JP2012008999A - 道路形状推定装置及びコンピュータプログラム及び道路形状推定方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】レーダ110(周辺物体観測装置)は、移動体の周辺に存在する物体について、移動体を基準とした物体の相対位置を繰り返し観測する。停止物識別部130(静止物体判定部)は、レーダ110が相対位置を観測した物体が静止しているか否かを判定する。道路近似曲線仮計算部140(物体相関部)は、レーダ110が観測した複数の相対位置のなかから、同一の物体についてレーダ110が観測した複数の相対位置を判定する。道路近似曲線本計算部160(近似曲線算出部)は、停止物識別部130の判定結果と、道路近似曲線仮計算部140の判定結果とに基づいて、移動体がいる道路の形状を近似する近似曲線を算出する。
【選択図】図1
Description
この発明は、例えば上記のような課題を解決するためになされたものであり、誤検出や誤判定の影響を排除し、道路形状を近似する近似曲線の信頼性を高めることを目的とする。
相対位置取得部と、静止物体判定部と、物体相関部と、近似曲線算出部とを有し、
上記相対位置取得部は、移動体の周辺に存在する物体について、上記移動体を基準とした上記物体の相対位置を繰り返し観測する周辺物体観測装置が観測した観測結果を取得し、
上記静止物体判定部は、上記相対位置取得部が取得した観測結果に基づいて、上記周辺物体観測装置が相対位置を観測した物体が静止しているか否かを判定し、
上記物体相関部は、上記相対位置取得部が取得した観測結果に基づいて、上記周辺物体観測装置が観測した複数の相対位置のなかから、同一の物体について上記周辺物体観測装置が観測した複数の相対位置を判定し、
上記近似曲線算出部は、上記静止物体判定部が判定した判定結果と、上記物体相関部が判定した判定結果とに基づいて、上記移動体がいる道路の形状を近似する近似曲線を算出することを特徴とする。
道路形状を認識する方式としては、操舵角センサやヨーレートセンサを用いて道路曲率を算出する方式がある。しかし、この方式で得られる道路曲率は自車両の走行位置近辺におけるものであるため、たとえば自車は道路の直線部分を走行しているが、道路が遠距離前方でカーブしており、カーブ部分を先行車両が走行している場合には、正しく先行車両を選択できない。また、操舵の揺れや横風などの影響を受けやすい。そのため、道路縁の停止物から道路形状を認識する。
実施の形態1について、図1〜図13を用いて説明する。
道路形状認識装置100は、例えば、レーダ110と、車速センサ120と、停止物識別部130と、道路近似曲線仮計算部140と、道路縁判定部150と、道路近似曲線本計算部160と、近似曲線選択部170とを有する。
レーダ110(周辺物体観測装置)は、車両前方の所定角度範囲内にレーダ波を照射し、物体に反射されたレーダ波を受信して、その物体の位置及び相対速度を検出する。
車速センサ120(移動速度観測装置)は、車両の速度を検出する。
停止物識別部130(静止物体判定部)は、レーダ110により検出された物体の相対速度と、車速センサ120により検出された車両の速度に基づいて当該物体が停止物体であるか否かを識別する。停止物識別部130は、停止物(の位置)などを出力する。
道路近似曲線仮計算部140(初期値算出部)は、停止物識別部130により停止物体であると識別された複数の停止物の中から追尾フィルタによって時間方向に相関のある有効停止物を抽出し、有効停止物の時系列データを用いて有効近似曲線係数を推定する。道路近似曲線仮計算部140は、有効近似曲線係数、有効停止物の推定位置や速度、相関カウンタCntなどを出力する。
道路縁判定部150は、有効近似曲線のX方向(車軸方向)切片より当該道路縁への振り分けを行う。道路縁判定部150は、有効近似曲線係数、有効停止物の推定位置や速度、道路縁識別フラグなどを出力する。
道路近似曲線本計算部160(近似曲線算出部)は、道路縁判定部150により当該道路縁へ振り分けられた有効停止物の有効近似曲線係数を初期値とした追尾フィルタを用いて、停止物識別部130により停止物体であると識別された全停止物を入力として、近似曲線係数を更新(推定)する。道路近似曲線本計算部160は、近似曲線係数の推定値や相関停止物(の位置)などを出力する。
近似曲線選択部170は、道路近似曲線本計算部160にて算出した各道路縁の近似曲線とその近似曲線と相関のとれた停止物を用いて、最終的に先行車判定に用いる近似曲線係数推定値を算出する。近似曲線選択部170は、近似曲線係数の推定値や補正用係数初期値などを出力する。
道路近似曲線仮計算部140では、この図のように追尾フィルタ(カルマンフィルタやα−β(−γ)フィルタなどの公知のフィルタ)によって複数の停止物の中から時間方向に相関のとれる有効な停止物を抽出する。この図は、時刻t1〜t4まで時間方向に連続して相関のとれた停止物711〜714の様子を表している。ただし、相関データは多いほど道路の近似精度が向上するが、道路を認識するまでに要する時間が大きくなるというトレードオフがあるため、道路近似曲線仮計算部140は、あらかじめ定めた回数Cn分、相関がとれた前記有効停止物711〜714を用いて道路近似曲線720を推定する。また、前記近似曲線720を推定する方法としては最小二乗法やハフ変換などの公知の技術を用いても良いものとする。近似曲線720は、2次、3次以上の高次の曲線、円、クロソイド曲線などとしても良いこととする。
道路近似曲線仮計算部140は、例えば、追尾フィルタ143と、相関データ蓄積部148と、近似曲線推定部149とを有する。追尾フィルタ143は、相関部144と、平滑部145と、予測部146と、遅延部147とを有する。
道路近似曲線仮計算部140の相関部144は、停止物の相関を取る。
道路近似曲線仮計算部140の平滑部145は、相関の取れた停止物の位置や速度を平滑して、停止物の位置や速度を推定する。
道路近似曲線仮計算部140の近似曲線推定部149は、ある停止物の時系列データを蓄積して、時系列データより、最小二乗法を用いて近似曲線を既定する係数を推定する。
道路近似曲線仮計算部140は、この図の処理フローのように、追尾フィルタで相関がある停止物がある場合は相関カウンタCntを1ずつ増やし、閾値Cnを超えた時点で、蓄積した有効停止物の位置を用いて有効近似曲線係数を推定する。
道路近似曲線仮計算部140は、例えば、相関部144と、平滑部145と、予測部146と、遅延部147とを有する。
道路近似曲線仮計算部140は、拡張カルマンフィルタによる逐次処理によって、近似曲線の係数と停止物の位置や速度を同時推定する。
この図のように、逐次処理によって有効近似曲線の係数を推定することが可能となるため、データを保存するメモリのサイズを少なくすることが可能となる。
道路縁判定部150は、有効停止物より算出した近似曲線のX方向(車軸方向)切片と車線幅より当該道路縁へ振り分けを行う。例えば、道路縁判定部150では、前記有効近似曲線係数を入力として、その近似曲線のX軸との交差位置(X切片b)を用いて当該道路縁へ分類する。分類方法としては、最初に自車の幅を考慮して自車位置(原点)より閾値THc以内に近似曲線のX切片bが入る場合は除外する。そして、この図のように、車線幅THwを考慮して分類する。
道路近似曲線本計算部160は、例えば、初期値設定部161と、グルーピング処理部162と、追尾フィルタA163とを有する。
追尾フィルタA163は、例えば、相関部164と、平滑部165と、予測部166と、遅延部167とを有する。
近似曲線選択部170は、有効性判定部171と、曲線品質計算部172と、選択部173と、補正部174とを有する。
近似曲線選択部170の有効性判定部171(信頼度算出部)では、下記3条件を全て満たす近似曲線係数推定値の有効フラグを1、一つでも満たさない係数推定値がある場合は有効フラグを0と設定する。
条件(2):相関停止物のy方向の距離分布yo divが閾値ydiv以上。
条件(3):相関停止物数Mが所定値Mmin以上。
近似曲線選択部170は、道路縁の近似曲線と相関する停止物の自車進行方向(Y方向)の距離と相関停止物数を用いて有効性を判断して、有効性がある近似曲線の係数のみを出力し、有効性がある近似曲線が存在しない場合は前時刻の近似曲線係数を出力する。
この図のように、多くの停止物と相関するものの相関停止物が局在する曲線は、推定値が安定しない。これに対し、安定している曲線は、相関停止物がY方向距離に満遍なく分布している。
道路縁Aのほうが道路縁Bよりも相関停止物の数は多い。しかし、道路縁Aの相関停止物は、10m付近に固まっている。これに対し、道路縁Bの相関停止物は、10m、20m、50m、90mと広い範囲に満遍なく分布している。このため、道路縁Bのほうが道路縁Aよりも近似曲線係数の推定値が安定し、信頼性が高い。
このように、停止物がY方向に満遍なく分布するほど推定値が安定する特徴を活かして、曲線品質計算部172は、この図のように、Y方向の分布を考慮して、品質値を算出することとする。
また、曲線品質計算部172は、近似曲線の係数もしくはその係数を道路曲率へ変換した値の時間変化により、品質値を算出する構成であってもよい。実際の道路は車両の運転を考慮しており、カーブ進入時では道路曲率が徐々に増してゆくように設計されている。このため、この図の左側の道路縁のように道路曲率の変化率が大きい場合は推定値が安定していないとみなすことができ、右側の道路縁のように近似曲線の傾きが徐々に変化する場合は安定しているとみなすことができる。
近似曲線選択部170は、道路縁の近似曲線の係数推定値もしくは道路曲率推定値の時間変化の分散の逆数を曲線品質値として曲線品質値の高い道路縁の近似曲線傾きもしくは道路曲率を出力する。例えば、曲線品質計算部172は、前記道路曲率の変化率の時系列データを蓄積し、その分散の逆数を品質値として計算する。
曲線品質計算部172で算出した曲線品質値は、選択部173へ出力される。
実施の形態2について、図14を用いて説明する。
なお、実施の形態1と共通する部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
道路近似曲線仮計算部140は、実施の形態1で説明した構成に加えて、停止物クラスタリング部141を有する。
道路近似曲線仮計算部140は、停止物をクラスタリングし、クラスタを追尾する。
実際の道路走行環境下では視線誘導標(デリニエータ)、ガードレール、壁などの停止物からの反射がある。特に、ガードレールや壁などの表面積の広い停止物からは複数の反射点が得られ、反射点1点を追尾することが困難な場合がある。そのため、この図のように、道路近似曲線仮計算部140の追尾フィルタ143の前段で停止物のクラスタリングを実施することで、表面積の大きい停止物から得られる複数反射点をまとめ、そのクラスタを追尾することで道路近似曲線仮計算部140の相関性能を高める。
その他の処理は、実施の形態1と同様のため省略する。
実施の形態3について、図15〜図16を用いて説明する。
なお、実施の形態1〜実施の形態2と共通する部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
近似曲線選択部170は、実施の形態1で説明した構成に加えて、平滑部175と、係数推定値蓄積部176とを有する。
近似曲線選択部170は、前時刻の近似曲線の傾きと現時刻で選択された近似曲線の傾きを用いて近似曲線の係数を平滑化する。
図16は、近似曲線の選択問題を説明するための説明図である。
左右の道路縁の近似曲線の傾きが大きく異なる場合、交互に選択すると、傾きが急激に変動することになる。近似曲線選択部170の選択部173では、各時刻で複数の近似曲線の中からある一つの道路縁の近似曲線係数を選択するため、当該道路縁の曲率に相当する係数の値(式(1)では傾きa)が道路縁間で異なる場合、時間方向に急激に変化する可能性がある。
そのため、近似曲線選択部170の選択部173では、新たに平滑部175と係数推定値蓄積部176を設ける。平滑部175は、推定値が急激に変化することが無いように前時刻の係数を用いて平滑化する。平滑化に既存の追尾フィルタを用いる。
実施の形態4について、図17〜図28を用いて説明する。
なお、実施の形態1〜実施の形態3と共通する部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
道路形状推定装置200は、例えば、処理装置911と、記憶装置914と、入力装置902と、出力装置901とを有するコンピュータである。
処理装置911は、コンピュータプログラムを実行することにより、データを処理し、道路形状推定装置200全体を制御する。
記憶装置914は、処理装置911が実行するコンピュータプログラムや、処理装置911が処理するデータなどを記憶する。記憶装置914は、例えば、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、フラッシュメモリ、磁気ディスク装置、光学ディスク装置などである。
入力装置902は、道路形状推定装置200の外部から信号や情報を入力し、処理装置911が処理できる形式のデータに変換する。入力装置902が変換したデータは、処理装置911が直接処理してもよいし、記憶装置914が一時的に記憶してもよい。入力装置902は、例えば、キーボードやマウスなど利用者の操作を入力する操作入力装置、アナログ信号をデジタルデータに変換するアナログデジタル変換装置などの変換装置、他の装置が送信した信号を受信する受信装置などのインターフェイス装置などがある。
出力装置901は、処理装置911が処理したデータや記憶装置914が記憶したデータを、道路形状推定装置200の外部に出力できる形式に変換して出力する。出力装置901は、例えば、画像を表示する表示装置やスピーカーなど人の五感で感知できる形式にデータを変換して出力する装置、デジタルデータをアナログ信号に変換するデジタルアナログ変換装置などの変換装置や、他の装置に対して信号を送信する送信装置などのインターフェイス装置など、他の装置に入力できる形式にデータを変換して出力する装置などがある。
また、実施の形態1〜実施の形態3で説明した道路形状認識装置100の機能ブロックも、同様に、コンピュータにより実現される構成であってもよいし、その他の構成により実現される構成であってもよい。
道路形状推定装置200は、自動車などの移動体に搭載されている。移動体には、道路形状推定装置200のほか、周辺物体観測装置811、移動速度観測装置821などが搭載されている。
なお、移動速度観測装置821は、移動体の移動速度を算出せず、測定した車軸の回転数をそのまま表わす信号を出力する構成であってもよい。その場合、後述する移動速度取得部212が、移動速度観測装置821に代わって、上述した計算を実行し、移動体の移動速度を算出する。
相対位置取得部211は、処理装置911を用いて、周辺物体観測装置811が出力した信号を入力した時刻を判定し、周辺物体観測装置811が物体を観測した観測時刻を算出する。相対位置取得部211は、信号を入力した時刻をそのまま観測時刻とみなす構成であってもよいし、周辺物体観測装置811における遅延時間を考慮して、信号を入力した時刻よりも遅延時間だけ戻った時刻を観測時刻とする構成であってもよい。なお、周辺物体観測装置811が出力する信号に、周辺物体観測装置811が物体を観測した観測時刻を表わす情報が含まれる構成であってもよい。その場合、相対位置取得部211は、処理装置911を用いて、入力した信号から観測時刻を取得する。
相対位置取得部211は、記憶装置914を用いて、周辺物体観測装置811が物体を観測した観測時刻や、観測された物体の相対位置および相対速度を表わすデータを記憶する。相対位置取得部211が記憶するデータを「周辺物体観測データ」と呼ぶ。「周辺物体観測データ」のうち、観測時刻を表わすデータを「物体観測時刻データ」、物体の相対位置を表わすデータを「相対位置観測値データ」、物体の相対速度を表わすデータを「相対速度観測値データ」と呼ぶ。
例えば、静止物体判定部220は、処理装置911を用いて、相対位置取得部211が記憶した周辺物体観測データと、移動速度取得部212が記憶した移動速度データとを入力する。静止物体判定部220は、処理装置911を用いて、入力した周辺物体観測データから、周辺物体観測装置811が観測した物体の移動体に対する相対速度を表わす相対速度観測値データを取得する。静止物体判定部220は、処理装置911を用いて、入力した移動速度データから、移動体の移動速度を表わす移動速度観測値データを取得する。静止物体判定部220は、処理装置911を用いて、相対速度観測値データが表わす相対速度と、移動速度観測値データが表わす移動速度とに基づいて、周辺物体観測装置811が観測した物体が静止しているか否かを判定する。
矢印711,713は、それぞれ、移動体801,物体702の移動速度を表わす。物体701は、静止しているものとする。矢印721,722は、それぞれ、物体701,702の移動体801に対する相対速度を表わす。
物体701は静止しているので、移動体801を基準にすると、物体701は、移動体801の移動速度とちょうど逆向きの方向に、移動体801の移動速度とちょうど同じ速度で移動しているように見える。これに対して、物体702は移動しているので、移動体801を基準にすると、物体702は、移動体801の移動による見かけの速度(矢印723)と、物体702の移動による実際の速度(矢印713)とを合成した速度で移動しているように見える。したがって、物体の移動体に対する相対速度(見かけの速度)は、次の式で表わすことができる。
物体の移動体に対する相対速度のうち、移動体801を軸とする回転方向の成分(矢印727,728)が観測されないので、角度αは未知である。しかし、物体701は静止しているので、物体701の角度α(733)は、移動体801の移動方向と、移動体801から見た物体701が見える方向との間の角度731と一致する。これに対し、物体702は移動しているので、物体702の角度α(734)は、移動体801の移動方向と、移動体801から見た物体702が見える方向との間の角度732と必ずしも一致しない。
上述したように、周辺物体観測装置811が物体の移動体に対する相対位置や相対速度を観測する観測周期771と、移動速度観測装置821が移動体の移動速度を観測する観測周期772とは、異なっている。また、周辺物体観測装置811が物体の移動体に対する相対位置や相対速度を観測する観測時刻781〜783は、物体が存在する方向を走査した時刻であるから、物体が存在する方向が変われば、1回の観測周期のなかでのタイミングが変化し、不定期である。これに対し、移動速度観測装置821が移動体の移動速度を観測する観測時刻791〜799の間隔は、一定であり、観測周期772と等しい。
したがって、物体の移動体に対する相対速度の観測時刻781〜783と、移動体の移動速度の観測時刻791〜799とが一致する可能性はほとんどない。しかし、物体が静止しているか否かを静止物体判定部220が判定するために用いる物体の移動体に対する相対速度と、移動体の移動速度とは、同じ時刻に観測したものである必要がある。
次に、静止物体判定部220は、処理装置911を用いて、相対位置取得部211が記憶した周辺物体観測データのなかから、未処理の周辺物体観測データを入力する。静止物体判定部220は、処理装置911を用いて、入力した周辺物体観測データから、周辺物体観測装置811が物体を観測した観測時刻を表わす物体観測時刻データを取得する。静止物体判定部220は、処理装置911を用いて、取得した物体観測時刻データが表わす観測時刻と、取得した2つの移動速度観測時刻データが表わす観測時刻とを比較する。
周辺物体観測装置811が物体を観測した観測時刻が、移動速度観測装置821が移動体の移動速度を観測した前回の観測時刻より前である場合は、移動速度観測装置821が前回観測した移動体の移動速度を使って、周辺物体観測装置811が観測した物体が静止しているか否かを判定する。静止物体判定部220は、処理装置911を用いて、入力した1つ前の移動速度データから、移動速度観測装置821が観測した移動速度を表わす移動速度観測値データを取得する。
周辺物体観測装置811が物体を観測した観測時刻が、移動速度観測装置821が移動体の移動速度を観測した前回の観測時刻より後で、かつ、今回の観測時刻より前である場合は、移動速度観測装置821が今回観測した移動体の移動速度を使って、周辺物体観測装置811が観測した物体が静止しているか否かを判定する。静止物体判定部220は、処理装置911を用いて、入力した今回の移動速度データから、移動速度観測装置821が観測した移動速度を表わす移動速度観測値データを取得する。
周辺物体観測装置811が物体を観測した観測時刻が、移動速度観測装置821が移動体の移動速度を観測した今回の観測時刻より後である場合、移動速度観測装置821が次回観測する移動体の移動速度を使って、周辺物体観測装置811が観測した物体が静止しているか否かを判定する。移動体の移動速度の次回の観測値はまだ得られていないので、静止物体判定部220は、その周辺物体観測データについて今回は処理をしない。
例えば、物体相関部230は、処理装置911を用いて、静止物体判定部220が記憶した静止判定結果データを入力する。物体相関部230は、処理装置911を用いて、入力した静止判定結果データが表わす判定結果に基づいて、相対位置取得部211が記憶した周辺物体観測データのなかから、静止物体判定部220が静止していると判定した物体についての周辺物体観測データであって、未処理の周辺物体観測データを入力する。物体相関部230は、処理装置911を用いて、入力した周辺物体観測データから、周辺物体観測装置811が物体を観測した観測時刻を表わす物体観測時刻データと、周辺物体観測装置811が観測した物体の移動体に対する相対位置を表わす相対位置観測値データとを取得する。
処理済の周辺物体観測データから推定した物体の移動体に対する相対位置の軌跡がある場合、物体相関部230は、処理装置911を用いて、取得したデータが表わす観測時刻及び相対位置がその軌跡に適合するか否かを判定する。適合する軌跡が複数ある場合、物体相関部230は、処理装置911を用いて、取得したデータが表わす観測時刻及び相対位置が最もよく適合する軌跡を判定する。物体相関部230は、処理装置911を用いて、取得したデータが表わす観測時刻及び相対位置を、(最もよく)適合する軌跡に組み入れて、軌跡を更新する。
取得したデータが表わす観測時刻及び相対位置が適合する軌跡がない場合、物体相関部230は、処理装置911を用いて、適合する軌跡がない他の周辺物体観測データのなかに、新たな軌跡となり得る周辺物体観測データがあるか否かを判定する。新たな軌跡となり得る周辺物体観測データがある場合、物体相関部230は、処理装置911を用いて、新たな軌跡を生成する。
物体相関部230は、記憶装置914を用いて、生成あるいは更新した軌跡を表わすデータを記憶する。
例えば、移動体801が、移動軌跡751に示すように蛇行して移動したものとする。また、物体703〜708は、静止しているものとする。
時刻786において、周辺物体観測装置811は、物体703〜708について、移動体801に対する相対位置742a〜742fを観測する。
時刻787において、周辺物体観測装置811は、物体703〜708について、移動体801に対する相対位置743a〜743fを観測する。
物体相関部230は、これらの観測結果に基づいて、相関処理を行い、軌跡761〜766を生成する。
このため、静止している物体703〜708の移動体801に対する相対位置の軌跡761〜766は、このように複雑な形状になる場合がある。
物体相関部230は、処理装置911を用いて、周辺物体観測装置811が今回の走査周期内に観測した物体の相対位置を平行移動した座標を、原点を中心に回転する。物体相関部230は、処理装置911を用いて、回転した座標それぞれと、周辺物体観測装置811が前回の走査周期内に観測した物体の相対位置を平行移動した座標それぞれとの間の距離を算出する。算出した距離が所定の閾値より小さい場合、物体相関部230は、処理装置911を用いて、その2つの座標に対応する物体が同一の物体であるとみなし、同一の物体であるとみなせる座標の組の数を数える。
物体相関部230は、処理装置911を用いて、回転する角度を変えてこれを繰り返し、同一の物体であるとみなせる座標の組の数が最も多い角度を求める。
物体相関部230は、処理装置911を用いて、周辺物体観測装置811が今回の走査周期内に観測した複数の物体のなかから選択する物体と、周辺物体観測装置811が前回の走査周期内に観測した複数の物体のなかから選択する物体との組み合わせを変えてこれを繰り返し、同一の物体であるとみなせる座標の組の数が最も多い組み合わせと回転角度とを求める。
物体相関部230は、処理装置911を用いて、周辺物体観測装置811が前回の走査周期内に観測した静止している物体の移動体801に対する相対位置741a〜741fのなかから、例えば相対位置741cを選択する。物体相関部230は、処理装置911を用いて、相対位置741cの座標が原点に一致するよう、相対位置741a〜741fの座標を平行移動する。
次に、物体相関部230は、処理装置911を用いて、周辺物体観測装置811が今回の走査周期内に観測した静止している物体の移動体801に対する相対位置742a〜742fのなかから、例えば相対位置742cを選択する。物体相関部230は、処理装置911を用いて、相対位置742cの座標が原点に一致するよう、相対位置742a〜742fの座標を平行移動する。
物体相関部230は、処理装置911を用いて、平行移動した相対位置742a〜742fの座標を、原点を中心として回転する。物体相関部230は、処理装置911を用いて、回転した相対位置742a〜742fの座標と、平行移動した相対位置741a〜741fの座標とを比較して、同一の物体であるとみなせる座標の組の数を数える。
物体相関部230は、処理装置911を用いて、同一の物体であるとみなせる座標の組の数が最も多い相対位置の組み合わせを、周辺物体観測装置811が同一の物体を観測した相対位置であると判定する。また、そのときに同一の物体であるとみなされた座標の組に対応する相対位置の組み合わせについても、物体相関部230は、周辺物体観測装置811が同一の物体を観測した相対位置であると判定する。
また、物体相関部230は、平行移動した座標を回転する角度の範囲を限定せずに試してみる構成であってもよいし、移動体801の角速度を観測する角速度観測装置が観測した角速度などの情報を用いて、試してみる角度を絞り込む構成であってもよい。
例えば、近似曲線算出部240は、同一の静止している物体を周辺物体観測装置811が観測した観測結果であると物体相関部230が判定した物体の移動体801に対する相対位置を利用する。
近似曲線算出部240は、処理装置911を用いて、静止している複数の物体の移動体801に対する相対位置を算出する時刻を決定する。近似曲線算出部240は、観測結果が複数あると物体相関部230が判定した複数の物体それぞれについて、その物体を周辺物体観測装置811が観測した複数の観測結果に基づいて、処理装置911を用いて、決定した時刻におけるその物体の移動体801に対する相対位置を算出する。
近似曲線算出部240は、静止している複数の物体について算出した同時刻における複数の相対位置に基づいて、処理装置911を用いて、道路の形状を近似する近似曲線を算出する。近似曲線算出部240は、処理装置911を用いて、近似曲線の係数を算出する。近似曲線算出部240は、例えば、最小二乗法などにより、近似曲線の係数を算出する。
これにより、誤検出や誤判定の影響を排除し、道路形状推定の精度を高めることができる。
例えば、近似曲線算出部240が算出する近似曲線750は、円である。移動体801を原点とし、進行方向をY軸、進行方向に対して直角右方向をX軸とした相対座標系における近似曲線750は、例えば、次の方程式で表わすことができる。
なお、この例において、中心751は、X軸上にあると仮定している。移動体801が道路形状に沿って移動していれば、円の中心は、移動体801の真横にあるはずである。このとき、移動体801から道路縁までの距離753は、中心751のx座標Oxと、半径752との差である。
道路形状推定処理S500において、道路形状推定装置200は、移動体の角速度などを推定する。道路形状推定処理S500は、例えば、観測結果取得工程S510と、静止判定工程S520と、物体相関工程S530と、近似曲線算出工程S550とを有する。
静止判定工程S520において、静止物体判定部220は、観測結果取得工程S510で取得した観測結果に基づいて、周辺物体観測装置811が観測した物体が静止しているか否かを判定する。
物体相関工程S530において、物体相関部230は、静止判定工程S520で静止物体判定部220が静止していると判定した物体について、相関処理をする。
近似曲線算出工程S550において、近似曲線算出部240は、観測結果取得工程S510で取得した観測結果や物体相関工程S530で物体相関部230が相関処理した結果に基づいて、近似曲線を算出する。
道路形状推定装置200は、観測結果取得工程S510に処理を戻し、処理を繰り返す。
観測結果取得工程S510は、例えば、相対位置取得工程S511と、移動速度取得工程S512とを有する。
物体観測時刻データは、周辺物体観測装置811がその物体を観測した時刻を表わす。例えば、物体観測時刻データは、所定の時刻からの経過時間をミリ秒単位で表わす整数値データである。あるいは、物体観測時刻データは、フレームの番号を表わす整数値データと、そのフレームの開始時刻からの経過時間をミリ秒単位で表わす整数値データとの組である。なお、1つのフレームは、周辺物体観測装置811による1回の走査周期である。1つのフレームの長さは、例えば0.2秒である。
相対位置観測値データは、周辺物体観測装置811が観測した物体の移動体に対する相対位置を表わす。例えば、相対位置観測値データは、移動体を原点、移動体の進行方向をY軸、移動体の進行方向に対して直角右方向をX軸とする移動体基準の相対座標系において、周辺物体観測装置811が観測した物体の座標をメートル単位で表わす2つの実数値データの組である。あるいは、相対位置観測値データは、周辺物体観測装置811が観測した物体と移動体との間の距離をメートル単位で表わす実数値データと、移動体から見て周辺物体観測装置811が観測した物体が見える方向と移動体の進行方向とがなす角度をラジアン単位で表わす実数値データとの組である。
相対速度観測値データは、周辺物体観測装置811が観測した物体の移動体に対する相対速度を表わす。例えば、相対速度観測値データは、移動体基準の相対座標系において、周辺物体観測装置811が観測した物体の移動体に対する相対速度ベクトルの成分をメートル毎秒単位で表わす2つの実数値データの組である。あるいは、相対速度観測値データは、周辺物体観測装置811が観測した物体の移動体に対する相対速度の物体と移動体との距離方向成分をメートル毎秒単位で表わす実数値データである。
相対位置取得部211は、記憶装置914を用いて、生成した周辺物体観測データを記憶する。
移動速度観測時刻データは、移動速度観測装置821が移動体の移動速度を観測した時刻を表わす。例えば、移動速度観測時刻データは、所定の時刻からの経過時間をミリ秒単位で表わす整数値データである。
移動速度観測値データは、移動速度観測装置821が観測した移動体の移動速度を表わす。例えば、移動速度観測値データは、移動速度観測装置821が観測した移動体の移動速度をメートル毎秒単位で表わす実数値データである。
移動速度取得部212は、記憶装置914を用いて、生成した移動速度データを記憶する。
静止判定工程S520は、例えば、移動速度観測時刻取得工程S521と、物体選択工程S522と、観測時刻比較工程S523と、速度比較工程S524とを有する。
なお、静止判定工程S520を前回実行した後に移動速度観測装置821が新しい移動速度を観測していない場合、静止物体判定部220は、以降の処理をせず、静止判定工程S520を終了する構成であってもよい。例えば、静止物体判定部220は、処理装置911を用いて、移動速度観測時刻取得工程S521を前回実行したときに取得した最新の観測時刻と、今回取得した最新の観測時刻とを比較する。観測時刻が同じ場合、静止物体判定部220は、静止判定工程S520を終了する。
例えば、後述する速度比較工程S524において、静止物体判定部220は、記憶装置914を用いて、ある周辺物体観測データについて静止しているか否かを判定した場合に、その判定結果を表わす静止判定結果データを、その周辺物体観測データに対応づけて記憶しておく。
静止物体判定部220は、処理装置911を用いて、ある周辺物体観測データについて、対応づけられた静止判定結果データを記憶しているか否かを判定することにより、その周辺物体観測データについて静止しているか否かを判定済である否かを判定する。
選択すべき周辺物体観測データが存在しない場合、静止物体判定部220は、処理装置911を用いて、静止判定工程S520を終了する。
選択すべき周辺物体観測データが1つ以上存在する場合、静止物体判定部220は、処理装置911を用いて、そのなかから周辺物体観測データを1つ選択する。静止物体判定部220は、処理装置911を用いて、観測時刻比較工程S523へ処理を進める。
周辺物体観測装置811が物体を観測した観測時刻が、移動速度観測装置821が移動体の移動速度を観測した最新の観測時刻よりも後である場合、静止物体判定部220は、まだ、その周辺物体観測データについて静止しているか否かの判定をしない。静止物体判定部220は、処理装置911を用いて、物体選択工程S522に処理を戻し、次の周辺物体観測データを選択する。
周辺物体観測装置811が物体を観測した観測時刻が、移動速度観測装置821が移動体の移動速度を観測した最新の観測時刻よりも前である場合、静止物体判定部220は、その周辺物体観測データについて静止しているか否かの判定をする。静止物体判定部220は、処理装置911を用いて、速度比較工程S524へ処理を進める。
静止物体判定部220は、処理装置911を用いて、物体選択工程S522に処理を戻し、次の周辺物体観測データを選択する。
物体相関工程S530は、前回静止物体取得工程S531と、今回静止物体取得工程S532と、前回物体選択工程S533と、前回物体平行移動工程S534と、今回物体選択工程S535と、今回物体平行移動工程S536と、回転角度選択工程S537と、今回物体回転工程S538と、距離算出工程S539と、同一物体判定工程S540と、閾値判定工程S541と、同一物体記憶工程S542とを有する。
物体相関部230は、処理装置911を用いて、取得した周辺物体観測データそれぞれについて、2つ以上前のフレームにおける周辺物体観測データとの間で、周辺物体観測装置811が同一の物体を観測したものであると物体相関部230が判定した周辺物体観測データがあるフレームの数を求める。
例えば、後述する同一物体記憶工程S542において、物体相関部230は、処理装置911を用いて、あるフレームにおいて周辺物体観測装置811が観測した物体についての周辺物体観測データが、それより前のフレームにおいて周辺物体観測装置811が観測した物体についての周辺物体観測データと同一の物体を観測したものであると判定した場合、相関回数を表わす相関回数データを生成する。相関回数は、同一の物体と判定したフレームの数である。物体相関部230は、記憶装置914を用いて、その周辺物体観測データに対応づけて相関回数データを記憶する。同一の物体を観測したものであると判定した相手の周辺物体観測データに対応づけられた相関回数データがない場合、物体相関部230は、相関回数を「1」とした相関回数データを生成する。同一の物体を観測したものであると判定した相手の周辺物体観測データに対応づけられた相関回数データがある場合、物体相関部230は、その相関回数データが表わす相関回数に「1」を加えたものを相関回数とする相関回数データを生成する。
物体相関部230は、処理装置911を用いて、取得した周辺物体観測データに対応づけて記憶した相関回数データが表わす相関回数を取得することにより、同一の物体と判定したフレームの数を求める。
物体相関部230は、処理装置911を用いて、取得したすべての周辺物体観測データを、取得したフレームの数が多い順に並べる。相関の取れたフレームの数が多いほど、その周辺物体観測データがノイズなどによる誤検出である可能性が低く、また、移動している物体を誤って静止していると認識したものである可能性も低い。このため、今回のフレームにおける周辺物体観測データとも相関が取れる可能性が高い。あらかじめ相関が取れる可能性が高い順に周辺物体観測データを並べておくことにより、物体相関工程S530の計算量を抑えることができる。
前回静止物体取得工程S531で取得した周辺物体観測データがすべて選択済であり、選択すべき周辺物体観測データが存在しない場合、物体相関部230は、処理装置911を用いて、同一物体記憶工程S542へ処理を進める。
物体相関部230は、処理装置911を用いて、今回静止物体取得工程S532で取得した周辺物体観測データ(もしくは、前回物体選択工程S533で予測した相対位置との距離が所定の閾値より短いものだけを抽出した周辺物体観測データ)のなかから、前回物体選択工程S533で予測した相対位置との距離が近い順に、周辺物体観測データを1つ選択する。
今回静止物体取得工程S532で取得した周辺物体観測データ(もしくは、前回物体選択工程S533で予測した相対位置との距離が所定の閾値より短いものだけを抽出した周辺物体観測データ)がすべて選択済であり、選択すべき周辺物体観測データが存在しない場合、物体相関部230は、処理装置911を用いて、前回物体選択工程S533に処理を戻し、前回静止物体取得工程S531で選択した周辺物体観測データのなかから次の周辺物体観測データを選択する。
未選択の周辺物体観測データが存在する場合、物体相関部230は、処理装置911を用いて、未選択の周辺物体観測データを1つ選択し、今回物体平行移動工程S536へ処理を進める。
物体相関部230は、処理装置911を用いて、決定した複数の回転角度のなかから、推定した旋回角度に近い順に、回転角度を1つ選択する。
決定した複数の回転角度をすべて選択済であり、選択すべき回転角度が存在しない場合、物体相関部230は、処理装置911を用いて、今回物体選択工程S535に処理を戻し、今回静止物体取得工程S532で取得した周辺物体観測データのなかから次の周辺物体観測データを選択する。
未選択の回転角度が存在する場合、物体相関部230は、処理装置911を用いて、未選択の回転角度を1つ選択し、今回物体回転工程S538へ処理を進める。
今回数えたペア数がそれまでのペア数の最大値より小さい場合、物体相関部230は、回転角度選択工程S537に処理を戻し、次の回転角度を選択する。
今回数えたペア数がそれまでのペア数の最大値より大きい場合、物体相関部230は、記憶装置914を用いて、距離算出工程S539で生成したペアのうち算出した距離が閾値より短いペアと、数えたペア数とを表わすデータを記憶する。物体相関部230は、処理装置911を用いて、閾値判定工程S541へ処理を進める。
数えたペア数が閾値より小さい場合、物体相関部230は、処理装置911を用いて、回転角度選択工程S537に処理を戻し、次の回転角度を選択する。
数えたペア数が閾値より大きい場合、物体相関部230は、処理装置911を用いて、同一物体記憶工程S542へ処理を進める。相関が取れる可能性が高い順に試行するので、早い段階で正しい組み合わせと回転角度が見つかる可能性が高く、それ以降の試行をしないことにより、計算量を抑えるためである。
なお、比較の対象となる閾値は、あらかじめ定めた定数であってもよい。また、前回静止物体取得工程S531で取得した周辺物体観測データの数や、今回静止物体取得工程S532で取得した周辺物体観測データの数に基づいて、物体相関部230が閾値を算出する構成であってもよい。例えば、物体相関部230は、前回静止物体取得工程S531で取得した周辺物体観測データの数と、今回静止物体取得工程S532で取得した周辺物体観測データの数とを比較して小さいほうの数を求め、求めた数に所定の定数(例えば0.6)を乗じて、閾値を算出する。
近似曲線推定工程S550は、相関物体選択工程S551と、重み付け算出工程S552と、相対位置算出工程S553と、係数算出工程S554とを有する。
相関が取れた周辺物体観測データがすべて選択済であり、選択すべき周辺物体観測データが存在しない場合、近似曲線算出部240は、処理装置911を用いて、係数算出工程S554へ処理を進める。
相関が取れた周辺物体観測データのなかに未選択の周辺物体観測データが存在する場合、近似曲線算出部240は、処理装置911を用いて、未選択の周辺物体観測データを1つ選択し、重み付け算出工程S552へ処理を進める。
近似曲線算出部240は、処理装置911を用いて、相関物体選択工程S551に処理を戻し、次の周辺物体観測データを選択する。
実施の形態5について、図29〜図33を用いて説明する。
なお、実施の形態1〜実施の形態4と共通する部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
道路形状推定装置200は、実施の形態4で説明した構成に加えて、初期値算出部250、信頼度算出部260、近似曲線選択部270を有する。
物体相関部230は、あるフレームにおいて周辺物体観測装置811が観測した静止物体の移動体801に対する相対位置741a〜741fと、別のフレームにおいて周辺物体観測装置811が観測した静止物体の移動体801に対する相対位置742a〜742fとの相関を取ったとする。物体相関部230は、ベクトル755を用いて相対位置741a〜741fの座標を平行移動して、相対位置741cの座標を原点に合わせる。また、物体相関部230は、ベクトル756を用いて相対位置742a〜742fの座標を平行移動して、相対位置742cの座標を原点に合わせ、回転角度757だけ回転移動することにより、相関が取れたとする。
また、回転角度757は、その2つのフレームの間における移動体801の旋回角度である。
初期値算出部250は、処理装置911を用いて、推定した移動体の移動量と旋回角度とに基づいて、移動体が走行している道路の曲率を算出する。例えば、初期値算出部250は、処理装置911を用いて、移動体が移動した距離で、旋回角度を割った商を算出して、道路の曲率とする。
初期値算出部250は、推定した位置に基づいて、処理装置911を用いて、複数の相対位置をグループ分けする。推定した位置の間の距離が所定の閾値より小さい場合、それは、一列に並んだ物体であると考えられる。例えば、初期値算出部250は、処理装置911を用いて、算出した複数の相対位置のうち2つの相対位置の間の距離を算出し、閾値と比較する。2つの相対位置の間の距離が閾値より小さい場合、初期値算出部250は、処理装置911を用いて、その2つの相対位置を同じグループに分類する。例えば、そのようなグループが、移動体の右側に1つ、左側に1つある場合、右側のグループは道路の右縁であり、左側のグループは道路の左縁であると考えられる。また、そのようなグループが移動体の右側に2つある場合、(左側通行であれば)移動体に近いほうのグループは中央分離帯であり、移動体から遠いほうのグループは道路の右縁であると考えられる。
初期値算出部250は、処理装置911を用いて、各グループに分類された相対位置について推定した位置を平均して、そのグループについて推定した位置とする。例えば、そのようなグループが3つある場合、初期値算出部250は、3つの位置を推定する。初期値算出部250は、近似曲線のX切片の初期値を3つ算出する。これに基づいて、近似曲線算出部240は、3つの近似曲線を算出する。
移動体801が移動して現在の位置にいるとき、周辺物体観測装置811は、9つの物体の相対位置745a〜745iを観測する。静止物体判定部220は、それぞれの相対位置745a〜745iに観測された物体が静止していると判定する。
物体相関部230は、相対位置744aと相対位置745aとが同一の物体を観測した結果であると判定する。同様に、物体相関部230は、相対位置744bと相対位置745b、相対位置744cと相対位置745c、相対位置744dと相対位置745d、相対位置744eと相対位置745e、相対位置744fと相対位置745f、相対位置744gと相対位置745g、相対位置744hと相対位置745h、相対位置744iと相対位置745iが、それぞれ同一の物体を観測した結果であると判定する。
曲線716は、移動体801からの距離と、道路の曲率との関係を示す。この例では、道路の曲率が連続的に変化すると仮定した近似曲線で、道路の形状を近似する。移動体が現在いる位置での曲率をχ0、遙か彼方での曲率をχ∞として、移動体からの距離が大きくなるほど、道路の曲率がχ∞に近づく。
曲線717は、移動体が走行する経路を近似する曲線である。曲線717の曲率は、曲線716で示した関係にしたがう。2つの曲線718a,718bは、道路の縁の形状を近似する近似曲線である。曲線718a,718bは、曲線717からの距離が一定の曲線である。
追尾中の近似曲線がある場合、近似曲線算出部240は、処理装置911を用いて、初期値算出部250が算出した初期値が、追尾中の近似曲線のものであるか否かを判定する。例えば、近似曲線算出部240は、処理装置911を用いて、追尾中の近似曲線のX切片から、初期値算出部250が算出したX切片の初期値を差し引いた差を算出する。近似曲線算出部240は、処理装置911を用いて、算出した差の絶対値と、所定の閾値とを比較する。差の絶対値が閾値より小さい場合、近似曲線算出部240は、その初期値が、その近似曲線のものであると判定する。差の絶対値が閾値より大きい場合、近似曲線算出部240は、その初期値が、その近似曲線のものではないと判定する。
初期値算出部250が算出した初期値が、近似曲線算出部240が追尾中のいずれの近似曲線のものでもないと判定した場合、近似曲線算出部240は、処理装置911を用いて、その初期値を設定した近似曲線を新たに生成する。
なお、近似曲線算出部240は、相対位置と近似曲線との間の距離が閾値より小さい近似曲線が複数ある場合、相対位置と近似曲線との間の距離が最小の近似曲線だけを更新するのではなく、相対位置と近似曲線との間の距離が閾値より小さいすべての近似曲線を更新する構成であってもよい。
近似曲線算出部240が時間遷移処理をした場合、信頼度算出部260は、処理装置911を用いて、記憶したすべての距離soについて、移動体の移動速度vと遷移時間Δtとの積を、距離soから差し引いた差を算出する。信頼度算出部260は、算出した差で距離soを更新し、記憶装置914を用いて、更新した距離soを記憶する。なお、距離soが負になった場合、信頼度算出部260は、その距離soを削除し、更新した距離soを記憶しない。
近似曲線算出部240が近似曲線の更新処理をした場合、信頼度算出部260は、処理装置911を用いて、近似曲線算出部240が更新した近似曲線の番号など近似曲線を識別する情報と、距離soとを取得する。信頼度算出部260は、記憶装置914を用いて、取得した距離soをその近似曲線について既に記憶している距離soとともに記憶する。
信頼度算出部260は、それぞれの近似曲線について算出した分散σ2をそのままその近似曲線の信頼度とする。あるいは、信頼度算出部260は、処理装置911を用いて、算出した分散σ2を正規化し、近似曲線の信頼度とする構成であってもよい。
なお、近似曲線選択部270は、最も信頼度が高い近似曲線を1つだけ採用するのではなく、例えば、信頼度が所定の閾値より高い近似曲線が複数ある場合、処理装置911を用いて、信頼度が閾値より高い複数の近似曲線を採用する構成であってもよい。あるいは、近似曲線選択部270は、近似曲線算出部240が算出した近似曲線の係数を、信頼度算出部260が算出した信頼度で重み付けして平均して、平均した係数を持つ近似曲線を採用する構成であってもよい。
道路形状推定処理S500は、実施の形態4で説明した観測結果取得工程S510、静止判定工程S520、物体相関工程S530に加えて、初期値算出工程S561、新規曲線判定工程S562、近似曲線遷移工程S563、近似曲線相関工程S564、近似曲線更新工程S565、信頼度算出工程S566、破棄判定工程S567、近似曲線破棄工程S568、近似曲線出力工程S569を有する。
相関の取れる相手がないと判定した場合、物体相関部230は、処理装置911を用いて、近似曲線遷移工程S563へ処理を進める。
相関の取れる近似曲線がある場合、近似曲線算出部240は、処理装置911を用いて、近似曲線更新工程S565へ処理を進める。
相関の取れる近似曲線がない場合、近似曲線算出部240は、処理装置911を用いて、信頼度算出工程S566へ処理を進める。
信頼度が閾値より低い近似曲線がある場合、近似曲線算出部240は、処理装置911を用いて、近似曲線破棄工程S568へ処理を進める。
すべての近似曲線について信頼度が閾値より高い場合、近似曲線算出部240は、処理装置911を用いて、近似曲線出力工程S569へ処理を進める。
実施の形態6について、図34〜図49を用いて説明する。
なお、実施の形態1〜実施の形態5と共通する部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
道路形状認識装置100(道路形状推定装置)は、実施の形態1で説明した機能ブロックに加えて、更に、ヨーレートセンサ125と、道路曲率変換部126と、自車走行路判定部180と、推定値選択部190(推定値選択/統合部)とを有する。なお、破線で囲んだ部分100’は、実施の形態1における道路形状認識装置100に相当する部分である。道路形状認識装置100は、部分100’を、実施の形態2〜実施の形態5のいずれかで説明した道路形状認識装置100に置き換えた構成であってもよい。
道路形状認識装置100は、走行路に応じてヨーレートによる曲率推定値と、停止物による道路曲率推定値(近似曲線係数でも可)とを切り替えて先行車判定を行う。
直線路では、ヨーレートは操舵のふらつきを受ける。このため、停止物による曲率推定値の方がヨーレートより正確である。
カーブ手前とは、この図のように、自車が直線路にいて、先行車はカーブ路にいる状況を意味する。レーダ110は、遠方の停止物を観測可能であるから、カーブ形状を認識できる。そのため、ヨーレートより停止物による曲率推定値のほうが正確である。
カーブ路では、自車がカーブ走行中のため一定の操舵角が入力される。停止物による推定値は、停止物の観測誤差などの影響を受けるため、ヨーレートによる推定値のほうがより安定しており、正確である。
カーブ出口とは、この図のように、自車がカーブ路にいて、先行車は直線路にいる状況を意味する。この場合、カーブ手前と同様、ヨーレートより停止物による曲率推定値のほうが正確である。
初期状態(初期値)は、直線路(状態0)である。直線路(状態0)において、所定の条件(以下「カーブ手前判定条件」と呼ぶ。)を満たすと、直線路(状態0)からカーブ手前(状態1)へ状態遷移する。
カーブ手前(状態1)において、ある所定の条件(以下「カーブ路判定条件」と呼ぶ。)を満たすと、カーブ路(状態2)へ状態遷移し、別の所定の条件(以下「短カーブ判定条件」と呼ぶ。)を満たすと、カーブ出口(状態3)へ状態遷移する。
カーブ路(状態2)において、所定の条件(以下「カーブ出口判定条件」と呼ぶ。)を満たすと、カーブ出口(状態3)へ状態遷移する。
カーブ出口(状態3)において、ある所定の条件(以下「カーブ終了判定条件」と呼ぶ。)を満たすと、直線路(状態0)へ状態遷移し、別の所定の条件(以下「カーブ連続判定条件」と呼ぶ。)を満たすと、カーブ手前(状態1)へ状態遷移する。
停止物から算出した道路形状の近似曲線として、実施の形態1で説明した式(1)で表わされる2次曲線を用いる場合、自車走行路判定部180は、例えば、停止物による近似曲線の係数(傾き)aがある閾値以上であることをカーブ手前判定条件とする。
自車走行路判定部180は、道路近似曲線本計算部160が算出した道路近似曲線に基づいて、カーブ手前判定条件が満たされるか否かを判定する。自車走行路判定部180は、道路近似曲線本計算部160が算出した道路近似曲線の係数aの絶対値と、閾値Thaとを比較する。係数aの絶対値が閾値Thaより大きい場合、自車走行路判定部180は、自車走行路の状態をカーブ手前(状態1)に遷移させる。
ヨーレートωが閾値Thω以上である場合、自車走行路判定部180は、例えば、最新のヨーレートと、過去Nサンプリング前のヨーレートとに基づいて、ヨーレート変化率dωを算出する。自車走行路判定部180は、次の式を用いて、ヨーレート変化率dωを算出する。
ヨーレート変化率dωが閾値Thdω以上である場合、自車走行路判定部180は、自車走行路の状態をカーブ路(状態2)に遷移させる。
ヨーレート変化率dωが閾値Thdω未満である場合、自車走行路判定部180は、ヨーレートωの符号とヨーレートdωの符号とを比較する。
ヨーレートωの符号とヨーレートdωの符号とが異なる場合、自車走行路判定部180は、自車走行路の状態をカーブ出口(状態3)に遷移させる。
この図のように、カーブ路では、ヨーレートは定常値に収束する。自車走行路判定部180は、例えば、カーブ手前(状態1)において、ヨーレートωの絶対値が閾値Thω以上で、かつ、ヨーレート変化率dωの絶対値が閾値Thdω以下であることをカーブ路判定条件とする。自車走行路判定部180は、カーブ路判定条件が満たされた場合に、カーブ路(状態2)へ状態を遷移させる。
ヨーレートωの絶対値が閾値Thω以上で、かつ、ヨーレート変化率dωの絶対値が閾値Thdω以上である場合、この図のように、カーブ路が短くカーブ出口に入っている状況である可能性がある。自車走行路判定部180は、例えば、カーブ手前(状態1)において、カーブの曲がりと逆の方向にヨーレートが変化することを短カーブ判定条件とする。自車走行路判定部180は、短カーブ判定条件が満たされた場合に、カーブ出口(状態3)へ状態を遷移させる。
自車走行路判定部180は、例えば、次の式を用いて、最新の近似曲線係数(傾き)aの推定値atと、過去Nサンプリング前の近似曲線係数(傾き)aの推定値at−N・ΔTとから、近似曲線係数(傾き)aの変化率daを算出する。
自車走行路判定部180は、算出した変化率daの絶対値と、所定の閾値Thdaとを比較する。変化率daの絶対値が閾値Thda以上である場合、自車走行路判定部180は、近似曲線係数aの符号と、変化率daの符号とを比較する。近似曲線係数aの符号と、変化率daの符号とが異なる場合、自車走行路判定部180は、自車走行路の状態をカーブ出口(状態3)に遷移させる。
この図のように、カーブ出口では、近似曲線が直線へと変化する。自車走行路判定部180は、例えば、カーブ路(状態2)において、近似曲線係数(傾き)aの変化率daの絶対値が閾値Thda以上で、かつ、近似曲線係数(傾き)aの符号と前記変化率daの符号とが逆であることをカーブ出口判定条件とする。自車走行路判定部180は、カーブ出口判定条件が満たされた場合に、カーブ出口(状態3)へ状態を遷移させる。
自車走行路判定部180は、例えば、道路近似曲線本計算部160が算出した近似曲線の係数aの絶対値と、閾値Thaとを比較する。
近似曲線の係数aの絶対値が閾値Tha以下である場合、自車走行路判定部180は、自車走行路の状態を、直線路(状態0)に遷移させる。
近似曲線の係数aの絶対値が閾値Tha超である場合、自車走行路判定部180は、係数aの変化率daを算出する。自車走行路判定部180は、算出した変化率daの絶対値と、閾値Thdaとを比較する。
変化率daの絶対値が閾値Thda以上である場合、自車走行路判定部180は、係数aの符号と、変化率daの符号とを比較する。係数aの符号と、変化率daの符号とが同じである場合、自車走行路判定部180は、自車走行路の状態を、カーブ手前(状態1)に遷移させる。
この図のように、直線路では、近似曲線係数(傾き)aの絶対値が閾値Tha以下になる。自車走行路判定部180は、例えば、カーブ出口(状態3)において、近似曲線係数aの絶対値が閾値Tha以下であることをカーブ終了判定条件とする。自車走行路判定部180は、カーブ終了判定条件が満たされた場合に、直線路(状態0)へ状態を遷移させる。
この図のように、カーブ路が連続する場合は、直線路がないため、近似曲線係数(傾き)aの絶対値が閾値Tha以下となる時刻がない可能性がある。自車走行路判定部180は、例えば、近似曲線係数(傾き)aの変化率daが閾値以上で、かつ、近似曲線係数(傾き)aの符号と前記変化率daの符号とが同一であることをカーブ連続判定条件とする。自車走行路判定部180は、カーブ連続判定条件が満たされた場合に、カーブ手前(状態1)へ状態を遷移させる。
これにより、推定値選択部190が出力する道路近似曲線の式の形は、自車走行路の状態にかかわらず同じであり、道路近似曲線の係数の値が異なるだけになるので、先行車両判定など後段の処理が容易になる。
上記道路曲率変換部(126)は、ヨーレートを道路曲率へ変換する。
上記自車走行路判定部(180)は、前記ヨーレートと前記近似曲線係数より自車走行路を判定する。
上記推定値選択/統合部(190)は、上記自車走行路判定結果に応じた曲率推定値を選択する。
実施の形態7について、図50〜図52を用いて説明する。
なお、実施の形態1〜実施の形態6と共通する部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
道路形状認識装置100(道路形状推定装置)は、実施の形態1で説明した機能ブロックに加えて、前方車追尾部135を有する。なお、道路形状認識装置100は、実施の形態1で説明した道路形状認識装置100ではなく、実施の形態2〜実施の形態6のいずれかで説明した道路形状認識装置100に、前方車追尾部135を付加した構成であってもよい。
この図のように、道路近似曲線(推定曲線)が交差する場合、観測値の取り合いが起こり、道路近似曲線の精度が劣化する可能性がある。ある近似曲線に割り当てられるべき観測値を、別の近似曲線が取ることにより、誤った道路近似曲線が算出され、最終的に出力される可能性がある。これにより、先行車の判定を誤る可能性が生じる。
上の式が満たされている場合、補正部174は、前方車両と道路左縁の近似曲線との関係が正常ではなく、道路左縁の近似曲線が誤っていると判断する。
上の式が満たされている場合、補正部174は、前方車両と道路右縁の近似曲線との関係が正常ではなく、道路右縁の近似曲線が誤っていると判断する。
道路近似曲線が交差していると判定した場合において、補正部174は、前方車両がいる領域の判定結果を前回の判定結果と比較して、交差している道路近似曲線のいずれかを前方車両が横切ったか否かを判定する。交差している道路近似曲線を前方車両が横切った場合、補正部174は、前方車両が横切った道路近似曲線が誤っていると判定する。
補正部174は、この図のように、誤っていると判定した道路近似曲線と、前方車両の位置との間の関係が正常になるように、道路近似曲線を初期化する。
上記前方車両追尾部(135)は、複数の前方車追尾航跡を算出する。
上記近似曲線選択部(170)の補正部(174)は、複数の近似曲線が所定の距離で交差している場合、各近似曲線と前記追尾航跡の位置関係から近似曲線の正誤判定を行い,誤りである近似曲線を初期化する。
実施の形態8について、図53を用いて説明する。
なお、実施の形態1〜実施の形態7と共通する部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
道路形状推定システム800は、自動車などの移動体に搭載されている。道路形状推定システム800は、周辺物体観測装置811と、移動速度観測装置821と、角速度観測装置831と、道路形状推定装置200とを有する。
なお、移動体の移動速度の観測時刻と、移動体の角速度の観測時刻とが異なる場合、曲率算出部245は、処理装置911を用いて、時刻合わせ処理をして、時刻合わせ処理をした移動体の移動速度及び角速度に基づいて、移動体の軌跡の曲率を算出する構成であってもよい。また、曲率算出部245は、処理装置911を用いて、移動体の移動速度及び角速度をそれぞれ平滑化し、平滑化した移動速度及び角速度に基づいて、移動体の軌跡の曲率を算出する構成であってもよい。
なお、近似曲線交差判定部255は、2つの近似曲線が交差している場合であっても、近似曲線が交差している点が移動体から遠い場合には、誤差範囲内であるとみなし、2つの近似曲線が交差していないものとして取り扱う構成であってもよい。例えば、判別式の値から2つの近似曲線が交差していると判定した場合、近似曲線交差判定部255は、処理装置911を用いて、2つの近似曲線が交差している点の移動体に対する相対座標を算出する。近似曲線交差判定部255は、処理装置911を用いて、算出した相対座標から、2つの近似曲線が交差している点と、移動体との間の距離を算出する。近似曲線交差判定部255は、処理装置911を用いて、算出した距離を所定の閾値と比較する。算出した距離が閾値より小さい場合に、近似曲線交差判定部255は、処理装置911を用いて、選択した2つの近似曲線が交差していると判定する。それ以外の場合、近似曲線交差判定部255は、処理装置911を用いて、選択した2つの近似曲線が交差していないと判定する。
上記相対位置取得部(211;130)は、移動体(801)の周辺に存在する物体について、上記移動体(801)を基準とした上記物体の相対位置を繰り返し観測する周辺物体観測装置(811;レーダ110)が観測した観測結果を取得する。
上記静止物体判定部(220;130)は、上記相対位置取得部(211;130)が取得した観測結果に基づいて、上記周辺物体観測装置(811;110)が相対位置を観測した物体が静止しているか否かを判定する。
上記物体相関部(230;140)は、上記相対位置取得部(211;130)が取得した観測結果に基づいて、上記周辺物体観測装置(811;110)が観測した複数の相対位置のなかから、同一の物体について上記周辺物体観測装置(811;110)が観測した複数の相対位置を判定する。
上記近似曲線算出部(240;160)は、上記静止物体判定部(220;130)が判定した判定結果と、上記物体相関部(230;140)が判定した判定結果とに基づいて、上記移動体(801)がいる道路の形状を近似する近似曲線を算出する。
上記初期値算出部(250;140)は、同一の物体について上記周辺物体観測装置(811;110)が観測した複数の相対位置であると上記物体相関部(230;140)が判定した複数の相対位置について、上記複数の相対位置の軌跡を上記近似曲線を表わす所定の関数で近似し、上記複数の相対位置の軌跡を近似する関数の係数を算出する。
上記近似曲線算出部(240;160)は、上記初期値算出部(250;140)が算出した係数を、上記追尾フィルタの状態量の推定値の初期値とする。
上記信頼度算出部(260;170)は、上記近似曲線算出部(240;160)が算出した近似曲線の信頼度を算出する。
上記近似曲線算出部(240;160)は、上記信頼度算出部(260;170)が算出した信頼度が所定の閾値より低い場合に、算出した近似曲線を破棄する。
上記近似曲線算出部(240;160)は、複数の近似曲線を算出する。
上記信頼度算出部(260;170)は、上記近似曲線算出部(240;160)が算出した複数の近似曲線それぞれの信頼度を算出する。
上記近似曲線選択部(270;170)は、上記信頼度算出部(260;170)が算出した信頼度に基づいて、上記近似曲線算出部(240;160)が算出した複数の近似曲線のなかから、採用する近似曲線を選択する。
上記移動速度取得部(212;126)は、上記移動体の移動速度を観測する移動速度観測装置(821;車速センサ120)が観測した観測結果を取得する。
上記角速度取得部(213;126)は、上記移動体の角速度を観測する角速度観測装置(831;ヨーレートセンサ125)が観測した観測結果を取得する。
上記曲率算出部(245;126)は、上記移動速度取得部(212;126)が取得した観測結果と、上記角速度取得部(213;126)が取得した観測結果とに基づいて、上記移動体の軌跡の曲率として、上記移動体の角速度を上記移動体の移動速度で割った商を算出する。
上記曲率一定曲線算出部(246;190)は、上記曲率算出部(245;126)が算出した曲率に基づいて、上記移動体がいる道路の形状を近似する近似曲線として、曲率が一定である曲率一定曲線を算出する。
上記近似曲線選択部(190)は、上記近似曲線算出部(240;160)が算出した近似曲線と上記曲率一定曲線算出部(246;190)が算出した曲率一定曲線とのなかから、上記移動体がいる道路の形状を近似する近似曲線として採用する近似曲線を選択する。
上記移動速度取得部(212;126)は、上記移動体の移動速度を観測する移動速度観測装置(821;120)が観測した観測結果を取得する。
上記角速度取得部(213;126)は、上記移動体の角速度を観測する角速度観測装置(831;125)が観測した観測結果を取得する。
上記曲率算出部(245;126)は、上記移動速度取得部(212;126)が取得した観測結果と、上記角速度取得部(213;126)が取得した観測結果とに基づいて、上記移動体の軌跡の曲率として、上記移動体の角速度を上記移動体の移動速度で割った商を算出する。
上記曲率一定曲線算出部(246;190)は、上記曲率算出部(245;126)が算出した曲率に基づいて、上記移動体がいる道路の形状を近似する近似曲線として、曲率が一定である曲率一定曲線を算出する。
上記近似曲線統合部(275;190)は、上記近似曲線算出部(240;160)が算出した近似曲線に対する重み付けと、上記曲率一定曲線算出部(246;190)が算出した曲率一定曲線に対する重み付けとを算出し、算出した重み付けに基づいて、上記近似曲線算出部(240;160)が算出した近似曲線と上記曲率一定曲線算出部(246;190)が算出した曲率一定曲線とを統合して、上記移動体がいる道路の形状を近似する近似曲線を算出する。
上記前方移動物体追尾部(235;135)は、上記相対位置取得部(211;135)が取得した観測結果に基づいて、上記移動体の前方を上記移動体と略同一の方向に移動している物体を追尾する。
上記近似曲線交差判定部(255;174)は、上記近似曲線算出部(240;160)が複数の近似曲線を算出した場合に、上記複数の近似曲線が交差しているか否かを判定する。
上記近似曲線初期化部(256;174)は、上記複数の近似曲線が交差していると上記近似曲線交差判定部(255;174)が判定した場合に、上記近似曲線交差判定部(255;174)が交差していると判定した複数の近似曲線それぞれについて、上記前方移動物体追尾部(235;135)が追尾した物体との位置関係に基づいて、上記複数の近似曲線それぞれが正しいか否かを判定し、正しくないと判定した近似曲線を初期化する。
Claims (16)
- 相対位置取得部と、静止物体判定部と、物体相関部と、近似曲線算出部とを有し、
上記相対位置取得部は、移動体の周辺に存在する物体について、上記移動体を基準とした上記物体の相対位置を繰り返し観測する周辺物体観測装置が観測した観測結果を取得し、
上記静止物体判定部は、上記相対位置取得部が取得した観測結果に基づいて、上記周辺物体観測装置が相対位置を観測した物体が静止しているか否かを判定し、
上記物体相関部は、上記相対位置取得部が取得した観測結果に基づいて、上記周辺物体観測装置が観測した複数の相対位置のなかから、同一の物体について上記周辺物体観測装置が観測した複数の相対位置を判定し、
上記近似曲線算出部は、上記静止物体判定部が判定した判定結果と、上記物体相関部が判定した判定結果とに基づいて、上記移動体がいる道路の形状を近似する近似曲線を算出することを特徴とする道路形状推定装置。 - 上記近似曲線算出部は、上記近似曲線を表わす所定の関数の係数を状態量とし、上記相対位置取得部が取得した観測結果のうち、上記静止物体判定部が静止していると判定した物体について上記周辺物体観測装置が観測した相対位置を観測量とする追尾フィルタを使って、上記近似曲線を表わす関数の係数を推定することを特徴とする請求項1に記載の道路形状推定装置。
- 上記近似曲線算出部は、上記周辺物体観測装置が観測した相対位置と、上記近似曲線との間の距離が、所定の閾値より短い場合に、上記相対位置を観測量として上記追尾フィルタの更新処理をすることを特徴とする請求項2に記載の道路形状推定装置。
- 上記道路形状推定装置は、初期値算出部を有し、
上記初期値算出部は、同一の物体について上記周辺物体観測装置が観測した複数の相対位置であると上記物体相関部が判定した複数の相対位置について、上記複数の相対位置の軌跡を上記近似曲線を表わす所定の関数で近似し、上記複数の相対位置の軌跡を近似する関数の係数を算出し、
上記近似曲線算出部は、上記初期値算出部が算出した係数を、上記追尾フィルタの状態量の推定値の初期値とすることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の道路形状推定装置。 - 上記初期値算出部は、同一の物体について上記周辺物体観測装置が観測した複数の相対位置であると上記物体相関部が判定した複数の相対位置のうち、一つの物体を観測した複数の相対位置の数が、所定の閾値より多い複数の相対位置に基づいて、上記複数の相対位置の軌跡を近似する関数の係数を算出することを特徴とする請求項4に記載の道路形状推定装置。
- 上記初期値算出部は、同一の物体について上記周辺物体観測装置が観測した複数の相対位置であると上記物体相関部が判定した複数の相対位置のうち、一つの物体を観測した複数の相対位置のなかに上記物体と上記移動体との間の距離が、所定の閾値より近い相対位置がある複数の相対位置に基づいて、上記複数の相対位置の軌跡を近似する関数の係数を算出することを特徴とする請求項4または請求項5に記載の道路形状推定装置。
- 上記道路形状推定装置は、信頼度算出部を有し、
上記信頼度算出部は、上記近似曲線算出部が算出した近似曲線の信頼度を算出し、
上記近似曲線算出部は、上記信頼度算出部が算出した信頼度が所定の閾値より低い場合に、算出した近似曲線を破棄することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の道路形状推定装置。 - 上記道路形状推定装置は、信頼度算出部と、近似曲線選択部とを有し、
上記近似曲線算出部は、複数の近似曲線を算出し、
上記信頼度算出部は、上記近似曲線算出部が算出した複数の近似曲線それぞれの信頼度を算出し、
上記近似曲線選択部は、上記信頼度算出部が算出した信頼度に基づいて、上記近似曲線算出部が算出した複数の近似曲線のなかから、採用する近似曲線を選択することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の道路形状推定装置。 - 上記信頼度算出部は、上記近似曲線算出部が上記近似曲線の算出に使った相対位置と、上記移動体との間の距離の分散度を算出し、算出した分散度が大きいほど信頼度を高くすることを特徴とする請求項7または請求項8に記載の道路形状推定装置。
- 上記道路形状推定装置は、移動速度取得部と、角速度取得部と、曲率算出部と、曲率一定曲線算出部と、近似曲線選択部とを有し、
上記移動速度取得部は、上記移動体の移動速度を観測する移動速度観測装置が観測した観測結果を取得し、
上記角速度取得部は、上記移動体の角速度を観測する角速度観測装置が観測した観測結果を取得し、
上記曲率算出部は、上記移動速度取得部が取得した観測結果と、上記角速度取得部が取得した観測結果とに基づいて、上記移動体の軌跡の曲率として、上記移動体の角速度を上記移動体の移動速度で割った商を算出し、
上記曲率一定曲線算出部は、上記曲率算出部が算出した曲率に基づいて、上記移動体がいる道路の形状を近似する近似曲線として、曲率が一定である曲率一定曲線を算出し、
上記近似曲線選択部は、上記近似曲線算出部が算出した近似曲線と上記曲率一定曲線算出部が算出した曲率一定曲線とのなかから、上記移動体がいる道路の形状を近似する近似曲線として採用する近似曲線を選択することを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の道路形状推定装置。 - 上記近似曲線選択部は、少なくとも直線路と曲線路手前と曲線路と曲線路出口との4種類に類別された道路形状種別のなかから、上記移動体がいる道路の形状の道路形状種別を判定し、判定した道路形状種別が曲線路である場合に、上記曲率一定曲線算出部が算出した曲率一定曲線を、上記移動体がいる道路の形状を近似する近似曲線として選択することを特徴とする請求項10に記載の道路形状推定装置。
- 上記道路形状推定装置は、移動速度取得部と、角速度取得部と、曲率算出部と、曲率一定曲線算出部と、近似曲線統合部とを有し、
上記移動速度取得部は、上記移動体の移動速度を観測する移動速度観測装置が観測した観測結果を取得し、
上記角速度取得部は、上記移動体の角速度を観測する角速度観測装置が観測した観測結果を取得し、
上記曲率算出部は、上記移動速度取得部が取得した観測結果と、上記角速度取得部が取得した観測結果とに基づいて、上記移動体の軌跡の曲率として、上記移動体の角速度を上記移動体の移動速度で割った商を算出し、
上記曲率一定曲線算出部は、上記曲率算出部が算出した曲率に基づいて、上記移動体がいる道路の形状を近似する近似曲線として、曲率が一定である曲率一定曲線を算出し、
上記近似曲線統合部は、上記近似曲線算出部が算出した近似曲線に対する重み付けと、上記曲率一定曲線算出部が算出した曲率一定曲線に対する重み付けとを算出し、算出した重み付けに基づいて、上記近似曲線算出部が算出した近似曲線と上記曲率一定曲線算出部が算出した曲率一定曲線とを統合して、上記移動体がいる道路の形状を近似する近似曲線を算出することを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の道路形状推定装置。 - 上記近似曲線統合部は、少なくとも直線路と曲線路手前と曲線路と曲線路出口との4種類に類別された道路形状種別のなかから、上記移動体がいる道路の形状の道路形状種別を判定し、判定した道路形状種別が曲線路である場合に、上記曲率一定曲線算出部が算出した曲率一定曲線に対する重み付けを重くすることを特徴とする請求項12に記載の道路形状推定装置。
- 上記道路形状推定装置は、前方移動物体追尾部と、近似曲線交差判定部と、近似曲線初期化部とを有し、
上記前方移動物体追尾部は、上記相対位置取得部が取得した観測結果に基づいて、上記移動体の前方を上記移動体と略同一の方向に移動している物体を追尾し、
上記近似曲線交差判定部は、上記近似曲線算出部が複数の近似曲線を算出した場合に、上記複数の近似曲線が交差しているか否かを判定し、
上記近似曲線初期化部は、上記複数の近似曲線が交差していると上記近似曲線交差判定部が判定した場合に、上記近似曲線交差判定部が交差していると判定した複数の近似曲線それぞれについて、上記前方移動物体追尾部が追尾した物体との位置関係に基づいて、上記複数の近似曲線それぞれが正しいか否かを判定し、正しくないと判定した近似曲線を初期化することを特徴とする請求項1乃至請求項13のいずれかに記載の道路形状推定装置。 - コンピュータが実行することにより、上記コンピュータが請求項1乃至請求項14のいずれかに記載の道路形状推定装置として機能することを特徴とするコンピュータプログラム。
- 相対位置取得部と、静止物体判定部と、物体相関部と、近似曲線算出部とを有する道路形状推定装置が、移動体がいる道路の形状を推定する道路形状推定方法において、
上記相対位置取得部が、移動体の周辺に存在する物体について、上記移動体を基準とした上記物体の相対位置を繰り返し観測する周辺物体観測装置が観測した観測結果を取得し、
上記静止物体判定部が、上記相対位置取得部が取得した観測結果に基づいて、上記周辺物体観測装置が相対位置を観測した物体が静止しているか否かを判定し、
上記物体相関部が、上記相対位置取得部が取得した観測結果に基づいて、上記周辺物体観測装置が観測した複数の相対位置のなかから、同一の物体について上記周辺物体観測装置が観測した複数の相対位置を判定し、
上記近似曲線算出部が、上記静止物体判定部が判定した判定結果と、上記物体相関部が判定した判定結果とに基づいて、上記移動体がいる道路の形状を近似する近似曲線を算出することを特徴とする道路形状推定方法。
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