JPH08157743A - 二酸化チタンのコーティング液、及びそのコ−ティング方法 - Google Patents

二酸化チタンのコーティング液、及びそのコ−ティング方法

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JPH08157743A
JPH08157743A JP33148194A JP33148194A JPH08157743A JP H08157743 A JPH08157743 A JP H08157743A JP 33148194 A JP33148194 A JP 33148194A JP 33148194 A JP33148194 A JP 33148194A JP H08157743 A JPH08157743 A JP H08157743A
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正明 前川
Satoshi Takeuchi
聡 竹内
Zenichi Yamada
善市 山田
Susumu Minowa
晋 蓑輪
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Abstract

(57)【要約】 【目的】製品の表面に、簡便でしかも耐水性、耐久性に
優れた二酸化チタンのコ−ティング層が成形できる二酸
化チタンのコ−ティング液及びそのコ−ティング方法を
提供することを目的とする。 【構成】平均粒子径が0.2μm以下の二酸化チタン
0.1〜80重量%、表面処理剤0.01〜10重量
%、及び分散媒15〜99.89重量%からなる二酸化
チタンのコ−ティング液及びそのコ−ティング方法

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、雑菌やカビの増殖防
止、有害化学物質の分解など生活空間の環境浄化に広く
利用できる二酸化チタンのコーティング液に関するもの
で、プラスチック成形加工法である射出成形法、真空注
型法、吹込み成形法、発泡成形法、カレンダー成形法、
溶融押出しラミネート法、RIM成形法などにおいて
は、二酸化チタンのコーティング液を型、ロールなどに
噴霧塗布してからプラスチックに転写し、真空成形法、
圧空成形法、加圧成形法などにおいては、プラスチック
シートに噴霧塗布してから加熱・成形して二酸化チタン
を固定することにより、二酸化チタンのコーティング層
を持ったプラスチックの製造に利用できる。
【0002】
【従来の技術と問題点】水溶液に半導体の粉末を分散
し、その物質のバンドギャップ以上のエネルギーを持つ
光を照射すると、光励起により生成した電子と正孔が半
導体粒子表面に移動し、水溶液中のイオン種や分子種に
作用して、水の分解など様々な反応を引き起こすこと
は、半導体光触媒反応としてよく知られている。二酸化
チタンはバンドギャップが 3 eVと大きいことから、エ
ネルギーの大きな紫外光しか利用できないと考えられて
いたが、最近になって、二酸化チタンの粒子径が小さく
なるに連れて活性が飛躍的に高まる(約 0.2μm以下で
飽和)ことが分ってきた。その理由は粒子径が小さくな
るに従って、粒子内部で生成した電子と正孔が再結合す
る前に、粒子表面に達しやすくなるからであると考えら
れている。
【0003】このような微粒子の二酸化チタンに蛍光灯
や自然光などの弱い光を照射すれば、有機物質(微生
物、微生物によるぬめり、油汚れ、悪臭、有害化学物質
など)が速やかに分解されることを利用して、生活環境
の様々な場面における浄化が可能となる。例えば、トリ
ハロメタンなど水中の有害物質の分解、水道水のカビ臭
除去、トイレ臭の分解、事務所・家庭の部屋に付着した
タバコ臭の分解、キッチンの壁に飛散した油汚れの分
解、換気扇の油汚れの分解、風呂などの壁・天井の雑菌
・カビの増殖防止、台所・風呂用品のぬめり防止、テー
ブルクロスの汚れの分解、便器・タイルの微生物による
汚れ防止、水槽の緑藻繁殖防止、水苔の繁殖防止、海難
事故などで流出した原油の分解、PCBなど難分解性の化
学物質の分解、院内感染防止、空気中の細菌の殺菌など
が挙げられる。これら用途の内、水中の有害物質の分解
など水に関わる用途の場合、微粉末の二酸化チタンでは
取扱が困難であるため、特開平6-65012号公報には、チ
タンのアルコキシドから二酸化チタンのゾルを作り、デ
ィップコーティング法によってガラス基板上にコーティ
ングした後、乾燥、焼成し、透明で耐水性、耐熱性、耐
久性に優れた二酸化チタン膜光触媒が提案されている
が、これはガラス・セラミックスなど無機物質にしか利
用できなかった。その他の用途では、手っ取り早いのは
二酸化チタンを材料であるプラスチックに混ぜ、または
塗料に混ぜて製品に塗布することであるが、二酸化チタ
ンは有機物であるプラスチックも塗料も分解してしまう
ので利用できなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
に鑑みて成されたもので、製品の表面に、簡便でしかも
耐水性・耐久性に優れた二酸化チタンのコーティング層
が形成できる二酸化チタンコーティング液、及びそのコ
−ティング方法を提供することを目的とするものであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明における二酸化チタンコ−ティング液は平
均粒子径が 0.2μm以下の二酸化チタン 0.1〜80重量
%、表面処理剤0.01〜10重量%、及び分散媒15〜99.89
重量%からなることを特徴とするものである。本発明に
係わる二酸化チタンは、平均粒子径が 0.2μm以下のア
ナターゼ及びルチルの結晶形態のものを用いることがで
きる。平均粒子径が小さいほど、少量で大きな面積をカ
バーでき、透明性に優れ、分散性も良いのでより望まし
い。また、平均粒子径が 0.2μmを越えると活性が劣
る。
【0006】本発明に係わる表面処理剤としては、イソ
プロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピ
ルトリオクタノイルチタネート、イソプロピルトリクミ
ルフェニルチタネート、イソプロピルトリドデシルベン
ゼンスルホニルチタネート、イソプロピルトリ(ジオク
チルホスフェート)チタネート、イソプロピルトリ(N-
アミドエチル・アミノエチル)チタネート、イソプロピ
ルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート
イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネー
ト、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネー
ト、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイ
ト)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホ
ススファイト)チタネート、テトラ(2,2-ジアリルオキ
シメチル-1-ブチル)ビス(ジトリデシル)ホスファイ
トチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)
オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロ
ホスフェート)エチレンチタネート、ジクミルフェニル
オキシアセテートチタネート、ジイソステアロイルエチ
レンチタネートなどのチタネート系カップリング剤、ア
ルミニウムエチレート、アルミニウムイソプロピレー
ト、アルミニウムイソプロピレートモノセカンダリーブ
チレート、アルミニウムセカンダリーブチレートなどの
アルミニウムアルコレート、アルミニウムアルキルアセ
トアセテートジイソプロピレート、アルミニウムビスエ
チルアセトアセテートモノアセチルアセトネートなどの
アルミニウムキレート剤、アルキルリン酸エステル類、
アスパラギン酸エステル類、ビニルトリクロルシラン、
ビニルトリス(βメトキシエトキシ)シラン、ビニルト
リエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニル
トリアセトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルト
リメトキシシラン、β-(3,4エポキシシクロヘキシル)
エチルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピル
トリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルメチル
ジエトキシシラン、N-β-(アミノエチル)-γ-アミノプ
ロピルトリメトキシシラン、N-β-(アミノエチル)-γ-
アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-β-(N-ビニ
ルベンジルアミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメト
キシシラン塩酸塩、γ-アミノプロピルトリエトキシシ
ラン、N-フェニル-γ-アミノプロピルトリメトキシシラ
ン、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ-ク
ロロプロピルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシ
シラン、メチルトリエトキシシラン、ヘキサメチルジシ
ラザン、オクタデシルジメチル[3-(トリメトキシシリ
ル)プロピル]アンモニウムクロライド、ポリメチルグ
リシジロキシプロピルシロキサン,ポリオキシエチレン
ポリアルキルシロキサン,ポリアルキルアルコキシシロ
キサン共重合体などのシラン系カップリング剤、フッ素
化炭素鎖含有アルミニウム化合物、及び、ポリフルオロ
アルキルリン酸エステル類、パーフルオロアルキルリン
酸塩類、パーフルオロアルキルシラン類、パーフルオロ
アルキルシラザン類、ポリヘキサフルオロプロピレンオ
キシド類、パーフルオロアルキル基含有直鎖状オルガノ
シロキサン、パーフルオロアルキル基含有環状オルガノ
シロキサン、パーフルオロポリエーテルなどのフッ素油
剤などが挙げられるが、これらに限定されるものではな
い。これら表面処理剤は、親水性の表面を有す二酸化チ
タンとよく結合する加水分解性の親水性基部分と、プラ
スチックとよく接着する疎水基部分とを持っており、プ
ラスチックに転写、または噴霧された二酸化チタンは、
加熱により表面処理剤の働きでプラスチックによく接着
し、簡単に脱落することがない。また、対象とするプラ
スチックと親和性を持った疎水基部分を有する表面処理
剤を選定することがより好ましい。
【0007】本発明に係わる分散媒は、エタノール、メ
タノール、N-プロパノール、N-プロパノール、イソプロ
パノール、第二ブタノールなどのアルコール類、N-ヘキ
サン、ベンゼン、トルエンなどの炭化水素類、塩化メチ
レン、四塩化炭素、1,1,1-トリクロルエタン、フロン14
1b、フルオロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素類、エ
チレングリコールなどの多価アルコール類、アセトン、
メチルエチルケトンなどのケトン類、酢酸エチルなどの
エステル類、ジメチルシリコーンオイルなどのシリコン
油類、及び水などから1種以上を選択して使用する。本
発明に係わる二酸化チタンのコーティング液は、二酸化
チタン 0.1〜80重量%、表面処理剤0.01〜10重量%、及
び分散媒15〜99.89重量%とを混合することによって得
られる。二酸化チタンが 0.1重量%未満では、多量に塗
布しないと効果が得られ難く、80重量%を越えると塗布
が困難となる。 0.5〜10重量%の範囲がより好ましい。
また、表面処理剤は0.01重量%未満では、型、シートま
たはロールに付着し難く、10重量%を越えるとプラスチ
ックの表面荒らすので好ましくない。なお、二酸化チタ
ンを分散媒に分散させるために公知の湿式粉砕機、攪拌
機、超音波分散機などを利用してもよく、公知の分散
剤、界面活性剤を添加してもよい。
【0008】本発明者らは、また前述の課題を解決する
ため二酸化チタンコーティング液を噴霧器を使用して直
径が10〜 300μmの微細な液滴としてプラスチック成形
用金型の内面に噴霧塗布した後、該プラスチック成形用
金型を用いてプラスチックを成形して、プラスチックの
表面に二酸化チタンを転写させること及び二酸化チタン
コーティング液を、噴霧器を使用して、直径が10〜 300
μmの微細な液滴として、プラスチックシートの表面に
予め噴霧塗布してからプラスチックを加熱し、プラスチ
ック成形用金型を用いてプラスチックを成形することに
より、二酸化チタンをプラスチック表面に固定せしめる
ことを提案する。
【0009】本発明に係わる噴霧器としては、2流体ノ
ズル及びスプレー缶を挙げることができる。2流体ノズ
ルは、気体と液体を混合する機構を持ったノズルで、直
径が10〜 300μmの範囲にある微細な液滴を作ることが
できる。スプレー缶はLPガスなどの噴射剤で2流体ノ
ズル以上の微細なエアゾールを生成させることができ、
取扱が簡単であるという特徴がある。また、コーティン
グ液をそのまま型、ロール、またはシートに塗布した場
合は、濡れ性が悪いと斑に付着し、また、均一に塗布し
ても、分散媒が気化するとき表面張力で二酸化チタンが
凝集し、やはり斑となるといった問題がある。それに対
して、微細な液滴を噴霧塗布した場合は、濡れ性が悪く
ても液滴が均一に付着するので、分散媒が気化しても二
酸化チタンを均一に分布させることができるという優れ
た効果がある。噴霧液滴径が 300μmを越えると、隣接
した液滴が合一しやすくなり、分布が不均一になるので
好ましくない。噴霧液滴径が10μm未満となると、型、
ロール、またはシートに当っても跳ね返ってしまって、
ほとんど付着しなくなるので使えない。本発明による二
酸化チタンコーティング液が適用できる樹脂は、熱可塑
性樹脂、熱硬化性樹脂および架橋ゴム類を単独または複
合して用いることができ、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ABS樹脂、AAS樹脂、ACS樹脂、ナイロン、
ポリアミド、ポリエステル、塩化ビニル、アクリル変性
塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリ
アセタール、ポリビニルアルコール、ポリカーボネー
ト、ビニリデン、セルロースプラスチック、エバ樹脂、
アクリル樹脂、弗素樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹
脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ
樹脂、ウレタン樹脂、ポリウレタンエラストマー、ポリ
エステルエラストマー、天然ゴムおよび合成ゴムなどを
挙げることができるがこれらに限定されるものではな
い。
【0010】本発明による二酸化チタンコーティング液
を噴霧器で、型、ロール、またはシートに噴霧し、加熱
・成形すると表面処理剤の働きで二酸化チタンがプラス
チックによく接着し、簡単に脱落することがないので、
耐水性、耐久性に優れた表面に二酸化チタンのコーティ
ング層を持ったプラスチックが得られる。プラスチック
の表面に二酸化チタンが接着された状態となっているの
で、光触媒としての性能にも優れ、プラスチック母材が
分解される速度も遅く、例え、二酸化チタンが脱落した
としても外観は全く変化がないという特徴もある。
【0011】
【実施例】
1.二酸化チタンコーティング液の調製 [実施例1]エタノール 1kgに二酸化チタン( P25、デ
グサ社製、平均粒子径 21nm)10gとチタネート系カップ
リング剤(味の素(株)製、品番KR TTS)0.1gを加え、
ホモジナイザーで10分間分散混合して二酸化チタンを1
重量%含むコーティング液を得た。
【0012】2.転写による二酸化チタンコーティング
液のコ−ティング方法 [実施例2]実施例1で得た二酸化チタンコーティング
液を攪拌機付きのタンク(スプレーイングシステムスジ
ャパン 製、SCU-PA型スプレー・カート・ユニット)に
入れ、2流体ノズルを用い射出成形機の金型にコーティ
ング液を、50mmx 50mmの面積に対して1秒間噴霧した
後、この金型によりプラスチックを成形した。更に、成
形品から切り取った試験片(50mmx 50mm)の表面をメタ
ノールを含ませたガーゼで 100回拭いた(以下「試験片
A1」という)。プラスチックはポリプロピレン(三井
東圧製、ノーブレンJHG)を用いた。成形加工温度は 230
℃であった。また、コーティング液をスプレーしない
で、金型を清浄にして同様にプラスチックを成形し、ブ
ランクの試験片を得た(以下「試験片A0」という)。
【0013】3.加熱・成形による二酸化チタンコーテ
ィング液のコ−ティング方法 [実施例3]実施例1で得た二酸化チタンコーティング
液を攪拌機付きのタンク(スプレーイングシステムスジ
ャパン 製、SCU-PA型スプレー・カート・ユニット)に
入れ、2流体ノズルを用いアクリル変性塩化ビニルシー
ト(カイダック1715、筒中プラスチック製)にコーティ
ング液を、50mmx 50mmの面積に対して1秒間噴霧した
後、真空成形機によりプラスチックを成形した。更に、
シートから切り取った試験片(50mmx 50mm)の表面をメ
タノールを含ませたガーゼで 100回拭いた(以下「試験
片B1」という)。シート加熱温度は 190℃であった。
また、コーティング液をスプレーしないで、同様にプラ
スチックを成形し、ブランクの試験片を得た(以下「試
験片B0」という)。
【0014】[実施例4]実施例1で得た二酸化チタン
コーティング液を攪拌機付きのタンク(スプレーイング
システムスジャパン 製、SCU-PA型スプレー・カート・
ユニット)に入れ、2流体ノズルを用いポリエチレンフ
ィルム(膜厚 0.1mm)にコーティング液を、50mmx 50mm
の面積に対して1秒間噴霧した後、加熱ローラに通し
た。更に、フィルムから切り取った試験片(50mmx 50m
m)の表面をメタノールを含ませたガーゼで 100回拭い
た(以下「試験片C1」という)。ローラーの加熱温度
は 200℃であった。また、コーティング液をスプレーし
ないで、同様に加熱ローラを通して、ブランクの試験片
を得た(以下「試験片C0」という)。
【0015】4.防カビ試験 [実施例5]実施例2〜4で得た試験片について防カビ
試験を行なった。あらかじめ滅菌しておいたポテトデキ
ストロース寒天培地をシャーレに入れ固化させた。その
寒天培地の上に試験片(25x50x2.5mm)を置いた。 0.00
5%スルホコハク酸ジオクチルナトリウム水溶液10m
に別途培養したアスペルギルス・ニガー(IFO 4414)を5
白金耳取り、遠心分離により胞子を分離する。その胞子
をGPLP培地10mに入れた菌液をシャーレのテストピ
ースの上に噴霧し、室温で14日間蛍光灯( 100W)を照
射した。その結果(表1)から、本発明の製造方法によ
る試験片は、メタノールを含ませたガーゼで 100回拭い
たにも拘らず顕著な防カビ効果が認められた。
【0016】
【表1】
【0017】5.抗菌性試験 [実施例6]実施例2〜4で得た試験片を30mm×30mmに
切り直して抗菌性試験を行なった。試験菌は乾燥に強い
黄色ブドウ球菌(IFO 12732)を普通寒天培地に移植し、
35±1℃で16〜24時間培養(前培養)した菌を普通ブイ
ヨン培地に1白金耳移植し、35±1℃で16〜20時間静置
培養する。この静置培養した菌液 0.5 を普通寒天培地
50 に混合してから、滅菌シャーレに流し込んで平板状
に固化させ、35±1℃で16〜20時間培養する。次に、接
種用菌の培地表面に滅菌ビロード布(直径28mm)を置
き、直ちにその上に重り(約30gシリコン栓)を乗せ、
瞬時に重りを取り去ることにより、ビロード布に菌を付
着させる。菌が付着したビロード布を、滅菌シャーレに
入れた試験片(30mm×30mm)の上に置いた後、重りを乗
せて菌を試験片に転写(1〜 5×105 の菌が転写される)
する。これら操作を行った後、室温で、3時間蛍光灯(
100W)を照射した。3時間後の試験片について、それぞ
れ試験片に付着している菌を SCDLP培地10mlを用いて滅
菌シャーレ中に十分に洗い出し、この洗い出し液中の生
菌数を、標準寒天培地を使用した寒天平板培養法( 35〜
37℃で48時間培養)により測定した。その結果(表2)
から、本発明の製造方法による試験片は、メタノールを
含ませたガーゼで 100回拭いたにも拘らず顕著な抗菌性
が認められた。
【0018】
【表2】
【0019】
【発明の効果】本発明は、雑菌やカビの増殖防止、有害
化学物質の分解など生活空間の環境浄化に広く利用でき
る二酸化チタンのコーティング液に関するもので、プラ
スチック成形加工法である射出成形法、真空注型法、吹
込み成形法、発泡成形法、カレンダー成形法、溶融押出
しラミネート法、RIM成形法などにおいては、二酸化
チタンのコーティング液を型、ロールなどに噴霧塗布し
てからプラスチックに転写し、真空成形法、圧空成形
法、加圧成形法などにおいては、プラスチックシートに
噴霧塗布してから加熱・成形して二酸化チタンを固定す
ることにより、二酸化チタンのコーティング層を持った
プラスチックの製造に利用できる。本発明による二酸化
チタンのコーティング層を持ったプラスチックの製造方
法は、広くプラスチック成形加工法である射出成形法、
真空成形法、圧空成形法、加圧成形法、真空注型法、吹
込み成形法、発泡成形法、カレンダー成形法、溶融押出
しラミネート法、RIM成形法などにおいて利用できる
ものであり、本発明による二酸化チタンのコーティング
層を持ったプラスチックは、雑菌やカビの増殖防止、有
害化学物質の分解など生活空間の環境浄化に広く応用で
き、資するところ大である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒子径が 0.2μm以下の二酸化チタ
    ン 0.1〜80重量%、表面処理剤0.01〜10重量%、及び分
    散媒15〜99.89重量%からなる二酸化チタンを含むコー
    ティング液
  2. 【請求項2】 平均粒子径が 0.2μm以下の二酸化チタ
    ン 0.1〜80重量%、表面処理剤0.01〜10重量%及び分散
    媒15〜99.89重量%からなる二酸化チタンコーティング
    液を、噴霧器を使用して直径が10〜300μmの微細な液滴
    として、プラスチック成形用金型の内面に噴霧塗布した
    後、該プラスチック成形用金型を用いてプラスチックを
    成形してプラスチックの表面に二酸化チタンを転写させ
    ることを特徴とする二酸化チタンコーティング液のコ−
    ティング方法
  3. 【請求項3】 平均粒子径が 0.2μm以下の二酸化チタ
    ン 0.1〜80重量%、表面処理剤0.01〜10重量%及び分散
    媒15〜99.89重量%からなる二酸化チタンコーティング
    液を、噴霧器を使用して直径が10〜300μmの微細な液滴
    として、プラスチックシ−トの表面に予め噴霧塗布して
    から該プラスチックシ−トを加熱し、プラスチック成形
    用金型を用いてプラスチックを成形することにより二酸
    化チタンをプラスチック表面に固定せしめることを特徴
    とする二酸化チタンのコーティング方法
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