JP3267880B2 - 抗菌性アルミニウム又はアルミニウム合金材料及びその製造方法 - Google Patents

抗菌性アルミニウム又はアルミニウム合金材料及びその製造方法

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JP3267880B2 JP31854496A JP31854496A JP3267880B2 JP 3267880 B2 JP3267880 B2 JP 3267880B2 JP 31854496 A JP31854496 A JP 31854496A JP 31854496 A JP31854496 A JP 31854496A JP 3267880 B2 JP3267880 B2 JP 3267880B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光の照射下で抗菌
・防黴・防汚性を示す光触媒層を形成したアルミニウム
又はアルミニウム合金(以下、アルミ合金と称する)材
料及びその製造方法に関し、さらに詳しくは、陽極酸化
皮膜を形成したアルミ合金基材上に、該基材への付き廻
り性、半導体微粒子の密着性に優れた光触媒層を形成す
る方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、MRSA(メチシリン耐性黄色ブ
ドウ球菌)等の院内感染が問題視されるようになってき
ている。院内感染の多くは日和見感染症であり、ウィル
ス、細菌、原虫、黴等が抵抗力や免疫力が低下した人体
の中で急に活発化して発症する感染症である。例えばM
RSAの感染に関して言えば、その菌は主に患者や院内
従事者の体、スリッパ、医療器具等を介して病院内に広
がるようだが、空気中の塵埃に菌が付着して空気感染を
起こすこともある。そのため、院内感染を防ぐには室内
空気全体を殺菌、浄化処理する必要があり、従来、薬品
による消毒や空気清浄器に頼ってきた。しかしながら、
消毒においては、薬品を用いるため人体への影響が無視
できず、薬品の臭いも不快感を与えるといった問題があ
り、また、作業が容易でない等の理由から頻繁に行うわ
けにもいかなかった。一方、空気清浄器による院内の浄
化は比較的容易ではあるが、空気中の塵埃等を静電気に
より除去する原理であるため、細菌、黴、及びそれに付
随する臭気等は除去しにくいといった問題があった。ま
た、煙草のヤニがサッシ、パネル材等の建築部材表面に
付着し汚れた場合、美観を損ねるだけでなく、その部分
に細菌が付着し繁殖し易いという問題もあった。
【0003】ところで、TiO2 に代表される光触媒作
用を有する半導体微粒子が、その光触媒作用により有機
物の分解を行い、その作用に基づき抗菌・防黴・防汚・
防臭作用を有することは従来から知られており、最近で
はそれらを利用して、細菌や黴が繁殖しにくい様々な材
料が研究、開発されている。例えば、特開平2−633
3号公報には酸化チタンの粒子表面に銅・亜鉛等の抗菌
性金属を担持させた抗菌性粉末について開示されてお
り、この粉末を樹脂、ゴム、ガラス等に配合することに
よって抗菌性組成物が得られ、また、公知の方法によ
り、電気機器、家具調度品、室内装飾材、食品等の包装
資材等の抗菌性処理のほか、環境衛生施設、機器類の抗
菌剤として上記粉末を利用できると教示している。
【0004】また、特開平6−65012号公報には、
銀、銅、亜鉛、白金等の金属を含有した酸化チタン膜を
コンクリート、ガラス、プラスチック、セラミックス、
金属等の材質からなる基板にコーティングすることによ
って、該基板において雑菌及び黴の繁殖を防止できる旨
が開示されている。さらに特開平4−307066号公
報には、パネルの裏面に光触媒を付設し、該パネルの裏
側に短波長ランプを配置し、このランプから光触媒へ紫
外線照射することによって、光触媒を活性化し、パネル
が設置された室内の脱臭を図るという室内空気のリフレ
ッシュ法が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、複雑な
形状を有するアルミ合金製の建築部材(以下、アルミ建
材と称する)、例えば押し出し形材等に、光触媒作用を
有する半導体微粒子や、半導体微粒子を含有もしくは担
持した塗料(以下、光触媒と総称する)をコーティング
する場合には、その付き廻りの問題があり、凸部や隅角
部にまで光触媒を均一にコーティングすることは困難で
ある。さらに、通常行われている光触媒微粒子を含む懸
濁液を基材表面に塗布する方法では、200℃を超える
温度で処理しなければ十分な密着性が得られない。ま
た、金属薄膜を形成した後、これを酸化させて所定の光
触媒を形成させる方法でも、200℃を超える温度下で
の処理が必要である。しかし、アルミ合金の場合には、
このような高い温度にさらすとその強度が著しく低下し
てしまうという問題がある。
【0006】一方、200℃以下の温度で硬化する光触
媒も一部実用化されている。このような光触媒膜は、シ
リケート等の低温硬化型の無機バインダー中に半導体微
粒子を分散させたものであるが、そのような場合でも、
基材と光触媒膜の熱膨張係数が異なるため、加熱・降温
時に生じる熱応力の影響で光触媒膜に亀裂が生じ、基材
との密着性に劣るものとなり、衝撃を受けた場合に光触
媒膜が剥離してしまう。また、この光触媒を、それ自体
が耐食性や耐候性を有していないアルミ合金地金あるい
は陽極酸化皮膜を形成したアルミ合金上に成膜しても、
この光触媒膜には前述したように亀裂が生じているた
め、アルミ合金あるいは陽極酸化皮膜形成アルミ合金を
腐食する成分が該基材に直接接触することを防止できな
いため、該光触媒膜は、耐食膜としては機能できない。
【0007】通常、アルミ建材は耐食性、耐候性をもた
せるため、陽極酸化皮膜上にアクリル系あるいはフッ素
系の塗膜が形成されている。この塗膜上に光触媒膜を形
成すると、その光触媒作用によって塗膜自体が分解され
てしまう。これを防止するため、塗膜上に光触媒作用を
阻害する層を形成し、その上に光触媒膜を形成するとい
う方法が考えられるが、成膜工程が2度手間になるばか
りでなく、塗膜と該阻害層あるいは阻害層と光触媒の密
着性が問題となり、必ずしも好ましい方法ではなかっ
た。
【0008】また、本発明者らは、光触媒膜の付き廻り
性に優れる湿式の成膜方法として電気泳動法を利用する
方法を開発し、既に出願しているが、その方法では、基
板との密着性に優れる光触媒膜が得られる条件が狭い。
また、通常の電気泳動法、すなわち、何らかの導電性基
板、例えば鉄やステンレス等の基板を用いて、この上に
電気泳動法によってTiO2 等の半導体微粒子を堆積さ
せても、その光触媒膜の強度あるいは基板との密着性は
低いものとなる。これは、半導体微粒子のみでは、粒子
間あるいは粒子と基板との間に生じる相互作用が小さい
ため、強度及び基材との密着性に乏しい光触媒膜となる
ためである。これを回避するには、電気泳動可能な塗料
中に半導体微粒子を含有させる必要がある。この塗料を
電気泳動させることによって適当な基板上に光触媒作用
を示す半導体微粒子を含有した塗膜が得られるが、通
常、この塗料自体が有機物であるため、半導体微粒子の
光触媒作用によって分解されてしまい、長期安定性に劣
り、また、光触媒膜の光触媒作用は、半導体微粒子の含
有量を多くできないため低いものとなってしまう。
【0009】従って、本発明の目的は、前記のような問
題を解決し、特別な装置を要することなく、優れた光触
媒作用を示すと共に、半導体微粒子の密着性に優れ、陽
極酸化皮膜を形成したアルミ合金基材の耐食性をも向上
させる光触媒層を形成する方法を提供することにある。
本発明のより具体的な目的は、アルミ合金基材の強度を
低下させることなく、複雑な形状のアルミ合金基材であ
っても付き廻り性良く半導体微粒子が担持され、陽極酸
化皮膜を形成したアルミ合金自体の耐食性をも向上させ
る方法で該半導体微粒子の密着性を向上させた光触媒層
が形成され、優れた抗菌・防黴・防汚性を示すアルミ合
金材料及びその製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明によれば、アルミ合金からなる基材表面に形
成した陽極酸化皮膜上に、封孔処理によって膨潤した
陽極酸化皮膜内に取り込まれた光触媒作用を示す半導体
微粒子と陽極酸化皮膜の複合相からなる光触媒層が形成
されてなることを特徴とするアルミ合金材料が提供され
る。好適な態様においては、上記光触媒層の上に、さら
に抗菌性金属及び/又は抗菌性金属化合物が析着されて
なることを特徴とするアルミ合金材料が提供される。
【0011】さらに本発明によれば、前記のような抗菌
性アルミ合金材料の製造方法も提供される。その一つの
方法は、光触媒作用を有する半導体微粒子を分散した懸
濁液中に、陽極酸化皮膜を形成したアルミ合金からなる
基材を浸漬し、あるいは該半導体微粒子懸濁液を陽極酸
化皮膜を形成したアルミ合金基材上に塗布し、次いで乾
燥させることによって上記陽極酸化皮膜表面に光触媒作
用を有する半導体微粒子を担持させ、その後、該半導体
微粒子を担持した基材を沸騰水中等で封孔処理を施すこ
とにより、封孔処理によって膨潤した陽極酸化皮膜と上
記半導体微粒子とが混在した複合相からなる光触媒層を
形成することを特徴としている。
【0012】また、別の方法としては、光触媒作用を有
する半導体微粒子を分散した懸濁液中に、陽極酸化皮膜
を形成したアルミ合金からなる基材を浸漬し、電気泳動
法によって該陽極酸化皮膜表面に光触媒作用を有する半
導体微粒子を担持させ、乾燥させた後、該半導体微粒子
を担持した基材を沸騰水中等で封孔処理を施すことによ
り、封孔処理によって膨潤した陽極酸化皮膜と上記半導
体微粒子とが混在した複合相からなる光触媒層を形成す
ることを特徴としている。このような方法により、複雑
な形状のアルミ建材やアルミ建材部品に対しても、付き
廻り性、半導体微粒子の密着性に優れた光触媒層が形成
され、また、該光触媒層形成の際に封孔処理を施すた
め、陽極酸化皮膜自体が封孔され耐食性の向上をも同時
に達成することができる。
【0013】好適な態様においては、pHが使用する半
導体微粒子の等電点以上であり、かつアルミ合金基材を
腐食しない値に調整された半導体微粒子懸濁液を用い、
また、封孔の際に、陽極酸化皮膜の耐食性をより向上さ
せるべく酢酸ニッケル等の薬剤を含有する水溶液中で封
孔処理を実施する。さらに別の好適な態様においては、
前記のような方法により形成された光触媒層の上に、さ
らに抗菌性金属及び/又は抗菌性金属化合物を析着させ
る。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明による光触媒層の形成は、
アルミ合金からなる基材の表面に細孔を有する陽極酸化
皮膜を形成し、さらに該アルミ合金基材を、TiO2
の半導体微粒子を懸濁させた溶液中に浸漬し、又は該半
導体微粒子懸濁液を塗布し、あるいは半導体微粒子懸濁
液中で電気泳動法を実施することによって、該半導体微
粒子をアルミ合金基材の陽極酸化皮膜上に担持させ、そ
の後、封孔処理を実施することによってなされる。この
光触媒層の形成方法は、湿式プロセスであるため、複雑
な形状のアルミ建材であっても、光触媒層の付き廻り性
に優れ、また、室温程度での処理であるため、加熱によ
るアルミ合金の強度劣化の問題も生じる恐れがない。
尚、電気泳動法を実施する際には、陽極酸化皮膜を形成
したアルミ合金基材を陽極に、ステンレス鋼やカーボン
等の適当な電極を陰極にして直流下で電気泳動を実施す
る。また、半導体微粒子懸濁液のpHは、半導体微粒子
が負の電荷を帯び、陽極側に泳動されるように、その等
電点よりも大きくする必要がある。
【0015】前述したように、鉄やステンレス鋼等の基
材上に半導体微粒子を電気泳動法で堆積させても、該半
導体微粒子から成る光触媒膜の強度や密着性は低いもの
となる。また、半導体微粒子を分散させた懸濁液を上記
基材上に塗布し、あるいは該懸濁液中に上記基材を浸漬
し、乾燥させても、該半導体微粒子から成る光触媒膜の
強度や密着性は低いものとなる。しかし、本発明のよう
に、陽極酸化皮膜を形成したアルミ合金を基材として用
い、半導体微粒子を担持させた後にさらに封孔処理を施
すことによって、強度及び密着性に優れた光触媒層が形
成される。
【0016】陽極酸化皮膜に封孔処理を施すと、該陽極
酸化皮膜が含水・膨潤し、この効果によって陽極酸化皮
膜の細孔が塞がれる。ここで、陽極酸化皮膜上にTiO
2 等の半導体微粒子が担持されていた場合、該半導体微
粒子が膨潤した陽極酸化皮膜内部に取り込まれ、半導体
微粒子と陽極酸化皮膜とからなる複合相が基材表面に形
成される。さらに、封孔処理によって生じた膨潤層と元
々の陽極酸化皮膜とが界面で剥離することは有りえな
い。すなわち、本発明によって、半導体微粒子の密着性
を改善すると共に、陽極酸化皮膜自体が封孔されること
によりアルミ合金基材の耐食性の改善を同時に行うこと
が可能となる。
【0017】以下、本発明の好適な実施態様について詳
細に説明する。前記したように、本発明による光触媒層
の形成においては、陽極酸化皮膜が形成されたアルミ合
金基材を用いる必要がある。通常の陽極酸化処理によっ
てアルミ合金上に形成される陽極酸化皮膜の細孔径は、
一般に10nm〜20nmである。また、アルミ合金を
例えば硫酸、リン酸、シュウ酸、マロン酸、マレイン酸
等の鉱酸又は有機酸の1種又は2種以上の混酸溶液中で
高電圧で陽極酸化し、該アルミ合金の表面に通常の細孔
径より大きい細孔を有する陽極酸化皮膜を形成させる方
法が知られており、一般にDC130V〜220Vの高
電圧で陽極酸化した場合、100nm以上の細孔径を有
する陽極酸化皮膜が得られる。
【0018】本発明では、半導体微粒子の密着性の改善
のために、陽極酸化皮膜が封孔処理される際に該陽極酸
化皮膜が膨潤するという特性を利用している。細孔径が
半導体微粒子の粒径よりも小さい場合、半導体微粒子は
該陽極酸化皮膜上に担持され、光触媒層は陽極酸化皮膜
上に形成される。また、細孔径が半導体微粒子よりも大
きい場合、半導体微粒子は細孔内部及び陽極酸化皮膜上
に担持され、細孔内部及び陽極酸化皮膜上に光触媒層が
形成されることになる。しかし、細孔径が200nmを
超えると、封孔処理自体に長時間が必要となり生産上好
ましくなく、また、封孔による陽極酸化皮膜の膨潤で細
孔を塞ぐことができないことも起こり、耐食性の改善が
得られなくなる。以上のことから、使用する陽極酸化皮
膜の細孔径は、10nm〜200nmの範囲内にあるこ
とが好ましい。
【0019】前述したように、本発明の方法によって形
成される光触媒層は、半導体微粒子の剥離といった問題
もなく、また、優れた耐食性及び耐候性を示す。このよ
うな、光触媒層に用いる半導体微粒子は、光触媒作用を
有する半導体微粒子、例えば、TiO2 からなってい
る。この半導体微粒子に太陽光線や蛍光灯の光が照射さ
れると、TiO2 表面に正孔(h+ )や電子(e- )が
生じて光触媒作用を示し、水や各種の有機物の分解が行
われる。また、この正孔の作用により水が酸化されてO
Hラジカルを、また、電子の作用により、空気中の酸素
が還元され、O2 -ラジカルを生ずる。これらの活性酸素
は優れた殺菌作用を有し、その結果、黴等が生じにくく
なる。
【0020】前記陽極酸化皮膜上に担持される半導体微
粒子としては、電子−正孔移動度が比較的大きく、前記
のような光触媒作用を有する半導体であればいずれも使
用可能であり、例えばTiO2 ,SrTiO3 ,Zn
O,CdS,SnO2 等が挙げられるが、これらの中で
も化学的な安定性、生体への安全性等の点から特にTi
2 が好ましい。使用する半導体微粒子の粒径は1nm
〜1000nm、好ましくは5nm〜300nmの粒径
に調整することが好ましい。粒径が1nmよりも小さく
なると量子サイズ効果によりバンドギャップが大きくな
り、低圧水銀灯等の短波長光を含む照明下でないと光触
媒性能が得られないといった問題がある。また、粒径が
あまりに小さ過ぎると取り扱いが困難であったり、分散
性が悪くなるという問題も生じてくる。取り扱い性の点
からは5nm以上の粒径が好ましい。一方、粒径が10
00nmを超えると、懸濁液中で沈殿しやすくなった
り、速やかに泳動できなくなるという問題が生じる。
【0021】半導体微粒子を含有した懸濁液を陽極酸化
皮膜を形成したアルミ合金基材上に浸漬あるいは塗布等
の方法によって半導体微粒子を担持させる場合、半導体
微粒子の懸濁液は、0.1〜50重量%、好ましくは5
〜20重量%の半導体微粒子を水中に分散させたものを
使用する。尚、半導体微粒子の凝集や沈殿を防ぐため、
後述するアミン化合物やカルボン酸塩等の解膠剤や分散
剤を添加し、水中に安定に半導体微粒子が分散するよう
にしておく必要がある。この方法では、基材上に担持さ
せる半導体微粒子の量は、懸濁液中に含まれる半導体微
粒子の量にのみ依存する。ここで、半導体微粒子の担持
量が少なかった場合、得られる光触媒層の光触媒活性が
小さくなり、逆に担持量が多いと、全ての半導体微粒子
が膨潤した陽極酸化皮膜中に含有される訳ではなく、余
剰分は、結局、無駄になってしまう。以上のことから、
半導体微粒子を含有した懸濁液は、5〜20重量%の半
導体微粒子を水中に分散させたものを使用することが好
ましい。半導体微粒子懸濁液中に基材を浸漬し、あるい
は半導体微粒子懸濁液を基材に塗布する場合、その方法
は特に限定されず、通常のディップコート、スプレーコ
ート等の方法で実施することができる。
【0022】一方、電気泳動法で半導体微粒子を前記基
材上に担持させる場合、半導体微粒子を分散させた懸濁
液は、0.1〜50重量%、好ましくは0.5〜10重
量%の半導体微粒子を水中に分散させたものを使用す
る。尚、懸濁液中での半導体微粒子の凝集や沈殿を防ぐ
ため、ラウリン酸、ステアリン酸、オレイン酸等の有機
酸及び低級アミン類や苛性ソーダ等のソーダ塩及び界面
活性剤などからなる解膠剤や分散剤を添加し、水中に安
定に半導体微粒子が分散するようにしておく必要があ
る。上記解膠剤や分散剤としては、後述する懸濁液のp
H等の点から、上記の化合物の中でも低級アミン類を用
いることが好ましい。電気泳動法の場合、基材近辺で半
導体微粒子の濃度が増加し、また、粒子同士が凝集する
ため、前記の浸漬法や塗布法に比べて、懸濁液中の半導
体微粒子の含有量を小さくでき、懸濁液中の半導体微粒
子の安定性の点で優れている。
【0023】また、前記のように半導体微粒子の荷電状
態は、溶液のpHに依存するため、溶液のpHを調整す
る必要がある。pHの調整は、前記の解膠剤や分散剤の
種類及び添加量によって行うことができる。例えば、半
導体微粒子としてTiO2 を用いた場合、この等電点は
中性付近である。従って、pHをアルカリ性側にすれ
ば、該半導体微粒子は負電荷を帯び、陽極に電気泳動さ
れるようになる。しかし、pHが余りにも大きいと、光
触媒膜を成膜するアルミ合金自体が腐食されてしまう。
従って、懸濁液のpHは、8〜13、好ましくは10〜
12に調整する必要がある。
【0024】電気泳動処理の際に陰極として用いる電極
材料としては、懸濁液に含まれる化合物及びpHに対し
て安定で、さらに陰極で起こる電気化学反応、例えば水
素の発生に対して安定であれば適用でき、ステンレス鋼
やカーボン等が使用可能である。
【0025】電気泳動処理を行うにあたっては、図1に
示すような装置を用い、半導体微粒子懸濁液2が満たさ
れた容器1内に陽極酸化皮膜を形成したアルミ合金基材
3及び陰極4をセットし、該アルミ合金基材3を陽極と
して直流で電気泳動を行う。電気泳動法としては、直流
電圧を低電圧より高電圧へ一定の昇圧速度で所定時間走
査する直流電圧走査法、及び定電圧あるいは定電流で所
定時間電解する直流定電圧法あるいは定電流法等を採用
できる。いずれの場合も、印加する電圧は、陽極酸化皮
膜底部のバリヤー層と称する絶縁層の絶縁電圧以上であ
る必要がある。それは、バリヤー層の絶縁電圧以上の電
圧を印加しないと電流が流れず、半導体微粒子が陽極側
に泳動されないからである。また、逆に印加電圧が極端
に大きい場合、電気泳動中に陽極酸化皮膜自体が絶縁破
壊される恐れがある。以上のことから、電気泳動時に印
加する電圧は、陽極酸化皮膜バリヤー層の絶縁電圧に1
0V〜100V、好ましくは20V〜60V加えた電圧
が適している。
【0026】本発明においては、前記したように陽極酸
化皮膜を形成したアルミ合金基材上に浸漬法、塗布法、
あるいは電気泳動法によって半導体微粒子を担持させた
後に、乾燥することが必要である。前述の浸漬・塗布、
あるいは、電気泳動後の状態では、基材上に半導体微粒
子の懸濁液が載っていることと同等の状態であり、この
基材を乾燥することなく封孔処理を施すための溶液に浸
漬すると、半導体微粒子が封孔溶液中に拡散していき、
最終的に光触媒層に含有される半導体微粒子の量が少な
くなり、光触媒活性が小さくなってしまう。しかし、乾
燥して溶媒を取り除くと、封孔溶液中に浸漬した程度で
は剥離しない程度の密着性の光触媒膜が得られる。ここ
で、乾燥は、単に溶媒を取り除くことが目的であるた
め、温度は特に限定されない。しかし、200℃を超え
る温度では、アルミ合金基材の強度が低下すること、及
び敢えて加熱する必要性もないことから、室温程度の乾
燥で十分である。
【0027】また、本発明の他の例として、半導体微粒
子を分散させた懸濁液に陽極酸化皮膜を形成したアルミ
合金基材を浸漬し、そのまま該懸濁液を沸騰させ、封孔
処理を施す方法も考えられる。しかし、半導体微粒子を
分散させた懸濁液を沸騰させると、分散された半導体微
粒子の凝集・沈殿等が起こるため、懸濁液の寿命の点で
好ましくない。また、膨潤された陽極酸化皮膜中に半導
体微粒子が含有されるためには、陽極酸化皮膜上にのみ
高濃度に半導体微粒子が存在する必要がある。前記の浸
漬法、塗布法あるいは電気泳動法によれば、半導体微粒
子は陽極酸化皮膜上に直接担持されており、陽極酸化皮
膜上の半導体微粒子の局所的な濃度は、半導体微粒子を
直接担持させた方が高くなる。すなわち、半導体微粒子
懸濁液中で封孔処理を施すよりも、何らかの方法で陽極
酸化皮膜上に半導体微粒子を担持させた後に封孔処理を
施した方が、光触媒層の光触媒活性は高くなる。
【0028】封孔処理には、沸騰水封孔、酢酸ニッケル
等の添加剤を加えた水中で行う薬液封孔、水蒸気封孔等
があり、陽極酸化皮膜の耐食性が封孔処理によって異な
ることが知られている。本発明では、半導体微粒子と陽
極酸化皮膜の複合相形成に、封孔処理時に陽極酸化皮膜
が膨潤する性質を利用しているため、どのような封孔処
理であっても適用可能である。そのアルミ合金に要求さ
れる耐食性の面から封孔処理を選択することが可能であ
る。
【0029】前述したような浸漬法、塗布法あるいは電
気泳動法によって、図2に示すような半導体微粒子10
がアルミ合金基材11の陽極酸化皮膜12上に吸着され
る。これを封孔処理することによって、図3に示すよう
に、封孔によって膨潤した陽極酸化皮膜12a中に半導
体微粒子10が含有された光触媒層13が形成される。
このような光触媒層であれば、半導体微粒子が欠落する
恐れがなく、また、封孔処理を施されているため陽極酸
化皮膜自体の耐食性も向上している。以上のことから、
本発明によって得られる光触媒層を形成したアルミ合金
基材は、半導体微粒子の密着性、基材の耐食性に優れる
ばかりでなく、高い光触媒作用を示すことから、優れた
抗菌・防黴・防汚性を発揮する。また、室温下、湿式で
光触媒層を形成できることから、光触媒層の付き廻りに
優れると共に、アルミ合金の強度低下を起こすこともな
く、量産性に優れた光触媒層の形成方法である。
【0030】また、光触媒作用は、光照射時のみ、その
作用を示すが、暗時においても抗菌・防黴性を発揮させ
たい場合には、この光触媒層の上に、さらに銀、銅等の
抗菌性金属あるいは抗菌性金属化合物を析着させること
によって、暗時においても抗菌・防黴作用を示すように
なる。
【0031】抗菌性金属あるいは抗菌性金属化合物を析
出させる方法としては、硝酸銀や塩化銅などの銀や銅な
どの抗菌性金属を含む適当な化合物の溶液を調製し、こ
の溶液中に光触媒層を形成したアルミ合金基材を浸す
か、あるいは、該溶液を光触媒層にスプレー等で塗布し
た後、紫外線ランプやブラックライトなどで紫外線を照
射する方法を好適に用いることができる。この紫外線照
射により、光触媒層の光触媒作用で生じた電子により抗
菌性金属イオンあるいは抗菌性金属化合物イオンが還元
され、該光触媒層表面に抗菌性金属あるいは抗菌性金属
化合物が析出する。この場合、抗菌性金属あるいは抗菌
性金属化合物の析出量は、溶液中の抗菌性金属イオンあ
るいは抗菌性金属化合物イオンの量、塗布する場合はそ
の塗布量、溶液中に添加するアルコールやEDTA等の
還元剤の濃度、紫外線の強度及び照射時間によって制御
できる。
【0032】
【実施例】以下、実施例及び比較例を示して本発明の効
果について具体的に説明するが、本発明が下記実施例に
限定されるものでないことはもとよりである。
【0033】30℃の硫酸10重量%の電解浴中でアル
ミ合金(A1050)を陽極として直流電圧14V、電
流密度1A/dm2 の条件で陽極酸化処理を行い、細孔
径約10nm、膜厚約10μmの陽極酸化皮膜を生成さ
せた。また、光触媒であるアナターゼ型TiO2 の微粉
末、平均粒径50nmを水に5重量%混入し、解膠剤と
してモノエタノールアミンを5重量%添加して均一に分
散させ、pHをカルボン酸を添加することによって11
に調整したTiO2 ゾルを作製した。
【0034】実施例1 前述のTiO2 ゾル中に陽極酸化皮膜形成基板を浸漬
し、10cm/分の速度で引き上げ、室温で12時間乾
燥した。その後、濃度8g/リットルの酢酸ニッケル水
溶液を沸騰させ、上記のようにして得られたTiO2
子吸着陽極酸化皮膜形成基板を該酢酸ニッケル水溶液に
浸漬し、40分間煮沸することによって封孔処理を実施
した。
【0035】実施例2 前述のTiO2 ゾルに、陽極として陽極酸化皮膜成形基
板、陰極としては陽極の5倍の面積を有するステンレス
板を浸漬し、電圧114Vで2分間電気泳動処理を行
い、陽極酸化皮膜上にTiO2 粒子を吸着させ、室温で
12時間放置して乾燥させた。その後、濃度8g/リッ
トルの酢酸ニッケル水溶液を沸騰させ、上記のようにし
て得られたTiO2 粒子吸着陽極酸化皮膜形成基板を該
酢酸ニッケル水溶液に浸漬し、40分間煮沸することに
よって封孔処理を実施した。
【0036】比較例1 前述のTiO2 ゾル中に陽極酸化皮膜形成基板を浸漬
し、10cm/分の速度で引き上げ、室温で12時間乾
燥した。
【0037】比較例2 前述のTiO2 ゾルに、陽極として陽極酸化皮膜形成基
板、陰極としては陽極の5倍の面積を有するステンレス
板を浸漬し、電圧114Vで2分間電気泳動処理を行
い、陽極酸化皮膜上にTiO2 粒子を吸着させ、室温で
12時間放置して乾燥させた。
【0038】比較例3 前述の陽極酸化皮膜形成基板を濃度8g/リットルの酢
酸ニッケル水溶液中で40分間煮沸し封孔した後、前述
のTiO2 ゾル中で直流114Vの電圧で電気泳動を実
施し、TiO2 粒子を吸着させ、室温で24時間放置し
て乾燥させた。
【0039】比較例4 光触媒であるアナターゼ型TiO2 の微粉末(平均粒径
20nm)を20重量%混入し均一に分散させたシリケ
ートをエタノールで10倍に希釈したものをガラス基板
に塗布し、150℃で30分間保持することによって膜
厚1μmの光触媒膜を形成した。
【0040】密着性評価:前記実施例1、2及び比較例
1〜4で作製した試験片上に、カッターナイフの刃を用
いて1mm間隔で縦横11本ずつの陽極酸化皮膜に達す
る線を引き、100個の碁盤目を作成し、JIS Z
1522に規定されるセロハン粘着テープを用い密着性
試験を実施した。
【0041】硬度評価:JIS H 8602の5.9
項に記載の鉛筆引っかき抵抗性試験によって実施した。
【0042】耐食性評価:JIS H 8681の3.
1項に記載のキャス試験、試験時間24時間によって実
施した。
【0043】以上の評価結果を表1に示す。尚、表1
中、密着性試験結果で全く剥離が認められなかった試験
片には○、剥離が認められた試験片には×を記してい
る。硬度は、相当する鉛筆硬度を示している。耐食性評
価結果は、JIS H 8602付図に規定されるレイ
ティングナンバーによって行い、レイティングナンバー
が9.5以上を○、それ未満のものには×を記した。
【0044】
【表1】 表1から明らかなように、実施例1及び実施例2の試験
片のみが、全ての評価項目で優れた結果を示している。
比較例1、比較例2及び比較例3の試験片は、基板上に
TiO2 粒子が載っているだけであるため、密着性、硬
度に劣っている。比較例3の試験片は耐食性が良好であ
るが、これは、単に陽極酸化皮膜の封孔処理によって基
板側の耐食性が向上したためである。比較例4の試験片
では、密着性、硬度に優れているが、耐食性に劣ってい
る。これは、基材と光触媒膜の熱膨張係数が異なるため
に、加熱・降温時に光触媒膜に亀裂が生じたためであ
る。
【0045】比較例5 前述の陽極酸化皮膜形成基板を濃度8g/リットルの酢
酸ニッケル水溶液中で40分間煮沸し封孔した。
【0046】光触媒活性評価:前記実施例1、実施例2
及び比較例4、比較例5で作製した各試料上に塗布量が
0.1mg/cm2 となるようにサラダ油を塗布し、基
板上での紫外線強度が1mW/cm2 となるようにブラ
ックライトで紫外線を照射しながら、その重量変化を測
定した。その結果を図4に示す。
【0047】図4から、実施例1、実施例2及び比較例
4の試料では紫外線を照射することによって徐々にサラ
ダ油が分解されていることが確認できた。これは、Ti
2に紫外線が入射したことによって生じた正孔等の作
用でサラダ油が分解されたものであり、各試料において
光触媒活性が確認されており、また、本発明による光触
媒層が、従来の無機バインダーに担持させるタイプの光
触媒膜と遜色のない光触媒活性を示すことがわかる。
【0048】実施例3 実施例1で作製した光触媒層を有する基板を0.05モ
ル/リットルの硝酸銀水溶液に浸漬し、100Wの紫外
線ランプで紫外線を照射し、該光触媒層表面に4μg/
cm2 の銀を析出させた。
【0049】実施例4 実施例2で作製した光触媒層を有する基板を0.05モ
ル/リットルの硝酸銀水溶液に浸漬し、100Wの紫外
線ランプで紫外線を照射し、該光触媒層表面に4μg/
cm2 の銀を析出させた。
【0050】比較例6 ゼオライトに銀を担持させた抗菌剤をアクリル系塗料に
1重量%添加し、この塗料を用いて、比較例5で作製し
た封孔処理した陽極酸化皮膜を有する基板上に10μm
の抗菌塗装を施した。
【0051】抗菌性試験:実施例1〜実施例4及び比較
例5、比較例6で作製した各試料上に、2×104 個/
150μlの割合で大腸菌を分散させた蒸留水150μ
lを滴下し、温度25℃、湿度70%の条件下で、基板
上での紫外線強度が1mW/cm2 となるようにブラッ
クライトで紫外線を照射しながら、あるいは、暗状態で
所定時間反応させた。反応後の菌液を滅菌ガーゼで回収
し、これを生理食塩水10mlに分散させ、該生理食塩
水から100μlを採取し、寒天培地に接種、36℃で
24時間培養した後、生成したコロニー数から反応後の
生存菌数を算出した。光照射時の結果を図5に、暗時の
結果を図6に示す。
【0052】図5から、実施例1及び実施例2の試料に
は抗菌効果が確認され、その効果は、比較例6の抗菌塗
装よりも優れていることがわかる。同じ実施例1及び実
施例2の試料でも、図6の暗状態では、抗菌効果が認め
られないことから、この抗菌性は光触媒作用によるもの
である。図5中では、実施例3及び実施例4の試料が最
も優れた抗菌効果を示している。また、これらの試料で
は、図6の暗状態よりも、光照射下の方が優れた抗菌効
果を示しているが、これは、試料の表面に析出している
銀の効果と光触媒作用の相乗作用によるものである。図
6から、実施例3及び実施例4の試料は、暗状態であっ
ても比較例6の試料よりも優れた抗菌効果を示してい
る。これは、比較例6のように塗料中に抗菌剤を練り込
むよりも、実施例3及び実施例4の方が試料表面に存在
している銀の量が多いためである。
【0053】
【発明の効果】以上のように、本発明では、アルミ合金
からなる基材の表面に陽極酸化皮膜を形成し、この基板
に光触媒作用を有する半導体微粒子を浸漬法、塗布法、
あるいは電気泳動法によって担持させ、乾燥させた後、
封孔処理を行うことによって、陽極酸化皮膜上に半導体
微粒子と陽極酸化皮膜の複合相からなる光触媒層を形成
させるものである。これは、湿式のプロセスであるた
め、複雑な形状のアルミ合金基材にも付き廻り性良く光
触媒層が形成でき、しかも室温で光触媒層を形成できる
ことからアルミ合金基材の強度を低下させる恐れもな
く、量産性にも富んだ光触媒層の形成方法である。ま
た、この光触媒層形成時に封孔処理を施すことにより、
アルミ合金基材の耐食性をも向上させることが可能であ
る。しかも、この光触媒層は、陽極酸化皮膜と半導体微
粒子との複合相からなるため基材に対する密着性にも優
れている。
【0054】さらに、この光触媒層上に抗菌性金属及び
/又は抗菌性金属化合物を析着させれば、光の照射がな
い状態でも優れた抗菌・防黴効果を示し、光照射下では
光触媒層と抗菌性金属及び/又は抗菌性金属化合物の相
乗効果によってさらに優れた抗菌・防黴・防汚性を示
す。従って、本発明により提供される光触媒層が形成さ
れたアルミ合金材料は、自己浄化性に優れた抗菌・防黴
・防汚性の材料であり、サッシ、パネル材等の建築材な
ど、種々の分野で有利に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法を実施するための電気泳動装置の
概略構成図である。
【図2】本発明に従って陽極酸化皮膜上に半導体微粒子
を担持させたアルミ合金基材の概略拡大断面図である。
【図3】陽極酸化皮膜上に半導体微粒子を担持させた
後、封孔処理したアルミ合金基材の概略拡大断面図であ
る。
【図4】光触媒活性試験におけるサラダ油を塗布した試
料の紫外線照射に伴う重量変化を示すグラフである。
【図5】抗菌性試験における試料の紫外線照射時の大腸
菌の生存率の経時変化を示すグラフである。
【図6】抗菌性試験における試料の暗時の大腸菌の生存
率の経時変化を示すグラフである。
【符号の説明】
1 容器 2 半導体微粒子懸濁液 3 陽極酸化皮膜形成アルミ合金基材(陽極) 4 陰極 10 半導体微粒子 11 アルミ合金基材 12 陽極酸化皮膜 12a 膨潤した陽極酸化皮膜 13 光触媒層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 橋本 和仁 神奈川県横浜市栄区飯島町2073番地2 ニューシティ本郷台D棟213号 (72)発明者 中田 信之 富山県黒部市堀切1300 (72)発明者 新井 敏夫 富山県富山市藤木841 (56)参考文献 特開 平8−296060(JP,A) 特開 平9−294933(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C25D 11/00 - 11/24

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム又はアルミニウム合金から
    なる基材表面に形成した陽極酸化皮膜上に、封孔処理
    によって膨潤した陽極酸化皮膜内に取り込まれた光触媒
    作用を示す半導体微粒子と陽極酸化皮膜の複合相からな
    る光触媒層が形成されてなることを特徴とするアルミニ
    ウム又はアルミニウム合金材料。
  2. 【請求項2】 前記光触媒層の上に、さらに抗菌性金属
    及び/又は抗菌性金属化合物が析着されてなることを特
    徴とする請求項1に記載のアルミニウム又はアルミニウ
    ム合金材料。
  3. 【請求項3】 光触媒作用を有する半導体微粒子を分散
    した懸濁液中に陽極酸化皮膜を形成したアルミニウム又
    はアルミニウム合金からなる基材を浸漬し、あるいは該
    半導体微粒子懸濁液を上記基材上に塗布し、次いで乾燥
    させることによって上記陽極酸化皮膜表面に光触媒作用
    を有する半導体微粒子を担持させ、その後、封孔処理を
    行うことにより、陽極酸化皮膜上に半導体微粒子と膨潤
    した陽極酸化皮膜の複合相からなる光触媒層を形成する
    ことを特徴とする抗菌性アルミニウム又はアルミニウム
    合金材料の製造方法。
  4. 【請求項4】 光触媒層の上に、さらに抗菌性金属及び
    /又は抗菌性金属化合物を析着させることを特徴とする
    請求項3に記載の方法。
  5. 【請求項5】 光触媒作用を有する半導体微粒子を分散
    した懸濁液中に陽極酸化皮膜を形成したアルミニウム又
    はアルミニウム合金からなる基材を浸漬し、電気泳動法
    によって該陽極酸化皮膜表面に光触媒作用を有する半導
    体微粒子を担持させ、乾燥させた後、封孔処理を行うこ
    とにより、陽極酸化皮膜上に半導体微粒子と膨潤した陽
    極酸化皮膜の複合相からなる光触媒層を形成することを
    特徴とする抗菌性アルミニウム又はアルミニウム合金材
    料の製造方法。
  6. 【請求項6】 光触媒層の上に、さらに抗菌性金属及び
    /又は抗菌性金属化合物を析着させることを特徴とする
    請求項5に記載の方法。
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