52が2箇所設けられている。接続部52は、上下方向から見た断面図が中空の長方形となっており、中空部分にアーム45の先端が挿入され、ピン52aによってアーム45と回転(揺動)可能に接続される。この連結シャフト45の端部には、雄ねじ
が形成された雄ねじ部53が設けられている。この雄ねじ部53は、図3(後述)に示すように、クランクケース30に固定されたモータ60のロータ61に設けられた雌ねじ部62と螺合している。
図3には、本実施例における可変圧縮比内燃機関10の概略断面図を示す。図3に示すように、連結シャフト50は、2つの接続部52がシャフト部51で連結された構成となっている。また、この連結シャフト50はクランクケース30におけるクランク軸31の上方において、図中白抜き矢印方向に平行移動可能なようにクランクケース30に支持されている。なお、ここで2本のカム軸40は、連結シャフト50に接続された状態で、同一の姿勢をとる。すなわち、カム部42及びアーム45が、カム軸40の回転中心に対して同じ角度となるように構成されており、連結シャフト50の移動に応じて、2つのカム軸40が同期して同一方向に回転するようになっている。
また前述のように、モータ60に電圧を印加することで回転するロータ61には、雌ねじ部62が設けられている。そして、この雌ねじ部62と連結シャフト50の雄ねじ部53とが螺合している。従って、モータ60のロータ61が回転すると、雄ねじ部53がロータ61に対して相対移動し、連結シャフト50が図3中白抜き矢印方向に平行移動する。
連結シャフト50の平行移動により、2本のカム軸40におけるアーム45が同期して傾き、2本のカム軸40が同一角度まで回転する。そうすると、カム軸40の回転軸に対して偏心しているカム部42が収納されたカム支持部材21が円弧状に移動し、この移動により、シリンダブロック20をクランクケース30に対して相対移動させることができる。
図4には、連結シャフト50の位置と、クランクケース30に対するシリンダブロック20の位置との関係について示す。本実施例においては、カム軸40は、カム軸40の回転中心に対してカム部42の中心が水平となる姿勢を基準として、その基準姿勢から±30度程度の範囲でカム軸を回転させる。図4(A)のように、カム軸40が基準姿勢から反時計回りに30度傾斜し連結シャフト50が図中モータ60側に移動している状態ではカム軸40の回転中心に対してカム部42の中心が上側にくる。そのため、クランクケース30に対してシリンダブロック20が相対的に離反した状態となり圧縮比は低圧縮比の状態となる。なお、この際、基準姿勢に対してカム部42の水平方向の位置は、モータ60とは逆側にシフトすることとなるので、クランクケース30に対してシリンダブロック20はモータ60と反対側に若干シフトしている。
また、図4(B)に示す基準姿勢においては、カム軸40の回転中心に対してカム部42の中心が水平に位置しており、この状態で、アーム45が垂直下側に延び、シリンダブロック20のシリンダ22の軸と、クランク軸31との水平位置が一致するようになっている。すなわち、クランクケース30に対してシリンダブロック20が水平方向中央に位置するようになっている。このときに、圧縮比は中圧縮比の状態となる。
図4(C)のように、カム軸40が基準姿勢から時計回りに30度傾斜し連結シャフト50が図中モータ60の反対側に移動している状態ではカム軸40の回転中心に対してカム部42の中心が下側にくる。そのため、クランクケース30に対してシリンダブロック20が相対的に接近した状態となり圧縮比は高圧縮比の状態となる。なお、この際、基準姿勢に対してカム部42の水平方向の位置は、モータ60とは逆側にシフトすることとなるので、クランクケース30に対してシリンダブロック20はモータ60と反対側に若干シフトしている。
以上、説明したとおり、本実施例においては、カム軸40を回転駆動する機構として、カム軸40に接続されたアーム45と、2本のアーム45の先端が回転可能に接続された連結シャフト50と、を備えており、モータ60によって連結シャフト50を水平方向に移動させ、この移動に連動させてアーム45及びカム軸40を回転させることとした。本実施例ではこのような機構を採用したため、ウォームギアなどの大型の部品を使用する必要がなく、装置の小型化、軽量化及びコストダウンを図ることができる。また、アーム45の長さを適宜決定することで、装置の大型化を抑制しつつ、モータ60に対する負荷を低減させることができ、消費電力を低減することが可能となる。
なお、本発明におけるカム軸は実施例1で説明したカム軸40の構成に限定されるものでなく、本発明の趣旨から逸脱しない範囲で変更が可能である。また、上記の実施例では、連結シャフト50に雄ねじ部53を設け、モータ60のロータ61に雌ねじ部62を設ける構成としたが、例えば連結シャフト50に雌ねじ部を設け、モータ60のロータ61に雄ねじ部を設けても良いことは当然であり、アクチュエータによって連結シャフト50を軸方向に移動できる構成であれば他の構成を採用しても構わない。また、雄ねじ部と雌ねじ部については、フリクションとバックラッシュの低減のため、ボールねじを使用しても構わない。さらに、アクチュエータとしては、モータの他、ソレノイドなどを用いることも可能であり、連結シャフト50の水平方向の位置を2段階または多段階に切り換えるようにしても良い。
<実施例2>
次に実施例2として、本発明をV型内燃機関に適用した場合について説明する。図5には、本実施例に係るV型内燃機関65の概略断面図を示す。ここでは、図3におけるシリンダブロック20の代わりにV型シリンダブロック70が設けられている。V型シリンダブロック70が用いられた場合には、直列型のシリンダブロック20が用いられた場合と比較して、カム軸90を設ける位置を低くする必要がある。すなわち、連結シャフト100の高さを実施例1と比較して低く設定する必要がある。従って、クランク軸81の下側にシャフト部101を通す必要がある。
また、V型シリンダブロック70が用いられた場合には、直列型のシリンダブロック20が用いられた場合と比較して、カム軸90間の距離を長くする必要があるので、シャフト部101の長さが長くなる。従って、本実施例においては図6に示すような、ベアリングキャップ120を利用することとした。図6(A)にはベアリングキャップ120の斜視図を、図6(B)にはベアリングキャップ120の断面図を示す。ベアリングキャップ120は、図6に示すように4本のキャップボルト130をボルト孔121から挿入してクランク軸81の下側から締め付けることでクランクケース80に固定される。そして、クランク軸受部124によってクランク軸81を回転可能に支持する。
本実施例におけるベアリングキャップ120の側面には連結シャフト100のシャフト部101が摺動可能に支持されるシャフト支持孔122が設けられている。また、クランク軸受部124とシャフト支持孔122との間は、給油孔123で連通されており、クランク軸81の回転運動の潤滑のために用いられたオイルがシャフト支持孔122に流入し、シャフト部101の摺動運動の潤滑に用いられるようになっている。
以上、説明したとおり、本実施例では、V型シリンダブロック70を備えたV型の可変圧縮比内燃機関65において、カム軸90を回転駆動する機構として、カム軸90に接続されたアーム95と、2本のアーム95の先端が回転可能に接続された連結シャフト100とを備えることとした。そして、モータ110によって連結シャフト100を水平方向に移動させ、この移動に連動させてアーム95及びカム軸90を揺動及び回転させることとした。
元来、V型可変圧縮比内燃機関においては、圧縮比を変更する機構を配置するスペースが少ないという不都合があったところ、本実施例においては、ウォームギアなどの大型の部品を使用する必要がなく、V型可変圧縮比内燃機関においても充分に圧縮比を変更する機構を配置することが可能となった。また、装置の軽量化及びコストダウンを図ることができるようになった。さらに本実施例では、連結シャフト100のシャフト部101を、ベアリングキャップ120を用いて摺動可能に支持することとした。これにより、連結シャフト100をクランク軸81の下側に問題なく配置することが可能となり、また、シャフト部101の長さが長くなっても剛性を確保することができ、カム軸90の安定した駆動が可能となる。
<実施例3>
次に実施例3として、シリンダ22において発生する燃焼圧に起因する連結シャフト50の移動を抑制する例について説明する。すなわち本実施例においては、燃焼圧が発生した際に連結シャフト50が移動しようとする方向とは逆の方向に、連結シャフト50を付勢手段によって付勢する。なお、本実施例においては、付勢手段以外の構成は図3に示したものと同様であるので、付勢手段以外の構成には図3と同じ符号を付するとともに説明を省略する。
ここで、図7に示すように、内燃機関10の燃焼室においては燃焼行程において燃焼圧が発生するため、内燃機関10全体としては周期的な燃焼圧が発生する。そして、燃焼圧が発生した際には、シリンダブロック20がクランクケース30に対して離反する方向に力が作用し、その力に起因して連結シャフト50にも、シャフト部51の軸方向(長手方向)に移動させようとする力が作用する。その場合、雄ねじ部53及びモータ60の雌ねじ部62におけるねじのピッチによっては、連結シャフト50を移動させようとする力にモータ60の保持力が負けてしまい、モータ60のロータ61が回転するとともに連結シャフト50が移動し、圧縮比が変動してしまうおそれがある。
このような不都合に対し、本実施例においては図8に示すように、連結シャフト50におけるモータ60と反対側に付勢手段としての圧縮バネ55を設置し、圧縮バネ55によって、連結シャフト50を、燃焼圧によって連結シャフト50が移動しようとする方向とは逆側に付勢することとした。
ここで、燃焼圧の実行値は、燃焼圧をPとすると以下の式(1)で表すことができる。
Figure 0005109955

図7には、4気筒内燃機関の場合の実行値について太破線で示す。
また、本実施例においては、調整ねじ56を設けることにより、圧縮バネ55により連結シャフト50に作用させる付勢力を調整可能とした。そして、圧縮バネ55による付勢力は、上述の燃焼圧の実効値の1/2とした。そうすることにより、燃焼圧が作用している期間と、燃焼圧が作用していない期間とにおいて連結シャフト50に作用する力をエネルギー的にバランスさせることができ、連結シャフト50に過度な力が作用することを抑制できる。これにより、周期的な燃焼圧によって圧縮比が変動することをより確実に抑制できる。
なお、上記の実施例では圧縮バネ55による付勢力は燃焼圧の実効値の1/2としたが、この値は飽くまで最適値である。連結シャフト50に過度な力が作用して、連結シャフト50が燃焼圧によって移動することを抑制できる付勢力であれば、付勢力を他の値に設定しても構わない。また、雄ねじ部53及びモータ60の雌ねじ部62におけるねじのピッチを、燃焼圧に起因して連結シャフト50の軸方向(長手方向)に作用する力では動かないような値に設定することで、本実施例の目的を達成してもよいことはもちろんである。
<実施例4>
次に、本発明においてカム軸を回転させるため機構の他の例について説明する。図9には本実施例におけるカム軸140及び連結シャフト150について示す。カム軸140は、回転軸としての軸部141に、回転軸に対して偏心した軸を有する円柱状のカム部142が設けられて構成されている。カム軸140には、概略扇状の形状を有し、扇の円弧部にピニオン歯145aを有する扇状ピニオン部材145が固定されている。一方、連結シャフト150のシャフト部151には2個のカム軸140と同一間隔で2箇所のラック部152が設けられている。このラック部152にはラック歯152aが形成されている。そして、扇状ピニオン部材145のピニオン歯145aとラック部材152のラック歯152aとが噛み合うようになっている。
この状態で、シャフト部151が図中水平方向に移動した場合には、2箇所のラック部152が水平移動して2個の扇状ピニオン部材145を揺動させる。このことにより、カム軸140が回転し、クランクケースに対してシリンダブロックをシリンダの軸方向に相対移動させることができる。なお、本実施例において扇状ピニオン部材145は揺動部に相当する。
<実施例5>
次に、本発明においてカム軸を回転させるための機構のさらに他の例について説明する。図10には本実施例におけるカム軸160及び連結シャフト170について示す。カム軸160は、回転軸としての軸部161に、回転軸に対して偏心した軸を有する円柱状のカム部162が設けられることで構成されている。カム軸160には、概略円板状の形状を有し、円板の円弧の一部に切り欠き165aを有する円板状部材165が固定されている。一方、連結シャフト170のシャフト部171には2個のカム軸160と同一間隔で2箇所の接続部172が設けられている。この接続部172には突起172aが、図中上方(カム軸160の方向)に延びるように設けられている。また、突起172aの先端には駆動ピン172bが図中紙面に垂直方向に設けられている。
この駆動ピン172bが切り欠き165aに侵入することで、接続部172と、円板状部材165とが回転可能に接続されている。
この状態で、シャフト部171が図中水平方向に移動した場合には、2箇所の接続部172が水平移動し、2個の円板状部材165を揺動させる。このことにより、カム軸160が回転し、クランクケースに対してシリンダブロックをシリンダの軸方向に相対移動させることができる。本実施例において円板状部材165は揺動部に相当する。
<実施例6>
次に、本発明においてカム軸を回転させるための機構のさらに他の例について説明する。図11には本実施例におけるカム軸180及び連結シャフト190について示す。カム軸180は、回転軸としての軸部181に、回転軸に対して偏心した軸を有する円柱状のカム部182が設けられることで構成されている。カム軸180には、概略円板状の形状
を有する円板状部材184が固定されている。一方、連結シャフト190のシャフト部191には2個のカム軸180と同一間隔で2箇所の接続部192が設けられている。この接続部192と円板状部材184とには、連結ピン185a及び185bによって連結バー185が、回転可能に接続されている。これにより、接続部192と円板状部材184とが連動して動くようになっている。
この状態で、シャフト部191が図中水平方向に移動した場合には、2箇所の接続部192及び連結ピン185bが水平移動する。そうすると、連結バー185の連結ピン185aは円弧状の軌道上を移動するとともに、円板状部材184は揺動する。このことにより、カム軸180が回転し、クランクケースに対してシリンダブロックをシリンダの軸方向に相対移動させることができる。本実施例において円板状部材184は揺動部に相当する。
なお、上記の実施例においては揺動部に相当する部材は全て、カム軸の軸方向と垂直方向に延びるように設けられた例について説明したが、揺動部に相当する部材は、必ずしもカム軸の軸方向と垂直方向に延びている必要はなく、カム軸の軸方向と垂直な方向に対して傾斜した方向に延びるように設けられてもよいことは当然である。
本発明の実施例に係る可変圧縮比内燃機関の分解斜視図である。 本発明の実施例1に係るカム軸の概略を示す斜視図である。 本発明の実施例1に係る可変圧縮比内燃機関の概略を示す断面図である。 本発明の実施例1に係る可変圧縮比内燃機関の連結シャフトの位置と圧縮比との関係を示す図である。 本発明の実施例2に係る可変圧縮比内燃機関の概略を示す断面図である。 本発明の実施例2に係るベアリングキャップについて説明するための図である。 本発明の実施例3に係る可変圧縮比内燃機関における燃焼圧のグラフである。 本発明の実施例3に係る可変圧縮比内燃機関の概略を示す断面図である。 本発明の実施例4において、カム軸を回転させるための機構を示す図である。 本発明の実施例5において、カム軸を回転させるための機構を示す図である。 本発明の実施例6において、カム軸を回転させるための機構を示す図である。
符号の説明
10、65・・・可変圧縮比内燃機関
20、70・・・シリンダブロック
21・・・カム支持部材
22・・・シリンダ
30、80・・・クランクケース
31、81・・・クランク軸
33・・・軸受孔
40、90、140、160、180・・・カム軸
41、91、141、161、181・・・軸部
42、92、142、162、182・・・カム部
44・・・アーム接続部
45、95・・・アーム
45a・・・長孔
50、100、150、170、190・・・連結シャフト
51、101、151、171、191・・・シャフト部
52、102、172、192・・・接続部
52a・・・ピン
53・・・雄ねじ部
55・・・圧縮バネ
56・・・調整ねじ
60、110・・・モータ
61・・・ロータ
62・・・雌ねじ部
120・・・ベアリングキャップ
121・・・ボルト孔
122・・・シャフト支持孔
123・・・給油孔
124・・・クランク軸受部
130・・・キャップボルト
145・・・扇状ピニオン部材
152・・・ラック部
165・・・円板状部材
184・・・円板状部材
185・・・連結バー

Claims (3)

  1. シリンダが形成されたシリンダブロックが、クランク軸を回動自在に支持するクランクケースに対して相対移動可能に結合され、
    前記シリンダの両側方に平行に配置され前記シリンダブロックまたは前記クランクケースの一方に形成された軸収納孔に回転可能に支持された一対のカム軸を備え、
    前記カム軸の回転中心に対して偏心して該カム軸に設けられた円柱状のカム部は、前記シリンダブロックまたは前記クランクケースの他方に形成されたカム収納孔に収納され、
    前記一対のカム軸が互いに同期しつつ同一方向に回転することで前記シリンダブロックを、前記クランクケースに対して少なくとも前記シリンダの軸方向に相対移動させることにより、圧縮比を変更する可変圧縮比内燃機関であって、
    少なくとも該カム軸の軸方向と直交する方向に延びるように各々の前記カム軸に設けられた揺動部と、
    前記一対のカム軸に設けられた一対の前記揺動部が各々回転可能に接続されるとともに、移動することにより一対の前記揺動部を、各々の揺動部が設けられたカム軸の回転中心の回りに同期して揺動させる連結部材と、
    前記連結部材を移動させるアクチュエータと、
    をさらに備えたことを特徴とする可変圧縮比内燃機関。
  2. 前記揺動部は、カム軸に一端が接続されたアームにより形成され、
    前記連結部材は、一対の前記アームの先端が各々回転可能に接続され、前記シリンダの軸方向及び前記カム軸の軸方向と直交するように設けられたシャフト部材であり、
    前記アクチュエータは、前記シャフト部材を該シャフト部材の軸方向に移動させることを特徴とする請求項1に記載の可変圧縮比内燃機関。
  3. 前記クランクケースと前記シリンダブロックとが接近する方向に前記連結部材を付勢する付勢手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の可変圧縮比内燃機関。
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