JP2008127372A - 抗菌加工方法及びその製品 - Google Patents
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Abstract
【課 題】プラスチック材料、天然又は合成の繊維質材料、無機質材料又は金属質材料等の基材の防臭性、防汚性、抗菌性に優れ、難燃性で硬質の抗菌加工方法、表面処理剤及び得られた製品の提供。
【解決手段】(A)銀抗菌剤を、(B)アミノ基を含むシラン化合物と(C)ホウ素化合物とをアルコールに溶解した溶液とを反応して得られるガラス質のゾル液に配合させ、さらに適宜の(D)金属アルコオキシ及び(E)合成樹脂成分を添加してなる配合液を適宜の基材表面に塗布又は噴霧し、自然状態での加水分解によりゲル化させて抗菌剤を基材表面に固定することによって抗菌加工する方法、そのための表面処理剤及び得られた製品。
【選択図】なし
【解決手段】(A)銀抗菌剤を、(B)アミノ基を含むシラン化合物と(C)ホウ素化合物とをアルコールに溶解した溶液とを反応して得られるガラス質のゾル液に配合させ、さらに適宜の(D)金属アルコオキシ及び(E)合成樹脂成分を添加してなる配合液を適宜の基材表面に塗布又は噴霧し、自然状態での加水分解によりゲル化させて抗菌剤を基材表面に固定することによって抗菌加工する方法、そのための表面処理剤及び得られた製品。
【選択図】なし
Description
本発明は、銀抗菌剤を含む無機ガラス質のゾル・ゲル法を利用してプラスチック材料、天然又は合成の繊維質材料、無機質材料又は金属質材料等の適宜の基材の表面に銀抗菌剤を固定する抗菌加工方法、該抗菌加工のための被膜及び得られた製品に関する。
また、本発明の抗菌加工法では、適宜の基材の表面に防臭性、防汚性、抗菌性に優れ、難燃性で硬質の被膜を形成することができる。
さらに詳しくは、本発明は、銀抗菌剤とアミノ基を含むシラン化合物及び/又はホウ素化合物とを包含する無機ガラス質のゾルを適宜の基材表面に塗布し、自然状態での加水分解によりゲル化させ銀抗菌剤を基材に固定することにより、基材表面の防臭性、防汚性、抗菌性に優れ、難燃性を向上してなる抗菌加工方法、そのための表面処理剤及び得られた製品に関する。
また、本発明の抗菌加工法では、適宜の基材の表面に防臭性、防汚性、抗菌性に優れ、難燃性で硬質の被膜を形成することができる。
さらに詳しくは、本発明は、銀抗菌剤とアミノ基を含むシラン化合物及び/又はホウ素化合物とを包含する無機ガラス質のゾルを適宜の基材表面に塗布し、自然状態での加水分解によりゲル化させ銀抗菌剤を基材に固定することにより、基材表面の防臭性、防汚性、抗菌性に優れ、難燃性を向上してなる抗菌加工方法、そのための表面処理剤及び得られた製品に関する。
一般に代表的な抗菌剤としては、銀抗菌剤、光触媒用酸化チタン、有機系抗菌剤が知られるが、有機系抗菌剤は熱に弱く、分解しやすいために特定の目的にあった場合に用いられるのが殆どであり、耐久性のある銀抗菌剤や酸化チタン光触媒が多用されている。
従来、銀抗菌剤によるプラスチック成形品の抗菌加工は、プラスチックに銀抗菌剤を配合したマスターバッチ化をプラスチックに配合して成形する方法が一般的であり、例えば特開昭59-133235号公報、特開平7-33906号公報があるが、これらの方法では、銀抗菌剤がプラスチックの中に埋没してしまい、基材表面に抗菌剤の露出が少なくなり、抗菌効果は低いレベルでしか得られない。
さらに、特開平8-245301号公報では、ポリウレタン基体とその表面に形成された表皮層とからなる成形品において、表皮層にのみに銀抗菌剤が含有させて露出し易い成形品とすること、特開平9-40906号公報では、ウレタンフォーム成形体のモールドコートを、銀抗菌剤を含有するインモールド成形が提案をされているが、満足いくような抗菌効果は得られなかった。
従来、銀抗菌剤によるプラスチック成形品の抗菌加工は、プラスチックに銀抗菌剤を配合したマスターバッチ化をプラスチックに配合して成形する方法が一般的であり、例えば特開昭59-133235号公報、特開平7-33906号公報があるが、これらの方法では、銀抗菌剤がプラスチックの中に埋没してしまい、基材表面に抗菌剤の露出が少なくなり、抗菌効果は低いレベルでしか得られない。
さらに、特開平8-245301号公報では、ポリウレタン基体とその表面に形成された表皮層とからなる成形品において、表皮層にのみに銀抗菌剤が含有させて露出し易い成形品とすること、特開平9-40906号公報では、ウレタンフォーム成形体のモールドコートを、銀抗菌剤を含有するインモールド成形が提案をされているが、満足いくような抗菌効果は得られなかった。
銀抗菌剤は、一般細菌からカビ、酵素にも有効で殺菌効果自体の汎用性はあるが、特定の化合物によって抗菌効果が失活すること、銀の反応性によって使用した製品が着色し易いことに欠点があり、銀抗菌剤として代表的な銀ゼオライトでも求めるような抗菌ハローが得られなかった。
一方、光触媒用酸化チタンは、失活条件が少なくて多用されているが、抗菌作用を発揮するためには光エネルギーが必要であるが、光触媒用酸化チタンを固定するのにバインアダーを用いたときにバインダー中に埋没して光触媒作用が低下する問題がある。
例えば、特開2005-287304号公報では、光触媒用酸化チタンとしてアナターゼ型二酸化チタンを、バインダーとして酢酸ビニル系エマルジョンを用いて固定しているが、チタンがバインダーに埋没してしまい、抗菌効果は表面に露出するチタンの部分でのみ光によって反応するので、本来の光触媒作用が限られていた。
一方、光触媒用酸化チタンは、失活条件が少なくて多用されているが、抗菌作用を発揮するためには光エネルギーが必要であるが、光触媒用酸化チタンを固定するのにバインアダーを用いたときにバインダー中に埋没して光触媒作用が低下する問題がある。
例えば、特開2005-287304号公報では、光触媒用酸化チタンとしてアナターゼ型二酸化チタンを、バインダーとして酢酸ビニル系エマルジョンを用いて固定しているが、チタンがバインダーに埋没してしまい、抗菌効果は表面に露出するチタンの部分でのみ光によって反応するので、本来の光触媒作用が限られていた。
そこで、これを改善するために、特開平11-169727号公報では、光遮蔽性の少ないシリカゾルをバインダーとして光触媒用酸化チタンを固定する方法、特開平10-000363号公報では、加水分解性を有するシリカゲル基含有ビニル系共重合体、オルガノシランの加水分解物及びオルガノシランの加水分解物の部分縮合物からなる群より選ばれた1種の加水分解性ケイ素化合物又は溶剤可溶型フッ素樹脂に光触媒用チタンを配合して基材に塗布して、光化学活性を有する塗膜による抗菌加工、特開2003-290662号公報では、ベルオキソテタン酸水溶液とアナターゼ型酸化チタンゾルとルチル型酸化チタン粉末を混合して塗布し、光触媒体の成膜による抗菌加工が知られているが、抗菌効果は十分なものではなかった。
さらに、抗菌効果を上げるために、光触媒用酸化チタンにさらに銀イオンを配合する技術もあり、例えば特開2004-154779号公報では、光触媒用チタンだけでは抗菌効果が遅いので、メチルトリエトキシシラン、2−プロパノール、水、塩酸等を特定のモル比に調整し、さらに硝酸銀及び硝酸銅2重量%の存在下に加水分解してゾルとし、このゾルに光触媒用チタンを混合した配合液を基材に塗布し、これを加熱処理する方法が提案されている。しかしながら、この技術では、硝酸銀を用いるので、銀イオンを40ppbレベルで徐放することができず、着色も防止できないので、光触媒用酸化チタンと銀の併用は旨くいかないことが報告されている。
上述するように光触媒用チタンの抗菌作用の光のなくなった際の遅効持続性を、銀抗菌剤を併用して補うことができれば、極めて有益と考えられるが、未だ具現化されていない。
この原因としては、光触媒より発生する活性酸素によって、銀抗菌剤の銀イオンが金属化されて抗菌性が失活するために併用が旨くいかないものと考えられるが、抗菌剤の固定に必要なバインダーが光を遮蔽して光触媒作用を低減する問題や、プラスチック系のバインダーは、活性酸素の影響で分解や劣化する等バインダーにも問題があるものとも考えられる。
上述するように光触媒用チタンの抗菌作用の光のなくなった際の遅効持続性を、銀抗菌剤を併用して補うことができれば、極めて有益と考えられるが、未だ具現化されていない。
この原因としては、光触媒より発生する活性酸素によって、銀抗菌剤の銀イオンが金属化されて抗菌性が失活するために併用が旨くいかないものと考えられるが、抗菌剤の固定に必要なバインダーが光を遮蔽して光触媒作用を低減する問題や、プラスチック系のバインダーは、活性酸素の影響で分解や劣化する等バインダーにも問題があるものとも考えられる。
上述するように従来技術では、光触媒用酸化チタンを併用した場合であっても、銀抗菌剤の単独使用であっても、銀イオンの安定化が図られ、且つ、難燃性で、基材表面の硬質が維持できるような抗菌加工は知られていなかった。
そこで、これらの問題を解決するために、基材表面の防臭性、防汚性、抗菌性に優れ、難燃性で硬質の抗菌加工方法を提供することを課題とするものである。
そこで、これらの問題を解決するために、基材表面の防臭性、防汚性、抗菌性に優れ、難燃性で硬質の抗菌加工方法を提供することを課題とするものである。
本発明では、上記問題を解決するために、アミノ基を含むシラン化合物とホウ素化合物の反応による反応生成物を含む高分子物質組成物の透明なガラス質のゾル液に光触媒用チタン及び/又は銀抗菌剤を配合して、基材表面に塗布又は噴霧し、自然状態での加水分解によりゲル化し抗菌剤を基材に固定することにより、基材表面の防臭性、防汚性、抗菌性に優れ、難燃性で硬質の抗菌加工方法及び上記抗菌加工によって得られた製品を特徴とする。
本発明は、以下の構成を基本として上記問題点を解決するものである。
(1)(A)銀抗菌剤を、(B)アミノ基を含むシラン化合物と(C)ホウ素化合物とを反応させて得られるガラス質のゾルに配合してなる配合液を適宜の基材の表面に塗布又は噴霧し、自然状態での加水分解によりゲル化させて銀抗菌剤を基材に固定することを特徴とする基材の抗菌加工方法。
(2)ホウ素化合物は、炭素数1〜7のアルコールに溶解した液として使用することを特徴とする(1)の基材の抗菌加工方法。
(3)追加的に(D)金属アルコオキシ及び/又は(E)合成樹脂成分を配合してなる配合液を用いることを特徴とする(1)又は(2)に記載の基材の抗菌加工方法。
(4)追加的に(F)光触媒用酸化チタンを配合してなる配合液を用いることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の基材の抗菌加工方法。
(5)上記銀抗菌剤が、銀ゼオライト、銀ガラス、銀リン酸ジルコニウムより選ばれた1種類又は2種類以上であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の抗菌加工方法。
(6)上記(1)〜(5)のいずれかに記載の配合液からなることを特徴とする表面加工剤。
(7)上記(6)に記載の配合液を、金型内面に塗布又は噴霧してインモールドで射出成型することを特徴とするプラスチック成形体の製造方法。
(8)上記(6)に記載の配合液を、転写シートに塗布又は噴霧し、該転写シートに被膜を形成し、その後該被膜に適宜の模様を印刷し、上記印刷した転写シートを金型に挿入し、インモールドでプラスチック成型加工することを特徴とするプラスチック成形体の製造方法。
(9)上記(6)に記載の配合液より得られることを特徴とする抗菌加工被膜。
(10)上記請求項1〜5に記載のいずれかの抗菌加工されてなることを特徴とする製品。
(11)上記(8)又は(9)に記載の製造方法で製造されてなることを特徴とする製品。
(1)(A)銀抗菌剤を、(B)アミノ基を含むシラン化合物と(C)ホウ素化合物とを反応させて得られるガラス質のゾルに配合してなる配合液を適宜の基材の表面に塗布又は噴霧し、自然状態での加水分解によりゲル化させて銀抗菌剤を基材に固定することを特徴とする基材の抗菌加工方法。
(2)ホウ素化合物は、炭素数1〜7のアルコールに溶解した液として使用することを特徴とする(1)の基材の抗菌加工方法。
(3)追加的に(D)金属アルコオキシ及び/又は(E)合成樹脂成分を配合してなる配合液を用いることを特徴とする(1)又は(2)に記載の基材の抗菌加工方法。
(4)追加的に(F)光触媒用酸化チタンを配合してなる配合液を用いることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の基材の抗菌加工方法。
(5)上記銀抗菌剤が、銀ゼオライト、銀ガラス、銀リン酸ジルコニウムより選ばれた1種類又は2種類以上であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の抗菌加工方法。
(6)上記(1)〜(5)のいずれかに記載の配合液からなることを特徴とする表面加工剤。
(7)上記(6)に記載の配合液を、金型内面に塗布又は噴霧してインモールドで射出成型することを特徴とするプラスチック成形体の製造方法。
(8)上記(6)に記載の配合液を、転写シートに塗布又は噴霧し、該転写シートに被膜を形成し、その後該被膜に適宜の模様を印刷し、上記印刷した転写シートを金型に挿入し、インモールドでプラスチック成型加工することを特徴とするプラスチック成形体の製造方法。
(9)上記(6)に記載の配合液より得られることを特徴とする抗菌加工被膜。
(10)上記請求項1〜5に記載のいずれかの抗菌加工されてなることを特徴とする製品。
(11)上記(8)又は(9)に記載の製造方法で製造されてなることを特徴とする製品。
本発明で調製された無水配合液は、基材に塗布又は噴霧して抗菌加工を行うことができるが、これとは別に無水配合液を噴霧乾燥を施して抗菌性微粒子にして該微粒子をプラスチックや合成繊維に混合するか又は表面に固定して難燃性の抗菌加工をすることができる。着色黄変が防止され、光触媒に対しても銀イオンが安定化され、しかも独特の微粒子による抗菌加工をすることができる。
本発明の防菌加工法の適用可能な製品としては、プラスチック質材料、天然又は合成の繊維質材料、無機質材料又は金属質材料等であり、その具体的なプラスチック成形品では、成形品に塗布する抗菌ハードコートの他に、インモールドにより成形と同時に抗菌塗装をすることができ、成形時に本発明の抗菌微粒子を配合すると、高度の難燃性及び抗菌性を付与することができる。
また、本発明の防菌加工法をフィルム等に適用すると、ガラス質母液をラミネートするので、水蒸気バリアの抗菌フィルムとしてアルミニウムラミネートに代替品としての抗菌性のバリヤーフィルムとして食品用、医薬用、化粧品用の包材として使用可能である。
さらに、繊維製品では、病院用の白衣、寝装、インテリア、自動車用シートベルト、シート等において難燃性で耐洗たく性の優れた抗菌加工として期待できる。
また、本発明の抗菌加工処理は、合成繊維の表面をガラス質による抗菌性コーティングによって抗菌効果のみでなく難燃性も向上するものと期待される。
本発明の防菌加工法の適用可能な製品としては、プラスチック質材料、天然又は合成の繊維質材料、無機質材料又は金属質材料等であり、その具体的なプラスチック成形品では、成形品に塗布する抗菌ハードコートの他に、インモールドにより成形と同時に抗菌塗装をすることができ、成形時に本発明の抗菌微粒子を配合すると、高度の難燃性及び抗菌性を付与することができる。
また、本発明の防菌加工法をフィルム等に適用すると、ガラス質母液をラミネートするので、水蒸気バリアの抗菌フィルムとしてアルミニウムラミネートに代替品としての抗菌性のバリヤーフィルムとして食品用、医薬用、化粧品用の包材として使用可能である。
さらに、繊維製品では、病院用の白衣、寝装、インテリア、自動車用シートベルト、シート等において難燃性で耐洗たく性の優れた抗菌加工として期待できる。
また、本発明の抗菌加工処理は、合成繊維の表面をガラス質による抗菌性コーティングによって抗菌効果のみでなく難燃性も向上するものと期待される。
本発明の抗菌加工方法は、 (B)アミノ基を含むシラン化合物と(C)ホウ素化合物のアルコール溶液とを反応させて得られるガラス質のゾルに、(A)銀抗菌剤を配合してなる配合液を適宜の基材の表面に塗布又は噴霧し、自然状態での加水分解によりゲル化させて銀抗菌剤を基材に固定することがベース技術になっているが、ここで用いる(A)銀抗菌剤としては、銀ゼオライト、銀ガラス、銀リン酸ジルコニウムより選ばれた1種類又は2種類以上であるが、銀ゼオライトにはゼオミック(シナネンゼオミック株式会社製品)が適当で、銀ガラスにはミリオンキラー(興亜硝子株式会社製品)及びイオンピュア(石塚硝子株式会社製品)があり、銀リン酸ジルコニウムにはノバロン(東亜合成株式会社製品)を用いるのが適当である。
本発明において、(C)ホウ素化合物のアルコール溶液と反応することによって、ガラス質のゾルを形成するために用いる(B)アミノ基を含むシラン化合物は、以下の式で表わされるものである。
R4-n −Si−(OR’)n
(式中、Rはアミノ基含有の有機基を表し、R’はメチル基、エチル基又はプロピル基を表し、nは1〜3から選ばれた整数を表す。)
上記アミノ基含有の有機基のRとしては、モノアミノメチル、ジアミノメチル、トリアミノメチル、モノアミノエチル、ジアミノエチル、トリアミノエチル、テトラアミノプロピル、モノアミノブチル、ジアミノブチル、トリアミノブチル、テトラアミノブチル及びこれらより炭素数の多いアルキル基又はアリール基を有する有機基等を挙げることができるが、それらに限定されるものではなく、γ−アミノプロピルやアミノエチルアミノプロピルが特に好ましい。
また、R’は、上述するようにメチル基、エチル基又はプロピル基の中で、特にメチル基及びエチル基が好ましい。
上記アミノ基を含むシラン化合物の適当な化合物としては、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシランが特に好ましい。
R4-n −Si−(OR’)n
(式中、Rはアミノ基含有の有機基を表し、R’はメチル基、エチル基又はプロピル基を表し、nは1〜3から選ばれた整数を表す。)
上記アミノ基含有の有機基のRとしては、モノアミノメチル、ジアミノメチル、トリアミノメチル、モノアミノエチル、ジアミノエチル、トリアミノエチル、テトラアミノプロピル、モノアミノブチル、ジアミノブチル、トリアミノブチル、テトラアミノブチル及びこれらより炭素数の多いアルキル基又はアリール基を有する有機基等を挙げることができるが、それらに限定されるものではなく、γ−アミノプロピルやアミノエチルアミノプロピルが特に好ましい。
また、R’は、上述するようにメチル基、エチル基又はプロピル基の中で、特にメチル基及びエチル基が好ましい。
上記アミノ基を含むシラン化合物の適当な化合物としては、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシランが特に好ましい。
また、上記(B)アミノ基を含むシラン化合物に反応させてガラス質のゾルを製造するための他方の反応物である(C)ホウ素化合物のアルコール溶液としては、H3BO3又はB2O3より選ばれたホウ素化合物を炭素1〜7のアルコールに溶解した溶液を使用する。
アルコールとしては、メチルアルコール、エチルアルコール、各種プロピルアルコール、各種ブチルアルコール、及びグリセリン等の炭素数1〜7のアルコールが適当である。
アルコールとしては、メチルアルコール、エチルアルコール、各種プロピルアルコール、各種ブチルアルコール、及びグリセリン等の炭素数1〜7のアルコールが適当である。
本発明における上記(B)アミノ基を含むシラン化合物と(C)ホウ素化合物のアルコール溶液とを反応させるときの反応における、各成分使用量は、(B)アミノ基を含むシラン化合物に対する(C) ホウ素化合物のアルコール溶液の配合量として、(B)成分1モルに対して(C)成分0.02モル〜6モルの比率、特に0.5〜5モルが好ましい。0.02モル未満では、固化に長時間を要したり、固化できなくなる。また、6モル以上は溶解が難しくなり、適当でない。
さらに温度、時間は適宜選択することができるが、室温で数分から数十分で透明な粘稠な液体となり、さらに固化する時間は、(B)ホウ素化合物の使用量で異なるが、本発明では、水を使用することなく自然条件で加水分解が進行するところに特徴がある。
さらに温度、時間は適宜選択することができるが、室温で数分から数十分で透明な粘稠な液体となり、さらに固化する時間は、(B)ホウ素化合物の使用量で異なるが、本発明では、水を使用することなく自然条件で加水分解が進行するところに特徴がある。
さらに、(B)アミノ基を含むシラン化合物と(C)ホウ素化合物のアルコール溶液との反応によって得られたガラス質の透明ゾルに、(A)銀抗菌剤として銀ゼオライト、銀ガラス又は銀リン酸ジルコニウムより選ばれたものを配合することによって、抗菌効果を発揮することはできる。また、銀抗菌剤に加えて(F)光触媒用チタンを添加することにより、銀抗菌剤に対して光触媒の活性酸素の影響を防止することができるが、バインダーの透明度が高いガラス質であるので、光触媒に対して遮蔽することなく、分解や劣化し難い特徴がある。
このときの(A)銀抗菌剤の使用量は、0.05重量%〜5重量%(ゾル基準)であり、同じく (F)光触媒用チタンは0.05重量%〜5重量%)混合するのが適当である。
このときの(A)銀抗菌剤の使用量は、0.05重量%〜5重量%(ゾル基準)であり、同じく (F)光触媒用チタンは0.05重量%〜5重量%)混合するのが適当である。
しかしながら、(B)アミノ基を含むシラン化合物と(C)ホウ素化合物のアルコール溶液との反応によって得られたガラス質の透明ゾルに、(A)銀抗菌剤単独又は光触媒用チタンを銀抗菌剤と併用したときには、 (B)アミノ基を含むシラン化合物と(C)ホウ素化合物のアルコール溶液とを反応させた無水配合液自体はガラス質のゾルであって、銀抗菌剤を該ゾルで包皮したものでは抗菌効果は発揮することはできても、乾燥後には薄い塗膜となり、クラックが入り易い。
そこで、クラックを防止するために、追加的に(D)金属アルコオキシ及び/又は(E)合成樹脂成分を配合するとクラックや割れ防止に有効である。
添加するのに適当な(D)金属アルコオキシの金属元素としては、Si、Ti又はZrが好ましく、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基及びブトキシ基があり、好ましい金属アルコオキシとしては、テトラメトキシシラン及びテトラエトキシシラン(TEOS)を挙げることができる。
そこで、クラックを防止するために、追加的に(D)金属アルコオキシ及び/又は(E)合成樹脂成分を配合するとクラックや割れ防止に有効である。
添加するのに適当な(D)金属アルコオキシの金属元素としては、Si、Ti又はZrが好ましく、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基及びブトキシ基があり、好ましい金属アルコオキシとしては、テトラメトキシシラン及びテトラエトキシシラン(TEOS)を挙げることができる。
また、ガラス質の壊れるのを防止する目的のために上記(D)金属アルコオキシとともに使用する(E)合成樹脂成分としては、ビニルエステルモノマー、エポキシ(メタ)アクリレートモノマー、又はジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートモノマーより選ばれた単位を有する合成樹脂成分が好ましいが、さらに(メタ)アクリル単位、エポキシ単位、ポリエステル単位、アミノ単位、ウレタン単位、フラン単位を有する成分の様々な重合度を有する合成樹脂成分を1重量%〜40重量%加えることが好ましい。1重量%(ゾル基準)未満の添加はクラック防止に有効でなく、40重量%(ゾル基準、以下同じ)以上の添加は本発明のガラス質による難燃性の硬質の抗菌加工が得られなくなる。
また、本発明では、上述するように上記銀抗菌剤による抗菌効果をさらに向上させるために、(F)光触媒用酸化チタンを使用することができるが、適当なものとしては、ジュピター(昭和電工株式会社製品)、ミラクルチタン(株式会社田中転写製品)を挙げることができる。
上記(A)〜(E)ないし(A)〜(F)の成分の処方によって調製された無水配合液は、透明ゾル状態となっており、このゾル状態で適宜の基材表面に塗布することにより、自然状態での加水分解、例えば室温で15分程度でタック性がなくなり、2〜3日で空気中の水分が作用して加水分解反応によるゲル化が進行して硬化して基材表面に被膜を形成する。
表面被膜は、窒素酸化物等の分解性、防臭性、防汚性、抗菌ハロー性に優れ、ガラス質のコーティングにより銀抗菌剤の弱点である銀化合物による着色を防止することができるので、耐熱性、難燃性を有する硬質の被膜形成によって適宜の基材の抗菌加工をすることができる。
本発明の抗菌加工法は、プラスチック成形では、インモールド噴霧法により抗菌被膜を形成できる。
本発明の抗菌加工法は、プラスチック成形では、インモールド噴霧法により抗菌被膜を形成できる。
本発明の無水配合液は、基材表面に塗布することにより、室温で15分程度でタック性がない程度になり、2〜3日でガラス質がゲル化して、窒素酸化物等の分解性、防臭性、防汚性、抗菌ハロー性に優れ、ガラス質のコーティングにより銀抗菌剤の弱点である銀化合物による着色を防止することができる。
さらに、耐熱性、難燃性を有する硬質の抗菌加工をすることができる。プラスチック成形ではインモールド噴霧法により抗菌被膜を形成できる。
さらに、耐熱性、難燃性を有する硬質の抗菌加工をすることができる。プラスチック成形ではインモールド噴霧法により抗菌被膜を形成できる。
本発明の抗菌加工は、上記処理対象の適宜の基材としては、プラスチック材料、天然又は合成の繊維質材料、無機質材料又は金属質材料等に対して適用可能であり、これらの材料からなる製品としては、例えば病院用及び介護用の寝装寝具やカーテンに、食品衛生品のフイルム包材に、化粧品や化粧用具の包材や容器に、車両用吊輪、車両用シートベルト、車両用ステアリング、風呂、台所用品、家電製品、便座等に利用することができるが、これらに限られるものではない。
本発明は、以下の実施例によってより詳細に説明するが、本発明の範囲は、実施例の記載に限定されるものではない。
〔実施例1〜5〕
本発明の配合液に銀抗菌剤を配合した場合と、銀抗菌剤及び光触媒酸化チタンを配合した場合の、抗菌効果を説明するために、以下の配合及び加工を行った。
本発明の配合液に銀抗菌剤を配合した場合と、銀抗菌剤及び光触媒酸化チタンを配合した場合の、抗菌効果を説明するために、以下の配合及び加工を行った。
表1は、抗菌剤の配合処方を示すもので、ガラス質のゾルに配合する抗菌剤として、銀抗菌剤(銀ゼオライト)の単独使用で、かつ(B)のアミノシランと(C)のホウ素化合物のモル比を変えた場合を実施例1とし、追加的に(D)ホウ素化合物と(E)合成樹脂成分を併用した場合を実施例2〜5とした。実施例2〜4では、(B)アミノシランと(C)ホウ素化合物のモル比を変え、さらに実施例5では銀抗菌剤と光触媒酸化チタンを併用した場合とした。
また、比較例として、(B)アミノシランに対する(C)ホウ素化合物のモル比を極少(アミノシランの1/100モル量)とし、さらに(D)ホウ素化合物と(E)合成樹脂成分を用いない場合を比較例1に、(B)アミノシランに対する(C)ホウ素化合物のモル比を変え(アミノシランの1/10モル量)とし、追加的に(D)ホウ素化合物と(E)合成樹脂成分を使用した場合(比較例2)、(B)アミノシランに対する(C)ホウ素化合物を極少量(アミノシランの1/100モル量)で、且つ(D)ホウ素化合物と(E)合成樹脂成分を使用した場合(比較例3)、(B)アミノシランに対する(C)ホウ素化合物を過大量(アミノシランの7倍モル量)使用した場合(比較例4)、銀ゼオライトに代えて光触媒酸化チタンを使用した場合(比較例5)とした。
また、比較例として、(B)アミノシランに対する(C)ホウ素化合物のモル比を極少(アミノシランの1/100モル量)とし、さらに(D)ホウ素化合物と(E)合成樹脂成分を用いない場合を比較例1に、(B)アミノシランに対する(C)ホウ素化合物のモル比を変え(アミノシランの1/10モル量)とし、追加的に(D)ホウ素化合物と(E)合成樹脂成分を使用した場合(比較例2)、(B)アミノシランに対する(C)ホウ素化合物を極少量(アミノシランの1/100モル量)で、且つ(D)ホウ素化合物と(E)合成樹脂成分を使用した場合(比較例3)、(B)アミノシランに対する(C)ホウ素化合物を過大量(アミノシランの7倍モル量)使用した場合(比較例4)、銀ゼオライトに代えて光触媒酸化チタンを使用した場合(比較例5)とした。
※ 光触媒用酸化チタンとして、ジュピターF4-AP(昭和電工株式会社製品)
を用いた。
※※ TEOSは、金属アルコオキシとしてのテトラエトキシシランを、CY-232(商品名、ナガセケムテックス株式会社製)は、合成樹脂成分である。
(ゾル液の調製)
(B)成分のアミノシランとしてγ−アミノプロピルトリエトキシシラン1モル(212g)と(C)成分のホウ素化合物としてH3BO3とを、実施例1〜5にある設定モル量になるようにアミノシランに対するモル比を変えて、両成分をイソプロパノールに溶解して50重量%液とした溶解液を混合し、反応させて粘稠な液とした。
得られた粘稠液にさらにイソプロパノールを加えて希釈して固形分が20重量%なるようにゾル液を調整した。
該ゾル液固形分(20重量%)の1%に相当する量の(A)成分の銀ゼオライトとしてゼオミックAW-1ON(シナネンゼオミック製品)を配合した。
つづいて、実施例2〜5では、(D)成分の金属アルコキシとしてテトラエトキシシラン(TEOS)を4モルと、(E)成分のエポキシ樹脂としてデナタイトCY-232(ナガセケムテックス株式会社製品)5重量%(ゾル基準)を加えて上記、表1に示す配合液を調製した。
(B)成分のアミノシランとしてγ−アミノプロピルトリエトキシシラン1モル(212g)と(C)成分のホウ素化合物としてH3BO3とを、実施例1〜5にある設定モル量になるようにアミノシランに対するモル比を変えて、両成分をイソプロパノールに溶解して50重量%液とした溶解液を混合し、反応させて粘稠な液とした。
得られた粘稠液にさらにイソプロパノールを加えて希釈して固形分が20重量%なるようにゾル液を調整した。
該ゾル液固形分(20重量%)の1%に相当する量の(A)成分の銀ゼオライトとしてゼオミックAW-1ON(シナネンゼオミック製品)を配合した。
つづいて、実施例2〜5では、(D)成分の金属アルコキシとしてテトラエトキシシラン(TEOS)を4モルと、(E)成分のエポキシ樹脂としてデナタイトCY-232(ナガセケムテックス株式会社製品)5重量%(ゾル基準)を加えて上記、表1に示す配合液を調製した。
(抗菌加工処理)
表1に示す(B)成分のアミノシランと(C)成分のホウ素化合物が20重量%よりなる配合液を、イソプロパノールで5倍に希釈して用いた。
得られた希釈液に、ポリエステル繊維のカーテン生地を浸漬して40%絞率となるように絞液して、乾燥し、3日間自然状態で放置し、加水分解によるゲル化によって固化するようにした。
抗菌試験として、該カーテン生地を用いてJIS L-0884(1997),B-1法に基づく洗濯を行った後に、JIS Z-2801(2000)に基づく培養をして、8時間後の生菌数を測定した。
抗菌試験結果を表2に示す。
表1に示す(B)成分のアミノシランと(C)成分のホウ素化合物が20重量%よりなる配合液を、イソプロパノールで5倍に希釈して用いた。
得られた希釈液に、ポリエステル繊維のカーテン生地を浸漬して40%絞率となるように絞液して、乾燥し、3日間自然状態で放置し、加水分解によるゲル化によって固化するようにした。
抗菌試験として、該カーテン生地を用いてJIS L-0884(1997),B-1法に基づく洗濯を行った後に、JIS Z-2801(2000)に基づく培養をして、8時間後の生菌数を測定した。
抗菌試験結果を表2に示す。
※ 表中の光照射は、JIS R 1702による光触媒の抗菌加工試験方法に基づき、昼間の室内や朝夕の窓際の紫外線照度とされている360〜380nmの波長の光の紫外線蛍光ランプを培養試験時に0.10mW/cm2照射した場合を光照射ありとした。照射しなかった場合を光照射なしと記載した。
※※ 「ゾル液不可」はゾル液にならない。
(抗菌加工試験結果の評価)
菌種として大腸菌を使用した場合も、黄色ブドウ菌を使用した場合も、植菌数は105個/mLのオーダで植菌した。
通常レベル(無処理)では、8時間の培養で、菌は108個/mLレベルに増殖が示されている。
(B)成分のアミノ基を含むシラン化合物と(C)成分のホウ素化合物に、(A)成分の銀ゼオライトを配合した場合、実施例1に示すように優れた抗菌効果が得られる。抗菌加工を施す基材によって加工皮膜に、クラックや割れの発生が問題になる場合には(D)成分の金属アルコオキシと(E)成分の合成樹脂成分を配合することで改善される。〔0014〕に(B)成分1モルに対して(C)成分0.02〜6モルの反応モル比が好ましいと記載されており、実施例より該範囲で優れた抗菌効果が得られることが示されており、該範囲外では抗菌効果がよくないことが比較例に示されている。
菌種として大腸菌を使用した場合も、黄色ブドウ菌を使用した場合も、植菌数は105個/mLのオーダで植菌した。
通常レベル(無処理)では、8時間の培養で、菌は108個/mLレベルに増殖が示されている。
(B)成分のアミノ基を含むシラン化合物と(C)成分のホウ素化合物に、(A)成分の銀ゼオライトを配合した場合、実施例1に示すように優れた抗菌効果が得られる。抗菌加工を施す基材によって加工皮膜に、クラックや割れの発生が問題になる場合には(D)成分の金属アルコオキシと(E)成分の合成樹脂成分を配合することで改善される。〔0014〕に(B)成分1モルに対して(C)成分0.02〜6モルの反応モル比が好ましいと記載されており、実施例より該範囲で優れた抗菌効果が得られることが示されており、該範囲外では抗菌効果がよくないことが比較例に示されている。
〔実施例5〕
((A)銀抗菌剤と(F)光触媒用酸化チタンの併用例)
光触媒用酸化チタンとして、ジュピターF4―AP(昭和電工(株)製)を用いた。実施例5では、「光照射あり」と「光照射なし」でも抗菌効果が優れているが、光触媒のみの場合では、比較例5に示すとおり「光照射なし」では抗菌効果が得られないのである。
実施例5の「光照射なし」では、102個/mL以下の抗菌となっているのは併用による相乗効果である。
浴室やトイレの紫外線照度は、0.001mW/cm2であり、室内では光触媒の抗菌効果が得られ難いが、本発明による銀抗菌剤の併用は、銀抗菌剤単独や光触媒単独より明るい所でも暗所でも優れた抗菌効果が得られる。
また、合成樹脂の表面をガラス質による抗菌性コーティングにより、抗菌効果のみでなく難燃性が期待される。
((A)銀抗菌剤と(F)光触媒用酸化チタンの併用例)
光触媒用酸化チタンとして、ジュピターF4―AP(昭和電工(株)製)を用いた。実施例5では、「光照射あり」と「光照射なし」でも抗菌効果が優れているが、光触媒のみの場合では、比較例5に示すとおり「光照射なし」では抗菌効果が得られないのである。
実施例5の「光照射なし」では、102個/mL以下の抗菌となっているのは併用による相乗効果である。
浴室やトイレの紫外線照度は、0.001mW/cm2であり、室内では光触媒の抗菌効果が得られ難いが、本発明による銀抗菌剤の併用は、銀抗菌剤単独や光触媒単独より明るい所でも暗所でも優れた抗菌効果が得られる。
また、合成樹脂の表面をガラス質による抗菌性コーティングにより、抗菌効果のみでなく難燃性が期待される。
〔実施例6〕
(PPフィルムの抗菌加工)
ゾル液の調整は、(B)成分のシランと(C)成分のホウ素化合物による反応成分濃度が20重量%よりなる上記配合液を、さらにイソプロパノールで2倍に希釈して用いて、ポリプロピレンの無延伸(CPP)フィルム密度0.89g/cm3に塗布して乾燥した。
2日後には、塗布層が固化して厚さ10μmの抗菌性のコーティング層を有し、光があっても、光がなくても、早くて優れた抗菌効果が得られるCPPラミネートフィルムを得ることができた。
(PPフィルムの抗菌加工)
ゾル液の調整は、(B)成分のシランと(C)成分のホウ素化合物による反応成分濃度が20重量%よりなる上記配合液を、さらにイソプロパノールで2倍に希釈して用いて、ポリプロピレンの無延伸(CPP)フィルム密度0.89g/cm3に塗布して乾燥した。
2日後には、塗布層が固化して厚さ10μmの抗菌性のコーティング層を有し、光があっても、光がなくても、早くて優れた抗菌効果が得られるCPPラミネートフィルムを得ることができた。
〔実施例7〕
(ステアリングの抗菌加工)
ゾル液の調整は、(B)成分のシランと(C)成分のホウ素化合物による反応成分濃度が20重量%よりなる配合液を用いた。実施例3の配合液に準じたが銀抗菌剤は、銀ゼオライトを銀ガラス(ミリオンキラーPC−701)に置き換えた配合とした。インモールドで抗菌性のプラスチック成型により抗菌性の表層を有する成型に供した。
ポリウレタンフォームによる自動車用ハンドルの表面に抗菌性の皮膜を形成して抗菌効果を得るために、成型金型内部に上記配合液を噴霧して、次いでポリオール混合物の温度45℃、イソシアネート温度28℃、射出速度140g/sec、射出圧100kgf/cm2、射出時間3.5秒、金型温度55℃によりポリウレタンフォームの成型を行って、成型品の表面に20μmの厚さの抗菌性膜を設けた抗菌性のステアリングを得た。
従来、ステアリングに付着した手の汗や皮膚が殺菌の作用により不快な臭いや汚染の発生があり、その防止が課題であったが、本発明によるステアリングの抗菌加工では微生物の増殖しないクリーン性を保持することができ、さらに、細菌の作用による臭いや汚染の発生を防止できるので従来の課題であった防臭効果及び防汚効果も得られる。
(ステアリングの抗菌加工)
ゾル液の調整は、(B)成分のシランと(C)成分のホウ素化合物による反応成分濃度が20重量%よりなる配合液を用いた。実施例3の配合液に準じたが銀抗菌剤は、銀ゼオライトを銀ガラス(ミリオンキラーPC−701)に置き換えた配合とした。インモールドで抗菌性のプラスチック成型により抗菌性の表層を有する成型に供した。
ポリウレタンフォームによる自動車用ハンドルの表面に抗菌性の皮膜を形成して抗菌効果を得るために、成型金型内部に上記配合液を噴霧して、次いでポリオール混合物の温度45℃、イソシアネート温度28℃、射出速度140g/sec、射出圧100kgf/cm2、射出時間3.5秒、金型温度55℃によりポリウレタンフォームの成型を行って、成型品の表面に20μmの厚さの抗菌性膜を設けた抗菌性のステアリングを得た。
従来、ステアリングに付着した手の汗や皮膚が殺菌の作用により不快な臭いや汚染の発生があり、その防止が課題であったが、本発明によるステアリングの抗菌加工では微生物の増殖しないクリーン性を保持することができ、さらに、細菌の作用による臭いや汚染の発生を防止できるので従来の課題であった防臭効果及び防汚効果も得られる。
〔実施例8〕
(インモールド抗菌加工)
ゾル液の調整は、(B)成分のシランと、(C)成分のホウ素化合物による反応成分濃度が20重量%よりなる配合液を、イソプロピルアルコールにより2倍に希釈して用いた。実施例3の配合液に準じたが銀抗菌剤は、銀ゼオライトを銀ガラス(ミリオンキラーPC−701)に置き換えた配合とした。
(インモールド抗菌加工)
ゾル液の調整は、(B)成分のシランと、(C)成分のホウ素化合物による反応成分濃度が20重量%よりなる配合液を、イソプロピルアルコールにより2倍に希釈して用いた。実施例3の配合液に準じたが銀抗菌剤は、銀ゼオライトを銀ガラス(ミリオンキラーPC−701)に置き換えた配合とした。
〔実施例9〕
(化粧用具の抗菌加工)
ゾル液の調整は、(B)成分のシランと(C)成分のホウ素化合物によう反応成分濃度が20重量%よりなる実施例5の配合液を、イソプロピルアルコールにより110倍に希釈して用いた。化粧用塗布具に抗菌加工をした実施例を示す。化粧用の立毛パフ及び化粧用ブラシに実施例5の配合液を10倍に希釈した配合液を噴霧し乾燥した。立毛状態やブラシに無理な収束がなく、自然な広がり状態で仕上がり、抗菌性を防臭性を有する立毛パフとブラシを得た。
(化粧用具の抗菌加工)
ゾル液の調整は、(B)成分のシランと(C)成分のホウ素化合物によう反応成分濃度が20重量%よりなる実施例5の配合液を、イソプロピルアルコールにより110倍に希釈して用いた。化粧用塗布具に抗菌加工をした実施例を示す。化粧用の立毛パフ及び化粧用ブラシに実施例5の配合液を10倍に希釈した配合液を噴霧し乾燥した。立毛状態やブラシに無理な収束がなく、自然な広がり状態で仕上がり、抗菌性を防臭性を有する立毛パフとブラシを得た。
Claims (11)
- (A)銀抗菌剤を、(B)アミノ基を含むシラン化合物と(C)ホウ素化合物とを反応させて得られるガラス質のゾルに配合してなる配合液を適宜の基材の表面に塗布又は噴霧し、自然状態での加水分解によりゲル化させて銀抗菌剤を基材に固定することを特徴とする基材の抗菌加工方法。
- ホウ素化合物は、炭素数1〜7のアルコールに溶解した液として使用することを特徴とする請求項1の基材の抗菌加工方法。
- 追加的に(D)金属アルコオキシ及び/又は(E)合成樹脂成分を配合してなる配合液を用いることを特徴とする請求項1又は2に記載の基材の抗菌加工方法。
- 追加的に(F)光触媒用酸化チタンを配合してなる配合液を用いることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の基材の抗菌加工方法。
- 上記銀抗菌剤が、銀ゼオライト、銀ガラス、銀リン酸ジルコニウムより選ばれた1種類又は2種類以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の抗菌加工方法。
- 上記請求項1〜5のいずれかに記載の配合液からなることを特徴とする表面加工剤。
- 上記請求項6に記載の配合液を、金型内面に塗布又は噴霧してインモールドで射出成型することを特徴とするプラスチック成形体の製造方法。
- 上記請求項6に記載の配合液を、転写シートに塗布又は噴霧し、該転写シートに被膜を形成し、その後該被膜に適宜の模様を印刷し、上記印刷した転写シートを金型に挿入し、インモールドでプラスチック成型加工することを特徴とするプラスチック成形体の製造方法。
- 上記請求項6に記載の配合液より得られることを特徴とする抗菌加工被膜。
- 上記請求項1〜5に記載のいずれかの抗菌加工されてなることを特徴とする製品。
- 上記請求項8又は9に記載の製造方法で製造されてなることを特徴とする製品。
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-
2006
- 2006-11-24 JP JP2006317406A patent/JP2008127372A/ja not_active Withdrawn
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