JP4207975B2 - 可変圧縮比内燃機関 - Google Patents

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本発明は、内燃機関の気筒内における燃焼室の容積を変更することによって前記内燃機関の圧縮比を変更する可変圧縮比内燃機関に関する。特に、軸部と、前記軸部に固定されているカム部とからなるとともに前記軸部に対して回転可能に取り付けられた可動軸受部を有するカム軸を備え、該カム軸を回転させることにより、シリンダブロックとクランクケースとを相対的に接近または離反させる可変圧縮比内燃機関に関する。
近年、内燃機関の燃費性能や出力性能などを向上させることを目的とした、内燃機関の圧縮比を可変にする技術が提案されている。この種の技術としては、シリンダブロックとクランクケースとを相対移動可能に連結するとともにその連結部分にカム軸を設け、前記カム軸を回転させてシリンダブロックとクランクケースとを、気筒の軸線方向に相対移動させることで燃焼室の容積を変更し、以て内燃機関の圧縮比を変更する技術が提案されている(例えば、特許文献1を参照。)。
上記の技術においては、前記カム軸における軸部の中心と可動軸受部の軸受収納孔における回転中心とを結んだ線分である可動軸受作用線分の長さは、前記カム軸における軸部の中心とカム部のカム収納孔における回転中心とを結んだ線分であるカム作用線分の長さと同等であることが多い。
そのような構成の場合、前記内燃機関の圧縮比を変更した際の前記可動軸受作用線分及び前記カム作用線分の姿勢によっては、内燃機関の燃焼圧などに起因してシリンダブロックとクランクケースとの間を離反させる方向にかかる力が、前記可動軸受作用線と前記カム作用線の方向に対して増幅されて作用する場合があった。そうすると、カム軸自身あるいは、シリンダブロックまたはクランクケースにおいてカム軸と係合している部分の燃焼圧による変形が増大し、内燃機関の振動が大きくなるおそれがあった。
特開2003−206771号公報 特開2005−113839号公報
本発明は、上記従来技術に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、圧縮比に拘らず可変圧縮比内燃機関の振動を抑制することができる技術を提供することである。
上記目的を達成するための本発明は、内燃機関におけるクランク軸が組み付けられたクランクケースと、
前記内燃機関におけるシリンダが形成されるとともに、前記クランクケースに相対移動可能に取り付けられたシリンダブロックと、
前記シリンダブロックにおけるシリンダの両側方に平行に配置されて互いに逆方向に回転する一対のカム軸と、を備え、
前記カム軸は、軸部と、前記軸部に固定されているカム部とからなるとともに、前記軸部に対して回転可能に取り付けられた可動軸受部を有し、前記カム部が、前記シリンダブロック又は前記クランクケースの一方に形成されたカム収納孔に回転可能に収納されると共に、前記可動軸受部が、前記シリンダブロック又は前記クランクケースの他方に形成された軸受収納孔に回転可能に収納されており、
前記軸部は円柱形の外形を有し、
前記カム部は前記軸部の中心に対して偏心し、前記軸部より径の大きい円形のカムプロフィールを有するとともに、前記カム収納孔は前記カム部と同一の円形の孔形状を有し、
前記可動軸受部は前記軸部の中心に対して偏心し、前記カム部と同一の円形の外径を有するとともに、前記軸受収納孔は前記可動軸受部と同一の円形の孔形状を有し、
前記カム軸を回転させて、前記クランクケースと前記シリンダブロックとを、相対的に接近または離反させることにより、前記内燃機関の圧縮比を変更する可変圧縮比内燃機関であって、
前記カム軸における前記可動軸受部の中心、前記軸部の中心及び前記カム部の中心が、前記カム軸の軸線方向から見て、該順番で前記シリンダの軸方向に略平行に略一直線上に並んだ第1状態から、前記カム軸を該第1状態より略90度回転させることによって、前記カム軸の軸線方向から見て、前記可動軸受部の中心と前記カム部の中心とが重なるとともに、前記可動軸受部の中心及び前記カム部の中心と、前記軸部の中心とが、前記シリンダの軸方向に略垂直に並んだ第2状態までの間で、前記カム軸を回転させ、圧縮比を前記第1状態における圧縮比である第1圧縮比と前記第2状態における圧縮比である第2圧縮比の間で制御する第1制御手段と、
前記第2状態から、圧縮比を前記第2圧縮比に維持しつつ、前記カム軸を、前記可動軸受部の中心と前記カム部の中心とが重なったまま、前記第1状態となるべき回転方向と逆方向にさらに回転させる第2制御手段と、
を備えたことを特徴とする。
ここで、本発明における可変圧縮比内燃機関には、軸部と軸部に固定されているカム部とからなるとともに、軸部に対して回転可能に取り付けられた可動軸受部を有するカム軸が備えられる。そして、該カム軸を回転させることにより、カム部と可動軸受部とを前記軸部中心に対して回転移動させ、この回転移動を利用してシリンダブロックとクランクケースとを接近または離反させる。
そして、第1状態から第2状態へとカム軸の状態を変化させることにより、圧縮比が上昇する場合を考えると、カム軸とシリンダブロック及びクランクケースとの関係は以下のようになる。すなわち、シリンダブロックとクランクケースとが離反した状態である第1状態においては、カム軸における可動軸受部の中心、軸部の中心及びカム部の中心が、該順番で前記シリンダの軸方向に略平行に略一直線上に並ぶ。一方、シリンダブロックとクランクケースとが接近した状態である第2状態においては、可動軸受部の中心とカム部の中心とが重なるとともに、可動軸受部の中心及びカム部の中心と、軸部の中心とが、シリンダの軸方向に略垂直に並ぶ。
すなわち、上記のような可変圧縮比内燃機関においては、カム軸を回転させて圧縮比を変更させる際の、軸部の中心と可動軸受部の中心とを結んだ線分(以下、「可動軸受作用線分」という。)及び軸部の中心と可動軸受部の中心とを結んだ線分(以下、「カム作用線分」という。)のシリンダ軸線に対する角度は、カム軸における前記第1状態においては0度付近、前記第2状態においては90度付近となる。
そうすると、内燃機関の燃焼圧に起因した負荷がシリンダブロックとクランクケースとを離反させる方向に作用した場合に、特に前記第2状態においては、燃焼圧に起因する負荷がカム軸に作用する際の作用線に対する、可動軸受作用線分及びカム作用線分の角度が約90度になるために、燃焼圧に起因する負荷が可動軸受作用線分及びカム作用線分の方向に力学的に増幅されて作用してしまう場合があった。
そうすると、カム軸や、シリンダブロックやクランクケースにおいてカム軸と係合している部分における振動の原因となる場合があった。特に可動軸受部については、構造上、
前記第2状態において軸受収納孔における回転のアソビが大きくなるので、上記振動が生じ易くなるとともに圧縮比の制御精度の維持が困難となる場合があった。
そこで、本発明においては、前記第1状態から前記第2状態までの間で、前記カム軸を回転させて圧縮比を制御する第1制御手段に加えて、前記第2状態における圧縮比を維持しつつ、すなわち前記シリンダブロックと前記クランクケースとの相対位置を維持しつつ、さらにカム軸を回転させる第2制御手段と、を備えることとした。
そうすれば、前記可変圧縮比内燃機関の圧縮比を前記第2圧縮比とする場合には、前記第1制御手段によって前記カム軸を前記第2状態とした後、さらに前記第2制御手段によって前記カム軸を回転させることにより、前記可動軸受作用線分及びカム作用線分とシリンダの軸線との角度を90度から遠ざけることができる。その結果、燃焼圧に起因する負荷が前記可動軸受作用線分及びカム作用線分の方向に増幅されて作用することを抑制でき、可変圧縮比内燃機関における振動を抑制することができる。
なお、上述の可変圧縮比内燃機関において、前記第2制御手段は、前記カム軸が前記第2状態から、前記第1状態となるべき回転方向と逆方向に回転した場合に、前記シリンダブロックと前記クランクケースとのさらなる接近または離反を禁止する禁止手段を有するようにしてもよい。
そうすると、前記第2制御手段が、前記第2状態からさらにカム軸を、前記第1状態となるべき回転方向と逆方向に回転させた場合には、それ以上前記シリンダブロックと前記クランクケースとは相対移動しない。その場合、前記カム軸が回転した際に、自動的に前記可動軸受部の中心と前記カム部の中心とが重なったまま、前記軸受収納孔及びカム収納孔の内部においてあたかも一本の軸のように空回りを起すこととなる。
それにより、前記第2制御手段は簡単な構成によって、圧縮比を前記第2圧縮比に維持しつつ、前記カム軸を、前記可動軸受部の中心と前記カム部の中心とが重なったまま、前記第2状態から更に回転させることができる。
ここで、前記禁止手段とは、前記シリンダブロックとクランクケースとを、前記第2状態において当接させ、両者のさらなる接近を禁止するストッパ構造であってもよい。あるいは、内燃機関の燃焼圧を両者に作用させることによって、さらなる接近を禁止する手段であってもよい。
ここで、本発明においては、前述のように、前記第1圧縮比は前記可変圧縮比内燃機関の可変圧縮比範囲の最低圧縮比であり、前記第2圧縮比は、前記可変圧縮比範囲の最高圧縮比であるようにしてもよい。そうすれば、最も大きい燃焼圧が作用する最高圧縮比の状態において、前記可動軸受作用線分及びカム作用線分とシリンダの軸線との角度が90度付近となったままになることを抑制でき、より効果的に可変圧縮比内燃機関における振動を抑制することができる。
また、前記第1圧縮比は前記可変圧縮比内燃機関の可変圧縮比範囲の最高圧縮比であり、前記第2圧縮比は、前記可変圧縮比範囲の最低圧縮比であるようにしてもよい。この場合は、前記第1状態において前記シリンダブロックと前記クランクケースとが最も接近し、前記第2状態において最も離反するように設定した場合である。このような場合に本発明を適用することによっても、最低圧縮比の状態において、前記可動軸受作用線分及びカム作用線分とシリンダの軸線との角度が90度付近となったままになることを抑制でき、可変圧縮比内燃機関における振動を抑制することができる。
また、本発明においては、圧縮比を変更する際の目標圧縮比が前記第2圧縮比である場合には、前記第1制御手段によって前記カム軸を前記第2状態として圧縮比を前記第2圧縮比とするとともに、前記第2制御手段によって、前記カム軸を、前記第2状態から前記第1状態となるべき回転方向と逆方向にさらに略90度回転させるようにしてもよい。
この場合は、可変圧縮比内燃機関における目標圧縮比が第2圧縮比、すなわち、前記可動軸受作用線分と前記カム作用線分とがシリンダの軸線方向に対して90度となる前記第2状態における圧縮比である場合には、前記カム軸を前記第2状態とするだけではなく、前記第2制御手段によってさらに第1状態と反対方向に略90度回転させる。
その結果、圧縮比を前記第2圧縮比に維持しながら、前記可動軸受作用線分と前記カム作用線分とがシリンダの軸線方向に対して略平行な状態にすることができる。そうすれば、燃焼圧に起因する負荷が前記可動軸受作用線分と前記カム作用線分との方向に増幅されて作用することを抑制できる。その結果、可変圧縮比内燃機関における振動を抑制することができる。
また、本発明においては、前記可変圧縮比内燃機関がアイドル状態であり、且つ圧縮比が前記第2圧縮比である場合には、前記第2制御手段によって、前記カム軸を、前記第2状態から前記第1状態となるべき回転方向と逆方向にさらに略90度回転した状態とするようにしてもよい。
ここで、可変圧縮比内燃機関においては、圧縮比の変更制御にはある程度以上の迅速性が要求される。特に、比較的高圧縮比の状態においてノッキングを生じ易い状態となった場合には、迅速に圧縮比を低下させる必要がある。
一方、前記可変圧縮比内燃機関がアイドル状態である場合には、該可変圧縮比内燃機関が搭載された車両が停車中である場合が多い。この状態においては、前記可変圧縮比内燃機関の運転状態が急激に変化する可能性は少なく、目標圧縮比が緊急に変化する可能性は少ないと言える。従って、このような場合には、前記第2制御手段によって、前記カム軸を、前記第2状態から前記第1状態となるべき回転方向と逆方向にさらに略90度回転させておいても、そのことがそれ以降の圧縮比の迅速な制御に影響を及ぼす可能性は低い。従って、本発明によれば、圧縮比の制御性に影響を及ぼすことなく、前記可変圧縮比内燃機関における振動をより確実に抑制することができる。
また、本発明においては、前記可変圧縮比内燃機関の運転状態が所定の第2圧縮比領域に属する場合に、目標圧縮比を前記第2圧縮比とし、前記運転状態が、所定の第2圧縮比領域の他の圧縮比領域に属する場合に前記圧縮比を第2圧縮比から変更させ、
前記目標圧縮比が前記第2圧縮比である場合には、前記第1制御手段によって前記カム軸を前記第2状態として圧縮比を前記第2圧縮比とするとともに、前記第2制御手段によって、前記カム軸を、前記第2状態から前記第1状態となるべき回転方向と逆方向にさらに回転させた第3状態とし、
前記第2制御手段は、前記運転状態が前記第2圧縮比領域において前記他の圧縮比領域との境界に近いほど、前記カム軸の前記第3状態における角度を前記第2状態における角度に近づけるようにしてもよい。
ここで、可変圧縮比内燃機関においては、運転状態が所定領域に属している状態においては、圧縮比をその運転状態に適応した圧縮比に固定する制御が行われる。例えば、運転状態が所定の第2圧縮比領域に属する場合には、圧縮比は第2圧縮比に固定される。
また、本発明では、圧縮比を前記第2圧縮比に固定する際には、前記第2制御手段によ
って前記カム軸を、前記第2状態から前記第1状態となるべき回転方向と逆方向にさらに回転させた第3状態とする。そうすることによって、可動軸受作用線分とカム作用線分の方向に燃焼圧に起因する負荷が増幅して作用することを抑制する。
しかし、その場合、例えば圧縮比を前記第2圧縮比から前記第1圧縮比に変更したいときに、まず前記第3状態から前記第2制御手段によってカム軸を回転させ、カム軸を第2状態とし、さらに前記第1制御手段によってカム軸を回転させ、カム軸を第2状態から第1状態とする必要がある。そうすると、圧縮比の迅速な変更が困難となる場合がある。また、この際、第3状態におけるカム軸の角度が第2状態におけるカム軸の角度から大きくずれている方が、圧縮比の迅速な変更がより困難となる。
そこで、本発明においては、前記第2制御手段は、前記運転状態が前記第2圧縮比領域において前記他の圧縮比領域との境界に近いほど、前記第3状態におけるカム軸の角度を前記第2状態における角度に近づけるようにしている。
そうすれば、可変圧縮比内燃機関の運転状態が第2圧縮比領域から他の圧縮比領域に移行する可能性が高くなるほど、前記第3状態におけるカム軸の角度を前記第2状態における角度に近づけることができる。その結果、運転状態が変化して圧縮比を第2圧縮比から変更する必要が生じた場合により迅速な圧縮比の制御が可能となる。
また、本発明においては、前記可変圧縮比内燃機関の運転状態が所定の第2圧縮比領域に属する場合に、目標圧縮比を前記第2圧縮比とし、前記運転状態が、所定の第2圧縮比領域の他の圧縮比領域に属する場合に前記圧縮比を第2圧縮比から変更させ、
前記目標圧縮比が前記第2圧縮比である場合には、前記第1制御手段によって前記カム軸を前記第2状態として圧縮比を前記第2圧縮比とするとともに、前記第2制御手段によって、前記カム軸を、前記第2状態から前記第1状態となるべき回転方向と逆方向にさらに回転させた第3状態とし、
前記第2制御手段は、前記運転状態が前記第2圧縮比領域に属する場合において前記運転状態の変化速度が大きいほど、前記第3状態における前記カム軸の角度を前記第2状態における角度に近づけるようにしてもよい。
ここで前述のように、本発明における可変圧縮比内燃機関においては、運転状態が第2圧縮比領域に属する場合には、圧縮比は第2圧縮比に固定される。そして、その際、第2制御手段によって前記カム軸を、前記第2状態からさらに回転させて第3状態とする。そして、その場合、例えば圧縮比を第2圧縮比から第1圧縮比に変更したいときに、圧縮比の迅速な変更が困難となる場合があることは前述のとおりである。
一方、運転状態が前記第2圧縮比領域に属する場合において前記運転状態の変化速度が大きいほど、運転状態が直近に前記第2圧縮比領域から他の領域に移行する可能性が高いと考えられる。
そこで、本発明においては、前記第2制御手段は、運転状態が前記第2圧縮比領域に属する場合において前記運転状態の変化速度が大きいほど、前記第3状態におけるカム軸の角度を前記第2状態における角度に近づけるようにしている。
そうすれば、可変圧縮比内燃機関の運転状態が第2圧縮比領域から他の圧縮比領域に移行する可能性が高くなるほど、前記第3状態におけるカム軸の角度を前記第2状態における角度に近づけることができる。その結果、運転状態が変化して圧縮比を第2圧縮比から変更する必要が生じた場合により迅速な圧縮比の制御が可能となる。
また、本発明においては、前記運転状態の変化速度は前記可変圧縮比内燃機関の機関負荷および/または機関回転数に基づいて取得されるようにしてもよい。そうすれば、より正確に前記運転状態の変化速度を取得することができる。
なお、上記した本発明の課題を解決する手段については、可能なかぎり組み合わせて用いることができる。
本発明にあっては、圧縮比に拘らず可変圧縮比内燃機関の振動を抑制することができる。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための最良の形態を例示的に詳しく説明する。
以下に説明する内燃機関1は、可変圧縮比内燃機関であり、シリンダ2を有するシリンダブロック3を、ピストンが連結されたクランクケース4に対してシリンダ2の中心軸方向に移動させることによって圧縮比を変更するものである。
先ず、図1を用いて、本実施例において圧縮比を変更するための構成について説明する。図1に示されるように、シリンダブロック3の両側下部に複数の隆起部が形成されており、この各隆起部に軸受収納孔5が形成されている。軸受収納孔5は、円形をしており、シリンダ2の軸方向に対して直角に、かつ複数のシリンダ2の配列方向に平行になるようにそれぞれ形成されている。軸受収納孔5はすべて同一軸線上に位置している。そして、シリンダブロック3の両側の軸受収納孔5の一対の軸線は平行である。
クランクケース4には、上述した軸受収納孔5が形成された複数の隆起部の間に位置するように、立壁部が形成されている。各立壁部のクランクケース4外側に向けられた表面には、半円形の凹部が形成されている。また、各立壁部には、ボルト6によって取り付けられるキャップ7が用意されており、キャップ7も半円形の凹部を有している。また、各立壁部にキャップ7を取り付けると、円形のカム収納孔8が形成される。
複数のカム収納孔8は、軸受収納孔5と同様に、シリンダブロック3をクランクケース4に取り付けたときにシリンダ2の軸方向に対して直角に、且つ、複数のシリンダ2の配列方向に平行になるようにそれぞれ形成されている。これらの複数のカム収納孔8も、シリンダブロック3の両側に形成されることとなり、片側の複数のカム収納孔8はすべて同一軸線上に位置している。そして、シリンダブロック3の両側のカム収納孔8の一対の軸線は平行である。また、両側の軸受収納孔5の中心間の距離と、両側のカム収納孔8の中心間の距離とは同一である。
交互に配置される二列の軸受収納孔5とカム収納孔8には、それぞれカム軸9が挿通される。カム軸9は、図1に示されるように、軸部9aと、軸部9aの中心軸に対して偏心された状態で軸部9aに固定された正円形のカムプロフィールを有するカム部9bと、同じく正円形の外形を有し軸部9aに対して回転可能に取り付けられた可動軸受部9cとを有し、カム部9bと可動軸受部9cとが交互に配置されている。一対のカム軸9は鏡像の関係を有している。また、カム軸9の端部には、後述するギア10の取り付け部9dが形成されている。軸部9aの中心軸と取り付け部9dの中心とは偏心しており、カム部9bの中心と取り付け部9dの中心とは一致している。
可動軸受部9cも、軸部9aに対して偏心されている。また、各カム軸9において、複数のカム部9bの偏心方向は同一である。
各カム軸9の一端にはギア10が取り付けられている。一対のカム軸9の端部に固定された一対のギア10には、それぞれウォームギア11a、11bがかみ合っている。ウォームギア11a、11bは単一のモータ12の一本の出力軸にとりつけられている。ウォームギア11a、11bは、互いに逆方向に回転する螺旋溝を有している。このため、モータ12を回転させると、一対のカム軸9は、ギア10を介して互いに逆方向に回転する。モータ12は、クランクケース4に固定されている。
ここで、本実施例における可変圧縮比内燃機関では、カム軸9における軸部9aの中心とカム部9bの中心とを結んだ線分L1の長さと、軸部9aの中心と可動軸受部9cの中心とを結んだ線分L2の長さとは等しく設定されている。そして、このような構成において、従来は、圧縮比の可変範囲における最低圧縮比から最高圧縮比への変更は以下の図2及び図4(a)に示すように行われていた。
図2(a)から図2(c)には、シリンダブロック3と、クランクケース4と、これら両者の間に構築されたカム軸9の動作との関係を示した断面図を示す。また、図4(a)には、カム軸9の回転角の変化に応じた、線分L1及びL2の動きについて示す。図2(
a)から図2(c)及び図4(a)において、軸部9aの中心をa、カム部9bの中心をb
、可動軸受部9cの中心をcとして示す。図2(a)は、圧縮比の可変範囲の最低圧縮比の状態を示している。この状態においては、可動軸受部9cの中心c、軸部9aの中心軸a、カム部9bの中心bが図2(a)の上側からこの順番で一直線状に並んでいる。この状態では、図4(a)におけるカム軸回転角が0度の状態に示すとおり、線分L1及びL2は軸部9aの中心aを挟んでシリンダ2の軸方向に平行に配置されている。
図2(a)の状態から、モータ12を駆動して軸部9aを矢印方向に回転させると、図2(b)の状態となる。このとき、線分L1及びL2がシリンダ2の軸方向に対して傾き、線分L1とL2の間の角度が小さくなるので、クランクケース4に対してシリンダブロック3を接近させることができる。
さらにモータ12を駆動して軸部9aを矢印方向に回転させると、図2(c)の状態となる。この状態は圧縮比の可変範囲の最高圧縮比を示している。この状態においては、図4(a)におけるカム軸回転角が90度の状態に示すとおり、L1とL2はシリンダ2の軸方向と垂直の方向に重なっており、このとき、一対の軸部9aは、軸受収納孔5及びカム収納孔8の中で外側に位置している。
以上のように、従来の可変圧縮比制御では、圧縮比の可変範囲における最低圧縮比においては、線分L1とL2がともにシリンダ2の軸方向に平行となり、図2(a)及び図4(a)における上側から、可動軸受部9cの中心c、軸部9aの中心a、カム部9bの中心bがこの順番で直線状に並んでいた。そして、カム軸9が回転することにより線分L1、L2が互いに反対方向に回転し、カム軸9が最低圧縮比の状態から90度回転した状態において、線分L1、L2はともにシリンダ2の軸方向に対して90度の傾きを有して重
なり、この状態が最高圧縮比となった。
ここで、上述した従来の可変圧縮比制御における最高圧縮比の状態について考える。この状態においては、前述のように、カム軸9における軸部9aの中心aとカム部9bの中心bとを結んだ線分L1と、軸部9aの中心aと可動軸受部9cの中心cとを結んだ線分L2とは、シリンダ2の軸方向に90度の角度を有している。一方、内燃機関1の燃焼圧に起因してシリンダブロック3とクランクケース4とを離反させる方向に働く負荷は、シ
リンダ2の軸方向と平行な方向に作用する。
そうすると、内燃機関1の燃焼圧に起因する負荷は、線分L1、L2方向に大幅に増幅されてしまう。従って、最高圧縮比の状態においては、カム軸9と、シリンダブロック3及びクランクケース4においてカム軸9と係合している部分とに、周期的な大きな負荷が作用することとなる。その結果、カム軸9付近において内燃機関1の振動が大きくなるおそれがある。特に可動軸受部9cは軸部9aに対して回転可能であり、且つシリンダブロック3に対しても回転可能な状態なので、より振動が生じ易い。
また、この状態においては、シリンダブロック3とクランクケース4の、シリンダ2の軸と垂直方向のクリアランスに起因して可動軸受部9cの回転方向のアソビが大きくなるので、カム軸9の回転に対する圧縮比の追従性が悪化し、圧縮比の制御性が悪化するおそれがあった。
さらに、この状態においては、線分L1及びL2のシリンダ2の軸方向に対する角度が90度より小さい場合と比較して、同じ負荷がシリンダブロック3とクランクケース4とを接近または離反させる方向に働いた場合にカム軸9に作用するトルクが大きくなる。すなわち、この状態で圧縮比を保持させるために必要なトルクが増大する傾向があった。同様に、この状態から圧縮比を変更する際に必要なトルクも増大する傾向があった。
これに対し、本実施例においては、内燃機関1の圧縮比を最高圧縮比に制御する場合には、カム軸9の回転角を90度とした図2(c)の状態から、カム軸9をさらに90度回転させて回転角を180度とすることにした。ここで、カム軸9の回転角を90度からさらに90度回転させた場合のカム軸9及び、シリンダブロック3、クランクケース4の動作について説明する。なお、シリンダブロック3とクランクケース4との間には、カム軸9の回転角が90度である最高圧縮比の状態から更に両者が接近することを禁止するストッパ14が設けられている。従って、カム軸9の回転角を90度からさらに90度回転させた場合にも、シリンダブロック3とクランクケース4とはそれ以上接近しない。
図3は、本実施例においてカム軸9を図2(c)の状態からさらに回転させた場合の、シリンダブロック3と、クランクケース4と、これら両者の間に構築されたカム軸9の動作との関係を示した断面図である。また、図4(b)にはその際の線分L1及びL2の動きについて示す。
図3(a)の状態は、圧縮比の可変範囲の最高圧縮比の状態であり、図2(c)の状態と同じ状態である。この状態からカム軸9をさらに矢印の方向に回転した場合、前述のようにシリンダブロック3とクランクケース4とがこれ以上接近しないために、カム軸9におけるカム部9bと可動軸受部9cとがカム軸9の軸方向から見て重なった状態を維持しながら、カム軸9が軸受収納孔5及びカム収納孔8の内部を回転する。
そして、図3(a)の状態すなわち、図4(b)における回転角が90度の状態からカム軸9を90度回転させることにより、図3(b)または図4(b)における回転角が180度の状態となる。この状態においては、図4(b)に示すように線分L1及び線分L2がシリンダ2の軸線と平行となっている。そうすると、燃焼圧に起因する負荷が線分L1及び線分L2の方向に増幅して作用することを抑制することができる。その結果、内燃機関1における振動を抑制することができる。また、カム軸9に燃焼圧に起因する大きなトルクが作用することを抑制できる。
なお、上記において図2(a)の状態は本実施例における第1状態に相当する。そして、その際の圧縮比である最低圧縮比は本実施例における第1圧縮比に相当する。また、図
2(c)及び図3(a)の状態は本実施例における第2状態に相当する。そして、その際の圧縮比である最高圧縮比は本実施例における第2圧縮比に相当する。さらに、本実施例における第1制御手段は、内燃機関1を図2(a)の状態から図2(c)の状態に移行させるカム軸9を含んで構成される。
また、本実施例における第2制御手段は、内燃機関1を図3(a)の状態から図3(b)の状態に移行させるカム軸9を含んで構成され、ストッパ14は禁止手段に相当する。
図5には、内燃機関1におけるカム軸9、シリンダブロック3及びクランクケース4が図2(a)の状態から図2(c)及び図3(a)の状態を経て図3(b)の状態となる際のシリンダブロック3のクランクケース4に対する相対的な位置の変化について示す。図5において横軸はカム軸9の回転角、縦軸はシリンダブロック3のクランクケース4に対する相対的な位置である。図4に示すように、カム軸9の回転角が0度の状態においては、シリンダブロック3がクランクケース4に対して最も離反した状態であり、この状態の圧縮比が可変圧縮比範囲の最低圧縮比である。
そして、その状態からカム軸9が回転するに従い、シリンダブロック3とクランクケース4とが接近し、カム軸9の回転角が90度においてシリンダブロック3とクランクケース4とが最も接近する。この状態における圧縮比が可変圧縮比範囲の最高圧縮比である。
カム軸9の回転角が90度の状態からさらにカム軸9を回転させた場合、シリンダブロック3とクランクケース4とはストッパ14に当接しているので、これ以上接近せず、カム軸9が軸受収納孔5及びカム収納孔8の中で空回りする。そして、カム軸9の回転角が180度となり、線分L1及び線分L2がシリンダ2の軸線に平行な状態となっても、シリンダブロック3とクランクケース4との距離は、カム軸9の回転角が90度である場合の距離を維持する。
ここで、図5を見ても分かるようにカム軸9の回転角が90度付近である場合は、カム軸9の回転角の変化に対する、シリンダブロック3のクランクケース4に対する相対位置の変化量が大きくなる。またその場合には、前述のようにカム軸9に作用するトルク及び負荷が大きくなる。これに対し、90度付近のカム軸の回転角、例えば85度から120度の回転角範囲の使用頻度を低くし、カム軸9の回転角が90度付近となる状態を長時間続けない制御を行ってもよい。その場合、目標圧縮比に対応するカム軸9の回転角が88度のときには、カム軸9の回転角は88度でなく85度としてもよい。一方、目標圧縮比が最高圧縮比である場合には、カム軸9の回転角は前述のように180度としてもよい。また、90度から充分遠い角度であり180度より小さい角度でもよい。
またここで、図1に示したように、上記の説明においてはギア10として円形のものを使用している。これに対し本実施例においては、図6に示すような、不要部分を切欠いた形状のギアを用いてもよい。その場合は、図6に示すように、ウォームギア11a、11bとの噛み合い角が60度だとすると、圧縮比変更のための回転しろが90度、最高圧縮比からさらに線分L1及びL2がシリンダ2の軸方向と平行になるまで回転させるための回転しろが90度必要となる。従って、切り欠いた部分の角度は120度となる。
次に本発明における実施例2について説明する。本実施例においては、可変圧縮比制御における圧縮比が最高圧縮比である状態を維持しつつ、内燃機関1の運転状態に応じてカム軸9の回転角を変化させる制御について説明する。
ここで、内燃機関1における圧縮比の目標値はその運転状態に応じて定められる。例え
ば各運転状態においてノッキングが生じない範囲で最も高い圧縮比が目標値とされる。その場合、目標値が最高圧縮比となる運転状態の領域が存在する(以下「最高圧縮比領域」という。)。
内燃機関1の運転状態が最高圧縮比領域に属する場合には、最高圧縮比が圧縮比の目標値とされる。その場合、実施例1で示した制御においては、カム軸9は回転角180度とされる場合がある。そうすると、それ以降に内燃機関1の運転状態が最高圧縮比領域から外れた場合には、カム軸9を回転角180度の状態から90度の状態に一旦回転させ、さらにその時点における運転状態に応じた圧縮比に対応する回転角までカム軸9を回転させる必要がある。それにより、圧縮比を最高圧縮比からより低い圧縮比まで変更させるまでに必要な時間が長くなり、迅速な圧縮比の変更が困難となる場合があった。その結果、ノッキングの発生を充分に抑制することができないことも考えられる。
そこで、本実施例においては、内燃機関1の運転状態における最高圧縮比領域を複数の領域に分割し、内燃機関1の運転状態が、最高圧縮比領域において他の運転状態の領域との境界に近いほど、カム軸9の回転角を90度に近づけることにした。
図7には、本実施例における内燃機関1の運転状態とカム軸9の回転角との関係のグラフを示す。図7に示すように、内燃機関1が取りうる運転状態のうちの低負荷側の領域においては、圧縮比の目標値が最高圧縮比とされる。この領域が前述の最高圧縮比領域である。そして、機関負荷が最高圧縮比領域の境界を超えて高負荷となった場合には、圧縮比の目標値はノッキングの発生を抑制するためにより低い圧縮比とされる。
そして、図7に示すように、本実施例においては、最高圧縮比領域をさらに第1領域から第3領域の3つの領域に分割している。最も機関負荷が低い領域である第1領域においてはカム軸9の回転角は180度、それより若干機関負荷が高い領域である第2領域においてはカム軸9の回転角は150度、さらに機関負荷が高い領域である第3領域においてはカム軸9の回転角は120度としている。すなわち、内燃機関1の運転状態が最高圧縮比領域に属する場合において、内燃機関1の運転状態が最高圧縮比領域と他の運転領域との境界に近いほど、カム軸9の回転角を90度に近づけることとした。
そうすれば、目標圧縮比が最高圧縮比より小さい圧縮比となる確率が高いほど、カム軸9の回転角を90度に近づけることができ、より迅速に圧縮比を最高圧縮比より低い目標圧縮比に変更することができる。その結果、実際の圧縮比の目標圧縮比への追従性を向上させることができる。
なお、上記において、カム軸9を90度より大きい回転角まで回転させた状態、例えば運転状態が第1領域〜第3領域に属するような状態は、本実施例における第3状態に相当する。また、上記の最高圧縮比領域は本実施例における第2圧縮比領域に相当する。
次に、本発明における実施例3について説明する。本実施例においては、実施例2と同様、内燃機関1の運転状態が最高圧縮比領域に属する場合に、目標圧縮比が最高圧縮比より低い圧縮比となった際の圧縮比の追従性を向上させる制御であり、内燃機関1の運転状態の変化速度によってカム軸9の回転角を変化させる制御について説明する。
すなわち、本実施例においては、内燃機関1の運転状態が最高圧縮比領域に属する状態であって、直近に運転状態が最高圧縮比領域から外れる可能性が高い状態を、運転状態の変化速度が大きいことによって推測する。図8には、本実施例における運転状態の変化速度とカム軸9の回転角との関係のグラフを示す。
図8において縦軸はカム軸9の回転角、横軸は運転状態の変化速度である。ここで運転状態の変化速度はスロットル開度信号φの時間的変化dφ/dtによって推測してもよい。図8に示すように、本実施例においては内燃機関1の運転状態が最高圧縮比領域に属する場合であっても、運転状態の変化速度が大きい場合には、運転状態が最高圧縮比領域から外れる可能性が高いと判断し、カム軸9の回転角を90度に近づけるべく変化させる。
そうすれば、運転状態が高速で変化するような状況においては、カム軸9の回転角を90度より小さくして圧縮比を最高圧縮比より低く変更できるよう準備することができ、実際の圧縮比の目標圧縮比への追従性を向上させることができる。なお、上記において運転状態の変化速度はスロットル開度信号φの時間的変化dφ/dtによって推測したが、これを図示しないクランクポジションセンサからの信号により求められる機関回転数Nの時間的変化dN/dtによって推測しても構わない。
また、上記の実施例においては、カム軸9の回転角を0度から90度まで増加させることにより、シリンダブロック3及びクランクケース4が接近する構成について説明した。しかし、本発明を上記の実施例とは逆の構成、すなわち、シリンダブロック3とクランクケース4とが最も接近した状態において、カム軸9における可動軸受部9cの中心c、軸部9aの中心a及びカム部9bの中心bが、該順番でシリンダ2の軸方向に略平行に略一直線上に並ぶ構成に適用してもよい。その場合は、シリンダブロック3とクランクケース4とが最も離反した状態において、可動軸受部9cの中心cとカム部9bの中心bとが重なるとともに、可動軸受部9cの中心c及びカム部9bの中心bと、軸部9aの中心aとが、シリンダ2の軸方向に略垂直に並ぶ場合である。そして、この場合には、最高圧縮比が第1圧縮比に、最低圧縮比が第2圧縮比に相当する。
本発明の実施例に係る可変圧縮比内燃機関の概略構成を示す分解斜視図である。 本発明の実施例に係る可変圧縮比内燃機関における最低圧縮比の状態から最高圧縮比の状態まで、カム軸を回転させた場合の経過を示す断面図である。 本発明の実施例に係る可変圧縮比内燃機関における最高圧縮比の状態からさらにカム軸を回転させた場合の経過を示す断面図である。 従来の可変圧縮比内燃機関と本発明の実施例に係る可変圧縮比内燃機関とにおける、カム軸の回転角の変化に応じた、軸部の中心とカム部の中心とを結んだ線分及び、軸部の中心と可動軸受部の中心とを結んだ線分の動きについて示す図である。 本発明の実施例に係るカム軸の回転角とシリンダブロック及びクランクケースの相対位置との関係を示すグラフである。 本発明の実施例に適用可能なギアの例を示す図である。 本発明の実施例2における運転状態とカム軸の回転角との関係を示すグラフである。 本発明の実施例3における運転状態の変化速度とカム軸の回転角との関係を示すグラフである。
符号の説明
1・・・内燃機関
2・・・シリンダ
3・・・シリンダブロック
4・・・クランクケース
9・・・カム軸
9a・・・軸部
9b・・・カム部
9c・・・可動軸受部
10・・・ギア
11a、11b・・・ウォームギア
12・・・モータ
14・・・ストッパ
L1・・・軸部の中心とカム部の中心とを結んだ線分
L2・・・軸部の中心と可動軸受部の中心とを結んだ線分

Claims (9)

  1. 内燃機関におけるクランク軸が組み付けられたクランクケースと、
    前記内燃機関におけるシリンダが形成されるとともに、前記クランクケースに相対移動可能に取り付けられたシリンダブロックと、
    前記シリンダブロックにおけるシリンダの両側方に平行に配置されて互いに逆方向に回転する一対のカム軸と、を備え、
    前記カム軸は、軸部と、前記軸部に固定されているカム部とからなるとともに、前記軸部に対して回転可能に取り付けられた可動軸受部を有し、前記カム部が、前記シリンダブロック又は前記クランクケースの一方に形成されたカム収納孔に回転可能に収納されると共に、前記可動軸受部が、前記シリンダブロック又は前記クランクケースの他方に形成された軸受収納孔に回転可能に収納されており、
    前記軸部は円柱形の外形を有し、
    前記カム部は前記軸部の中心に対して偏心し、前記軸部より径の大きい円形のカムプロフィールを有するとともに、前記カム収納孔は前記カム部と同一の円形の孔形状を有し、
    前記可動軸受部は前記軸部の中心に対して偏心し、前記カム部と同一の円形の外径を有するとともに、前記軸受収納孔は前記可動軸受部と同一の円形の孔形状を有し、
    前記カム軸を回転させて、前記クランクケースと前記シリンダブロックとを、相対的に接近または離反させることにより、前記内燃機関の圧縮比を変更する可変圧縮比内燃機関であって、
    前記カム軸における前記可動軸受部の中心、前記軸部の中心及び前記カム部の中心が、前記カム軸の軸線方向から見て、該順番で前記シリンダの軸方向に略平行に略一直線上に並んだ第1状態から、前記カム軸を該第1状態より略90度回転させることによって、前記カム軸の軸線方向から見て、前記可動軸受部の中心と前記カム部の中心とが重なるとともに、前記可動軸受部の中心及び前記カム部の中心と、前記軸部の中心とが、前記シリンダの軸方向に略垂直に並んだ第2状態までの間で、前記カム軸を回転させ、圧縮比を前記第1状態における圧縮比である第1圧縮比と前記第2状態における圧縮比である第2圧縮比の間で制御する第1制御手段と、
    前記第2状態から、圧縮比を前記第2圧縮比に維持しつつ、前記カム軸を、前記可動軸受部の中心と前記カム部の中心とが重なったまま、前記第1状態となるべき回転方向と逆方向にさらに回転させる第2制御手段と、
    を備えたことを特徴とする可変圧縮比内燃機関。
  2. 前記第2制御手段は、前記カム軸が前記第2状態から、前記第1状態となるべき回転方向と逆方向に回転した場合に、前記シリンダブロックと前記クランクケースとのさらなる接近または離反を禁止する禁止手段を有することを特徴とする請求項1に記載の可変圧縮比内燃機関。
  3. 前記第1圧縮比は前記可変圧縮比内燃機関の可変圧縮比範囲の最低圧縮比であり、前記第2圧縮比は、前記可変圧縮比範囲の最高圧縮比であることを特徴とする請求項1または2に記載の可変圧縮比内燃機関。
  4. 前記第1圧縮比は前記可変圧縮比内燃機関の可変圧縮比範囲の最高圧縮比であり、前記第2圧縮比は、前記可変圧縮比範囲の最低圧縮比であることを特徴とする請求項1または2に記載の可変圧縮比内燃機関。
  5. 圧縮比を変更する際の目標圧縮比が前記第2圧縮比である場合には、前記第1制御手段によって前記カム軸を前記第2状態として圧縮比を前記第2圧縮比とするとともに、前記第2制御手段によって、前記カム軸を、前記第2状態から前記第1状態となるべき回転方向と逆方向にさらに略90度回転させることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の可変圧縮比内燃機関。
  6. 前記可変圧縮比内燃機関がアイドル状態であり、且つ圧縮比が前記第2圧縮比である場合には、前記第2制御手段によって、前記カム軸を、前記第2状態から前記第1状態となるべき回転方向と逆方向にさらに略90度回転した状態とすることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の可変圧縮比内燃機関。
  7. 前記可変圧縮比内燃機関の運転状態が所定の第2圧縮比領域に属する場合に、目標圧縮比を前記第2圧縮比とし、前記運転状態が、所定の第2圧縮比領域の他の圧縮比領域に属する場合に前記圧縮比を第2圧縮比から変更させ、
    前記目標圧縮比が前記第2圧縮比である場合には、前記第1制御手段によって前記カム軸を前記第2状態として圧縮比を前記第2圧縮比とするとともに、前記第2制御手段によって、前記カム軸を、前記第2状態から前記第1状態となるべき回転方向と逆方向にさらに回転させた第3状態とし、
    前記第2制御手段は、前記運転状態が前記第2圧縮比領域において前記他の圧縮比領域との境界に近いほど、前記カム軸の前記第3状態における角度を前記第2状態における角度に近づけることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の可変圧縮比内燃機関。
  8. 前記可変圧縮比内燃機関の運転状態が所定の第2圧縮比領域に属する場合に、目標圧縮比を前記第2圧縮比とし、前記運転状態が、所定の第2圧縮比領域の他の圧縮比領域に属する場合に前記圧縮比を第2圧縮比から変更させ、
    前記目標圧縮比が前記第2圧縮比である場合には、前記第1制御手段によって前記カム軸を前記第2状態として圧縮比を前記第2圧縮比とするとともに、前記第2制御手段によって、前記カム軸を、前記第2状態から前記第1状態となるべき回転方向と逆方向にさらに回転させた第3状態とし、
    前記第2制御手段は、前記運転状態が前記第2圧縮比領域に属する場合において前記運転状態の変化速度が大きいほど、前記第3状態における前記カム軸の角度を前記第2状態における角度に近づけることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の可変圧縮比内燃機関。
  9. 前記運転状態の変化速度は前記可変圧縮比内燃機関の機関負荷および/または機関回転数に基づいて取得されることを特徴とする請求項8に記載の可変圧縮比内燃機関。
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