JP2008254478A - 飲酒運転防止装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ドライバーの体臭からアセトアルデヒド及びその濃度を検出するセンサ3と、制御手段4とを有し、該制御手段4は、前記センサ3の検出結果と許容値とを比較して、アセトアルデヒドの濃度が許容値以上である場合には自動車を発進不能とする制御を行う様に構成されている。
【選択図】図1
Description
しかし、飲酒運転は後を絶たず、飲酒運転に起因する重大な事故の発生も後を絶たないのが現状である。
しかし、係る従来技術は、アルコールガスの熱伝導度、電気伝導度を基礎としてアルコールの有無を検知するので、各種手段により呼気を濃縮しなければ、アルコールの検知自体が困難であるという問題を有している。
本発明の飲酒運転防止装置(100)は、自動車の運転席に配置されたセンサ(3:アセトアルデヒドを検知する薄膜センサ)と、制御手段(コントロールユニット4)とを有し、前記センサ(3)は運転席に座着した者(運転者、ドライバー)の体臭から飲酒した旨を示す指示物質(例えば、アセトアルデヒド)の有無及び濃度を検出する様に構成されており、前記制御手段(4)は、前記センサ(3)の検出結果と閾値(飲酒運転と認められるエチルアルコールの血中濃度の限界値に相当する体臭中の指示物質濃度)とを比較して、指示物質濃度が閾値以上である場合には自動車を発進不能とする制御を行う様に構成されている(請求項1)。
或いは、前記操作手段(5)を作動させて自動車(1)を発進させた場合に、運転者の体臭中の前記指示物質濃度が閾値以上である旨(飲酒運転が行われている旨)の無線信号を(例えば無線LANにより)車両外部(例えば、警察署)へ発信する様に構成されているのが好ましい(請求項5)。
或いは、当該指示物質は反応するが、当該指示物質のみに反応する訳ではない様なセンサ(A、B、C、D)を複数種類組み合わせ、各センサの出力を組み合わせたパターン(例えば、図5〜図7参照)により、当該指示物質の有無を検出することが可能である。
そのため、体臭(或いは、体臭に含まれるアセトアルデヒド)を濃縮する手段のスペースが不要であるため、本発明の飲酒運転防止装置は、自動車(1)内に簡単に設置することが可能である。
或いは、飲酒運転が行われている旨を無線で外部(例えば、警察署8)に発信する様に構成すれば(請求項5)、警察官を派遣する等、飲酒運転に対して抑止力のある手段を採用することが可能となり、飲酒運転に起因する悲惨な事故の発生を未然に回避することが可能となる。
先ず、図1〜図5を参照して第1実施形態を説明する。
図1〜図5の第1実施形態は、アセトアルデヒドと1:1で反応する(アセトアルデヒドのみに反応する)センサ(例えば薄膜センサ)を用いた実施形態である。
ここで、発生電圧は薄膜を透過したアセトアルデヒド分子の数、すなわちモル濃度に比例するので、当該気体中にアセトアルデヒド分子が存在するか否かのみならず、その濃度も鑑定できる。
飲酒運転防止装置100は、図示しない車両に搭載されているエンジン2と、ドライバーの体臭中に含まれる飲酒した旨を示す指示物質(例えば、アセトアルデヒド)及び該指示物質の濃度を検出するアセトアルデヒドセンサ3と、コントロールユニット4と、解除スイッチ5とを有している。
このドライバーの周辺に滞留するアセトアルデヒドの存在及びその濃度を、図2に示すように、運転席9の、シートクッション91、シートバック92、ヘッドレスト93の少なくとも1箇所に設けたアセトアルデヒドセンサ3が検知するように構成されている。
ドライバーの着衣の量(厚み)、或いは着衣の種類によって、アセトアルデヒドが、衣類の外に透過し難い場合がある。その様な場合には、シートクッション91、シートバック92、ヘッドレスト93の複数個所にアセトアルデヒドセンサ3を設けるようにすれば、検出不良となることを防止出来る。
例えば、同乗者は飲酒していてもドライバーは飲酒をしていない場合や、外傷を負った者の治療(消毒)にエチルアルコールを使用した場合等において、エチルアルコールが何らかの作用でアセトアルデヒドに変化し、自動車が発進出来なくなってしまう不都合を解消するために設けられている。詳細については、図5を参照して後述する。
図3のステップS1において、コントロールユニット4は、アセトアルデヒドセンサ3でアセトアルデヒドを検出したか否かを判断する。
アセトアルデヒドを検出したならば(ステップS1がYES)、ステップS2に進む。アセトアルデヒドを検出しない場合には(ステップS1がNO)、ステップS5でエンジンを作動可能な状態にせしめて、ステップS6まで進む。
ステップS4では、コントロールユニット4はエンジンを停止させる。
制御を続行するのであれば(ステップS6がNO)、ステップS1まで戻り、再びステップS1以降を繰り返す。
エンジン2を停止し、或いは始動を妨げる具体的な手法としては、例えば、
図示しないガバナ等を制御してエンジン2への燃料供給を遮断する、
図示しない点火系への電流供給を遮断する、
図示しないスタータモータへの電流供給を遮断する、
図示しないトランスミッションがニュートラル(N)位置やパーキング位置(P)以外に入らない様に構成する、
図示しないサイドブレーキが解除されない様に構成する、或いは、
図示しないイグニッションキーが回動しないように構成する、
等が適用可能である。
危険防止の観点から、血中アルコール濃度が閾値を越えた可能性がある場合に、漏れなく、上述した「エンジン停止」(ステップS4)の制御を行うためである。
上述した様に、例えば、同乗者は飲酒していてもドライバーは飲酒をしていない場合や、外傷を負った者の治療(消毒)にエチルアルコールを使用し、そのエチルアルコールが何らかの作用によってアセトアルデヒドに変化した場合等において、自動車が発進出来なくなってしまう不都合を解消するために、解除スイッチ5は設けられている。
上述の一定条件(図3のステップS4の処理が再び有効となる条件)としては、例えば、「所定の時間が経過する」という条件や、「エンジンが停止した(切れた)」という条件が考えられる。
図1〜図5の第1実施形態は、アセトアルデヒドと1:1で反応するセンサ(例えば薄膜センサ3)を用いている。これに対して、第2実施形態では、アセトアルデヒドと1:1では反応せず、複数の物質と反応するセンサを複数種類組み合わせ、係る複数種類のセンサ出力でレーダーチャート状のパターンを作成し、係るパターンの類非によりアセトアルデヒドの有無を判定する。
4種類のセンサ(A〜D)の各々の出力を図6〜図8の軸A〜軸Dにプロットし、そのプロットを結んで得られるパターンを用いて、アセトアルデヒドが存在するか否かを判定する。
図7は、未知の物質に対する4種類のセンサ(A〜D)の検出信号出力を図6〜図8の軸A〜軸Dにプロットし、そのプロットを結んで得た図形パターンを破線で示している。それと共に、アセトアルデヒドの図形パターンを実線で示している。
2つの図形パターンは全く相違しているので、パターン認識の結果、当該未知の物質はアセトアルデヒドではないと判断できる。
波線の図形パターンと実線の図形パターンとは概略一致しているので、当該未知の物質はアセトアルデヒドと判断できる。
図9において、第2実施形態の飲酒運転防止装置101は、図示しない車両に設けられている。そして、飲酒運転防止装置101は、図示しない車両に搭載されたエンジン2と、ドライバーの体臭中のアセトアルデヒド濃度を検出するための異なった種類のアセトアルデヒドセンサ(物質判定センサ)A〜Dと、コントロールユニット40と、解除スイッチ5とを有している。
コントロールユニット40は、アセトアルデヒドセンサA〜Dからの検出信号によって、ドライバーが「飲酒」又は「酒気帯び」に相当する状態であるか否かを判断する様に構成されている。そして解除スイッチ5は、例えば助手席の者が飲酒している際に、コントロールユニット40が「飲酒又は酒気帯びである」と誤判断して、運転操作を禁止しようとした場合に、運転走査を可能ならしめる様に(運転操作の禁止命令を解除する様に)構成されている。
物質判定ブロック44は、パターン作成ブロック441とパターン比較ブロック442と判定ブロック443とで構成されている。
比較ブロック46は、データベース43に記憶されたアセトアルデヒド濃度の閾値と濃度判定ブロック45で決定されたアセトアルデヒド濃度とを比較する。そして、濃度判定ブロック45で決定されたアセトアルデヒド濃度(アセトアルデヒド濃度の検出値)が閾値より大きな場合は、運転操作を禁止する制御を行う。運転操作を禁止する制御の具体例については、第1実施形態で説明したのと同様である。
濃度決定ブロック45では、公知の技術を適用して、アセトアルデヒド濃度を決定する。
図10、図11の第3実施形態では、解除スイッチ5が作動されていない場合には第1実施形態及び/又は第2実施形態と同様であるが、解除スイッチ5が作動した場合について、第1実施形態及び/又は第2実施形態とは異なっている。
第3実施形態においては、所定濃度以上のアセトアルデヒドを検知したが、解除スイッチ5が作動しており、自動車が走行している(車速≠0)場合には、「飲酒運転が為されている」旨の表示をすると共に、「飲酒運転が為されている」旨を、警察署(所轄機関)に対して、無線LAN等を用いて連絡する様に構成されている。
ステップS21では、コントロールユニット4は、アセトアルデヒドセンサ3によりアセトアルデヒドが検出されたか否かを判断する。
アセトアルデヒドを検出したならば(ステップS21がYES)ステップS22に進む。アセトアルデヒドを検出しなければ(ステップS21がNO)、ステップS24でエンジンを作動可能ならしめて、ステップS29まで進む。
車速が0でなければ(ステップS25がYES)、ステップS26で表示手段6を作動させ、飲酒信号発生手段6から飲酒信号を発信した後、ステップS29に進む。
一方、車速が0であれば(ステップS25がNO)、自動車1は走行しておらず、危険性は少ないと判断して、表示手段6を作動させること無く、そのままステップS29に進む。
車速が0でなければ(ステップS27がYES)、ステップS28でエンジン2を停止する制御を行い、ステップS29に進む。一方、車速が0であれば(ステップS27がNO)、そのままステップS29に進む。
制御を続けるのであれば(ステップS29がNO)、ステップS21まで戻り、再びステップS21以降を繰り返す。
すなわち、酩酊状態のドライバーが解除スイッチ5を操作して、自動車1を走行させてしまった場合には、コントロールユニット4から飲酒運転信号発信手段6に、飲酒運転である旨が出力され、自動車1の後部に取り付けられた表示手段7には飲酒運転中である旨の表示がなされる。そのため、当該自動車1の近傍を走行しているその他の自動車は、当該自動車1が飲酒運転中であることを認識することが出来るので、事故等に巻き込まれてしまうことを防止できる。
図10、図11の第4実施形態は、図1〜図5の第1実施形態に対して、アルコールセンサ3Aを追加装備した実施形態である。
第4実施形態は、アルコールセンサ3Aを追加装備することにより、ドライバーの呼気中に含まれるエチルアルコール濃度をアルコールセンサ3Aによって検知し、このアルコール濃度と、第1実施形態における体臭に含まれるアセトアルデヒド濃度の何れか一方が所定濃度以上となった場合に、自動車のエンジンを強制的に停止させるように構成されている。
また、図示しないルームミラーの反射面の反対側(裏側)や、ドライバーシート真上の図示しない天井部分にアルコールセンサ3Aを設けても、呼気に含まれるアルコールを検出可能である。
いわゆる「オープンカー」の場合には、シートベルト真上の天井自体が存在せず、呼気が大気中に拡散してしまう可能性が高い。この様な場合には、例えば、図示しないドライバーのシートベルトや、運転席にアルコールセンサ3Aを設けても良い。
図13のステップS31において、コントロールユニット4は、アセトアルデヒドセンサ3でアセトアルデヒドを、或いは、アルコールセンサ3Aでアルコールを検出したか否かを判断する。
ステップS34ではコントロールユニット4はエンジンを停止させ、ステップS36では制御を終了するか否かを判断する。
さらに、飲酒をしたにも拘らず、それが検出されないという誤動作を防止して、飲酒運転を確実に防止することが出来る。
上述の例では、アセトアルデヒド及びその濃度を検出しているが、飲酒した者の体臭に包含されるその他の物質であって、飲酒したことを示す様な物質を検出するように構成しても良い。
また、図示の実施形態では、ドライバーシートに着座した者の体臭中のアセトアルデヒド濃度をドライバーシートで検出しているが、ドライバーのステアリングホイールを握る掌の汗中のアセトアルデヒド濃度を検出して、上述した制御を実行することも可能である。
2・・・エンジン
3・・・アセトアルデヒドセンサ
4、40・・・制御手段/コントロールユニット
5・・・解除スイッチ
6・・・飲酒運転信号発信手段
7・・・表示手段
41・・・比較回路
42・・・判定回路
43・・・データベース
44・・・物質判定ブロック
45・・・濃度判定ブロック
46・・・比較ブロック
100、101、102・・・飲酒運転防止装置
441・・・パターン作成ブロック
442・・・パターン比較ブロック
443・・・判定ブロック
Claims (5)
- 自動車の運転席に配置されたセンサと、制御手段とを有し、前記センサは運転席に座着した者の体臭から飲酒した旨を示す指示物質の有無及び濃度を検出する様に構成されており、前記制御手段は、前記センサの検出結果と閾値とを比較して、指示物質濃度が閾値以上である場合には自動車を発進不能とする制御を行う様に構成されていることを特徴とする飲酒運転防止装置。
- 自動車の運転席に配置された複数のセンサと、制御手段とを有し、該制御手段は、前記複数のセンサの検出結果からパターンを作成する手段と、得られたパターンを指示物質から得られたパターンと比較して体臭中に指示物質が包含されているか否かを判定する手段と、当該指示物質濃度を決定する手段とを備え、決定された指示物質濃度が閾値以上である場合には自動車を発進不能とする制御を行う様に構成されていることを特徴とする飲酒運転防止装置。
- 指示物質濃度が閾値以上であっても自動車を発進可能とする操作手段を有しており、前記制御手段は、前記操作手段が作動した場合には、自動車を発進不能とする制御を行わない様に構成されている請求項1、2の何れかの飲酒運転防止装置。
- 前記操作手段を作動させて自動車を発進させた場合に、運転者の体臭中の前記指示物質濃度が閾値以上である旨を表示する表示手段を有する請求項3の飲酒運転防止装置。
- 前記操作手段を作動させて自動車を発進させた場合に、運転者の体臭中の前記指示物質濃度が閾値以上である旨の無線信号を車両外部へ発信する様に構成されている請求項3、4の何れかの飲酒運転防止装置。
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