JP5212243B2 - 可変圧縮比内燃機関 - Google Patents

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Description

本発明は、シリンダブロックをクランクケースに対してシリンダ軸方向に相対移動させて内燃機関の燃焼室容積を変更することにより圧縮比を可変とする、可変圧縮比内燃機関に関する。
近年、内燃機関の燃費性能や出力性能などを向上させることを目的として、内燃機関の圧縮比を可変にする技術が提案されている。この種の技術としては、シリンダブロックとクランクケースとを相対移動可能に連結するとともにその連結部分にカム軸を設け、前記カム軸を回動させてシリンダブロックとクランクケースとを接近又は離反させることにより圧縮比を変更する技術が提案されている(例えば、特許文献1及び2を参照。)。
特に、シリンダブロックとクランクケースとの連結部分に設けられたカム軸が、軸部と、軸部に対して固定されているカム部と、軸部に対して回転可能に取り付けられた可動軸受部とを有し、カム部が、シリンダブロックに形成されたカム収納孔に収納されると共に、可動軸受部が、クランクケースに形成された軸受収納孔に収納されている可変圧縮比内燃機関が提案されている(例えば、特許文献2を参照。)。さらに、軸部の中心と、可動軸受部の軸受収納孔に対する回転の回転中心である可動軸受中心とを結んだ線分の長さは、軸部中心とカム部のカム収納孔に対する回転の回転中心であるカム中心とを結んだ直線の長さより長く設定される技術も提案されている(例えば、特許文献3を参照。)。
しかしながら上記の技術においては、シリンダブロックとクランクケースとを相対移動させる機構(以下、可変圧縮比機構ともいう。)における剛性を確保できる反面、大きな連桿比を得ることが困難な場合があった。この連桿比の数値は大きい方が、可変圧縮比機構における摺動面の摩擦係数が高い場合にも、より少ないトルクで同機構を作動させることができることが分かっており、可変圧縮比機構においてより大きな連桿比を得ることが望まれている。
特開平7−26981号公報 特開2003−206771号公報 特開2007−298003号公報
本発明は、シリンダブロックとクランクケースとをシリンダ軸方向に相対移動させて圧縮比を変更する可変圧縮比内燃機関において、より小さい駆動トルクで可変圧縮比機構を駆動でき、シリンダブロックとクランクケースとを相対移動させることができる技術を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明においては、シリンダブロックまたはクランクケースの一方には、一対の主軸と、各々の主軸に対して偏心して設けられた偏心軸とが、回転可能に設けられる。また、シリンダブロックまたはクランクケースの他方には従動軸が設けられ、一端が偏心軸を回転可能に支持し他端は従動軸においてシリンダブロックまたはクランクケースに回動可能に結合されたアームを備える。そして、本発明においては、主軸
の半径と従動軸の半径との和が、アームによって規制される偏心軸と従動軸の中心間の距離より小さくなるようにしたことを最大の特徴とする。
より詳しくは、シリンダが形成されたシリンダブロックが、クランク軸を回動自在に支持するクランクケースに対してシリンダ軸方向に相対移動可能に結合され、
前記シリンダの両側方に平行に配置され前記シリンダブロックまたは前記クランクケースの一方に形成された主軸収納孔に回転可能に支持された一対の主軸と、
前記主軸の回転中心に対して偏心して該主軸に設けられた円柱状の偏心軸と、
一端に設けられた偏心軸収納孔において前記偏心軸を回転可能に支持し、他端で支持した従動軸において前記シリンダブロックまたは前記クランクケースの他方に回動可能に結合された一対のアームと、を備え、
前記一対の主軸が回転することで前記偏心軸が前記主軸の中心周りに円周軌道上を移動するとともに前記従動軸が往復運動することで、前記シリンダブロックを、前記クランクケースに対して前記シリンダの軸方向に相対移動させ、該相対移動により圧縮比を変更する可変圧縮比内燃機関であって、
前記主軸の半径と、前記従動軸の半径との和が、前記アームで規制される前記偏心軸の中心と前記従動軸の中心との距離より小さく設定されたことを特徴とする。
これによれば、クランクケースまたはシリンダブロックの一方に支持された主軸を回転させることにより、アームの一端は、偏心軸とともに主軸の中心周りに円周軌道上を移動する。また、アームの他端は従動軸においてクランクケースまたはシリンダブロックの他方に回転可能に結合されているので、主軸の回転に伴い、クランクケースまたはシリンダブロックの他方を往復運動させることができる。このことにより、主軸を回転させることでシリンダブロックとクランクケースとをより簡単に相対移動させることができる。
また、本発明においては、主軸の半径と従動軸の半径との和が、アームを介した偏心軸と従動軸の中心間距離より小さく設定されているので、主軸及び従動軸の径に対してアームの長さがより長く設定され、クランクケースまたはシリンダブロックの往復運動のストロークとして同じ値が選択された場合に、相対的により大きな連桿比を得ることが可能となる。ここで連桿比とは、偏心軸の中心と従動軸の中心との距離を偏心軸の主軸に対する偏心量で除したものである。本発明によれば、主軸または従動軸の大径化を抑えつつ、より大きな連桿比を得ることが可能となるので、装置の大型化を抑制できるとともに、より小さい駆動トルクで、シリンダブロックとクランクケースとを相対移動させることができる。その結果、より容易に可変圧縮比機構の駆動時の消費電力を低減し、または駆動源の容量を低減することができる。
また、本発明においては、前記アームは前記他端に設けられた従動軸収納孔に前記従動軸を収納することで該従動軸を支持し、
前記従動軸が前記シリンダブロックまたは前記クランクケースに支持されることで、前記アームは前記シリンダブロックまたは前記クランクケースに回動可能に結合され
前記主軸及び前記従動軸のうち前記クランクケースに支持される軸は、前記主軸及び前記従動軸のうち前記シリンダブロックに支持される軸よりも、前記相対移動方向においてよりシリンダヘッド側の位置において、前記クランクケースに支持されるようにしてもよい。
ここで、アームの両端には偏心軸収納孔と従動軸収納孔とが設けられている。そして、装置の大型化を抑制する理由から、アームにおける偏心軸収納孔及び従動軸収納孔の周囲の肉厚を充分に厚くすることは困難である。
一方、気筒における燃焼により発生する燃焼圧は、クランクケースとシリンダブロック
の間に、両者が互いに離れる方向に作用する。そうすると、例えば主軸がクランクケースに、従動軸がシリンダブロックに支持されている場合であって、クランクケースとシリンダブロックの相対移動方向において主軸が従動軸より下側(シリンダ側が上側、クランク軸側が下側とする。)に支持されている場合には、燃焼時には、アームが偏心軸と従動軸によって引っ張られることとなる。
そうすると、肉厚の薄い、アームにおける偏心軸と従動軸の周囲の部分が延び変形してしまうおそれがある。その結果、偏心軸または従動軸とアームとの間にガタが発生し、騒音が発生したり圧縮比の精度が悪化したりする不都合が生じるおそれがあった。また、アームの寸法を変更することによってこれを防止するためには、アームを大型化する必要があり装置の小型化、省エネルギー化を妨げるおそれがあった。
それに対し、本発明においては、主軸及び従動軸のうちクランクケースに支持される軸は、主軸及び従動軸のうちシリンダブロックに支持される軸よりも、上記の相対移動方向においてよりシリンダヘッド側の位置において、クランクケースに支持されるようにした。そうすれば、シリンダブロックとクランクケースとの間に燃焼圧が作用した際に、アームには引っ張り力ではなく圧縮力を作用させることができる。
これにより、アームにおける偏心軸収納孔と従動軸収納孔の周囲の薄肉部分の変形をより確実に抑制することができ、装置の信頼性または耐久性を向上させることができる。また、アームにおける偏心軸収納孔と従動軸収納孔の周囲の厚みをより薄く設計することが可能となるので、装置の小型化及び省エネルギー化を促進することができる。
なお、上記した本発明の課題を解決する手段については、可能なかぎり組み合わせて用いることができる。
本発明にあっては、クランクケースに対してシリンダブロックを相対移動させて圧縮比を可変とする可変圧縮比内燃機関において、より小さい駆動トルクで可変圧縮比機構を駆動でき、シリンダブロックとクランクケースとを相対移動させることができる。
本発明の実施例に係る可変圧縮比内燃機関の分解斜視図である。 本発明の実施例1に係るリンク機構の構成を説明するための斜視図である。 本発明の実施例1に係るリンク機構の作動を説明するための図である。 本発明の実施例に係る、連桿比と摩擦係数と駆動トルクとの関係を示すグラフである。 本発明の実施例1に係るリンク機構の作動の別の例を説明するための図である。 本発明の実施例2に係るリンク機構の取り付け法について説明するための図である。 本発明の実施例2に係るリンク機構の取り付け法の別の例について説明するための図である。 本発明の実施例1及び2に係るリンク機構への燃焼圧の作用について説明するための図である。 本発明の実施例3に係るリンク機構への燃焼圧の作用について説明するための図である。
以下、本発明を実施するための形態を、図面を参照して詳細に説明する。まず、図1を
用いて、本実施例に係る可変圧縮比内燃機関10の概要(基本構成)を説明する。
図1に示すように、本実施例に係る可変圧縮比内燃機関10(以下、単に内燃機関10ともいう。)は、4つのシリンダ22を有するシリンダブロック20、シリンダブロック20をシリンダ22の軸線方向に移動可能な形で保持するクランクケース30、クランクケース30に対してシリンダブロック20を相対移動させるための2つのリンク機構40、アクチュエータとしての図示しないモータ等を備えている。以下、説明の便宜上、シリンダ22の軸線方向のことを、上下方向(クランクケース30に対してシリンダブロック20側が上)と表記することにする。また、図1においては、シリンダヘッドなど、本発明の説明に必要のない構成は省略している。
この内燃機関10は、2つのリンク機構40における主軸41がモータの作動によって回転することにより、シリンダブロック20がクランクケース30に対してシリンダ軸線方向に相対移動し、その結果として圧縮比を変更する内燃機関である。このリンク機構40にはクランクケース30のクランク軸(不図示)の方向に並んだ4つのアームユニット40aが備えられている。このアームユニット40aはシリンダブロック20にボルト46(後述)で固定されている。また、4つのアームユニット40aは主軸41によって互いに連結されている。さらに、リンク機構40の中央部には、ウォームホイール47が設けられている。このウォームホイール47は、モータ(不図示)に連結されたウォームギア(不図示)と噛み合い、モータの回転に伴って主軸41が回転する機構となっている。
図2は、本実施例におけるリンク機構40の一部を拡大して表示した斜視図である。アームユニット40aは、アーム43、従動軸としてのピン44及びブラケット45によって構成されている。また、主軸41には偏心軸42が固定されている。そして、主軸41が回転すると偏心軸42は、主軸41の中心の周りにおいて、偏心量(主軸41の中心と偏心軸42の中心との距離)を回転半径とした円周軌道上を運動する。
アーム43の一端には偏心軸収納孔43aが形成されており、偏心軸42が偏心軸収納孔43aに挿入されることで、偏心軸42はアーム43に対して回転可能に支持される。そして、リンク機構40全体としては、4つのアーム43の偏心軸収納孔43aに偏心軸42が回転可能に収納されており、各々のアーム43の両側には主軸41が配置される構成となっている。このことにより、主軸41が回転すると偏心軸42が主軸41の中心の周りの円周軌道上を運動し、アーム43の偏心軸収納孔43aも同様に円周軌道上を運動する。
また、アーム43の他端には、従動軸摺動孔としてのピン収納孔43bが形成されている。このピン収納孔43aにはピン44が回転可能に収納される。そしてピン44はブラケット45のピン固定孔45aに回転不能に収納される。アームユニット40aのブラケット45は、ボルト46によってシリンダブロック20にネジ止めされる。
より具体的には、主軸41には、偏心軸42が貫通すべき偏心軸貫通孔41aが設けられており、4つのアームユニット40aと5つの主軸41が交互に配置された状態で、偏心軸42に、アーム43と主軸41を貫通させることで、4つのアーム43と5つの主軸41とは連結される。その際、5つの主軸41は、偏心軸42に対して同方向に偏心させておくことはもちろんである。
ここで、図1に説明に戻る。主軸41は、クランクケース30に設けられた断面半円状の主軸受31に支持される。さらに、主軸41の両端部は、クランクケース30の両端に設けられた主軸孔32に回転可能に支持される。さらに、同じく断面半円状の第2主軸受
51が形成されたリンクカバー50が外側からクランクケース30に取り付けることにより、クランクケース30に主軸41が回転可能に完全に支持される。そして、アーム43がクランクケース30のアーム貫通孔33を貫通した状態で、4つのアームユニット40aのブラケット45は、シリンダブロック20にネジ止めされる。なお、クランクケース30に設けられた断面半円状の主軸受31と、リンクカバー50に形成された断面半円状の第2主軸受51とによって形成される、主軸41を収納する孔は本実施例において主軸収納孔に相当する。
図3は、本実施例におけるリンク機構40の作動について説明するための図である。図3(A)は最低圧縮比の状態を示している。すなわち、主軸41の回転角が偏心軸42が最も高い(クランク軸に対してよりシリンダ側の)位置に配置される角度となった場合を示している。この状態では、偏心軸42の中心42aは主軸41の中心41aの真上に位置する。そして、この状態から矢印方向に主軸41を90度回転させると、偏心軸42の中心42aと主軸41の中心41aとが水平方向に並び、(偏心軸42の中心42aと主軸41の中心41aの高さが同一となり)、図3(B)の状態となる。この状態において圧縮比は可変範囲の中央値となる。
さらに、矢印方向に主軸41を回転させ、図3(A)の状態から180度回転させた場合に、偏心軸42の中心42aの高さは最低となり図3(C)の状態となる。この状態においては圧縮比が最高となる。なお、図3(A)の状態と図3(C)の状態における偏心軸42の中心42aの高さの差が、本実施例におけるシリンダブロック20の可動範囲(ストローク)となる。このように、本実施例におけるリンク機構40を用いてクランクケース30に対してシリンダブロック20を相対運動させれば、主軸41を回転させるという簡単な動作で圧縮比の制御を行うことができる。
なお、本実施例においては、主軸41の半径rmと、ピン44の半径rpとの和は、アーム43を介した偏心軸42における中心42aとピン44の中心44aとの距離Lより小さく設定されている。すなわち、以下の(1)式が成立するような寸法関係が設定されている。
rm+rp<L・・・・(1)
そうすると、シリンダブロック20に支持されたピン44と、クランクケース30に支持された主軸41とが幾何学的に重ならず、アーム43において、ピン44と主軸41の間を連結する部分が必ず存在することとなり、リンク機構40における連桿比を大きい値に維持することができる。
ここで、連桿比とは、主軸41の中心41aから偏心軸42の中心42aまでの距離(偏心量)をe、偏心軸42の中心42aからピン44の中心44aまでの距離をLとすると、連桿比λeは以下のように表される。
λe=L/e・・・・・(2)
リンク機構40の摺動部における摩擦係数μが大きい場合にも、この連桿比λeが大きい程、リンク機構40の駆動トルクを少なくすることができる。図4には、連桿比λeをパラメータとした場合の、各連桿比λeにおける摩擦係数μとリンク機構の駆動トルクとの関係を示す。例えば、リンク機構40における摺動部に充分な油膜が形成されている場合には、摩擦係数μは通常0.1程度となるので、連桿比λeに拘らず駆動トルクは約0.5Nm程度となる。しかしながら、リンク機構40の摺動部に油膜の切れが生じた場合には、摩擦係数μは0.3程度まで上昇するので、連桿比λeが小さい場合には、駆動トルクが2.0Nm以上まで急増してしまう場合があった。
本実施例によれば、アーム43の長さを適宜調整することで、適切な連桿比λeを得る
ことが可能となり、リンク機構40の摺動部に油切れが生じたとしても、リンク機構40を適切なトルクで駆動することが可能となる。従って、図示しないモータの容量を小さくできるので装置の小型化を促進することができ、消費電力を低減することが可能となる。
なお、図5には、本実施例に係るリンク機構40であって、主軸41の中心41aとピン44の中心44aの水平方向の位置が異なる例について示す。図5の例では、ピン44の中心44aに対して主軸41の中心41aは、シリンダ軸に対して垂直な方向により離れた場所に位置にする。この構成によれば、図3に示した場合と連桿比λeが同じ場合でも、主軸41を回転させるのに必要なトルクの最大値をより小さく抑えることができる。その結果、より確実に、モータの容量を小さくできるので装置の小型化を促進することができ、消費電力を低減することが可能となる。
また、本実施例において説明したリンク機構40の各摺動部に、DLC(ダイヤモンド
ライクカーボン)や、テフロン(登録商標)、ポリイミドアミド等の層を形成する低摩擦
処理を行うことで、さらに確実に、主軸41を回転させるのに必要なトルクをより小さく抑えることができる。
また、上記の実施例では、シリンダブロック20の両側にリンク機構40を備えた例について説明したが、圧縮比を変更する際には、各リンク機構40の主軸41は同期させつつ基準位置(例えば図3(A)に示す状態)から同じ回転角となるように回転させる。回転方向は逆方向でも同一方向でも構わない。
また、上記の実施例において従動軸としてのピン44は、アーム43に対して回転可能に支持され、ブラケット45に対して固定された例について説明したが、ピン44は、アーム43に対して固定され、ブラケット45に対して回転可能に支持されるようにしても構わない。
次に、本発明のリンク機構40について、組立ての容易性を考慮した場合に望ましい寸法関係について説明する。図6には、アーム43におけるピン44の中心44aと偏心軸42の中心42aの距離をL、偏心軸42の偏心量をe、ピン44の半径をrp、主軸41の半径をrm、ボルト46の頭径をrbとした場合に、以下の関係が成立することが望ましい。
L+e−rp−rm>rb・・・・(3)
この関係が成立する場合には、ピン44と主軸41の間の空間を用いて、ブラケット45をシリンダブロック20にボルト46により固定することが可能となる。そうすれば、ブラケット45、アーム43、ピン44、偏心軸42及び主軸41をサブラインで組立ててリンクユニットとし、その後、図1で示したように、シリンダブロック20に対してリンクユニットをボルト46によって取り付けることが可能となる。これにより、リンク機構40の組立て工程を容易にし、あるいは自由度を高めることができ、より効率的に可変圧縮比内燃機関10を組み立てることが可能となる。
次に、上記の(3)の条件を満たさない場合の組立て法について図7を用いて説明する。この場合には、図7(A)に示すように、リンクユニットをサブラインで組立て、アーム43を略水平にした状態でブラケット45をシリンダブロック20にボルト締めする。そして、図7(B)に示すように、アーム43を下ろして、主軸41を主軸受け31に入れ込み、リンクカバー50を取り付けることによって主軸41を回転可能に支持させる。
これによれば、アーム43が短く、ピン44と主軸41の隙間を用いて、ブラケット4
5をシリンダブロック20にボルト締めにより固定することが不可能な場合であっても、サブラインでリンクユニットを組み立てた後に、シリンダブロック20にボルト締めすることができる。従って、リンク機構40の組立て工程を容易にし、または自由度を高めることができる。
次に実施例3について説明する。本実施例においては、主軸41及びピン44のうち、クランクケース30に支持される軸は、主軸41及びピン44のうちシリンダブロック20に支持される軸よりも、さらにシリンダブロック20におけるシリンダヘッド側に支持された場合について説明する。
図8(A)には、実施例1で説明したリンク機構40について、シリンダブロック20に取り付けられた状態を示す。この状態では、ブラケット45は、ボルト46によってシリンダブロック20に固定されている。また、主軸41は前述のようにクランクケース30に設けられた主軸受31と、リンクカバー50に設けられた第2主軸受51とによって支持される。そうすると、気筒22における燃焼の燃焼圧がシリンダブロック20とクランクケース30とに作用した場合に、アーム43における偏心軸収納孔43aとピン収納孔43bとに、燃焼圧に起因する引っ張り応力が作用する。その結果、図8(B)に示すように、アーム43における偏心軸収納孔43aとピン収納孔43bの周囲の薄肉部分に引っ張り応力が集中することとなり、当該部分において延び変形が生じるおそれがある。
これに対し、本実施例においては、図9(A)に示すように、シリンダブロック20に固定されるブラケット45を、クランクケース30に支持される主軸41より、図中下側の位置に固定されるようにした。換言すると、クランクケース30に支持される主軸41を、シリンダブロック20に支持されるピン44よりも、シリンダブロック20の相対移動方向においてよりシリンダヘッド(不図示)側の位置において、クランクケース30に支持されるようにした。これにより、クランクケース30とシリンダブロック20との間に燃焼圧が作用する際に、図9(B)に示すようにアーム43に圧縮力が働くようにすることができる。そうすれば、偏心軸収納孔43aまたは、ピン収納孔43bの周囲の薄肉部分に集中して燃焼圧が作用することを抑制でき、アーム43の変形を抑制することができる。
なお、上記の実施例においては、主軸41がクランクケース30に支持され、ピン44がシリンダブロック20に支持される例について説明したが、ピン44がクランクケース30に支持され、主軸41がシリンダブロック20に支持されるようにしても構わない。
その場合に、実施例3においては、図8(A)に示すように、シリンダブロック20に支持される主軸41を、クランクケース30に固定されるブラケット46より、図中下側の位置に固定されるようにするとよい。換言すると、クランクケース30に支持されるピン44を、シリンダブロック20に支持される主軸41よりも、シリンダブロック20の相対移動方向においてよりシリンダヘッド(不図示)側の位置において、クランクケース30に支持するとよい。これにより、クランクケース30とシリンダブロック20との間に燃焼圧が作用する際に、アーム43に圧縮力が働くようにすることができる。
10・・・可変圧縮比内燃機関
20・・・シリンダブロック
22・・・シリンダ
30・・・クランクケース
31・・・主軸受
32・・・主軸孔
33・・・アーム貫通孔
40・・・リンク機構
40a・・・アームユニット
41・・・主軸
41a・・・主軸の中心
42・・・偏心軸
42a・・・偏心軸の中心
43・・・アーム
43a・・・偏心軸収納孔
43b・・・ピン収納孔
44・・・ピン
44a・・・ピンの中心
45・・・ブラケット
46・・・ボルト
47・・・ウォームホイール
50・・・リンクカバー

Claims (1)

  1. シリンダが形成されたシリンダブロックが、クランク軸を回動自在に支持するクランクケースに対してシリンダ軸方向に相対移動可能に結合され、
    前記シリンダの両側方に平行に配置され前記シリンダブロックまたは前記クランクケースの一方に形成された主軸収納孔に回転可能に支持された一対の主軸と、
    前記主軸の回転中心に対して偏心して該主軸に設けられた円柱状の偏心軸と、
    一端に設けられた偏心軸収納孔において前記偏心軸を回転可能に支持し、他端で支持した従動軸において前記シリンダブロックまたは前記クランクケースの他方に回動可能に結合された一対のアームと、を備え、
    前記一対の主軸が回転することで前記偏心軸が前記主軸の中心周りに円周軌道上を移動するとともに前記従動軸が往復運動することで、前記シリンダブロックを、前記クランクケースに対して前記シリンダの軸方向に相対移動させ、該相対移動により圧縮比を変更する可変圧縮比内燃機関であって、
    前記主軸の半径と、前記従動軸の半径との和が、前記アームで規制される前記偏心軸の中心と前記従動軸の中心との距離より小さく設定され、
    前記アームは前記他端に設けられた従動軸収納孔に前記従動軸を収納することで該従動軸を支持し、
    前記従動軸が前記シリンダブロックまたは前記クランクケースに支持されることで、前記アームは前記シリンダブロックまたは前記クランクケースに回動可能に結合され、
    前記主軸及び前記従動軸のうち前記クランクケースに支持される軸は、前記主軸及び前記従動軸のうち前記シリンダブロックに支持される軸よりも、前記相対移動方向においてよりシリンダヘッド側の位置において、前記クランクケースに支持されたことを特徴とする可変圧縮比内燃機関。
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