JP2007056836A - 可変圧縮比内燃機関、ギア構造及び、可変圧縮比内燃機関におけるギア組付方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】2つのカム軸の回転によってシリンダブロックとクランクケースとを相対移動させて圧縮比を変更する可変圧縮比内燃機関において、より容易に2つのカム軸の位相を合わせることが可能な技術を提供する。
【解決手段】クランクケースとシリンダブロックとの連結部に設けた1対のカム軸を回転させるために、前記カム軸に固定された1対の扇状ギア10を用いる。そして、クランクケースとシリンダブロックとの相対位置が所定の相対位置となったときに、1対の扇状ギア10と、該1対の扇状ギア10を回転させるギア11a、11bとの係合が終了し、前記1対の扇状ギア10が回転自由となるように構成する。
【選択図】図3
【解決手段】クランクケースとシリンダブロックとの連結部に設けた1対のカム軸を回転させるために、前記カム軸に固定された1対の扇状ギア10を用いる。そして、クランクケースとシリンダブロックとの相対位置が所定の相対位置となったときに、1対の扇状ギア10と、該1対の扇状ギア10を回転させるギア11a、11bとの係合が終了し、前記1対の扇状ギア10が回転自由となるように構成する。
【選択図】図3
Description
本発明は、クランクケースとシリンダブロックとを相対的に近接または離反させることにより、圧縮比を可変とする可変圧縮比内燃機関及びギアの構造、ギアの組付方法に関する。
近年、内燃機関の燃費性能や出力性能などを向上させることを目的とした、内燃機関の圧縮比を可変にする技術が提案されている。この種の技術としては、シリンダブロックとクランクケースとを相対移動可能に連結するとともにその連結部分にカム軸を設け、前記カム軸を回動させてシリンダブロックとクランクケースとを、気筒の軸線方向に相対移動させることで燃焼室の容積を変更し、以て内燃機関の圧縮比を変更する技術が提案されている(例えば、特許文献1を参照。)。
ここで、シリンダブロックとクランクケースとを相対移動させる際には、モータなどの駆動源の出力を、ギア列を介して前記カム軸に伝達することにより、前記カム軸を回転させる場合がある。そうした場合、前記カム軸には、スペースとコストの削減のため、カム軸の回転範囲に相当する部分にのみギア歯が設けられた扇状ギアが用いられる場合がある。そして、一般にカム軸の回転角と、クランクケースに対するシリンダブロックの相対位置との関係はリニアでないので、2つの扇状ギアの位相にずれがある場合には、シリンダブロックがクランクケースに対して並行に相対移動できないなどの問題が生ずる場合があった。
特開2003−206771号公報
特開2003−113867号公報
特開昭63−291045号公報
特開平5−214906号公報
特開2000−243009号公報
本発明は、上記従来技術に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、2つのカム軸の回転によってシリンダブロックとクランクケースとを相対移動させて圧縮比を変更する可変圧縮比内燃機関において、より容易に2つのカム軸の位相を合わせることが可能な技術を提供することである。
上記目的を達成するための本発明は、クランクケースとシリンダブロックとの連結部に設けた1対のカム軸を回転させるために、前記カム軸に固定された1対の扇状ギアを用いる。そして、クランクケースとシリンダブロックとの相対位置が所定の相対位置となったときに、1対の扇状ギアと、該1対の扇状ギアを回転させるギアとの係合が終了し、前記1対の扇状ギアが回転自由となることを最大の特徴とする。
より詳しくは、内燃機関におけるシリンダが形成されたシリンダブロックと、
前記内燃機関におけるクランク軸が組み付けられるとともに、前記シリンダブロックが相対移動可能に取り付けられたクランクケースと、
前記シリンダブロックと前記クランクケースとの連結部に設けられた1対のカム軸と、
前記カム軸の各々に対して、前記カム軸が有するカム面に対する位相が所定位相になる
ように固定された1対の扇状ギアと、
前記シリンダブロックと前記クランクケースとを相対移動させる駆動源と、
前記扇状ギアと係合する出力ギアによって前記駆動源の運動を前記扇状ギアに伝達する前段駆動伝達機構と、
を備え、
前記駆動源の運動を前記前段駆動伝達機構及び前記1対の扇状ギアを介して前記1対のカム軸に伝達し、前記1対のカム軸を回転させることにより、前記シリンダブロックと前記クランクケースとを相対移動させる可変圧縮比内燃機関であって、
前記シリンダブロックと前記クランクケースとの相対位置が、前記可変圧縮比内燃機関の圧縮比可変範囲を超えて所定相対位置となるときに、前記扇状ギアと前記出力ギアとの係合が終了し、前記1対の扇状ギアが回転自由となることを特徴とする。
前記内燃機関におけるクランク軸が組み付けられるとともに、前記シリンダブロックが相対移動可能に取り付けられたクランクケースと、
前記シリンダブロックと前記クランクケースとの連結部に設けられた1対のカム軸と、
前記カム軸の各々に対して、前記カム軸が有するカム面に対する位相が所定位相になる
ように固定された1対の扇状ギアと、
前記シリンダブロックと前記クランクケースとを相対移動させる駆動源と、
前記扇状ギアと係合する出力ギアによって前記駆動源の運動を前記扇状ギアに伝達する前段駆動伝達機構と、
を備え、
前記駆動源の運動を前記前段駆動伝達機構及び前記1対の扇状ギアを介して前記1対のカム軸に伝達し、前記1対のカム軸を回転させることにより、前記シリンダブロックと前記クランクケースとを相対移動させる可変圧縮比内燃機関であって、
前記シリンダブロックと前記クランクケースとの相対位置が、前記可変圧縮比内燃機関の圧縮比可変範囲を超えて所定相対位置となるときに、前記扇状ギアと前記出力ギアとの係合が終了し、前記1対の扇状ギアが回転自由となることを特徴とする。
こうすれば、前記可変圧縮比内燃機関における圧縮比可変範囲においては、前記扇状ギアと前記前段駆動伝達機構の前記出力ギアとの係合が外れることはない。一方、前記シリンダブロックと前記クランクケースとの相対位置が、圧縮比可変範囲を超えて所定相対位置となるときに、前記扇状ギアと前記前段駆動伝達機構の前記出力ギアとの係合が終了して前記扇状ギアが回転自由となる。
従って、前記1対の扇状ギアの位相が互いに異なっているような場合でも、前記シリンダブロックと前記クランクケースとの相対位置を前記所定相対位置まで変化させれば、前記扇状ギアと前記前段駆動伝達機構の出力ギアと係合を一旦終了させることができ、その後前記シリンダブロックと前記クランクケースとの相対位置を戻せば、前記1対の扇状ギアの位相を合わせた上で、前記1対の扇状ギアと前記前段駆動伝達機構の出力ギアとの係合を復元することができる。
また、前記可変圧縮比内燃機関における前記扇状ギアの組付時においては、クランクケースとシリンダブロックとの相対位置を前記所定相対位置とした上で、前記扇状ギアの姿勢を前記扇状ギアが前記出力ギアとの係合が終了した直後の状態と同じ姿勢にした上で前記扇状ギアを前記カム軸に固定し、その後前記シリンダブロックと前記クランクケースとの相対位置を前記圧縮比可変範囲側に戻すという簡単な操作で、前記1対の扇状ギア同士の位相及び、前記扇状ギアと前記カム軸との位相を合わせることができる。
さらに本発明によれば、圧縮比の変更時においてモータなどの駆動源が過回転した場合でも、クランクケースとシリンダブロックの相対位置が前記所定相対位置となった時点で、前記1対の扇状ギアと前記前段駆動伝達機構との係合が終了して、それ以上駆動源及び前段駆動伝達機構が作動しても、前記1対の扇状ギアは回転しない。従って、圧縮比の変更時においてモータなどの駆動源が過回転した場合や、停止不可能となったような場合でも、クランクケースとシリンダブロックの相対位置が前記所定相対位置までしか変化せず、可変圧縮比内燃機関の機構が損傷するなどの不具合を抑制することができる。
加えて、本発明において上記のように1対の扇状ギアの両方と前記前段駆動伝達機構との係合が終了した場合には、モータなどの駆動源を作動させてもそれ以上クランクケースとシリンダブロックの相対位置及び圧縮比が変化しなくなる。従って、単純にクランクケースとシリンダブロックの相対位置及び圧縮比が変化しなくなるまで駆動源を作動させ、その後駆動源を逆転作動させるという簡単な制御で、前記1対の扇状ギア同士の位相及び、前記扇状ギアと前記カム軸との位相を合わせることができる。
なお、ここで所定相対位置とは、圧縮比可変範囲を超えたクランクケースとシリンダブロックとの相対位置であって、可変圧縮比内燃機関の上述の機構によって実現可能な相対位置である。また、所定相対位置は、必ずしも圧縮比可変範囲内に対応するクランクケー
スとシリンダブロックとの相対位置の範囲の外側の相対位置とは限らない。例えばシリンダブロックとクランクケースとの相対位置が離反する方向に変化して、可変圧縮比内燃機関の圧縮比が圧縮比可変範囲を低圧縮比側に超えた場合について考える。このとき、可変圧縮比機構によっては、シリンダブロックとクランクケースの相対位置がそのまま離反する方向に移動し続ける場合と、接近する方向に戻り出す場合がある。所定相対位置はこの両方の場合を含む。
スとシリンダブロックとの相対位置の範囲の外側の相対位置とは限らない。例えばシリンダブロックとクランクケースとの相対位置が離反する方向に変化して、可変圧縮比内燃機関の圧縮比が圧縮比可変範囲を低圧縮比側に超えた場合について考える。このとき、可変圧縮比機構によっては、シリンダブロックとクランクケースの相対位置がそのまま離反する方向に移動し続ける場合と、接近する方向に戻り出す場合がある。所定相対位置はこの両方の場合を含む。
また、この所定相対位置は1対の扇状ギアの双方について同じでもよいし、異なっていてもよい。この所定相対位置が1対の扇状ギアの双方について異なっている場合には、2つの所定相対位置のうち、前記圧縮比可変範囲を超えて前記カム軸をより多く回転させることにより到達可能な方の所定相対位置までクランクケースとシリンダブロックとを相対移動させるようにすれば、両方の扇状ギアと前記出力ギアとの係合を終了させることができる。
またここで、クランクケースとシリンダブロックとの相対位置を前記所定相対位置とした上で、前記扇状ギアの姿勢を前記扇状ギアが前記出力ギアとの係合が終了した直後の状態と同じ姿勢にしたときの、前記カム軸が有するカム面と前記扇状ギアとの位相が前記所定位相となる。
ここで、前段駆動伝達機構としては、駆動源である例えばモータの出力軸に直接連結されたウォームギアを例示することができる。この場合、前記1対の扇状ギアとウォームギアとが係合した状態でモータが回転することにより、扇状ギア及びカム軸が回転し、クランクケースとシリンダブロックとを相対移動させる。そして本発明においては、前記シリンダブロックと前記クランクケースの所定相対位置において、前記1対の扇状ギアのギア歯が、前記ウォームギアの歯から外れ、前記1対の扇状ギアが回転自由となる。
また、本発明においては、前記シリンダブロックと前記クランクケースとの相対位置が前記所定相対位置となるときに、前記扇状ギアに、前記前段駆動伝達機構の出力ギアと係合する方向の力を作用する係合促進手段をさらに備えるようにしてもよい。
そうすれば、前記1対の扇状ギアと前記前段駆動伝達機構の出力ギアとの係合が終了した後に、前記駆動源が逆方向に回転を開始する際に、より確実に前記扇状ギアと前記前段駆動伝達機構の出力ギアとの係合を再開させることができる。
ここで、前記前段駆動伝達機構の出力ギアと係合する方向の力は、前記扇状ギアの自重に基く力であるようにしてもよい。すなわち、前記扇状ギアの回転軸を鉛直方向以外の方向に形成させ、さらに前記シリンダブロックと前記クランクケースの前記所定相対位置において前記扇状ギアが重力に対して中立の位置にならないように構成することにより、前記扇状ギアに対して、自重に基く回転力を付与することができる。
こうすれば、平易な構成により自動的に、前記シリンダブロックと前記クランクケースの前記所定相対位置において前記1対の扇状ギアと前記前段駆動伝達機構との係合を再開させることができる。
また、本発明において、前記係合促進手段は、前記扇状ギアが前記前段駆動伝達機構の出力ギアと係合する方向に、前記扇状ギアを付勢する弾性体を有するようにしてもよい。こうすれば、前記扇状ギアの設置姿勢に係らず、また、内燃機関における振動や衝撃の影響を受けずにより確実に、前記シリンダブロックと前記クランクケースの前記所定相対位置において前記1対の扇状ギアと前記前段駆動伝達機構の出力ギアとの係合を自動的に再開させることができる。
また、本発明においては、前記扇状ギアが、前記出力ギアとの係合が終了した後さらに回転した場合に、前記扇状ギアに当接することにより前記扇状ギアのそれ以上の回転を阻止する回転停止機構を、さらに備えるようにしてもよい。
そうすれば、前記1対の扇状ギアと前記前段駆動伝達機構との係合が終了した状態で、前記内燃機関に衝撃や振動が加えられたとしても前記扇状ギアが回転して前記扇状ギアの反対側の端面で前記前段駆動伝達機構の出力ギアと係合したり、不要に回転して前記前段駆動伝達機構の出力ギアと衝突したりすることを抑制できる。
また、本発明においては、前記回転停止機構は、前記扇状ギアが前記出力ギアとの係合が終了した後さらに回転した場合に、前記扇状ギアに当接するので、前記扇状ギアと前記出力ギアとが係合した状態で、前記扇状ギアと前記回転停止機構とが当接することがない。従って、前記扇状ギアと前記出力ギアの噛み込みが生じることを抑制できる。
また、ここにおいて、前記扇状ギアと前記出力ギアとの係合が終了した直後の状態において、前記扇状ギアと前記回転停止機構との間には所定のあそび空間を有するようにしてもよい。そうすれば、クランクケースとシリンダブロックとの相対位置を前記所定相対位置とした上で、扇状ギアをカム軸に組付ける場合にも、作業者の指や治具が侵入するスペースを確保することができ、組付け時の作業性を向上させることができる。
さらに、ここにおいて、前記扇状ギアが、前記出力ギアとの係合が終了した後さらに回転した場合に、前記扇状ギアに前記回転停止機構との当接を抑制する方向の力を作用する回転抑制手段を、さらに備えるようにしてもよい。
こうすれば、前記扇状ギアが、前記駆動源及び前記前段駆動伝達手段の過回転によってまたは、前記内燃機関の振動や衝撃によって前記回転停止機構に当接する際に、前記扇状ギアの回転速度を低減させることができ、前記回転停止機構と当接する際の衝撃を和らげることができる。
前記回転抑制手段としては、前記扇状ギアが、前記出力ギアとの係合が終了してから、さらに前記回転停止機構と当接する方向に回転した場合に、前記扇状ギアに接触して摩擦力を与える摩擦材を例示することができる。
前記回転抑制手段として上記の摩擦材を採用した場合には、前記扇状ギアの回転エネルギーを摩擦によって消費することができ、前記扇状ギアが前記回転停止機構に衝突することをより効率的に抑制することができる。
また、本発明においては、前記所定相対位置は、前記可変圧縮比内燃機関の圧縮比可変範囲を低圧縮比側に超えた相対位置であり、
前記回転停止機構は、前記扇状ギアが、前記出力ギアとの係合が終了した後さらに低圧縮比側に回転した場合に、前記扇状ギアのそれ以上の回転を阻止する低圧縮比側回転停止機構であるようにしてもよい。
前記回転停止機構は、前記扇状ギアが、前記出力ギアとの係合が終了した後さらに低圧縮比側に回転した場合に、前記扇状ギアのそれ以上の回転を阻止する低圧縮比側回転停止機構であるようにしてもよい。
ここで、可変圧縮比内燃機関においては、ノッキングが発生するおそれがあるなど緊急性を要する場合に、低圧縮比側に圧縮比を変更することが多い。すなわち低圧縮比側に圧縮比を変更する際には前記カム軸を高速で回転させる必要が生じる。従って、前記駆動源及び前記扇状ギアは、圧縮比を低圧縮比側に変更する際に過回転する可能性が高くなる。
そこで、本発明においては、クランクケースとシリンダブロックとの相対位置が、圧縮
比の可変範囲を低圧縮比側に超えた所定相対位置である場合に、前記扇状ギアの双方と前記出力ギアとの係合が終了するようにし、さらに、前記扇状ギアがさらに低圧縮比側に回転した場合に、前記扇状ギアと当接することにより、それ以上の前記扇状ギアの回転を阻止する低圧縮比側回転停止機構を備えるようにした。
比の可変範囲を低圧縮比側に超えた所定相対位置である場合に、前記扇状ギアの双方と前記出力ギアとの係合が終了するようにし、さらに、前記扇状ギアがさらに低圧縮比側に回転した場合に、前記扇状ギアと当接することにより、それ以上の前記扇状ギアの回転を阻止する低圧縮比側回転停止機構を備えるようにした。
そうすれば、前記駆動源及び前記扇状ギアがより過回転し易い低圧縮比側の圧縮比において、前記駆動源または前記扇状ギアが過回転しても、前記扇状ギアと前記出力ギアとの間の係合を終了させた上で、前記扇状ギアと前記低圧縮比側回転停止機構とを当接させることができ、前記扇状ギアと前記出力ギアとの間の噛みこみを抑制することができる。また、前記扇状ギアが回転して前記扇状ギアの反対側の端面で前記前段駆動伝達機構の出力ギアと係合したり、不要に回転して前記前段駆動伝達機構の出力ギアと衝突したりすることを抑制できる。
また、本発明におけるギア構造は、扇型の円弧部分にギア歯を有する扇状ギアと、
前記扇状ギアを回転させるための動力を発生する駆動源と、
前記扇状ギアと係合する出力ギアによって前記駆動源の運動を前記扇状ギアに伝達する前段駆動伝達機構と、
前記扇型ギアの回転方向に配置され、前記扇型ギアに当接することにより、前記扇型ギアの回転範囲を規制するストッパと、
前記扇型ギアが前記ストッパに当接する前の所定の角度範囲において前記扇型ギアに回転方向と反対方向の力を作用する回転抑制手段と、
を備えたことを特徴とするギア構造であることを特徴とする。
前記扇状ギアを回転させるための動力を発生する駆動源と、
前記扇状ギアと係合する出力ギアによって前記駆動源の運動を前記扇状ギアに伝達する前段駆動伝達機構と、
前記扇型ギアの回転方向に配置され、前記扇型ギアに当接することにより、前記扇型ギアの回転範囲を規制するストッパと、
前記扇型ギアが前記ストッパに当接する前の所定の角度範囲において前記扇型ギアに回転方向と反対方向の力を作用する回転抑制手段と、
を備えたことを特徴とするギア構造であることを特徴とする。
そうすれば、扇状ギアを前記前段駆動伝達機構の出力ギアによって回転させる場合に、前記ストッパによって前記扇状ギアの過回転を抑制することができる。さらに、回転抑制手段によって、前記扇状ギアが前記ストッパに衝突する直前に前記扇状ギアの回転エネルギーを消費するので、前記扇状ギアが前記ストッパに大きな回転エネルギーを有したまま衝突することを抑制することができ、前記扇状ギアと前記前段駆動伝達機構の出力ギアとの間のギア噛み込みを抑制することができる。
ここにおいて、前記扇状ギアが前記ストッパに当接する前の所定の角度範囲とは、前記扇状ギアと前記出力ギアとの係合が終了してから、前記扇状ギアと前記ストッパとが当接するまでうちの少なくとも一部の角度範囲であってもよい。
また、本発明においては、内燃機関におけるシリンダが形成されたシリンダブロックと、
前記内燃機関におけるクランク軸が組み付けられるとともに、前記シリンダブロックが相対移動可能に取り付けられたクランクケースと、
前記シリンダブロックと前記クランクケースとの連結部に設けられた1対のカム軸と、
前記カム軸の各々に対して、前記カム軸が有するカム面に対する位相が所定位相になるように固定された1対の扇状ギアと、
前記シリンダブロックと前記クランクケースとを相対移動させる駆動源と、
前記扇状ギアと係合する出力ギアによって前記駆動源の運動を前記扇状ギアに伝達する前段駆動伝達機構と、
前記扇型ギアの回転方向に配置され、前記扇型ギアに当接することにより、前記扇型ギアの回転範囲を規制するストッパと、
前記扇型ギアが前記ストッパに当接する前の所定の角度範囲において前記扇型ギアに回転方向と反対方向の力を作用する回転抑制手段と、
を備えたことを特徴とする。
前記内燃機関におけるクランク軸が組み付けられるとともに、前記シリンダブロックが相対移動可能に取り付けられたクランクケースと、
前記シリンダブロックと前記クランクケースとの連結部に設けられた1対のカム軸と、
前記カム軸の各々に対して、前記カム軸が有するカム面に対する位相が所定位相になるように固定された1対の扇状ギアと、
前記シリンダブロックと前記クランクケースとを相対移動させる駆動源と、
前記扇状ギアと係合する出力ギアによって前記駆動源の運動を前記扇状ギアに伝達する前段駆動伝達機構と、
前記扇型ギアの回転方向に配置され、前記扇型ギアに当接することにより、前記扇型ギアの回転範囲を規制するストッパと、
前記扇型ギアが前記ストッパに当接する前の所定の角度範囲において前記扇型ギアに回転方向と反対方向の力を作用する回転抑制手段と、
を備えたことを特徴とする。
そうすれば、上記可変圧縮比内燃機関において、扇状ギアを前記前段駆動伝達機構の出力ギアによって回転させる場合に、前記ストッパによって前記扇状ギアの過回転を抑制することができ、さらに、前記扇状ギアが前記ストッパに衝突する直前に前記回転抑制手段によって前記扇状ギアの回転エネルギーを消費することができる。従って、前記扇状ギアが前記ストッパに大きな回転エネルギーを有したまま衝突することを抑制することができ、前記扇状ギアと前記出力ギアとの間のギア噛み込みを抑制することができる。
ここにおいて、前記扇状ギアが前記ストッパに当接する前の所定の角度範囲とは、前記扇状ギアと前記出力ギアとの係合が終了してから、前記扇状ギアと前記ストッパとが当接するまでうちの少なくとも一部の角度範囲であってもよい。または、前記可変圧縮比内燃機関における圧縮比が圧縮比可変範囲外となった時点から、前記扇状ギアと前記ストッパとが当接するまでうちの少なくとも一部の角度範囲であってもよい。
また、本発明においては、前記扇型ギアが前記ストッパに接近するときに、前記回転抑制手段によって前記扇型ギアに作用する力は、前記扇型ギアが前記ストッパから離反するときに、前記回転抑制手段によって前記扇型ギアに作用する力よりも大きいようにしてもよい。
そうすれば、前記扇状ギアが前記ストッパに衝突する直前には、前記扇状ギアの回転エネルギーを大幅に低減することができ、前記扇状ギアと前記出力ギアとの間のギア噛み込みを抑制することができるとともに、前記扇状ギアが前記ストッパに当接した状態あるいは前記所定の角度範囲に位置する状態から逆回転する場合には、より円滑または迅速に回転を開始することができる。
また、本発明に係る可変圧縮比内燃機関におけるギア組付方法は、内燃機関におけるシリンダが形成されたシリンダブロックと、
前記内燃機関におけるクランク軸が組み付けられるとともに、前記シリンダブロックが相対移動可能に取り付けられたクランクケースと、
前記シリンダブロックと前記クランクケースとの連結部に設けられた1対のカム軸と、
前記カム軸の各々に対して、前記カム軸が有するカム面に対する位相が所定位相になるように固定された1対の扇状ギアと、
前記シリンダブロックと前記クランクケースとを相対移動させる駆動源と、
前記扇状ギアと係合する出力ギアによって前記駆動源の運動を前記扇状ギアに伝達する前段駆動伝達機構と、
を備え、
前記駆動源の運動を前記前段駆動伝達機構及び前記1対の扇状ギアを介して前記1対のカム軸に伝達し、前記1対のカム軸を回転させることにより、前記シリンダブロックと前記クランクケースとを相対移動させるとともに、前記シリンダブロックと前記クランクケースとの相対位置が、前記可変圧縮比内燃機関の圧縮比可変範囲を超えて所定相対位置となるときに、前記扇状ギアと前記出力ギアとの係合が終了し、前記1対の扇状ギアが回転自由となる可変圧縮比内燃機関におけるギア組付方法であって、
前記シリンダブロックと前記クランクケースとの相対位置を、前記所定相対位置とする第1工程と、
前記1対のカム軸に前記1対の扇状ギアの各々を、前記扇状ギアの姿勢が、前記扇状ギアと前記出力ギアとの係合が終了した直後の状態と同じ姿勢になるように組み付ける第2工程と、
前記1対の扇状ギアに対し、該1対の扇状ギアが前記出力ギアと係合する方向の力を作用させる第3工程と、
前記シリンダブロックと前記クランクケースの相対位置を、前記圧縮比可変範囲を超えた所定相対位置より前記圧縮比可変範囲内の相対位置にすることにより前記扇状ギアと前
記出力ギアとを係合させる第4工程と、
を有することを特徴とする可変圧縮比内燃機関におけるギア組付方法であってもよい。
前記内燃機関におけるクランク軸が組み付けられるとともに、前記シリンダブロックが相対移動可能に取り付けられたクランクケースと、
前記シリンダブロックと前記クランクケースとの連結部に設けられた1対のカム軸と、
前記カム軸の各々に対して、前記カム軸が有するカム面に対する位相が所定位相になるように固定された1対の扇状ギアと、
前記シリンダブロックと前記クランクケースとを相対移動させる駆動源と、
前記扇状ギアと係合する出力ギアによって前記駆動源の運動を前記扇状ギアに伝達する前段駆動伝達機構と、
を備え、
前記駆動源の運動を前記前段駆動伝達機構及び前記1対の扇状ギアを介して前記1対のカム軸に伝達し、前記1対のカム軸を回転させることにより、前記シリンダブロックと前記クランクケースとを相対移動させるとともに、前記シリンダブロックと前記クランクケースとの相対位置が、前記可変圧縮比内燃機関の圧縮比可変範囲を超えて所定相対位置となるときに、前記扇状ギアと前記出力ギアとの係合が終了し、前記1対の扇状ギアが回転自由となる可変圧縮比内燃機関におけるギア組付方法であって、
前記シリンダブロックと前記クランクケースとの相対位置を、前記所定相対位置とする第1工程と、
前記1対のカム軸に前記1対の扇状ギアの各々を、前記扇状ギアの姿勢が、前記扇状ギアと前記出力ギアとの係合が終了した直後の状態と同じ姿勢になるように組み付ける第2工程と、
前記1対の扇状ギアに対し、該1対の扇状ギアが前記出力ギアと係合する方向の力を作用させる第3工程と、
前記シリンダブロックと前記クランクケースの相対位置を、前記圧縮比可変範囲を超えた所定相対位置より前記圧縮比可変範囲内の相対位置にすることにより前記扇状ギアと前
記出力ギアとを係合させる第4工程と、
を有することを特徴とする可変圧縮比内燃機関におけるギア組付方法であってもよい。
すなわち、前記シリンダブロックと前記クランクケースとの相対位置を、圧縮比可変範囲を超えた所定相対位置にし、その上で前記1対のカム軸の各々に前記扇状ギアを、前記扇状ギアの姿勢が、前記扇状ギアと前記出力ギアとの係合が終了した直後の状態と同じ姿勢になるように組み付ける。そして、前記1対の扇状ギアに対し、前記出力ギアと係合する方向の力を作用させ、前記扇状ギアと前記出力ギアとを確実に係合可能な状態とする。さらに、前記シリンダブロックと前記クランクケースの相対位置を、前記所定相対位置から前記圧縮比可変範囲側に戻すことにより前記扇状ギアと前記前段駆動伝達機構とを係合させる。
なおここで、クランクケースとシリンダブロックとの相対位置を前記所定相対位置とした状態において、前記扇状ギアの姿勢を前記扇状ギアが前記出力ギアとの係合が終了した直後の状態と同じ姿勢にし、前記扇状ギアと前記カム軸とを固定したときに得られる、前記カム軸が有するカム面と前記扇状ギアとの位相が前記所定位相となるように、前記所定相対位置、前記所定位相及び、前記扇状ギアと前記出力ギアとの係合構造が予め定義される。
そのような方法によって前記扇状ギアを組み付ければ、自動的に前記1対の扇状ギアの位相を合わせることができ、扇状ギア同士の位相を合わせる工程を省略することができる。その結果、可変圧縮比内燃機関の組立て工程を簡略化することができる。
なお、上記した本発明の課題を解決する手段については、可能なかぎり組み合わせて用いることができる。
本発明にあっては、2つのカム軸の回転によってシリンダブロックとクランクケースとを相対移動させて圧縮比を変更する可変圧縮比内燃機関において、より容易に2つのカム軸の位相を合わせることができる。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための最良の形態を例示的に詳しく説明する。
以下に説明する内燃機関1は、可変圧縮比内燃機関であり、シリンダ2を有するシリンダブロック3を、ピストンが連結されたクランクケース4に対してシリンダ2の中心軸方向に移動させることによって圧縮比を変更するものである。
先ず、図1を用いて、本実施例に係る可変圧縮比内燃機関の構成について説明する。図1に示されるように、シリンダブロック3の両側下部に複数の隆起部が形成されており、
この各隆起部に軸受収納孔5が形成されている。軸受収納孔5は、円形をしており、シリンダ2の軸方向に対して直角に、かつ複数のシリンダ2の配列方向に平行になるようにそれぞれ形成されている。軸受収納孔5はすべて同一軸線上に位置している。そして、シリンダブロック3の両側の軸受収納孔5の一対の軸線は平行である。
この各隆起部に軸受収納孔5が形成されている。軸受収納孔5は、円形をしており、シリンダ2の軸方向に対して直角に、かつ複数のシリンダ2の配列方向に平行になるようにそれぞれ形成されている。軸受収納孔5はすべて同一軸線上に位置している。そして、シリンダブロック3の両側の軸受収納孔5の一対の軸線は平行である。
クランクケース4には、上述した軸受収納孔5が形成された複数の隆起部の間に位置するように、立壁部が形成されている。各立壁部のクランクケース4外側に向けられた表面には、半円形の凹部が形成されている。また、各立壁部には、ボルト6によって取り付け
られるキャップ7が用意されており、キャップ7も半円形の凹部を有している。また、各立壁部にキャップ7を取り付けると、円形のカム収納孔8が形成される。カム収納孔8の形状は、上述した軸受収納孔5と同一である。
られるキャップ7が用意されており、キャップ7も半円形の凹部を有している。また、各立壁部にキャップ7を取り付けると、円形のカム収納孔8が形成される。カム収納孔8の形状は、上述した軸受収納孔5と同一である。
複数のカム収納孔8は、軸受収納孔5と同様に、シリンダブロック3をクランクケース4に取り付けたときにシリンダ2の軸方向に対して直角に、且つ、複数のシリンダ2の配列方向に平行になるようにそれぞれ形成されている。これらの複数のカム収納孔8も、シリンダブロック3の両側に形成されることとなり、片側の複数のカム収納孔8はすべて同一軸線上に位置している。そして、シリンダブロック3の両側のカム収納孔8の一対の軸線は平行である。また、両側の軸受収納孔5の間の距離と、両側のカム収納孔8との間の距離は同一である。
交互に配置される二列の軸受収納孔5とカム収納孔8には、それぞれカム軸9が挿通される。カム軸9は、図1に示されるように、軸部9aと、軸部9aの中心軸に対して偏心された状態で軸部9aに固定された正円形のカムプロフィールを有するカム部9bと、カム部9bと同一外形を有し軸部9aに対して回転可能に取り付けられた可動軸受部9cとが交互に配置されている。一対のカム軸9は鏡像の関係を有している。また、カム軸9の端部には、後述する扇状ギア10の取り付け部9dが形成されている。軸部9aの中心軸と取り付け部9dの中心とは偏心しており、カム部9bの中心と取り付け部9dの中心とは一致している。
可動軸受部9cも、軸部9aに対して偏心されておりその偏心量はカム部9bと同一である。また、各カム軸9において、複数のカム部9bの偏心方向は同一である。また、可動軸受部9cの外形は、カム部9bと同一直径の正円であるので、可動軸受部9cを回転させることで、複数のカム部9bの外表面と複数の可動軸受部9cの外側面とを一致させることができる。
各カム軸9の一端には扇型の円弧部分にギア歯を有する扇状ギア10が取り付けられている。一対のカム軸9の端部に固定された一対の扇状ギア10には、ウォームギア11a、11bがかみ合っている。ウォームギア11a、11bは単一のモータ12の一本の出力軸にとりつけられている。ウォームギア11a、11bは、互いに逆方向に回転する螺旋溝を有している。このため、モータ12を回転させると、一対のカム軸9は、扇状ギア10を介して互いに逆方向に回転する。モータ12は、シリンダブロック3に固定されており、シリンダブロック3と一体的に移動する。なお、モータ12は本実施例における駆動源に、ウォームギア11a、11bは前段駆動伝達機構の出力ギアに相当する。
次に、上述した構成の内燃機関1において圧縮比を制御する方法について詳しく説明する。図2(a)から図2(c)にシリンダブロック3と、クランクケース4と、これら両者の間に構築されたカム軸9との関係を示した断面図を示す。図2(a)から図2(c)において、軸部9aの中心軸をa、カム部9bの中心をb、可動軸受部9cの中心をcとして示す。図2(a)は、軸部9aの延長線上から見て全てのカム部9b及び可動軸受部9cの外周が一致した状態である。このとき、ここでは一対の軸部9aは、軸受収納孔5及びカム収納孔8の中で外側に位置している。
図2(a)の状態から、モータ12を駆動して軸部9a矢印方向に回転させると、図2(
b)の状態となる。このとき、軸部9aに対して、カム部9bと可動軸受部9cの偏心方
向にずれが生じるので、クランクケース4に対してシリンダブロック3を上死点側にスライドさせることができる。そして、そのスライド量は図2(c)のような状態となるまでカム軸9を回転させたときが最大となり、カム部9bや可動軸受部9cの偏心量の2倍となる。カム部9b及び可動軸受部9cは、それぞれカム収納孔8及び軸受収納孔5の内部で
回転し、それぞれカム収納孔8及び軸受収納孔5の内部で軸部9aの位置が移動するのを許容している。
b)の状態となる。このとき、軸部9aに対して、カム部9bと可動軸受部9cの偏心方
向にずれが生じるので、クランクケース4に対してシリンダブロック3を上死点側にスライドさせることができる。そして、そのスライド量は図2(c)のような状態となるまでカム軸9を回転させたときが最大となり、カム部9bや可動軸受部9cの偏心量の2倍となる。カム部9b及び可動軸受部9cは、それぞれカム収納孔8及び軸受収納孔5の内部で
回転し、それぞれカム収納孔8及び軸受収納孔5の内部で軸部9aの位置が移動するのを許容している。
上述したような機構を用いることによって、シリンダブロック3をクランクケース4に対して、シリンダ2の軸線方向に相対移動させることが可能となり、圧縮比を可変制御することができる。
次に、ウォームギア11a、11bと扇状ギア10との係合状態について詳細に説明する。図3は本実施例におけるウォームギア11a、11bと扇状ギア10との係合状態の変化を示す図である。図3(a)は内燃機関1の圧縮比可変範囲内における最高圧縮比となった場合の図、(b)は内燃機関1の圧縮比可変範囲内における最低圧縮比となった場合の図、(c)はモータ12が低圧縮比側に過回転した場合の図を示す。
本実施例においては、シリンダブロック3の一部を利用して、高圧縮比側ストッパ13及び低圧縮比側ストッパ14の2つのストッパを形成している。この高圧縮比側ストッパ13は、図3(a)における最高圧縮比よりさらに高圧縮比側にモータ12が過回転し、扇状ギア10が図中時計回りに回転した場合に、扇状ギア10と当接することにより、扇状ギア10を停止させる位置に形成されている。
一方、低圧縮比側ストッパ14は、図3(b)に示す、圧縮比可変範囲における最低圧縮比よりさらに低圧縮比側にモータ12が過回転し、扇状ギア10がさらに図中の反時計回りに回転したとしても、かなりの余裕をもった位置に形成されている。
ここで、特に高圧縮比側から低圧縮比側へと圧縮比を変更する場合には、内燃機関1においてノッキングが発生することを回避するために圧縮比を変更することが多いため、モータ12及び扇状ギア10を高速で回転させる必要がある。従って、高圧縮比側から低圧縮比側へと圧縮比を変更する場合にはモータ12及び扇状ギア10が過回転する確率が高い。
また、扇状ギア10とウォームギア11a、11bとが係合した状態で低圧縮比側ストッパ14と扇状ギア10とが衝突して停止した場合には、扇状ギア10とウォームギア11a、11bとの間にギア歯の噛み込みが発生するおそれがある。そうすると、次回に圧縮比を高圧縮比側に変更する為に扇状ギア10を時計回りに回転させようとした際に、扇状ギア10を円滑に回転させることができないおそれがある。
そこで、本実施例においては、扇状ギア10が内燃機関1の圧縮比可変範囲における最低圧縮比を超えて過回転した場合には、扇状ギア10が低圧縮比側ストッパ14に当接する前に、扇状ギア10とウォームギア11a、11bとの係合が終了するようになっている。そして、それに加えて扇状ギア10が回転した場合に初めて扇状ギア10が低圧縮比側ストッパ14に当接するようになっている。
このような構成をとることにより、内燃機関1において高圧縮比側から低圧縮比側に圧縮比を変更する際に、モータ12及び扇状ギア10が過回転した場合にも、まず扇状ギア10とウォームギア11a、11bとの係合が解除され、その後に扇状ギア10と低圧縮比側ストッパ14とが当接するので、過大な力が低圧縮比側ストッパ14と扇状ギア10との間または扇状ギア10とウォームギア11a、11bとの間に作用することを抑制することができ、扇状ギア10とウォームギア11a、11bとの間の噛み込みを抑制することができる。
ここで、本実施例における内燃機関1の組立て時において、カム軸9の各々に扇状ギア
10を組み付ける際の組立て方法について説明する。この組付方法においては、まずクランクケース4に対するシリンダブロック3の相対位置が、図3(c)に示す位置となるように、図示しない支持治具によってクランクケース4及びシリンダブロック3を支持する(以下、この際のクランクケース4に対するシリンダブロック3の相対位置をギア組付位置という。)。この場合、クランクケース4に対するシリンダブロック3の相対位置に対して、カム軸9の軸部9a及び、カム部9b、可動軸受部9cの姿勢は一義的に決定される。そして、この状態において、取り付け部9dに対して扇状ギア10を組み付ける。
10を組み付ける際の組立て方法について説明する。この組付方法においては、まずクランクケース4に対するシリンダブロック3の相対位置が、図3(c)に示す位置となるように、図示しない支持治具によってクランクケース4及びシリンダブロック3を支持する(以下、この際のクランクケース4に対するシリンダブロック3の相対位置をギア組付位置という。)。この場合、クランクケース4に対するシリンダブロック3の相対位置に対して、カム軸9の軸部9a及び、カム部9b、可動軸受部9cの姿勢は一義的に決定される。そして、この状態において、取り付け部9dに対して扇状ギア10を組み付ける。
この際、扇状ギア10は自重で例えば図3(c)における時計回りに回転し、扇状ギア10がウォームギア11a、11bと接触する位置において停止するので、特に精密な位置合わせを必要とせず、図3(c)に示すような状態にすることができる。そして、その状態においてボルトを締めて、扇状ギア10とカム軸9とを固定する。その後、モータ12を圧縮比が高圧縮比になる方向に回転させることにより、一対の扇状ギア10とウォームギア11a、11bとを確実に係合させることができる。
このように本実施例においては、クランクケース4とシリンダブロック3との相対位置を圧縮比可変範囲を低圧縮比側に超えたギア組立て位置とする。そして、扇状カム10が自重によって図3(c)に示す状態となることを利用して、扇状ギア10とカム軸9との間の位相を決定した上で一対の扇状ギア10をカム軸9に組み付ける。従って、精密な位相合わせ作業を必要とせず、カム軸9同士の位相及び、扇状ギア10のカム軸9に対する位相を簡単に合わせることができる。
ここで、図3に示すカム軸9と扇状ギア10との位相は、本実施例における所定位相に相当する。また、図3(c)の状態におけるクランクケース4とシリンダブロック3との相対位置、すなわちギア組立て位置が所定相対位置に相当する。
また、クランクケース4に対するシリンダブロック3の相対位置が、ギア組立て位置となるように、クランクケース4及びシリンダブロック3を支持する工程は本実施例における第1工程に、扇状ギア10をウォームギア11a、11bと接触する位置とする工程は第2工程に、扇状ギア10に自重が作用する工程は第3工程に、モータ12を圧縮比が高圧縮比になる方向に回転させる工程は第4工程に相当する。
なお、上記実施例においては、クランクケース4とシリンダブロック3との相対位置がギア組付位置となった状態において扇状ギア10を自重によってウォームギア11a、11b側に接触させることとした。これに関し図4(b)に示すようなギア付勢板バネ15を備えるようにし、クランクケース4とシリンダブロック3との相対位置がギア組付位置となった状態においては、ギア付勢板バネ15が扇状ギア10をウォームギア11a、11b側に付勢するようにしてもよい。
そうすれば、内燃機関1の姿勢に係らず、ギア組付位置において扇状ギア10をウォームギア11a、11b側に付勢することができ、より簡単な作業によってより確実にカム軸9同士の位相及び、扇状ギア10のカム軸9に対する位相を合わせることができる。
ここで、クランクケース4とシリンダブロック3との相対位置がギア組付位置となった状態において扇状ギア10を自重によってウォームギア11a、11b側に接触させる構成及び、ギア付勢板バネ15は、本実施例における係合促進手段に相当する。また、高圧縮比側ストッパ13及び低圧縮比側ストッパ14は回転停止機構に相当し、特に低圧縮比側ストッパ14は低圧縮比側回転停止機構に相当する。さらに図3(c)における扇状ギア10の上側端部と低圧縮比側ストッパ14との間の隙間は、本実施例におけるあそび空間に相当する。
また、上記の実施例においては、ギア取付位置は、クランクケース4とシリンダブロック3との相対位置が圧縮比可変範囲を低圧縮比側に超えた位置としたが、必ずしも圧縮比可変範囲を低圧縮比側に超えた位置に限られない。例えば図5に示すように、図3において説明した構成と、高圧縮比側と低圧縮比側をそっくり入れ替えた構成にし、ギア取付位置は、クランクケース4とシリンダブロック3との相対位置が圧縮比可変範囲を高圧縮比側に超えた位置としてもよい。
また、図3においては、高圧縮比側ストッパ13は、図3(a)における最高圧縮比を超えてさらに高圧縮比側にモータ12が過回転し、扇状ギア10が図中時計回りに回転した直後に、扇状ギア10と当接することにより扇状ギア10を停止させる位置に形成され、低圧縮比側ストッパ14は、図3(b)に示す、圧縮比可変範囲における最低圧縮比を超えてさらに低圧縮比側にモータ12が過回転し、扇状ギア10がさらに図中の反時計回りに回転したとしても、かなりの余裕をもった位置に形成されるようにした。これに対し、高圧縮比側ストッパ13及び、低圧縮比側ストッパ14の両方が、圧縮比可変範囲よりさらにモータ12及び扇状ギア10が過回転したとしても、かなりの余裕をもった位置に形成されるようにしてもよい。この場合の構成例を図6に示す。
図6(a)はモータ12が高圧縮比側に過回転して内燃機関1の圧縮比が圧縮比可変範囲を超えた場合の図である。また、(b)は内燃機関1の圧縮比可変範囲内における最高圧縮比となった場合の図、(c)は内燃機関1の圧縮比可変範囲内における最低圧縮比となった場合の図、(d)はモータ12が低圧縮比側に過回転して内燃機関1の圧縮比が圧縮比可変範囲を超えた場合の図である。
次に本発明における実施例2について説明する。本実施例においては、モータ12及び扇状ギア10が過回転した場合に、扇状ギア10に摩擦力を作用させることによって扇状ギア10がストッパに高速のまま衝突することを抑制し、扇状ギア10またはストッパに無理な力がかかることを抑制する例について説明する。
図7は、本実施例における扇状ギア10付近の概略を示す図である。図7における高圧縮比側ストッパ13、低圧縮比側ストッパ14の構成は、図3に示した構成と同等である。図7(a)及び図7(c)は、内燃機関1における圧縮比が圧縮比可変範囲の最低圧縮比となった際の扇状ギア10を回転軸に対してそれぞれ垂直な方向及び平行な方向から見た図である。また、図7(b)及び図7(d)は、内燃機関1における圧縮比が圧縮比可変範囲の最低圧縮比となった状態からさらに低圧縮比側に過回転した際の扇状ギア10を回転軸に対してそれぞれ垂直な方向及び平行な方向から見た図である。
図7に示すように、本実施例における扇状ギア10には、表面の摩擦係数が増大するように荒されたギア側摩擦材17が接着されている。一方、シリンダケース3の低圧縮比側ストッパ14付近には、摩擦増強板バネ16が備えられている。この摩擦増強板バネ16は、扇状ギア10の、ギア側摩擦材17が接着された面を押圧するように設けられており、さらにギア側摩擦材17が接着された面を押圧する側の面が摩擦係数が増大するように荒されている。
ここで、内燃機関1における圧縮比が圧縮比可変範囲である場合には、ギア側摩擦材17と摩擦増強板バネ16とは接触しない。そして、扇状ギア10が、内燃機関1における圧縮比が圧縮比可変範囲の最低圧縮比となった状態からさらに過回転した場合には、ギア側摩擦材17と摩擦増強板バネ16とが接触し、扇状ギア10と低圧縮比側ストッパ14との衝突を抑制する方向に摩擦力が発生する。
そうすることにより、扇状ギア10の回転エネルギーが消費され、扇状ギア10が低圧縮比側ストッパ14に高速で衝突することを抑制することができる。なお、ギア側摩擦材17と摩擦増強板バネ16は、本実施例における回転抑制手段に相当する。
また、この際、扇状ギア10が低圧縮比側ストッパ14に近づく方向には、ギア側摩擦材17と摩擦増強板バネ16との間に生じる摩擦力が大きく、扇状ギア10が低圧縮比側ストッパ14から遠ざかる方向には、ギア側摩擦材17と摩擦増強板バネ16との間に生じる摩擦力が小さいようにしてもよい。
具体的には、ギア側摩擦材17及び摩擦増強板バネ16の少なくとも一方の表面形状に方向性を持たせることによってもよい。あるいは、摩擦増強板バネ16の形状を図8に示すようにし、扇状ギア10が低圧縮比側ストッパに近づくにつれて摩擦増強板バネ16の扇状ギア10に対する押圧力を増加させることによってもよい。図9には、そうした場合の、扇状ギア10の角度と、ギア側摩擦材17と摩擦増強板バネ16との間に生じる摩擦力との関係のグラフの例を示す。なお、図9において扇状ギア角度が0度の状態が圧縮比可変範囲の最高圧縮比である状態、扇状ギア角度が90度の状態が圧縮比可変範囲の最低圧縮比である状態を示す。
こうすれば、扇状ギア10が低圧縮比側ストッパ14と衝突する前に扇状ギア10の回転エネルギーが消費され、扇状ギア10が低圧縮比側ストッパ14に高速で衝突することを抑制することができるとともに、モータ12を逆転させることによって容易に扇状ギア10とウォームギア11a、11bとの係合を回復させることが可能となる。
なお、この際、図5で説明したギア付勢板バネ15を併用すれば、モータ12を逆転させることによってより確実に扇状ギア10とウォームギア11a、11bとの係合を回復させることが可能となる。
なお、本実施例においては、ギア側摩擦材17及び摩擦増強板バネ16は、扇状ギア10におけるカム軸9が結合されていない側の表面にのみ設けられていたが、これらを扇状ギア10の回転軸に垂直な両方の面に対して設けてよい。
また、本実施例においては、摩擦増強板バネ16は、シリンダヘッド3の低圧縮比側ストッパ14にのみ設けられ、ギア側摩擦材17は扇状ギア10の低圧縮比側ストッパ14に対向する側の端部にのみ設けられていた。しかし、摩擦増強板バネ16を、シリンダヘッド3の高圧縮比側ストッパ13にのみあるいは、低圧縮比側ストッパ14と高圧縮比側ストッパ13の両方に設けるようにし、ギア側摩擦材17は扇状ギア10の高圧縮比側ストッパ14に対向する側の端部にのみあるいは、低圧縮比側ストッパ14に対向する側及び高圧縮比側ストッパ13に対向する側の両方に設けられるようにしてもよい。
1・・・内燃機関
2・・・シリンダ
3・・・シリンダブロック
4・・・クランクケース
9・・・カム軸
10・・・扇状ギア
11a、11b・・・ウォームギア
12・・・モータ
13・・・高圧縮比側ストッパ
14・・・低圧縮比側ストッパ
15・・・ギア付勢板バネ
16・・・摩擦増強板バネ
17・・・ギア側摩擦材
2・・・シリンダ
3・・・シリンダブロック
4・・・クランクケース
9・・・カム軸
10・・・扇状ギア
11a、11b・・・ウォームギア
12・・・モータ
13・・・高圧縮比側ストッパ
14・・・低圧縮比側ストッパ
15・・・ギア付勢板バネ
16・・・摩擦増強板バネ
17・・・ギア側摩擦材
Claims (12)
- 内燃機関におけるシリンダが形成されたシリンダブロックと、
前記内燃機関におけるクランク軸が組み付けられるとともに、前記シリンダブロックが相対移動可能に取り付けられたクランクケースと、
前記シリンダブロックと前記クランクケースとの連結部に設けられた1対のカム軸と、
前記カム軸の各々に対して、前記カム軸が有するカム面に対する位相が所定位相になるように固定された1対の扇状ギアと、
前記シリンダブロックと前記クランクケースとを相対移動させる駆動源と、
前記扇状ギアと係合する出力ギアによって前記駆動源の運動を前記扇状ギアに伝達する前段駆動伝達機構と、
を備え、
前記駆動源の運動を前記前段駆動伝達機構及び前記1対の扇状ギアを介して前記1対のカム軸に伝達し、前記1対のカム軸を回転させることにより、前記シリンダブロックと前記クランクケースとを相対移動させる可変圧縮比内燃機関であって、
前記シリンダブロックと前記クランクケースとの相対位置が、前記可変圧縮比内燃機関の圧縮比可変範囲を超えて所定相対位置となるときに、前記扇状ギアと前記出力ギアとの係合が終了し、前記1対の扇状ギアが回転自由となることを特徴とする可変圧縮比内燃機関。 - 前記シリンダブロックと前記クランクケースとの相対位置が前記所定相対位置となるときに、前記扇状ギアに、前記前段駆動伝達機構の出力ギアと係合する方向の力を作用する係合促進手段をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の可変圧縮比内燃機関。
- 前記出力ギアと係合する方向の力は、前記扇状ギアの自重に基づく力であることを特徴とする請求項2に記載の可変圧縮比内燃機関。
- 前記係合促進手段は、前記扇状ギアが前記前段駆動伝達機構の出力ギアと係合する方向に、前記扇状ギアを付勢する弾性体を有することを特徴とする請求項2または3に記載の可変圧縮比内燃機関。
- 前記扇状ギアが、前記出力ギアとの係合が終了した後さらに回転した場合に、前記扇状ギアに当接することにより前記扇状ギアのそれ以上の回転を阻止する回転停止機構を、さらに備えることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の可変圧縮比内燃機関。
- 前記扇状ギアと前記出力ギアとの係合が終了した直後の状態において、前記扇状ギアと前記回転停止機構との間には所定のあそび空間を有することを特徴とする請求項5に記載の可変圧縮比内燃機関。
- 前記扇状ギアが、前記出力ギアとの係合が終了した後さらに回転した場合に、前記扇状ギアに前記回転停止機構との当接を抑制する方向の力を作用する回転抑制手段を、さらに備えたことを特徴とする請求項5または6に記載の可変圧縮比内燃機関。
- 前記所定相対位置は、前記可変圧縮比内燃機関の圧縮比可変範囲を低圧縮比側に超えた相対位置であり、
前記回転停止機構は、前記扇状ギアが、前記出力ギアとの係合が終了した後さらに低圧縮比側に回転した場合に、前記扇状ギアのそれ以上の回転を阻止する低圧縮比側回転停止機構であることを特徴とする請求項5から7のいずれかに記載の可変圧縮比内燃機関。 - 扇型の円弧部分にギア歯を有する扇状ギアと、
前記扇状ギアを回転させるための動力を発生する駆動源と、
前記扇状ギアと係合する出力ギアによって前記駆動源の運動を前記扇状ギアに伝達する前段駆動伝達機構と、
前記扇型ギアの回転方向に配置され、前記扇型ギアに当接することにより、前記扇型ギアの回転範囲を規制するストッパと、
前記扇型ギアが前記ストッパに当接する前の所定の角度範囲において前記扇型ギアに回転方向と反対方向の力を作用する回転抑制手段と、
を備えたことを特徴とするギア構造。 - 内燃機関におけるシリンダが形成されたシリンダブロックと、
前記内燃機関におけるクランク軸が組み付けられるとともに、前記シリンダブロックが相対移動可能に取り付けられたクランクケースと、
前記シリンダブロックと前記クランクケースとの連結部に設けられた1対のカム軸と、
前記カム軸の各々に対して、前記カム軸が有するカム面に対する位相が所定位相になるように固定された1対の扇状ギアと、
前記シリンダブロックと前記クランクケースとを相対移動させる駆動源と、
前記扇状ギアと係合する出力ギアによって前記駆動源の運動を前記扇状ギアに伝達する前段駆動伝達機構と、
前記扇型ギアの回転方向に配置され、前記扇型ギアに当接することにより、前記扇型ギアの回転範囲を規制するストッパと、
前記扇型ギアが前記ストッパに当接する前の所定の角度範囲において前記扇型ギアに回転方向と反対方向の力を作用する回転抑制手段と、
を備えたことを特徴とする可変圧縮比内燃機関。 - 前記扇型ギアが前記ストッパに接近するときに、前記回転抑制手段によって前記扇型ギアに作用する力は、前記扇型ギアが前記ストッパから離反するときに、前記回転抑制手段によって前記扇型ギアに作用する力よりも大きいことを特徴とする請求項10に記載の可変圧縮比内燃機関。
- 内燃機関におけるシリンダが形成されたシリンダブロックと、
前記内燃機関におけるクランク軸が組み付けられるとともに、前記シリンダブロックが相対移動可能に取り付けられたクランクケースと、
前記シリンダブロックと前記クランクケースとの連結部に設けられた1対のカム軸と、
前記カム軸の各々に対して、前記カム軸が有するカム面に対する位相が所定位相になるように固定された1対の扇状ギアと、
前記シリンダブロックと前記クランクケースとを相対移動させる駆動源と、
前記扇状ギアと係合する出力ギアによって前記駆動源の運動を前記扇状ギアに伝達する前段駆動伝達機構と、
を備え、
前記駆動源の運動を前記前段駆動伝達機構及び前記1対の扇状ギアを介して前記1対のカム軸に伝達し、前記1対のカム軸を回転させることにより、前記シリンダブロックと前記クランクケースとを相対移動させるとともに、前記シリンダブロックと前記クランクケースとの相対位置が、前記可変圧縮比内燃機関の圧縮比可変範囲を超えて所定相対位置となるときに、前記扇状ギアと前記出力ギアとの係合が終了し、前記1対の扇状ギアが回転自由となる可変圧縮比内燃機関におけるギア組付方法であって、
前記シリンダブロックと前記クランクケースとの相対位置を、前記所定相対位置とする第1工程と、
前記1対のカム軸に前記1対の扇状ギアの各々を、前記扇状ギアの姿勢が、前記扇状ギアと前記出力ギアとの係合が終了した直後の状態と同じ姿勢になるように組み付ける第2工程と、
前記1対の扇状ギアに対し、該1対の扇状ギアが前記出力ギアと係合する方向の力を作用させる第3工程と、
前記シリンダブロックと前記クランクケースの相対位置を、前記圧縮比可変範囲を超えた所定相対位置より前記圧縮比可変範囲内の相対位置にすることにより前記扇状ギアと前記出力ギアとを係合させる第4工程と、
を有することを特徴とする可変圧縮比内燃機関におけるギア組付方法。
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JP2005246194A JP2007056836A (ja) | 2005-08-26 | 2005-08-26 | 可変圧縮比内燃機関、ギア構造及び、可変圧縮比内燃機関におけるギア組付方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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