JP2008260784A - 安定性が増大した低pHの殺菌性ヨウ素組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】約0.01〜1.4重量%の有効ヨウ素、約10〜125ppmの遊離ヨウ素、約0.005〜0.5重量%のヨウ素酸イオン、約0.1〜15重量%の錯化剤、約0.004〜0.50重量%のヨウ化物イオンからなり、約2〜5.5のpHを持つ組成物。
【選択図】なし
Description
1.発明の分野
概して、本発明は非常に低いpH(約2〜5.5)の水性殺菌性ヨウ素/ヨウ化物/ヨウ素酸塩組成物であって、少なくとも約3カ月の長期貯蔵期間に渡って有効ヨウ素及び遊離ヨウ素の安定性が増大している組成物に関する。より詳しくは、本発明はヨウ素錯化剤との併用で有効ヨウ素を約0.01〜1.4重量%、遊離ヨウ素を約10〜124ppm、ヨウ化物イオンを約0.004〜0.50重量%、及びヨウ素酸イオンを約0.005〜0.5重量%含有する組成物に関する。また、任意成分として皮膚緩和剤、緩衝剤、増粘剤が含まれてもよい。
米国特許第4271149号明細書には、単体ヨウ素を約1重量%まで含み、pH値が5〜7であり、ヨウ素/ヨウ化物/ヨウ素酸塩の寄せ集めからなる水性洗浄性ヨウ素組成物が開示されている。典型的には、該米国特許第4271149号明細書に記載されている代表的な組成物は、遊離(即ち、複合していない)ヨウ素を10ppm未満のレベルで含有している。このタイプの組成物では、2つの主要な競合反応が貯蔵中に起こって安定性を維持している。第一に、有機物の存在下で単体ヨウ素からヨウ化物イオンへのいくらかの転化があり、第二に、ヨウ素酸イオン、ヨウ化物イオン及びH+間のI2を形成する競争反応がある。理想的には、これら2つの反応は平衡状態にあり、それで組成物中のI2の含有量は本質的に一定のままである。
本発明は上記で略述した問題を克服するものであり、即ちpHが約2〜5.5であり、遊離ヨウ素含量が約10〜125ppmである低pHの安定した水性洗浄性ヨウ素殺菌剤用組成物であって、少なくとも約3カ月、より好ましくは少なくとも約1年の室温での貯蔵期間に渡って、有効ヨウ素及び遊離ヨウ素の許容範囲の含有量を保持する組成物を提供する。好ましくは、有効ヨウ素及び遊離ヨウ素の量を実質的に維持するということは、組成物の遊離ヨウ素及び有効ヨウ素の製造時の呼称量を約±20%以内に維持することができるという能力に関連している。
本発明は、遊離ヨウ素の量を比較的多くするため、約2〜5.5の非常に低いpHを持ち、また、同時にその中の有効ヨウ素及び遊離ヨウ素の量を長期間維持するという、洗浄性ヨウ素/ヨウ化物/ヨウ素酸塩殺菌性組成物を調製できるという発見に基づく。これは、組成物中に存在する成分の量と種類を注意深く選択することにより達成できるものである。例えば、組成物中で起こってる競争反応が互いに相殺した結果、全体的な組成物の安定性が維持される。組成物を調製した後、貯蔵期間中に起こっている主な平衡反応は以下の通りである。
II. IO3 −+5I−+6H+ → 3I2+3H2O
III I2+錯化剤+I− → 錯体化I2・I−
本発明において、下記の異なる3の方法で以下の各々の組成物を調製した。以下の各々の表は各々の処方に用いられた成分を表しており(すべての成分データが重量%で記載されており、遊離ヨウ素のデータはppmで記載されている)、また、呼称重量で1.0%の有効ヨウ素(第1表)、0.75%の有効ヨウ素(第2表)、0.50%の有効ヨウ素(第3表)、0.25%の有効ヨウ素(第4表)、0.10%の有効ヨウ素(第5表)、0.05%の有効ヨウ素(第6表)、0.025%の有効ヨウ素(第7表)を含む組成物の3又は4カ月後の安定性のデータについて明示している。有効ヨウ素含有量は、概して、製品の貯蔵期間の間に±10%変わる。ヨウ素酸塩の含有量は貯蔵期間の間に減少し、一般的に2〜4年の室温での貯蔵により完全に無くなるものと考えられる。最初の調合の後、組成物のpH値は一般的に増加し、時には0.5〜1pH増加する。
2全量を100%にするのに必要な残量
2キサンタンガム
3全量を100%にするのに必要な残量
1.安定した水性殺菌性組成物であって、
約0.01〜1.4重量%の有効ヨウ素;
約10〜125ppmの遊離ヨウ素;
約0.005〜0.5重量%のヨウ素酸イオン;
溶液中の該有効ヨウ素を維持するのに十分な量の錯化剤;
約0.004〜0.50重量%のヨウ化物イオン;
からなり、約2.0〜4.5のpHを持ち、少なくとも3カ月の室温での貯蔵期間に渡って該有効ヨウ素及び遊離ヨウ素の量を概ね維持する組成物。
2.有効ヨウ素レベルが約0.01〜0.2重量%である1記載の組成物。
3.有効ヨウ素レベルが約0.10〜1.4重量%である1記載の組成物。
4.該遊離ヨウ素レベルが約25〜125ppmである1記載の組成物。
5.該ヨウ素酸イオンレベルが約0.01〜0.4重量%である1記載の組成物。
6.該錯化剤が約0.1〜15重量%のレベルで存在している1記載の組成物。
7.少なくとも約1年間、該有効ヨウ素量及び遊離ヨウ素量を概ね維持する1記載の組成物。
8.クエン酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸、リン酸、それらの塩及びそれらの混合物からなる群より選ばれた緩衝剤を含む1記載の組成物。
9.緩衝剤が約0.02〜1重量%のレベルで存在している8記載の組成物。
10.錯化剤が、アルキルフェノールエトキシラート、アルコールエトキシラート、アルコールアルコキシラート、ポリアルキレングリコールエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリビニルピロリドン、ポリエトキシレートポリオキシプロピレン及びそれらの混合物からなる群より選ばれたものである1記載の組成物。
11.増粘剤を含む1記載の組成物。
12.増粘剤が、アルギネート、キサンタンガム、セルロース系の増粘剤及びそれらの混合物からなる群より選ばれるものである11記載の組成物。
13.増粘剤が約0.05〜1.5重量%のレベルで存在している11記載の組成物。
14.皮膚緩和薬を含む1記載の組成物。
15.該皮膚緩和薬が、グリセリン、ラノリン、ソルビトール、ポリヒドロキシル化合物の脂肪酸エステル、プロピレングリコール及びそれらの混合物からなる群より選ばれるものである14記載の組成物。
16.該皮膚緩和薬が約1〜15重量%のレベルで存在している15記載の組成物。
18.室温での貯蔵で少なくとも約3カ月に渡って、遊離ヨウ素を少なくとも約40ppmに保つ17記載の組成物。
19.安定した水性殺菌性組成物であって、
約0.01〜1.4重量%の有効ヨウ素;
少なくとも約25ppmの遊離ヨウ素;
約0.005〜0.5重量%のヨウ素酸イオン;
溶液中の該有効ヨウ素を維持するのに十分な量の錯化剤;
約0.004〜0.50重量%のヨウ化物イオン;
からなり、約2〜5.5のpHを持ち、室温で少なくとも3カ月に渡って、該有効ヨウ素及び遊離ヨウ素の量を概ね維持する組成物。
20.有効ヨウ素を約0.01〜0.2重量%のレベルで有する19記載の組成物。
21.有効ヨウ素を約0.10〜1.4重量%のレベルで有する19記載の含む組成物。
22.遊離ヨウ素のレベルが約25〜125ppmである19記載の組成物。
23.ヨウ素酸イオンのレベルが約0.01〜0.4重量%ある19記載の組成物。
24.錯化剤が約0.1〜15重量%のレベルで存在している19記載の組成物。
25.該pHが約2.0〜4.5である19記載の組成物。
26.少なくとも約1年の期間について、有効ヨウ素量及び遊離ヨウ素量を概ね維持する19記載の組成物。
27.クエン酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸、リン酸、それらの塩及びそれらの混合物からなる群より選ばれる緩衝剤を含有する19記載の組成物。
28.緩衝剤が約0.02〜1重量%のレベルで存在する27記載の組成物。
29.錯化剤が、アルキルフェノールエトキシレート、アルコールエトキシレート、アルコールアルコキシレート、ポリアルキレングリコールエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレイト、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリビニルピロリドン、ポリエトキシレートポリオキシプロピレン及びそれらの混合物からなる群より選ばれるものである19記載の組成物。
30.増粘剤を含む19記載の組成物。
31.増粘剤が、アルギネート、キサンタンガム、セルロース系の増粘剤及びそれらの混合物からなる群より選ばれるものである30記載の組成物。
32.増粘剤が約0.05〜1.5重量%のレベルで存在する30記載の組成物。
33.皮膚緩和薬を含む19記載の組成物。
34.該皮膚緩和薬が、グリセリン、ラノリン、ソルビトール、ポリヒドロキシル化合物の脂肪酸エステル、プロピレングリコール及びそれらの混合物からなる群より選ばれるものである33記載の組成物。
35.皮膚緩和薬が約1〜15重量%のレベルで存在する34記載の組成物。
Claims (17)
- 室温での貯蔵で少なくとも3カ月の間、2.0〜4.5の間のpH、0.01〜1.4重量%の有効ヨウ素、及び10〜125ppmの遊離ヨウ素を持つことを特徴とする、有効ヨウ素、遊離ヨウ素、ヨウ素酸イオン、ヨウ化物イオン、及び錯化剤を含む水性殺菌性組成物。
- 前記組成物が0.01〜0.2重量%の有効ヨウ素濃度を持つ、請求項1に記載の組成物。
- 前記組成物が0.05〜1.4重量%の有効ヨウ素濃度を持つ、請求項1に記載の組成物。
- 前記錯化剤が、アルキルフェノールエトキシラート、アルコールエトキシラート、アルコールアルコキシラート、ポリアルキレングリコールエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリビニルピロリドン、ポリエトキシレートポリオキシプロピレン、及びそれらの混合物からなる群から選ばれる、請求項1に記載の組成物。
- 前記錯化剤が0.1〜15重量%の濃度で存在する、請求項4に記載の組成物。
- クエン酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸、リン酸、それらの塩、及びそれらの混合物からなる群から選ばれる緩衝剤を含む、請求項1に記載の組成物。
- 前記緩衝剤が0.02〜1.0重量%の濃度で存在する、請求項6に記載の組成物。
- 増粘剤を含む、請求項1に記載の組成物。
- 前記増粘剤が、アルギネート、キサンタンガム、セルロース系の増粘剤、及びそれらの混合物からなる群から選ばれる、請求項8に記載の組成物。
- 前記増粘剤が0.05〜1.5重量%の濃度で存在する、請求項9に記載の組成物。
- 皮膚緩和薬を含む、請求項1に記載の組成物。
- 前記皮膚緩和薬が、グリセリン、ラノリン、ソルビトール、ポリヒドロキシル化合物の脂肪酸エステル、プロピレングリコール、及びそれらの混合物からなる群から選ばれる、請求項11に記載の組成物。
- 前記皮膚緩和薬が1.0〜1.5重量%の濃度で存在する、請求項12に記載の組成物。
- 少なくとも1年の間、前記有効ヨウ素及び遊離ヨウ素の量を維持する、請求項1に記載の組成物。
- 0.05〜0.5重量%のヨウ素酸イオン濃度を持つ、請求項1に記載の組成物。
- 0.1〜0.5重量%のヨウ素酸イオン濃度を持つ、請求項1に記載の組成物。
- 前記ヨウ化物イオンが0.004〜0.50重量%の濃度で存在する、請求項1に記載の組成物。
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