JP2001129064A - 消臭機能を有する組立式保管庫 - Google Patents

消臭機能を有する組立式保管庫

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JP2001129064A
JP2001129064A JP31525799A JP31525799A JP2001129064A JP 2001129064 A JP2001129064 A JP 2001129064A JP 31525799 A JP31525799 A JP 31525799A JP 31525799 A JP31525799 A JP 31525799A JP 2001129064 A JP2001129064 A JP 2001129064A
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photocatalytic
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Hideki Nishimori
秀樹 西森
Akira Hashimoto
明 橋本
Kiyoshi Tada
清志 多田
Shinsei Tono
真誠 東野
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Showa Aluminum Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 業務用冷凍・冷蔵庫、食品加工室、環境試験
室、動物飼育室、およびクリーンルーム等の組立式保管
庫ないしは組立式作業室について、二酸化チタン粒子、
シラン化合物、銀塩、銅塩を用いた光触媒皮膜を庫壁内
面に設けることにより、耐光性、消臭・抗菌・防カビ効
果に優れたあらゆる環境下での使用に耐え得る保管庫を
形成する。庫内の有効内容積は減少せず、また光触媒皮
膜を形成させる庫壁内面の面積を多くして、時々光を照
射することにより、臭い成分を分解して、消臭効果を半
永久的に持続させる。 【解決手段】 組立式保管庫は、二酸化チタン、シラン
化合物、有機溶媒、水、酸触媒、銀塩、銅塩を混合して
得られたゾルを塗布することにより形成されかつ耐光
性、消臭・抗菌・防カビ効果に優れた光触媒皮膜が、庫
壁内面に設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、消臭機能を有する
組立式保管庫に関するものである。
【0002】この明細書において、組立式保管庫とは、
業務用冷凍・冷蔵庫、食料貯蔵庫等の本来の組立式保管
庫、並びに組立式の食品加工室、環境試験室、動物飼育
室、およびクリーンルーム等の組立式作業室を含んで意
味するものとし、断熱パネル、金属板、プラスチック
板、ガラス、タイル等の基材を用いて組み立てられた箱
形の組立建物を総称するものとする。
【0003】
【従来の技術】従来、対向する表面板同士の間に有機質
あるいは無機質の発泡体を介在させ、さらに場合によっ
ては両表面板の側縁部同士間に枠材が取り付けられたサ
ンドイッチパネルにおいて、その側縁部同士を互いに嵌
合させて組み立てられる組立式保管庫は、小さなもので
は1mから、大きなものでは3,000m以上
にも及び、上記のような多岐の用途に使用されている。
【0004】近年、組立式保管庫の内部で、例えば食品
衛生上あるいは作業環境衛生上などの種々の衛生機能の
要求が高まってきており、その機能の一部として、断熱
パネル表面に抗菌、防カビ機能を付与したものは知られ
ている。これに対し、消臭機能は、通常、庫内の空気を
循環させて、活性炭などの吸着剤を用いた脱臭フィルタ
ーにより除去する方法が採られていた。しかし、このよ
うな従来法では、脱臭フィルターを空気通路に配置する
ため、冷却効率が低下し、またフィルターを定期的に交
換する必要があった。
【0005】ところで、この種の従来技術として、特開
平10−95467号公報には、断熱箱体の内外表面を
酸化チタンでコーティングすることにより、非酸化性化
合物を酸化分解し、抗菌や防汚効果を得られることが記
載されている。
【0006】また、特開平8−228670号公報に
は、マグロなどの赤身の魚を変色させることなく貯蔵で
きる高湿度低温貯蔵庫において、変色の原因となるNO
xに対して触媒作用を有する変色防止剤として、光触媒
機能を有する酸化チタンを活性炭に担持させたものを用
いることにより、変色の防止と貯蔵庫内の脱臭を図るこ
とが記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開平10−95467号公報の酸化チタンコーティング
箱体においては、消臭効果があるという記載がないし、
酸化チタンのみをコーテイングした場合には、光がない
ときには細菌や汚れを酸化分解することができないた
め、抗菌効果や防汚効果がないという問題があった。
【0008】また、上記特開平8−228670号公報
記載の貯蔵庫では、活性炭により臭気成分を吸着させ、
酸化チタンにより臭気成分を酸化分解させることができ
るため、消臭効果は期待できるが、二酸化チタンによる
光触媒反応は、二酸化チタン粒子表面で起こるため、こ
れを防カビに利用した場合、二酸化チタン粒子と接して
いるカビの部分は分解されるが、粒子表面から少し離れ
た位置ではカビは分解せず、成長し続けるため、光照射
下においても二酸化チタンのみで、防カビ効果を発揮す
るのは困難であるという問題があった。
【0009】ところで、銀は抗菌のみならず防カビにも
効果があり、銅には抗菌効果があることから、抗菌・防
カビ作用を発揮させるために、銀や銅を添加して光触媒
としての二酸化チタンを含む皮膜を形成することが考え
られる。光触媒としての二酸化チタンを含む皮膜中に銀
や銅を担持させる場合、銀や銅は金属塩として原料に添
加するのが一般的であるが、銀イオンは光化学反応や酸
化により金属銀の凝集体あるいは酸化物となり、褐色あ
るいは黒色に変化するという性質を有するため、防カビ
効果を発揮できる程度の銀塩を添加した場合には、皮膜
焼成時の熱や皮膜使用時の紫外線により変色するという
問題があった。特にパネル材を用いた組立式保管庫など
の美観を重視する用途には、防カビ効果を発揮できる程
度の銀塩を添加できなかった。一方、銅塩を添加した場
合には、皮膜使用時の変色は少ないものの、防カビ効果
を発揮するのが困難であるという問題があった。
【0010】本発明の目的は、上記の従来技術の問題を
解決し、耐光性に優れかつ酸性臭気成分および塩基性臭
気成分の消臭、抗菌、防カビの全てに有効な組立式保管
庫を提供しようとすることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の請求項1記載の消臭機能を有する組立式
保管庫は、二酸化チタン、シラン化合物、有機溶媒、
水、酸触媒、銀塩、銅塩を混合して得られたゾルを塗布
することにより形成されかつ耐光性、消臭・抗菌・防カ
ビ効果に優れた光触媒皮膜が、庫壁内面に設けられてい
ることを特徴としている。
【0012】本発明の請求項2記載の保管庫は、シラン
化合物が、一般式RSi(X)(式中、Rはアルキル
基、フェニル基、またはビニル基よりなる炭化水素基、
Xはアルコキシル基、またはハロゲンである)で表され
る3官能シラン、および一般式Si(X)(式中、
Xはアルコキシル基、またはハロゲンである)で表され
る4官能シランであることを特徴としている。
【0013】本発明の請求項3記載の保管庫は、シラン
化合物が、一般式Si(X)(式中、Xはアルコキ
シル基、またはハロゲンである)で表される4官能シラ
ンであることを特徴としている。
【0014】上記組立式保管庫において、庫壁内面と光
触媒皮膜との間に、二酸化ケイ素を主成分とする光触媒
用下地膜が設けられているのが、好ましい。
【0015】上記組立式保管庫においては、庫内に紫外
線を含む光を照射する機構を設置するのが、好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】つぎに、この発明の実施の形態を
説明する。
【0017】本発明において、業務用冷凍・冷蔵庫、食
品加工室、環境試験室、動物飼育室、およびクリーンル
ーム等に使用される組立式保管庫は、二酸化チタン粒
子、シラン化合物、銀塩、銅塩を主原料としたゾルを、
組立保管庫内面に用いる部材にいわゆるプレコートする
か、または組立保管庫の庫壁内面にいわゆるポストコー
トし、光触媒皮膜を形成することにより作製できる。
【0018】本発明で用いる光触媒皮膜は、使用時の紫
外線による変色が少ないため、特に組立式保管庫におい
て美観を保持するのに好適である。また上記光触媒皮膜
は、光の未照射時には銀および銅の作用による抗菌効
果、銀の作用による防カビ効果、皮膜への臭気成分の吸
着による消臭効果を有し、光照射時には未照射時の作用
に加え光触媒作用により菌や臭気成分等の有機物を分解
するため、より強力な消臭、抗菌、防カビ効果を発揮す
る。
【0019】本発明で用いる光触媒皮膜は2種類ある。
すなわち、プレコート等の加工性を必要とする用途に適
した加工性に優れた第1の光触媒皮膜と、ポストコート
等の加工性を必要としない第2の光触媒皮膜である。
【0020】まず、第1の光触媒皮膜は、本発明者らが
先に提案した特願平10−183631号記載の方法に
より形成することができる。
【0021】第1の光触媒皮膜は、二酸化チタン粒子、
3官能シラン、4官能シラン、銀塩、銅塩を主原料と
し、金属、プラスチック等のあらゆる基材の表面に形成
することができる。
【0022】第1の光触媒皮膜は、優れた消臭、抗菌、
防カビ効果、および耐光性を有すると共に、加工性に優
れているため、プレコートによる使用に最適である。以
下に、第1の光触媒皮膜の詳細を述べる。
【0023】なお、上記特願平10−183631号の
明細書において「重量%」と表記した部分は、本願明細
書では、SI単位による表記に従って「mass%」と表記
することとする。
【0024】本発明で用いる第1の光触媒皮膜は、金
属、プラスチック等のあらゆる基材の表面に、二酸化チ
タン粒子、RSi(X)(式中、Rはアルキル基、
フェニル基、ビニル基等の炭化水素基、Xはアルコキシ
ル基、ClやBr等のハロゲン)で表される3官能シラ
ン、Si(X)(式中、Xはアルコキシル基、Cl
やBr等のハロゲン)で表される4官能シラン、アルコ
ールもしくはその他の有機溶媒、水、酸触媒、銀塩、銅
塩を混合することにより得られた光触媒皮膜用ゾルを塗
布し、乾燥、あるいは乾燥後、さらに500℃以下の温
度で熱処理することにより形成され、光照射環境あるい
は暗所のいずれにおいても、優れた抗菌・防カビ、消臭
機能を有し、加工性・耐光性に優れ、皮膜焼成時の熱や
使用時の紫外線による変色の少ない特徴を有している。
なお、3官能シランおよび4官能シランの加水分解・重
縮合生成物は、皮膜中では二酸化チタン粒子のバインダ
ーとして働く。
【0025】本発明で用いる第1の光触媒皮膜の形成法
において、加工性に優れた皮膜が得られるのは、3官能
シランに由来するSiに結合したR(炭化水素基)が、
皮膜中に存在して柔軟性を与えるからである。また第1
の光触媒皮膜が耐光性に優れているのは、皮膜中の有機
成分が樹脂に比べて少なく、仮にバインダーの有機成分
が二酸化チタンの光触媒効果により酸化分解されたとし
ても、皮膜中のバインダーの大部分が、二酸化チタンの
光触媒作用によっては切断されにくいSi−O−Si結
合からなり、いわゆるチョーキングが起こらないからで
ある。
【0026】本発明において、組立式保管庫の壁面を構
成する基材の種類によって、光触媒活性が損なわれるお
それがある場合には、基材表面に、光触媒作用が無くか
つそれ自身も光触媒により劣化しない下地皮膜を、バリ
アー層として塗布した後、光触媒皮膜を形成することが
望ましい。
【0027】なお、組立式保管庫の壁面を構成する基材
がプラスチックである場合は、逆に、二酸化チタンの光
触媒効果により、基材が酸化分解されるため、基材と光
触媒皮膜の間に、光触媒作用が無くかつそれ自身も光触
媒により劣化しない下地皮膜を、バリアー層として設け
ると良い。
【0028】上記バリアー層としては、主として二酸化
ケイ素、無定形酸化チタン等の無機物あるいはシリコー
ン樹脂やフッ素樹脂などの高耐光性樹脂を利用できる
が、本発明者ら先に提案した特願平10−183632
号に記載の二酸化ケイ素を主成分とする光触媒用下地膜
は、表面に凹凸を有する無機−有機複合体であることか
ら、表面の凹凸により光触媒皮膜の密着性を向上させる
ことができ、また加工性に優れていることから、本発明
で用いるバリアー層として好適に利用でき、特に加工性
も必要とする場合には最適である。この光触媒用下地膜
よりなるバリアー層については、後述する。
【0029】上記第1の光触媒皮膜に含まれる二酸化チ
タンは、硫酸法、塩素法等の工業的手法により調製され
た粒子、あるいは水熱法、ゾル−ゲル法等により得られ
た粒子などあらゆる手法で調製されたものが用いられ、
粒子の状態としては粉末状あるいは粉末を液体に分散さ
せた状態のいずれでも良い。
【0030】工業的に調製される二酸化チタンの結晶
は、ルチル型、アナターゼ型、あるいはルチル型とアナ
ターゼ型との混合物であり、水熱法等ではブルカイト型
の結晶が析出する場合がある。本発明ではいかなる結晶
形の二酸化チタン粒子も用いることができ、また無定形
のチタニアが含まれていても良いが、結晶形としてはア
ナターゼ型、あるいはルチル型とアナターゼ型の混合物
が好ましく、量子効率の高いアナターゼ型を結晶成分中
の比率で30mass%以上含むものがさらに好ましい。二
酸化チタン粒子は、必要な皮膜特性に従って皮膜中濃度
で80mass%以下の好適な量が添加されるが、二酸化チ
タン粒子濃度が低い場合には光触媒効果が少なく、二酸
化チタン粒子濃度が高い場合には皮膜の加工性が劣るた
め、二酸化チタン粒子は皮膜中濃度で5〜60mass%で
あることが好ましい。
【0031】第1の光触媒皮膜の原料の1つである3官
能シランは、一般式RSi(X) (式中、Rはアルキ
ル基、フェニル基、ビニル基等の炭化水素基、Xはアル
コキシル基、ClやBr等のハロゲン)で表される。具
体例としては、メチルトリエトキシシラン、エチルトリ
エトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ビニル
トリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチ
ルトリクロロシラン、エチルトリクロロシラン、ビニル
トリクロロシラン等が挙げられ、これらは1種類、また
は複数種類が用いられる。
【0032】第1の光触媒皮膜の原料の1つである4官
能シランは、Si(X)(式中、Xはアルコキシル
基、ClやBr等のハロゲン)で表される。具体例とし
ては、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン、
テトラクロロシランなどが挙げられ、これらは1種類、
または複数種類用いられる。
【0033】第1の光触媒皮膜用ゾルの調製は、上記3
官能および4官能シランを混合したのち、加水分解・重
縮合させたものをバインダーとして用いる場合と、上記
3官能および4官能シランをそれぞれ加水分解・重縮合
させたもの、あるいはこれらシラン化合物のオリゴマー
を混合して加水分解・重縮合させたものを用いる場合と
がある。
【0034】第1の光触媒皮膜用ゾルの原料である3官
能シランおよび4官能シランの混合比は、3官能シラ
ン:4官能シラン=x:1−xのモル比で表すと、0.
3≦x<0.7であり、好ましくは0.4≦x≦0.6
である。なお、シラン化合物のオリゴマーをバインダー
の原料に用いる場合には、上記モル比はモノマー換算値
に相当する。ここで、xの範囲を上記のように限定した
のは、xが小さすぎると、膜中に残留するR(炭化水素
基)が少なくなるために、皮膜の加工性が低下し、xが
大きくて3官能シランの含量が多くすぎると、二酸化チ
タン粒子表面は親水性であるため、ゾル中での二酸化チ
タン粒子の分散性が低下するからである。
【0035】なお、上記組成においてシラン化合物中の
Si1個あたりのR(炭化水素基)の平均数が0.3個
以上0.7個未満の範囲内であれば、3官能シランの組
成の一部を一般式RSi(X)(式中、Rはア
ルキル基、フェニル基、ビニル基等の炭化水素基、Xは
アルコキシル基、ClやBr等のハロゲン)で表される
2官能シランにしても良い。
【0036】第1の光触媒皮膜用ゾルの原料に用いる銀
塩および銅塩の例としては、特に限定されないが、硝酸
銀、硫酸銀、酢酸銀、硫酸銅、硝酸銅、塩化第一銅、塩
化第二銅、炭酸銅などがあげられ、これらうち少なくと
も1種類の銀塩と少なくとも1種類の銅塩とを使用す
る。
【0037】上記第1の光触媒皮膜用ゾルの組成におい
て、銅塩を金属銅換算にして二酸化チタンの0.1〜4
0mass%、銀塩を銀換算にして二酸化チタンの0.01
〜5mass%添加する。このように銅塩と銀塩を同時に添
加するのは、銀塩のみを添加した場合は抗菌・防カビ力
は充分であるが、皮膜が焼成あるいは使用時に変色する
のに対し、銅塩のみを添加した場合には、皮膜の焼成あ
るいは使用時の変色が少なく、抗菌力はあるものの、充
分な防カビ効果が得られないからである。
【0038】銀塩および銅塩の添加量が上記のように限
定されるのは、下限未満の添加量では防カビ力が充分に
発揮されず、上限を越えて多量に添加すると、皮膜焼成
および使用時の変色が大きいからである。
【0039】第1の光触媒皮膜の原料としては、皮膜の
結合力、耐熱性を向上させるため、水酸化アルミニウム
を添加することが好ましい。水酸化アルミニウムは多く
添加しすぎると、皮膜中の二酸化チタンの比率が小さく
なり、光触媒効果が低下するため、二酸化チタンに対し
0〜50mass%添加される。
【0040】つぎに、本発明において用いる第1の光触
媒皮膜の形成方法を説明する。
【0041】第1の光触媒皮膜用ゾルの調製 まず、第1の光触媒用ゾルが、二酸化チタン粒子、3官
能シラン、4官能シラン、アルコールもしくはその他の
有機溶媒、水、酸触媒、銀塩および銅塩を所定の比率で
混合、撹拌することにより得られる。
【0042】なお、上記原料に加えて皮膜の結合力、耐
熱性を向上させるため、水酸化アルミニウムを添加する
ことが好ましい。
【0043】また酸触媒は、硫酸、硝酸、塩酸などの無
機酸、酢酸、シュウ酸などの有機酸が用いられる。
【0044】なお、二酸化チタン粒子のバインダーの原
料である3官能シランおよび4官能シランは、それぞれ
加水分解・重縮合させたもの、あるいはこれらシラン化
合物のオリゴマーを混合したものを用いても良く、二酸
化チタン粒子はシラン化合物の反応前、反応後いずれの
タイミングで添加しても良い。
【0045】上記ゾルの原料の中で、二酸化チタン、銀
塩、銅塩および水酸化アルミニウム以外の原料の比率
を、3官能シラン:4官能シラン:アルコールもしくは
その他の有機溶媒:水:酸触媒=x:1−x:y:z:
aのモル比で表すと、x、y、z、aの値がそれぞれ
0.3≦x<0.7、0.5≦y≦1000、0.5≦
z≦1000、0.00001≦a≦1である。
【0046】上記組成において、yの範囲が0.5≦y
≦1000であるのは、yが0.5未満であると、粒子
を分散させるのが困難であり、1000を越えて大きく
なると、調製した光触媒ゾルの固形成分濃度が低すぎる
ため、均一な皮膜形成が困難であるからである。上記組
成において、zの範囲が0.5≦z≦1000であるの
はzが0.5未満であるとシラン化合物の加水分解に時
間がかかり、1000を越えて大きくなると、ゾルが流
動性を失いゲル化する可能性があるからである。上記組
成において、aの範囲が0.00001≦a≦1である
のは、aが0.00001未満であるとシラン化合物の
加水分解の進行が遅くなり、aが1を越えて大きくなる
と、反応が早く進みすぎ第1の光触媒皮膜用ゾルが均一
に塗布できる期間が短くなるからである。
【0047】第1の光触媒皮膜の形成 上記光触媒ゾルは基材に直接あるいはバリアー層を介し
て塗布される。塗布方法はディップコート、スプレーコ
ート、バーコート、ロールコート等のいかなる方法も用
いることができる。上記光触媒ゾルを塗布した基材を、
室温以上の温度で乾燥することにより光触媒皮膜を得る
ことができる。短時間で皮膜を形成する場合には、乾燥
に加えて500℃以下で熱処理しても良いが、400〜
500℃程度で長時間熱処理した場合、Si原子に結合
したR(炭化水素基)が燃焼脱離し、皮膜の柔軟性が低
下する。従って、加工性を保つためには300℃以下の
熱処理が好ましい。皮膜の厚さは特に限定されないが、
0.05〜5μmの膜厚が好ましい。ここで、膜厚が
0.05μm未満の場合には、欠陥のない皮膜の形成が
困難であり、必要以上に厚い場合、厚さに見合う光触媒
効果の向上がなく、また不経済であるからである。な
お、二酸化チタンによる紫外線遮蔽などの機能も兼ねて
使用する場合には、5μm以上の膜厚でも差し支えな
い。
【0048】本発明における第1の光触媒皮膜の作製
は、光触媒ゾルの調製と皮膜形成からなる。なお、組立
式保管庫の壁面を構成する基材の種類によっては、光触
媒皮膜が劣化しないように、あるいはまた基材自体が劣
化しないように、下地皮膜をバリアー層として塗布した
後、光触媒皮膜を形成することが望ましい。
【0049】ここで、バリアー層としては、主として二
酸化ケイ素、無定形酸化チタン等の無機物あるいはシリ
コーン樹脂やフッ素樹脂などの高耐候性樹脂が利用でき
るが、本発明者らの先提案による特願平10−1836
32号に記載した二酸化ケイ素を主成分とする光触媒用
下地膜を用いるのが、好ましい。
【0050】この光触媒皮膜用下地膜は、SiO
主成分とするとともに、ゾル−ゲル法により形成されて
おり、緻密層上に凹凸層が一体に形成され、凹凸層の表
面全体に微細な凹凸が形成されて粗面化されている。光
触媒皮膜用下地膜の膜厚は0.1〜10μmであるの
が、好ましい。
【0051】また、光触媒皮膜用下地膜の凹凸層の表面
粗さが最大高さRmax で0.03〜3μmであり、
凹部から最近接の凹部あるいは凸部から最近接の凸部ま
での間隔が0.03〜10μmであるのが好ましい。
【0052】光触媒皮膜用下地膜の凹凸層の表面には、
微細な凹凸に加え、さらに相当直径0.03〜10μ
m、深さ0.03〜3μmの孔が形成され、この孔の周
面および底面全体にも微細な凹凸が形成されて粗面化さ
れており、孔の周面および底面の表面粗さが最大高さR
max で0.01〜1μmであり、凹部から最近接の
凹部あるいは凸部から最近接の凸部までの間隔が0.0
1〜1μmとなされていることが好ましい。ここで、相
当直径とは、孔の横断面積と等しい面積を有する円の直
径を意味する。
【0053】この光触媒皮膜用下地膜によれば、SiO
を主成分とするとともに、ゾル−ゲル法により形成
されており、緻密層上に凹凸層が一体に形成され、凹凸
層の表面全体に微細な凹凸が形成されて粗面化されてい
るので、緻密層の働きにより、上塗膜である光触媒皮膜
に基材の成分が拡散してTiOの光触媒効果が低下
するのを、防止することできる。また例えば基材がプラ
スチックスである場合にも、上記下地膜がプラスチック
スと光触媒皮膜の間に存在することにより、プラスチッ
クスが直接二酸化チタンに触れて分解されるのを防止す
ることができる。
【0054】上記下地膜は、表面に凹凸層を有するた
め、下地膜表面が平滑であると剥離するような光触媒皮
膜であっても、凹凸層の機械的密着力により均一に塗布
することができる。従って、例えばバリヤー層として下
地膜を必要としない基材に対しても、上塗膜である光触
媒皮膜の密着力を向上させるために好適に利用すること
ができる。
【0055】また、光触媒用下地膜は表面に凹凸を有す
る無機−有機複合体であることから、表面の凹凸により
光触媒皮膜の密着性を向上させることができ、加工性に
優れていることから、本発明で用いるバリアー層として
好適に利用でき、特に加工性を必要とする場合には最適
である。
【0056】上記光触媒皮膜用下地膜を形成するには、
一般式RnSi(OR −n (式中、R
はアルキル基、フェニル基等の疎水基であり、R
はアルキル基であり、n=1または2である)と、
溶媒と、水と、酸触媒とよりなる液組成物に、SiO
微粒子を混ぜ合わせたものを攪拌することにより得
たゾルを、基材に塗布する工程と、基材に塗布したゾル
を乾燥させ、ゲル膜を形成する工程と、ゲル膜を焼成す
る工程とを実施する。なお、乾燥を充分な時間行なう場
合には、熱処理の工程を省略してもよい。
【0057】ここで、下地膜の液組成物におけるR
Si(OR4−n と、溶媒と、水と、酸触媒
との混合比は、モル比で1:1〜20:1〜20:0.
00001〜0.3である。
【0058】上記溶媒としては、プロパノール、エタノ
ール、メタノール等の低級アルコールが単独でもしくは
混合して用いられ、またはこれらにブタノールや、ブタ
ノールより炭素数の多いアルコールを適量添加して用い
られる。あるいは、これらにエーテル、ケトン、アミド
等の有機溶媒が添加される場合もある。SiO微粒
子の粒径は5nm〜2μmであることが好ましい。Si
微粒子は、R Si(OR4−n が加
水分解し、縮合重合した生成物と結合し、表面が疎水基
で覆われる。
【0059】上記下地膜の液組成物には、微量のSi
(OR、あるいはR Si(OR
4−n (式中、Rはアルキル基であり、R
末端に親水基を有するHN(CH等の置
換基であり、n=1または2である)を、さらに添加し
てもよい。その添加量は適宜変更可能であるが、、Si
(ORがテトラエトキシシランの場合、R
Si(OR −n がメチルトリエトキシ
シランであれば、テトラエトキシシランのメチルトリエ
トキシシランに対する混合比は、モル比でx:(1−
x)(但し0<x≦0.3)である。
【0060】また上記方法において、原料全体中のSi
微粒子の量は40重量%以下が好ましい。40重
量%を越えると、SiO微粒子を液組成物中に分散
できなくなるおそれがある。
【0061】上記の光触媒皮膜用下地膜の形成方法によ
れば、固体として残る成分、すなわちR Si(O
4−n が加水分解し、縮合重合した生成物お
よび表面がR Si(OR4−n からの疎
水基を持つ生成物で覆われたSiO微粒子と水とが
膜乾燥時にはじき合うことにより、SiOを主成分
としかつ緻密層上に凹凸層が一体に形成されている光触
媒皮膜用下地膜が1回の工程で形成される。
【0062】上記光触媒皮膜用下地膜の形成方法によれ
ば、ゾル−ゲル法によるため、200℃以下の低温焼成
が可能であり、長時間乾燥できる場合には焼成が不要で
あり、様々な基材に密着性よく無機系皮膜を塗布でき、
加工性に優れた下地膜を形成することができるととも
に、光触媒皮膜と基材の間に介在するバリヤー層として
必要な緻密な内層と、光触媒皮膜を密着性よく塗布する
ための粗い表層を同時に具備した下地膜を形成すること
ができるものである。
【0063】基材への下地膜用ゾルの塗布は、ディップ
コート、スプレーコート、バーコート、ロールコートな
どいかなる方法をも用いることができる。
【0064】下地膜の熱処理は、70〜500℃で30
秒〜10分間加熱することにより行う。なお、形成され
たバリヤー層に化学的、物理的耐久性を持たせるために
は、100〜500℃で熱処理することが好ましい。
【0065】この光触媒用下地膜は表面に凹凸を有する
無機−有機複合体であることから、表面の凹凸により光
触媒皮膜の密着性を向上させることができる。また加工
性に優れていることから、本バリアー層をプレコートし
た基材に、本発明で用いる光触媒皮膜をポストコートす
ることもできる。
【0066】つぎに、ポストコート等皮膜の加工性を必
要としない第2の光触媒皮膜について述べる。
【0067】第2の光触媒皮膜は、二酸化チタン粒子、
シラン化合物、銀塩、銅塩を主原料とし、金属、プラス
チック等あらゆる基材表面に形成できるが、シラン化合
物としては4官能シランを用いる。第2の光触媒皮膜
は、優れた消臭、抗菌、防カビ効果、および耐光性を有
する。加工性は第1の光触媒皮膜に劣るものの、シラン
化合物としては安価な4官能シランを主として用いるた
め、低コストである利点がある。以下に、本発明で用い
る第2の光触媒皮膜の詳細を述べる。
【0068】本発明で用いる第2の光触媒皮膜は、金
属、プラスチック等あらゆる基材に、二酸化チタン粒
子、Si(X)(式中、Xはアルコキシル基、Cl
やBr等のハロゲン)で表される4官能シラン、アルコ
ールもしくはその他の有機溶媒、水、酸触媒、銀塩、銅
塩を混合することにより得られた光触媒皮膜用ゾルを塗
布し、乾燥あるいは乾燥の後さらに500℃以下の温度
で熱処理させることにより形成され、光照射環境あるい
は暗所のいずれにおいても、優れた抗菌、防カビ、消臭
機能を有し、耐光性に優れ、皮膜焼成時の熱や使用時の
紫外線による変色が少ないという特徴を有している。
【0069】第2の光触媒皮膜は加工性を必要としない
ため、膜厚が薄い場合にはシラン化合物として4官能シ
ランのみを用いて形成することができるが、膜が厚くな
ると剥離しやすくなる。そこで、4官能シランに加え、
RSi(X)(式中、Rはアルキル基、フェニル
基、ビニル基等の炭化水素基、Xはアルコキシル基、C
lやBr等のハロゲン)で表される3官能シランを少量
添加しても良い。
【0070】本発明で用いる第2の光触媒皮膜が耐光性
に優れているのは、皮膜中に有機成分が存在しないか、
もしくは存在していても樹脂に比べ少なく、仮にバイン
ダーの有機成分が二酸化チタンの光触媒効果により酸化
分解されたとしても、皮膜中のバインダーの大部分は二
酸化チタンの光触媒効果によって切断されないSi−O
−Si結合からなりチョーキングが起こらないからであ
る。
【0071】本発明において、組立式保管庫の壁面を構
成する基材の種類によって、光触媒活性が損なわれるお
それがある場合には、基材表面に、光触媒作用が無くか
つそれ自身も光触媒により劣化しない下地皮膜を、バリ
アー層として塗布した後、第2の光触媒皮膜を形成する
ことが望ましい。バリアー層としては、上記の二酸化ケ
イ素を主成分とする光触媒用下地膜を用いるのが、好ま
しい。
【0072】第2の光触媒皮膜の原料として用いる4官
能シラン、および3官能シランは、上記第1の光触媒皮
膜の原料として用いるものと全く同様である。
【0073】第2の光触媒皮膜用ゾルの原料のうちシラ
ン化合物としては、4官能シランを用いるが、3官能シ
ランを併用する場合には、3官能シランと4官能シラン
の混合比は、3官能シラン:4官能シラン=x:1−x
のモル比で表すと0≦x<0.3であり、好ましくは0
≦x≦0.2である。なお、シラン化合物のオリゴマー
をバインダーの原料に用いる場合には上記モル比はモノ
マー換算値に相当する。xの範囲を上記のように小さく
限定したのは加工性を必要としない用途においては、多
くの3官能シランは必要ないからである。
【0074】第2の光触媒皮膜用ゾルの調製において、
シラン化合物を混合した後、加水分解・重縮合させたも
のをバインダーとして用いる場合と、シラン化合物をそ
れぞれ加水分解・重縮合させたものあるいはこれらシラ
ン化合物のオリゴマーを混合して加水分解・重縮合させ
たもの用いる場合がある。また、酸化チタンとシラン化
合物の加水分解・重縮合物が含まれた市販の光触媒塗料
に銀塩、銅塩を添加しても良い。
【0075】第2の光触媒皮膜用ゾルの原料として用い
るその他の物質、すなわち二酸化チタン、銀塩および銅
塩などは、上記第1の光触媒皮膜の原料として用いるも
のと全く同様である。
【0076】また二酸化チタンの種類、皮膜中濃度、並
びに銅塩および銀塩の種類、二酸化チタンに対する銅塩
および銀塩の添加量も、上記第1の光触媒皮膜の場合
と、全く同様である。第2の光触媒皮膜の原料として、
第1の光触媒皮膜の場合と同様に、皮膜の結合力、耐熱
性を向上させるため、水酸化アルミニウムを添加するこ
とが好ましい。
【0077】つぎに、本発明で用いる第2の光触媒皮膜
の形成方法を説明する。
【0078】第2の光触媒皮膜用ゾルの調製 本発明における第2の光触媒皮膜用ゾルは、二酸化チタ
ン粒子、シラン化合物、アルコールもしくはその他の有
機溶媒、水、酸触媒、銀塩および銅塩を所定の比率で混
合、撹拌することにより得られる。
【0079】酸触媒は、上記第1の光触媒皮膜用ゾルの
場合と同様に、硫酸、硝酸、塩酸などの無機酸、酢酸、
シュウ酸などの有機酸が用いられる。なお、二酸化チタ
ン粒子のバインダーの原料であるシラン化合物は、それ
ぞれ加水分解・重縮合させたものあるいはこれらシラン
化合物のオリゴマーを混合して用いても良く、二酸化チ
タン粒子はシラン化合物の反応前、反応後いずれのタイ
ミングで添加しても良い。また、酸化チタンとシラン化
合物の加水分解・重縮合物が含まれた市販の光触媒塗料
に銀塩、銅塩を添加しても良く、この点も上記第1の光
触媒皮膜用ゾルの場合と同様である。
【0080】上記第2の光触媒皮膜用ゾル原料の中で、
二酸化チタン、銀塩、銅塩および水酸化アルミニウム以
外の原料の比率を、3官能シラン:4官能シラン:アル
コールもしくはその他の有機溶媒:水:酸触媒=x:1
−x:y:z:aのモル比で表すと、x:y:z:aの
値はそれぞれ0≦x<0.3、0.5≦y≦1000、
0.5≦z≦1000、0.00001≦a≦1であ
る。
【0081】上記組成において、yの範囲が0.5≦y
≦1000であるのは、yが0.5未満であると、粒子
を分散させるのが困難であり、1000を越えて大きく
なると、調製した光触媒ゾルの固形成分濃度が低すぎる
ため、均一な皮膜調製が困難であるからである。またz
の範囲が0.5≦z≦1000であるのは、zが0.5
未満であるとシラン化合物の加水分解に時間がかかり、
1000を越えて大きくなると、ゾルが流動性を失いゲ
ル化する可能性があるからである。また、aの範囲が
0.00001≦a≦1であるのは、aが0.0000
1未満であるとシラン化合物の加水分解の進行が遅くな
り、aが1を越えて大きくなると、反応が早く進みす
ぎ、第1の光触媒皮膜用ゾルが均一に塗布できる期間が
短くなるからである。なお、液体に分散させた二酸化チ
タン粒子を用いる場合には、分散触媒の液体も上記組成
に含まれる。
【0082】上記組成において、シラン化合物中のSi
元素1個あたりのR(炭化水素基)の平均数が0.3個
未満の範囲内であれば、3官能シランの組成の一部を、
一般式RSi(X)(式中、Rはアルキル基、
フェニル基、ビニル基等の炭化水素基、Xはアルコキシ
ル基、ClやBr等のハロゲン)で表される2官能シラ
ンにしても良い。
【0083】第2の光触媒皮膜の形成 上記第2の光触媒皮膜用ゾルは、基材に直接あるいはバ
リアー層を介して塗布される。塗布方法は特に限定され
ないが、第2の光触媒皮膜は加工性に乏しいため、基材
を曲げる工程がないディップコート、スプレーコート、
バーコート等が好ましい。
【0084】上記第2の光触媒ゾルを塗布した基材を、
室温以上の温度で乾燥することにより光触媒皮膜を得る
ことができる。短時間で皮膜を製造する場合には、乾燥
に加えて、500℃以下で熱処理しても良い。皮膜の厚
さは、皮膜が剥離しなければ、特に限定されないが、膜
厚が0.05μm未満の場合、欠陥のない皮膜の形成が
困難であり、また膜厚が厚くなりすぎると剥離しやすい
ため、第2の光触媒皮膜は0.05〜3μmの膜厚を有
するものが好ましい。
【0085】本発明における第2の光触媒皮膜の製造
は、光触媒ゾルの調製と皮膜形成からなる。なお、組立
式保管庫の壁面を構成する基材の種類によっては、光触
媒皮膜が劣化しないように、あるいはまた基材自体が劣
化しないように、前述した下地皮膜をバリアー層として
塗布した後、光触媒皮膜を形成することが望ましい。
【0086】つぎに、上記第1の光触媒皮膜および/ま
たは第2の光触媒皮膜を用いた耐光性、消臭・抗菌・防
カビ効果に優れた組立式保管庫の製造法について説明す
る。
【0087】本発明による組立式保管庫は、少なくとも
内面の一部もしくは全部に上記第1の光触媒皮膜および
/または第2の光触媒皮膜が形成されており、加工性を
必要とするプレコートの場合には、第1の光触媒皮膜が
選択され、加工性を必ずしも必要としないポストコート
の場合には、第1の光触媒皮膜および/または第2の光
触媒皮膜が選択される。
【0088】組立式保管庫の庫壁を構成するパネルの素
材としては、金属、プラスチックス、ガラスなどが用い
られ、とくに限定されないが、具体的には、鋼板、鋼板
に樹脂を塗布したカラー鋼板、アルミニウム材(アルミ
ニウム合金を含む、以下同じ)、アルミニウム板に樹脂
を塗布したカラーアルミニウム板、ステンレス鋼板等が
多く用いられる。
【0089】基材が例えばソーダガラスであり、ナトリ
ウムの拡散により光触媒効果が失われる場合や基材の樹
脂が光触媒作用により分解される場合には、基材と光触
媒皮膜の間に、上記バリアー層を形成させるのが、好ま
しい。
【0090】本発明による組立式保管庫の製造方法とし
ては、例えばつぎの3つの方法がある。まず第1に、基
材表面に必要に応じてバリアー層を形成し、ついで光触
媒皮膜を形成した後、基材の光触媒皮膜が形成された面
が内面になるようにパネルを組立て、保管庫を製造する
方法、第2に、基材表面に必要に応じて、組立後内面と
なる面にバリアー層を形成した後、基材を組み立て箱体
を形成した後、光触媒皮膜を箱体内面に光触媒皮膜を形
成する方法、第3に、基材を組み立て箱体とした後、必
要に応じてバリアー層を形成した後、さらに光触媒皮膜
を箱体内面に形成する方法である。
【0091】本発明による組立式保管庫の製造におい
て、ロールコートなど基材を曲げる工程が含まれる方法
で光触媒皮膜を形成する場合および/または光触媒皮膜
を基材に形成した後、基材を曲げる工程が含まれる場合
には、第1の光触媒皮膜用ゾルが用いられ、その他の場
合には第1の光触媒皮膜用ゾルおよび/または第2の光
触媒用ゾルが用いられる。
【0092】本発明による組立式保管庫の製造におい
て、保管庫外面の抗菌・防カビや保管庫を設置した場所
の消臭のために、保管庫外面パネル、取っ手、窓等に光
触媒皮膜を形成することが好ましい。保管庫外面の光触
媒皮膜には、保管庫内面の光触媒皮膜と同じものが用い
られる。
【0093】本発明による組立式保管庫の形態は、箱形
であればよいが、食料などの貯蔵庫としては、保管庫内
面と保管庫外面の二重に基材を配置し、両基材の隙間に
ウレタン、珪酸カルシウム等の断熱材が存在する構造の
ものが好ましい。また、長時間にわたり光源が照射され
ない場合に備えて、タイマー等で一定間隔毎に光源を照
射する機構を備えても良い。
【0094】本発明による組立式保管庫において消臭
は、保管庫を形成する基材表面に塗布された光触媒皮膜
によりなされるものであり、光触媒作用により臭気成分
を酸化分解させるために、保管庫内部に蛍光灯などの紫
外線を含む光源を設置することが好ましい。
【0095】本発明で用いる光触媒皮膜は、アンモニア
等の塩基性ガスやメチルメルカプタンなどの酸性ガスを
吸着させることができるため、光がなくても消臭力があ
る。光が無い場合、吸着が飽和に達すると消臭力が失わ
れるが、時々光を照射して光触媒皮膜表面に吸着した臭
い成分を酸化分解させれば、再び消臭力が発揮される。
また、光源を保管庫内部に設置しなくても、時々保管庫
の扉を開け、室内の光が保管庫内に照射されるようにす
るか、保管庫の天井に紫外線が透過する透明板を配置す
ればよい。
【0096】本発明による組立式保管庫の内部の消臭の
ためには、内部基材に光触媒皮膜を形成させるととも
に、空気清浄フィルターを用いた換気による消臭機構を
設置しても良い。
【0097】また本発明において、光触媒皮膜は、光の
未照射時には銀および銅の作用による抗菌効果、銀の作
用による防カビ効果、皮膜への臭気成分の吸着による消
臭効果を有し、光照射時には未照射時の作用に加え、光
触媒作用により菌や臭気成分等の有機物を分解するた
め、より強力な消臭、抗菌、防カビ効果を発揮する。
【0098】本発明においては、業務用冷凍・冷蔵庫、
食料貯蔵庫などの本来の組立式保管庫のみならず、食品
加工室、環境試験室、動物飼育室、およびクリーンルー
ム等の組立式作業室も含まれるものであり、例えば業務
用冷凍・冷蔵庫においては、消臭、抗菌、防カビの効
果、また食品加工室、環境試験室および動物飼育室にお
いては、消臭、抗菌の効果、あるいは極めて高い清浄度
を要求される半導体などの製造用クリーンルームにおい
ては、気体状不純物の分解効果などが、それぞれ発揮さ
れる。また、生花や果物の保管中に発生するエチレンに
より保管物の鮮度が劣化することがあるが、本発明で
は、光触媒作用によりエチレンを分解するため、保管物
の鮮度劣化防止効果も期待できる。
【0099】上記のように、酸化チタンをはじめとする
光触媒を含む皮膜を組立式保管庫のパネル内面に形成す
れば、従来の脱臭フィルターを用いなくても、光を照射
するだけで臭い成分を分解除去できるとともに、抗菌効
果も付与することができ、しかも庫内の有効内容積は減
少しないという利点がある。
【0100】また光触媒作用は光触媒の表面で起こる反
応であるため、光触媒を形成させるパネルの面積を多く
取れば、光触媒に吸着する物質の場合、光を照射しなく
ても、臭い成分の光触媒表面の吸着により消臭作用を発
揮させることができ、吸着した臭い成分は、時々光を照
射することにより半永久的に消臭効果を持続させること
ができる。
【0101】本発明で用いる光触媒皮膜は、使用時の紫
外線による変色が少ないため、特にパネル材を用いた組
立式保管庫の美観を保つのに有効である。
【0102】本発明の実施の態様を列記すれば、つぎの
通りである。
【0103】1. 二酸化チタン、シラン化合物、有機
溶媒、水、酸触媒、銀塩、銅塩を混合して得られたゾル
を塗布することにより形成されかつ耐光性、消臭・抗菌
・防カビ効果に優れた光触媒皮膜が、庫壁内面に設けら
れている、消臭機能を有する組立式保管庫。
【0104】2. シラン化合物が、一般式RSi
(X)(式中、Rはアルキル基、フェニル基、また
はビニル基よりなる炭化水素基、Xはアルコキシル基、
またはハロゲンである)で表される3官能シラン、およ
び一般式Si(X)(式中、Xはアルコキシル基、
またはハロゲンである)で表される4官能シランであ
る、上記1項記載の組立式保管庫。
【0105】3. シラン化合物が、一般式Si(X)
(式中、Xはアルコキシル基、またはハロゲンであ
る)で表される4官能シランである、上記1項記載の組
立式保管庫。
【0106】4. 庫壁内面と光触媒皮膜との間に二酸
化ケイ素を主成分とする光触媒用下地膜が設けられてい
る、上記1〜3項のいずれか1項記載の組立式保管庫。
【0107】5. 庫内に紫外線を含む光を照射する機
構を持つ上記1〜4項のいずれか1項記載の組立式保管
庫。
【0108】6. 金属、プラスチックなどのあらゆる
基材に、二酸化チタン粒子、一般式RSi(X)
表される3官能シランと、一般式Si(X)で表さ
れる4官能シランの中で少なくとも4官能シラン1種以
上、アルコールもしくはその他の有機溶媒、水、酸触
媒、銀塩、銅塩を混合することにより得られた光触媒皮
膜用ゾルを塗布し、乾燥あるいは乾燥の後さらに500
℃以下の温度で熱処理させることにより得られる光触媒
皮膜を庫壁内面に形成したもので、少なくとも消臭効果
に優れた光触媒皮膜を庫壁内面に形成した、組立式保管
庫。
【0109】7. 上記6項の消臭効果と同時に、抗菌
効果、防カビ効果、耐光性のいずれかもしくは全部に優
れた光触媒皮膜を庫壁内面に形成した、組立式保管庫。
【0110】8. 3官能シラン:4官能シラン:アル
コールおよびその他の有機溶媒:水:酸触媒=x:1−
x:y:z:aのモル比で表すと、x、y、z、aの値
がそれぞれ0≦x<0.7、0.5≦y≦1000、
0.5≦z≦1000、0.00001≦a≦1である
光触媒皮膜を庫壁内面に形成した、上記6項記載の組立
式保管庫。
【0111】9. 表面板の曲げ加工等により塗膜割
れ、剥離などが発生しない加工性に優れた光触媒皮膜を
もつ、上記7項記載の組立式保管庫。
【0112】10. 上記8項のxの範囲を0.3≦x
<0.7とした、上記9項記載の組立式保管庫。
【0113】11. 表面板の加工性よりむしろコスト
に優れた光触媒皮膜をもつ、上記7項記載の組立式保管
庫。
【0114】12. 上記8項のxの範囲を0≦x<
0.3とした、上記11項記載の組立式保管庫。
【0115】13. 二酸化チタン濃度が皮膜中濃度に
おいて5〜80mass%である光触媒皮膜を庫壁内面に形
成した、上記6項記載の組立式保管庫。
【0116】14. 二酸化チタンの結晶形としてアナ
ターゼ、ルチル、ブルカイトのうち少なくとも一種以上
が含まれ、さらに無定形の酸化チタンが含まれていても
良い光触媒皮膜を庫壁内面に形成した、上記6項記載の
組立式保管庫。
【0117】15. 二酸化チタン粒子の結晶形がアナ
ターゼ型、あるいはルチル型とアナターゼ型の混合物で
あり、量子効率の高いアナターゼ型を結晶成分中の比率
で30mass%以上含む光触媒皮膜を庫壁内面に形成し
た、上記6項記載の組立式保管庫。
【0118】16. 銅塩濃度が金属銅換算にして二酸
化チタンの0.1〜40mass%、銀塩濃度が金属銀換算
にして二酸化チタンの0.01〜5mass%である光触媒
皮膜を庫壁内面に形成した、上記6項記載の組立式保管
庫。
【0119】17. 光触媒皮膜用ゾルの原料として、
水酸化アルミニウムを二酸化チタンに対し0〜50mass
%添加して得られる光触媒皮膜を庫壁内面に形成した、
上記6〜16項記載の組立式保管庫。
【0120】18. 焼成温度が300℃以下である光
触媒皮膜を庫壁内面に形成した、上記6〜17項記載の
組立式保管庫。
【0121】19. 膜厚が0.05〜5μmである光
触媒皮膜を庫壁内面に形成した、上記6〜18項記載の
組立式保管庫。
【0122】20. 基材と光触媒皮膜の間に二酸化ケ
イ素を主成分とする光触媒用下地膜を形成した、上記6
〜19項記載の組立式保管庫。
【0123】21. 庫内表面に加え、庫外表面にも上
記6〜19項記載の光触媒皮膜が形成された、上記6〜
20項記載の組立式保管庫。
【0124】
【実施例】つぎに、本発明の具体的実施例を比較例とと
もに説明する。
【0125】実施例1 基材として、アルミニウム表面にポリエステルを主成分
とする皮膜を塗布したカラーアルミニウム製パネル表面
材を用意した。このパネル表面材の表面に、バリアー層
としての光触媒皮膜用下地膜を、つぎのようにして形成
した。
【0126】まず、メチルトリメトキシシランと、溶媒
である2−プロパノールと、メチルトリエトキシシラン
の加水分解に用いる水と、塩酸と、水に分散させた粒径
0.01〜0.02μmのSiO粒子を、下地膜の
原料として用意した。なお、SiOを分散させてい
る水はメチルトリエトキシシランの加水分解に用いる水
の一部として用いた。ここで、メチルトリエトキシシラ
ン、溶媒(2−プロパノール)、水、塩酸のモル比が
1:5:4:0.005となるように、また粒子濃度が
3mass%となるように原料を混合し、メチルトリエトキ
シシランを加水分解、縮合重合させることにより、ゾル
を得た。ついで、このゾル中に、上記パネル表面材を浸
漬し、20mm/秒の引き上げ速度で引き上げ、乾燥さ
せた後、200℃で5分間熱処理し、パネル表面材の表
面に光触媒皮膜用下地膜を形成した。
【0127】なお、パネル表面材の表面に形成された光
触媒皮膜用下地膜をSEMにより観察したところ、膜厚
は0.9μmであり、緻密層上に、表面全体に微細な凹
凸が形成されて粗面化された凹凸層が一体に形成されて
いた。凹凸層の表面粗さは、最大高さRmax で0.
03〜0.6μmであり、凹部から最近接の凹部あるい
は凸部から最近接の凸部までの間隔は、0.03〜0.
5μmであった。さらに、凹凸層の表面に、微細な凹凸
に加えて相当直径0.05〜4μm、深さ0.05〜
0.6μmの孔が5×10個/cm以上形成さ
れていた。この孔の周面および底面全体にも微細な凹凸
が形成されて粗面化されており、孔の周面および底面の
表面粗さは、最大高さRmax で0.03〜0.05
μmであり、凹部から最近接の凹部あるいは凸部から最
近接の凸部までの間隔は、0.03〜0.05μmであ
った。
【0128】つぎに、この下地膜上に、下記の方法によ
り光触媒皮膜を形成した。
【0129】二酸化チタン(商品名P−25、日本アエ
ロジル株式会社製)、その他の原料としてメチルトリエ
トキシシラン、テトラエトキシシラン、2−プロパノー
ル、水、硝酸、水酸化アルミニウム、硝酸銅3水和物、
硝酸銀を用意した。これらの割合は、メチルトリエトキ
シシラン:テトラエトキシシラン:2−プロパノール:
水:硝酸=0.5:0.5:5:4:0.005(モル
比)(水には硝酸銅の水和水も含まれる)とし、二酸化
チタン濃度5mass%、水酸化アルミニウム濃度1mass
%、硝酸銅濃度2mass%(水和水は除いた濃度)、硝酸
銀濃度0.1mass%になるように混合し、攪拌して、光
触媒皮膜形成用ゾルを調製した。
【0130】つぎに、このゾルに上記下地膜付きパネル
表面材を浸漬し、2mm/秒の引き上げ速度で引き上
げ、5分間室温で乾燥させた後、5分間200℃で熱処
理し、光触媒皮膜を形成した。得られた光触媒皮膜の断
面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、膜厚は0.5
μmであった。
【0131】つぎに、上記の方法により光触媒皮膜を形
成したパネル表面材を用いて、庫壁の内面および外面に
光触媒皮膜が形成された内寸が横1000mm×縦50
0mm×高さ2000mmの組立式保管庫を形成し、保
管庫の天井には、20Wブラックライト1本を設置し
た。
【0132】実施例2 実施例1と同じパネル表面材上に、実施例1と同じ方法
で光触媒皮膜用下地膜を形成した。ついで、ゾル中の硝
酸銀濃度が0.075mass%であること以外は実施例1
と同じ方法で下地膜付きパネル表面材上に、光触媒皮膜
を形成した。得られた光触媒皮膜の膜厚は0.5μmで
あった。
【0133】つぎに、上記の方法により光触媒皮膜を形
成したパネル表面材を用いて、実施例1と同じ内寸の組
立式保管庫を形成し、保管庫の天井には、20Wブラッ
クライト1本を設置した。
【0134】実施例3 実施例1と同じパネル表面材上に、実施例1と同じ方法
で光触媒皮膜用下地膜を形成した。ついで、ゾル中の硝
酸銀濃度が0.05mass%であること以外は実施例1と
同じ方法で、下地膜付きパネル表面材上に光触媒皮膜を
形成した。得られた光触媒皮膜の膜厚は0.5μmであ
った。
【0135】つぎに、上記の方法により光触媒皮膜を形
成したパネル表面材を用いて、実施例1と同じ内寸の組
立式保管庫を形成し、保管庫の天井には、20Wブラッ
クライト1本を設置した。
【0136】実施例4 実施例1と同じパネル表面材上に、実施例1と同じ方法
で光触媒皮膜用下地膜を形成した。ついで、ゾル中の硝
酸銀濃度が0.025mass%であること以外は実施例1
と同じ方法で、地膜付きパネル表面材上に 光触媒皮膜
を形成した。得られた光触媒皮膜の膜厚は0.5μmで
あった。
【0137】つぎに、上記の方法により光触媒皮膜を形
成したパネル表面材を用いて、実施例1と同じ内寸の組
立式保管庫を形成し、保管庫の天井には、20Wブラッ
クライト1本を設置した。
【0138】実施例5 実施例1と同じパネル表面材上に、実施例1と同じ方法
で光触媒皮膜用下地膜を形成した。ついで、熱処理温度
が100℃であること以外は実施例3と同じ方法で、下
地膜付きパネル表面材上に光触媒皮膜を形成した。得ら
れた光触媒皮膜の膜厚は0.5μmであった。
【0139】つぎに、上記の方法により光触媒皮膜を形
成したパネル表面材を用いて、実施例1と同じ内寸の組
立式保管庫を形成し、保管庫の天井には、20Wブラッ
クライト1本を設置した。
【0140】実施例6 実施例1と同じパネル表面材上に、実施例1と同じ方法
で光触媒皮膜用下地膜を形成した。ついで、熱処理を行
なわずに24時間乾燥させたこと以外は実施例3と同じ
方法で、下地膜付きパネル表面材上に光触媒皮膜を形成
した。得られた光触媒皮膜の膜厚は0.5μmであっ
た。
【0141】つぎに、上記の方法により光触媒皮膜を形
成したパネル表面材を用いて、実施例1と同じ内寸の組
立式保管庫を形成し、保管庫の天井には、20Wブラッ
クライト1本を設置した。
【0142】形成した光触媒皮膜の膜厚は0.5μmで
あった。
【0143】実施例7 実施例1と同じパネル表面材上に、実施例1と同じ方法
で光触媒皮膜用下地膜を形成した。ついで、ゾル中の硝
酸銅濃度が1mass%であること以外は実施例4と同じ方
法で、下地膜付きパネル表面材上に光触媒皮膜を形成し
た。得られた光触媒皮膜の膜厚は0.5μmであった。
【0144】つぎに、上記の方法により光触媒皮膜を形
成したパネル表面材を用いて、実施例1と同じ内寸の組
立式保管庫を形成し、保管庫の天井には、20Wブラッ
クライト1本を設置した。
【0145】実施例8 アルミニウム板上に光触媒皮膜用下地膜を形成せずに直
接実施例7と同様にして光触媒皮膜を形成した。形成し
た光触媒皮膜の厚さは0.5μmであった。
【0146】つぎに、上記の方法により光触媒皮膜を形
成したパネル表面材を用いて、実施例1と同じ内寸の組
立式保管庫を形成し、保管庫の天井には、20Wブラッ
クライト1本を設置した。
【0147】実施例9 実施例1と同じパネル表面材上に、実施例1と同じ方法
で光触媒皮膜用下地膜を形成した。
【0148】つぎに、この下地膜上に、下記の方法によ
り光触媒皮膜を形成した。
【0149】二酸化チタン(商品名P−25、日本アエ
ロジル株式会社製)、その他の原料としてテトラエトキ
シシラン、2−プロパノール、水、硝酸、水酸化アルミ
ニウム、硝酸銅3水和物、硝酸銀を用意した。これらの
割合は、テトラエトキシシラン:2−プロパノール:
水:硝酸=1:5:4:0.005(モル比)(水には
硝酸銅の水和水も含まれる)とし、二酸化チタン濃度5
mass%、水酸化アルミニウム濃度1mass%、硝酸銅濃度
2mass%(水和水は除いた濃度)、硝酸銀濃度0.1ma
ss%になるように混合し、攪拌して、光触媒皮膜形成用
ゾルを調製した。
【0150】つぎに、このゾルに上記下地膜付きパネル
表面材を浸漬し、2mm/秒の引き上げ速度で引き上
げ、5分間室温で乾燥させた後、5分間200℃で熱処
理し、光触媒皮膜を形成した。得られた光触媒皮膜の断
面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、膜厚は0.4
μmであった。
【0151】つぎに、上記の方法により光触媒皮膜を形
成したパネル表面材を用いて、実施例1と同じ内寸の組
立式保管庫を形成し、保管庫の天井には、20Wブラッ
クライト1本を設置した。
【0152】実施例10 実施例1と同じパネル表面材上に、実施例1と同じ方法
で光触媒皮膜用下地膜を形成した。ついで、ゾル中の硝
酸銀濃度が0.075mass%であること以外は実施例9
と同じ方法で下地膜付きパネル表面材上に、光触媒皮膜
を形成した。得られた光触媒皮膜の膜厚は0.4μmで
あった。
【0153】つぎに、上記の方法により光触媒皮膜を形
成したパネル表面材を用いて、実施例1と同じ内寸の組
立式保管庫を形成し、保管庫の天井には、20Wブラッ
クライト1本を設置した。
【0154】比較例1 実施例1と同じパネル表面材上に、実施例1と同じ方法
で光触媒皮膜用下地膜を形成した。ついで、ゾル中に硝
酸銅を添加しないこと以外は実施例5と同じ方法で、下
地膜付きパネル表面材上に光触媒皮膜を形成した。得ら
れた光触媒皮膜の膜厚は0.5μmであった。
【0155】つぎに、上記の方法により光触媒皮膜を形
成したパネル表面材を用いて、実施例1と同じ内寸の組
立式保管庫を形成し、保管庫の天井には、20Wブラッ
クライト1本を設置した。
【0156】比較例2 実施例1と同じパネル表面材上に、実施例1と同じ方法
で光触媒皮膜用下地膜を形成した。ついで、ゾル中に硝
酸銀を添加しないこと以外は実施例5と同じ方法で、下
地膜付きパネル表面材上に光触媒皮膜を形成した。得ら
れた光触媒皮膜の膜厚は0.5μmであった。
【0157】つぎに、上記の方法により光触媒皮膜を形
成したパネル表面材を用いて、実施例1と同じ内寸の組
立式保管庫を形成し、保管庫の天井には、20Wブラッ
クライト1本を設置した。
【0158】比較例3 実施例1と同じパネル表面材上に、実施例1と同じ方法
で光触媒皮膜用下地膜を形成した。ついで、ゾル中に硝
酸銀および硝酸銅を添加しないこと以外は実施例5と同
じ方法で、下地膜付きパネル表面材上に光触媒皮膜を形
成した。得られた光触媒皮膜の膜厚は0.5μmであっ
た。
【0159】つぎに、上記の方法により光触媒皮膜を形
成したパネル表面材を用いて、実施例1と同じ内寸の組
立式保管庫を形成し、保管庫の天井には、20Wブラッ
クライト1本を設置した。
【0160】評価試験 上記実施例と比較例で得られたパネル表面材の光触媒皮
膜について、耐光性試験、抗菌力試験を行なった。また
光触媒皮膜を塗布したパネル表面材を用いて形成した保
管庫について消臭試験を行なった。
【0161】耐光性試験は、JIS B7751規定の
紫外線カーボンアーク燈式耐光試験機を用いて光触媒を
塗布した基材に紫外線を300時間照射した後、皮膜に
チョーキングが起こっていないかを確認するとともに、
紫外線照射前後の基材のLab系における色差ΔEを、
スガ試験機株式会社製カラーテスターSC−3−CH型
を用いて測定し評価した。得られた耐光性試験の結果を
下記表1にまとめて示した。
【0162】抗菌力試験は、大腸菌(Escherichia coil
IFO 3972)、クロカワカビ(Cladosporium cladospori
oides IFO 6348)について行なった。菌液は大腸菌に関
しては、普通寒天培地で37℃、16〜24時間前培養
した試験菌液を普通寒天培地に再度接種し、37℃、1
6〜20時間培養した菌体をリン酸緩衝液に均一に分散
差せ、1ml当たりの菌数が2.0×10〜1.0
×10となるように調製し、クロカワカビに関して
は、ポテトデキストロース寒天培地で25℃、7〜10
日間培養した後、胞子(分生子)を0.005%スルホ
コハク酸ジオクチルナトリウム溶液に浮遊させ、ガーゼ
で濾過後、1ml当たりの菌数が2.0×10
1.0×10となるように調製し、下地膜を塗布し
た後さらに最表面に光触媒皮膜を塗布した基材(大き
さ:5cm×5cm)を、予め99.5%エタノールを
しみこませた脱脂綿でかるく拭いたのち、風乾したもの
を試料とした。
【0163】各試料の表面にそれぞれ菌液1mlを添加
した。これらを昼白色蛍光灯照射下あるいは光を完全に
遮断して、細菌は35℃、カビは25℃で保存した。な
お、蛍光灯で光を照射する場合は照度計で試験面が10
00ルクスとなるように照射位置を調整した。またポリ
エチレンフィルムを対照試料として、同様に試験した。
4時間後にSCDLP培地で試料から生残菌を洗い出
し、この洗い出し液の生菌数を、大腸菌は標準寒天培
地、クロカワカビはを用いた寒天平板培養法(大腸菌は
35℃、2日間培養、クロカワカビは25℃、7日間培
養)により測定し、試料1個当たりに換算した。また接
種直後の測定は対照試料で行なった。抗菌力試験の結果
を、下記表2に示した。
【0164】消臭試験は、光触媒皮膜を塗布した基材を
用いて形成した保管庫内部を、アンモニア100ppm
もしくはメチルメルカプタン50ppmを充満させ、充
満直後から、天井に設置した20Wブラックライト1本
により光を照射し、光照射開始から24時間後にガス検
知管により、保管庫内のガス濃度を測定する方法により
行なった。また、光なしでも光照射の場合と同様にして
24時間後のガス濃度を測定した。消臭試験の結果を、
下記表3に示した。
【0165】
【表1】
【表2】
【表3】 上記表1〜3から明らかなように、実施例1〜10で
は、耐光性に優れた、光照射下および光無しのいずれの
環境においても優れた消臭、抗菌、防カビ機能を有する
保管庫が形成できた。なお、光を照射した場合には光触
媒効果が発揮されるため、光照射無しに比べ消臭力がよ
り優れた結果となった。一方、比較例1では、消臭、抗
菌、防カビ効果には優れており、耐光性試験後にチョー
キングがおこらなかったものの、銅塩を添加したため、
耐光性試験前後の色差が大きくなった。比較例2では、
耐光性、消臭、抗菌効果は優れているものの、銀塩を添
加せずに銅塩を添加したため、防カビ効果がほとんど見
られなかった。比較例3では、耐光性、アンモニアの消
臭効果は優れているが、銀塩および銅塩を添加していな
いため、今回の試験条件では抗菌・防カビ効果は見られ
なかった。また、メチルメルカプタンの消臭効果も、銀
塩および/または銅塩を添加したものに比べ劣る結果と
なった。
【0166】
【発明の効果】本発明による組立式保管庫は、上述のよ
うに、二酸化チタン、シラン化合物、有機溶媒、水、酸
触媒、銀塩、銅塩を混合して得られたゾルを塗布するこ
とにより形成されかつ耐光性、消臭・抗菌・防カビ効果
に優れた光触媒皮膜が、庫壁内面に設けられているもの
で、二酸化チタン粒子、シラン化合物、銀塩、銅塩を用
いた光触媒皮膜を庫壁内面に設けることにより、耐光
性、消臭・抗菌・防カビ効果に優れた保管庫を形成する
ことができる。そして、本発明による組立式保管庫は、
光照射時、光の未照射時のいずれにおいても消臭、抗
菌、防カビ効果を有するため、あらゆる環境下での使用
に耐え得るという効果を奏する。また本発明による組立
式保管庫は、従来の脱臭フィルターも用いなくても、光
を照射するだけで、臭い成分を分解除去できるととも
に、抗菌効果も付与することができ、しかも庫内の有効
内容積は減少しないという利点がある。
【0167】また、光触媒作用は光触媒の表面で起こる
反応であるため、光触媒皮膜を形成させる庫壁内面の面
積を多く取れば、光触媒に吸着する物質の場合、光を照
射しなくても、臭い成分の光触媒表面での吸着により消
臭作用を発揮させることができ、吸着した臭い成分は、
時々光を照射することにより分解することができるた
め、半永久的に消臭効果を持続させることが期待できる
という効果を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 多田 清志 堺市海山町6丁224番地 昭和アルミニウ ム株式会社内 (72)発明者 東野 真誠 堺市海山町6丁224番地 昭和アルミニウ ム株式会社内 Fターム(参考) 3E067 AB01 BA01A BB08A BB09A BB11A BB14A BB21A BB24A BB26A CA18 EA40 EE35 FC01 GA01 GB15 GC03 GC08 GD01 GD02 4C080 AA07 AA10 BB02 BB05 BB08 CC12 CC14 HH05 JJ10 KK08 MM02 NN06 QQ11

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二酸化チタン、シラン化合物、有機溶
    媒、水、酸触媒、銀塩、銅塩を混合して得られたゾルを
    塗布することにより形成されかつ耐光性、消臭・抗菌・
    防カビ効果に優れた光触媒皮膜が、庫壁内面に設けられ
    ている、消臭機能を有する組立式保管庫。
  2. 【請求項2】 シラン化合物が、一般式RSi(X)
    (式中、Rはアルキル基、フェニル基、またはビニ
    ル基よりなる炭化水素基、Xはアルコキシル基、または
    ハロゲンである)で表される3官能シラン、および一般
    式Si(X) (式中、Xはアルコキシル基、またはハ
    ロゲンである)で表される4官能シランである、請求項
    1記載の組立式保管庫。
  3. 【請求項3】 シラン化合物が、一般式Si(X)
    (式中、Xはアルコキシル基、またはハロゲンである)
    で表される4官能シランである、請求項1記載の組立式
    保管庫。
  4. 【請求項4】 庫壁内面と光触媒皮膜との間に、二酸化
    ケイ素を主成分とする光触媒用下地膜が設けられてい
    る、請求項1〜3のいずれか1項記載の組立式保管庫。
  5. 【請求項5】 庫内に紫外線を含む光を照射する機構を
    持つ請求項1〜4のいずれか1項記載の組立式保管庫。
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