JP2008274227A - 顔料分散マスターバッチ用樹脂 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ポリカルボン酸とポリオールから形成される重縮合型のポリエステル樹脂(A)を含有するトナー製造用顔料分散マスターバッチ用樹脂において、ポリオールの50重量%以上が1,2−プロピレングリコールであるトナー製造用顔料分散マスターバッチ用樹脂。好ましくは(A)の酸価が1〜50であり、軟化点が75〜120℃である。
【選択図】なし
Description
本発明の目的は、トナーバインダー(特にポリエステル樹脂の場合)の樹脂組成に係らず、顔料分散性に優れたポリエステル系顔料分散マスターバッチ用樹脂を提供することである。
本発明のポリエステル樹脂(A)は、ポリカルボン酸とポリオールとの重縮合物である。
ポリカルボン酸としては、ジカルボン酸(a)及び3価以上のポリカルボン酸(b)が、ポリオールとしてはジオール(c)及び3価以上のポリオール(d)が挙げられる。
これらのうち好ましいものは、炭素数4〜20のアルケンジカルボン酸および炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸であり、特に好ましいものは、マレイン酸、フマル酸、イソフタル酸及びテレフタル酸である。またこれらは2種以上を併用しても何ら問題はない。
尚、(a)、(b)として上述のもののエステル形成性誘導体、例えば酸無水物又は低級アルキル(炭素数1〜4)エステル(メチルエステル、エチルエステル及びイソプロピルエステルなど)を用いてもよい。
これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコール、ビスフェノール類のAO付加物(付加モル数2〜15)、脂環式ジオールであり、さらに好ましいものはビスフェノール類のAO付加物(付加モル数2〜6)、炭素数2〜8のアルキレングリコールおよびこれらの併用であり、特に好ましいものは炭素数2〜8のアルキレングリコールおよびこれらの併用であり、最も好ましいものは1,2−プロピレングリコールである。
3価以上のポリカルボン酸(b)の比率(後述する酸無水物を除く)は、(a)、(b)、(c)及び(d)合計のモル数に対して、好ましくは0〜2モル%、さらに好ましくは0〜1モル%、特に好ましくは0モル%である。
3価以上のポリオール(d)の比率は、(a)、(b)、(c)及び(d)合計のモル数に対して、好ましくは0〜5モル%、より好ましくは0〜2モル%、さらに好ましくは0〜1モル%、特に好ましくは0モル%である。
(b)と(d)の合計比率は、(a)、(b)、(c)及び(d)合計のモル数に対して、好ましくは0〜5モル%、より好ましくは0〜2モル%、さらに好ましくは0〜1モル%、特に好ましくは0モル%である。
上記重縮合物のMnは、好ましくは800以上、更に好ましくは1,000〜8,000である。酸価は、好ましくは0〜40,更に好ましくは1〜20である。水酸基価は、好ましくは0.1〜60,更に好ましくは1〜50である。
また、この場合の酸無水物の比率は、全モノマー成分のモル数に対して、好ましくは0.1〜25モル%、さらに好ましくは1〜15モル%、特に好ましくは1〜10モル%である。
この反応に使用する酸無水物として好ましいものは、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水トリメリット酸であり、特に好ましいものは無水トリメリット酸である。
(A)の水酸基価は、これを用いた顔料分散マスターバッチを使用したトナーの環境安定性および帯電量の観点から、好ましくは70以下、更に好ましくは10〜60、特に好ましくは20〜55である。
尚、酸価および水酸基価はJIS K 0070に規定の方法で測定される。
尚、軟化点はフローテスターを用いて、下記条件で等速昇温し、その流出量が1/2になる温度として規定される。
装置 : 島津(株)製 フローテスター CFT−500D
荷重 : 20kgf/cm2
ダイ : 1mmΦ−1mm
昇温速度 : 6℃/分
試料量 : 1.0g
なお、THF不溶解分は次の方法で測定される値である。
冷却管付きの200mlマイヤーフラスコに試料0.5g及びTHF50mlを加えて3時間撹拌還流させる。冷却後、予め重量を測定したセライト#545を担持させたグラスフィルターにて不溶解分をろ別し、80℃で3時間減圧乾燥する。グラスフィルター上の樹脂分の重量と試料の重量比から、不溶解分を算出する。
(A)のTHF可溶分の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは20,000以下、更に好ましくは2,000〜15,000、特に好ましくは3,000〜8,000、最も好ましくは4,000〜7,000である。Mwが20,000以下ではマスターバッチとした場合の粉砕性が良好である。また、Mw/Mnは、好ましくは1.2〜30、さらに好ましくは1.3〜10である。
また、(A)のTHF可溶分のピークトップ分子量(Mp)は、好ましくは20,000以下、更に好ましくは2,000〜16,000、特に好ましくは3,000〜10,000である。Mpが20,000以下ではマスターバッチとした場合の粉砕性が良好である。
装置(一例) : 東ソー製 HLC−8120
カラム(一例): TSK GEL MultiporeHxl−M 1本
TSK GEL GMH6 2本
測定温度 : 40℃
試料溶液 : 0.25%のテトラヒドロフラン溶液
溶液注入量 : 100μl
検出装置 : 屈折率検出器
基準物質 : 東ソー製 標準ポリスチレン(TSKstandard POLYSTYRENE)12点(分子量 500 1050 2800 5970 9100 18100 37900 96400 190000 355000 1090000 2890000)
(a)および必要により(b)と、(c)および必要により(d)とを窒素などの不活性気流下ないしは減圧条件下で150〜280 ℃ に加熱し重縮合させて得られる。また、この重縮合物に通常150〜230℃ 、好ましくは170〜210℃ の温度において、常圧または加圧下で30分〜3時間、酸無水物を反応させてハーフエスエル化物として(A)を得ることもできる。
(A)は、反応終点が近づいたならば、粘度または軟化点、酸価などを追跡しながら反応を進め、所定の粘度または軟化点、酸価に到達した時点で反応装置から取り出し冷却することで得られる。
他のポリエステル樹脂としては、例えば、Mnが1,000〜10、000、Mwが2,000〜500,000、酸価が1〜50、軟化点が70〜150℃、THF可溶分が0〜40%の、ポリカルボン酸とポリオールとの重縮合物を含有するポリエステル樹脂で、(A)以外のものが挙げられる。
また、必要に応じて可塑剤、滑剤、酸化防止剤、帯電防止剤など各種添加剤を加えてもよい。
マスターバッチ中の(A)の含有量は、好ましくは20〜90%であり、更に好ましくは下限は40% 、上限は70%である。顔料の含有量は、好ましくは10〜80% であり、更に好ましくは下限は30% 、上限は60% である。他の樹脂の含有量は、好ましくは40%以下、更に好ましくは20%以下である。各種添加剤の合計含有量は、好ましくは5%以下、更に好ましくは2%以下である。
(A)を用いて作成した顔料分散マスターバッチは、トナー中の顔料含有量が、好ましくは2〜15%の範囲となるように適宜使用量を調整する。
本発明の(A)がポリエステル樹脂であることから、トナーバインダーとしてはポリエステル樹脂を用いた方が(A)との均一混合性の点で好ましい。また、(A)をトナーバインダーないしはその一部として使用することもできる。
トナーバインダーに用いるポリエステル樹脂としては、ポリカルボン酸とポリオールとの重縮合物などが挙げられる。このポリエステル樹脂のMnは、好ましくは1,500〜8,000、更に好ましくは2,000〜6,000である。Mwは、好ましくは3,000以上、更に好ましくは4,000〜 500,000である。酸価は、好ましくは1〜50、更に好ましくは5〜40である。軟化点は、好ましくは75〜170℃ 、更に好ましくは80〜155℃ である。THF可溶分は好ましくは0〜40%である。
トナー中の離型剤の含有量は通常0〜10%であり、好ましくは1〜7%である。
トナー中の荷電制御剤の含有量は通常0〜5%である。
流動化剤としては、コロイダルシリカ、アルミナ粉末、酸化チタン粉末及び炭酸カルシウム粉末など公知のものを用いることができる。
尚、体積平均粒径(D50)は、コールターカウンター[例えば、商品名:マルチサイザーIII(コールター社製)]を用い測定される。
次いで、公知の熱ロール定着方法などにより支持体(紙、ポリエステルフィルムなど)に定着して記録材料とされる。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、1,2−プロピレングリコール630部、テレフタル酸590部および縮合触媒としてシュウ酸チタニルカリウム1部を入れ、180℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで230℃まで徐々に昇温しながら窒素気流下に生成する1,2−プロピレングリコールを留去しながら反応させ、軟化点が81℃になったところで取り出し、ポリエステル樹脂(A1)を得た。
ポリエステル樹脂(A1)はTHF不溶解分を含有しておらず、軟化点81℃、酸価17、水酸基価39、Tgは44℃、Mpは3700、Mnは2000、Mwは3900であった。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、1,2−プロピレングリコール630部、テレフタル酸590部および縮合触媒としてシュウ酸チタニルカリウム1部を入れ、180℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで230℃まで徐々に昇温しながら窒素気流下に生成する1,2−プロピレングリコールを留去しながら反応させ、軟化点が112℃になったところで取り出し、ポリエステル樹脂(A2)を得た。
ポリエステル樹脂(A2)はTHF不溶解分を含有しておらず、軟化点112℃、酸価5、水酸基価24、Tgは64℃、Mpは8500、Mnは4500、Mwは8700であった。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、1,2−プロピレングリコール630部、テレフタル酸590部および縮合触媒としてシュウ酸チタニルカリウム1部を入れ、230℃で窒素気流下に生成する水、1,2−プロピレングリコールを留去しながら8時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下に反応させ、粘度が1000Paになる温度が80℃になった時点で、180℃まで冷却し、無水トリメリット酸45部を加え、常圧密閉下1時間反応後取り出し、ポリエステル樹脂(A3)を得た。
ポリエステル樹脂(A3)はTHF不溶解分を含有しておらず、軟化点87℃、酸価3、水酸基価28、Tgは50℃、Mpは2500、Mnは1500、Mwは2600であった。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、1,2−プロピレングリコール630部、テレフタル酸590部および縮合触媒としてシュウ酸チタニルカリウム1部を入れ、230℃で窒素気流下に生成する水、1,2−プロピレングリコールを留去しながら8時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下に反応させ、粘度が1000Paになる温度が100℃になった時点で、180℃まで冷却し、無水トリメリット酸45部を加え、常圧密閉下1時間反応後取り出し、ポリエステル樹脂(A4)を得た。
ポリエステル樹脂(A4)はTHF不溶解分を含有しておらず、軟化点117℃、酸価5、水酸基価26、Tgは77℃、Mpは5600、Mnは2900、Mwは5900であった。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、1,2−プロピレングリコール680部、テレフタル酸440部、アジピン酸45部、および縮合触媒としてシュウ酸チタニルカリウム1部を入れ、230℃で窒素気流下に生成する水、1,2−プロピレングリコールを留去しながら8時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下に反応させ、粘度が1000Paになる温度が100℃になった時点で、180℃まで冷却し、無水トリメリット酸45部を加え、常圧密閉下1時間反応後取り出し、ポリエステル樹脂(A5)を得た。
ポリエステル樹脂(A5)はTHF不溶解分を含有しておらず、軟化点90℃、酸価35、水酸基価52、Tgは52℃、Mpは4000、Mnは2100、Mwは4200であった。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールA・PO2モル付加物220部、1,2−プロピレングリコール500部、テレフタル酸470部、アジピン酸40部、および縮合触媒としてシュウ酸チタニルカリウム1部を入れ、230℃で窒素気流下に生成する水、1,2−プロピレングリコールを留去しながら8時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下に反応させ、粘度が1000Paになる温度が90℃になった時点で、180℃まで冷却し、無水トリメリット酸60部を加え、常圧密閉下1時間反応後取り出し、ポリエステル樹脂(A6)を得た(回収された1,2−プロピレングリコールは280部であった。)。
ポリエステル樹脂(A6)はTHF不溶解分を含有しておらず、軟化点100℃、酸価32、水酸基価45、Tgは64℃、Mpは4500、Mnは2400、Mwは4800であった。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールA・PO3モル付加物680部、テレフタル酸270部および縮合触媒としてシュウ酸チタニルカリウム1部を入れ、230℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら5時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が25以下になった時点で180℃に冷却し、軟化点が71℃になったところで取り出し、ポリエステル樹脂(F1)を得た。
ポリエステル樹脂(F1)はTHF不溶解分を含有しておらず、軟化点71℃、酸価22、水酸基価19、Tgは52℃、Mpは4000であった。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールA・PO2モル付加物700部、テレフタル酸320部および縮合触媒としてシュウ酸チタニルカリウム1部を入れ、230℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら5時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下に反応させ、軟化点が119℃になったところで取り出し、ポリエステル樹脂(F2)を得た。
ポリエステル樹脂(F2)はTHF不溶解分を含有しておらず、軟化点119℃、酸価23、水酸基価23、Tgは79℃、Mpは8200であった。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールA・PO2モル付加物310部1,2−プロピレングリコール280部、テレフタル酸470部、アジピン酸40部、および縮合触媒としてシュウ酸チタニルカリウム1部を入れ、230℃で窒素気流下に生成する水、1,2−プロピレングリコールを留去しながら8時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下に反応させ、粘度が1000Paになる温度が90℃になった時点で、180℃まで冷却し、無水トリメリット酸60部を加え、常圧密閉下1 時間反応後取り出し、ポリエステル樹脂(F3)を得た(回収された1,2−プロピレングリコールは146部であった。)。
ポリエステル樹脂(F3)はTHF不溶解分を含有しておらず、軟化点100℃、酸価32、水酸基価45、Tgは60℃、Mpは4000、Mnは2100、Mwは4500であった。
ポリエステル樹脂(A1)100部と、カーボンブラックMA−100[三菱化学(株)製]70部を加熱温度130℃の3本ロールを用いて混練し、室温まで冷却後、粉砕して14メッシュ(目開き1.18mm)パス品としてカーボンブラック分散マスターバッチ(G1)を得た。(G1)のTgは44℃であった。
ポリエステル樹脂(A1)に代えてポリエステル樹脂(A2)を用いる以外は実施例(1)と同様にしてカーボンブラック分散マスターバッチ(G2)を得た。(G2)のTgは63℃であった。
ポリエステル樹脂(A1)に代えてポリエステル樹脂(A3)を用いる以外は実施例(1)と同様にしてカーボンブラック分散マスターバッチ(G3)を得た。(G3)のTgは48℃であった。
ポリエステル樹脂(A1)に代えてポリエステル樹脂(A4)を用いる以外は実施例(1)と同様にしてカーボンブラック分散マスターバッチ(G4)を得た。(G4)のTgは74℃であった。
ポリエステル樹脂(A1)に代えてポリエステル樹脂(A5)を用いる以外は実施例(1)と同様にしてカーボンブラック分散マスターバッチ(G5)を得た。(G5)のTgは50℃であった。
ポリエステル樹脂(A1)に代えてポリエステル樹脂(A6)を用いる以外は実施例(1)と同様にしてカーボンブラック分散マスターバッチ(G6)を得た。(G6)のTgは65℃であった。
実施例(1)のポリエステル樹脂(A1)に代えて比較用ポリエステル樹脂(F1)を用いる以外は実施例(1)と同様にして比較カーボンブラック分散マスターバッチ(H1)を得た。(H1)のTgは55℃であった。
実施例(1)のポリエステル樹脂(A1)に代えて比較用ポリエステル樹脂(F2)を用いる以外は実施例(1)と同様にして比較カーボンブラック分散マスターバッチ(H2)を得た。(H2)のTgは79℃であった。
実施例(1)のポリエステル樹脂(A1)に代えて比較用ポリエステル樹脂(F3)を用いる以外は実施例(1)と同様にして比較カーボンブラック分散マスターバッチ(H3)を得た。(H3)のTgは60℃であった。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、1,2−プロピレングリコール670部、テレフタル酸560部、アジピン酸65部および縮合触媒としてシュウ酸チタニルカリウム1部を入れ、180℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで230℃まで徐々に昇温しながら窒素気流下に生成する1,2−プロピレングリコールを留去しながら反応させ、軟化点が59℃になった時点で冷却した。180℃になった時点で、無水トリメリット酸81部を仕込み、180℃で1時間反応させた後、200℃まで昇温し、5〜20mmHgの減圧下に反応させ軟化点141℃で取り出し、ポリエステル(TB1)とする。ポリエステル(TB1)は、酸価24、水酸基価2、Tgは68℃、Mpは8800、Mnは5300、Mwは12000のトナーバインダー用樹脂である。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールA・PO2モル付加物228部、ビスフェノールA・PO3モル付加物526部、フェノールノボラック(平均重合度約5)のEO5モル付加物16部、テレフタル酸119部、フマル酸74部および縮合触媒としてシュウ酸チタニルカリウム2部を入れ、220℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら10時間反応させ、酸価が2以下になるまで反応させた。次いで無水トリメリット酸81部を加え、常圧下で1時間反応させた後、5〜20mmHgの減圧下に反応させ軟化点140℃で取り出し、ポリエステル(TB2)とする。ポリエステル(TB2)は、酸価23、水酸基価35、Tgは63℃、Mpは3800、Mnは2100、Mwは12200のトナーバインダー用樹脂である。
(TB1)55部、(A1)45部、(G1)17部、荷電制御剤T−77(保土谷化学製)1部およびビスコール550P[三洋化成工業(株)製ポリプロピレンワックス]2部を下記の方法でトナー化した。まず、ヘンシェルミキサー[三井三池化工機(株)製FM10B、以下同じ。]を用いて予備混合した後、二軸混練機[(株)池貝製PCM−30、以下同じ。]で混練した。ついで超音速ジェット粉砕機ラボジェット[日本ニューマチック工業(株)製、以下同じ。]を用いて微粉砕した後、気流分級機[日本ニューマチック工業(株)製MDS−I、以下同じ。]で分級し、体積平均粒径(D50)が8μmのトナー粒子を得た。ついで、トナー粒子100部にコロイダルシリカ(アエロジルR972:日本アエロジル製)0.5部をサンプルミルにて混合して、トナー(T1)を得た。(TB1)に代えて(TB2)を用いる以外はトナー(T1)の製造と同様にして、トナー(T2)を得た。
(TB1)55部、(A2)45部、(G2)17部、荷電制御剤T−77・1部およびビスコール550P・2部を下記の方法でトナー化した。まず、ヘンシェルミキサーを用いて予備混合した後、二軸混練機で混練した。ついで超音速ジェット粉砕機ラボジェットを用いて微粉砕した後、気流分級機で分級し、体積平均粒径(D50)が8μmのトナー粒子を得た。ついで、トナー粒子100部にコロイダルシリカ(アエロジルR972)0.5部をサンプルミルにて混合して、トナー(T3)を得た。(TB1)に代えて(TB2)を用いる以外はトナー(T3)の製造と同様にして、トナー(T4)を得た。
(TB2)55部、(A5)45部、(G5)17部、荷電制御剤T−77・1部およびビスコール550P・2部を下記の方法でトナー化した。まず、ヘンシェルミキサーを用いて予備混合した後、二軸混練機で混練した。ついで超音速ジェット粉砕機ラボジェットを用いて微粉砕した後、気流分級機で分級し、体積平均粒径(D50)が8μmのトナー粒子を得た。ついで、トナー粒子100部にコロイダルシリカ(アエロジルR972)0.5部をサンプルミルにて混合して、トナー(T5)を得た。
(TB1)55部、(A6)45部、(G6)17部、荷電制御剤T−77・1部およびビスコール550P・2部を下記の方法でトナー化した。まず、ヘンシェルミキサーを用いて予備混合した後、二軸混練機で混練した。ついで超音速ジェット粉砕機ラボジェットを用いて微粉砕した後、気流分級機で分級し、体積平均粒径(D50)が8μmのトナー粒子を得た。ついで、トナー粒子100部にコロイダルシリカ(アエロジルR972)0.5部をサンプルミルにて混合して、トナー(T6)を得た。(TB1)に代えて(TB2)を用いる以外はトナー(T6)の製造と同様にして、トナー(T7)を得た。
(TB1)55部、(A3)45部、(G3)17部、荷電制御剤T−77・1部およびビスコール550P・2部を下記の方法でトナー化した。まず、ヘンシェルミキサーを用いて予備混合した後、二軸混練機で混練した。ついで超音速ジェット粉砕機ラボジェットを用いて微粉砕した後、気流分級機で分級し、体積平均粒径(D50)が8μmのトナー粒子を得た。ついで、トナー粒子100部にコロイダルシリカ(アエロジルR972)0.5部をサンプルミルにて混合して、トナー(T8)を得た。(TB1)に代えて(TB2)を用いる以外はトナー(T8)の製造と同様にして、トナー(T9)を得た。
(TB1)55部、(A4)45部、(G4)17部、荷電制御剤T−77・1部およびビスコール550P・2部を下記の方法でトナー化した。まず、ヘンシェルミキサーを用いて予備混合した後、二軸混練機で混練した。ついで超音速ジェット粉砕機ラボジェットを用いて微粉砕した後、気流分級機で分級し、体積平均粒径(D50)が8μmのトナー粒子を得た。ついで、トナー粒子100部にコロイダルシリカ(アエロジルR972)0.5部をサンプルミルにて混合して、トナー(T10)を得た。(TB1)に代えて(TB2)を用いる以外はトナー(T10)の製造と同様にして、トナー(T11)を得た。
(TB1)55部、(F1)45部、(H1)17部、荷電制御剤T−77・1部およびビスコール550P・2部を下記の方法でトナー化した。まず、ヘンシェルミキサーを用いて予備混合した後、二軸混練機で混練した。ついで超音速ジェット粉砕機ラボジェットを用いて微粉砕した後、気流分級機で分級し、体積平均粒径(D50)が8μmのトナー粒子を得た。ついで、トナー粒子100部にコロイダルシリカ(アエロジルR972)0.5部をサンプルミルにて混合して、比較トナー(S1)を得た。(TB1)に代えて(TB2)を用いる以外は比較トナー(S1)の製造と同様にして、比較トナー(S2)を得た。
(TB1)55部、(F2)45部、(H2)17部、荷電制御剤T−77・1部およびビスコール550P・2部を下記の方法でトナー化した。まず、ヘンシェルミキサーを用いて予備混合した後、二軸混練機で混練した。ついで超音速ジェット粉砕機ラボジェットを用いて微粉砕した後、気流分級機で分級し、体積平均粒径(D50)が8μmのトナー粒子を得た。ついで、トナー粒子100部にコロイダルシリカ(アエロジルR972)0.5部をサンプルミルにて混合して、比較トナー(S3)を得た。(TB1)に代えて(TB2)を用いる以外は比較トナー(S3)の製造と同様にして、比較トナー(S4)を得た。
(TB1)55部、(F3)45部、(H3)17部、荷電制御剤T−77・1部およびビスコール550P・2部を下記の方法でトナー化した。まず、ヘンシェルミキサーを用いて予備混合した後、二軸混練機で混練した。ついで超音速ジェット粉砕機ラボジェットを用いて微粉砕した後、気流分級機で分級し、体積平均粒径(D50)が8μmのトナー粒子を得た。ついで、トナー粒子100部にコロイダルシリカ(アエロジルR972)0.5部をサンプルミルにて混合して、比較トナー(S5)を得た。(TB1)に代えて(TB2)を用いる以外は比較トナー(S5)の製造と同様にして、比較トナー(S6)を得た。
トナー(T1)〜(T11)、および比較トナー(S1)〜(S6)について、以下に記載の評価方法を用いて評価した結果を表1に示す。
表1の結果から、本発明の顔料分散マスターバッチ用樹脂を用いると、トナーバインダーの樹脂組成によらず、良好な結果が得られることがわかる。
(1)現像剤の調製
トナー30部とフェライトキャリア(パウダーテック社製、F−150)800部と均一混合し二成分現像剤とする。
(2)顔料分散性
トナーをスライドグラス上に溶融成形しフィルム状にした。光学顕微鏡にて、このフィルム状のトナーを倍率400倍で観察し、顔料凝集物の有無を目視判定した。
凝集物なし :○
わずかに凝集物あり:△
凝集物が多数あり :×
(3)画像安定性
市販のプリンタ(LP−1300)を用いて、作成したトナーを充填し、ベタ画像を連続印刷した。5000枚目の画像を目視にて下記基準で判定した。(○が良好と判断される)
ムラがなく白スジもない :○
やや白スジはあるがムラがない:△
白スジがある、ムラがある :×
(4)連続複写試験
上記現像剤を用いて、市販複写機[AR5030、シャープ(株)製]を用いて現像した未定着画像を、市販フルカラー複写機[LBP−2160、キヤノン(株)製]の定着ユニットを用いてプロセススピード80mm/secで定着した。
評価基準(B以上が良好と判断される)
A:8000枚連続複写後も画像良好のもの
B:8000枚連続複写後、かぶり発生等の画質低下がややみられるもの
C:8000枚連続複写後、かぶり発生等の画質低下が明らかにみられるもの
D:複写初期から画像不良のもの
Claims (6)
- ポリカルボン酸とポリオールから形成される重縮合型のポリエステル樹脂(A)を含有するトナー製造用顔料分散マスターバッチ用樹脂において、ポリオールの50重量%以上が1,2−プロピレングリコールであることを特徴とするトナー製造用顔料分散マスターバッチ用樹脂。
- (A)の酸価が1〜50であり、軟化点が75〜120℃である請求項1記載のトナー製造用顔料分散マスターバッチ用樹脂。
- (A)のTHF不溶解分が5重量%以下である請求項1または2記載のトナー製造用顔料分散マスターバッチ用樹脂。
- (A)が、ポリカルボン酸とポリオールとから形成される重縮合物に、更に酸無水物を反応させて得られるポリエステル樹脂である請求項1〜3のいずれか記載のトナー製造用顔料分散マスターバッチ用樹脂。
- 請求項1〜4のいずれか記載のトナー製造用顔料分散マスターバッチ用樹脂と顔料を含有するトナー製造用顔料分散マスターバッチ。
- 請求項5記載のトナー製造用顔料分散マスターバッチ、トナーバインダー、および必要により添加剤を含有する乾式トナー。
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