JP2008271914A - 米を原料としたコーヒー飲料代用品及び醤油代用品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】オーブン等により精白米を加熱して、少なくともその一部分が黒く焼け焦げた状態にまで焼き上げ、その後冷却した後フードミル等により粉末化した焦げ焼き米粉を製造する。この焦げ焼き米粉に熱湯を注ぎ、所定時間経過後に綿布等により濾過してコーヒー飲料代用品を製造する。またこの焦げ焼き米粉に熱湯を注ぎ、所定時間経過後に綿布等により濾過した濾液を取り、この濾液に、塩、砂糖、グルタミン酸ナトリウム及びクエン酸を混合して醤油代用品を製造することができる。精白米としては無洗米を使用するのが好適である。
【選択図】なし
Description
この文献に記載の発明においては、焦げ臭さや雑味が除去でき、香ばしい香りのみで、まろやかですっきりした穀類茶飲料の製造方法を提供するものである。
その要旨とするところは、穀類茶飲料の製造方法において、穀類茶原料を還元性物質の存在下で温水により抽出する工程を有することを特徴とするものである。
この文献には、籾を水洗し、殺菌処理を施し、その後焙煎処理をした後に粉末化された籾粉末を各種の加工品に含有させることが記載されている。
このように、従来においては、穀類を原料とした茶飲料や、籾粉末を利用した各種の加工品の発明があるが、前者においては、その茶飲料を製造するに当り、焦げ臭さや雑味を排除させること、後者においては、籾に含まれる各種栄養素を有効に利用する点がその目的であった。
そして、一般には、主食である米はアレルギーが稀にしか起こらないと言われているため、アレルギー治療の時の基本的な献立を作るときは、米飯を主食として 副食は過敏に反応する食品(アレルゲンとして特定された食品)を避け、安全なものの中からできるだけ多くの食品を、しかも間隔を開けて摂るように工夫しているのが現状である。
その後冷却した後、フードミル等により粉末化した焦げ焼き米粉を使用し、この焦げ焼き米粉に熱湯を注ぎ、所定時間経過後に綿布等により濾過した濾液を収集し、この濾液に、塩と、砂糖と、グルタミン酸ナトリウム、イノシン酸ナトリウム及びグアニル酸ナトリウム等の化学調味料から選ばれた少なくとも一種と、クエン酸、イタコン酸、乳酸、りんご酸、酒石酸、アスコルビン酸、フマル酸、コハク酸、塩酸等の食品添加物としての有機酸又は無機酸から選ばれた少なくとも一種を混合して製造したことを特徴とする米を原料とした醤油代用品である。
本発明の第4のものは、上記第2の発明において、熱湯の代わりに魚介類、海藻、野菜又は茸等から選ばれた少なくとも一種の出し汁を用いたことを特徴とする米を原料とした醤油代用品である。
本発明の第5のものは、上記第1の発明において、熱湯を注ぐ際に、クエン酸、イタコン酸、乳酸、りんご酸、酒石酸、アスコルビン酸、フマル酸、コハク酸、塩酸等の食品添加物としての有機酸又は無機酸から選ばれた少なくとも一種を混入させたことを特徴とする請求項1に記載の米を原料としたコーヒー飲料代用品である。
勿論、米を焦がす程度は、好みに合わせて行うことができ、苦味の強い飲料の好きな者にとっては、米全体が焦げた状態にまで焼き上げた後に、粉体化してもよい。
また、本発明においては、焦げ焼き米粉を利用してコーヒー飲料代用品を製造するという今までに全く思いも寄らないアイディアから生まれたもので、いわば一種の用途発明とも言えるものである。
この醤油代用品は、本物の醤油のような匂いはないが、醤油と同等の味を有しており、しかも、大豆を含んでおらずかつ発酵していないので、前記第1の発明と同様にアレルギー症状を起こす心配がないのである。
また、上記第一の発明と同様に、この焦げ焼き米粉を利用して醤油代用品を製造するというアイディアも今までに全くなかったもので、本発明者の極めて独創的な着想から生れたものであり、やはり、言わば一種の用途発明的な要素を含むものでもある。
本発明の第4のものにおいては、熱湯の代わりに魚介類、海藻、野菜又は茸等の一種又は二種以上の出し汁を使用したので、醤油代用品であっても一層風味が増すこととなる。
本発明の第5のものにおいては、コーヒー飲料代用品にクエン酸等の食品添加物としての有機酸又は無機酸を添加したことにより、やや酸味のあるコーヒー飲料となり、酸味のあるコーヒー飲料を好む者に好適なものとなる。
(A)コーヒー飲料代用品の製造方法
まず、本発明に係るコーヒー飲料代用品の製造手順について説明する。
お米としては、うるち米の精白した無洗米を使用する。
無洗米を使用するのは、米糠が殆ど除去されており、糠に対するアレルギー症状を呈する患者であっても飲むことが可能だからである。
また、もち米を使用して製造することもできるが、もち米を使用した場合には、もち米でアレルギーを起こす可能性が高いので、本実施形態ではうるち米を使用している。
ここでお米を相互に少し間隔を開けたのは、お米を加熱すると2.5倍程度に膨張するからであり、間隔を開けずに加熱すると、お米同士が重なり合って加熱が不十分なものができるからである。
またお米を加熱すると糊化する性質があり、相互にくっついてしまうため、その場合には余計に加熱が不十分になるからである。
オーブンは、上下に熱源のあるものが最適で、少なくとも600W程度のものが好ましい。
勿論、お米を焼き上げる装置は、種々のタイプのオーブンを利用することができるが、家庭ではオーブントースターでも製造可能である。また、アルミ箔を使用せずに、網状のネットを使用することもできる。
暫くすると、うるち米は膨張してくる。
更に加熱を続けて行くと、表面が茶色に変色してくる。
その後、更に膨張すると共に、焦げが始まり、部分的に黒く変色してくる。
このような一部黒く焦げて来た状態で、膨張してまだ茶色の部分が部分的に残っている程度で電源を切り、加熱を停止する。
この状態が、最適の焼け焦げ状態である。
このような最適の焼け焦げ状態になるまでに要する時間は、概ね6分程度である。
尚、この焼け焦げ状態は、好みに応じて、変更させることができる。即ち、苦いコーヒー飲料が好みの者は、この焼け焦げ状態を更に進行させて、米粒の全体がほぼ黒く焦げた状態まで焼き上げるのも自由である。
加熱直後は、まだの糊のようになっており いわゆる「なましい」状態で上手く粉砕できないためである。
冷えると餅が固まったような状態になり、粉砕が容易となる。
この冷却の際、焼き上げられた米粒の内、過剰に加熱され過ぎて炭化してしまったもの、及び未だ加熱が不足しているものを除去する。
最適に加熱され、焼き上げられた米粒は、指で簡単に潰すことができる程度の硬さである。
次に、この焼き上げられた米粒を、ミキサー或はフードプロセッサー等で粉末化する。
フードプロセッサーを用いれば、3秒程度で粉末化が可能である。
この焦げ焼き米粉を使用してコーヒー飲料代用品を製造することができる。
(大き目のマグカップ3杯分の製法)
(1) 焦げ焼き米粉 13g
(2) 熱湯 600ml
上記焦げ焼き米粉を容器に入れ、その中に約200mlの熱湯を注ぎ、軽く攪拌する。
攪拌後30秒程度置いて、ロートの上に乗せた綿布で作った袋状の濾布に注ぎ込み、濾液として出てきたものが一煎目のコーヒー飲料代用品である。
その後、同じ濾布に残っている焦げ焼き米粉に更に200ml程度の熱湯を注ぎ、これにより得られた濾液が二煎目のコーヒー飲料代用品である。
更に、同様の手順で三煎目のコーヒー飲料代用品を得ることが出来る。
一煎目は、濃い目のコーヒーのような味の飲料となり、二煎目は、普通のコーヒーのような味の飲料となり、三煎目は、薄いコーヒーのような飲料となる。
尚、好みに応じて、クエン酸を加えると、酸っぱいコーヒーのような飲料が出来上がる。
クエン酸は、本発明に係るコーヒー飲料代用品が出来上がった後に添加することも出来るが、焦げ焼き米粉に熱湯を注ぐ際に加えるのが好ましい。
というのも、実験を重ねた結果、この段階でクエン酸を加えた方が、飲料の泡立ちを抑えることが出来、しかも酸性状態で浸出させることにより夾雑物も減少するものと考えられるからである。推測であるが、恐らくアレルギーに関係する物質も少なくなるものと考えられる。
尚、クエン酸の代わりに、イタコン酸、乳酸、りんご酸、酒石酸、アスコルビン酸、フマル酸、コハク酸、塩酸等の食品添加物としての有機酸又は無機酸を混入させることも可能である。
約一人分を製造するには、容器に焦げ焼き米粉4gを入れ、熱湯200mlを注ぐ。
2〜5分程度そのまま浸出させた後に、目の細かい茶漉しで漉して出来上がりである。
この製法で作ったコーヒー飲料代用品は、風味はよいが、夾雑物が混ざった状態となる。
尚、上記それぞれのコーヒー飲料代用品には、ミルクや砂糖を入れて飲むことができるのは勿論のことである。
ミルクを入れると、焦げ焼き米粉自体の香りが感じられなくなり、より本物のコーヒーに近い飲料となる。
但し、ミルクに対してアレルギー反応を示す人には不向きである。
以下、調味料としての醤油代用品の製造方法について説明する。
この醤油代用品においても、上記の「焦げ焼き米粉」を使用する。
この焦げ焼き米粉の製法は、上記のコーヒー飲料代用品の場合と同一である。
そして、醤油代用品の成分構成は以下の通りである。
(2) 熱湯 200ml
(3) 塩 30g
(4) 砂糖 20g
(5) グルタミン酸ナトリウム 1g
(6) クエン酸 0.01g以下
約1分後、これをロート上に載せたビロード布で作った袋内に注ぎ込み、濾液を取る。
この濾液内に上記分量の塩、砂糖、グルタミン酸ナトリウム及びクエン酸を入れて、攪拌する。
これにより、醤油のような調味料、即ち醤油代用品が完成する。
尚、熱湯の代わりに、カツオの出し汁を用いると、一層風味が増す。
クエン酸を入れる分量は、上記の通り、酸味をカンジさせない程の分量にすることが肝要である。
また、グルタミン酸ナトリウムの代わりに、イノシン酸ナトリウム及びグアニル酸ナトリウム等の化学調味料から選ばれた一種又は二種以上を混合することも可能である。
更に、カツオ出し汁の代わりに、その他の魚介類、海藻、野菜又は茸等から選ばれた一種又は二種以上の出し汁を使用することも可能である。
(C)みたらし団子の製造方法
使用材料及び使用分量は以下の通りである。
(1) 焦げ焼き米粉 2.5g
(2) 上新粉 100g
(3) 上新粉を練るための水 100ml(水量は硬さを見て調節する)
(4) 調味液を作るための水 100ml
(5) 砂糖 50g
(6) 塩 7g
耳たぶ程度の硬さに捏ね、一口大に丸める。
これを熱湯の中に投入し、茹でる。
概ね1分程度で、掬い上げ、皿に盛り付ける。
焦げ焼き米粉を用いて、上記(B)で製造した醤油代用品を製造し、この醤油代用品に砂糖と塩を加えて、上記の皿に盛り付けられた団子の上にかけて、一時間程度そのまま置いておく。
これで、ねっとりしたみたらし団子が完成する。
必要に応じて、団子を串に刺して、串団子状にして製造することも出来る。
更に、これをオーブン等で焼くと、一層風味が増すことと成る。
使用材料及び使用分量は以下の通りである。
(1) 焦げ焼き米粉 10g
(2) もち米 360ml
もち米を餅つき機等で蒸した後、もち米を搗く段階で、上記焦げ焼き米粉を混入する。
搗きあがると、褐色の餅が出来上がる。
匂いを逃がさないように、ラップをして保存をしておく。
この餅を食するときに、電子レンジで加熱するだけで、焼いた香ばしい匂いのする餅が出来上がる。
使用する材料は、鶏肉と上記(B)で製造した醤油代用品のみである。
小さく切り分けた鶏肉を串に刺し、上記醤油代用品を浸けて焼くことを数回繰り返す。
これにより、醤油の照り焼き風の焼き鳥が出来上がる。
或は、上記醤油代用品に予め鶏肉を漬けておき、これを焼くことにより、同様の醤油照り焼き風の焼き鳥が出来上がる。
使用材料及び使用分量は以下の通り。
(1) 焦げ焼き米粉 100ml
(2) 鶏肉 1枚
(3) 砂糖 33g
3日後、これを取り出し、鶏肉を軽く洗う。
水を良く切った後に、ラップでその全体を包み、タコ糸で中の鶏肉を押さえつけるように強く巻き付ける。
約70度の温度の熱湯に約6時間程入れて、ボイルし、その後冷却し、完成である。
タコ糸及びラップを取り除き、薄く切り分けるとハムの出来上がりである。
実際には燻製をしていないが、燻製らしい風味のついたハム同様のものが出来上がる。
使用材料及び使用分量は以下の通りである。
(1) 上記(B)の醤油代用品 30ml
(2) 鶏卵 1個
(3) 鶏肉 100g
(4) ご飯 1膳分
概ね煮えたところで、鶏卵を入れ、かき混ぜて直ぐに火を消し、丼に盛ったご飯の上にこれを掛ける。鶏卵の匂いのために本物の醤油を使用した場合と殆ど同様のものが出来上がる。
また、上記醤油代用品にあっては、所謂醤油によって調理できるあらゆる調理品に応用できるものである。
以上、本発明は、米という食材に着目して焦げ焼き米粉を製造し、これを適宜応用することによりこれまでにない新しい用途としてのコーヒー飲料代用品を創案し、更には、調味料としての醤油代用品をも発明し、食品アレルギー患者にも安心して飲食できる著大な効果を有する飲食物を提供し得たものである。
Claims (5)
- 精白米を相互に少しの間隔を保った状態で熱源に近づけ、
これらの米が膨張して少なくともその一部分が黒く焼け焦げた状態にまで加熱をして焼き上げ、
その後冷却した後、フードミル等により粉末化した焦げ焼き米粉を使用し、
この焦げ焼き米粉に熱湯を注ぎ、所定時間経過後に綿布等により濾過して製造したことを特徴とする米を原料としたコーヒー飲料代用品。 - 精白米を相互に少しの間隔を保った状態で熱源に近づけ、
これらの米が膨張して少なくともその一部分が黒く焼け焦げた状態にまで加熱をして焼き上げ、
その後冷却した後、フードミル等により粉末化した焦げ焼き米粉を使用し、
この焦げ焼き米粉に熱湯を注ぎ、所定時間経過後に綿布等により濾過した濾液を収集し、
この濾液に、塩と、砂糖と、グルタミン酸ナトリウム、イノシン酸ナトリウム及びグアニル酸ナトリウム等の化学調味料から選ばれた少なくとも一種と、クエン酸、イタコン酸、乳酸、りんご酸、酒石酸、アスコルビン酸、フマル酸、コハク酸、塩酸等の食品添加物としての有機酸又は無機酸から選ばれた少なくとも一種を混合して製造したことを特徴とする米を原料とした醤油代用品。 - 精白米として無洗米を使用したことを特徴とする請求項1又は2に記載の米を原料としたコーヒー飲料代用品及び醤油代用品。
- 熱湯の代わりに魚介類、海藻、野菜又は茸等から選ばれた少なくとも一種の出し汁を用いたことを特徴とする請求項2に記載の米を原料とした醤油代用品。
- 熱湯を注ぐ際に、クエン酸、イタコン酸、乳酸、りんご酸、酒石酸、アスコルビン酸、フマル酸、コハク酸、塩酸等の食品添加物としての有機酸又は無機酸から選ばれた少なくとも一種を混入させたことを特徴とする請求項1に記載の米を原料としたコーヒー飲料代用品。
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