JP2008045443A - 可変圧縮比内燃機関 - Google Patents

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Abstract

【課題】カム軸を回動させることにより圧縮比を変更可能な可変圧縮比機構を備える可変圧縮比内燃機関において、内燃機関の圧縮比が維持されている期間中に内燃機関の作動に起因してカム軸に作用する荷重の合力の方向が一定になることを抑制し、該カム軸に油膜切れが生じることを抑制する。
【解決手段】付勢力発生機構によってシリンダブロックとクランクケースとを接近させる方向に付勢力Lpを付勢することにより、付勢力Lpと自重Lfとの合力の大きさを最大負荷時最小合成筒内圧荷重LcminMより大きく、且つフューエルカット時最大合成筒内圧荷重LcmaxFよりも小さくさせる。
【選択図】図6

Description

本発明は、可変圧縮比内燃機関に関する。
近年、内燃機関の燃費性能や出力性能などを向上させることを目的とした、内燃機関の圧縮比を可変にする技術が提案されている。この種の技術としては、シリンダブロックとクランクケースとを相対移動可能に連結するとともにその連結部分にカム軸を設け、前記カム軸を回動させてシリンダブロックとクランクケースとを、気筒の軸線方向に相対移動させることで燃焼室の容積を変更し、以って内燃機関の圧縮比を変更する技術が提案されている(例えば、特許文献1を参照。)。
上記技術においては、内燃機関の燃焼による筒内圧力やシリンダブロックの自重等に起因した荷重がカム軸とカム軸の軸受部の間に作用する。そして、上記のカム軸はクランクシャフトや動弁系のカム軸のように常時回転されるわけではないため、カム軸に対して一定方向の力が継続して作用する場合には、カム軸とカム軸の軸受部との間に周囲から潤滑油が供給され難く、いわゆる油膜切れが発生する場合があった。
特開2003−206771 特開2005−61267 特開2001−317383
本発明は、上記従来技術に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、カム軸を回動させることにより内燃機関の圧縮比を変更可能な可変圧縮比機構を備える可変圧縮比内燃機関において、カム軸とカム軸の軸受け部との間に油膜切れが生じることを抑制できる技術を提供することである。
上記目的を達成するための本発明は、可変圧縮比内燃機関(以下、単に「内燃機関」ともいう。)の圧縮比を変更可能な可変圧縮比機構に設けられるとともに該可変圧縮比機構が該内燃機関の圧縮比を変更させるときに回動するカム軸に対し、該内燃機関の圧縮比が維持されている期間中に内燃機関の作動に起因してカム軸に作用する荷重の合力の方向が一定になることを抑制するように、該カム軸に対して付勢力を作用させることを最大の特徴とする。
より詳しくは、内燃機関のピストンが上死点に位置するときの燃焼室の容積をカム軸を回動させることによって変更し該燃焼室の容積の変化によって前記内燃機関の圧縮比を変更する可変圧縮比機構と、
前記内燃機関の圧縮比が維持されている期間中に前記内燃機関の作動に起因して該カム軸に作用する荷重の合力の方向が一定になることを、該カム軸に対して付勢力を作用させることによって抑制する付勢力付与手段と、
を備えることを特徴とする。
上記構成の内燃機関においては、圧縮比を変更するために前記可変圧縮比機構に設けられる前記カム軸を回動させる。このような圧縮比変更機構を備える可変圧縮比内燃機関においては、前記内燃機関の圧縮比が維持されている期間中、つまり前記圧縮比を変更させるために回動される前記カム軸の回動が停止されている期間中に前記内燃機関の作動に起
因して該カム軸に作用する荷重の合力が該カム軸に対して一定方向に継続して作用する場合がある。
ここで、前記内燃機関の作動に起因して該カム軸に作用する荷重として、前記内燃機関の燃焼による筒内圧力に基づいて該カム軸に作用する荷重である所定の周期変動荷重が例示できる。そして、前記筒内圧力の大きさは内燃機関の燃焼サイクルに周期的に変動するものの、運転状態(例えば、機関回転数や機関負荷)によっては負圧が発生しない状態が継続することによって、前記所定の周期変動荷重が前記カム軸に対して一定方向に継続して作用する場合があった。そのような場合には、前記カム軸とカム軸の軸受部との間に周囲から潤滑油が供給され難くなり、該カム軸と軸受け部との間に油膜切れが発生する虞があった。
これに対し、本発明においては、前記付勢力付与手段が、前記内燃機関の圧縮比が維持されている期間中に、前記内燃機関の作動に起因して該カム軸に作用する荷重の合力の方向が一定になることを該カム軸に対して付勢力を作用させることによって抑制する。これにより、前記カム軸と軸受け部との間に油膜切れが発生することを抑制することができる。
ここで、前記付勢力付与手段は、例えば、バネ機構やスプリング機構を有していても良い。つまり、前記付勢力付与手段は上記のバネやスプリングの有する復元力を利用して前記カム軸に対して付勢力を作用させても良い。これにより、簡易な機構により前記付勢力を付勢することが可能となる。また、前記付勢力付与手段が前記カム軸に作用させる付勢力は、一定荷重であっても良いし、例えば運転状態の変化に応じて大きさが変動する変動荷重であっても良い。
また、本発明において、前記カム軸は、相対移動可能に連結された前記内燃機関のシリンダブロックとクランクケースとの連結部に回動自在に設けられており、
前記可変圧縮比機構は、前記カム軸を回動させて前記シリンダブロックとクランクケースとを相対移動させることで圧縮比を変更し、
前記付勢力付与手段は前記シリンダブロック若しくはクランクケースのうち少なくとも何れかに対して該シリンダブロックとクランクケースとを近づける方向に前記付勢力を作用させ、
前記付勢力の大きさは、前記付勢力に基づく付勢荷重と前記内燃機関の燃焼による筒内圧力に基づく所定の周期変動荷重と前記内燃機関の自重に基づく所定の固定荷重とにより前記カム軸に対してシリンダの軸線方向に作用する荷重の合力の方向が、前記周期変動荷重が最大になるときと最小になるときとでは逆向きになるように定められても良い。
上記構成の可変圧縮比内燃機関においては、圧縮比を変更するために、前記シリンダブロックとクランクケースとが前記カム軸を介して相対移動可能に連結されているため、該カム軸にはシリンダブロックの自重に基づく所定の固定荷重が作用する。ここで自重とは、シリンダブロック自体の重量と、該シリンダブロックに作用するシリンダヘッド等の重量との総和の重量を意味する。
さらに、前記カム軸には、上述した前記所定の周期変動荷重によって前記シリンダの軸線方向に荷重が作用する。そして、該周期変動荷重の発生の原因である前記筒内圧力が負圧となるのは主として吸気行程に限られるとともに前記燃焼サイクルにおける筒内圧力の大部分は正圧であるため、前記カム軸に対して作用する荷重は、前記シリンダブロックとクランクケースとを離反させる方向に作用することが多いと考えられる。
そして、前記固定荷重に比べて前記周期変動荷重の方が大きい状態が長期に亘り継続さ
れると、前記カム軸に作用する荷重の合力が該カム軸に対して一定方向に継続して作用することになる。そのような場合には、前記カム軸とカム軸の軸受部との間に周囲から潤滑油が供給され難く、油膜切れが発生する虞がある。
これに対し、本発明においては、前記付勢力付与手段によって前記シリンダブロック若しくはクランクケースのうち少なくとも何れかに対して、該シリンダブロックとクランクケースとを近づける方向に付勢力を作用させる。
そして、前記付勢力付与手段は、前記付勢力に基づく付勢荷重と前記周期変動荷重と前記固定荷重とにより前記カム軸に対して前記シリンダの軸線方向に作用する荷重の合力の方向が、前記周期変動荷重が最大になるときと最小になるときとでは逆向きになるように前記付勢力を作用させる。
即ち、前記カム軸に作用する荷重の合力の方向が、前記周期変動荷重が最大になる時は前記シリンダブロックとクランクケースを遠ざける方向であって、且つ前記周期変動荷重が最小になる時は前記シリンダブロックとクランクケースを近づける方向となるように前記付勢力が付勢される。
上記付勢力が付勢されると、例えば、前記内燃機関の圧縮行程において前記周期変動荷重が増大し、少なくとも前記周期変動荷重が最大となる時には、前記付勢荷重と前記固定荷重とによって前記シリンダブロックと前記クランクケースとを接近させようとする力よりも、前記周期変動荷重によって前記シリンダブロックと前記クランクケースとを離反させようとする力の方が大きくなる。
一方、例えば、前記内燃機関の吸気行程において前記周期変動荷重が減少し、少なくとも前記周期変動荷重が最小となる時には、前記付勢荷重と前記固定荷重とによって前記シリンダブロックと前記クランクケースとを接近させようとする力の方が、前記周期変動荷重によって前記シリンダブロックと前記クランクケースとを離反させようとする力よりも大きくなる。
このように、本発明においては前記周期変動荷重が随時変化することに伴い、前記カム軸に作用する荷重の合力の方向を変化させることができる。従って、前記カム軸に作用する荷重の合力が該カム軸に対して同一の方向に継続して作用することが抑制され、前記カム軸とカム軸の軸受部との間に周囲から潤滑油が供給され易くなり、油膜切れを抑制することができる。
尚、本発明において前記カム軸には、該カム軸が回動する際の回動中心となる軸部と、軸部に対して偏心して形成されたカム面を有するカム部とが含まれる。また、前記カム軸の軸受部には、前記軸部を回動可能に支持する軸受と、前記カム面が当接する相手側であるカム当接面とが含まれる。
また、前記内燃機関が複数のシリンダを有する場合における前記周期変動荷重とは、各シリンダにおける前記周期変動荷重を全てのシリンダに亘り合成したときの前記カム軸に対して作用する合力を意味する。
ここで、上述したように、前記内燃機関の機関負荷等による運転状態に応じて、前記燃焼サイクルにおける前記周期変動荷重の最大値と最小値とは変化する。従って、前記付勢力付与手段は、前記内燃機関における全ての運転状態に亘り、前記周期変動荷重が最大になるときと最小になるときとでは前記合力の方向が逆向きになるように前記付勢力を作用させても良い。
また、前記内燃機関が最大負荷の状態である場合及び前記内燃機関がフューエルカット状態である場合において、
前記付勢力付与手段は、前記周期変動荷重が最大になるときと最小になるときとでは前記合力の方向が逆向きになるように前記付勢力を作用させても良い。
このように、前記付勢力付与手段によって適切な付勢力が付勢されることによって、より確実に前記カム軸と前記軸受け部との間の油膜切れを抑制することが可能となる。
また、前記内燃機関が複数のシリンダを有する場合には、個々のシリンダによる筒内圧力が合成されて前記カム軸に作用する。このように前記筒内圧力が合成されると、機関負荷が高負荷の際における、前記筒内圧力の最小値が増大し、該内燃機関がより多くのシリンダを有するほどその傾向が大きい。
そのような場合には、前記内燃機関がフューエルカット状態における前記周期変動荷重と前記固定荷重との合力の最大値より前記内燃機関が最大負荷の状態における該合力の最小値の方が大きくなる場合がある。そのような場合に前記付勢力付与手段は、前記内燃機関が最大負荷の状態である場合及び前記内燃機関がフューエルカット状態である場合において、適切な大きさの付勢力を作用させることができない場合がある。
これに対し、より確実に前記カム軸と前記軸受け部との間の油膜切れを抑制するための本発明は、前記付勢力付与手段によって付勢される前記付勢力の大きさを変更しても良い。即ち、前記付勢力付与手段は前記付勢力の大きさを変更可能とする付勢力変更機構を有し、該付勢力変更機構は、前記内燃機関がフューエルカット状態であるときに比べて内燃機関が最大負荷の状態であるときの方が、前記付勢荷重が大きくなるように前記付勢力を作用させても良い。
そうすることによって、運転状態に関わらず、前記カム軸に作用する荷重の合力の方向を、前記周期変動荷重が最大になるときと最小になるときとでは逆向きにすることが可能となる。
また、本発明においては、前記内燃機関の運転状態に応じた筒内圧力を推定する筒内圧力推定手段と、該筒内圧力推定手段が推定する筒内圧力に基づいて前記周期変動荷重を推定する周期変動荷重推定手段をさらに備え、前記付勢力付与手段は、前記周期変動荷重推定手段が推定した周期変動荷重に基づいて前記付勢力変更機構により前記付勢力の大きさを変更させても良い。
ここで、前記筒内圧力は内燃機関の運転状態によって変動し、該筒内圧力が変動することに伴い前記周期変動荷重も変動する。即ち、前記筒内圧力が増大するほど前記周期変動荷重も増大すると考えられる。これに対し、本発明においては前記筒内圧力推定手段が運転状態の変化に伴って変化する筒内圧力を推定し、該推定される筒内圧力に基づいて前記周期変動荷重推定手段が前記周期変動荷重を推定することができる。従って、前記付勢力付与手段は、推定される前記周期変動荷重に基づいて前記付勢力変更機構に適切な大きさの前記付勢力を付勢させることができる。
例えば、前記付勢力変更機構は推定された前記周期変動荷重が大きいほど該付勢力を大きくするとともに、前記周期変動荷重が小さいほど該付勢力を小さくしても良い。その結果、より確実に前記カム軸に作用する荷重の合力の方向を、前記周期変動荷重が最大になるときと最小になるときとでは逆向きにすることが可能となり、以って前記カム軸とカム軸の軸受部との間の油膜切れを抑制することができる。
また、前記付勢力変更機構は例えば、前記シリンダブロックとクランクケースのうち少なくとも何れかに対し、アクチュエータによる出力によって油圧を作用させることの可能な構成としても良い。このような構成とすれば、アクチュエータによる出力を調節することにより、前記付勢力の大きさを変更することができる。
また、本発明において、前記筒内圧力推定手段は少なくとも前記内燃機関の機関回転数または機関負荷に基づいて前記筒内圧力を推定するようにしても良い。また、前記筒内圧力推定手段は機関負荷の代わりに前記内燃機関の吸入空気量に基づいて前記筒内圧力を推定しても良い。また、例えば前記内燃機関の気筒内に圧力センサを設け、該圧力センサの検出値に基づいて前記筒内圧力を推定するようにしても良い。
また、本発明において、前記内燃機関がフューエルカット状態における前記周期変動荷重と前記固定荷重との合力の最大値より前記内燃機関が最大負荷の状態における該合力の最小値の方が大きい場合には、該フューエルカット状態における筒内圧力の最大値を増大させて前記周期変動荷重の最大値を増大させても良い。
そこで、本発明においては、前記内燃機関の吸入空気量を変更する吸気量変更手段を備え、前記内燃機関がフューエルカット状態である場合に、前記吸気量変更手段が前記吸入空気量を増大させて前記筒内圧力の最大圧力を増大させても良い。
即ち、吸気量変更手段がフューエルカット状態における前記内燃機関の吸入空気量を増大させることによって、該フューエルカット状態の前記周期変動荷重の最大値を最大負荷時における前記周期変動荷重の最小値より大きくすることができる。これにより、前記付勢力付与手段は、前記付勢力に基づく付勢荷重と前記周期変動荷重と前記固定荷重とにより前記カム軸に対して前記シリンダの軸線方向に作用する荷重の合力の方向が、前記周期変動荷重が最大になるときと最小になるときとでは逆向きになるように前記付勢力を付勢することが可能となる。
また、上記のように前記内燃機関の吸入空気量を増大させるための本発明は、該内燃機関がフューエルカット状態において、前記吸気量変更手段は、該内燃機関のスロットル開度を増大させても良い。これにより吸入空気量を増大させるとともに、前記筒内圧力を増大させることができる。即ち、前記フューエルカット状態の前記周期変動荷重の最大値を最大負荷時における前記周期変動荷重の最小値より大きくすることができる。
また、上記のようにフューエルカット状態においてスロットル開度を増大させると減速感を充分に得ることが困難となる場合がある。そこで本発明において、前記吸気量変更手段は前記内燃機関の吸気弁のバルブタイミングを変更する可変バルブタイミング機構を有し、前記可変バルブタイミング機構は、前記吸気弁の開弁時期を遅角側に変更させても良い。
ここで、前記可変バルブタイミング機構とは、前記内燃機関のピストンが所定位置にある所定時期に対する前記吸気弁のバルブタイミングの相対的な時期的関係を変更可能とする機能を有する機構である。尚、該ピストンの所定位置とは、例えば圧縮行程の上死点や下死点が例示できる。
このように、該吸気弁の開弁時期を遅角させると該吸気弁の開弁時における筒内負圧が増大する。その結果、ポンプ損失が増大することにより前記スロットル開度を大きくしても充分に減速感を得ることが可能となる。即ち、前記フューエルカット状態における減速感を維持しつつ、前記筒内圧力の最大値を増大させることが可能となる。
更に、上記のように前記内燃機関の吸入空気量を増大させるための本発明は、前記吸気量変更手段は前記内燃機関の吸気弁のバルブタイミングを変更する可変バルブタイミング機構を有し、該可変バルブタイミング機構は吸入空気量が大きくなるように前記吸気弁の閉弁時期を変更させても良い。
そして、前記内燃機関の吸入空気量を増大させるべく、前記可変バルブタイミング機構は、前記内燃機関の運転状態に応じて前記吸気弁の閉弁時期を変更する。従って、該吸入空気量が増大されることによって前記筒内圧力の最大値を増大させることができる。その結果、前記フューエルカット状態の前記周期変動荷重の最大値を最大負荷時における前記周期変動荷重の最小値より大きくすることができる。
以上より、前記内燃機関が最大負荷の状態とフューエルカット状態とにおいて、前記付勢力付与手段によって前記周期変動荷重が最大になるときと最小になるときとでは前記カム軸に作用する荷重の合力の方向が逆向きになるように前記付勢力を付勢することが可能となる。そして、前記カム軸に作用する荷重の合力が該カム軸に対して同一の方向に継続して作用することを抑制し、前記カム軸とカム軸の軸受部との間における油膜切れを抑制することができる。
本発明にあっては、内燃機関のピストンが上死点に位置するときの燃焼室の容積をカム軸を回動させることによって変更し該燃焼室の容積の変化によって前記内燃機関の圧縮比を変更する可変圧縮比機構を備える可変圧縮比内燃機関において、前記内燃機関の圧縮比が維持されている期間中に、前記内燃機関の作動に起因して該カム軸に作用する荷重の合力の方向が一定になることを抑制し、以って該カム軸に油膜切れが生じることを抑制することができる。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための最良の形態を例示的に詳しく説明する。尚、本実施の形態に記載されている構成要素の寸法、材質、形状、その相対配置等は、特に特定的な記載がない限りは、発明の技術的範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
図1は、本発明に係る圧縮比を可変とする可変圧縮比内燃機関(以下、単に「内燃機関」という)1の概略構成を示した図である。尚、本実施例においては、内燃機関1における一部の構成要素の表示を省略している。
シリンダ2内の燃焼室には、シリンダヘッド30に設けられた吸気ポート18を介して吸気管19が接続されている。そして、吸気管19には、該吸気管19内を流通する吸気の流量を調節するスロットルバルブ26が設けられている。シリンダ2への吸気の流入は吸気弁35によって制御される。吸気弁35の開閉は、吸気側カム37の回転駆動によって制御される。また、シリンダヘッド30に設けられた排気ポート20を介して、排気管21が接続されている。シリンダ2外への排気の排出は排気弁36によって制御される。排気弁36の開閉は排気側カム38の回転駆動によって制御される。更に、吸気ポート18には燃料噴射弁17が、シリンダ2の頂部には、点火プラグ16、筒内圧力センサ42が設けられている。そして、内燃機関1のクランクシャフト13にコンロッド14を介して連結されたピストン15が、シリンダ2内で往復運動を行う。
また、内燃機関1には、該内燃機関1を制御するための電子制御ユニット(以下、「E
CU」という)90が併設されている。このECU90は、CPUの他、後述する各種のプログラム及びマップを記憶するROM、RAM等を備えており、内燃機関1の運転条件や運転者の要求に応じて内燃機関1の運転状態等を制御するユニットである。
ここで、アクセル開度センサ92がECU90と電気的に接続されており、ECU90はアクセル開度に応じた信号を受け取り、それより内燃機関1に要求される機関負荷等を算出する。また、クランクポジションセンサ91がECU90と電気的に接続されており、ECU90は内燃機関1の出力軸の回転角に応じた信号を受け取り、内燃機関1の機関回転速度等を算出する。筒内圧力センサ42がECU90と電気的に接続されており、ECU90は各シリンダ2の筒内圧力に応じた信号を受け取ることができる。スロットルバルブ26がECU90と電気的に接続されており、ECU90によって制御することができる。従って、本実施例においてECU90はスロットルバルブ26とともに吸気量変更手段の一部を構成する。
次に、内燃機関1における吸気弁35及び排気弁36の開閉動作について、図2に基づいて説明する。図2は、本実施例に係る内燃機関における主として吸気弁35及び排気弁36の開閉機構を示した図である。吸気弁35の開閉動作は吸気側カム37によって行われる。この吸気側カム37は吸気側カムシャフト22に取り付けられ、更に吸気側カムシャフト22の端部には吸気側ギア24が設けられている。更に、吸気側カムシャフト22と吸気側ギア24との相対的な回転位相を変更可能とする可変回転位相機構(以下、「吸気側VVT」という)23が設けられている。
この吸気側VVT23は、ECU90からの指令に従って吸気側カムシャフト22と吸気側ギア24との相対的な回転位相を制御する。更に、吸気側カムシャフト22の回転角を検出する吸気側カム角センサ93が設けられ、吸気側カム角センサ93とECU90が電気的に接続されている。従って、吸気側VVT23は本実施例において可変バルブタイミング機構に相当し、吸気量変更手段の一部を構成する。
一方、排気弁36の開閉動作は排気側カム38によって行われる。この排気側カム38は排気側カムシャフト25に取り付けられ、更に排気側カムシャフト25の端部には排気側ギア27が設けられている。そして、吸気側カムシャフト22と排気側カムシャフト25の回転駆動は、クランクシャフト13の駆動力をチェーン41によって伝達することで行われる。そこで、チェーン41は、シリンダブロック3に設けられるとともにクランク側ギア39と噛み合うリダクションギア40と、吸気側ギア24と、排気側ギア27と、に掛けられることで、クランクシャフト13の駆動力によって吸気弁35、排気弁36の開閉動作が行われる。
次に、本実施例に係る内燃機関1の可変圧縮比機構の構成について、図3に基づいて説明する。図3は、本実施例に係る内燃機関1における可変圧縮比機構の概略構成を示した分解斜視図である。図3に示されるように、シリンダブロック3の両側下部に複数の隆起部が形成されており、この各隆起部に軸受収納孔5が形成されている。軸受収納孔5は、円形をしており、シリンダ2の軸方向に対して直角に、かつ複数のシリンダ2の配列方向に平行になるようにそれぞれ形成されている。軸受収納孔5はすべて同一軸線上に位置している。そして、シリンダブロック3の両側の軸受収納孔5の一対の軸線は平行である。
クランクケース4には、上述した軸受収納孔5が形成された複数の隆起部の間に位置するように、立壁部が形成されている。各立壁部のクランクケース4外側に向けられた表面には、半円形の凹部が形成されている。また、各立壁部には、ボルト6によって取り付けられるキャップ7が用意されており、キャップ7も半円形の凹部を有している。また、各立壁部にキャップ7を取り付けると、円形のカム収納孔8が形成される。カム収納孔8の
形状は、上述した軸受収納孔5と同一である。
複数のカム収納孔8は、軸受収納孔5と同様に、シリンダブロック3をクランクケース4に取り付けたときにシリンダ2の軸方向に対して直角に、且つ、複数のシリンダ2の配列方向に平行になるようにそれぞれ形成されている。これらの複数のカム収納孔8も、シリンダブロック3の両側に形成されることとなり、片側の複数のカム収納孔8はすべて同一軸線上に位置している。そして、シリンダブロック3の両側のカム収納孔8の一対の軸線は平行である。また、両側の軸受収納孔5の間の距離と、両側のカム収納孔8との間の距離は同一である。
交互に配置される二列の軸受収納孔5とカム収納孔8には、それぞれカム軸9が挿通される。カム軸9は、図1に示されるように、軸部9aと、軸部9aの中心軸に対して偏心
された状態で軸部9aに固定された正円形のカムプロフィールを有するカム部9bと、カム部9bと同一外形を有し軸部9aに対して回転可能に取り付けられた可動軸受部9cとが交互に配置されている。一対のカム軸9は鏡像の関係を有している。また、カム軸9の端部には、後述するギア10の取り付け部9dが形成されている。軸部9aの中心軸と取り付け部9dの中心とは偏心しており、カム部9bの中心と取り付け部9dの中心とは一致している。
可動軸受部9cも、軸部9aに対して偏心されておりその偏心量はカム部9bと同一である。また、各カム軸9において、複数のカム部9bの偏心方向は同一である。また、可動軸受部9cの外形は、カム部9bと同一直径の正円であるので、可動軸受部9cを回転させることで、複数のカム部9bの外表面と複数の可動軸受部9cの外側面とを一致させることができる。
各カム軸9の一端にはギア10が取り付けられている。一対のカム軸9の端部に固定された一対のギア10には、それぞれウォームギア11a、11bがかみ合っている。ウォームギア11a、11bは単一のモータ12の一本の出力軸にとりつけられている。ウォームギア11a、11bは、互いに逆方向に回転する螺旋溝を有している。このため、モータ12を回転させると、一対のカム軸9は、ギア10を介して互いに逆方向に回転する。モータ12は、シリンダブロック3に固定されており、シリンダブロック3と一体的に移動する。
次に、上述した構成の内燃機関1において圧縮比を制御する方法について詳しく説明する。図4は、本実施例に係る内燃機関1におけるシリンダブロック3がクランクケース4に対して相対移動する経過を示す断面図である。図4(a)から図4(c)において、軸部9aの中心軸をa、カム部9bの中心をb、可動軸受部9cの中心をcとして示す。図4(a)は、軸部9aの延長線上から見て全てのカム部9b及び可動軸受部9cの外周が一致した状態である。このとき、ここでは一対の軸部9aは、軸受収納孔5及びカム収納孔8の中で外側に位置している。
図4(a)の状態から、モータ12を駆動して軸部9aを矢印方向に回転させると、図4(b)の状態となる。このとき、軸部9aに対して、カム部9bと可動軸受部9cの偏心方向にずれが生じるので、クランクケース4に対してシリンダブロック3を上死点側にスライドさせることができる。そして、そのスライド量は図4(c)の状態となるまでカム軸9を回転させたときが最大となり、カム部9bや可動軸受部9cの偏心量の2倍となる。カム部9b及び可動軸受部9cは、それぞれカム収納孔8及び軸受収納孔5の内部で回転し、それぞれカム収納孔8及び軸受収納孔5の内部で軸部9aの位置が移動するのを許容している。
上記の機構を用いることによって、シリンダブロック3をクランクケース4に対して、気筒2の軸線方向に相対移動させることが可能となり、圧縮比を可変制御することができる。
次に、本実施例に係る内燃機関1おけるシリンダブロック3とクランクケース4とを接近させる方向に付勢するスプリング機構45について、図5に基づいて説明する。図5は本実施例に係る内燃機関1におけるスプリング機構45の概念図を示した図である。
本実施例において、シリンダブロック3とクランクケース4との間には、スプリング機構45が設けられている。このスプリング機構45の復元力の大きさを適切に設定することによって、所望の付勢力をシリンダブロック3とクランクケース4との間に発生させることができる。尚、スプリング機構45は本実施例において付勢力付与手段に相当する。
次に図6は、本実施例に係る内燃機関1のクランク角CAとカム軸9のシリンダ2の軸線方向に作用する筒内圧力Pに起因する荷重(以下、単に「筒内圧荷重」ともいう。)Lcとの関係を例示した図である。図6の横軸は内燃機関1のクランク角CAを表す。また、縦軸は筒内圧荷重Lcを表し、シリンダブロック3とクランクケース4とを離反するように作用する方向をプラス側に示している。また、図6(a)は、内燃機関1の最大負荷時における状態を示し、図6(b)は、内燃機関1のフューエルカット時における状態を示す。また、筒内圧荷重Lcは、本実施例において筒内圧力に基づく所定の周期変動荷重に相当する。
また、図6に示した筒内圧荷重Lcは、内燃機関1が3個のシリンダ2を有している場合について例示的に示したものである。そして、筒内圧荷重Lcのうち各シリンダ2によって発生する筒内圧荷重(以下、単に「単一筒内圧荷重」ともいう。)Lcsを破線により示し、単一筒内圧荷重Lcsを全てのシリンダ2に亘り合成した筒内圧荷重(以下、単に「合成筒内圧荷重」ともいう。)Lccを実線により示す。
また、シリンダブロック3とクランクケース4とはスライド可能に可変圧縮比機構を介して結合しており、カム軸9には、シリンダブロック3の自重に起因する荷重(以下、単に「自重」ともいう。)Lfがシリンダ2の軸線方向に作用する。従って、自重Lfは本実施例において自重に基づく所定の固定荷重に相当する。尚、自重Lfにはシリンダブロック3の重量の他、該シリンダブロック3に作用するシリンダヘッド30等の重量が含まれる。また、自重Lfはシリンダブロック3とクランクケース4とを接近させる方向に作用しており、自重Lfの大きさの絶対値を一点鎖線により示す。
ここで、図6(a)に示すように、内燃機関1の最大負荷時においては、合成筒内圧荷重Lccが増大するため、該合成筒内圧荷重Lccが最小となるときにおいても自重Lfに比べて合成筒内圧荷重Lccが大きくなる。そのような状態が継続されると、カム軸9に対してシリンダブロック3とクランクケース4とを離反する方向に継続的に荷重が作用する虞がある。
そこで、本実施例に係る内燃機関1では、上述の付勢力発生機構によってシリンダブロック3とクランクケース4とを接近させる方向に一定荷重である付勢力Lpを付勢することとした。ここで、付勢力Lpと自重Lfとの合力の大きさの絶対値を二点鎖線により図中に示す。尚、付勢力Lpは本実施例において付勢力に基づく付勢荷重に相当する。
そして、本実施例においては付勢力Lpと自重Lfとの合力の大きさが内燃機関1における燃焼サイクルにおける合成筒内圧荷重Lccの最大値(以下、「最大合成筒内圧荷重」という。)Lcmaxよりも小さく、合成筒内圧荷重Lccの最小値(以下、「最小合
成筒内圧荷重」という。)Lcminよりも大きくなるように付勢力Lpは設定される。このように付勢力Lpを付勢することによって、カム軸9に対して合成筒内圧荷重Lcc、自重Lf及び付勢力Lpによりシリンダ2の軸線方向に作用する荷重(以下、単に「合成荷重」ともいう。)Lの方向を、合成筒内圧荷重Lccが最大になるときと最小になるときとでは逆向きにすることができる。
また、合成筒内圧荷重Lccの大きさは運転状態によって変化するところ、最小合成筒内圧荷重Lcminは最大負荷時において最大となり、最大合成筒内圧荷重Lcmaxはフューエルカット時において最小となると考えられる。そこで、本実施例においては、付勢力Lpと自重Lfとの合力の大きさが図6(a)に示す最大負荷時における最小合成筒内圧荷重(以下、「最大負荷時最小合成筒内圧荷重」という。)LcminMよりも大きく、図6(b)に示すフューエルカット時における最大合成筒内圧荷重(以下、「フューエルカット時最大合成筒内圧荷重」という。)LcmaxFよりも小さくなるように該付勢力Lpの大きさを設定するものとした(LcminM<Lp+Lf<LcmaxF)。
上記のように設定された付勢力Lpを付勢することによって、内燃機関1における全ての運転状態に亘り、合成筒内圧荷重Lccが最大合成筒内圧荷重Lcmaxのときと最小合成筒内圧荷重Lcminのときとにおいて合成荷重Lの方向を逆向きにすることができる。即ち、カム軸9に作用する合成荷重Lが該カム軸9に対して一定方向に継続して作用することが抑制され、カム軸9に油膜切れが生じることを抑制することができる。
次に、本発明に係る内燃機関1の実施例1とは異なる実施例を説明する。ここで、図7は本実施例に係る内燃機関1において最大負荷時のクランク角CAと筒内圧力Pとの関係を例示した図である。図7の横軸は内燃機関1のクランク角CAを表す。また、縦軸は筒内圧力Pを表し、筒内圧力Pにおける正圧をプラス側に図示している。更に、図7(a)は内燃機関1が3個のシリンダ2を有する場合について示し、図7(b)は内燃機関1が4個のシリンダ2を有する場合について示す。
また、図7(a)、(b)に示す筒内圧力Pにおいて、各シリンダ2によって発生する筒内圧力(以下、単に「単一筒内圧力」ともいう。)Psを破線により示し、単一筒内圧力Psを全てのシリンダ2に亘り合成した筒内圧力(以下、単に「合成筒内圧力」ともいう。)Pcを実線により示す。
図示のように、内燃機関1のシリンダ2の数が増加すると、合成筒内圧力Pcの最小値(以下、「最小合成筒内圧力」という。)Pcminが増大する。
そうすると、上述したフューエルカット時最大合成筒内圧荷重LcmaxFよりも最大負荷時最小合成筒内圧荷重LcminMの方が大きくなる場合がある。そのような場合には、付勢力Lpと自重Lfとの合力の大きさが最大負荷時最小合成筒内圧荷重LcminMより大きく、且つフューエルカット時最大合成筒内圧荷重LcmaxFよりも小さくなるように該付勢力Lpを設定することができない場合がある。
そこで、本実施例においては、付勢力Lpの大きさを運転状態に応じて変更することが可能な内燃機関1の可変付勢力機構50について説明する。図8は本実施例に係る内燃機関1における可変付勢力機構50の概略構成を示した図である。本実施例に係る付勢力発生機構は、シリンダブロック3とクランクケース4との間に可変付勢力機構50が設けられており、該可変付勢力機構50は付勢力Lpの大きさを変更することが可能である。これにより、運転状態に応じて最適な大きさの付勢力Lpを付勢することができる。従って、可変付勢力機構50は本実施例において付勢力変更機構に相当し、スプリング機構45
とともに付勢力付与手段の一部を構成する。
図示のように、シリンダブロック3には、内部にオイルが充填されているオイルパイプ51が接続されている。そして、このオイルパイプ51にはオイル供給管52を介してオイルタンク53が連通している。また、オイルパイプ51には油圧発生第1ピストン54が設けられており、該油圧発生第1ピストン54はアクチュエータ55に接続されている。そして、アクチュエータ55はECU90と電気的に接続されており、ECU90の指令によってアクチュエータ55は油圧発生第1ピストン54を図示の矢印方向に移動させることによって油圧を発生させることが可能である。また、オイルパイプ51におけるシリンダブロック3側の先端部には油圧発生第2ピストン56が設けられている。この油圧発生第2ピストン56によって油圧発生第1ピストン54が移動することによって発生した油圧はシリンダブロック3に伝達される。
このような構成の可変付勢力機構50においては、アクチュエータ55によって油圧発生第1ピストン54が図中a方向に移動されると、該油圧発生第1ピストン54によってオイルパイプ51とオイル供給管52との連通部が遮断されるとともに、オイルパイプ51内部における油圧を高くすることができる。そして、油圧発生第2ピストン56がシリンダブロック3に対してより強く付勢されることによって付勢力Lpを増大させることができる。一方、この状態から油圧発生第1ピストン54を図中b方向に移動させると逆に油圧を低くすることができるため、付勢力Lpを低減させることができる。即ち、このようにオイルパイプ51内部に発生する油圧を制御することによって、シリンダブロック3をクランクケース4に付勢する付勢力Lpの大きさを制御することが可能となる。
また、上記の可変付勢力機構50とは異なる構成として、該可変付勢力機構50に内燃機関1の燃焼サイクルによって生じる吸気管負圧(例えば、吸気行程における筒内圧力)を利用したブレーキブースターと同様の機構を設けることによって、アクチュエータ55における油圧発生第1ピストン54を移動させるための出力を増幅させることも可能である。これにより、オイルパイプ51内部に発生する油圧の大きさを増幅させ、付勢力Lpを変更可能な幅を増大させることができる。
次に図9は、本実施例に係る内燃機関1のクランク角CAとカム軸9のシリンダ2の軸線方向に作用する筒内圧荷重Lcとの関係を例示した図である。図9の横軸は内燃機関1のクランク角CAを表す。また、縦軸は筒内圧荷重Lcを表し、シリンダブロック3とクランクケース4とを離反するように作用する方向をプラス側に示している。また、図9(a)は、内燃機関1の最大負荷時における状態を示し、図9(b)は、内燃機関1のフューエルカット時における状態を示す。
また、図9に示した筒内圧荷重Lcは、内燃機関1が4個のシリンダ2を有している場合について例示的に示したものである。また、単一筒内圧荷重Lcsを破線により示し、合成筒内圧荷重Lccを実線により示す。更に、自重Lfの大きさの絶対値を一点鎖線により示し、付勢力Lpと自重Lfとの合力の大きさの絶対値を二点鎖線により図中に示す。
図示のように、フューエルカット時最大合成筒内圧荷重LcmaxFよりも最大負荷時最小合成筒内圧荷重LcminMの方が大きくなる場合がある(LcmaxF<LcminM)。そのような場合には、付勢力発生機構50により付勢力Lpの大きさが変更される。即ち、例えば、機関負荷が高い場合(例えば、最大負荷時)には最小合成筒内圧荷重Lcminの値も高くなるため、付勢力Lpの大きさが増大するように変更される。一方、機関負荷が低い場合には(例えば、フューエルカット時)最大合成筒内圧荷重Lcmaxの値も低くなるため、付勢力Lpの大きさが減少するように変更される。
このように、付勢力発生機構50によれば、運転状態に応じて要求される付勢力Lpの大きさを変更することが可能である。従って、運転状態の変更に伴い、合成筒内圧荷重Lccが大きく変動する場合においても、合成筒内圧荷重Lccが最大合成筒内圧荷重Lcmaxのときと最小合成筒内圧荷重Lcminのときとでは合成荷重Lの方向を逆向きにすることができる。即ち、カム軸9に作用する合成荷重Lが該カム軸9に対して一定方向に継続して作用することが抑制され、カム軸9に油膜切れが生じることを抑制することができる。
次に可変付勢力機構50によって運転状態に応じて付勢力Lpの大きさを変更する制御について図10に基づいて説明する。図10は、本実施例に係る内燃機関1の可変付勢力機構50により付勢力Lpの大きさを変更する付勢力制御ルーチンを示したフローチャートである。本ルーチンはECU90内のROMに記憶されたプログラムであり内燃機関1の稼動中は所定期間毎に実行される。
本ルーチンが実行されると、先ずS101において、ECU90によって内燃機関1の機関回転数、機関負荷等の運転状態が取得される。クランクポジションセンサ91からの信号に基づいて得られる機関回転数と、アクセル開度センサ92からの信号に基づいて得られる機関負荷とによって、内燃機関1の運転状態を取得する。また、前記機関負荷の代わりに、吸気管19内を流通する吸気の質量を検出するエアフローメータ(図示省略)から検出される吸入吸気量に基づいて運転状態を取得してもよい。そして、S101の処理が終わるとS102に進む。
S102においては、S101で取得された運転状態に基づいて内燃機関1の各シリンダ2における筒内圧力を全てに亘り合成した合成筒内圧力Pcが推定される。合成筒内圧力Pcの推定は、例えば機関回転数と機関負荷と合成筒内圧力Pcとの関係を予め実験等で求めておき、該関係を制御マップの形でECU90内に格納しておいても良い。そして、該制御マップに機関回転数と機関負荷とをパラメータとしてアクセスすることで、合成筒内圧力Pcを導出するようにしても良い。従って、クランクポジションセンサ91、アクセル開度センサ92は本実施例において筒内圧力推定手段の一部に相当する。そして、S102の処理が終わるとS103に進む。
S103においては、S102において推定された合成筒内圧力Pcに基づいて目標付勢力Lp1がECU90により取得される。ここで、目標付勢力Lp1は可変付勢力機構50によってシリンダブロック3に対して、該シリンダブロック3とクランクケース4とを近づける方向に作用される付勢力である。そして目標付勢力Lp1の取得は、合成筒内圧力Pcと目標付勢力Lp1との関係が格納されたマップから目標付勢力Lp1を読み出すことにより導出するようにしてもよい。また、目標付勢力Lp1は、該目標付勢力Lp1と自重Lfとの合力の大きさが最小合成筒内圧荷重Lcminより大きく、且つ最大合成筒内圧荷重Lcmaxより小さくなるように設定される。そして、S103の処理が終わるとS104に進む。S104においては付勢力Lpが目標付勢力Lp1に変更される。そして、S104の処理が終わると本ルーチンを一旦終了する。
次に、上述の可変付勢力機構50によって運転状態に応じて付勢力Lpの大きさを変更する制御であって上記の付勢力制御ルーチンとは異なる制御について、図11に基づいて説明する。図11は、本実施例に係る内燃機関1の可変付勢力機構50により付勢力Lpの大きさを変更する第2付勢力制御ルーチンを示したフローチャートである。本ルーチンもECU90内のROMに記憶されたプログラムであり内燃機関1の稼動中は所定期間毎に実行される。
本ルーチンが実行されると、先ずS201において、ECU90によって内燃機関1の各シリンダ2における筒内圧力Psが取得される。筒内圧力Psは、例えば、筒内圧力センサ42による検出値に基づいて取得される。そして、S201の処理が終わるとS202に進む。
S202においては、S201において取得された各シリンダ2における単一筒内圧力Psを全てのシリンダ2に亘り合成した合成筒内圧力Pcが推定される。そして、S202の処理が終わるとS203に進む。
S203においては、合成筒内圧力Pcに基づいて合成筒内圧荷重Lccが推定される。そして合成筒内圧荷重Lccの推定は、例えば合成筒内圧力Pcと合成筒内圧荷重Lccとの関係が格納されたマップから合成筒内圧荷重Lccを読み出すことにより導出するようにしてもよい。従って、合成筒内圧荷重Lccを推定するECU90は本実施例において周期変動荷重推定手段に相当する。そして、S203の処理が終わるとS204に進む。
S204においては、S203で推定された合成筒内圧荷重Lccに基づいて目標付勢力Lp1が取得される。この目標付勢力Lp1の取得は、例えば合成筒内圧荷重Lccと目標付勢力Lp1との関係が格納されたマップから目標付勢力Lp1を読み出すことにより導出するようにしてもよい。そして、S204の処理が終わるとS205に進む。
S205においては、付勢力Lpが目標付勢力Lp1に変更される。そして、S205の処理が終わると本ルーチンを一旦終了する。
以上のように付勢力制御ルーチン、第2付勢力制御ルーチンを実行することによって、内燃機関1の運転状態に応じて最適な目標付勢力Lp1をシリンダブロック3に対して付勢することができる。従って、合成筒内圧荷重Lccが最大合成筒内圧荷重Lcmaxのときと最小合成筒内圧荷重Lcminのときとでは合成荷重Lの方向を逆向きにすることができる。即ち、カム軸9に作用する合成荷重Lが該カム軸9に対して一定方向に継続して作用することが抑制され、カム軸9に油膜切れが生じることを抑制することができる。
また、上記第2付勢力制御ルーチンのS201、S202の処理においては、各シリンダ2における単一筒内圧力Psが取得され、該単一筒内圧力Psを合成することにより合成筒内圧力Pcを推定しているが、一のシリンダ2における単一筒内圧力Psと、各シリンダ2におけるクランク角CAの位相差とに基づいて合成筒内圧力Pcを推定しても良い。
次に、本発明に係る内燃機関1の実施例1及び2とは異なる実施例を説明する。本実施例においては、フューエルカット時最大合成筒内圧荷重LcmaxFよりも最大負荷時最小合成筒内圧荷重LcminMの方が大きくなる場合に、フューエルカット時における合成筒内圧力Pcの最大値(以下、「最大合成筒内圧力」という。)Pcmaxを増大させることによってフューエルカット時最大合成筒内圧荷重LcmaxFを増大させる。
本実施例においては、内燃機関1のフューエルカット時においてスロットルバルブ26のスロットル開度を増大させる。具体的には、吸気管19におけるスロットルバルブ26の上流側と下流側との間の圧力差(以下、単に「吸気管負圧」という。)が減速感を発生させる以外に必要とされる場合には、この必要最小限の吸気管負圧を発生することの可能な開度までスロットル開度を増大させる。これにより、吸入空気量を増大させることが可能となり、シリンダ2内の最大合成筒内圧力Pcmaxを増大させることができる。
また、内燃機関1には、吸気側カムシャフト22と吸気側ギア24との相対的な回転位相を変更可能とする吸気側VVT23が設けられており、ECU90からの指令に従って吸気側カムシャフト22と吸気側ギア24との相対的な回転位相を制御する。そして、VVT23によって、吸気弁35の閉弁時期を制御することによって内燃機関1の吸入空気量を制御することができる。従って、本実施例に係る吸気側VVT23は、内燃機関1のフューエルカット時において吸入空気量を増大させるべく吸気弁35の閉弁時期を変更する。
また、上記のように内燃機関1のフューエルカット時においてスロットル開度を増大させると減速感を充分に得ることが困難となる場合がある。そのような場合には、吸気側VVT23によって吸気弁35の開弁時期を遅角側に変更させる。これにより、吸気弁35の開弁時における筒内負圧が増大することによりポンプ損失が増大する。従って、スロットル開度を増大しても充分に減速感を得ることが可能となる。即ち、フューエルカット時における減速感を維持しつつ、シリンダ2内の最大合成筒内圧力Pcmaxを増大させることができる。
ここで、上述のようにフューエルカット時における最大合成筒内圧力Pcmaxを増大させることによってフューエルカット時最大合成筒内圧荷重LcmaxFを増大させる場合のクランク角CAと筒内圧荷重Lcとの関係について、図12に基づいて説明する。
図12は本実施例に係る内燃機関1のクランク角CAとカム軸9のシリンダ2の軸線方向に作用する合成筒内圧荷重Lccとの関係を例示した図である。図12の横軸は内燃機関1のクランク角CAを表す。また、縦軸は合成筒内圧荷重Lccを表し、シリンダブロック3とクランクケース4とを離反するように作用する方向をプラス側に示している。また、図12(a)は、内燃機関1の最大負荷時における状態を示し、図12(b)は、内燃機関1のフューエルカット時における状態を示す。
また、図12(b)において、フューエルカット時最大合成筒内圧荷重LcmaxFを増大させない場合における合成筒内圧荷重Lccを破線により示す。更に、自重Lfの大きさの絶対値を一点鎖線により示し、付勢力Lpと自重Lfとの合力の大きさの絶対値を二点鎖線により図中に示す。
図示のように、フューエルカット時最大合成筒内圧荷重LcmaxFを増大させない場合にはフューエルカット時最大合成筒内圧荷重LcmaxFよりも最大負荷時最小合成筒内圧荷重LcminMの方が大きいことによって、最大負荷時およびフューエルカット時に対し、付勢力Lpと自重Lfとの合力の大きさが最大負荷時最小合成筒内圧荷重LcminMよりも大きく、フューエルカット時最大合成筒内圧荷重LcmaxFよりも小さくなるように該付勢力Lpの大きさを設定することができない場合がある。
これに対し、フューエルカット時においてスロットル開度を増大させるとともに、吸気側VVT23によって吸気弁35の閉弁時期を制御することによって吸入空気量を増大させる。これにより、最大合成筒内圧力Pcmaxが増大し、フューエルカット時最大合成筒内圧荷重LcmaxFを増大させることができる。
従って、付勢力Lpと自重Lfとの合力の大きさが最大負荷時最小合成筒内圧荷重LcminMよりも大きく、フューエルカット時最大合成筒内圧荷重LcmaxFよりも小さくなるように該付勢力Lpの大きさを設定することが可能となる(LcminM<Lp+Lf<LcmaxF)。
次に、内燃機関1のフューエルカット時における最大合成筒内圧力Pcmaxを増大させることによってフューエルカット時最大合成筒内圧荷重LcmaxFを増大させる制御について、図13に基づいて説明する。図13は、本実施例に係る内燃機関1のフューエルカット時における最大合成筒内圧荷重制御ルーチンを示したフローチャートである。本ルーチンはECU90内のROMに記憶されたプログラムであり内燃機関1の稼動中は所定期間毎に実行される。
本ルーチンが実行されると、先ずS301において、フューエルカットの要求がなされているか否か判定される。具体的には、例えばアクセル開度センサ92からの信号に基づいて要求される機関負荷を取得し、フューエルカットの要求がなされているか否か判定しても良い。そして、フューエルカットの要求がなされていると判定された場合にはS302に進む。一方、フューエルカットの要求がなされていないと判定された場合には本ルーチンを一旦終了する。
S302においては、目標スロットル開度TA1が取得される。上述のように、目標スロットル開度TA1はフューエルカット時において減速感を発生させる以外に必要とされる最小限の吸気管負圧を発生することの可能な最大スロットル開度である。そして、目標スロットル開度TA1の取得は、例えば機関負荷、機関回転数と目標スロットル開度TA1との関係が格納されたマップから目標スロットル開度TA1を読み出すことにより導出するようにしてもよい。そして、S302の処理が終わるとS303に進む。
S303においては、吸気弁35の目標バルブタイミングVT1が取得される。この目標バルブタイミングVT1は、吸気弁35の閉弁時期については、現在の運転状態(例えば、機関負荷、機関回転数等)において吸入空気量を増大することが可能なタイミングとし、吸気弁35の開弁時期については通常運転時(例えば、フューエルカットを行っていない状態)に比べて遅角側に設定される。目標バルブタイミングVT1の取得は、例えば機関負荷、機関回転数と目標バルブタイミングVT1との関係が格納されたマップから目標バルブタイミングVT1を読み出すことにより導出するようにしてもよい。そして、S303の処理が終わるとS304に進む。
S304においては、現在のスロットル開度TA0及びバルブタイミングVT0がそれぞれ目標スロットル開度TA1及び目標バルブタイミングVT1に変更される。そして、S304の処理が終わるとS305に進む。
S305においては、フューエルカットの終了要求がなされているか否か判定される。具体的には、例えばアクセル開度センサ92からの信号に基づいて要求される機関負荷を取得し、フューエルカットの終了要求がなされているか否か判定しても良い。そして、フューエルカットの終了要求がなされていないと判定された場合にはS304の処理の後の状態に戻る。即ち、フューエルカットの終了要求がなされるまでスロットル開度及び吸気弁35のバルブタイミングが、それぞれ目標スロットル開度TA1及び目標バルブタイミングVT1に維持される。一方、フューエルカットの終了要求がなされていると判定された場合にはS306に進む。
S306においては、スロットル開度及び吸気弁35のバルブタイミングが、運転状態に応じて最適なスロットル開度TA2及びバルブタイミングVT2に変更される。そして、スロットル開度TA2、バルブタイミングVT2の取得は、例えば機関負荷、機関回転数とスロットル開度TA2やバルブタイミングVT2との関係が格納されたマップからそれぞれスロットル開度TA2、バルブタイミングVT2を読み出すことにより導出するようにしてもよい。そして、S306の処理が終わるとS307に進む。
S307においては、内燃機関1に要求される運転状態に応じた燃料が燃料噴射弁17から噴射される。そして、S307の処理が終わると本ルーチンを一旦終了する。
このように、本ルーチンを実行することによって、フューエルカット時においても、吸入空気量を増大させることができるので、上記の最大合成筒内圧力Pcmaxを増大させることによってフューエルカット時最大合成筒内圧荷重LcmaxFを増大させることが可能となる。即ち、フューエルカット時最大合成筒内圧荷重LcmaxFを最大負荷時最小合成筒内圧荷重LcminMよりも大きくさせることができる。
従って、付勢力Lpと自重Lfとの合力の大きさが最大負荷時最小合成筒内圧荷重LcminMよりも大きく、フューエルカット時最大合成筒内圧荷重LcmaxFよりも小さくなるように適切な大きさの付勢力Lpをシリンダブロック3に付勢することにより、カム軸9に油膜切れが生じることを抑制することができる。
また、フューエルカット中は、吸気弁35の開弁時期が遅角側に変更されるためポンプ損失が増大する。従って、良好な減速感を得ることが可能となる。更に、フューエルカットを終了させる際には、燃料噴射弁17から燃料を噴射させる前に吸気弁35の開弁時期を要求される運転状態に適切な開弁時期に変更することにより、シリンダ2内の筒内温度が過度に昇温し、ノッキングが発生することを抑制できる。
ここで、本発明に係る実施の形態として、シリンダブロック3とクランクケース4とをカム軸9を介して結合し、カム軸9を回動させることによって気筒2の軸線方向にシリンダブロック3とクランクケース4とを相対移動させ、内燃機関1の圧縮比を変更可能な可変圧縮比内燃機関に適用する例を示して説明したが、本発明が適用される可変圧縮比内燃機関はこれに限定されるものではない。
例えば、シリンダブロックとクランクケースとを傾斜させることによって内燃機関の燃焼室の容積を変更し、圧縮比を変更可能な可変圧縮比内燃機関に適用することも可能である。つまり、本発明の適用はシリンダブロックとクランクケースとを気筒の軸線方向に相対移動させることによって圧縮比を変更可能可変圧縮比内燃機関に限定されるものではない。
また、内燃機関のピストンとクランクシャフトを連結する屈曲可能に構成されるコンロッドのリンク機構に回動アームの一端が回動可能に連結され、回動アームの他端はシリンダブロックに配置されるカム軸に回動可能に連結されており、カム軸が回動するとコンロッドが屈曲することにより圧縮比を変更可能な可変圧縮比内燃機関が例示できる。このような可変圧縮比内燃機関においても、内燃機関の圧縮比が維持されている期間中に内燃機関の作動に起因してカム軸に作用する荷重の合力の方向が一定になる場合には本発明を適用可能である。従って、カム軸に油膜切れが生じることを抑制することができる。
本発明に係る内燃機関の概略構成を示した図である。 実施例1に係る内燃機関における主として吸気弁及び排気弁の開閉機構を示した図である。 実施例1に係る内燃機関における可変圧縮比機構の概略構成を示した分解斜視図である。 実施例1に係る内燃機関におけるシリンダブロックがクランクケースに対して相対移動する経過を示す断面図である。 実施例1に係る内燃機関におけるスプリング機構の概念図を示した図である。 実施例1に係る内燃機関のクランク角CAと筒内圧荷重Lcとの関係を例示した図である。(a)は、最大負荷時における状態を示した図である。(b)は、フューエルカット時における状態を示した図である。 実施例1に係る内燃機関において最大負荷時のクランク角CAと筒内圧力Pとの関係を例示した図である。(a)は、内燃機関が3個のシリンダを有する場合について示した図である。(b)は、内燃機関が4個のシリンダを有する場合について示した図である。 実施例2に係る内燃機関における可変付勢力機構の概略構成を示した図である。 実施例2に係る内燃機関のクランク角CAと筒内圧荷重Lcとの関係を例示した図である。(a)は、最大負荷時における状態を示した図である。(b)は、フューエルカット時における状態を示した図である。 実施例2に係る内燃機関の可変付勢力機構により付勢力Lpの大きさを変更する付勢力制御ルーチンを示したフローチャートである。 実施例2に係る内燃機関の可変付勢力機構により付勢力Lpの大きさを変更する第2付勢力制御ルーチンを示したフローチャートである。 実施例3に係る内燃機関のクランク角CAと合成筒内圧荷重Lccとの関係を例示した図である。(a)は、最大負荷時における状態を示した図である。(b)は、フューエルカット時における状態を示した図である。 実施例3に係る内燃機関のフューエルカット時における最大合成筒内圧荷重制御ルーチンを示したフローチャートである。
符号の説明
1・・・内燃機関
2・・・シリンダ
3・・・シリンダブロック
4・・・クランクケース
9・・・カム軸
9a・・・軸部
9b・・・カム部
9c・・・可動軸受部
13・・・クランクシャフト
17・・・燃料噴射弁
19・・・吸気管
21・・・排気管
22・・・吸気側カムシャフト
22・・・吸気側VVT
25・・・排気側カムシャフト
26・・・スロットルバルブ
35・・・吸気弁
36・・・排気弁
42・・・筒内圧力センサ
45・・・スプリング機構
50・・・可変付勢力機構
51・・・オイルパイプ
52・・・オイル供給管
53・・・オイルタンク
54・・・油圧発生第1ピストン
55・・・アクチュエータ
56・・・油圧発生第2ピストン
90・・・ECU
91・・・クランクポジションセンサ
92・・・アクセル開度センサ
93・・・吸気側カム角センサ

Claims (9)

  1. 内燃機関のピストンが上死点に位置するときの燃焼室の容積をカム軸を回動させることによって変更し該燃焼室の容積の変化によって前記内燃機関の圧縮比を変更する可変圧縮比機構と、
    前記内燃機関の圧縮比が維持されている期間中に前記内燃機関の作動に起因して該カム軸に作用する荷重の合力の方向が一定になることを、該カム軸に対して付勢力を作用させることによって抑制する付勢力付与手段と、
    を備えることを特徴とする可変圧縮比内燃機関。
  2. 前記カム軸は、相対移動可能に連結された前記内燃機関のシリンダブロックとクランクケースとの連結部に回動自在に設けられており、
    前記可変圧縮比機構は、前記カム軸を回動させて前記シリンダブロックとクランクケースとを相対移動させることで圧縮比を変更し、
    前記付勢力付与手段は前記シリンダブロック若しくはクランクケースのうち少なくとも何れかに対して該シリンダブロックとクランクケースとを近づける方向に前記付勢力を作用させ、
    前記付勢力の大きさは、前記付勢力に基づく付勢荷重と前記内燃機関の燃焼による筒内圧力に基づく所定の周期変動荷重と前記内燃機関の自重に基づく所定の固定荷重とにより前記カム軸に対してシリンダの軸線方向に作用する荷重の合力の方向が、前記周期変動荷重が最大になるときと最小になるときとでは逆向きになるように定められることを特徴とする請求項1に記載の可変圧縮比内燃機関。
  3. 前記内燃機関が最大負荷の状態である場合及び前記内燃機関がフューエルカット状態である場合において、
    前記付勢力付与手段は、前記周期変動荷重が最大になるときと最小になるときとでは前記合力の方向が逆向きになるように前記付勢力を作用させることを特徴とする請求項2に記載の可変圧縮比内燃機関。
  4. 前記内燃機関の運転状態に応じた筒内圧力を推定する筒内圧力推定手段と、
    前記筒内圧力推定手段が推定する筒内圧力に基づいて前記周期変動荷重を推定する周期変動荷重推定手段をさらに備え、
    前記付勢力付与手段は、前記周期変動荷重推定手段が推定した周期変動荷重に基づいて前記付勢力の大きさを変更可能とする付勢力変更機構を有することを特徴とする請求項2又は3に記載の可変圧縮比内燃機関。
  5. 前記筒内圧力推定手段は少なくとも前記内燃機関の機関回転数または機関負荷に基づいて前記筒内圧力を推定することを特徴とする請求項4に記載の可変圧縮比内燃機関。
  6. 前記内燃機関の吸入空気量を変更する吸気量変更手段を備え、
    前記内燃機関がフューエルカット状態である場合に、前記吸気量変更手段が前記吸入空気量を増大させて前記筒内圧力の最大圧力を増大させることを特徴とする請求項2から5の何れかに記載の可変圧縮比内燃機関。
  7. 前記吸気量変更手段は、前記内燃機関のスロットル開度を増大させて前記吸入空気量を増大させることを特徴とする請求項6に記載の可変圧縮比内燃機関。
  8. 前記吸気量変更手段は、前記内燃機関の吸気弁のバルブタイミングを変更する可変バルブタイミング機構を有し、
    前記可変バルブタイミング機構は、前記吸気弁の開弁時期を遅角側に変更させることを
    特徴とする請求項7に記載の可変圧縮比内燃機関。
  9. 前記吸気量変更手段は、前記内燃機関の吸気弁のバルブタイミングを変更する可変バルブタイミング機構を有し、
    該可変バルブタイミング機構に、前記吸気弁の閉弁時期を変更させて前記吸入空気量を増大させることを特徴とする請求項6から8の何れかに記載の可変圧縮比内燃機関。
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