JP2006207563A - 可変圧縮比内燃機関 - Google Patents

可変圧縮比内燃機関 Download PDF

Info

Publication number
JP2006207563A
JP2006207563A JP2005031773A JP2005031773A JP2006207563A JP 2006207563 A JP2006207563 A JP 2006207563A JP 2005031773 A JP2005031773 A JP 2005031773A JP 2005031773 A JP2005031773 A JP 2005031773A JP 2006207563 A JP2006207563 A JP 2006207563A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compression ratio
combustion engine
internal combustion
exhaust
cam
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2005031773A
Other languages
English (en)
Inventor
Eiichi Kamiyama
栄一 神山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2005031773A priority Critical patent/JP2006207563A/ja
Publication of JP2006207563A publication Critical patent/JP2006207563A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

Landscapes

  • Cylinder Crankcases Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

【課題】冷間始動時における、排気行程終了間際の未燃HC濃度の高い排気ガスを可及的に多く燃焼室内に残存させることにより、次回の燃焼時における混合気の温度を効率よく上昇させ、排出HCの量を低減する。
【解決手段】内燃機関の冷間始動時においては(S101)、圧縮比を低下させることにより(S104)、排気行程終了間際において燃焼室内に残存する、未燃HC濃度の高い排気ガスの量を相対的に増加させる。
【選択図】図4

Description

本発明は、気筒内における燃焼室の容積および/またはピストンのストロークを変更することにより、圧縮比を可変とする可変圧縮比内燃機関に関する。
近年、内燃機関の燃費性能や出力性能などを向上させることを目的とした、内燃機関の圧縮比を可変にする技術が提案されている。この種の技術としては、シリンダブロックとクランクケースとを相対移動可能に連結するとともにその連結部分にカム軸を設け、前記カム軸を回動させてシリンダブロックとクランクケースとを接近又は離反させる技術が提案されている(例えば、特許文献1及び2を参照。)。
一方、内燃機関の冷間始動時においては、内燃機関が充分に暖機されていないため、未燃HCの排出量が増加し、エミッションが悪化するおそれがあることが知られている。これを改善する技術として、吸気弁の開弁時期を早めて、排気行程終了間際の未燃HC濃度の高い排気ガスを吸気ポートに一旦戻し、次のサイクルの吸気行程時にそれを新気とともに吸入する技術が知られている。この技術によれば、次回の燃焼時における混合気の温度を上昇させ、排出HCを低減することができる。
しかし、上記の、吸気弁の開弁時期を早めて排気行程終了間際の排気ガスを吸気ポートに一旦戻し、次のサイクルの吸気行程時に再度吸入する技術においては、排気行程終了間際の排気ガスを吸気ポートに戻した際に、排気ガスの温度が低下してしまうおそれがあった。そのため、次回の燃焼時における混合気の温度を効率よく上昇させるには限界があった。また、内燃機関の運転状態によっては、前記吸気弁の開弁時期を早めることが制限される場合があった。
また、上記した圧縮比を可変とする内燃機関においては、冷間始動時や低負荷時には、機関温度を早期に上昇させるため、圧縮比を高圧縮比側に変更する制御が行われることが多い(例えば、特許文献3参照。)。そうすると、吸気弁の開弁時期を早めて排気行程終了間際の排気ガスを吸気ポートに一旦戻し、次のサイクルの吸気行程時に再度吸入する場合に、吸気ポートに一旦戻すことにより温度が低下した排気ガスの量が相対的に増加するので、次回の燃焼時における混合気の温度を効率よく上昇させることが困難となる場合があった。
特開平7−26981号公報 特開2003−206771号公報 特開2003−232233号公報 特開平3−164538号公報 特開2002−285898号公報 特開平11−30134号公報 特開2002−276446号公報 特開2003−328794号公報
本発明は、上記従来技術に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、冷間始動時における、排気行程終了間際の未燃HC濃度の高い排気ガスを可及的に多く燃焼室内に残存させることにより、次回の燃焼時における混合気の温度を効率よく上昇させ、排出HCの量を低減することである。
上記目的を達成するための本発明は、内燃機関の冷間始動時においては、圧縮比を低下させることにより、排気行程終了時において燃焼室内に残存する、未燃HC濃度の高い排気ガスの量を相対的に増加させることを最大の特徴とする。
より詳しくは、内燃機関の気筒内における燃焼室の容積および/またはピストンのストロークを変更することにより、前記内燃機関の圧縮比を変更可能な可変圧縮比内燃機関であって、
前記内燃機関の冷間始動時において、前記内燃機関の圧縮比を所定の第1圧縮比以下とすることを特徴とする。
すなわち、前記内燃機関の冷間始動時においては、前記内燃機関の気筒内での、燃焼室の容積および/またはピストンのストロークを変更することによって、圧縮比を所定の第1圧縮比以下とする。具体的には、前記内燃機関の気筒と、前記ピストンが連結されたクランク軸との相対位置を離反させ、排出上死点における燃焼室の容積を増加させるようにしてもよい。また、前記ピストンの往復運動におけるストロークを減少させることにより、圧縮比を低下させてもよい。
こうすれば、冷間始動時の排気行程終了間際において、未燃HC濃度の高い排気ガスを可及的に多く燃焼室内に残存させることができ、次回の燃焼のための混合気における、未燃HC濃度の高い排気ガスの割合を高くすることができる。その結果、次回の燃焼における混合気の温度を上昇させることができ、排出HCを低減することができる。
ここで、冷間始動時とは、内燃機関が暖機状態を維持していない状態での始動時を意味する。冷間始動時かどうかは、例えば、冷却水温度により、あるいは前回の内燃機関の停止時からの経過時間により判断してもよい。また、上記の制御において、圧縮比を所定の第1圧縮比以下とする期間の終期は、前記内燃機関の暖機が進み、前記第1圧縮比より大きい圧縮比で運転を継続しても排出HCの値が充分に少なくなる時点としてもよい。
またここで、第1圧縮比とは、排気行程終了間際の未燃HC濃度の高い排気ガスをこの圧縮比の状態で燃焼室内に残存させることにより、次回の燃焼時における混合気の温度を充分に上昇させ、排出HCを低減することができる閾値としての圧縮比であり、予め実験的に求めてもよい。
また、本発明においては、前記内燃機関における吸気弁の開弁時期を変更可能な可変動弁機構を更に備え、
前記冷間始動時において、前記可変動弁機構によって前記吸気弁の開弁時期を進角させるようにしてもよい。
ここで、前述のように、冷間始動時に、前記可変動弁機構によって吸気弁の開弁時期を進角させると、排気行程終了間際の未燃HC濃度の高い排気ガスを吸気ポートに一旦戻し、次のサイクルの吸気行程時にそれを新気とともに吸入することにより、次回の燃焼のための混合気における、未燃HC濃度の高い排気ガスの割合を高められることが知られている。
従って、冷間始動時において、前記内燃機関の圧縮比を第1圧縮比以下とすることにより、排気行程終了間際の未燃HC濃度の高い排気ガスを可及的に多く燃焼室内に残存させるとともに、前記可変動弁機構によって吸気弁の開弁時期を進角させて、前記未燃HC濃度の高い排気ガスを一旦吸気ポートに戻し、次のサイクルの吸気行程時にそれを新気とともに再度吸入させることができる。そうすれば、圧縮比を所定の第1圧縮比以下とするこ
とによっても、燃焼室内に残存させることができなかった未燃HC濃度の高い排気ガスを、再度燃焼室内に戻すことができ、次回の燃焼のための混合気における、未燃HC濃度の高い排気ガスの割合をさらに高めることができる。
また、本発明においては、前記内燃機関の冷間始動時において、前記圧縮比を一旦、前記第1圧縮比より高い所定の第2圧縮比以上とし、その後、前記圧縮比を前記第1圧縮比以下としてもよい。
ここで、特に冷間始動開始時などにおいては、前記内燃機関の温度が低い状態であるので、前記内燃機関の圧縮比を低圧縮比とした場合には、始動性は必ずしもよくない。従って、冷間始動開始時においては、前記圧縮比を一旦、前記第1圧縮比より高い所定の第2圧縮比以上とし、ある程度前記内燃機関の温度が上昇した時点で、前記圧縮比を前記第1圧縮比以下としてもよい。そうすれば、まず前記内燃機関の始動性を確保した上で、排出HCを低減する制御を行うことができる。
結果として、内燃機関の始動性の確保と、冷間始動時におけるエミッションの悪化の抑制とを両立させることができる。
なお、ここで第2圧縮比とは、これ以上の圧縮比で運転を開始することにより、早急に機関の温度を上昇させ、スタータモータやバッテリへ過剰な負担をかけることなく、また、運転者に不快感を与えない範囲で自立運転可能とすることができる閾値としての圧縮比である。
また、本発明においては、前記冷間始動時における前記内燃機関の冷却水温が所定温度以下の場合は、前記内燃機関が自立運転を開始した後に、前記圧縮比を前記第1圧縮比以下とするようにしてもよい。
ここで所定水温とは、冷却水温がそれ以下の場合は、前記内燃機関の圧縮比を第1圧縮比以下とした場合には、前記内燃機関の温度が上昇しづらく、自立運転可能となりづらいと判断される閾値としての冷却水温である。
これによれば、冷却水温が前記所定水温以下の場合、すなわち自立運転可能となりづらい場合には、基本的に前記圧縮比を前記第1圧縮比以下としないこととなる。しかし、冷却水温が所定水温以下であっても、前記内燃機関の運転状態などの条件によっては、自立運転が可能となる場合がある。このような場合には、冷却水温が所定水温以下であっても、前記内燃機関が自立運転を開始した後に、前記圧縮比を前記第1圧縮比以下とする。
そうすれば、より確実に前記内燃機関の始動性を確保することができ、前記内燃機関の始動性の確保と、冷間始動時におけるエミッションの悪化の抑制とをより確実に両立させることができる。
なお、上記した本発明の課題を解決する手段については、可能なかぎり組み合わせて用いることができる。
また、上記においては、前記圧縮比を前記第1圧縮比以下とするとともに前記吸気弁の開弁時期を進角させることにより、次回の燃焼時における未燃HC濃度の高い排気ガスの割合をさらに高められることについて説明した。しかし、前記圧縮比の制御と、吸気弁の開弁時期の制御との時間的な関係については、これに限られるものではない。
すなわち、前記圧縮比を前記第2圧縮比以上としている期間中に、前記吸気弁の開弁時期を適宜進角させてもよいし、前記冷間始動の開始時より、前記内燃機関
の暖機が充分に進むまでの期間に亘って、前記吸気弁の開弁時期を進角させる制御を継続してもよい。
本発明にあっては、冷間始動時における、排気行程終了間際の未燃HC濃度の高い排気ガスを可及的に多く燃焼室内に残存させることにより、次回の燃焼時における混合気の温度を効率よく上昇させ、排出HCを低減することができる。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための最良の形態を例示的に詳しく説明する。
以下に説明する内燃機関1は、可変圧縮比内燃機関であり、シリンダ2を有するシリンダブロック3を、ピストンが連結されたクランクケース4に対してシリンダ2の中心軸方向に移動させることによって圧縮比を変更するものである。
先ず、図1を用いて、本実施例に係る可変圧縮比内燃機関の構成について説明する。図1に示されるように、シリンダブロック3の両側下部に複数の隆起部が形成されており、
この各隆起部に軸受収納孔5が形成されている。軸受収納孔5は、円形をしており、シリンダ2の軸方向に対して直角に、かつ複数のシリンダ2の配列方向に平行になるようにそれぞれ形成されている。軸受収納孔5はすべて同一軸線上に位置している。そして、シリンダブロック3の両側の軸受収納孔5の一対の軸線は平行である。
クランクケース4には、上述した軸受収納孔5が形成された複数の隆起部の間に位置するように、立壁部が形成されている。各立壁部のクランクケース4外側に向けられた表面には、半円形の凹部が形成されている。また、各立壁部には、ボルト6によって取り付けられるキャップ7が用意されており、キャップ7も半円形の凹部を有している。また、各立壁部にキャップ7を取り付けると、円形のカム収納孔8が形成される。カム収納孔8の形状は、上述した軸受収納孔5と同一である。
複数のカム収納孔8は、軸受収納孔5と同様に、シリンダブロック3をクランクケース4に取り付けたときにシリンダ2の軸方向に対して直角に、且つ、複数のシリンダ2の配列方向に平行になるようにそれぞれ形成されている。これらの複数のカム収納孔8も、シリンダブロック3の両側に形成されることとなり、片側の複数のカム収納孔8はすべて同一軸線上に位置している。そして、シリンダブロック3の両側のカム収納孔8の一対の軸線は平行である。また、両側の軸受収納孔5の間の距離と、両側のカム収納孔8との間の距離は同一である。
交互に配置される二列の軸受収納孔5とカム収納孔8には、それぞれカム軸9が挿通される。カム軸9は、図1に示されるように、軸部9aと、軸部9aの中心軸に対して偏心
された状態で軸部9aに固定された正円形のカムプロフィールを有するカム部9bと、カム部9bと同一外形を有し軸部9aに対して回転可能に取り付けられた可動軸受部9cとが交互に配置されている。一対のカム軸9は鏡像の関係を有している。また、カム軸9の端部には、後述するギア10の取り付け部9dが形成されている。軸部9aの中心軸と取り付け部9dの中心とは偏心しており、カム部9bの中心と取り付け部9dの中心とは一致している。
可動軸受部9cも、軸部9aに対して偏心されておりその偏心量はカム部9bと同一である。また、各カム軸9において、複数のカム部9bの偏心方向は同一である。また、可
動軸受部9cの外形は、カム部9bと同一直径の正円であるので、可動軸受部9cを回転させることで、複数のカム部9bの外表面と複数の可動軸受部9cの外側面とを一致させることができる。
各カム軸9の一端にはギア10が取り付けられている。一対のカム軸9の端部に固定された一対のギア10には、それぞれをウォームギア11a、11bがかみ合っている。ウォームギア11a、11bは単一のモータ12の一本の出力軸にとりつけられている。ウォームギア11a、11bは、互いに逆方向に回転する螺旋溝を有している。このため、モータ12を回転させると、一対のカム軸9は、ギア10を介して互いに逆方向に回転する。モータ12は、シリンダブロック3に固定されており、シリンダブロック3と一体的に移動する。
次に、上述した構成の内燃機関1において圧縮比を制御する方法について詳しく説明する。図2(a)から図2(c)にシリンダブロック3と、クランクケース4と、これら両者の間に構築されたカム軸9との関係を示した断面図を示す。図2(a)から図2(c)において、軸部9aの中心軸をa、カム部9bの中心をb、可動軸受部9cの中心をcとして示す。図2(a)は、軸部9aの延長線上から見て全てのカム部9b及び可動軸受部9cの外周が一致した状態である。このとき、ここでは一対の軸部9aは、軸受収納孔5及びカム収納孔8の中で外側に位置している。
図2(a)の状態から、モータ12を駆動して軸部9aを矢印方向に回転させると、図2(b)の状態となる。このとき、軸部9aに対して、カム部9bと可動軸受部9cの偏心方向にずれが生じるので、クランクケース4に対してシリンダブロック3を上死点側にスライドさせることができる。そして、そのスライド量は図2(c)のような状態となるまでカム軸9を回転させたときが最大となり、カム部9bや可動軸受部9cの偏心量の2倍となる。カム部9b及び可動軸受部9cは、それぞれカム収納孔8及び軸受収納孔5の内部で回転し、それぞれカム収納孔8及び軸受収納孔5の内部で軸部9aの位置が移動するのを許容している。
上述したような機構を用いることによって、シリンダブロック3をクランクケース4に対して、シリンダ2の軸線方向に相対移動させることが可能となり、圧縮比を可変制御することができる。
次に、図3を用いて本実施例における内燃機関1の詳細について説明する。図3において、シリンダブロック3の上側には、その一部が燃焼室の天面を形成するシリンダヘッド15が取り付けられている。シリンダヘッド15には、吸気ポート16及び排気ポート17が形成されており、吸気ポート16及び排気ポート17の、燃焼室への開口部には、それぞれ吸気弁18及び、排気弁19が往復運動可能に備えられている。
そして、吸気弁18及び排気弁19の各々の上方には、クランク軸26の回転に同期して回転することにより、吸気弁18及び排気弁19の上端部を押圧して開弁させるための吸気弁用カム20、排気弁用カム21が設けられている。また、シリンダブロック3には、本実施例における圧縮比の制御に用いられる冷却水温を検出するための冷却水温センサ27が備えられている。
以上述べたように構成された内燃機関1には、該内燃機関1を制御するための電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)35が併設されている。このECU35
は、内燃機関1の運転条件や運転者の要求に応じて内燃機関1の運転状態等を制御する他、内燃機関1の圧縮比の制御を行うユニットである。
ECU35には、図示しないクランクポジションセンサや、アクセルポジションセンサ
、冷却水温センサ27の他、内燃機関1の運転状態の制御に係るセンサ類が電気配線を介して接続され、それらの出力信号がECU35に入力されるようになっている。一方、ECU35には、内燃機関1内の図示しない燃料噴射弁等が電気配線を介して接続される他、本実施例における圧縮比の制御のためのモータ12が電気配線を介して接続されており、ECU35によって制御されるようになっている。
また、ECU35には、CPU、ROM、RAM等が備えられており、ROMには、内燃機関1の種々の制御を行うためのプログラムや、データを格納したマップが記憶されている。本実施例において後述する圧縮比制御ルーチンなども、ECU35のROMに記憶されているプログラムの一つである。
ここで、通常、内燃機関1の冷間始動時においては、内燃機関1の暖機を促進させるために圧縮比は比較的高圧縮比側に設定されることが多い。その場合、内燃機関1の冷間始動時の排気行程終了間際における、未燃HC濃度の高い排気ガスの多くは燃焼室から排出されてしまう。そうすると、次回の燃焼のための混合気における新気の割合が高くなる。その結果、次回の燃焼における混合気の温度を充分に上昇させることが困難であり、排出HCの量が増加してしまうおそれがあった。
そこで、本実施例においては、冷間始動時には、内燃機関1の圧縮比を第1圧縮比ε1以下とすることとした。
図4には、本実施例における圧縮比制御ルーチンを示す。本ルーチンは、ECU35のROMに記憶されたプログラムであり、内燃機関1の始動開始後の所定期間毎に実行されるルーチンである。
本ルーチンが実行されるとまずS101において、冷却水温がT0以下かどうかが判定される。具体的には、冷却水温センサ27の出力がECU35に読み込まれ、T0と比較されることによって判定される。ここでT0は、内燃機関1の暖機が充分に進んでいると判断できる閾値としての冷却水温度であり、予め実験的に求められる。S101において冷却水温が閾値T0より高いと判定された場合は、内燃機関1の暖機が充分に行われていると判断できるので、S106に進む。一方、冷却水温がT0以下であると判定された場合には、S102に進む。
S106においては、内燃機関の暖機後に、内燃機関1の運転状態に応じて要求される圧縮比ε0に圧縮比が制御される。なお、ε0は、内燃機関1の運転状態と、最適な圧縮比との関係を格納したマップから、この時点での内燃機関1の運転状態に対応した圧縮比の値を読み出すことによって得られる。S106の処理が終了すると本ルーチンを一旦終了する。
一方、S102に進んだ場合は、圧縮比がεHに制御される。ここでεHは、冷間始動時に、早急に機関の温度を上昇させ、スタータモータ及びバッテリに過剰な負担をかけることなく、また、運転者に不快感を与えることなく自立運転を可能とすることができる閾値としての圧縮比である第2圧縮比ε2以上に設定されている。S102の処理が終了するとS103に進む。
S103においては、冷却水温がT1以下かどうかが判定される。ここでT1は、T0より低い値であり、冷却水温がこれ以下である場合は、圧縮比を後述する圧縮比εLまで低下させると、自立運転が不可能となる可能性が高い閾値としての冷却水温である。T1も冷却水温センサ27の出力をECU35に読み込むことによって得られる。
S103において、冷却水温がT1より高いと判定された場合は、後述する圧縮比εLまで圧縮比を低下させても自立運転が可能と判定されるので、S104に進む。一方、S103において、冷却水温がT1以下であると判定された場合は、圧縮比を後述する圧縮比εLまで低下させると、自立運転が不可能となる可能性が高いと判断されるので、S105に進む。
S105においては、内燃機関1が既に自立運転しているかどうかが判断される。S105において内燃機関1が既に自立運転していると判定された場合には、冷却水温がT1以下であっても圧縮比を後述するεLまで低下させてもよいと判定されるので、S104に進む。一方、S105において内燃機関1が未だ自立運転していないと判定される場合には、圧縮比はεHとしたまま本ルーチンを終了する。なおここで、内燃機関1が自立運転しているかどうかの判断は、図示しないクランクポジションセンサの出力から得られる機関回転数によって判断してもよいし、図示しないスタータモータに供給する電流値や、シリンダ内圧力センサなどによって判断してもよい。
S104においては、圧縮比をεLまで低下させる。ここでεLは、この圧縮比で内燃機関1を運転すると、排気行程終了間際において燃焼室に残存する、未燃HC濃度の高い排気ガスによって、次回の燃焼時における混合気の温度を充分に上昇させることができ、結果として排出HCを低減することができる閾値としての第1圧縮比ε1以下に設定されている。S104の処理が終了すると本ルーチンを終了する。
以上説明したように、本実施例においては、内燃機関1の暖機が充分に行われていない場合であって、さらに冷却水温がT1より高く、高い圧縮比を選択しなくても始動に問題がないと判断された場合は、圧縮比を第1圧縮比ε1以下のεLに制御している。そうすると、内燃機関1の排気行程終了間際において、未燃HC濃度の高い排気ガスを可及的に多く燃焼室内に残存させることができ、次回の燃焼のための混合気における、未燃HC濃度の高い排気ガスの割合を高くすることができる。その結果、次回の燃焼における混合気の温度を上昇させることができ、排出HCを低減することができる。
また、本実施例においては、冷却水温がT1以下であって、内燃機関1が自立運転していない場合には、結果的に圧縮比が第2圧縮比ε2以上のεHに制御される。この場合には、より確実に内燃機関1の始動性を確保することができる。
さらに、本実施例においては、冷却水温がT1以下であっても、既に内燃機関1が自立運転に入っている場合には、圧縮比を低く設定しても始動に影響を与えないと判断し、圧縮比がεLに制御される。従って、冷却水温が低くても、内燃機関1が自立運転に入っている場合には、次回の燃焼における混合気の温度を上昇させ、排出HCを低減することができる。
以上の制御が行われる結果、内燃機関1の始動性の確保及び、エミッションの悪化の抑制を両立させることができる。
なお、本実施例のS101においては、冷却水温を冷却水温センサ27で検出し、検出された冷却水温に基いて、圧縮比を運転状態に対応した圧縮比とする制御を行うか、圧縮比をεHまたはεLとする制御を行うかを決定しているが、この決定については、冷却水温に基いて行う方法に限られない。例えば、内燃機関1の始動開始からの時間に基いて行ってもよい。
また、本実施例において、冷却水温がT0以下と判断された場合は、さらに冷却水温に基いて、圧縮比をεHに制御するのか、εLに制御するのかが判断されている。この決定についても、冷却水温に基いて行う方法に限られない。例えば、内燃機関
1の始動開始後のn回目までの燃焼までは、圧縮比をεHに制御し、n回目以降の燃焼においては圧縮比εLに変更するという単純な制御を行ってもよい。
次に本発明に係る実施例2について説明する。本実施例における内燃機関1と、実施例1における内燃機関1との相違点は、本実施例における内燃機関1には可変動弁機構が備えられている点である。
図5には、本実施例における内燃機関1の詳細な説明図を示す。図5において、吸気弁用カム20には、クランク軸26の回転に対する、吸気弁用カム20の位相を変更することにより、吸気弁18の開弁時期を変更する可変動弁機構(以下「VVT(Variable valve timing)機構」という)が設けられている。このVVT機構25における、クランク
軸26の回転に対する吸気弁用カム20の位相は、OCV(Oil control valve)30と
VVT機構25との間で行われるオイルの授受によって制御される。
本実施例においては、実施例1における圧縮比の制御に加え、VVT機構25によって吸気弁18の開弁時期を進角させる制御を行う。すなわち、内燃機関1の冷間始動時において、吸気弁18の開弁時期を進角させると、図6に示すように、排気行程終了間際において吸気弁18が開弁している期間が長くなり、その際に到達する吸気弁18のリフト量も高くなる。そうすると、排気行程終了間際に吸気ポート16に一旦戻し、次のサイクルの吸気行程時に新気とともに吸入する未燃HC濃度の高い排気ガスの量を多くすることができる。その結果、次回の燃焼のための混合気における、未燃HC濃度の高い排気ガスの割合をより高めることができ、より確実に混合気の温度を高くすることができる。
図7には、本実施例における圧縮比と吸気弁開弁時期制御ルーチンを示す。本ルーチンもCPU35内のROMに記憶されたプログラムであり、内燃機関1の始動開始後の所定期間毎に実行されるルーチンである。
本ルーチンにおけるS101〜S106までの処理は、実施例1と同じであるので説明は省略し、S201の処理から説明する。
S201においては、S101〜S106の処理によって、充分に排出HC量が低減されたかどうかが判定される。具体的には、内燃機関1の排気系に備えられた図示しない空燃比センサの出力をECU35に読み込むことによって判定してもよい。ここで、排出HC量が充分に低減されていると判定された場合には、さらにVVT機構25によって吸気弁18の開弁時期を進角する必要はないと判断されるので、S203に進む。一方、排出HC量が充分に低減されていないと判定された場合には、さらにVVT機構25によって吸気弁18の開弁時期を進角する必要があると判断されるので、S202に進む。
S202においては、VVT機構25によって、吸気弁18の開弁時期が進角される。この進角量については、予め定められた一定値としてもよいし、S201で検出された排出HC濃度に応じた進角量をマップから読み出すようにしてもよい。
S203においては、吸気弁18の開弁時期の値は通常の運転状態において選択される基本設定どおりとする。
S202またはS203の処理が終了すると本ルーチンを一旦終了する。
以上説明したように、本実施例では、実施例1に示した圧縮比の制御を行った結果、充分に排出HCの量が充分に低減されていないと判定された場合には、さらに吸気弁18の
開弁時期を進角することにより、排気行程終了間際に、吸気ポート18に一旦戻され、次のサイクルの吸気行程時に新気とともに再度燃焼室に吸入される、未燃HC濃度の高い排気ガスの量を増加させることができる。その結果、次回の燃焼のための混合気における、未燃HC濃度の高い排気ガスの割合をさらに高めることができ、冷間始動時における排出HCの量をより確実に低減することができる。
なお、本実施例においては、S201で、未燃HC排出量が充分に低減されたかどうかの判断を、図示しない空燃比センサの出力をECU35に読み込むことによって行った。しかし、冷却水温の値が低い程、S101〜S105の処理で低減できる排出HCの値が少なくなると考えられるので、冷却水温と、推定される排出HC量との関係を格納したマップを予め作成しておき、冷却水温センサ27の出力に基いて、未燃HC排出が充分に低減できたかどうかを判断してもよい。
また、本実施例においては、まず、圧縮比の制御によって冷間始動時における排出HCの量を低減し、その制御だけでは排出HC量が充分に低減されていない場合に、VVT機構25による吸気弁18の開弁時期の進角制御を行った。しかし、圧縮比の制御とVVT機構25による吸気弁18の開弁時期の進角制御との順番を逆にしても何ら問題はない。
また、本実施例においては、S201で、未燃HC排出量が充分に低減されたかどうかの判断を行ったが、このように吸気弁18の開弁時期の進角制御の必要性を判断することなく、自動的に吸気弁18の開弁時期の進角制御を行うようにしてもよい。
本発明の実施例に係る内燃機関の概略構成を示す分解斜視図である。 本発明の実施例に係る内燃機関におけるシリンダブロックがクランクケースに対して相対移動する経過を示す断面図である。 本発明の実施例1に係る内燃機関の詳細な構成を示す断面図である。 本発明の実施例1に係る圧縮比制御ルーチンを表すフローチャートである。 本発明の実施例2に係る内燃機関の詳細な構成を示す断面図である。 本発明の実施例2に係る吸気弁の開弁時期の進角制御の効果を説明するための図である。 本発明の実施例2に係る圧縮比と吸気弁開弁時期制御ルーチンを表すフローチャートである。
符号の説明
1・・・内燃機関
2・・・シリンダ
3・・・シリンダブロック
4・・・クランクケース
5・・・軸受収納孔
6・・・ボルト
7・・・キャップ
8・・・カム収納孔
9・・・カム軸
9a・・・軸部
9b・・・カム部
9c・・・可動軸受部
10・・・ギア
11a、11b・・・ウォームギア
12・・・モータ
15・・・シリンダヘッド
16・・・吸気ポート
17・・・排気ポート
18・・・吸気弁
19・・・排気弁
20・・・吸気弁用カム
21・・・排気弁用カム
25・・・VVT機構
26・・・クランク軸
27・・・冷却水温センサ
30・・・OCV
35・・・ECU

Claims (4)

  1. 内燃機関の気筒内における燃焼室の容積および/またはピストンのストロークを変更することにより、前記内燃機関の圧縮比を変更可能な可変圧縮比内燃機関であって、
    前記内燃機関の冷間始動時において、前記内燃機関の圧縮比を所定の第1圧縮比以下とすることを特徴とする可変圧縮比内燃機関。
  2. 前記内燃機関における吸気弁の開弁時期を変更可能な可変動弁機構を備え、
    前記冷間始動時において、前記可変動弁機構によって前記吸気弁の開弁時期を進角させることを特徴とする請求項1に記載の可変圧縮比内燃機関。
  3. 前記内燃機関の冷間始動時において、前記圧縮比を一旦、前記第1圧縮比より高い所定の第2圧縮比以上とし、その後、前記圧縮比を前記第1圧縮比以下とすることを特徴とする請求項1または2に記載の可変圧縮比内燃機関。
  4. 前記冷間始動時における前記内燃機関の冷却水温が所定温度以下の場合は、前記内燃機関が自立運転を開始した後に、前記圧縮比を前記第1圧縮比以下とすることを特徴とする請求項3に記載の可変圧縮比内燃機関。
JP2005031773A 2004-12-27 2005-02-08 可変圧縮比内燃機関 Pending JP2006207563A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005031773A JP2006207563A (ja) 2004-12-27 2005-02-08 可変圧縮比内燃機関

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004377646 2004-12-27
JP2005031773A JP2006207563A (ja) 2004-12-27 2005-02-08 可変圧縮比内燃機関

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006207563A true JP2006207563A (ja) 2006-08-10

Family

ID=36964683

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005031773A Pending JP2006207563A (ja) 2004-12-27 2005-02-08 可変圧縮比内燃機関

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006207563A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010185416A (ja) * 2009-02-13 2010-08-26 Nissan Motor Co Ltd エンジンの圧縮比制御装置及び圧縮比制御方法
JP2011185149A (ja) * 2010-03-08 2011-09-22 Toyota Motor Corp 火花点火式内燃機関
JP2012233435A (ja) * 2011-04-28 2012-11-29 Toyota Motor Corp 内燃機関

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010185416A (ja) * 2009-02-13 2010-08-26 Nissan Motor Co Ltd エンジンの圧縮比制御装置及び圧縮比制御方法
JP2011185149A (ja) * 2010-03-08 2011-09-22 Toyota Motor Corp 火花点火式内燃機関
JP2012233435A (ja) * 2011-04-28 2012-11-29 Toyota Motor Corp 内燃機関

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4470937B2 (ja) 火花点火式内燃機関
JP4873193B2 (ja) 可変動弁装置付エンジン
KR101020495B1 (ko) 기계 압축비 및 실제 압축 작용의 개시 시기 제어 방법
JP4858618B2 (ja) 火花点火式内燃機関
JP4259545B2 (ja) 火花点火式内燃機関
JP4450024B2 (ja) 火花点火式内燃機関
JP2006200508A (ja) 可変圧縮比内燃機関
JP4450025B2 (ja) 火花点火式内燃機関
JP2009115035A (ja) 火花点火式内燃機関
JP4631848B2 (ja) 火花点火式内燃機関
JP2006207563A (ja) 可変圧縮比内燃機関
JP4725561B2 (ja) 火花点火式内燃機関
JP5082938B2 (ja) 火花点火式内燃機関
JP2009008016A (ja) 火花点火式内燃機関
JP4701811B2 (ja) 可変圧縮比内燃機関
JP5196033B2 (ja) 火花点火式内燃機関
JP4930337B2 (ja) 火花点火式内燃機関
JP2007211637A (ja) 可変圧縮比内燃機関
JP2009097378A (ja) 内燃機関
JP4367547B2 (ja) 火花点火式内燃機関
JP4911144B2 (ja) 火花点火式内燃機関
JP5428928B2 (ja) 火花点火式内燃機関
JP2008274962A (ja) 火花点火式内燃機関
JP5516461B2 (ja) 可変圧縮比機構を備える内燃機関
JP5321422B2 (ja) 火花点火式内燃機関

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080125

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090827

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090901

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100112