JP2008254657A - 走行支援制御システム、及び走行支援の制御方法 - Google Patents

走行支援制御システム、及び走行支援の制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】レーダ装置で物標の検出を開始してから、走行支援制御が実施されるまでの時間を短縮可能な走行支援制御システムの提供。
【解決手段】走行支援制御システムは、走行支援ECUと、レーダ波を送受信することにより、物標を認識するレーダセンサとを備える。レーダセンサにて物標候補を検出し、それら物標候補毎に検出情報を生成する度に、それらの検出情報に未確定、もしくは確定情報を付与した物標情報をレーダセンサから走行支援ECUへと送信する。走行支援ECUでは、レーダセンサにて、それらの物標候補が確定物標として確定される前に、レーダセンサから取得し蓄積した検出情報の履歴を用いて物標挙動を推定し、レーダセンサから確定情報を取得されると、その確定物標であるとされた物標候補に対する物標挙動の中で規定条件を満たす対象物標の推定挙動に従って走行支援制御を実行する。
【選択図】図7

Description

本発明は、車両の走行を支援する走行支援の制御方法、及びその制御方法を実行する走行支援制御システムに関する。
従来より、レーダ波を送受信することで、先行車両等の物標を検出し、その物標と自車両との位置を含む物標情報を取得するレーダ装置と、レーダ装置で取得された物標情報の履歴に基づいて先行車両の進路を推定し、先行車両との車間距離を適切に保つことや、車間距離が必要以上に接近した場合に報知すること(以下、これらを走行支援制御とする)を実施する走行支援制御装置とを備えた走行支援制御システムが知られている(特許文献1,2,3参照)。
そして、この種の走行支援制御システムに用いられるレーダ装置では、予め規定された測定サイクルでレーダ波を送受信しており、今回の測定サイクルで検出された物標候補のうち、前回の測定サイクルで検出された物標候補と履歴接続されているものを、確からしい物標(以下、確定物標とも称す)として検出していた。つまり、物標の検出精度を向上させるため、現時点に至る予め設定された設定期間以上に連続して履歴接続された物標候補のみを確定物標とし、その後、順次検出される確定物標に対応する物標情報を走行支援制御装置に送信している。
一方、走行支援制御装置では、レーダ装置から受信した物標情報を予め規定された測定サイクル分蓄積すると共に、その蓄積された物標情報の履歴を用いて確定物標の挙動(以下、物標挙動とする)を推定し、推定された物標挙動の中から、先行車両である可能性の高い確定物標の物標挙動を抽出して、先行車両の挙動とみなせる物標挙動に従って走行支援制御を実行している。
特開平2002−99906号公報 特開2006−46962号公報 特開平7−104062号公報
つまり、従来の走行支援制御システムでは、図11に示すように、レーダ装置で物標の検出を開始してから先行車両の進路が推定されるまでの期間として、レーダ装置で物標候補が物標として確定される(即ち、確定物標が検出される)までの確定期間(S1)に加えて、走行支援制御装置で確定物標に対応する物標情報を蓄積する(図中、位置履歴保持)ための蓄積期間(S2)が必要であり、その後推定された先行車両の進路に従って走行支援制御が実行されている。
このため、従来の走行支援制御システムでは、例えば、先行車両と自車両との間に、他車両が割り込んできたような場合には、割り込んできた車両を先行車両とし、その車両の進路を推定するための実行期間(S1+S2)が必要であり、走行支援制御が実行されるまでに遅れが生じる可能性があった。
そこで、レーダ装置で物標の検出を開始してから、走行支援制御が実施されるまでの時間を短縮可能な走行支援の制御方法、及びその制御方法を実行する走行支援制御システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するためになされた本発明の走行支援制御システムは、予め設定された測定サイクル毎に送受信されるレーダ波に基づき、物標である可能性のある一ないし複数の物標候補を検出し、物標候補と自車両との相対位置を含む検出情報を物標候補毎に生成すると共に、検出情報の履歴に基づき、物標候補が自車両の周辺に存在する確定物標であるか否かを判定するレーダ装置と、確定物標の挙動に従って、自車両の走行を支援する走行支援制御を実行する走行支援制御装置とを備えている。そして、走行支援制御装置では、レーダ装置で物標候補が確定物標であるか否かを判定する際に用いられ、かつ確定物標であると判定された物標候補に対して生成された検出情報の履歴を用いて確定物標の挙動を推定し、レーダ装置にて物標候補が確定物標であると判定されると、その推定された挙動に従って、走行支援制御を実行する。
つまり、本発明の走行支援制御システムでは、走行支援制御装置は、一つの物標候補がレーダ装置にて確定物標であると判定された場合、その確定物標であると判定された物標候補に対して予め(即ち、判定を行った時点で既に)生成されている検出情報の履歴を用いて確定物標の挙動を推定して走行支援制御を実行している。
したがって、本発明の走行支援制御システムによれば、物標候補が確定物標であると判定された場合、直ちに走行支援制御を実行することができる。この結果、本発明の走行支援制御システムによれば、確定物標の挙動を推定する際、レーダ装置で検出される確定物標の履歴を用いる従来の走行支援制御システムに比べて、レーダ装置にて物標の検出を開始してから走行支援制御装置で走行支援制御を実行するまでに要する時間を短縮することができる。
そして、本発明の走行支援制御システムにおける走行支援制御装置は、請求項2に記載のように、第一情報取得手段が、レーダ装置で検出情報が生成される度に、全ての検出情報を取得し、それらの検出情報を蓄積し、第一挙動推定手段が、第一情報取得手段で取得された検出情報の履歴に従って、物標候補毎に、物標候補の挙動である物標挙動を推定すると共に、レーダ装置にて物標候補が確定物標であることが確定された時、第一制御実行手段が、確定物標であるとされた物標候補に対して第一挙動推定手段で推定された物標挙動に従って、走行支援制御を実行するように構成されていても良い。
このように構成された走行支援制御装置を備えた本発明の走行支援制御システムによれば、全ての物標候補の挙動(即ち、物標挙動となりうるもの)を予め推定しているため、物標候補が確定物標であると判定された場合、予め推定された物標挙動に従って、直ちに走行支援制御を実行することができる。
また、本発明の走行支援制御システムにおける走行支援制御装置は、請求項3に記載のように、第二情報取得手段が、レーダ装置にて確定物標であると判定された物標候補に対して生成された検出情報の履歴を、レーダ装置から取得し、第二挙動推定手段が、第二情報取得手段で取得された検出情報の履歴に従って、確定物標の挙動を推定すると共に、第二制御実行手段が、第二挙動推定手段で推定された確定物標の挙動に従って、走行支援制御を実行するように構成されていても良い。
このように構成された走行支援制御装置を備えた本発明の走行支援制御システムによれば、レーダ装置にて確定物標であると判定された物標候補に対する検出情報の履歴を一括して取得するため、検出情報の履歴を取得した後、直ちに確定物標の挙動を推定し、走行支援制御を実行することができる。この結果、本発明の走行支援制御システムによれば、物標候補が確定物標であると判定された後、走行支援制御装置にて、その確定物標の位置を蓄積する蓄積期間(S2)が必要なくなり、レーダ装置にて物標の検出を開始してから走行支援制御装置にて走行支援制御を実行するまでに要する時間(即ち、実行期間)を短縮することができる。
さらに、本発明の走行支援制御システムにおける走行支援制御装置では、請求項4に記載のように、先行車抽出手段が、確定物標の中から、自車両の進行方向に存在する先行車両を抽出し、その先行車両と自車両との車間距離を予め規定された距離の範囲内に維持するオートクルーズコントロール制御を走行支援制御として実行しても良い。
このような本発明の走行支援制御システムによれば、走行支援制御としてオートクルーズコントロール制御を実行することにより、自車両と先行車両との間に車両が割り込んできたとしても、従来の走行支援制御システムに比してより早く適切な車間距離へと制御することができる。つまり、本発明の走行支援制御システムによれば、制御の応答性を向上させることができる。
そして、本発明の走行支援制御システムにおける走行支援制御装置では、請求項5に記載のように、最近物標抽出手段が、自車両の進行方向の自車両から最も近い位置に存在する最近物標を抽出し、その最近物標と自車両との距離が予め規定された範囲内となった場合、自車両を減速させること、またはシートベルトを巻き上げることの少なくとも一つを実行するプリクラッシュセーフティー制御を走行支援制御として実行しても良い。
このような本発明の走行支援制御システムによれば、走行支援制御としてプリクラッシュセーフティー制御を実行することにより、自車両の進行方向に物標(例えば、人や、他車両)が飛び出してきたような場合であっても、自車両を減速させることや、シートベルトを巻き上げること等の飛び出した物標に対する対応を、従来の走行支援制御システムよりも早く実行することができる。つまり、本発明の走行支援制御システムによれば、制御の応答性を向上させることができる。
ところで、請求項1に記載の走行支援制御システムは、予め設定された測定サイクル毎に送受信されるレーダ波に基づき、物標である可能性のある一ないし複数の物標候補を検出し、物標候補と自車両との相対位置を含む検出情報を物標候補毎に生成すると共に、検出情報の履歴に基づき、物標候補が自車両の周辺に存在する確定物標であるか否かを判定するレーダ装置と、自車両の走行を支援する走行支援を実行する走行支援制御装置とを備えた走行支援制御システムにおいて、走行支援制御装置が実行する走行支援の制御方法として発明(以下、第二発明とする)されたものでも良い。この場合、第二発明の走行支援の制御方法は、情報取得過程にて、レーダ装置で物標候補が確定物標であるか否かを判定する際に用いられ、かつ確定物標であるとされた物標候補に対して生成された検出情報の履歴をレーダ装置から取得し、情報取得過程にて取得した検出情報の履歴を用いて、挙動推定過程にて確定物標の挙動を推定すると共に、走行支援制御実行過程にて、レーダ装置にて物標候補が確定物標であると判定された時、推定挙動過程で推定された挙動に従って、走行支援制御を実行することが望ましい。
つまり、第二発明の走行支援の制御方法によれば、請求項1に記載の走行支援制御システムと同様の効果を得ることができる。
以下に本発明の実施形態を図面と共に説明する。
[第一実施形態]
〈装置構成〉
図1は、レーダセンサの構成、及びレーダセンサを用いて構成した走行支援制御システムの概略構成を示すブロック図である。
走行支援制御システム1は、走行支援電子制御装置(以下、走行支援ECUとする)10と、ブレーキ電子制御装置(以下、ブレーキECUとする)15と、エンジン電子制御装置(以下、エンジンECUとする)20と、シートベルト電子制御装置(以下、シートベルトECUとする)25とを備え、これらはLAN通信バスを介して互いに接続されている。また、各ECU10、15、20、25のそれぞれは、少なくともROM、RAM、CPUを備えた周知のマイクロコンピュータを中心に構成され、少なくともLAN通信バスを介して通信を行うためのバスコントローラを備えている。なお、本実施形態では、LAN通信バスを介して行うECU間のデータ通信は、車載ネットワークで一般的に行われているCAN(Robert Bosch社が提案した「Controller Area Network」)プロトコルを用いている。
また、走行支援ECU10には、図示しない警報ブザー、モニター、クルーズコントロールスイッチ、目標車間設定スイッチ等が接続されている他、本発明のレーダ装置に相当するレーダセンサ30が接続されている。
そのレーダセンサ30は、FMCW方式のいわゆるミリ波レーダ装置として構成されたものであり、周波数変調されたミリ波帯のレーダ波を送受信することにより、先行車両や路側物などの物標を認識し、これら認識した物標に関する物標情報を走行支援ECU10に送出する。
ブレーキECU15は、図示しないステアリングセンサ、ヨーレートセンサからの状態情報(即ち、操舵角、ヨーレート)に加え、M/C圧センサからの情報に基づいて判断したブレーキペダル状態を、LAN通信バスを介して走行支援ECU10に送出すると共に、その判断したブレーキペダル状態に従って、ブレーキ力を制御するためにブレーキ油圧回路に備えられた増圧制御弁・減圧制御弁を開閉するブレーキアクチュエータを制御するように構成されている。
また、エンジンECU20は、図示しない車速センサ、スロットル開度センサ、アクセルペダル開度センサからの状態情報(即ち、車速、エンジン制御状態、アクセル操作状態)を、LAN通信バスを介して走行支援ECU10に送出すると共に、走行支援ECU10からは目標加速、フューエルカット要求等を受信し、これらの受信した情報から特定される運転状態に応じて内燃機関(例えば、ガソリンエンジン)のスロットル開度を調整するスロットルアクチュエータに対して駆動指令を送出するように構成されている。
さらに、シートベルトECU25は、シートベルトの拘束力を制御するものであり、LAN通信バスを介して受信し自車両と物標との衝突が回避不可能であることを示す緊急信号に従って、シートベルトを巻き取るよう図示しない駆動装置を制御するように構成されている。
〈レーダセンサ〉
次に、レーダセンサ30は、時間に対して直線的に増加する上り区間、及び周波数が直線的に減少する下り区間を有するように変調されたミリ波帯の高周波信号を生成する発振器31と、発振器31が生成する高周波信号を増幅する増幅器32と、増幅器32の出力を送信信号Ssとローカル信号Lとに電力分配する分配器34と、送信信号Ssに応じたレーダ波を放射する送信アンテナ36と、レーダ波を受信するn個の受信アンテナからなる受信側アンテナ部40とを備えている。
また、レーダセンサ30は、受信側アンテナ部40を構成するアンテナのいずれかを順次選択し、選択されたアンテナからの受信信号Srを後段に供給する受信スイッチ41と、受信スイッチ41から供給される受信信号Srを増幅する増幅器42と、増幅器42にて増幅された受信信号Sr及びローカル信号Lを混合してビート信号BTを生成するミキサ43と、ミキサ43が生成したビート信号から不要な信号成分を除去するフィルタ44と、フィルタ44の出力をサンプリングしデジタルデータに変換するA/D変換器45と、発振器31の起動、停止や、A/D変換器45を介したビート信号BTのサンプリングを制御すると共に、そのサンプリングデータを用いた信号処理や、走行支援ECU10との間で通信を行い、信号処理に必要な情報(例えば、車速等)、及びその信号処理の結果として得られる物標情報を送受信する物標検出処理を実行する信号処理部46とを備えている。
このうち、受信側アンテナ部40を構成する各アンテナは、そのビーム幅がいずれも送信アンテナ36のビーム幅全体を含むように構成され、各アンテナがそれぞれCH1からCHnに割り当てられている。
また、信号処理部46は、少なくとも、ROM、RAM、CPUを備えた周知のマイクロコンピュータを中心に構成され、さらに、A/D変換器45を介して取り込んだデータに対して、高速フーリエ変換(FFT)処理等を実行するための演算処理装置(例えば、DSP)を備えている。
つまり、このように構成されたレーダセンサ30では、信号処理部46からの指令に従って発振器31が振動すると、その発振器31で生成され、増幅器32で増幅した高周波信号を、分配器34が電力分配することにより、送信信号Ss及びローカル信号Lを生成し、このうち送信信号Ssを送信アンテナ36を介してレーダ波として送信する。
そして、送信アンテナ36から送出され物標に反射されたレーダ波(即ち、反射波)は、受信側アンテナ部40を構成する全ての受信アンテナにて受信され、受信スイッチ41によって選択されている受信チャンネルCHi(i=1〜n)の受信信号Srのみが増幅器32で増幅された後、ミキサ43に供給される。すると、ミキサ43では、この受信信号Srに分配器34からのローカル信号Lを混合することによりビート信号BTを生成する。そして、このビート信号BTは、フィルタ44にて不要な信号成分が除去された後、A/D変換器45にてサンプリングされ、信号処理部46に取り込まれる。
なお、受信スイッチ41は、レーダ波の一変調周期の間に、全てのチャンネルCH1からCHnが所定回(例えば、512回)ずつ選択されるよう切り替えられ、また、A/D変換器45は、この切り替えタイミングに同期してサンプリングを実行する。つまり、レーダ波の一変調周期の間に、各チャンネルCH1〜CHn毎かつレーダ波の上り、及び下り区間毎にサンプリングデータが蓄積されることになる。
〈物標検出処理〉
次に、レーダセンサ30の信号処理部46にて実行される物標検出処理について説明する。
ここで、図2は、物標検出処理の処理手順を示すフローチャートである。
この物標検出処理では、まず、S110にて、走行支援ECU10から現在の車速、道路形状(例えば、推定R値)を取得する。そして、S120で、発振器31を起動してレーダ波の送信を開始する。さらに、S130では、A/D変換器45を介してビート信号BTのサンプリング値を取得する。続く、S140では、必要なだけサンプリング値を取得すると、発振器31を停止することにより、レーダ波の送信を停止する。
次に、S150では、S140にて取得したサンプリングについて周波数解析(本実施形態では、FFT処理)を実行し、各チャンネルCH1〜CHn毎かつ上り/下り区間毎にビート信号BTのパワースペクトルを求める。
そして、S160では、S150にて求められたパワースペクトルに基づき、物標である可能性のあるもの(即ち、物標であるかもしれないし、ノイズであるかもしれないもの、以下、物標候補とする)を抽出し、その物標候補と自車両との相対位置、及び相対速度を含む検出情報を生成する検出情報生成処理を実行する。
具体的に、検出情報生成処理では、図3のフローチャートに示すように、まず、S1620にて、前回の測定サイクル(以下、前サイクルとする)にて登録された物標候補(以下、前サイクル物標候補とする)を一つ抽出し、S1630にて、先に抽出した前サイクル物標候補が、今回の測定サイクル(以下、今サイクルとする)で検出された場合に持つべき予測値(即ち、相対速度、位置等の情報)を求める。そして、S1640では、その予測値に適合するピーク周波数成分(以下、単にピークとする)が、先のS150で求めたパワースペクトル上に存在するか否かを判断する。なお、ここで言う適合するとは、予め規定された許容範囲内で一致することを意味するものとする(以下、同様)。
そして、予測値に適合するピークが存在すれば、S1650では、上り区間及び下り区間の両方にて、予測値に適合するピークが検出されたか否かを判断し、両ピークとも検出された場合、S1660にて、両ピークの電力差、及び角度差が予め規定された許容範囲内であるか否かを判定する。その判定の結果、両ピークとも許容範囲内であれば、S1670にて、両ピークに基づいて、FMCWレーダに周知の方法を用いて、距離及び相対速度を算出すると共に、同一ピークの位相差から方位を求め、その方位と距離とに基づいて横位置を算出(即ち、検出情報を生成)し、S1680では、S1670で生成した検出情報と対応付けた上で、その両ピークを物標候補として登録する。ただし、登録された物標候補には、それぞれ検出カウンタが割り当てられ、そのカウント値はゼロに設定される。
さらに、S1690では、S1640にて、予測値に適合するピークが存在しない場合、S1650にて、上り区間もしくは下り区間の一方にのみピークが検出された場合、S1660にて、上り区間もしくは下り区間の一方のピークが許容範囲外に存在する場合を含め上述した処理(即ち、S1620〜S1680)が終了すると、全ての前サイクル物標候補に対して本処理を実行したか否かを判定する。そして、全ての前サイクル物標候補に対して本処理を実行していなければ、S1620へと戻り、全ての前サイクル物標候補に対して本処理を実行していれば、物標検出処理へと戻る。
つまり、この検出情報生成処理では、物標からの反射波に基づくピークの抽出、及び同一物標からの反射波に基づくピークの組合せを抽出し、そのピークの組合せを物標候補として認識し、物標候補毎に検出情報を生成している。
ここで、物標検出処理(即ち、図2)へと戻り、S170では、今サイクルのS160の検出情報生成処理で抽出された物標候補(以下、今サイクル物標候補)の検出情報と、前サイクル以前に抽出された物標候補(即ち、前サイクル物標候補)の検出情報とに基づき、今サイクル物標候補と前サイクル物標候補とを履歴接続する履歴接続処理を実行する。
具体的に、本実施形態の履歴接続処理では、図4のフローチャートに示すように、S1710では、前サイクルにて登録された前サイクル物標候補の個数がゼロであるか否か、S1720では、今サイクルにて登録された今サイクル物標候補の個数がゼロであるか否かを判定し、いずれか一方でもゼロであれば、本処理を終了する。
そして、前サイクル物標候補、及び今サイクル物標候補の個数のいずれもゼロでなければ、S1730にて、今サイクル物標候補と前サイクル物標候補との組合せを推定し、その組合わせた物標候補(以下、対応候補とする)のいずれか一つを、S1740にて抽出する。さらに、S1750では、S1740にて抽出した対応候補のうち、前サイクル物標候補に対応する検出情報に基づいて、その前サイクル物標候補に対応する今サイクル物標候補の予測位置、及び予測速度を算出する。
さらに、S1760では、S1750にて算出した予測位置、及び予測速度と、今サイクル物標候補から求めた位置、及び速度とに基づき、両者の位置差分、及び速度差分を求める。続く、S1770では、その位置差分が予め設定された上限位置差より小さく、かつ速度差分が予め設定された上限速度差分よりも小さいか否かを判断し、いずれも小さい場合にのみ、S1780にて、その対応候補を構成する今サイクル物標候補は、前サイクル物標候補と履歴接続があるものとして、今サイクル物標候補の検出カウンタを一つ加算した値に更新する。なお、履歴接続があるものとされた物標候補は、現時点までの履歴接続の判定に用いられた検出情報を、その物標候補毎に対応付けた上で保持するようにされている。
そして、S1790では、全ての対応候補に対して、上述の処理(S1710〜S1780)を実行したか否かを判定し、未処理の対応候補が存在する場合には、S1740へと戻り、全ての対応候補が処理されていれば、本処理を終了して物標検出処理へと戻る。
つまり、履歴接続処理では、今回の測定サイクルで検出された物標候補が、前回の測定サイクルで検出された物標候補と履歴接続可能であるか否かを判定し、履歴接続可能であれば、履歴接続された今サイクル物標候補の検出情報を、その物標候補に対応付けた上で保持している。即ち、履歴接続された物標候補は、その物標候補が検出された時からの検出情報の履歴を保持するようにされている。
一方、物標検出処理(即ち、図2)へと戻ると、S180では、自車両の進行方向上に存在する物標として扱うべき確定物標が、物標候補の中に存在しているか否かを判定する判定処理を実行する。
具体的に、本実施形態の判定処理では、図5に示すフローチャートのように、S1810にて、今サイクル物標候補の個数がゼロであるか否かを判定し、ゼロであればそのまま本処理を終了する。一方、今サイクル物標候補の個数がゼロでなければ、S1820にて、その今サイクル物標候補の一つを抽出し、S1830にて、その抽出した今サイクル物標候補の検出カウンタが予め規定された規定数以上であるか否かを判定する。
そして、判定の結果、検出カウンタが規定数以上であれば、S1840にて、その今サイクル物標候補は、自車両の進行方向上に存在する物標であるものとして、確定物標登録を行う(即ち、物標であるものと確定する)。以下、この物標であるものと確定された物標候補を確定物標と称す。
さらに、S1850では、全ての今サイクル物標候補に対して、上述の処理(S1810〜S1840)を実行したか否かを判定し、未処理の今サイクル物標候補が存在していれば、S1820へと戻り、全ての今サイクル物標候補に対して処理が終了していれば、本処理を終了する。
つまり、判定処理では、履歴接続が予め規定された規定数以上であることが確認された物標候補を確定物標として認識する。
ここで、物標検出処理(即ち、図2)へと戻り、S190では、走行支援ECU10へとデータを送信する。
具体的に、本実施形態では、今サイクルにて検出された物標候補が確定物標として認識されていなければ(即ち、物標であることが未確定であれば)、物標候補の検出情報に、その物標候補が未確定であることを示す未確定情報を付与した物標情報を生成し、その物標情報をレーダセンサ30から走行支援ECU10に送信する。また、今サイクルにて検出された物標候補が確定物標として認識されていれば(即ち、物標であることが確定していれば)、その物標候補の検出情報に、その物標候補が物標として確定していることを示す確定情報を付与した物標情報を生成し、その物標情報をレーダセンサ30から走行支援ECU10に送信する。
なお、レーダセンサ30は、今サイクルにて検出された全ての物標候補について、その物標候補に対応する物標情報を走行支援ECU10に送信するようにされている。
そして、その後、物標検出処理を終了する(即ち、今サイクルを終了する)。
つまり、レーダセンサ30では、予め規定された測定サイクルでレーダ波を送受信しており、今サイクルにて検出された全ての物標候補の速度、及び位置を含む検出情報を生成する。そして、それらの物標候補が、前サイクル以前に検出された前サイクル物標候補と規定数以上履歴接続されていない未確定物標であれば、検出情報に未確定情報を付与した物標情報を走行支援ECU10に送信し、規定数以上履歴接続されている確定物標であれば、検出情報に確定情報を付与した物標情報を走行支援ECU10に送信している。
〈走行支援ECU10〉
次に、走行支援ECU10は、エンジンECU20から現車速やエンジン制御状態、ブレーキECU15から操舵角、ヨーレート、ブレーキペダル状態等の制御状態を受信する。つまり、走行支援ECU10は、レーダセンサ30から物標情報を取得して、オートクルーズコントロール制御すべき先行車両を決定し、クルーズコントロールスイッチや目標車間設定スイッチからの検出信号に基づき、先行車両と自車両との車間距離を適切に調整するための制御指令値として、エンジンECU20に、目標加速度、フューエルカット要求等を送信し、ブレーキECU15に、目標加速度、ブレーキ要求等を送信する物標挙動推定処理を実行するように構成されている。
図6は、物標挙動推定処理の処理手順を示したフローチャートである。
この物標挙動推定処理では、まず、S210にて、レーダセンサ30から順次送信される物標情報を物標候補毎に蓄積し、それぞれの物標情報の蓄積回数が、物標候補の進路を推定するために必要な物標候補の位置数として予め設定された設定数(例えば、3回、ただし、判定処理にて規定されている規定数以下である)以上となったか否かを判定し、設定数未満であれば、設定数以上となるまで待機し、設定数以上であれば、S220へと進む。ただし、とある物標候補に対する物標情報を受信できなくなった(即ち、レーダセンサ30にてその物標候補がノイズ等であることが判明した)場合には、その物標候補に対して蓄積した物標情報を削除する。
そして、S220では、S210で物標情報の蓄積回数が設定数以上となった全ての物標候補に対して、それら物標候補の進路を推定する。具体的に、本実施形態では、物標候補の位置の履歴(即ち、検出情報中の位置の履歴)のうち、現時点から新しいものを設定数分抽出し、その抽出した物標候補の位置の履歴を用いて物標候補の移動経路(即ち、物標候補が今後移動すると想定される軌跡)に相当する近似曲線(以下、推定挙動とする)を算出する。
続くS230では、レーダセンサ30から受信した情報の中に確定情報が含まれているか否かを判定し、確定情報が含まれていなければ、S210へと戻る。ただし、とある物標候補に対する物標情報を、予め規定した規定回数(設定数よりも大きな数)受信しても確定情報が取得されない場合には、S210にて蓄積したその物標候補に対する物標情報、及びS210にて推定された推定挙動を削除した上で、S210へと戻る。
一方、確定情報が含まれていれば、S240へと進み、レーダセンサ30にて確定物標であると判定された物標候補の中から、それらの物標候補に対して推定された推定挙動が予め規定された規定条件を満たす物標候補(以下、対象物標とする)を一つ抽出する。なお、本実施形態における規定条件とは、自車両の推定挙動上に存在しており、かつ自車両の位置に最も近い位置に存在することを示しているもの、即ち、自車両が走行を予定している走行路上に存在しており、かつ自車両に最も近い確定物標(例えば、自車両の走行車線上で、自車両の直前を走行している先行車両)である。
そして、S250では、S240にて抽出した対象物標の推定挙動に従って、自車両の走行を支援する走行支援制御を実行する。具体的に、本実施形態では、先行車両との車間距離を予め規定された範囲内に維持するオートクルーズコントロール制御や、自車両から予め規定された範囲内に、先行車両が予め規定された速度以上で接近している場合、自車両を減速させること、またはシートベルトを巻き上げることの少なくとも一つを実行するプリクラッシュセーフティー制御を走行支援制御として実行している。つまり、エンジンECU20や、ブレーキECU15に制御指令値を送信し、シートベルトECU25に緊急信号を送信する。
ここで、図7は、走行支援制御システム1にて各種処理を実行した時の動作例、及び効果を示した説明図である。
図7に示すように、走行支援制御システム1では、レーダセンサ30にて物標候補を検出し、それら物標候補毎に検出情報を生成する度に、それらの検出情報に未確定情報、もしくは確定情報を付与した物標情報をレーダセンサ30から走行支援ECU10へと送信する。
そして、走行支援ECU10では、レーダセンサ30にて、それらの物標候補が規定数以上履歴接続され確定物標として確定される前に、レーダセンサ30から取得し蓄積した検出情報の履歴を用いて物標挙動を推定している。さらに、走行支援ECU10では、レーダセンサ30から確定情報を取得(即ち、確定物標として確定)すると、その確定物標であるとされた物標候補に対して推定された物標挙動の中で規定条件を満たす対象物標を抽出し、その対象物標の推定挙動に従って走行支援制御を実行している。
[効果]
以上、説明したように、走行支援制御システム1によれば、物標候補が確定物標として確定される前に、走行支援ECU10にて、全ての物標候補に対する物標挙動を推定しているため、レーダセンサ30にて、物標候補が確定物標であると判定された場合、直ちに走行支援制御を実行することができる。つまり、走行支援制御システム1によれば、レーダセンサ30にて物標候補の検出を開始してから走行支援ECU10にて走行支援制御を実行するまでの実行期間(S1)を、レーダセンサ30にて物標候補の検出を開始してから確定物標を検出するまでの確定期間(S1)のみとすることができる。このため、走行支援制御システム1によれば、確定物標の挙動を推定するために蓄積期間が必要な(図11参照)従来の走行支援制御システムに比べて、実行期間を短縮することができる。
そして、この結果、走行支援制御システム1によれば、自車両と先行車両との間に車両が割り込んできたとしても、従来の走行支援制御システムに比してより早く適切な車間距離へと制御することができ、さらに、自車両の進行方向に物標(例えば、人や、他車両)が飛び出してきたような場合であっても、自車両を減速させることや、シートベルトを巻き上げること等の飛び出した物標に対する対応を、従来の走行支援制御システムよりも早く実行することができる。つまり、走行支援制御システム1によれば、不測の事態に対する制御の応答性を向上させることができる。
[第二実施形態]
次に、第二実施形態について説明する。
第一実施形態で示した走行支援制御システム1と第二実施形態で説明する走行支援制御システムとでは、物標検出処理、及び物標挙動推定処理が異なるのみである。このため、第一実施形態と同様の構成及び処理については、同一符号を付して説明を省略し、第一実施形態とは異なる眠気警告処理を中心に説明する。
〈物標検出処理〉
ここで、図8は、物標検出処理の処理手順を示したフローチャートである。
この物標検出処理では、まず、S310にて、走行支援ECU10から現在の車速、道路形状(例えば、推定R値)を取得する。そして、S320で、発振器31を起動してレーダ波の送信を開始する。さらに、S330では、A/D変換器45を介してビート信号BTのサンプリング値を取得する。続く、S340では、必要なだけサンプリング値を取得すると、発振器31を停止することにより、レーダ波の送信を停止する。
次に、S350では、S340にて取得したサンプリングについて周波数解析(本実施形態では、FFT処理)を実行し、各チャンネルCH1〜CHn毎かつ上り/下り区間毎にビート信号BTのパワースペクトルを求める。
そして、S360では、S350にて求められたパワースペクトルに基づき、物標候補を抽出し、その物標候補と自車両との相対位置、及び相対速度を含む検出情報を生成する検出情報生成処理を実行する。なお、検出情報生成処理は、第一実施形態にて説明した内容と同様であるため、ここでの詳しい説明は省略する。
続く、S370では、今サイクルのS360の検出情報生成処理で抽出された今サイクル物標候補の検出情報と、前サイクル物標候補の検出情報とに基づき、今サイクル物標候補と前サイクル物標候補とを履歴接続する履歴接続処理を実行する。なお、履歴接続処理は、第一実施形態にて説明した内容と同様であるため、ここでの詳しい説明は省略する。
さらに、S380では、自車両の進行方向上に存在する物標として扱うべき確定物標が物標候補の中に存在しているか否かを判定する判定処理を実行し、確定物標が存在していれば、全ての確定物標を抽出する。なお、判定処理処理は、第一実施形態にて説明した内容と同様であるため、ここでの詳しい説明は省略する。
続く、S390では、S380で確定物標が抽出されたか否かを(以下、抽出された確定物標を対象候補とする)判定し、判定の結果、対象候補が存在していなければ、S320へと戻り、対象候補が存在してれば、S400へと進む。
そのS400では、走行支援ECU10へと物標情報を送信する。
具体的に、本実施形態では、S380にて実行された判定処理にて用いられ、対象候補に対して生成された検出情報の全履歴を、対象候補毎に分類した上で、物標情報としている。
そして、その後、物標検出処理を終了する(即ち、今サイクルを終了する)。
つまり、物標検出処理では、予め規定された測定サイクルでレーダ波を送受信しており、今サイクルにて検出された全ての物標候補の速度、及び位置を含む検出情報を生成して、それらの物標候補が、前サイクル物標候補と規定数以上履歴接続されている確定物標であれば、判定処理にて用いられ、対象候補に対して生成された検出情報の全履歴を物標情報として走行支援ECU10に送信している。
〈物標挙動推定処理〉
次に、物標挙動推定処理について説明する。
ここで、図9は、第二実施形態における物標挙動推定処理の処理手順を示すフローチャートである。
この物標挙動推定処理では、まず、S410にて、レーダセンサ30から送信された物標情報を受信したか否かを判定し、受信されていなければ受信されるまで待機し、受信されると、S420へと進む。
そのS420では、S420で受信した物標情報(即ち、対象候補の検出情報の履歴)を用いて、全ての対象候補に対して、それら対象候補の進路を推定する。具体的に、本実施形態では、対象候補の位置の履歴(即ち、検出情報中の位置の履歴)のうち、現時点から新しいものを設定数分抽出し、その抽出した対象候補の位置の履歴を用いて対象候補の移動経路(即ち、物標候補が今後移動すると想定される軌跡)に相当する近似曲線(以下、推定挙動とする)を算出する。
続く、S430では、対象候補の中から、それらの対象候補に対して推定された推定挙動が予め規定された規定条件を満たす対象候補(以下、対象物標とする)を一つ抽出する。なお、本実施形態における規定条件とは、自車両の推定挙動上に存在しており、かつ自車両の位置に最も近い位置に存在することを示しているもの、即ち、自車両が走行を予定している走行路上に存在しており、かつ自車両に最も近い物標(例えば、自車両の走行車線上で、自車両の直前を走行している先行車両)である。
そして、S450では、S430にて抽出した対象物標に対する推定挙動に従って、自車両の走行を支援する走行支援制御を実行する。具体的に、本実施形態では、先行車両との車間距離を予め規定された距離の範囲内に維持するオートクルーズコントロール制御や、自車両から予め規定された範囲内に、先行車両が予め規定された速度以上で接近している場合、自車両を減速させること、またはシートベルトを巻き上げることの少なくとも一つを実行するプリクラッシュセーフティー制御を走行支援制御として実行している。つまり、エンジンECU20や、ブレーキECU15に制御指令値を送信し、シートベルトECU25に緊急信号を送信する。
ここで、図10は、本実施形態における走行支援制御システムにて各種処理を実行した時の動作例、及び効果を示した説明図である。
図10に示すように、本実施形態の走行支援制御システムでは、レーダセンサ30にて、物標候補を検出し、その物標候補が規定数以上履歴接続された確定物標(即ち、対象候補)であると判定されると、その判定に用いられ対象候補とされた物標候補の検出情報の全履歴を物標情報として、レーダセンサ30から走行支援ECU10へと送信する。
そして、走行支援ECU10では、レーダセンサ30から一括して受信した対象候補の検出情報の履歴を用いて物標挙動を推定し、さらに、物標挙動の中で規定条件を満たす対象物標を抽出し、その対象物標の推定挙動に従って走行支援制御を実行している。
[効果]
以上、説明したように、本実施形態における走行支援システムによれば、レーダセンサにて確定物標であると判定された物標候補に対する検出情報の履歴を一括して取得するため、検出情報の履歴を取得した後、直ちに確定物標の挙動を推定し、走行支援制御を実行することができる。つまり、本実施形態の走行支援制御システムによれば、レーダセンサにて物標候補の検出を開始してから走行支援ECU10にて走行支援制御を実行するまでの実行期間(S1)を、レーダセンサにて物標候補の検出を開始してから確定物標を検出するまでの確定期間(S1)のみとし、物標候補が確定物標であると判定された後、その確定物標の位置を蓄積する従来の走行支援制御装置に必要な蓄積期間(図11参照)を不要なものとすることができる。このため、実行期間を蓄積期間分だけ短縮することができる。
つまり、本実施形態における走行支援制御システムであっても、第一実施形態に記載の走行支援制御システム1と同様の効果を得ることができる。
[その他の実施形態]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において様々な態様にて実施することが可能である。
例えば、上記実施形態におけるレーダセンサ30は、FMCW方式のいわゆるミリ波レーダ装置として構成されたものを用いたが、レーザ光を照射することにより物標候補までの距離を計測するスキャニング測距器と、スキャニング測距器にて複数回連続して検出された物標候補を確定物標とする情報処理部とを有したレーザレーダ装置を用いても良い。つまり、レーダセンサ30は、確定物標と認識するまでに、複数回の測定サイクルを要するものであれば、どのようなものを用いても良い。
また、上記実施形態における物標挙動推定処理では、走行支援制御として、オートクルーズコントロール制御、及びプリクラッシュセーフティー制御を実行していたが、いずれか一方のみを実行しても良い。さらに、走行支援制御として、先行車両と自車両との車間距離が予め規定された範囲内となった場合に、警告ブザーを鳴動させたり、運転者に対する警告を示す警告表示をモニタに表示するようにしても良い。
レーダセンサの構成、及びレーダセンサを用いて構成した走行支援制御システムの概略構成を示すブロック図である。 第一実施形態における物標検出処理の処理手順を示すフローチャートである。 検出情報生成処理の処理手順を示すフローチャートである。 履歴接続処理の処理手順を示すフローチャートである。 判定処理の処理手順を示すフローチャートである。 第一実施形態における物標挙動推定処理の処理手順を示すフローチャートである。 第一実施形態における走行支援制御システムにて各種処理を実行した時の動作例、及び効果を示した説明図である。 第二実施形態における物標検出処理の処理手順を示すフローチャートである。 第二実施形態における物標挙動推定処理の処理手順を示すフローチャートである。 第二実施形態における走行支援制御システムにて各種処理を実行した時の動作例、及び効果を示した説明図である。 従来の走行支援制御システムにおける動作例を説明するための説明図である。
符号の説明
1…走行支援制御システム 10…走行支援ECU 15…ブレーキECU 20…エンジンECU 25…シートベルトECU 30…レーダセンサ 31…発振器 32…増幅器 34…分配器 36…送信アンテナ 40…受信側アンテナ部 41…受信スイッチ 42…増幅器 43…ミキサ 44…フィルタ 45…A/D変換器 46…信号処理部

Claims (6)

  1. 予め設定された測定サイクル毎に送受信されるレーダ波に基づき、物標である可能性のある一ないし複数の物標候補を検出し、前記物標候補と自車両との相対位置を含む検出情報を前記物標候補毎に生成すると共に、前記検出情報の履歴に基づき、前記物標候補が前記自車両の周辺に存在する確定物標であるか否かを判定するレーダ装置と、前記確定物標の挙動に従って、前記自車両の走行を支援する走行支援制御を実行する走行支援制御装置とを備えた走行支援制御システムであって、
    前記走行支援制御装置は、
    前記レーダ装置で前記物標候補が確定物標であるか否かを判定する際に用いられ、かつ前記確定物標であると判定された物標候補に対して生成された前記検出情報の履歴を用いて前記確定物標の挙動を推定し、前記レーダ装置にて前記物標候補が確定物標であると判定されると、その推定された挙動に従って、前記走行支援制御を実行することを特徴とする走行支援制御システム。
  2. 前記走行支援制御装置は、
    前記レーダ装置で検出情報が生成される度に、全ての前記検出情報を取得し、それらの検出情報を蓄積する第一情報取得手段と、
    前記第一情報取得手段で取得された検出情報の履歴に従って、前記物標候補毎に、前記物標候補の挙動である物標挙動を推定する第一挙動推定手段と、
    前記レーダ装置にて前記物標候補が確定物標であることが確定された時、前記確定物標であるとされた物標候補に対して前記第一挙動推定手段で推定された物標挙動に従って、前記走行支援制御を実行する第一制御実行手段と
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の走行支援制御システム。
  3. 前記走行支援制御装置は、
    前記レーダ装置にて前記確定物標であると判定された前記物標候補に対して生成された前記検出情報の履歴を、前記レーダ装置から取得する第二情報取得手段と、
    前記第二情報取得手段で取得された前記検出情報の履歴に従って、前記確定物標の挙動を推定する第二挙動推定手段と、
    前記第二挙動推定手段で推定された確定物標の挙動に従って、前記走行支援制御を実行する第二制御実行手段と
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の走行支援制御システム。
  4. 前記走行支援制御装置は、
    前記確定物標の中から、前記自車両の進行方向に存在する先行車両を抽出する先行車抽出手段を備え、
    前記先行車抽出手段で抽出された先行車両と前記自車両との車間距離を予め規定された距離の範囲内に維持するオートクルーズコントロール制御を前記走行支援制御として実行することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の走行支援制御システム。
  5. 前記走行支援制御装置は、
    前記確定物標の中から、前記自車両の進行方向の自車両から最も近い位置に存在する最近物標を抽出する最近物標抽出手段を備え、
    前記最近物標抽出手段で抽出された最近物標と前記自車両との距離が予め規定された範囲内となった場合、前記自車両を減速させること、またはシートベルトを巻き上げることの少なくとも一つを実行するプリクラッシュセーフティー制御を前記走行支援制御として実行することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の走行支援制御システム。
  6. 予め設定された測定サイクル毎に送受信されるレーダ波に基づき、物標である可能性のある一ないし複数の物標候補を検出し、前記物標候補と自車両との相対速度、及び相対位置を少なくとも含む検出情報を前記物標候補毎に生成すると共に、前記検出情報の履歴に基づき、前記物標候補が前記自車両の周辺に存在する確定物標であるか否かを判定するレーダ装置と、前記自車両の走行を支援する走行支援を実行する走行支援制御装置とを備えた走行支援制御システムにおいて、前記走行支援制御装置が実行する走行支援の制御方法であって、
    前記レーダ装置で前記物標候補が確定物標であるか否かを判定する際に用いられ、かつ前記確定物標であるとされた物標候補に対して生成された前記検出情報の履歴を前記レーダ装置から取得する情報取得過程と、
    前記情報取得過程にて取得した前記検出情報の履歴を用いて前記確定物標の挙動を推定する挙動推定過程と、
    前記レーダ装置にて前記物標候補が確定物標であると判定された時、前記推定挙動過程で推定された挙動に従って、前記走行支援制御を実行する走行支援制御実行過程と
    を備えることを特徴とする走行支援の制御方法。
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