JP2004324464A - 圧縮比を変更可能な内燃機関と圧縮比制御方法 - Google Patents

圧縮比を変更可能な内燃機関と圧縮比制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】エンジンの圧縮比の高低変更に際しての制御の簡略化や、機器の小型化を図る。
【解決手段】可変圧縮比エンジン100は、ロアケース104に対してシリンダブロック103を移動させる圧縮比変更機構を備え、サーボモータ112の回転駆動力を、偏心カムを有するカム軸109にてシリンダブロック103の上下動方向に伝達する。このスライドするシリンダブロック103の両側には、第1バネ部材140と第2バネ部材150とを備え、両バネ部材の呈するばね合力をシリンダブロック103に及ぼす。このばね合力は、モータの回転駆動力の伝達トルクを低減して圧縮比変更の補助をするよう作用する。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧縮比を変更可能な内燃機関とその圧縮比制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、圧縮比を変更可能な機能を有する種々の内燃機関が提案されている。圧縮比を高く設定すると効率よく動力を得ることができるが、ノッキングが発生しやすい。このため、圧縮比は、運転条件に応じて変更される。具体的には、内燃機関の負荷が低い場合には、ノッキングが発生しにくいため圧縮比は高く設定される。一方、内燃機関の負荷が高い場合には、ノッキングが発生しやすいため圧縮比は低く設定される。
【0003】
このように圧縮比を変更するに当たり、クランクシャフトを支持するクランクケースと、ピストンヘッド側のシリンダブロックとを、シリンダボア方向に近接・離間する圧縮比変更機構が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−26981号公報
【0005】
この特許文献1では、クランクケースとシリンダブロックの両機関部材間に偏心カムシャフトを介装し、このカムシャフトへの動力伝達にウォームとウォームホイールを用いている。そして、ウォームをモータ等の駆動源に連結し、ウォームホイールを駆動対象機器(偏心カムシャフト)に連結し、モータの正逆回転により偏心カムシャフトを回転させ、その偏心カムに倣って上記両機関部材を近接・離間させている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来の可変圧縮比エンジンでは、燃焼室の燃焼圧がピストンとシリンダ、即ちクランクケースとシリンダブロックの相対位置が広がるように作用することから、この燃焼圧に起因する力は、高圧縮比から低圧縮比側への圧縮比変更の際に、圧縮比変更機構に必要とされる駆動力に対して補助的に働くようになる。その一方、圧縮比を低圧縮比から高圧縮比側に変更する場合は、燃焼圧に起因した力は圧縮比変更機構の駆動を妨げるよう作用する。よって、こうした場合は、燃焼圧に抗して圧縮比変更機構を駆動させる必要があるので、圧縮比変更機構へは大きな駆動力を伝達することが不可欠となる。つまり、低圧縮比側への圧縮比変更と高圧縮比側への圧縮比変更とでは、圧縮比変更機構に伝達すべき駆動力に大小の相違がある。このため、圧縮比の高低変更を行うに当たっては、駆動源には、伝達すべき最大の駆動力を支障無く発揮できる高い動力特性が必要となる。
【0007】
圧縮比を低圧縮比側へ変更する状況は、エンジン負荷が高負荷であることから、低圧縮比への変更が緩慢では、ノッキングを招きやすい。よって、ノッキング回避の観点から、低圧縮比側への圧縮比変更には迅速性が求められるので、駆動源には、既述した高い動力特性の他、高い応答性や広範囲の回転数での回転特性も必要となる。これらの結果、駆動源の大型化、延いては圧縮比変更機構を含めたエンジン周りの大型化を招いたり、駆動源の回転制御の複雑化を招いていた。
【0008】
ところで、偏心カムシャフトの回転により機関部材間の位置関係を変えて圧縮比を変更する機構では、偏心カムとこれに係合する部材との係合状態、即ち偏心カムシャフトの回転位置に応じて圧縮比が定まる。燃焼圧に起因する力は、上記したように駆動源駆動力に対して補助的或いは妨げとなって偏心カムシャフトに作用するものの、この偏心カムシャフトに対して上記の燃焼圧に起因する力が作用する様子(即ち、シャフトを回転させようとする力の大きさ)は、偏心カム形状であるがために、偏心カムシャフトの回転位置に応じて相違する。
【0009】
また、圧縮比変更に当たっては偏心カムシャフトの回転を伴うことから、その回転に伴う摩擦力や、機関部材の位置変更に伴う摩擦力が発生し、これら摩擦力は、駆動源からの駆動力伝達を阻害するよう作用する。このため、燃焼圧に起因する力が低圧縮比への変更時に駆動源駆動力の補助的に作用したとしても、低圧縮比領域における低圧縮変更に際しては、補助的作用が低下したり、上記した摩擦力の影響を受けて補助的作用を生じないようなこともあり得る。よって、駆動源には、燃焼圧に起因する力を補助的に使わないでも低圧縮比側への変更が可能な特性が求められ、このことも駆動源の大型化をもたらす一因でもある。
【0010】
本発明は、上記問題点を解決するためになされ、圧縮比の高低変更に際しての制御の簡略化や、機器の小型化を図ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
かかる課題の少なくとも一部を解決するため、本発明の圧縮比を変更可能な内燃機関とその圧縮比制御方法では、圧縮比を変更する状況になると、圧縮比変更のための駆動源の回転駆動力を伝達手段を介して伝達駆動力として圧縮比変更機構に伝達する。これにより圧縮比変更機構は、ピストンヘッド側の機関部材とクランクケース側の機関部材の少なくとも一方を駆動して両機関部材間の相対的な位置関係を変更し、これにより燃焼室容積を変えて圧縮比を高圧縮比と低圧縮比との間に亘って変更する。こうした両機関部材の位置関係の変更に基づく圧縮比変更に際し、付勢手段は、付勢力を両機関部材間の相対的な位置関係の変更状況に応じて発生させ、この付勢力を両機関部材に及ぼす。
【0012】
この付勢手段による両機関部材への付勢力の及ぼし方は、伝達手段による駆動源の回転駆動力の伝達トルクが低減するようにして、圧縮比変更機構による圧縮比変更を補助するものである。よって、圧縮比変更機構の駆動に必要とされる駆動源の回転駆動力を不用意に大きくする必要がないので、駆動源には高い動力特性が不要となる。このため、駆動源、延いては圧縮比変更機構を含めた内燃機関回りの小型化を図ることができる。しかも、付勢力の発生および付与に際しては、駆動源に対して特段の回転制御を必要としないので、駆動源制御も簡略化できる。
【0013】
上記したように圧縮比変更機構により上記の両機関部材間の位置関係の変更を通して圧縮比を変更する際、燃焼圧に起因して発生する力(第1の力)は、伝達手段から圧縮比変更機構への駆動力伝達に関与し、その関与の様子は、圧縮比の変更の方向に応じて異なる。つまり、低圧縮比の側への圧縮比変更であれば、伝達手段の伝達トルクを低減する側に作用し、高圧縮比の側では伝達トルクを増大する側に作用する。また、圧縮比変更機構の駆動は少なくとも上記の両機関部材の物理的な移動をもたらすので、こうした部材移動に伴い摩擦力(第2の力)が発生し、この摩擦力は圧縮比の変更方向に拘わらず伝達トルクの増大を招く。
【0014】
上記した本発明は、こうした力の関係に着目し、前記伝達手段から前記圧縮比変更機構への駆動力伝達に関与するよう燃焼圧に起因して発生する第1の力と、前記駆動力伝達に関与するよう前記圧縮比変更機構の駆動に伴って発生する第2の力と前記付勢力とが協働して前記伝達トルクが低減するよう前記付勢力を前記両機関部材に及ぼす態様を採ることができる。
【0015】
こうすれば、第1の力が圧縮比変更に伴い変化しても、この第1と第2の力および付勢手段の付勢力とが協働して得られる合力については、付勢力の変更を通して合力の変化を抑制するようにすることもできる。例えば、第1の力が伝達手段の伝達トルクを低減する側に作用しつつ、圧縮比の変更推移により、或いは第2の力との関係で第1の力が小さくなっても、この小さくなった分を付勢力で補うことも可能となる。或いは、第1の力が伝達トルクを増大する側に作用すれば、これを緩和することも可能となる。この結果、既述したように駆動源には高い動力特性や特段の回転制御が不要となり、機器の小型化や制御の簡略化を図ることができる。特に、第1の力が伝達手段の伝達トルクを低減する側に作用する状況、即ち、圧縮比を低圧縮比の側に変更する状況では、この第1の力が小さくなっても付勢力で補うので、駆動源の回転駆動力を伝達手段を経て確実、かつ迅速に圧縮比変更機構に伝達できるので、低圧縮比への圧縮比変更も迅速化できる。
【0016】
こうした付勢手段は、高圧縮比の側から低圧縮比の側へ前記圧縮比変更機構が駆動する状況下で、前記第1の力を補うよう調整されたバネ特性を発揮するバネ機構や、低圧縮比の側から高圧縮比の側へ前記圧縮比変更機構が駆動する状況下で、前記第1の力を緩和するよう調整されたバネ特性を発揮するバネ機構を有するものとすることができる。こうすれば、このバネ機構を上記の両機関部材間に組み込めば足りることから、簡便である。この場合、圧縮比変更機構の駆動による圧縮比変更状況と第1の力の発生の様子は、実験的手法で、或いはコンピュータ解析手法等で関連つけることができるので、上記のバネ特性を有するバネ機構を得ることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の形態を実施例に基づき説明する。図1は第1実施例に係る可変圧縮比エンジン100の概略分解斜視図、図2はこの可変圧縮比エンジン100の概略構成を示す概略斜視図、図3は可変圧縮比エンジン100の要部を断面視して示す説明図である。
【0018】
この第1実施例の可変圧縮比エンジン100は、シリンダブロック103をロアケース(クランクケース)104に対してシリンダ102の軸方向に移動させることで燃焼室容積を変え、圧縮比を変更する。このため、本実施例の可変圧縮比エンジン100は、ロアケース104に対してシリンダブロック103を移動させる圧縮比変更機構を備える。この圧縮比変更機構については後述する。
【0019】
ロアケース104に対してシリンダブロック103がシリンダ102の軸方向に移動するため、シリンダ102上部に配置された吸排気バルブの開閉を行う図示しないカムシャフトにあっても、ロアケース104に対して移動することとなる。カムシャフトの駆動力は、ロアケース104内に配置されたクランクシャフト115からチェーンやベルトを介して伝達されるため、これに対する考慮も本実施例のエンジンではなされている。こうした構成については、本発明の要旨と直接関係しないので、その説明については省略する。
【0020】
なお、シリンダブロック103がロアケース104に対して移動可能とされていること、および、その移動機構(圧縮比変更機構)を備えていること、カムシャフトへの変動力の伝達、以外の部分に関しては、通常のエンジンと変わるところはない。よって、これらについても説明は省略する。
【0021】
図1に示すように、可変圧縮比エンジン100は、シリンダブロック103の両側下部に複数の隆起部130を備え、この各隆起部130にカム収納孔105を有する。カム収納孔105は、片側に五つずつ形成されている。カム収納孔105は、円形を有しており、シリンダ102の軸方向に対して直角に、かつ、複数のシリンダ102(本実施例の可変圧縮比エンジン100は四気筒エンジン)の配列方向に平行になるようにそれぞれ形成されている。カム収納孔105は、シリンダブロック103の両側に形成されており、片側の複数のカム収納孔105は全て同一軸線上に位置している。そして、シリンダブロック103の両側のカム収納孔105の一対の軸線は平行である。
【0022】
複数個が並んだ隆起部130のうち、中央に位置する隆起部130は、図示するようにカム収納孔105の形成箇所が厚肉とされ、その上端に水平に突出した上端突出片131を有する。この上端突出片131は、ロアケース104に形成されたバネ座面133と対向し、後述するバネ部材をその上端側で固定するよう機能する。
【0023】
ロアケース104には、上述したカム収納孔105が形成された複数の隆起部130の間に位置するように、立壁部132が形成されている。各立壁部132のロアケース104外側に向けられた表面には、半円形の凹部が形成されている。また、各立壁部132には、ボルト106によって取り付けられるキャップ107が用意されており、キャップ107にあっても半円形の凹部を有している。各立壁部132にキャップ107を取り付けると、両部材で円形の軸受収納孔108が形成される。軸受収納孔108の形状は、上述したカム収納孔105と同一である。
【0024】
複数の軸受収納孔108は、カム収納孔105と同様に、シリンダブロック103をロアケース104に取り付けたときにシリンダ102の軸方向に対して直角に、かつ、複数のシリンダ102の配列方向に平行になる。これらの複数の軸受収納孔108も、シリンダブロック103の両側に形成されることとなり、片側の複数の軸受収納孔108は全て同一軸線上に位置している。軸受収納孔108は、片側に四つずつ形成される。そして、シリンダブロック103の両側の軸受収納孔108の一対の軸線は平行である。また、両側のカム収納孔105の間の距離と、両側の軸受収納孔108との問の距離は同一である。
【0025】
交互に配置される二列のカム収納孔105と軸受収納孔108には、それぞれカム軸109が挿通される。カム軸109は、図1に示すように、軸部109aに、カム部109bと可動軸受部109cとを有する。カム部109bは、軸部109aの中心軸に対して偏心された状態で軸部109aに固定され、正円形のカムプロフィールを有する。可動軸受部109cは、このカム部109bと同一外形を有し、軸部109aに対して回転可能に取り付けられる。本実施例では、カム部109bと可動軸受部109cとが交互に配置されている。一対のカム軸109は、シリンダ102を挟んで鏡像の関係を有している。また、カム軸109の端部には、後述するウォームホイール110の取付部109dが形成されている。軸部109aの中心軸と取付部109dの中心とは偏心しており、全カム部109bの中心と取付部109dの中心とは一致している。
【0026】
可動軸受部109cも、軸部109aに対して偏心されておりその偏心量はカム部109bと同一である。実際にカム軸109を構築するには、最も端部の一つのカム部109bが予め一体的に結合された状態でカム軸109が製造され、これに可動軸受部109cと他のカム部109bとが交互に挿入される。そして、カム部109bのみが図示するようにビスなどで軸部109aに固定される。この場合、カム部固定は他の方法、例えば、圧入や溶接でも良い。軸部109a上のカム部109bの数は、シリンダブロック103片側のカム収納孔105の数と一致する。また、カム部109bの厚さも、対応する各カム収納孔105の長さと一致する。同様に、軸部109a上の可動軸受部109cの数は、ロアケース104片側に形成される軸受収納孔108の数と一致する。また、可動軸受部109cの厚さも、対応する各軸受収納孔108の長さと一致する。
【0027】
各カム軸109において、複数のカム部109bの偏心方向は同一である。また、可動軸受部109cの外形は、カム部109bと同一正円であるので、可動軸受部109cを回転させることで、複数のカム部109bの外表面と複数の可動軸受部109cの外側面とを一致させることができる。この状態で、シリンダブロック103とロアケース104とを組み合わせて複数のカム収納孔105と複数の軸受収納孔108とで形成される長孔にカム軸109が挿入されて組み立てられる。なお、カム軸109をシリンダブロック103およびロアケース104に対して配置させた後にキャップ107を取り付けても良い。
【0028】
カム収納孔105、軸受収納孔108、カム部109bおよび可動軸受部109cの形状は全て同一の正円形である。また、シリンダブロック103は、ロアケース104に対してスライド可能であるが、両者の摺動面には、シリンダ内面とピストンとの間の気密を確保するピストンリングのような部材を配置して気密性を確保する。なお、ピストンリング以外の他の手法によって、例えば、Oリングのようなゴム製ガスケット等によって、シールを行っても良い。
【0029】
各カム軸109は、その軸部109a端部の取付部109dにウォームホイール110を有する。このウォームホイール110は、キーにて位置決めされた上で、取付部109dにボルト固定されている。
【0030】
一対のカム軸109に対応するそれぞれのウォームホイール110には、ウォーム111a,111bが噛み合っている。ウォーム111a,111bは、正逆回転可能な単一のサーボモータ112の出力軸と連結されている。ウォーム111a,111bは、互いに逆方向に回転する蝶旋溝を有している。このため、サーボモータ112を回転させると、一対のカム軸109は、ウォームホイール110の回転を受け、互いに逆方向に回転する。サーボモータ112は、シリンダブロック103などに固定されており、シリンダブロック103と一体的に移動する。
【0031】
上記したように偏心した一対のカム軸109をシリンダブロック103とロアケース104との間に介装して組み付けた可変圧縮比エンジン100は、シリンダブロック103の側の上端突出片131とロアケース104におけるバネ座面133との間に、図3に示すように、第1バネ部材140と第2バネ部材150とを有する。これらバネ部材は上端突出片131を有する隆起部130ごとに用意され、上端を上端突出片131で、下端をバネ座面133で固定されている。このため、第1バネ部材140と第2バネ部材150は、それぞれのばね力をシリンダブロック103とロアケース104に及ぼす。
【0032】
第1バネ部材140は、皿ばねを図示するように交互に向きを変えて重ね合わせて構成され、いわゆるS字特性のばね特性を有する。本実施例では、こうしたS字特性のうち、変位が大きくなるほどばね荷重が小さくなるような領域で、第1バネ部材140を用い、第1バネ部材140は、そのばね荷重(ばね力)がシリンダブロック103とロアケース104とを近接させる向き(即ち、圧縮側)に作用するよう、ばね力をシリンダブロック103とロアケース104に及ぼす。図3は、圧縮比が低圧縮側の下限値にある状態を示しており、第1バネ部材140は、この状態においてやや圧縮した状態で組み付けられているので、この圧縮に応じたばね荷重(ばね力)をシリンダブロック103とロアケース104とを離間させる向きに発生させ、ばね力をこれら部材に作用させる。そして、シリンダブロック103とロアケース104とが近接して圧縮比が図示する状態から高くなると上端突出片131とバネ座面133との間の間隔が狭くなり、第1バネ部材140の圧縮変位は大きくなる。よって、第1バネ部材140のばね荷重は小さくなり、第1バネ部材140は、シリンダブロック103とロアケース104とを離間させる向きに作用するばね力を弱めて、当該ばね力をシリンダブロック103とロアケース104に及ぼす。
【0033】
第2バネ部材150は、コイルばねであり、変位が増すほど大きなばね荷重(ばね力)を発揮する。この第2バネ部材150にあっては、図3の状態において大きな引っ張り変位を与えて組み付けられているので、この図示する状態では、大きなばね荷重(ばね力)をシリンダブロック103とロアケース104とを近接させる向きに発生させ、この大きなばね力をシリンダブロック103とロアケース104に及ぼす。そして、圧縮比がこの状態から高くなるほど第2バネ部材150の引っ張り変位は小さくなるので、第2バネ部材150のばね荷重は小さくなり、第2バネ部材150は、シリンダブロック103とロアケース104とを近接させる向きに作用するばね力を弱めて、当該ばね力をシリンダブロック103とロアケース104に及ぼす。
【0034】
このように、第1バネ部材140と第2バネ部材150は、それぞれのばね荷重をシリンダブロック103とロアケース104に対して及ぼすが、この両機関部材に対しては、第1バネ部材140のばね力と第2バネ部材150のばね力の合力(ばね合力)が及ぶことになる。
【0035】
ところで、圧縮比は、シリンダブロック103とロアケース104との間隔(即ち、上端突出片131とバネ座面133との間隔)に対応して定まり、この間隔は上記のバネ部材における変位と対応する。よって、圧縮比推移と上記のバネ部材のばね力との関係は、次のように説明できる。図4は圧縮比推移とバネ部材のばね力との関係を説明する説明図である。
【0036】
この図4では、横軸は圧縮比ε並びにばね変位を表し、縦軸はシリンダブロック103と第1バネ部材140の両機関部材に作用するばね力を表す。この場合、ばね力は、両機関部材の離間を図る側の力と近接を図る側の力とがあるので、前者を横軸上方に、後者を横軸下方に表すこととした。
【0037】
本実施例の可変圧縮比エンジン100では、圧縮比の可変範囲を横軸上の下限圧縮比εLから上限圧縮比εMとする。第1バネ部材140は、この下限圧縮比εLの状態(即ち、図3に示す状態)から上限圧縮比εMにかけて、図中の点aから点bを結ぶばね力特性を発揮し、圧縮比(ばね変位)に応じたばね力を、既述したように両機関部材を離間させる側に及ぼす。第2バネ部材150は、図中の点cから点dを結ぶばね力特性を発揮し、圧縮比(ばね変位)に応じたばね力を、既述したように両機関部材を近接させる側に及ぼす。各バネ部材のばね力特性はそれぞれ個別に定まる。つまり、第1バネ部材140にあっては、それぞれの皿ばねが有するS字特性に依存したばね力特性となり、図示するばね力推移の様子(傾き)は皿ばね設計により種々のものとすることができる。第2バネ部材150にあっては、コイルばねのばね定数に依存したばね特性となり、その傾きについてもばね定数変更により種々のものとすることができる。
【0038】
本実施例では、第1バネ部材140は、高圧縮比側への圧縮比推移(ばね変位推移)によってそのばね力が大きく低減する特性となるようにし、上限圧縮比εMであっても上記の両機関部材にこれを離間させるようばね力(点b)を及ぼす。一方、第2バネ部材150については、下限圧縮比εLで第1バネ部材140より小さいばね力(点c)を上記の両機関部材にこれを近接するよう及ぼし、そのバネ定数を小さくしてばね力の低減が少なくなるようにし、上限圧縮比εMでもばね力(点d)を機関部材近接側に及ぼす。従って、シリンダブロック103とロアケース104には、上記両バネ部材のばね力の合力として、図中の点eと点fを結ぶ特性のばね合力が圧縮比推移に応じて及ぶことになり、下限圧縮比εL側では機関部材離間側にばね合力が及び、圧縮比が高くなるに従ってこの合力が小さくなり、下限圧縮比εM側では機関部材近接側にばね合力が及ぶことになる。この場合、それぞれのバネ部材の特性は種々可変であることから、ばね合力特性についても種々設計することができる。
【0039】
次に、本実施例の可変圧縮比エンジン100における圧縮比変更の様子について説明する。図5は可変圧縮比エンジン100にて圧縮比を変更する際の機器駆動の様子を説明する説明図である。なお、図5(a)〜図5(c)に、シリンダブロック103と、ロアケース104と、これら両者の間に構築されたカム軸109などからなる圧縮比変更機構とを断面示する。そして、これら図においては、カム軸109における軸部109aの中心軸を符号Aで、カム部109bの中心をBで、可動軸受部109cの中心をCで表す。
【0040】
図5(a)は、軸部109aの延長線上から見て全てのカム部109bおよび可動軸受部109cの外周が一致した状態を示している。このとき、ここでは左右一対の軸部109aは、カム収納孔105および軸受収納孔108の外側に位置している。各軸部がこうした位置関係にある時を、カム軸角度がゼロ度(0゜)とする。
【0041】
図5(a)の状態から、軸部109a(および軸部109aに固定されたカム部109b)が図中の矢印X+の方向に回転すると、図5(b)の状態となる。このとき、軸部109aに対して、カム部109bと可動軸受部109cの偏心方向にズレが生じるので、ロアケース104に対してシリンダブロック103を上死点側にスライドさせることができる。そして、そのスライド量は、図5(c)のような状態となるまでカム軸109を矢印X+の回転方向に回転させたときが最大となり、カム部109bや可動軸受部109cの偏心量の二倍となる。カム部109bおよび可動軸受部109cは、それぞれカム収納孔105および軸受収納孔108の内部で回転し、それぞれカム収納孔105および軸受収納孔108の内部で軸部109aの位置が移動するのを許容している。
【0042】
図5の各図から明らかなように、図5(a)では、シリンダブロック103とロアケース104、延いてはピストン上死点位置との相対距離が短くなるので、燃焼室容積が減少して圧縮比は高い状態である。その一方、図5(c)のようにシリンダブロック103がピストン上死点位置から離れるほど、燃焼室容積が増えて圧縮比は低い状態となる。つまり、図5(a)から図5(c)にシリンダブロック103が駆動することで、圧縮比は高圧縮比から低圧縮比に推移する。
【0043】
こうした低圧縮比側への圧縮比推移を起こす場合のカム軸109の回転方向は図3の矢印X+方向であり、この際、サーボモータ112は正回転するとする。また、図5(c)に示す各軸部の位置関係をカム軸角度+90゜とする。
【0044】
シリンダブロック103は、このカム軸を経てサーボモータ112の回転駆動力を上向きに受けて、ロアケース104から離れるよう上昇する。この際、燃焼室の燃焼圧に起因した力は、シリンダブロック103をロアケース104から上昇させようとする方向に働くことから、低圧縮比側への圧縮比推移の場合には、燃焼圧は、シリンダブロック103が受ける駆動力と同じ向きに働くことになる。この場合、上記の各軸部の回転とシリンダブロック103のスライド移動を起こすことから、こうした部材移動に伴う摩擦力も起き、この摩擦力は、シリンダブロック103の移動、即ちカム軸を介したモータ駆動力伝達を阻害するよう作用する。また、こうした圧力推移を起こしている状況では、第1バネ部材140と第2バネ部材150は、図4に示すばね合力をシリンダブロック103とロアケース104に及ぼしている。つまり、圧縮比推移の間に種々の力がシリンダブロック103とロアケース104に作用するが、これらの関係については後述する。
【0045】
なお、カム部109bと可動軸受部109cとが完全に一致した状態(図5(a))では、一本のカム軸109に取り付けられた複数の可動軸受部109cが、シリンダを上下にスライドさせずに空転してしまう可能性もある。このため、本実施例のエンジンの圧縮比変更機構では、図5(a)のように、カム部109bと可動軸受部109cとを完全に一致させる状態を生じさせない。例えば、図5(a)の状態のカム軸109の回転位置を基準0°とした場合(一対のカム軸109で正方向は逆回転方向)、図5(c)の状態の回転位置は矢印X+に沿った正方向の90°となるが、図5(a)に示す0゜の近辺(例えば、5゜程度)を使用しないようにして5°〜90°の範囲でカム軸回転を実現することで、上述したような問題を解消し得る。実際のシリンダブロック103のスライド量は、数mmとすることを検討しているので、0°±5°程度(同様に180°±5°程度)が使用できなくても問題はない。
【0046】
また、図5(c)の状態からシリンダブロック103のスライド量を元の状態に戻して圧縮比を高めるには、サーボモータ112を逆回転させる。こうすれば、カム軸109の軸部109aやカム部109bおよび可動軸受部109cは、図中の矢印X−の方向に逆回転駆動する。これにより、シリンダブロック103は図5(a)の状態に戻り、圧縮比は高圧縮比から低圧縮比に推移する。こうした正逆のカム軸109の制御範囲は、既述したとおり5°〜90°のカム軸角度である。
【0047】
図5(a)の状態への高圧縮比から低圧縮比への圧縮比推移を起こす場合、シリンダブロック103は、上記のカム軸を経てサーボモータ112の回転駆動力を下向きに受けて、ロアケース104に近づくよう降下する。この際にあっても、燃焼室の燃焼圧は、シリンダブロック103をロアケース104から上昇させようとする方向に働くことから、高圧縮比側への圧縮比推移の場合には、シリンダブロック103は、燃焼圧に抗してロアケース104の側に駆動することになる。
【0048】
なお、ロアケース104に対してシリンダブロック103を下死点側にスライドさせて使用しても良い。この場合のカム軸109の制御範囲は−5°〜−90°(355°〜270°)のカム軸角度とすればよい。また、ロアケース104に対してシリンダブロック103を上死点側にスライドさせて使用する場合に、カム軸109の制御範囲を90°〜175°等として使用してもよい。
【0049】
上述したような圧縮比変更機構を用いることによって、シリンダブロック103をロアケース104に対して、シリンダ102の軸線方向にスライドさせることができる。この結果、圧縮比を可変制御することが可能となる。ある寸法のエンジンで数mmのスライド量を実現して圧縮比の可変範囲を試算したところ、9〜14.5程度の可変範囲を確保できることが算出された。
【0050】
次に、上記した構成を有する可変圧縮比エンジン100における圧縮比変更とその圧縮比推移の間にシリンダブロック103とロアケース104に作用する力の関係について説明する。図6は第1バネ部材140と第2バネ部材150を有しない既存の可変圧縮比エンジンでの圧縮比変更と圧縮比変更に関与する種々のトルクの関係を示す説明図、図7は実施例の可変圧縮比エンジン100における圧縮比変更と圧縮比変更に関与する種々のトルクの関係を示す説明図である。
【0051】
上記した各カム軸部をカム軸角度0〜90°に亘って回転させ、圧縮比を下限圧縮比εL〜上限圧縮比εMの間で変更する場合、各カム軸部の回転駆動とシリンダブロック103のスライド移動を起こすことから、こうした部材移動に伴う摩擦力が発生する。また、燃焼圧に起因する力も発生する。こうした摩擦力や燃焼圧に起因した力は、上記の各カム軸部のカム軸回転角度(即ち、圧縮比)に対応して定まり、これら力は、上記の各カム軸部の回転を経たシリンダブロック103への駆動トルク伝達に関与する。つまり、上記の摩擦力は、カム軸部の回転駆動やシリンダブロック103のスライド移動を阻害する力であるので、こうした部材移動を起こすためのトルク伝達の妨げとなる。このため、サーボモータ112には、こうした部材移動に伴う摩擦力に抗したトルクが求められ、この様子を図6に+側のトルクとして示す。また、燃焼圧に起因した力については、既述したようにシリンダブロック103をロアケース104から上昇させようとする方向に働くので、低圧縮比側への圧縮比推移に際しては、各カム軸部を介したトルク伝達に有利に作用する。この燃焼圧に起因した力がトルク伝達に関与する様子は、摩擦力の場合と逆となることから、図6には−側のトルクとして示す。
【0052】
今、圧縮比を上限圧縮比εMの側から下限圧縮比εLの側に低下させる状況を考える。こうした状況において、高圧縮比の側では、燃焼圧に起因した力が関与するトルクは、摩擦力に抗するためのトルクに勝り、その向きについても低圧縮比への変更側と一致する。よって、サーボモータ112の回転駆動力を、燃焼圧に起因した力の補助を受けてシリンダブロック103に伝達すれば足り、サーボモータ112には、燃焼圧に起因した力が関与するトルクカーブに合わせたトルクを発生させればよい。
【0053】
ところが、圧縮比が低下すると燃焼圧に起因した力も小さくなるので、この燃焼圧に起因した力が関与するトルクより、摩擦力に抗するためのトルクの方が大きくなる。このため、図示するカム軸角度60°より低圧縮比側の領域SKでは、サーボモータ112の回転駆動力伝達に燃焼圧に起因した力の補助を受けることができなくなる。よって、この領域SKでは、サーボモータ112には、負荷がかかる。
【0054】
なお、下限圧縮比εの側から上限圧縮比εMの側への圧縮比の変更に際しては、摩擦力と燃焼圧に起因した力に抗するためのトルクが必要となるので、サーボモータ112には、燃焼圧に起因した力が関与するトルクカーブに、摩擦力に抗するためのトルクを合わせたようなトルクを発生させる必要がある。
【0055】
本実施例のように第1バネ部材140や第2バネ部材150を有しないのであれば、図6に示したようなトルク特性、即ち高圧縮比化時のトルク特性と低圧縮比化時のトルク特性の両者を発揮できるようなサーボモータ112を採用する必要があるが、本実施例では、次のようになる。
【0056】
本実施例では、上限圧縮比εMから下限圧縮比εLまでの間において、シリンダブロック103には、図4に示す第1バネ部材140と第2バネ部材150のばね合力が作用している。図4では、シリンダブロック103をロアケース104に対して離間させる側を横軸上方側としたが、シリンダブロック103を離間させる力(ばね合力)は、圧縮比を低下させる側のトルク伝達を補助するよう作用する。その逆に、シリンダブロック103を近接させる側は、圧縮比を増大させる側のトルク伝達を補助するよう作用する。こうして図4のばね合力を、トルク伝達への関与の仕方として図7に記すと、上限圧縮比εMでは図中の点fと下限圧縮比εLでは点eを結ぶようなトルクとして表される。また、この図7には、このばね合力と燃焼圧が関与するトルクとを合わせたトルク線図(燃焼圧・ばね合力)も示されている。
【0057】
この図7に示すような関係から、本実施例によれば、次の利点がある。
図6のように、第1バネ部材140や第2バネ部材150を有しない場合には、圧縮比を低圧縮比に推移させた図示する領域SKでは、既述したように燃焼圧に起因した力をモータのトルク伝達の補助として用いることができない。これに対し、本実施例では、この領域SKにおいて、第1バネ部材140と第2バネ部材150の呈するばね合力と燃焼圧に起因した力とが同じ側であることから、上記のばね合力で燃焼圧に起因した力を補い、このばね合力をトルク伝達の補助とできる。よって、低圧縮比の側の領域SKにおいて、圧縮比を低圧縮比の側に変更推移させる際のトルクを小さくできる。摩擦力に抗するためのトルクを合わせて説明すると、図中の燃焼圧・ばね合力のトルク線図がこの摩擦力に抗するためのトルク線図とほぼ対称となるので、燃焼圧とばね合力で摩擦力の影響(トルク伝達の妨げ)を低減することになる。
【0058】
また、上限圧縮比εMの側からの低圧縮比への推移に際しては、ばね合力は、摩擦力の場合と同様にトルク伝達を阻害するよう作用する。しかし、こうした状況では高圧縮比領域であるが故に燃焼圧に起因した力がトルク伝達を補助する側に大きく作用するので、図示するように特段のトルク増大を招くことはない。むしろ、上限圧縮比εMから下限圧縮比εに亘っての圧縮比低減推移の間におけるトルク変動が少なくなり、モータ制御の上から好ましい。こうした現象は、図中の燃焼圧・ばね合力のトルク線図と摩擦力に抗するためのトルク線図との対称性により、燃焼圧に起因にした力と摩擦力とばね合力の総和の変動が抑制されることからも説明でき、これら総和の力の変動抑制により、モータのトルク変動も抑制できると言える。
【0059】
一方、下限圧縮比εの側から高圧縮比への推移では、次のようになる。
下限圧縮比εに近い領域での高圧縮比推移では、ばね合力は、燃焼圧に起因した力と同様に高圧縮へのトルク伝達を妨げるよう作用するので、図6に示したトルクより大きなトルクを必要とする。しかしながら、高圧縮比側への推移が続けば、ばね合力は高圧縮側へのトルク伝達を補助となるよう反転して作用するので、燃焼圧に起因する力が高圧縮比側へのトルク伝達を妨げるよう作用しても、不用意なトルク増大を招かない。こうした現象も、上記した総和の力の変動抑制により説明できる。
【0060】
以上説明したように、本実施例の可変圧縮比エンジン100によれば、圧縮比の高低変更に際しては、サーボモータ112の回転駆動力を低減できるので、サーボモータ112には、高いモータ動力特性が不要となる。しかも、こうした圧縮比の高低変更に際して、サーボモータ112を正逆回転制御すれば足り、特段のトルク制御等を必要としない。これらの結果、サーボモータ112、延いては圧縮比変更機構を含めたエンジン周りの小型化や、モータ制御の簡略化を図ることができる。
【0061】
特に、下限圧縮比εの側において低圧縮比に変更する際には、ばね合力をシリンダブロック103が離間する側、即ち低圧縮比側へのトルク伝達を補助する側に作用させるので、次の利点がある。
低圧縮比への圧縮比変更は、エンジン負荷の増大に伴うものであることから、圧縮比変更が緩慢であると、ノッキングを発生しやすい。よって、低圧縮比への圧縮比変更には、迅速性が求められる。下限圧縮比εの側における低圧縮比への変更局面は、高いエンジン負荷により圧縮比を低圧縮比としていながら、さらなる負荷上昇により圧縮比をより低圧縮比に変更する局面に該当する。本実施例では、こうした下限圧縮比εの側における低圧縮比への変更局面において、ばね合力をシリンダブロック103が離間する方向に及ぼしている(図4、図7参照)ので、上記の変更局面において圧縮比を迅速に低圧縮比に変更でき、ノッキングの回避の上からより好ましい。また、サーボモータ112の応答性を不用意に高めなくても、圧縮比を迅速に低圧縮比に変更できることから、モータの小型化の点からも好ましい。
【0062】
本実施例の可変圧縮比エンジン100では、既述したように図4に示すばね力特性を種々のものとできるので、次のような利点もある。図8は第1バネ部材140と第2バネ部材150の呈するばね合力特性の他の態様を示す説明図、図9はばね合力を図8に示すようにした場合の圧縮比変更と圧縮比変更に関与する種々のトルクの関係を示す説明図である。
【0063】
図8に示すように、第1バネ部材140については、そのばね力特性をそのままとし、第2バネ部材150については、ばね定数を大きくする。そして、この第2バネ部材150は、下限圧縮比εLで第1バネ部材140とほぼ同じ大きさのばね力(点c)を上記の両機関部材にこれを近接するよう及ぼすようにし、上限圧縮比εMでは第1バネ部材140のほぼ倍の大きさのばね力(点d)を及ぼすようにする。そうすると、シリンダブロック103とロアケース104には、上記両バネ部材のばね力の合力として、図中の点eと点fを結ぶ特性のばね力が圧縮比推移に応じて及ぶことになり、このばね合力は、シリンダブロック103を近接させる側に常時作用することなる。
【0064】
従って、既述した図7に相当する図9では、このばね合力は、圧縮比の変更範囲に亘って圧縮比を増大させる側のトルク伝達を補助するよう作用し、上限圧縮比εMの側ほどその大きさは大きくなる。即ち、図中の燃焼圧・ばね合力のトルク線図は、上記のトルク伝達を妨げるよう作用する燃焼圧に起因する力をばね合力で抑制するような線図となる。こうしたことから、圧縮比を低圧縮比の側から高圧縮比の側に変更する際のモータトルクは、全体に低減し、上限圧縮比εMとするに必要な最大のトルクも小さくなるので、モータの小型化の観点から好ましい。この場合、低圧縮比の側への圧縮比変更のモータトルクは増すが、ばね合力によるトルク増は上限圧縮比εMの側で大きいものの、この状態では燃焼圧に起因する力も大きいので、モータトルクの特段の増大を招くものではない。
【0065】
なお、第1バネ部材140と第2バネ部材150のばね力特性を変更して、両バネ部材のばね力の合力が、図8とは逆に、シリンダブロック103を離間させる側に常時作用するようにすることもできる。こうすれば、圧縮比を低圧縮比とする際のモータトルクを小さくできる。
【0066】
次に、第2実施例について説明する。この実施例は、シリンダブロック103の両側に第2バネ部材150を配設した点に特徴がある。図10は第2実施例に係る可変圧縮比エンジン200の構成を概略的に示す説明図、図11は第2実施例の可変圧縮比エンジン200における図8の相当図、図12は同じく第2実施例の可変圧縮比エンジン200における図9の相当図である。
【0067】
図示するように、この可変圧縮比エンジン200では、シリンダブロック103の左右に第2バネ部材150を配設するに当たり、それぞれの第2バネ部材150は、図10の下限圧縮比εの状態において大きな引っ張り変位を与えて組み付けられている。よって、図示する状態では、大きなばね荷重(ばね力)をシリンダブロック103とロアケース104とを近接させる向きに発生させ、この大きなばね力をシリンダブロック103とロアケース104に及ぼす。そして、圧縮比がこの状態から高くなるほど第2バネ部材150の引っ張り変位は小さくなるので、第2バネ部材150のばね荷重は小さくなり、第2バネ部材150は、シリンダブロック103とロアケース104とを近接させる向きに作用するばね力を弱めて、当該ばね力をシリンダブロック103とロアケース104に及ぼす。
【0068】
この実施例にあっても、第2バネ部材150のばね力はシリンダブロック103を近接させる側に常時作用することなる。
【0069】
従って、既述した図7に相当する図9では、このばね力は、圧縮比の変更範囲に亘って圧縮比を増大させる側のトルク伝達を補助するよう常時作用し、燃焼圧に起因した力を緩和するよう働く。このため、圧縮比を低圧縮比の側から高圧縮比の側に変更する際のモータトルクは、全体に低減し、上限圧縮比εMとするに必要な最大のトルクも小さくなる。また、第2バネ部材150のばね力のトルク伝達への影響は下限圧縮比εの側で大きくなるので、この下限圧縮比εから圧縮比を高める際のモータトルクを小さくでき、圧縮比を高圧縮比の側に変更する際におけるモータトルクの変動を小さくできる。この結果、モータを不用意に高特性の大型のものとする必要が無くなる。
【0070】
以上本発明の実施例について説明したが、本発明は上記の実施例や実施形態になんら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
【0071】
例えば、上記の実施例では、ロアケース104に対してシリンダブロック103を上死点側にスライドさせて圧縮比を高低変更し、その際の各カム軸部の制御角度(カム軸角度)を0°〜90°としたが、シリンダブロック103を下死点側にスライドさせる構成を採ることもできる。この場合は、各カム軸部の制御角度(カム軸角度)は−0°〜−90°となる。
【0072】
こうした構成を採った場合は、圧縮比変更とその圧縮比推移の間にシリンダブロック103とロアケース104に作用する力の関係は、次のようになる。図13はシリンダブロック103を下死点側にスライドさせた構成での第1バネ部材140と第2バネ部材150を有しない既存の可変圧縮比エンジンでの圧縮比変更と圧縮比変更に関与する種々のトルクの関係を示す説明図である。
【0073】
シリンダブロック103を下死点側にスライドさせて圧縮比を高低変更する場合は、図5で説明した各カム軸部の中心軸A〜Cは、図5に示す位置関係と鏡像の関係となる。よって、摩擦力の発生の様子と燃焼圧に起因する力の発生の様子は高圧縮比の側への変更と低圧縮比の側への変更とで逆転する。つまり、図13に示すように、摩擦力は、シリンダブロック103のスライド移動等を妨げトルク伝達を阻害するが、上記した中心軸の位置関係から、この摩擦力に抗するためのトルクは、上限圧縮比εMの側で大きく下限圧縮比εの側で小さくなる。また、燃焼圧に起因した力については、シリンダブロック103をロアケース104から上昇させようとする方向に働くので、高圧縮比側への圧縮比推移に際しては、各カム軸部を介したトルク伝達に有利に作用する。従って、シリンダブロック103を下死点側にスライドさせる構成では、この燃焼圧に起因した力がトルク伝達に関与する様子は、摩擦力の場合と同じとなり、図13に示すように摩擦力に抗するトルクと同じ側のトルクとなり、下限圧縮比εの側で最も大きくなる。
【0074】
このように、シリンダブロック103を下死点側にスライドする構成を採れば、摩擦力に抗するトルクの状況や燃焼圧に起因した力が関与するトルクの作用方向等が異なる。しかし、第1実施例と同様にシリンダブロック103の両側に第1バネ部材140と第2バネ部材150とを組み込み、それぞれのばね力特性を種々調整することで、第1実施例と同様に、第1バネ部材140と第2バネ部材150の呈するばね合力をサーボモータ112の回転駆動力のトルク伝達を補助するよう作用させて、モータトルクの低減、モータトルクの変動抑制等の効果を奏することができる。
【0075】
また、上述した第1実施例においては、カム部109b−シリンダブロック103、可動軸受部109c−ロアケース104の組み合わせで圧縮比変更機構を構築したが、カム部−ロアケース、可動軸受部−シリンダブロックの組み合わせで圧縮比変更機構を構築しても良い。また、カム部109bの形状は正円であることが好ましいが、正円でなくでも機能し得る。例えば、上述した実施例において、長径がカム部109bと同じ長さを有する楕円や卵形をしていても機能し得る。
【0076】
さらに、上記の実施例の可変圧縮比エンジンにあっては、V型エンジンや水平対向型エンジンにも容易に適用できる。この場合、各バンク毎に上述した一対のカム軸を配置しても良いし、V型エンジンの場合は両バンクの基部に一対のカム軸を配置して、両バンクによって形成される中心角の中央方向にV型のバンク全体をスライドさせて圧縮比を変えてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例に係る可変圧縮比エンジン100の概略分解斜視図である。
【図2】この可変圧縮比エンジン100の概略構成を示す概略斜視図である。
【図3】可変圧縮比エンジン100の要部を断面視して示す説明図である。
【図4】圧縮比推移とバネ部材のばね力との関係を説明する説明図である。
【図5】可変圧縮比エンジン100にて圧縮比を変更する際の機器駆動の様子を説明する説明図である。
【図6】第1バネ部材140と第2バネ部材150を有しない既存の可変圧縮比エンジンでの圧縮比変更と圧縮比変更に関与する種々のトルクの関係を示す説明図である。
【図7】実施例の可変圧縮比エンジン100における圧縮比変更と圧縮比変更に関与する種々のトルクの関係を示す説明図である。
【図8】第1バネ部材140と第2バネ部材150の呈するばね合力特性の他の態様を示す説明図である。
【図9】ばね合力を図8に示すようにした場合の圧縮比変更と圧縮比変更に関与する種々のトルクの関係を示す説明図である。
【図10】第2実施例に係る可変圧縮比エンジン200の構成を概略的に示す説明図である。
【図11】第2実施例の可変圧縮比エンジン200における図8の相当図である。
【図12】同じく第2実施例の可変圧縮比エンジン200における図9の相当図である。
【図13】シリンダブロック103を下死点側にスライドさせた構成での第1バネ部材140と第2バネ部材150を有しない既存の可変圧縮比エンジンでの圧縮比変更と圧縮比変更に関与する種々のトルクの関係を示す説明図である。
【符号の説明】
100…可変圧縮比エンジン
102…シリンダ
103…シリンダブロック
104…ロアケース
105…カム収納孔
106…ボルト
107…キャップ
108…軸受収納孔
109…カム軸
109a…軸部
109b…カム部
109c…可動軸受部
109d…取付部
110…ウォームホイール
111a,111b…ウォーム
112…サーボモータ
115…クランクシャフト
130…隆起部
131…上端突出片
132…立壁部
133…バネ座面
140…第1バネ部材
150…第2バネ部材
200…可変圧縮比エンジン

Claims (5)

  1. 圧縮比変更のための回転駆動力を発生する駆動源と、該回転駆動力を伝達する伝達手段とを備え、該伝達手段から駆動力の伝達を受ける圧縮比変更機構により、ピストンヘッド側の機関部材とクランクケース側の機関部材の少なくとも一方を燃焼圧に抗して駆動することで、前記両機関部材間の相対的な位置関係を変更して燃焼室容積を変え、圧縮比を変更する内燃機関における圧縮比制御方法であって、
    前記圧縮比変更機構が圧縮比変更のために駆動する際に、前記両機関部材に及ぶ付勢力を前記両機関部材間の相対的な位置関係の変更状況に応じて発生させ、該付勢力を前記伝達手段による前記駆動源の回転駆動力の伝達トルクが低減するよう前記両機関部材に及ぼして前記圧縮比変更機構による圧縮比変更を補助する圧縮比制御方法。
  2. 圧縮比を変更する内燃機関であって、
    圧縮比変更のための回転駆動力を発生する駆動源と、
    該回転駆動力を伝達する伝達手段と、
    ピストンヘッド側の機関部材とクランクケース側の機関部材の少なくとも一方を、前記伝達手段からの伝達駆動力により駆動することで、前記両機関部材間の相対的な位置関係を変更して燃焼室容積を変え、圧縮比を変更する圧縮比変更機構と、
    前記両機関部材間に設けられ、前記両機関部材に及ぶ付勢力を発生させる付勢手段とを備え、
    該付勢手段は、
    前記圧縮比変更機構が圧縮比変更のために駆動する際に、前記両機関部材間の相対的な位置関係の変更状況に応じて前記付勢力を発生させ、該付勢力を前記伝達手段による前記駆動源の回転駆動力の伝達トルクが低減するよう前記両機関部材に及ぼして前記圧縮比変更機構による圧縮比変更を補助する内燃機関。
  3. 請求項2記載の内燃機関であって、
    前記付勢手段は、
    前記伝達手段から前記圧縮比変更機構への駆動力伝達に関与するよう燃焼圧に起因して発生する第1の力と、前記駆動力伝達に関与するよう前記圧縮比変更機構の駆動に伴って発生する第2の力と前記付勢力とが協働して前記伝達トルクが低減するよう前記付勢力を前記両機関部材に及ぼす内燃機関。
  4. 請求項3記載の内燃機関であって、
    前記付勢手段は、
    高圧縮比の側から低圧縮比の側へ前記圧縮比変更機構が駆動する状況下で、前記第1の力を補うよう調整されたバネ特性を発揮するバネ機構を有する内燃機関。
  5. 請求項3記載の内燃機関であって、
    前記付勢手段は、
    低圧縮比の側から高圧縮比の側へ前記圧縮比変更機構が駆動する状況下で、前記第1の力を緩和するよう調整されたバネ特性を発揮するバネ機構を有する内燃機関。
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