JP2004143453A - 光触媒塗料及びその製造方法並びに該塗料を塗布して得られた光触媒機能を有する光触媒塗膜、多層光触媒塗膜 - Google Patents

光触媒塗料及びその製造方法並びに該塗料を塗布して得られた光触媒機能を有する光触媒塗膜、多層光触媒塗膜 Download PDF

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Abstract

【課題】透明性、硬度及び分解性能に優れた光触媒塗料及びその製造方法並びに該塗料を塗布して得られた光触媒機能を有する光触媒塗膜を提供する。
【解決手段】第1の光触媒塗料は、酸化チタン粉末を含む光触媒塗料の改良であり、その特徴ある構成は、酸化チタン粉末がアナターゼ型結晶構造を含み、アナターゼ型結晶の(101)面の回折ピーク半値幅から求めた(101)面の面間隔d値が3.478Å〜3.562Åであるところにある。また第2の光触媒塗料は、酸化チタン粉末、酸化アルミニウム粉末、バインダ、分散剤及び分散媒をそれぞれ含むことを特徴とする。
【選択図】なし

Description

 本発明は、光触媒活性、透明性に優れた酸化チタン系光触媒塗料及びその製造方法並びに該塗料を塗布して得られた光触媒機能を有する光触媒塗膜、多層光触媒塗膜に関するものである。
 この種の光触媒薄膜を得る方法として、チタンのアルコキシドとアルコールアミン類から調製されたチタニアゾルを基板にコーティングした後、焼成することにより光触媒薄膜を形成する方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。また、基板の保護及び酸化チタン層との密着性向上のために、基板と酸化チタン層との間にアンダーコート膜を設けた2層コートタイプの塗膜の製造方法も知られている。
 このうち、チタニアゾルを用いて焼成する方法では、高温で焼成処理しなければならないため、得られた光触媒薄膜の透明性が低下するおそれがあるだけでなく、焼成炉を必要とするためコストが高くなる問題があった。
 また、低温で処理できる2層コートタイプでは、2回塗り及び乾燥が必要であるため、処理工程が多くなり、簡便な方法とはいえなかった。この2層コートタイプでは光触媒の活性を十分に引き出すために、酸化チタンの含有量を80重量%以上としなければならないため、成膜した膜の透明性が十分に得られないだけでなく、基板との密着性が十分に得られず安定した膜が形成できなくなるという問題があった。
 上記諸問題を解決する方策として本出願人は、一次粒子の平均粒径0.01〜0.1μmの超微粒子アナターゼ型酸化チタン、有機溶媒、β-ジケトン、チタネート系又はアルミネート系カップリング剤とシリカゾルからなる光触媒塗料を提案した(例えば、特許文献2参照。)。この公報に示された光触媒塗料を用いることにより、透明性、触媒活性、塗膜強度に優れた光触媒塗膜を形成することができる。
特開平7−100378号公報 特開平10−195341号公報
 しかし、上記特許文献2に示された光触媒塗料を用いて塗膜を形成することにより、従来の光触媒薄膜と比べて高い透明性、光触媒活性、膜強度に優れた塗膜が得られるが、光触媒の用途の拡大とともに、より高い透明性を有する塗膜を形成し得る光触媒塗料の開発が要望されている。
 一方、酸化チタン粉末の用途として、酸化チタンが有する光触媒機能を利用した有機物や有害物質の分解や、酸化チタンが有する親水性機能を利用した塗布表面の防汚又は防曇等に効果があることが知られている。近年、住宅の高気密化が進み、建材や壁紙等の内装材から放出された化学物質により室内の空気が汚染され、居住者がシックハウス症候群(化学物質過敏症)を発症するケースが多発しており、このような有害化学物質を分解することにも酸化チタンの光触媒機能を利用することができる。また、掃除がこまめにできないような場所に酸化チタンを塗布することでセルフクリーニング効果により防汚効果を賦与することができる。しかし、これまでに開発された従来の光触媒膜は、光触媒効果は高いが透明性が低いものや、膜硬度が低いため、傷が付いたり、えぐれてしまう等の不具合を生じていた。
 本発明の目的は、透明性、硬度及び分解性能に優れた光触媒塗料及びその製造方法並びに該塗料を塗布して得られた光触媒機能を有する光触媒塗膜を提供することにある。
 本発明の別の目的は、従来と同等の光触媒効果を有し、かつ透明性及び膜硬度に優れる光触媒塗膜及び多層光触媒塗膜を提供することにある。
 請求項1に係る発明は、酸化チタン粉末を含む光触媒塗料の改良である。その特徴ある構成は、酸化チタン粉末がアナターゼ型結晶構造を含み、前記アナターゼ型結晶の(101)面の回折ピーク半値幅から求めた(101)面の面間隔d値が3.478Å〜3.562Åの範囲を満たすところにある。
 請求項1に係る発明では、このような物性を有する酸化チタン粉末を塗料中に分散することにより、透明性、硬度及び分解性能に優れた光触媒塗料が得られる。
 請求項2に係る発明は、酸化チタン粉末、酸化アルミニウム粉末、バインダ、分散剤及び媒体をそれぞれ含むことを特徴とする光触媒塗料である。
 請求項2に係る発明では、酸化アルミニウム粉末を塗料中に分散することで、従来と同等の光触媒効果を有し、かつ透明性に優れ、高い硬度の光触媒塗料が得られる。
 請求項3に係る発明は、請求項2に係る発明であって、酸化チタン粉末と酸化アルミニウム粉末の含有重量割合が2:8〜9:1である光触媒塗料である。
 請求項4に係る発明は、請求項1ないし3いずれか1項に係る発明であって、酸化チタン粉末がアナターゼ型結晶構造を含み、アナターゼ型結晶の(101)面の回折ピーク半値幅から求めた(101)面の面間隔d値が3.478Å〜3.562Åの範囲を満たし、かつ、面間隔d値の下限値が3.480Å〜3.504Å、上限値が3.531Å〜3.550Åの範囲を満たす光触媒塗料である。
 請求項5に係る発明は、請求項1ないし4いずれか1項に係る発明であって、酸化チタン粉末がルチル型結晶構造を含み、ルチル型結晶の(110)面の回折ピーク半値幅から求めた(110)面の面間隔d値の下限値が3.222Å〜3.243Å、上限値が3.255Å〜3.280Åの範囲を満たす光触媒塗料である。
 請求項6に係る発明は、請求項1ないし5いずれか1項に係る発明であって、酸化チタン粉末がルチル型結晶構造とアナターゼ型結晶構造をそれぞれ含み、酸化チタン粉末が次の式(1)で示されるアナターゼ含有量を70%〜95%の割合で満たす光触媒塗料である。
 アナターゼ含有量(%)=100/(1+1.265×IR/IA) …(1)
 但し、IRはルチル型強度であり、IAはアナターゼ型強度である。
 請求項7に係る発明は、請求項1ないし6いずれか1項に係る発明であって、酸化チタン粉末の平均一次粒子径が10nm〜30nmである光触媒塗料である。
 請求項8に係る発明は、請求項1ないし7いずれか1項に係る発明であって、酸化チタン粉末の酸化チタン純度が99.5%以上である光触媒塗料である。
 請求項9に係る発明は、請求項1ないし8いずれか1項に係る発明であって、酸化チタン粉末に含まれるHCl含有量が0.3%以下である光触媒塗料である。
 請求項10に係る発明は、請求項1ないし9いずれか1項に係る発明であって、酸化チタン粉末に含まれるSiO2含有量が0.2%以下、Al23含有量が0.3%以下、Fe23含有量が0.01%以下である光触媒塗料である。
 請求項11に係る発明は、請求項1ないし10いずれか1項に係る発明であって、酸化チタン粉末は、揮発性チタン化合物を高温気相中で加水分解することにより製造された粉末である光触媒塗料である。
 請求項12に係る発明は、請求項1ないし11いずれか1項に係る発明であって、酸化チタン粉末の含有量が0.1〜20重量%である光触媒塗料である。
 請求項13に係る発明は、請求項2又は3に係る発明であって、酸化アルミニウム粉末は気相法により製造され、酸化アルミニウム粉末を形成する結晶の(040)面の回折ピーク半値幅から求めた(040)面の面間隔d値が1.920Å〜2.035Åの範囲を満たし、かつ、(046)面の回折ピーク半値幅から求めた(046)面の面間隔d値が1.360Å〜1.425Åの範囲を満たす光触媒塗料である。
 請求項14に係る発明は、請求項2、3又は13に係る発明であって、酸化アルミニウム粉末を形成する結晶の(040)面の回折ピーク半値幅から求めた(040)面の面間隔d値の下限値が1.924Å〜1.958Å、上限値が1.996Å〜2.025Åの範囲で、(046)面の回折ピーク半値幅から求めた(046)面の面間隔d値の下限値が1.370Å〜1.385Å、上限値が1.400Å〜1.415Åの範囲を満たす光触媒塗料である。
 請求項15に係る発明は、請求項2、3、13又は14に係る発明であって、酸化アルミニウム粉末のBET法による比表面積が85m2/g〜120m2/gを満たす光触媒塗料である。
 請求項16に係る発明は、請求項2、3、13、14又は15に係る発明であって、酸化アルミニウム粉末の平均一次粒径が10nm〜30nmである光触媒塗料である。
 請求項17に係る発明は、請求項2、3、13、14、15又は16に係る発明であって、酸化アルミニウム粉末の含有量が0.05重量%〜20重量%である光触媒塗料である。
 請求項18に係る発明は、請求項1ないし17いずれか1項に係る発明であって、基材表面に塗料を50nm〜1000nmの厚さで塗布して塗膜を形成する光触媒塗料である。
 請求項19に係る発明は、請求項1ないし18いずれか1項に係る発明であって、基材表面に塗料を50nm〜500nmの厚さで塗布して塗膜を形成したとき、形成した塗膜のヘイズ値が1以下である光触媒塗料である。
 請求項20に係る発明は、請求項1ないし19いずれか1項に係る発明であって、基材表面に塗料を50nm〜1000nmの厚さで塗布して塗膜を形成したとき、形成した塗膜の平均面粗さRaが2.0nm〜11nmの範囲内となる光触媒塗料である。
 請求項21に係る発明は、請求項1ないし20いずれか1項に係る発明であって、基材表面に塗料を50nm〜1000nmの厚さで塗布して塗膜を形成したとき、形成した塗膜がヘーズ値1.0以下、可視光透過率85%以上の高透明性、鉛筆硬度2H以上の高硬度を有する光触媒塗料である。
 請求項22に係る発明は、請求項1ないし21いずれか1項に係る発明であって、塗料中に分散媒、分散剤及びバインダを含有する光触媒塗料である。
 請求項23に係る発明は、酸化チタン粉末を分散剤の存在下で、分散媒中に均一に分散させた後、バインダと混合することを特徴とする光触媒塗料の製造方法である。
 請求項24に係る発明は、酸化チタン粉末を分散剤の存在下で、分散媒中に均一に分散させて第1分散液を調製し、酸化アルミニウム粉末を分散剤の存在下で、分散媒中に均一に分散させて第2分散液を調製し、第1分散液及び第2分散液とバインダとを混合して調製することを特徴とする光触媒塗料の製造方法である。
 請求項25に係る発明は、請求項23又は24に係る発明であって、酸化チタン粉末が分散媒及び分散剤により分散されている光触媒塗料の製造方法である。
 請求項26に係る発明は、請求項24に係る発明であって、酸化アルミニウム粉末が分散媒及び分散剤により分散されている光触媒塗料の製造方法である。
 請求項27に係る発明は、請求項1ないし22いずれか1項に記載の光触媒塗料又は請求項23ないし26いずれか1項に記載の製造方法により得られた光触媒塗料を基材表面に塗布して形成させたことを特徴とする光触媒機能を有する光触媒塗膜である。
 請求項28に係る発明は、請求項27に係る発明であって、基材表面に無機質の下地層と、この下地層の上に光触媒塗料から形成された光触媒膜とを有する光触媒塗膜である。
 請求項29に係る発明は、請求項27又は28に係る発明であって、基材がガラス、プラスチック、金属、木材、タイルを含むセラミック、セメント、コンクリート、石、繊維、紙及び皮革からなる群より選ばれた材質である光触媒塗膜である。
 請求項30に係る発明は、請求項28に係る発明であって、無機質の下地層がシリカ又はアルミナからなる光触媒塗膜である。
 請求項31に係る発明は、請求項27ないし29いずれか1項に係る発明であって、基材が車両、車両用及び道路用ミラー、車両用ガラス、車両用照明灯とそのカバー、レンズ、照明用蛍光灯とそのカバー、ガラス、トンネル用内装材及び照明灯とそのカバー、プラスチックフィルム及びシート、プラスチック成形体、各種建材、内装材及び建物付属物、食器、換気扇、眼鏡、鏡、天然及び合成繊維及び布帛、紙、ブラウン管、カバーガラス、ゴーグル、マスクシールド、標識、看板、金属板、家電製品のハウジング、燒結金属フィルター、ガードレール、ビニールハウス、調理レンジとそのフード、流し台、衛生器具、浴槽、家具、屋外照明用固定材、室内もしくは屋外展示物と表示物、屋外用家具と遊具、屋外固定構造物及び石材加工品からなる群より選ばれた光触媒塗膜である。
 請求項32に係る発明は、シリケート又はアルコキシシランを加水分解してシリカゾルを調製し、請求項27ないし31いずれか1項に記載の光触媒塗膜上にシリカゾルを塗布したことを特徴とする多層光触媒塗膜である。
 請求項32に係る発明では、光触媒塗膜上にシリカゾルを塗布して形成したオーバーコート膜は、従来と同等の光触媒効果を有し、かつ透明性に優れ、高い硬度が得られる。
 請求項33に係る発明は、請求項32に係る発明であって、シリカゾルはSiO2換算で0.1重量%〜5重量%である多層光触媒塗膜である。
 請求項34に係る発明は、請求項32又は33に係る発明であって、光触媒塗膜表面にシリカゾルを塗布してオーバーコート塗膜を形成したとき、光触媒塗膜及びオーバーコート塗膜の膜厚が合計50nm〜1000nmである多層光触媒塗膜である。
 請求項35に係る発明は、請求項32ないし34いずれか1項に係る発明であって、光触媒塗膜表面にシリカゾルを塗布して、光触媒塗膜及びオーバーコート塗膜の膜厚が合計50nm〜1000nmの多層塗膜を形成したとき、形成した多層塗膜の平均面粗さRaが2.0nm〜11nmの範囲内となる多層光触媒塗膜である。
 本発明によれば、アナターゼ型結晶構造を含み、アナターゼ型結晶の(101)面の回折ピーク半値幅から求めた(101)面の面間隔d値が3.478Å〜3.562Åの範囲を満たす酸化チタン粉末を含む第1の光触媒塗料は、透明性、硬度及び分解性能に優れる。また、酸化チタン粉末、酸化アルミニウム粉末、バインダ、分散剤及び分散媒をそれぞれ含む本発明の第2の光触媒塗料は、従来と同等の光触媒効果を有し、かつ透明性に優れ、高い硬度の光触媒塗料が得られる。この第1の光触媒塗料は酸化チタン粉末を分散剤の存在下で、分散媒中に均一に分散させた後、バインダと混合するか、酸化チタン粉末をβ-ジケトンとチタネート系カップリング剤の存在下で溶媒である混合アルコール中に均一に分散させた後、シリカゾルを混合することにより得られる。第2の光触媒塗料は、酸化チタン粉末を分散剤の存在下で、分散媒中に均一に分散させて第1分散液を調製し、酸化アルミニウム粉末を分散剤の存在下で、分散媒中に均一に分散させて第2分散液を調製し、第1分散液及び第2分散液とバインダとを混合して調製することにより得られる。
 次に本発明の実施の形態を説明する。
 本発明者らは、酸化チタン粉末を含んだ光触媒塗料において、この酸化チタン粉末がアナターゼ型結晶構造を含み、アナターゼ型結晶の(101)面の回折ピーク半値幅から求めた(101)面の面間隔d値が3.478Å〜3.562Åの範囲を満たすと、より高い透明性を有し、硬度及び分解性能に優れた塗膜を形成することができるとの知見を得、本発明の第1の光触媒塗料を発明するに至った。
 具体的には塗料に含ませる酸化チタン粉末をX線回折により測定し、2θが24.0deg〜26.5degの間に存在する(101)面の回折ピークの半値幅から、次の式(2)に示されるブラッグの法則式を用いて結晶格子の面間隔d値を求める。ここでλはX線の波長、nは定数である。
 2dsinθ=nλ ……(2)
上記式(2)から求めた面間隔d値が3.478Å〜3.562Åの範囲を満たす酸化チタン粉末を塗料中に分散することにより、透明性、硬度及び分解性能に優れた光触媒塗料が得られる。
 本発明の第2の光触媒塗料は、酸化チタン粉末、酸化アルミニウム粉末、バインダ、分散剤及び分散媒をそれぞれ含むことを特徴とする。この第2の光触媒塗料は、酸化アルミニウム粉末を塗料中に分散することで、従来と同等の光触媒効果を有し、かつ透明性に優れ、高い硬度の光触媒塗料が得られる。この光触媒塗料に含まれる酸化チタン粉末と酸化アルミニウム粉末の含有重量割合は2:8〜9:1に規定される。含有重量割合が2:8未満、即ち酸化チタン粉末が少ない場合、十分な光触媒効果が得られず、含有重量割合が9:1を越える、即ち酸化チタン粉末が多い場合、更なる透明性、高硬度が得られない。光触媒塗料に含まれる酸化チタン粉末と酸化アルミニウム粉末の含有重量割合は4:6〜8:2がより好ましい。
 本発明の第1及び第2光触媒塗料に含まれる酸化チタン粉末は、(101)面の面間隔d値は下限値が3.480Å〜3.504Å、上限値が3.531Å〜3.550Åの範囲を満たすことが好ましい。またルチル型結晶の(110)面の面間隔d値は下限値が3.222Å〜3.243Å、上限値が3.255Å〜3.280Åの範囲を満たすことが好ましい。
 本発明の第1及び第2光触媒塗料に含まれる酸化チタン粉末はルチル型結晶構造とアナターゼ型結晶構造をそれぞれ含み、酸化チタン粉末が次の式(1)で示されるアナターゼ含有量を70%〜95%の割合で満たすように構成される。
 アナターゼ含有量(%)=100/(1+1.265×IR/IA) …(1)
上記式(1)においてIRはルチル型強度、IAはアナターゼ型強度である。酸化チタン粉末をX線回折により測定し、2θが24.0deg〜26.5degの間に存在するアナターゼ型を示す(101)面の回折ピークの強度と2θが27.0deg〜28.0degの間に存在するルチル型を示す(110)面の回折ピークの強度を求め、これらの測定値を上記式(1)に当てはめたとき、アナターゼ含有量が70%〜95%の割合を満たすように構成される。アナターゼ含有量は75%〜85%が好ましい。アナターゼ含有量が下限値未満であると触媒活性が低下する不具合を生じ、上限値を越えた酸化チタン粉末は気相法では製造が困難である。
 本発明の第1及び第2光触媒塗料に含まれる酸化チタン粉末はその平均一次粒子径が10nm〜30nmの範囲内に規定される。上記範囲内の大きさに規定された酸化チタン粉末は塗料中で、一次粒子に近い状態まで均一で高度に分散する。酸化チタン粉末は平均一次粒子径が下限値未満のものは入手が困難であり、上限値を越えると光触媒塗料の透明度が低下する。
 酸化チタン粉末は、一次粒子及び一次粒子が凝集又は集塊した二次粒子から構成される。この粉末を構成する粒子同士は10nm〜300nmの間隔となるように塗料中に分散させることが好ましい。粒子同士が10nm〜300nmの間隔をあけることにより塗膜の透明度が低下しない。酸化チタンの粒子同士の間隔は20nm〜150nmが好ましい。
 本発明の第1及び第2光触媒塗料に含まれる酸化チタン粉末は、ルチル型結晶構造とアナターゼ型結晶構造をそれぞれ含み、ルチル型とアナターゼ型の重量比(ルチル型/アナターゼ型)が30/70〜5/95の範囲内に規定された粉末である。重量比(ルチル型/アナターゼ型)は25/75〜15/85の範囲内が好ましい。
 酸化チタン粉末の酸化チタン純度は99.5%以上である。この酸化チタン粉末に含まれるHCl含有量は0.3%以下であり、SiO2含有量が0.2%以下、Al23含有量が0.3%以下、Fe23含有量が0.01%以下である。このような不純物含有量の酸化チタン粉末は、揮発性チタン化合物を高温気相中で加水分解することにより製造される。
 酸化チタン粉末の含有量は0.1〜20重量%である。1.0〜10.0重量%の割合で含有させることが好ましい。酸化チタン粉末の含有量が0.1重量%未満では十分な触媒活性が得られず、20重量%を越えると酸化チタンの分散性が低下し、形成する光触媒薄膜のヘイズが悪化する不具合を生じる。
 本発明の第2の光触媒塗料に含まれる酸化アルミニウム粉末は、気相法により製造されたものが使用され、酸化アルミニウム粉末を形成する結晶の(040)面の回折ピーク半値幅から求めた(040)面の面間隔d値が1.920Å〜2.035Åの範囲を満たし、かつ、(046)面の回折ピーク半値幅から求めた(046)面の面間隔d値が1.360Å〜1.425Åの範囲を満たすことが好ましい。また酸化アルミニウム粉末を形成する結晶の(040)面の回折ピーク半値幅から求めた(040)面の面間隔d値の下限値が1.924Å〜1.958Å、上限値が1.996Å〜2.025Åの範囲で、(046)面の回折ピーク半値幅から求めた(046)面の面間隔d値の下限値が1.370Å〜1.385Å、上限値が1.400Å〜1.415Åの範囲を満たすことが好ましい。
 酸化アルミニウム粉末は、BET法による比表面積が85m2/g〜120m2/gを満たすように規定される。比表面積が85m2/g未満であると塗膜の透明度が低下する不具合を生じる。また比表面積が120m2/gを越えるような粉末は存在しない。好ましい比表面積は90m2/g〜110m2/gである。酸化アルミニウム粉末の平均一次粒径は10nm〜30nmである。上記範囲内の大きさに規定された酸化アルミニウム粉末は塗料中で、一次粒子に近い状態まで均一で高度に分散する。酸化アルミニウム粉末は平均一次粒子径が下限値未満のものは入手が困難であり、上限値を越えると光触媒塗料の透明度が低下する。本発明の光触媒塗料に含まれる酸化アルミニウム粉末の含有量は0.05重量%〜20重量%である。1重量%〜10重量%の割合で含有させることが好ましい。酸化アルミニウム粉末の含有量が0.05重量%未満では塗膜にした場合、膜の高硬度化が望めず、20重量%を越えると酸化アルミニウムの分散性が低下し、形成する光触媒薄膜のヘイズが悪化する不具合を生じる。
 本発明の第1及び第2光触媒塗料は、基材表面に塗料を50nm〜1000nmの厚さで塗布して塗膜を形成することが好ましい。
 本発明の第1及び第2光触媒塗料は、基材表面にこの塗料を50nm〜500nmの厚さで塗布して塗膜を形成したとき、形成した塗膜のヘイズ値が1以下となるように規定される。好ましいヘイズ値は0.1〜1.0である。また基材表面に塗料を50nm〜1000nmの厚さで塗布して塗膜を形成したとき、形成した塗膜の平均面粗さRaが2.0nm〜11nmの範囲内となるように規定される。好ましい平均面粗さRaは2.0nm〜6.0nmの範囲内である。更に基材表面に塗料を50nm〜1000nmの厚さで塗布して塗膜を形成したとき、形成した塗膜がヘーズ値1.0以下、可視光透過率85%以上の高透明性、鉛筆硬度2H以上の高硬度を有するように規定される。好ましいヘーズ値は0.1〜0.4、好ましい鉛筆硬度は4H以上であり、より好ましくは4H〜9Hである。
 本発明の第1及び第2光触媒塗料には分散媒、分散剤及びバインダが含まれる。分散媒としては水性溶媒、非水性溶媒又はその混合物が挙げられる。分散剤としてはポリリン酸、ケイ酸又はポリアクリル酸のナトリウム塩、シランカップリング剤、アルミキレート、アルキルチタネート系材料、β-ジケトン類からなる群より選ばれた1種類以上の材料が挙げられる。バインダとしてはポリエステル系、酢酸ビニル系、ポリウレタン系、メラミン系、尿素系、アルキド系、アクリル系及びフェノール系からなる群より選ばれた非水系バインダ、酢酸ビニルエマルジョン、アクリルエマルジョン、ポリオレフィン系エマルジョン及びシリカゾルからなる群より選ばれた水系バインダ、セルロース誘導体及びポリビニルアルコールからなる群より選ばれた水溶性バインダが挙げられる。分散剤としてβ-ジケトンを用いた場合、β-ジケトンの含有量は酸化チタン粉末に対して0.5〜10重量%である。このβ-ジケトンは、極性官能基(ケトン基)が、酸化チタン粉末及び基材表面に存在する極性基(水酸基や酸素基)に作用して、焼付け中に縮合することにより、酸化チタン粉末の最密充填が起こり、粉末間及び粉末-基板間を結合させ膜形成剤として作用し密着性を上げるのではないかと考えられる。
 β-ジケトンとしては、2,4-ペンタンジオン、3-メチル-2,4-ペンタンジオン、3-イソプロピル-2,4-ペンタンジオン、2,2-ジメチル-3,5-ヘキサンジオン等が挙げられる。β-ジケトンの含有量は、酸化チタン粉末に対して1.0〜5.0重量%の割合で含有させることが好ましい。β-ジケトンの含有量が0.5重量%未満では、十分な分散性が得られず、10.0重量%を越えても更なる分散性の向上にはならない。
 塗料中にチタネート系カップリング剤を更に含むことが好ましい。カップリング剤は低ヘイズ化剤として作用する。カップリング剤を添加することにより、膜構造に二次凝集群を形成せず、均一な最密充填化と表面の平滑精度がより一層高められるためにヘイズが低下(透明性が向上する)すると推測される。
 カップリング剤としては、下記化学式(1)〜化学式(5)に示されるようなジアルキルパイロホスフェート基やジアルキルホスファイト基を含有するチタネート系カップリング剤等が挙げられ、1種又は2種以上を使用することができる。
Figure 2004143453
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Figure 2004143453
Figure 2004143453
Figure 2004143453
チタネート系カップリング剤は酸化チタン粉末に対して0.1〜5重量%の割合で含有させる。0.5〜2.0重量%の割合で含有させることが好ましい。カップリング剤の含有量が0.1重量%未満では分散性及びヘイズ低下の効果が得られず、5.0重量%を越えても更なるヘイズ低下や分散性の向上にはならない。
 塗料中に混合アルコールを更に含むことが好ましい。この混合アルコールは塗料中で溶媒として用いられ、混合アルコールには、メチルアルコールとエチルアルコールからなる混合液が好適である。この混合アルコールの含有割合はメチルアルコールが4〜15重量%、エチルアルコールが96〜85重量%である。メチルアルコールの含有割合が4重量%未満の場合、極めて透明な光触媒薄膜が得られず、15重量%を越えても更なる効果は得られない。光触媒塗料に含まれる溶媒の量は、塗布に適した粘度が得られればよく、特に制限されない。
 バインダとしてシリカゾルを用いた場合、シリカゾルにはエチルシリケートの加水分解物又は部分加水分解物が使用される。シリカゾルを用いることにより、シリカゾルの均一混合作用により透明度を低下させることがなく、充分な触媒活性を得ることが出来、更にシリカゾルの作用で基材との密着性が一層向上する。
 本発明の第1及び第2光触媒塗料は基材表面にこの塗料を塗布して光触媒塗膜を形成し、塗膜に対して0.8〜1.5mW/cm2の紫外線を3時間照射した後の塗膜表面の水に対する接触角が10°以下を示す。また、基材表面に塗料を塗布して光触媒塗膜を形成し、塗膜をアセトアルデヒドが濃度100〜300ppmで存在する1000cm3の容積に封入し、光触媒塗膜に対して0.8〜1.5mW/cm2の紫外線を照射したとき、容器内のアセトアルデヒド濃度を5時間以内に1/10の濃度にまで減少させる能力を有する。
 次に、本発明の第1の光触媒塗料の製造方法について説明する。
 先ずアナターゼ型結晶構造を含み、アナターゼ型結晶の(101)面の回折ピーク半値幅から求めた(101)面の面間隔d値が3.478Å〜3.562Åの範囲を満たす酸化チタン粉末を所定量用意する。この酸化チタン粉末は四塩化チタンを高温気相中で加水分解反応させ、反応生成物を急速冷却することにより得られる。
 次いで、この酸化チタン粉末を分散剤の存在下で、分散媒中に均一に分散させる。この分散液にバインダを混合することで本発明の第1の光触媒塗料が得られる。
 また、この酸化チタン粉末を混合アルコールとβ-ジケトンとチタネート系カップリング剤からなる液体に混合し、例えばジルコニアビーズの所定量により、所定時間ペイントシェーカーにて均一に分散させる。そして、この分散液に所定濃度のシリカゾル溶液を適量加えて均一混合することによっても、本発明の第1の光触媒塗料を製造することができる。
 次に、本発明の第2の光触媒塗料の製造方法について説明する。
 先ず、第1の光触媒塗料と同様の酸化チタン粉末を用意し、この酸化チタン粉末を分散剤の存在下で、分散媒中に均一に分散させて第1分散液を調製する。第1分散液中では酸化チタン粉末が分散媒及び分散剤により分散されている。次いで、酸化アルミニウム粉末を分散剤の存在下で、分散媒中に均一に分散させて第2分散液を調製する。第2分散液中では酸化アルミニウム粉末が分散媒及び分散剤により分散されている。次に、第1分散液及び第2分散液とバインダとを混合して調製することで本発明の第2の光触媒塗料が得られる。
 これらの第1及び第2光触媒塗料を例えばスピンコーターにより所定の基材表面に塗布し、乾燥することにより、その表面に光触媒塗膜を有するコーティング部材が得られる。
 また基材表面に無機質の下地層を形成し、この下地層の上に光触媒塗料を塗布、乾燥して光触媒膜を形成して光触媒機能を有する光触媒塗膜を得ることもできる。本発明の光触媒塗料を用いた基材への塗布方法としては、スピンコート法、ディッピング法、スプレー法等により施すことができるが、特に塗布方法は限定されない。
 本発明の基材に使用される材質には、ガラス、プラスチック、金属、木材、タイルを含むセラミック、セメント、コンクリート、石、繊維、紙及び皮革からなる群より選ばれる。ガラスとしては、蛍光灯、窓等の室内環境浄化(汚染物質分解)ガラス、水槽、生け簀等の水質浄化ガラス、車の防曇ガラス、CRT(ブラウン管ディスプレイ)、LCD(液晶ディスプレイ)、PDP(プラズマディスプレイパネル)画面、窓、鏡、眼鏡等の防汚ガラス、カメラ、光学機器の防汚、防黴レンズ等がある。プラスチックとしては、AV機器、コンピューター、マウス、キーボード、リモコン、フロッピーディスク(登録商標)、等の機器及びその周辺製品、車の内装品、家具、キッチン、風呂、洗面所等で使用する家庭用品等の使用する防汚、抗菌、防黴プラスチック等がある。金属としては、物干し台、物干し竿、キッチン、実験室等の作業台や洗い場、換気扇等に使用する防汚、抗菌、防黴ステンレス、防汚、抗菌処理ドアノブ等がある。木材の用途としては、防汚家具、公園の抗菌遊技施設等がある。タイルを含むセラミック、セメント、コンクリート、石等の建材としては、防汚処理した外壁材、屋根、床材等、室内環境浄化(汚染物質分解)性を持つ内壁材、防汚、抗菌、防黴処理した各種内装品等がある。紙としては、抗菌処理文房具等に使用できる。フィルム等の繊維としては、食品包装用透明抗菌フィルム、野菜保存用透明エチレンガス分解フィルム、環境、水質浄化用フィルム等がある。このように各種基材は、防汚、環境浄化、抗菌、防黴の効果を有するので、太陽光や蛍光灯等から発せられる紫外線の照射が可能な条件であれば、例示した以外でも多くの用途に使用することができる。無機質の下地層としてはシリカ、アルミナ等が挙げられる。本発明のコーティング材により表面被覆を行った石材加工品、壁材又は硝子は透明性及び硬度に優れるとともに高い分解性能を示す。
 本発明の光触媒塗膜を形成可能な基材として、車両、車両用及び道路用ミラー、車両用ガラス、車両用照明灯とそのカバー、レンズ、照明用蛍光灯とそのカバー、ガラス、トンネル用内装材及び照明灯とそのカバー、プラスチックフィルム及びシート、プラスチック成形体、各種建材、内装材及び建物付属物、食器、換気扇、眼鏡、鏡、天然及び合成繊維及び布帛、紙、ブラウン管、カバーガラス、ゴーグル、マスクシールド、標識、看板、金属板、家電製品のハウジング、燒結金属フィルター、ガードレール、ビニールハウス、調理レンジとそのフード、流し台、衛生器具、浴槽、家具、屋外照明用固定材、室内もしくは屋外展示物と表示物、屋外用家具と遊具、屋外固定構造物、石材加工品等が挙げられる。
 なお、本発明の光触媒塗料中に各種顔料を混合したり、各種顔料を含んだ塗料と本発明の塗料を混合して使用することもできる。
 本発明の多層光触媒塗膜は、シリケート又はアルコキシシランを加水分解してシリカゾルを調製し、前述した光触媒塗膜上にシリカゾルを塗布することで形成する。このように形成したオーバーコート膜によって、従来と同等の光触媒効果を有し、かつ透明性に優れ、高い硬度が得られる。光触媒塗膜表面にシリカゾルを塗布してオーバーコート塗膜を形成したとき、光触媒塗膜及びオーバーコート塗膜の膜厚が合計50nm〜1000nmの範囲内に規定される。シリカゾルはSiO2換算で0.1重量%〜5重量%である。光触媒塗膜表面にシリカゾルを塗布して、光触媒塗膜及びオーバーコート塗膜の膜厚が合計50nm〜1000nmの多層塗膜を形成したとき、形成した多層塗膜は、その平均面粗さRaが2.0nm〜11nmの範囲内となるように規定される。
 次に本発明の実施例を比較例とともに詳しく説明する。
<実施例1>
 アナターゼ型結晶の(101)面の回折ピーク半値幅から求めた(101)面の面間隔d値が3.492Å〜3.548Å、ルチル型結晶の(110)面の回折ピーク半値幅から求めた(110)面の面間隔d値が3.234Å〜3.269Åであり、アナターゼ含有量84%の酸化チタン粉末(以下、この粉末を酸化チタン粉末(A)という。)を用意した。
 有機溶媒に4.7重量%のメチルアルコールと95.3重量%のエチルアルコールの混合アルコール40g、β-ジケトンに2,4-ペンタンジオン0.25g、上記化学式(1)に示されるチタネート系カップリング剤0.25g、酸化チタン粉末(A)10gを混合し、ジルコニアビーズ100gにより16時間ペイントシェーカーにて分散させた。この分散液に10重量%シリカゾル溶液11gを混合し、光触媒塗料を調製した。調製した光触媒塗料をスピンコーターでガラス基板に塗布し、125℃で1時間乾燥させることにより、ガラス基板表面に光触媒薄膜が形成されたコーティング材を得た。
<実施例2>
 有機溶媒に10.2重量%のメチルアルコールと89.8重量%のエチルアルコールの混合アルコール150g、上記化学式(1)に示されるチタネート系カップリング剤0.1gを用いた以外は実施例1と同様にして光触媒塗料を調製し、実施例1と同様の方法でガラス基板表面に光触媒薄膜を形成した。
<比較例1>
 アナターゼ型結晶の(101)面の回折ピーク半値幅から求めた(101)面の面間隔d値が3.431Å〜3.600Åである、アナターゼ含有量100%の酸化チタン粉末(以下、この粉末を酸化チタン粉末(B)という。)を用意した。
 酸化チタン粉末(B)10gを用いた以外は実施例1と同様にして光触媒塗料を調製し、実施例1と同様の方法でガラス基板表面に光触媒薄膜を形成した。
<比較例2>
 酸化チタン粉末(B)10gを用いた以外は実施例2と同様にして光触媒塗料を調製し、実施例2と同様の方法でガラス基板表面に光触媒薄膜を形成した。
<比較試験1>
 実施例1、2及び比較例1、2で得られたコーティング材の光触媒薄膜について光触媒薄膜のヘイズ、鉛筆硬度及び光触媒活性をそれぞれ測定した。なお、ヘイズ測定には、スガ試験機社製ヘイズコンピューターHGM−3Dを用いた。また光触媒活性は、以下に示す手順により求めた除去率を光触媒活性の指標とした。先ず、光触媒薄膜を塗布したガラス基板を1Lのガラス(パイレックス;登録商標)製容器に入れて密閉した。次いで容器内に350ppm(初期濃度)のアセトアルデヒドを導入した。次に、容器を照射量1.2mW/cm2の紫外線ランプで2時間照射した。照射後の容器内部のアセトアルデヒド濃度をガス検知管(ガステック社製)で測定し、下記に示す式に基づいて除去率を求めた。
 除去率[%]=[(初期濃度−光照射後の濃度)÷初期濃度]×100
 実施例1、2及び比較例1、2で得られたコーティング材の光触媒薄膜について測定した結果を表1にそれぞれ示す。
Figure 2004143453
 表1より明らかなように、本発明の範囲外である酸化チタン粉末を用いた比較例1,2では、ヘイズが高く透明性に劣り、鉛筆による硬度でもHと柔らかく、アセトアルデヒド除去率も80%と低い数値を示している。これに対して実施例1,2ではヘイズが極めて低く、鉛筆による硬度も3H〜4Hと硬く、アセトアルデヒド除去率は95%と高い除去率を示した。
<実施例3>
 有機溶媒に4.7重量%のメチルアルコールと95.3重量%のエチルアルコールの混合アルコール200g、β-ジケトンに2,4-ペンタンジオン0.25g、上記化学式(2)に示されるチタネート系カップリング剤0.2g、酸化チタン粉末(A)10gを混合し、ジルコニアビーズ100gにより16時間ペイントシェーカーにて分散させた。この分散液を酸化チタン含有分散液とした。
 酸化アルミニウム結晶の(040)面の回折ピーク半値幅から求めた(040)面の面間隔d値が1.920Å〜2.035Å、(046)面の回折ピーク半値幅から求めた(046)面の面間隔d値が1.360Å〜1.425Åの範囲を満たす酸化アルミニウム粉末(以下、この粉末を酸化アルミニウム粉末(A)という。)を用意した。有機溶媒に4.7重量%のメチルアルコールと95.3重量%のエチルアルコールの混合アルコール100g、β-ジケトンに2,4-ペンタンジオン0.2g、酸化アルミニウム粉末(A)20gを混合し、ジリコニアビーズ200gにより16時間ペイントシェーカーにて分散させた。この分散液を有機溶媒で希釈して酸化アルミニウムの固形分濃度を2.5重量%とした。この分散液を酸化アルミニウム含有分散液とした。
 得られた酸化チタン粉末含有分散液7.0g、酸化アルミニウム含有分散液1.8g及び10重量%シリカゾル溶液1.0gをそれぞれ添加、混合し、この混合液をスピンコーターでガラス基板に塗布し、125℃で1時間乾燥させることにより、ガラス基板表面に光触媒薄膜が形成されたコーティング材を得た。この光触媒薄膜に含まれる酸化チタンと酸化アルミニウムの含有割合は、重量比で9:1であった。
<実施例4>
 実施例3で得られた酸化チタン粉末含有分散液4.0g、実施例3で得られた酸化アルミニウム含有分散液4.0g及び10重量%シリカゾル溶液1.0gをそれぞれ添加、混合し、この混合液をスピンコーターでガラス基板に塗布し、125℃で1時間乾燥させることにより、ガラス基板表面に光触媒薄膜が形成されたコーティング材を得た。この光触媒薄膜に含まれる酸化チタンと酸化アルミニウムの含有割合は、重量比で6.5:3.5であった。
<実施例5>
 実施例3で得られた酸化チタン粉末含有分散液1.6g、実施例3で得られた酸化アルミニウム含有分散液7.2g及び10重量%シリカゾル溶液1.0gをそれぞれ添加、混合し、この混合液をスピンコーターでガラス基板に塗布し、125℃で1時間乾燥させることにより、ガラス基板表面に光触媒薄膜が形成されたコーティング材を得た。この光触媒薄膜に含まれる酸化チタンと酸化アルミニウムの含有割合は、重量比で3:7であった。
<実施例6>
 実施例3で得られた酸化チタン粉末含有分散液0.9g、実施例3で得られた酸化アルミニウム含有分散液8.0g及び10重量%シリカゾル溶液1.0gをそれぞれ添加、混合し、この混合液をスピンコーターでガラス基板に塗布し、125℃で1時間乾燥させることにより、ガラス基板表面に光触媒薄膜が形成されたコーティング材を得た。この光触媒薄膜に含まれる酸化チタンと酸化アルミニウムの含有割合は、重量比で2:8であった。
<実施例7>
 実施例3で得られた酸化チタン粉末含有分散液をスピンコーターでガラス基板に塗布し、125℃で1時間乾燥させることにより、ガラス基板表面に光触媒薄膜が形成されたコーティング材を得た。
<評価1>
 比較試験1と同様の手法を用いて、実施例3〜7で得られたコーティング材の光触媒薄膜について光触媒薄膜のヘイズ、鉛筆硬度及び光触媒活性をそれぞれ測定した。実施例3〜7で得られたコーティング材の光触媒薄膜について測定した結果を表2にそれぞれ示す。
Figure 2004143453
 表2より明らかなように、酸化チタン粉末のみを用いた実施例7に比べて、酸化チタンと酸化アルミニウムの双方を用いた実施例3〜6では、鉛筆による硬度が4H〜6Hと硬い結果が得られた。
<実施例8>
 先ず、実施例7で得られたガラス基板表面に光触媒薄膜が形成されたコーティング材を用意した。また、シリケート(商品名:Mシリケート;多摩化学社製)100gにメチルアルコール1400gを入れ攪拌した後、18.2gの水を添加し、更に攪拌した。この液に2重量%塩酸を1.5g添加し、35℃で10時間攪拌し、シリカゾル含有オーバーコート塗料(以下、この塗料を塗料(A)という。)を調製した。調製したオーバーコート塗料(A)はSiO2換算で3.35重量%であった。次に、シリカゾル含有オーバーコート塗料(A)をスピンコーターでコーティング材表面に塗布し、125℃で1時間乾燥させることにより、ガラス基板表面に光触媒薄膜と、その上にオーバーコート膜が形成されたコーティング材を得た。
<実施例9>
 先ず、有機溶媒にエチルアルコール150g、上記化学式(2)に示されるチタネート系カップリング剤0.1gを用いた以外は実施例1と同様にして光触媒塗料を調製し、実施例1と同様の方法でガラス基板表面に光触媒薄膜が形成されたコーティング材を得た。次いで、正珪酸エチル100gにメチルアルコール2850gを入れ攪拌した後、17.3gの水を添加し、更に攪拌した。この液に2重量%塩酸を1.5g添加し、35℃で10時間攪拌し、シリカゾル含有オーバーコート塗料(以下、この塗料を塗料(B)という。)を調製した。調製したオーバーコート塗料(B)はSiO2換算で1.0重量%であった。次に、シリカゾル含有オーバーコート塗料(B)をスピンコーターでコーティング材表面に塗布し、125℃で1時間乾燥させることにより、ガラス基板表面に光触媒薄膜と、その上にオーバーコート膜が形成されたコーティング材を得た。
<実施例10>
 先ず、実施例7で得られたガラス基板表面に光触媒薄膜が形成されたコーティング材を用意した。次いで、正珪酸エチル10gにメチルアルコール2870gを入れ攪拌した後、1.73gの水を添加し、更に攪拌した。この液に2重量%塩酸を0.2g添加し、35℃で10時間攪拌し、シリカゾル含有オーバーコート塗料(以下、この塗料を塗料(C)という。)を調製した。調製したオーバーコート塗料(C)はSiO2換算で0.1重量%であった。次に、シリカゾル含有オーバーコート塗料(C)をスピンコーターでコーティング材表面に塗布し、125℃で1時間乾燥させることにより、ガラス基板表面に光触媒薄膜と、その上にオーバーコート膜が形成されたコーティング材を得た。
<実施例11>
 先ず、実施例9で得られたガラス基板表面に光触媒薄膜が形成されたコーティング材を用意した。次いで、正珪酸エチル100gにメチルアルコール460gを入れ攪拌した後、17.3gの水を添加し、更に攪拌した。この液に2重量%塩酸を1.5g添加し、35℃で10時間攪拌し、シリカゾル含有オーバーコート塗料(以下、この塗料を塗料(D)という。)を調製した。調製したオーバーコート塗料(D)はSiO2換算で5.0重量%であった。次に、シリカゾル含有オーバーコート塗料(D)をスピンコーターでコーティング材表面に塗布し、125℃で1時間乾燥させることにより、ガラス基板表面に光触媒薄膜と、その上にオーバーコート膜が形成されたコーティング材を得た。
<比較例3>
 光触媒塗料(商品名:ST−K211;石原産業社製)を用意し、この光触媒塗料をスピンコーターでガラス基板に塗布し、125℃で1時間乾燥させることにより、ガラス基板表面に光触媒薄膜が形成されたコーティング材を得た。この基板を室温に戻し、実施例8で得られたオーバーコート塗料(A)をスピンコーターでガラス基板に塗布し、125℃で1時間乾燥させることにより、ガラス基板表面に光触媒薄膜と、その上にオーバーコート膜が形成されたコーティング材を得た。
<比較例4>
 光触媒塗料(商品名:ビストレイター;日本曹達社製)を用意し、この光触媒塗料をスピンコーターでガラス基板に塗布し、125℃で1時間乾燥させることにより、ガラス基板表面に光触媒薄膜が形成されたコーティング材を得た。この基板を室温に戻し、実施例9で得られたオーバーコート塗料(B)をスピンコーターでガラス基板に塗布し、125℃で1時間乾燥させることにより、ガラス基板表面に光触媒薄膜と、その上にオーバーコート膜が形成されたコーティング材を得た。
<比較試験2>
 比較試験1と同様の手法を用いて、実施例8〜11、比較例3及び4で得られたコーティング材について光触媒薄膜のヘイズ、鉛筆硬度及び光触媒活性をそれぞれ測定した。実施例8〜11、比較例3及び4で得られたコーティング材について測定した結果を表3にそれぞれ示す。
Figure 2004143453
 表3より明らかなように、本発明の範囲外である光触媒塗料を用いた比較例3では、アセトアルデヒド除去率が極めて低い数値を示した。また、比較例4ではヘイズが高く透明性に劣り、鉛筆による硬度でも6B以下と非常に柔らかかった。これに対して実施例8〜11ではヘイズが極めて低く、鉛筆による硬度も3H〜4Hと硬く、アセトアルデヒド除去率は60%〜84%とオーバーコート膜を施しているにもかかわらず、高い除去率を示した。

Claims (35)

  1.  酸化チタン粉末を含む光触媒塗料において、
     前記酸化チタン粉末がアナターゼ型結晶構造を含み、前記アナターゼ型結晶の(101)面の回折ピーク半値幅から求めた(101)面の面間隔d値が3.478Å〜3.562Åの範囲を満たすことを特徴とする光触媒塗料。
  2.  酸化チタン粉末、酸化アルミニウム粉末、バインダ、分散剤及び分散媒をそれぞれ含むことを特徴とする光触媒塗料。
  3.  酸化チタン粉末と酸化アルミニウム粉末の含有重量割合が2:8〜9:1である請求項2記載の光触媒塗料。
  4.  酸化チタン粉末がアナターゼ型結晶構造を含み、前記アナターゼ型結晶の(101)面の回折ピーク半値幅から求めた(101)面の面間隔d値が3.478Å〜3.562Åの範囲を満たし、かつ、面間隔d値の下限値が3.480Å〜3.504Å、上限値が3.531Å〜3.550Åの範囲を満たす請求項1ないし3いずれか1項に記載の光触媒塗料。
  5.  酸化チタン粉末がルチル型結晶構造を含み、前記ルチル型結晶の(110)面の回折ピーク半値幅から求めた(110)面の面間隔d値の下限値が3.222Å〜3.243Å、上限値が3.255Å〜3.280Åの範囲を満たす請求項1ないし4いずれか1項に記載の光触媒塗料。
  6.  酸化チタン粉末がルチル型結晶構造とアナターゼ型結晶構造をそれぞれ含み、前記酸化チタン粉末が次の式(1)で示されるアナターゼ含有量を70%〜95%の割合で満たす請求項1ないし5いずれか1項に記載の光触媒塗料。
     アナターゼ含有量(%)=100/(1+1.265×IR/IA) …(1)
     但し、IRはルチル型強度であり、IAはアナターゼ型強度である。
  7.  酸化チタン粉末の平均一次粒子径が10nm〜30nmである請求項1ないし6いずれか1項に記載の光触媒塗料。
  8.  酸化チタン粉末の酸化チタン純度が99.5%以上である請求項1ないし7いずれか1項に記載の光触媒塗料。
  9.  酸化チタン粉末に含まれるHCl含有量が0.3%以下である請求項1ないし8いずれか1項に記載の光触媒塗料。
  10.  酸化チタン粉末に含まれるSiO2含有量が0.2%以下、Al23含有量が0.3%以下、Fe23含有量が0.01%以下である請求項1ないし9いずれか1項に記載の光触媒塗料。
  11.  酸化チタン粉末は、揮発性チタン化合物を高温気相中で加水分解することにより製造された粉末である請求項1ないし10いずれか1項に記載の光触媒塗料。
  12.  酸化チタン粉末の含有量が0.1〜20重量%である請求項1ないし11いずれか1項に記載の光触媒塗料。
  13.  酸化アルミニウム粉末は気相法により製造され、前記酸化アルミニウム粉末を形成する結晶の(040)面の回折ピーク半値幅から求めた(040)面の面間隔d値が1.920Å〜2.035Åの範囲を満たし、かつ、(046)面の回折ピーク半値幅から求めた(046)面の面間隔d値が1.360Å〜1.425Åの範囲を満たす請求項2又は3記載の光触媒塗料。
  14.  酸化アルミニウム粉末を形成する結晶の(040)面の回折ピーク半値幅から求めた(040)面の面間隔d値の下限値が1.924Å〜1.958Å、上限値が1.996Å〜2.025Åの範囲で、(046)面の回折ピーク半値幅から求めた(046)面の面間隔d値の下限値が1.370Å〜1.385Å、上限値が1.400Å〜1.415Åの範囲を満たす請求項2、3又は13記載の光触媒塗料。
  15.  酸化アルミニウム粉末のBET法による比表面積が85m2/g〜120m2/gを満たす請求項2、3、13又は14記載の光触媒塗料。
  16.  酸化アルミニウム粉末の平均一次粒径が10nm〜30nmである請求項2、3、13、14又は15記載の光触媒塗料。
  17.  酸化アルミニウム粉末の含有量が0.05重量%〜20重量%である請求項2、3、13、14、15又は16記載の光触媒塗料。
  18.  基材表面に塗料を50nm〜1000nmの厚さで塗布して塗膜を形成する請求項1ないし17いずれか1項に記載の光触媒塗料。
  19.  基材表面に塗料を50nm〜500nmの厚さで塗布して塗膜を形成したとき、前記形成した塗膜のヘイズ値が1以下である請求項1ないし18いずれか1項に記載の光触媒塗料。
  20.  基材表面に塗料を50nm〜1000nmの厚さで塗布して塗膜を形成したとき、前記形成した塗膜の平均面粗さRaが2.0nm〜11nmの範囲内となる請求項1ないし19いずれか1項に記載の光触媒塗料。
  21.  基材表面に塗料を50nm〜1000nmの厚さで塗布して塗膜を形成したとき、前記形成した塗膜がヘーズ値1.0以下、可視光透過率85%以上の高透明性、鉛筆硬度2H以上の高硬度を有する請求項1ないし20いずれか1項に記載の光触媒塗料。
  22.  塗料中に分散媒、分散剤及びバインダを含有する請求項1ないし21いずれか1項に記載の光触媒塗料。
  23.  酸化チタン粉末を分散剤の存在下で、分散媒中に均一に分散させた後、バインダと混合することを特徴とする光触媒塗料の製造方法。
  24.  酸化チタン粉末を分散剤の存在下で、分散媒中に均一に分散させて第1分散液を調製し、酸化アルミニウム粉末を分散剤の存在下で、分散媒中に均一に分散させて第2分散液を調製し、前記第1分散液及び前記第2分散液とバインダとを混合して調製することを特徴とする光触媒塗料の製造方法。
  25.  酸化チタン粉末が分散媒及び分散剤により分散されている請求項23又は24記載の光触媒塗料の製造方法。
  26.  酸化アルミニウム粉末が分散媒及び分散剤により分散されている請求項24記載の光触媒塗料の製造方法。
  27.  請求項1ないし22いずれか1項に記載の光触媒塗料又は請求項23ないし26いずれか1項に記載の製造方法により得られた光触媒塗料を基材表面に塗布して形成させたことを特徴とする光触媒機能を有する光触媒塗膜。
  28.  基材表面に無機質の下地層と、前記下地層の上に光触媒塗料から形成された光触媒膜とを有する請求項27記載の光触媒塗膜。
  29.  基材がガラス、プラスチック、金属、木材、タイルを含むセラミック、セメント、コンクリート、石、繊維、紙及び皮革からなる群より選ばれた材質である請求項27又は28記載の光触媒塗膜。
  30.  無機質の下地層がシリカ又はアルミナからなる請求項28記載の光触媒塗膜。
  31.  基材が車両、車両用及び道路用ミラー、車両用ガラス、車両用照明灯とそのカバー、レンズ、照明用蛍光灯とそのカバー、ガラス、トンネル用内装材及び照明灯とそのカバー、プラスチックフィルム及びシート、プラスチック成形体、各種建材、内装材及び建物付属物、食器、換気扇、眼鏡、鏡、天然及び合成繊維及び布帛、紙、ブラウン管、カバーガラス、ゴーグル、マスクシールド、標識、看板、金属板、家電製品のハウジング、燒結金属フィルター、ガードレール、ビニールハウス、調理レンジとそのフード、流し台、衛生器具、浴槽、家具、屋外照明用固定材、室内もしくは屋外展示物と表示物、屋外用家具と遊具、屋外固定構造物及び石材加工品からなる群より選ばれた請求項27ないし29いずれか1項に記載の光触媒塗膜。
  32.  シリケート又はアルコキシシランを加水分解してシリカゾルを調製し、請求項27ないし31いずれか1項に記載の光触媒塗膜上に前記シリカゾルを塗布したことを特徴とする多層光触媒塗膜。
  33.  シリカゾルはSiO2換算で0.1重量%〜5重量%である請求項32記載の多層光触媒塗膜。
  34.  光触媒塗膜表面にシリカゾルを塗布してオーバーコート塗膜を形成したとき、前記光触媒塗膜及び前記オーバーコート塗膜の膜厚が合計50nm〜1000nmである請求項32又は33記載の多層光触媒塗膜。
  35.  光触媒塗膜表面にシリカゾルを塗布して、前記光触媒塗膜及びオーバーコート塗膜の膜厚が合計50nm〜1000nmの多層塗膜を形成したとき、前記形成した多層塗膜の平均面粗さRaが2.0nm〜11nmの範囲内となる請求項32ないし34いずれか1項に記載の多層光触媒塗膜。
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