JP4193879B2 - 可変圧縮比内燃機関及び、可変圧縮比内燃機関の冷却水排出方法 - Google Patents

可変圧縮比内燃機関及び、可変圧縮比内燃機関の冷却水排出方法 Download PDF

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Description

本発明は、内燃機関の圧縮比を変更する機能を有する可変圧縮比内燃機構に関し、特に可変圧縮比内燃機関からの冷却水排出構造及び冷却水排出方法に関する。
近年、内燃機関の燃費性能や出力性能などを向上させることを目的とした、内燃機関の圧縮比を可変にする技術が提案されている。この種の技術としては、シリンダブロックとクランクケースとを相対移動可能に連結するとともにその連結部分にカム軸を設け、前記カム軸を回動させてシリンダブロックとクランクケースとを、気筒の軸線方向に相対移動させることで燃焼室の容積を変更し、以て内燃機関の圧縮比を変更する技術が提案されている(例えば、特許文献1を参照。)。
上記の可変圧縮比内燃機関については、出荷前のベンチテストの終了後に、テストに使用した冷却水を、シリンダブロックが錆びることを防止するために排出する場合がある。また、市場における内燃機関の整備時にも、内燃機関内部の冷却水を排出する場合がある。
しかし、前述のようにシリンダブロックとクランクケースとを、気筒の軸線方向に相対移動させることで圧縮比を変更する内燃機関においては、ウォータジャケットが形成されているシリンダブロックの一部が、クランクケースに設けられた収納部に収納された状態で相対移動する構造がとられることがある。この場合、シリンダブロックの外壁をクランクケースの収納部の外壁で覆うような構造となるので、シリンダブロックの外側とウォータジャケットをと連通する水抜き孔を設けただけでは、冷却水をクランクケースの外側に導くことができず、冷却水を良好に排出することが困難な場合があった。
特開2003−206771号公報 特開2003−239743号公報
本発明は、上記従来技術に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、シリンダブロックが、クランクケースに設けられた収納部に収納されつつ、クランクケースに対して相対移動する可変圧縮比内燃機関において、シリンダブロックに形成されたウォータジャケットから冷却水を良好に排出可能とする技術を提供することである。
上記目的を達成するための本発明は、クランクケースとシリンダブロックとが、シリンダブロックの少なくとも一部がクランクケースに設けられた収納部に収納された状態で相対移動する可変圧縮比内燃機関において、シリンダブロックにウォータジャケットからシリンダブロックの外側に冷却水を排出する排水通路を設けるとともに、クランクケースには、前記排水通路が少なくとも所定の圧縮比において露出する露出部を設けたことを最大の特徴とする。
より詳しくは、内燃機関におけるクランク軸が組み付けられたクランクケースと、
前記内燃機関におけるシリンダ及び冷却水用のウォータジャケットが形成されたシリンダブロックと、を備え、
前記クランクケースには前記シリンダブロックをシリンダ軸方向に往復運動可能に収納する収納部が設けられ、
前記クランクケースと前記シリンダブロックとを、前記シリンダブロックの少なくとも一部が前記収納部に収納された状態で相対的に接近または離反させて燃焼室の容積を変更することにより圧縮比を変更する可変圧縮比内燃機関であって、
前記シリンダブロックに設けられ、前記ウォータジャケットと該シリンダブロックの外側とを連通する排水通路と、
前記クランクケースに設けられ、少なくとも所定の圧縮比の状態において前記シリンダブロックにおける排水通路の前記シリンダブロックの外側への開口部を、冷却水の排水可能に露出させる露出部と、をさらに備えることを特徴とする。
こうすれば、シリンダブロックの排水通路の外側の開口部が、クランクケースにおける収納部の壁面に覆われている構成においても、少なくとも所定の圧縮比においては、前記排出通路の開口部をクランクケースの外側に対して露出させることができるので、ウォータジャケット内の冷却水をクランクケースの外側に容易に排出することができる。その結果、可変圧縮比内燃機関における冷却水の排出作業を良好に行うことができる。
また、本発明においては、前記露出部は、前記クランクケースにおいて前記収納部の内側と前記クランクケースの外側とを連通するように形成された排出孔であるようにしてもよい。
すなわち、クランクケースに、前記排水通路と同様の通路である排出孔を設けるようにする。そうすれば、ウォータジャケット内の冷却水はまず前記排水通路を通過してシリンダブロックの外側に排出され、ついで、排出孔を通過してクランクケースの外側に排出される。このような2つの通路を設けることにより、冷却水を容易にクランクケースの外側に排出することができる。また、クランクケースにおける収納部に不用意に大きな開口部を設けることがないので、シリンダブロックとシリンダケースの間に存在する潤滑油が露出部から漏れ出ることを抑制できる。
また、本発明においては、前記排水通路を、前記シリンダブロックにおけるシリンダ軸に略垂直に形成し、前記排出孔を露出部として前記排水通路に略平行に形成することによって、前記クランクケースにおいて前記収納部の内側と前記クランクケースの外側とを連通し、前記排出孔をクランクケースの外側から閉塞する蓋部材と、前記シリンダブロックの外壁と前記収納部の内壁との隙間における前記排水通路と前記排出孔の間の空間を、前記シリンダブロックの外壁と前記収納部の内壁との隙間における前記空間の外部から遮断するシール部材と、をさらに備えるようにしてもよい。
すなわち、ウォータジャケットとシリンダブロックの外側とは排水通路で連通する。そして、収納部の内側とクランクケースの外側とは排出孔で連通する。そして、排水通路と排出孔との間は、シール部材とシリンダブロックの外壁と収納部の内壁とで形成される空間で連通する。そうすれば、ウォータジャケットからクランクケースの外側までの冷却水の通路が形成され、冷却水を容易にクランクケースの外側に排出することができる。
この場合のシール部材としては円形の所謂Oリングを例示することができる。そして、このOリングの内径を、圧縮比の可変範囲におけるクランクケースに対するシリンダブロックの相対移動距離より大きく設定し、圧縮比が如何に変化しても排水通路の外側の開口部がOリングの内側に位置するようにすれば、圧縮比の可変範囲内の全ての圧縮比において、ウォータジャケットからクランクケースの外側までの冷却水の通路を形成することができる。
また、Oリングの内径はより小さく設定し、このOリングを、排水通路の外側の開口部がOリングの内側に位置させた状態でシリンダブロックの外壁に固定し、Oリングがシリ
ンダブロックと共にクランクケースに対して相対移動するようにしてもよい。そうすれば、所定の圧縮比においては、Oリングによって排水通路と連通路とを連通することができ、それ以外の圧縮比においてはOリングと収納部の内壁とによって排水通路を閉塞し、ウォータジャケット内の冷却水がOリングの外部に漏れ出すことを抑制できる。
また、本発明においては、前記露出部を、前記クランクケースにおいて前記収納部の内側と前記クランクケースの外側とを連通する排出孔とし、伸縮または変形可能に形成された可撓性管路で、前記内燃機関の圧縮比に拘らず前記排水通路と前記排出孔とを連通するようにし、さらに、前記排出孔を外側から第2蓋部材で閉塞するようにしてもよい。
すなわち、排水通路と排出路とを可撓性管路によって連通する。そして、排出路を第2蓋部材によって外側から閉塞する。そうすれば、内燃機関の圧縮比の可変範囲の全ての圧縮比において、換言するとクランクケースに対するシリンダブロックの相対位置が如何様であっても、ウォータジャケットとクランクケースの外側とを確実に連通させることができる。そして、第2蓋部材を取り外して排出路を開放することで、ウォータジャケット内の冷却水を良好にクランクケースの外側に排出することができる。
また、本発明においては、前記排水通路は、前記シリンダブロックにおけるシリンダ軸に略垂直に形成されるようにし、前記露出部は、前記内燃機関の圧縮比可変範囲における全ての圧縮比において、前記排水通路を露出させるべくクランクケースに設けられた排出領域とし、前記排水通路を外側から閉塞する第3蓋部材をさらに備えるようにしてもよい。
すなわち、内燃機関の圧縮比が変更された場合、クランクケースに対する排水通路の外側の開口部の相対位置も変化するが、排出領域は、排水通路のシリンダブロック外側の開口部が取りうる全ての位置において、該開口部がクランクケースの外側に対して露出しているように形成される。例えば排出領域は、縦長の長穴状に形成されてもよい。
そして、排水通路は、排出領域の外側から脱着可能な第3蓋部材によって閉塞される。そうすれば、より簡単な構成によってウォータジャケット内の冷却水をクランクケースの外側に排出可能となる。また、冷却水の排出の場合には、排出領域の外側からの作業によって第3蓋部材を取り外せばよいので、冷却水の排出作業も平易となる。
また、この場合、前記排出領域を外側から閉塞する第4蓋部材をさらに備えるようにしてもよい。すなわち、排出領域の外側から見ると、排水通路のシリンダブロックの外側への開口部が露出しており、排出領域の外側からの作業によって第3蓋部材を取り付けることができるが、その状態からさらに排出領域全体を覆う第4蓋部材を取り付けて、排出領域全体を閉塞するようにしてもよい。
そうすれば、シリンダブロックとクランクケースとの間の潤滑油が連通領域から漏れ出すことを抑制できる。
また、本発明においては、前記排水通路は、前記シリンダブロックにおけるシリンダ軸に略垂直に形成されるようにし、前記露出部は、前記内燃機関の圧縮比の可変範囲における全ての圧縮比において、前記排水通路を露出させるべくクランクケースに設けられた排出領域とし、前記排水通路におけるシリンダブロックの外側の開口部に一端が接続され、前記排出領域を貫通するとともに他端が前記排出領域の外側において開口している連結管路と、前記連結管路の他端側の開口部を外側から閉塞する第5蓋部材と、をさらに備えるようにしてもよい。
すなわち、上記と同様、排出領域は、排水通路のシリンダブロックの外側の開口部が取りうる全ての位置において、開口部がクランクケースの外側に露出しているように形成される。前述のように排出領域は、縦長の長穴状に形成されてもよい。そして、排水通路には、前記排出領域を貫通する連結管路が接続される。そして、連結管路は、クランクケースの外側において開口している。そうすれば、連結管路によってより確実にウォータジャケット内の冷却水をクランクケースの外側に排出することが可能となる。また、冷却水の排出を行わない場合には、連結管路の開口部に第5蓋部材を取り付けることで、容易に冷却水の漏れ出しを抑制することができる。
また、この場合には、前記排出領域において前記連結管路が貫通する部分以外の領域を可撓性部材で覆うことにより、前記内燃機関の圧縮比可変範囲における全ての圧縮比において前記排出領域を密閉可能としてもよい。
すなわち、排出領域における連結管路が貫通している部分以外の領域を可撓性部材で覆う。そして、圧縮比が変更されて排出領域内における連結管路の位置が変化した場合でも、可撓性部材が変形することにより、排出領域の密閉状態を維持する。そうすれば、より確実に、シリンダブロックとクランクケースとの間の潤滑油が排出領域から漏れ出すことを抑制できる。
また、本発明においては、前記排水通路には、該排水通路の前記ウォータジャケット側の開口部を、前記ウォータジャケット側から所定の押圧力で押圧することによって閉鎖する第6蓋部材が設けられ、
前記露出部において前記排水通路の前記シリンダブロックの外側への開口部が露出された状態で、先端部において吸水した水を後側の部分から排出可能な排水部材を前記露出部から挿入し、
前記排水部材を前記排水通路に前記押圧力に抗して侵入させることにより前記第6蓋部材による前記開口部の閉塞を解除し、
前記排水部材が前記排水通路に侵入することにより前記第6蓋部材による前記開口部の閉塞状態を解除した上で、前記ウォータジャケット内の冷却水を前記排水部材を通じて前記クランクケースの外側へ排出させる冷却水排出方法を実行してもよい。
この方法においては、まず、排水通路には、該排水通路の前記ウォータジャケット側の開口部を、前記ウォータジャケット側から所定の押圧力で押圧することによって閉塞する第6蓋部材が設けられており、自動的にウォータジャケットが密閉されるようになっている。
そして、この方法においては、冷却水の排出のための道具として、先端部において吸水した水を後側の部分から排出可能な排水部材が用いられる。この排水部材を露出部としての連通路から挿入し、さらに排水通路に侵入させる。そして、前記第6蓋部材を前記押圧力に抗して押し開ける。そうすると、ウォータジャケット内の冷却水が前記排水部材の先端部から吸水され、排水部材の後側の部分から、クランクケースの外側に排出される。
この方法によれば、排出部材を連通路から挿入してウォータジャケット側に押し付けるという簡単な動作で、自動的に冷却水をクランクケースの外側に排出することができる。
なお、この方法においては、前記排水通路は、前記シリンダブロックにおけるシリンダ軸に略垂直に形成し、前記露出部は、前記排水通路に略平行に形成され、前記クランクケースにおいて前記収納部の内側と前記クランクケースの外側とを連通する排出孔とし、前記内燃機関における圧縮比が前記所定の圧縮比となった際に、前記排水通路と前記排出孔とが軸を略共有するようにしてもよい。
すなわち、排水通路及び排出路の両方が、シリンダブロックのシリンダ軸に略垂直に形成される。そして、内燃機関の圧縮比が所定の圧縮比となった際に、排水通路と排出路とが略同軸の状態となる。その状態において、排水部材を排出路から挿入して冷却水を排出させる。これによれば、クランクケースにおける露出部の面積を小さく抑えることができ、シリンダブロックとクランクケースとの間に存在する潤滑油が露出部から漏れ出すことを抑制できる。
また、この方法においては、前記排水通路は、前記シリンダブロックにおけるシリンダ軸に略平行に形成し、前記露出部は、前記排水通路に略平行に形成され、前記クランクケースにおいて前記収納部の底面と前記クランクケースの外側とを連通する排出孔とし、前記内燃機関の圧縮比の可変範囲における全ての圧縮比において、前記排水通路と前記排出孔とが軸を略共有するようにしてもよい。
すなわち、排水通路及び排出孔の両方を、シリンダブロックのシリンダ軸と平行に形成する。例えば、排水通路は、ウォータジャケットの底面とシリンダブロックの下面とを連通するように形成する。そして、排出孔は、クランクケースの収納部の底面と、クランクケースのさらに下面とを連通するように形成する。そうすれば、内燃機関の圧縮比に関係なく、排水通路と排出路とを略同軸の状態とすることができ、如何なる圧縮比の状態においても冷却水の排出を行うことができる。
また、本発明においては、前記内燃機関の圧縮比の可変範囲の全ての圧縮比において前記シリンダブロックにおいて前記収納部に収納されない部分に、前記排水通路が前記シリンダ軸に略垂直に形成されるようにし、冷却水の排出時には、前記排水通路から可撓性の排水ホースを挿入して、その先端を前記ウォータジャケットの底部付近まで送り込み、前記排水ホースの後部から冷却水を吸い出すことによって冷却水をクランクケースの外側に排出させる冷却水の排出方法を採用してもよい。
すなわち、排水通路は、シリンダブロックにおいて、クランクケースの収納部に収納されない部分に設けられる。その場合、シリンダブロックの外側にクランクケースは存在しないので、排水通路はクランクケースの外側に対して自動的に露出している。一方、このような配置を採用した場合には、排水通路はシリンダブロックにおいてウォータジャケットの上部と、シリンダブロックの外側とを連通するので、このままでは、冷却水を充分に排出することが困難である。
従って、この場合には、排水ホースを排水通路から挿入し、排水ホースの先端をウォータジャケットの底部まで送り込む。そして、排水ホースの後部からポンプなどで冷却水を吸い出す。
こうすれば、非常に容易な構成及び方法によって、内燃機関の圧縮比可変範囲における全ての圧縮比において、冷却水の排出が可能となる。
また、この場合、冷却水の排出時に排水ホースを排水通路から挿入するのではなく、排水通路を貫通し、先端がウォータジャケットの底部まで延びている排水バイプが常設され、排水パイプの後部(シリンダブロックの外側の開口部)にドレンプラグを脱着するような構成にしてもよい。こうすれば、冷却水の排出時にドレンプラグを取り外し、排水パイプの後部からポンプなどで冷却水を吸い出すことによって、容易に冷却水を排出することができる。
なお、上記した本発明の課題を解決する手段については、可能なかぎり組み合わせて用
いることができる。
本発明にあっては、シリンダブロックが、クランクケースに設けられた収納部に収納されつつ、クランクケースに対して相対移動する可変圧縮比内燃機関において、シリンダブロックに形成されたウォータジャケットから冷却水を良好に排出することができる。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための最良の形態を例示的に詳しく説明する。
図1に本実施例に係る可変圧縮比内燃機関(以下、「内燃機関1」)のシリンダブロック3及びクランクケース4の概略について示す。図1に示すように、内燃機関1におけるシリンダブロック3及びクランクケース4は分離構造がとられている。シリンダブロック3にはシリンダ2及び冷却水の流路となるウォータジャケット5が形成されている。このシリンダブロック3の図中上側には図示しないシリンダヘッドが備え付けられる。一方、クランクケース4には図示しないクランクシャフト及びコンロッド、ピストンが備えられている。
また、クランクケース4には、収納部4aが設けられ、シリンダブロック3は収納部4aに収納されている。内燃機関1において圧縮比を変更する際には、図示しない可変圧縮比機構によってクランクケース4に対してシリンダブロック3が、シリンダ2の軸方向について接近または離反する。このクランクケース4とシリンダブロック3との相対移動によって燃焼室の容積を変更し、圧縮比を変更する。
ここで、シリンダブロックがクランクケースに対して相対移動しない通常の内燃機関においては、シリンダブロックにおけるウォータジャケットの底部付近と、シリンダブロックの外側とを連通するドレンが設けられ、ドレンプラグで閉塞されている。そして、内燃機関の出荷前のベンチテストや市場での整備時においては、ドレンプラグを取り外すことにより、ウォータジャケット内の冷却水がドレンから排出される。
しかし、図1に示すような構成の内燃機関1においては、シリンダブロック3の外側に収納部4aの内壁が配置されており、しかも目標圧縮比に応じてシリンダブロック3が収納部4aの内壁に対して相対移動するので、ウォータジャケット5内の冷却水をクランクケース4の外側に直接排出することが困難な場合があった。
そこで、本実施例においては、シリンダブロック3にシリンダブロック側ドレン3a、クランクケース4側にはクランクケース側ドレン4bの2つのドレンを設けた。そして、シリンダブロック側ドレン3aとクランクケース側ドレン4bとの間をOリング50を利用して連通することとした。なお、以下の図2〜図7において示す図は、図1に破線で示す円内の部分の拡大図である。
図2には、本実施例におけるドレン付近の概略構成を示す。図2(a)に示すように、シリンダブロック3の外側とウォータジャケット5の間にはシリンダブロック側ドレン3aが設けられ、クランクケース4にはクランクケース側ドレン4bが設けられている。このシリンダブロク側ドレン3aとクランクケース側ドレン4bとは、圧縮比が最高圧縮比に設定され、クランクケース4に対してシリンダブロック3が最も接近した状態において軸を共有するようになっている。また、クランクケース側ドレン4bの内壁には螺旋が形成されている。
クランクケース側ドレン4bのクランクケース4の外側への開口部には、ドレンプラグ40が捻じ込まれることにより、クランクケース側ドレン4bを閉塞するようになっている。
そして、本実施例においては、シリンダブロック3とクランクケース4との隙間部分にOリング50が設けられている。このOリング50は、クランクケース4の収納部4aの内壁に固定されており、シリンダブロック3がクランクケース4に対して相対移動した際にも、クランクケース4側に対して相対移動しない。また、Oリング50の内径は充分に大きく設定されており、内燃機関1における圧縮比の可変範囲の最高値である場合及び、最低値である場合にも、シリンダブロック側ドレン3aのシリンダブロック3の外側への開口部は、Oリング50の内側に位置する。すなわち圧縮比の可変範囲における全ての圧縮比において、シリンダブロック3とクランクケース4の間の隙間であってOリング50によって区切られた空間によって、シリンダブロック側ドレン3aとクランクケース側ドレン4bとは連通されている。
そして、ウォータジャケット5内の冷却水を排出する場合には、ドレンプラグ40を取り外す。そうすれば、ウォータジャケット5内の冷却水は、シリンダブロック側ドレン3a、シリンダブロック3とクランクケース4の間の隙間であってOリング50によって区切られた空間、クランクケース側ドレン4bを通過して排出される。
本実施例によれば、非常に簡単な構成及び作業によって、ウォータジャケット5内の冷却水を排出することができる。
なお、上記の実施例においては、比較的大きなOリング50を用いて、圧縮比の可変範囲における全ての圧縮比においてシリンダブロック側ドレン3aのシリンダブロック3の外側への開口部がOリング50の内側に位置する場合について説明したが、Oリング50はより小径のものを用い、シリンダブロック側ドレン3aのシリンダブロック3の外側への開口部がOリング50の内側に位置するように、シリンダブロック3に固定されてもよい。
その場合は、圧縮比が最高圧縮比に設定された際には、クランクケース4に対してシリンダブロック3が最も接近した状態において軸を共有するので、シリンダブロック3とクランクケース4の間の隙間とOリング50とによってシリンダブロック側ドレン3aとクランクケース側ドレン4bとが連通され、冷却水の排水が可能な状態となる。
そして、圧縮比が例えば、可変範囲の最低圧縮比付近である状態においては、図2(b)に示すようにOリング50はシリンダブロック3とともにクランクケース4に対して相対移動し、クランクケース側ドレン4bは、Oリング50の外側に対して開口するようになる。その状態では、ウォータジャケット5はOリング50と収納部4aの内壁によって密閉状態が維持される。
なお、上記においてシリンダブロック側ドレン3aは排水通路に、クランクケース側ドレン4bは排出孔に相当する。また、ドレンプラグ40は蓋部材に、Oリング50はシール部材に相当する。
次に、本発明における実施例2について説明する。本実施例は、シリンダブロック側ドレンとクランクケース側ドレンとを可撓性の蛇腹管で連通し、内燃機関の圧縮比に拘わらず冷却水の排出を可能にした例について説明する。
図3は、本実施例におけるドレン付近の概略構成について示した図である。図3(a)においては、シリンダブロック側ドレン3b及びクランクケース側ドレン4cは、シリンダ2の軸方向に平行に形成されている。そして、シリンダブロック側ドレン3b及びクランクケース側ドレン4cの間は蛇腹管60で連通されている。そして、クランクケース側ドレン4cには螺旋が形成されており、ドレンプラグ40が螺合することによって閉塞している。
ここで、圧縮比が変更されることによってシリンダブロック3がクランクケース4に対して相対移動する場合は、蛇腹管60が伸縮することにより、シリンダケース側ドレン3bとクランクケース側ドレン4cとの連通を維持する。この例によれば、内燃機関1における圧縮比の可変範囲における全ての圧縮比において、ウォータジャケット5とクランクケース4の外側とを連通することができ、ドレンプラグ40を取り外すという平易な作業によって冷却水の排出を良好に行うことができる。
図3(b)には、本実施例における別の態様について示す。本態様においては、シリンダブロック側ドレン3c及びクランクケース側ドレン4dは、シリンダブロック3のシリンダ2の軸方向に垂直な方向に形成されている。そして、シリンダブロック側ドレン3cとクランクケース側ドレン4dとを蛇腹管70によって連通している。そして、最高圧縮比の状態においてシリンダブロック側ドレン3cとクランクケース側ドレン4dとの軸が共有されるようになっている。
なお、この場合は、クランクケース4に対するシリンダブロック3の相対移動方向が、シリンダブロック側ドレン3c、クランクケース側ドレン4dと垂直方向になる。従って最高圧縮比以外の圧縮比においては、シリンダブロック側ドレン3cとクランクケース側ドレン4dの軸同士は、ずれてしまう。しかし、この場合でも蛇腹管70がその軸方向と垂直方向に変形することにより、シリンダブロック側ドレン3cとクランクケース側ドレン4dの連通を維持する。この例においても、冷却水の排出時には、ドレンプラグ40を取り外すという平易な作業によってウォータジャケット5における冷却水を排出することができる。
なお、上記において、蛇腹管60及び70は可撓性管路に相当する。また、本実施例におけるドレンプラグ40は第2蓋部材に相当する。
次に本発明の実施例3について説明する。本実施例においては、シリンダブロック側ドレン3dには螺旋が形成されてドレンプラグ40によって閉塞されており、クランクケース4には、内燃機関1の圧縮比の可変範囲の全ての圧縮比においてシリンダブロック側ドレン3dのシリンダブロック3の外側の開口部が、クランクケース4の外側に露出している例について示す。
図4には本実施例におけるドレン付近の概略構成を示す。本実施例においては、シリンダブロック側ドレン3dには螺旋が形成され、冷却水を排出しない場合にはドレンプラグ40によって閉塞されている。また、クランクケース4には、内燃機関1における全ての圧縮比においてシリンダブロック側ドレン3dが露出するような縦長の開口部であるクランクケース側スリット4eが設けられている。
そして、冷却水を排出する場合には、ドレンプラグ40を取り外すことにより、冷却水をクランクケース4の外側へ排出することができる。
これによれば、より簡単な構成で内燃機関1の圧縮比に拘わらず冷却水を排水することができる。
また、この場合、クランクケース側スリット4eには、クランクケース側スリット4e全体を覆うキャップ4fを設けても良い。そうすれば、キャップ4fによってクランクケース側スリット4e全体を閉塞することができ、シリンダブロック3とクランクケース4の間に存在する潤滑油の漏れ出しを抑制することができる。
また、本実施例においては、図5に示すようにシリンダブロック側ドレン3dに連結パイプ3eが接続されて、連結パイプ3eの先端がクランクケース側スリット4eの外側まで延びており、当該先端がドレンプラグ40によって閉塞されている構成としてもよい。そうすれば、冷却水をより確実にクランクケース4の外側に排出することができる。
また、この場合には、また、この場合、クランクケース側スリット4eには、連結パイプ3eが貫通している部分以外をゴムなどの可撓性材料で形成され蛇腹構造を有する蛇腹カバー4gを設けるようにしてもよい。そうすれば、内燃機関1の圧縮比が変更されてクランクケース側スリット4e内における連結パイプ3eの位置が変化しても、蛇腹カバー4gによってクランクケース側スリット4eを閉塞することができ、シリンダブロック3とクランクケース4の間の潤滑油の漏れ出しを抑制することができる。
なお、上記においてクランクケース側スリット4eは排出領域に相当する。本実施例におけるドレンプラグ40は第3蓋部材に、キャップ4fは第4蓋部材に相当する。また、連結パイプ3eは連結管路に、連結パイプ3eを閉塞するドレンプラグ40は第5蓋部材に相当する。蛇腹カバー4gは可撓性部材に相当する。
次に、本発明における実施例4について説明する、本実施例においては、シリンダブロックのウォータジャケットには、内側からウォータジャケットの壁面クランクケース側に押圧する蓋体を設けた。冷却水を排水する際には、カプラによって前記蓋体を押し込むことによってウォータジャケットの密閉状態を解除するとともに、カプラそのものを用いて冷却水をクランクケースの外まで導くこととした。
図6には、本実施例におけるドレン構造の概略構成を示す。図6(a)に示すように、本実施例においては、シリンダブロック3にはシリンダブロック側ドレン3fが設けられ、クランクケース4にはクランクケース側ドレン4hが設けられている。このシリンダブロック側ドレン3fとクランクケース側ドレン4fとは、圧縮比が最高圧縮比に設定され、クランクケース4に対してシリンダブロック3が最も接近した状態において軸を共有するようになっている。また、シリンダブロック側ドレン3f及びクランクケース側ドレン4hの内壁には螺旋が形成されている。また、クランクケース側ドレン4hの内径はシリンダブロック側ドレン3fの内径より大きく設定されている。
図6(a)において、ウォータジャケット5の内部には、ジャケット蓋80と付勢バネ81が備えられており、ジャケット蓋80は付勢バネ81によってウォータジャケット5のシリンダブロック側ドレン3f側の壁面に押圧されてウォータジャケット5を密閉している。クランクケース側ドレン4hのクランクケース4の外側への開口部には、ドレンプラグ40が捻じ込まれることにより、クランクケース側ドレン4hを閉鎖している。
次に、図6(b)を用いて、ウォータジャケット5から冷却水を排出する方法について説明する。本実施例においては、冷却水の排出作業時の道具としてカプラ6を備えている。このカプラ6の先端部6a側面には、吸水口6bが形成されている。また、雄螺旋部6
cが形成されている。さらに内部には、吸水口6bと、カプラ後端部6dとを連通させる水路6eが形成されている。そして、ドレンプラグ40をクランクケース側ドレン4hから取り外した後にクランクケース側ドレン4hの開口部からカプラ6を挿入する。さらにシリンダブロック側ドレン3fにカプラ6が達した後にカプラ6を回転させることにより、雄螺旋部6cを、シリンダブロック側ドレン3fに形成された雌螺旋に螺合させる。そうすると、カプラ6はさらに奥まで挿入されて付勢バネ81の付勢力に抗してジャケット蓋80を押し込むことによってウォータジャケット5の密閉状態を解除する。そのことにより、ウォータジャケット5内の冷却水がカプラ6の吸水口6bから吸水され水路6eを通過して後端部6dからクランクケース4の外側に排出される。
以上、説明したように、本実施例においては、ドレンをシリンダブロック3及びクランクケース4の両方に設け、圧縮比を可変範囲の最高圧縮比に設定した上でカプラ6をクランクケース側ドレン4bから挿入することにより、ウォータジャケット5内の冷却水を排水可能とした。これによれば、簡単な作業及び構成によってより確実に冷却水の排水を行うことができる。
なお、図7には、本実施例におけるシリンダブロック側ドレン3g、クランクケース側ドレン4iをそれぞれシリンダ軸と平行方向に形成した例を示す。この場合は、図7(a)に示すように、ジャケット蓋82はウォータジャケット5の底部に回転可能に支持されており、自由端付近を付勢バネ83で図中下側に付勢されている。そして冷却水を排出する際には、図7(b)に示すように、クランクケース4の図中下側からカプラ6を挿入する。このようにすれば、カプラ6の長さを充分に長くすることにより、内燃機関1の圧縮比に拘わらず、冷却水を排出することができる。
上記において、ジャケット蓋80、82は第6蓋部材に相当する。カプラ6は排水部材に相当する。また、上記においてカプラ6には雄螺旋部6cが設けられ、カプラ6を回転させることによりジャケット蓋80,83による密閉状態を解除したが、この螺旋構造は必ずしも必要でなく、シリンダブロック側ドレンにカプラの先端部を嵌合させ、直進運動させることによってジャケット蓋による密閉状態を解除するようにしてもよい。
次に、本発明の実施例5について説明する。本実施例においては、シリンダブロック側ドレンは、シリンダブロックの上部であってクランクケースの収納部に収納されていない部分に設けられ、シリンダブロック側ドレンからホースをウォータジャケットに挿入して、冷却水を吸い出す方法について説明する。
図8に示すように、本実施例においては、シリンダブロック側ドレン3hは、シリンダブロック3の比較的上部に設けられている。そして、内燃機関1における圧縮比の可変範囲の全ての圧縮比において、シリンダブロック3のこの部分における外側にはクランクケース4は配置されない。
そして、シリンダブロック側ドレン3hには螺旋が形成されており、冷却水の排出を行わない場合には、ドレンプラグ40によって閉塞されている。そしてウォータジャケット5中の冷却水を排出する際には、ドレンプラグ40は取り外され、排水ホース90がシリンダブロック側ドレン3hから挿入される。そして、排水ホース90の先端はウォータジャケット5の底部付近まで送られる。そして、この状態で、排水ホース90の後端からポンプで冷却水を排出する。
そうすれば、より簡単な作業及び構成でウォータジャケット5の冷却水を排出することができる。また、シリンダブロック3の外側にクランクケース4が配置されない部分にシ
リンダブロック側ドレン3hを配置できるので、シリンダブロック3とクランクケース4の間に存在する潤滑油の漏れ出しの対策を行う必要がない。ここで、シリンダブロック3において、その外側にクランクケース4が配置されない部分は、本実施例において露出部に相当する。
次に図9を用いて、シリンダブロック側ドレンが、シリンダブロックの上部であってクランクケースの収納部に収納されていない部分に設けられた別の例について説明する。
図9に示すように、この例でもシリンダブロック側ドレン3iは、シリンダブロック3の比較的上部に設けられている。そして、先述の例と同様、内燃機関1における圧縮比の可変範囲の全ての圧縮比において、シリンダブロック3のこの部分における外側にはクランクケース4は配置されない。
そして、シリンダブロック側ドレン3iには排水パイプ91が、シリンダブロック側ドレン3iを貫通して先端がウォータジャケット5の底部付近まで延びた形で常設されている。また、排水パイプ91のシリンダブロック3の外側の端部には螺旋が形成されており、冷却水の排出を行わない場合には、ドレンプラグ40によって閉塞されるようになっている。ウォータジャケット5中の冷却水を排出する際には、ドレンプラグ40は取り外され、排水パイプ91のシリンダブロック3の外側の端部からポンプで冷却水を排出する。
そうすれば、より簡単な作業によりウォータジャケット5の冷却水を排出することができる。
本発明の実施例に係る内燃機関の概略構成を示す図である。 本発明の実施例1に係るウォータジャケットのドレン付近の構造を示す断面図である。 本発明の実施例2に係るウォータジャケットのドレン付近の構造を示す断面図である。 本発明の実施例3に係るウォータジャケットのドレン付近の構造を示す断面図である。 本発明の実施例3に係るウォータジャケットのドレン付近の構造の他の例を示す断面図である。 本発明の実施例4に係るウォータジャケットの冷却水の排出方法について説明するための断面図である。 本発明の実施例4に係るウォータジャケットの冷却水の排出方法の別の例について説明するための断面図である。 本発明の実施例5に係るウォータジャケットの冷却水の排出方法について説明するための断面図である。 本発明の実施例5に係るウォータジャケットのドレン付近の構造の例を示す断面図である。
符号の説明
1・・・内燃機関
2・・・シリンダ
3・・・シリンダブロック
3a〜3i・・・シリンダブロック側ドレン
4・・・クランクケース
4a・・・収納部
4b〜4d、4f〜4i・・・クランクケース側ドレン
4e・・・クランクケース側スリット
5・・・ウォータジャケット
6・・・カプラ
40・・・ドレンプラグ
50・・・Oリング
60、70・・・蛇腹管
80・・・ジャケット蓋
90・・・排水ホース
91・・・排水パイプ
92・・・シール

Claims (12)

  1. 内燃機関におけるクランク軸が組み付けられたクランクケースと、
    前記内燃機関におけるシリンダ及び冷却水用のウォータジャケットが形成されたシリンダブロックと、を備え、
    前記クランクケースには前記シリンダブロックをシリンダ軸方向に往復運動可能に収納する収納部が設けられ、
    前記クランクケースと前記シリンダブロックとを、前記シリンダブロックの少なくとも一部が前記収納部に収納された状態で相対的に接近または離反させて燃焼室の容積を変更することにより圧縮比を変更する可変圧縮比内燃機関であって、
    前記シリンダブロックに設けられ、前記ウォータジャケットと該シリンダブロックの外側とを連通する排水通路と、
    前記クランクケースに設けられ、少なくとも所定の圧縮比の状態において前記シリンダブロックにおける排水通路の前記シリンダブロックの外側への開口部を、冷却水の排水可能に露出させる露出部と、をさらに備えることを特徴とする可変圧縮比内燃機関。
  2. 前記露出部は、前記クランクケースにおいて前記収納部の内側と前記クランクケースの外側とを連通する排出孔であることを特徴とする請求項1に記載の可変圧縮比内燃機関。
  3. 前記排水通路は、前記シリンダブロックにおけるシリンダ軸に略垂直に形成されており、
    前記露出部は、前記排水通路に略平行に形成され、前記クランクケースにおいて前記収納部の内側と前記クランクケースの外側とを連通する排出孔であり、
    前記排出孔をクランクケース外側から閉塞する蓋部材と、
    前記シリンダブロックの外壁と前記収納部の内壁との隙間に設けられ、前記排水通路と前記排出孔との間の空間を、前記シリンダブロックの外壁と前記収納部の内壁との隙間における前記空間の外部から遮断するシール部材と、
    をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の可変圧縮比内燃機関。
  4. 前記露出部は、前記クランクケースにおいて前記収納部の内側と前記クランクケースの外側とを連通する排出孔であり、
    伸縮または変形可能に形成され、前記内燃機関の圧縮比の可変範囲における全ての圧縮比において前記排水通路と前記排出孔とを連通可能な可撓性管路と、
    前記排出孔を外側から閉塞する第2蓋部材と、
    をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の可変圧縮比内燃機関。
  5. 前記排水通路は、前記シリンダブロックにおけるシリンダ軸に略垂直に形成されており、
    前記露出部は、前記内燃機関の圧縮比の可変範囲における全ての圧縮比において、前記排水通路の前記シリンダブロックの外側への開口部を露出させるべく、前記クランクケースに設けられた排出領域であり、
    前記排水通路を外側から閉塞する第3蓋部材をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の可変圧縮比内燃機関。
  6. 前記排出領域を外側から閉塞する第4蓋部材をさらに備えることを特徴とする請求項5に記載の可変圧縮比内燃機関。
  7. 前記排水通路は、前記シリンダブロックにおけるシリンダ軸に略垂直に形成されており、
    前記露出部は、前記内燃機関の圧縮比の可変範囲における全ての圧縮比において、前記
    排水通路の前記シリンダブロックの外側への開口部を露出させるべく、前記クランクケースに設けられた排出領域であり、
    前記排水通路の前記シリンダブロックの外側への開口部に一端が接続され、前記排出領域を貫通するとともに他端が前記排出領域の外側において開口している連結管路と、
    前記連結管路の他端側の開口部を外側から閉塞する第5蓋部材と、をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の可変圧縮比内燃機関。
  8. 前記排出領域において前記連結管路が貫通する部分以外の領域を可撓性部材で覆うことにより、前記内燃機関の圧縮比の可変範囲における全ての圧縮比において前記排出領域を密閉可能としたことを特徴とする請求項7に記載の可変圧縮比内燃機関。
  9. 請求項1に記載の可変圧縮比内燃機関において、
    前記排水通路には、該排水通路の前記ウォータジャケット側の開口部を、前記ウォータジャケット側から所定の押圧力で押圧することによって閉塞する第6蓋部材が設けられ、
    前記露出部において前記排水通路の前記シリンダブロックの外側への開口部が露出された状態で、先端部から吸水した水を後側の部分から排出可能な排水部材を前記露出部から挿入し、
    前記排水部材を前記排水通路に前記押圧力に抗して侵入させることにより前記第6蓋部材による前記開口部の閉塞を解除し、
    前記排水部材が前記排水通路に侵入して前記第6蓋部材による前記開口部の閉塞が解除された状態で、前記ウォータジャケット内の冷却水を前記排水部材の先端部から吸水させ、後側の部分から排出させることにより前記クランクケースの外側へ排出させることを特徴とする可変圧縮比内燃機関の冷却水排出方法。
  10. 前記排水通路は、前記シリンダブロックにおけるシリンダ軸に略垂直に形成されており、
    前記露出部は、前記排水通路に略平行に形成され、前記クランクケースにおいて前記収納部の内側と前記クランクケースの外側とを連通する排出孔であり、
    前記内燃機関における圧縮比が前記所定の圧縮比となった際に、前記排水通路と前記排出孔とが軸を略共有することを特徴とする請求項9に記載の可変圧縮比内燃機関の冷却水排出方法。
  11. 前記排水通路は、前記シリンダブロックにおけるシリンダ軸に略平行に形成されており、
    前記露出部は、前記排水通路に略平行に形成され、前記クランクケースにおいて前記収納部の底面と前記クランクケースの外側とを連通する排出孔であり、
    前記内燃機関の圧縮比の可変範囲における全ての圧縮比において、前記排水通路と前記排出孔とが軸を略共有することを特徴とする請求項9に記載の可変圧縮比内燃機関の冷却水排出方法。
  12. 請求項1に記載の可変圧縮比内燃機関において、
    前記排水通路は、前記シリンダブロックにおける前記収納部に収納されない部分に前記シリンダ軸に略垂直に形成され、
    前記排水通路から可撓性の排水ホースを挿入し、該排水ホースの先端を前記ウォータジャケットの底部付近まで送り込み、
    前記排水ホースの後部から冷却水を吸い出すことによって冷却水をクランクケースの外側に排出させることを特徴とする可変圧縮比内燃機関の冷却水排出方法。
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