JP3251475B2 - 抗菌・防黴・防汚性のアルミ建材及び着色アルミ建材の製造方法 - Google Patents

抗菌・防黴・防汚性のアルミ建材及び着色アルミ建材の製造方法

Info

Publication number
JP3251475B2
JP3251475B2 JP25204495A JP25204495A JP3251475B2 JP 3251475 B2 JP3251475 B2 JP 3251475B2 JP 25204495 A JP25204495 A JP 25204495A JP 25204495 A JP25204495 A JP 25204495A JP 3251475 B2 JP3251475 B2 JP 3251475B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
antibacterial
pores
fine particles
oxide film
anodic oxide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP25204495A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0971897A (ja
Inventor
昭 藤嶋
和仁 橋本
信之 中田
敏夫 新井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
YKK Corp
Original Assignee
YKK Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by YKK Corp filed Critical YKK Corp
Priority to JP25204495A priority Critical patent/JP3251475B2/ja
Publication of JPH0971897A publication Critical patent/JPH0971897A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3251475B2 publication Critical patent/JP3251475B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、抗菌・防黴・防汚
性の建築材料(以下、建材という)の製造方法に関し、
さらに詳しくは、アルミニウム又はアルミニウム合金製
の建材(以下、アルミ建材という)表面に形成した陽極
酸化皮膜の細孔中に、光触媒作用を有する半導体微粒
子、あるいは半導体微粒子を含有もしくは担持した塗料
粒子を充填させた抗菌・防黴・防汚性のアルミ建材の
造方法に関する。さらに本発明は、上記陽極酸化皮膜の
細孔中に充填した半導体微粒子の光触媒作用によって、
陽極酸化皮膜の細孔に抗菌性金属又は抗菌性金属を含む
化合物や、アルミ建材の着色に使用される種々の金属や
様々な機能性物質を析着させたアルミ建材の製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、各種金属塩を含有する浴を用いて
の電解着色法や有機染料の浴を用いての浸漬着色法等、
多くのアルミニウム陽極酸化皮膜の着色方法が知られて
おり、また特公昭52−5010号公報及び特公昭51
−35177号公報には、アルミニウムをリン酸水溶液
中で陽極酸化し、これを水性有機顔料微分散体浴中に浸
漬処理又はさらに通電処理して着色する方法が記載され
ている。しかし、これら着色法は、巨大な電解浴や大容
量の電源装置が必要であり、さらに、これらの方法の目
的は、建築部材の美観や耐久性の向上であり、それ以外
の機能を付与するものではなかった。
【0003】一方、近年、MRSA(メチシリン耐性黄
色ブドウ球菌)等の院内感染が問題視されるようになっ
てきている。院内感染の多くは日和見感染症であり、ウ
ィルス、細菌、原虫、黴等が抵抗力や免疫力が低下した
人体の中で急に活発化して発症する感染症である。例え
ばMRSAの感染に関して言えば、その菌は主に患者や
院内従事者の体、スリッパ、医療器具等を介して病院内
に広がるようだが、空気中の塵埃に菌が付着して空気感
染を起こすこともある。そのため、院内感染を防ぐには
室内空気全体を殺菌、浄化処理する必要があり、従来、
薬品による消毒や空気清浄器に頼ってきた。しかしなが
ら、消毒においては、薬品を用いるため人体への影響が
無視できず、薬品の臭いも不快感を与えるといった問題
があり、また、作業が容易でない等の理由から頻繁に行
うわけにもいかなかった。一方、空気清浄器による院内
の浄化は比較的容易ではあるが、空気中の塵埃等を静電
気により除去する原理であるため、細菌、黴、及びそれ
に付随する臭気等は除去しにくいといった問題があっ
た。また、煙草のヤニがサッシ、パネル材等の建築部材
表面に付着し汚れた場合、美観を損ねるだけでなく、そ
の部分に細菌が付着し繁殖し易いという問題もあった。
【0004】ところで、TiO2に代表される光触媒作
用を有する半導体微粒子が、その光触媒作用により有機
物の分解を行い、その作用に基づき抗菌・防黴・防汚・
防臭作用を有することは従来から知られており、最近で
はそれらを利用して、細菌や黴が繁殖しにくい様々な材
料が研究、開発されている。例えば、特開平2−633
3号公報には酸化チタンの粒子表面に銅、亜鉛等の抗菌
性金属を担持させた抗菌性粉末について開示されてお
り、この粉末を樹脂、ゴム、ガラス等に配合することに
よって抗菌性組成物が得られ、また、公知の方法によ
り、電機機器、家具調度品、室内装飾材、食品等の包装
資材などの抗菌性処理のほか、環境衛生施設、機器類の
抗菌剤として上記粉末を利用できると教示している。特
開平6−65012号公報には、銀、銅、亜鉛、白金等
の金属を含有した酸化チタン膜をコンクリート、ガラ
ス、プラスチック、セラミックス、金属等の材質からな
る基板にコーティングすることによって、該基板におい
て雑菌及び黴の繁殖を防止できる旨が開示されている。
さらに特開平4−307066号公報には、パネルの裏
面に光触媒を付設し、該パネルの裏側に短波長ランプを
配置し、このランプから光触媒へ紫外線照射することに
よって、光触媒を活性化し、パネルが設置された室内の
脱臭を図るという室内空気のリフレッシュ法が開示され
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、アルミ
ニウム又はアルミニウム合金(以下、アルミ合金とい
う)製の建築部材、例えばパネル材上に酸化チタン等の
光触媒をコーティングすると、アルミ合金基材と光触媒
の充分な密着性が得られず、コーティングした光触媒の
膜が剥離し易いという問題がある。また、複雑な形状を
有する建材上に均一に光触媒をコーティングすることは
困難であり、さらに、通常、光触媒をコーティングする
場合、200℃を超える温度に基材を加熱する必要があ
り、このような温度にアルミ合金をさらすとアルミ合金
の強度が著しく低下してしまう。
【0006】従って、本発明の目的は、上記のような問
題を解決し、特別の装置を要することなくメンテナンス
フリーであり、しかも抗菌・防黴・防汚性の膜が高い密
着強度でコーティングされた抗菌・防黴・防汚性のアル
ミ建材の製造方法を提供することにある。さらに本発明
の目的は、コーティングされた光触媒の酸化還元作用に
よって、抗菌性金属又は抗菌性金属を含む化合物や、従
来電解着色によるアルミ建材の着色に用いられていた金
属など種々の着色性の金属あるいは種々の機能性物質を
析着させたアルミ建材の製造方法を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明によれば、前記のような抗菌・防黴・防汚性
のアルミ建材及び着色アルミ建材の製造に好適な方法
提供される。抗菌・防黴・防汚性のアルミ建材の製造方
法は、一つの方法においては、光触媒作用を有する半導
体微粒子を含む分散液又は塗料溶液中に、陽極酸化皮膜
を形成し、細孔径拡大処理を施したアルミニウム又はア
ルミニウム合金からなる基材を浸漬し、電気泳動法によ
り上記基材の陽極酸化皮膜の細孔中に半導体微粒子又は
半導体微粒子を含有もしくは担持した塗料粒子を充填さ
せることを特徴としており、他の方法においては、光触
媒作用を有する半導体微粒子を含む分散液又は塗料溶液
中に、大気圧以下の圧力下、陽極酸化皮膜を形成したア
ルミニウム又はアルミニウム合金からなる基材を浸漬
し、上記基材の陽極酸化皮膜の細孔中に半導体微粒子又
は半導体微粒子を含有もしくは担持した塗料粒子を充填
させることを特徴としている。
【0008】前記半導体微粒子又は半導体微粒子を含有
もしくは担持した塗料粒子が充填された陽極酸化皮膜の
細孔にさらに抗菌性金属又は抗菌性金属を含む化合物や
着色用金属を析着してなるアルミ建材の製造は、半導体
微粒子の光触媒作用を利用して有利に行うことができ
る。すなわち、この方法は、陽極酸化皮膜の細孔中に光
触媒作用を有する半導体微粒子又は半導体微粒子を含有
もしくは担持した塗料粒子が充填されてなるアルミニウ
ム又はアルミニウム合金からなる基材の上記陽極酸化皮
膜を、抗菌性金属イオン、抗菌性金属化合物イオン又は
着色用金属イオンを含む溶液と接触せしめ、紫外線を照
射することにより、上記半導体微粒子の光触媒作用によ
って上記金属イオンや化合物イオンを還元し、上記陽極
酸化皮膜の細孔に上記金属を析出させることを特徴とし
ている。機能性物質の場合にも、溶液中でイオン化し、
これが還元された状態で所望の機能を発揮できるような
材料であれば、上記と同様の方法により有利に析出させ
ることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】前記したように、アルミ合金地金
に直接、光触媒作用を有する半導体微粒子や半導体微粒
子を含有もしくは担持した塗料粒子(以下、光触媒と総
称する)をコーティングすると、光触媒とアルミ合金地
金との密着性が悪く、衝撃を受けた場合に光触媒が剥離
してしまうという問題がある。また、複雑な形状を有す
る押し出し形材等に光触媒をコーティングする場合は、
その付き廻りの問題があり、凹部や隅角部にまで光触媒
を均一にコーティングすることは困難である。さらに、
通常行われている光触媒微粒子を含む懸濁液を基材表面
に塗布、焼結させる方法や、金属簿膜を形成した後、こ
れを酸化させて所定の光触媒を形成する方法では、20
0℃を超える温度下での処理が必要であるが、アルミ合
金の場合には、このような高い温度にさらすとその強度
が著しく低下してしまうという問題がある。
【0010】前記のような問題点を解決するためには、
光触媒とアルミ合金地金の間に、光触媒とアルミ合金地
金との密着性を強める効果を有する膜を介在させる必要
がある。このような中間膜として、本発明のアルミ建材
は、アルミ合金表面に一体的に形成される多孔質の陽極
酸化皮膜を利用するものである。すなわち、本発明のア
ルミ建材は、アルミ合金からなる基材の表面に陽極酸化
皮膜を形成し、さらにこの細孔中に光触媒を充填したも
のである。陽極酸化皮膜は絶縁膜であり、しかも表面に
直径約5nm〜100nmの細孔が無数に開いた多孔質
である。従って、細孔中に光触媒を充填することによっ
て、光触媒のアルミ合金地金に対する密着性を向上させ
ることができる。
【0011】光触媒を充填させるアルミ建材の陽極酸化
皮膜としては、通常の陽極酸化処理によって形成した陽
極酸化皮膜の細孔径は一般に50nm以下であり、光触
媒の充填が困難であるので、細孔径の大きな陽極酸化皮
膜を有するアルミ合金を用いる必要がある。このような
細孔径の大きな陽極酸化皮膜を形成する方法としては種
々の方法が知られているが、まず、一つの方法において
は、アルミ合金を例えば硫酸、リン酸、シュウ酸、マロ
ン酸、マレイン酸等の鉱酸又は有機酸の1種又は2種以
上の酸水溶液中、例えばリン酸5〜30%、シュウ酸3
〜40%を含有する電解浴中で高電圧で陽極酸化し、該
アルミ合金表面に通常の細孔径より大きい細孔を有する
陽極酸化皮膜を形成させる。一般にDC150V〜22
0Vの高電圧で陽極酸化した場合、通常120nm以上
の細孔径を有する陽極酸化皮膜が得られ、該細孔内に前
記光触媒を充填できる。すなわち、陽極酸化処理の電圧
が150V未満の場合、光触媒の充填に十分な大きさの
細孔が得られにくいので好ましくなく、一方、220V
を超えると陽極酸化皮膜の強度等の物性に悪影響を及ぼ
すので好ましくない。
【0012】また、他の方法としては、まずアルミ合金
を前記鉱酸又は有機酸の1種又は2種以上の酸水溶液中
で陽極酸化し、該アルミ合金の表面に多孔質陽極酸化皮
膜を形成させる。電解条件としては、35V以上、好ま
しくは50〜160Vの高電圧電解によりセルサイズ及
び細孔径の大きな陽極酸化皮膜を得る。次いで、リン
酸、硫酸、シュウ酸、スルファミン酸の1種又は2種以
上の酸水溶液、好ましくはリン酸3〜10%の水溶液に
浸漬して皮膜細孔の拡大処理を行う。このような方法に
より、最終的には50nm以上、好ましくは100〜1
000nm、孔の深さ3〜10μm程度の細孔に調整し
て、本発明の光触媒の充填に適する多孔質陽極酸化皮膜
を得る。また、皮膜細孔の拡大処理の時間を短縮するた
めに、リン酸3〜10%の水溶液中で、浸漬と交流系電
解の処理を交互に短時間間隔で繰り返すことにより、該
皮膜細孔の拡大処理を比較的短時間に行うことができ
る。
【0013】前述したように、本発明のアルミ建材は、
光触媒とアルミ合金地金との密着性を強めるため、陽極
酸化皮膜の微細孔中に光触媒を充填したものであるた
め、光触媒の剥離といった問題もなく優れた抗菌・防黴
・防汚性を示す。すなわち、このような建材表面には、
光触媒作用を有する半導体微粒子、例えば、TiO2
存在している。この半導体微粒子に太陽光線や蛍光灯の
光が照射されると、TiO2表面に正孔(h+)や電子
(e-)が生じ光触媒作用を示し、水や各種の有機物の
分解が行われる。また、この正孔の作用により水が酸化
されOHラジカルを、また、電子の作用により空気中の
酸素が還元され、O2 -ラジカルを生ずる。これらの活性
酸素は優れた殺菌作用を有し、その結果、黴等が生じに
くくなる。
【0014】さらに、TiO2等の半導体粒子の表面に
金属イオンが存在する時は、光照射によって生じた電子
の作用によって種々の金属イオンの還元が行われ、陽極
酸化皮膜の細孔中に金属を析出させることが可能とな
る。すなわち、銀や銅などの抗菌性金属又は抗菌性金属
を含む化合物を析出させれば、夜間、蛍光灯の明かりが
消えても抗菌・防黴性が維持されることになる。また、
ニッケルやスズ等、従来、電解着色によって析出させて
いた金属を析出させれば、電解浴や電源を使用すること
なしに着色が行える。さらに、溶液中でイオン化しこれ
が還元された状態で機能を発揮するような機能性材料で
あれば、同様に該機能性材料を陽極酸化皮膜の細孔中に
析出させることが可能となり、様々な機能性アルミ建材
の作製が行える。
【0015】本発明のアルミ建材の使用に際しては、例
えば上記のような光触媒作用を有する建材から枠材もし
くは框材、パネル材を製作し、これを同様に光触媒作用
を有する半導体微粒子を含有もしくは担持する水密気密
材と組み合わせて建具ユニットを構成する。この建具は
室内面全体に光触媒がコーティングされており、日中は
太陽光線が照射され、夜間は蛍光灯の光が照射されるた
め、コーティング面は常に光触媒作用を発揮する。この
光触媒作用によって、抗菌・防黴・防汚作用を示す面と
なる。また、室内空気は常に対流しているため建具内面
に接しており、このようにして建具内面に触れることに
より清浄化される。
【0016】前記陽極酸化皮膜の細孔中に充填される半
導体としては、電子と正孔の移動度が比較的大きく、上
記のような光触媒作用を有する半導体であればいずれも
使用可能であり、例えばTiO2、SrTiO3、Zn
O、CdS、SnO2等が挙げられるが、これらの中で
も特にTiO2が好ましい。半導体微粒子を含有又は担
持した塗料粒子を使用する場合、その塗料にはフッ素
系、シリケート系、アクリル系、ポリエステル系やポリ
ウレタン系等があるが、半導体微粒子が均一に分散し、
建材の塗料として適度な強度と密着性を有するものであ
れば特に限定されず、用途に応じて適宜選定することが
できる。また、前記塗料の中でもフッ素系、シリケート
系等の無機系塗料が、その耐酸化力の点からより好まし
い。
【0017】使用する半導体微粒子、あるいは半導体微
粒子を含有もしくは担持した塗料粒子の粒径は、1nm
〜700nm、好ましくは5nm〜300nmの粒径に
調整することが好ましい。半導体微粒子を塗料に含有も
しくは担持させる場合、半導体微粒子を前記塗料粒子の
粒径よりも小さくすることは明らかである。粒径が1n
mよりも小さくなると量子サイズ効果によりバンドギャ
ップが大きくなり、低圧水銀灯等の短波長光を含む照明
下でないと光触媒性能が得られないといった問題があ
る。また、粒径があまりに小さ過ぎると取り扱いが困難
であったり、分散性が悪くなるという問題も生じてく
る。取り扱い性の点からは5nm以上の粒径が好まし
い。一方、粒径が700nmを超えると、アルミ建材の
陽極酸化皮膜の細孔への充填が難しくなる。
【0018】前記半導体微粒子のアルミ合金陽極酸化皮
膜細孔中への充填方法としては、半導体微粒子の分散液
中での電気泳動法等を好適に用いることができる。例え
ば、半導体微粒子の表面に極性を発現させて(例えば、
界面活性剤を粒子表面に吸着させて)、半導体微粒子1
0〜30重量%を水溶液中に分散させて水分散体浴を作
成し、この浴中で、陽極酸化皮膜を形成したアルミ合金
基板を陽極として直流電解(電圧30〜200V)して
陽極酸化皮膜の細孔中に半導体微粒子を充填する電気泳
動法などが採用できる。電気泳動法としては、直流電圧
を低電圧より高電圧へ一定の昇圧速度で所定時間走査す
る直流電圧走査法、及び定電圧で所定時間電解する直流
定電圧法等を採用できる。
【0019】半導体微粒子を含有もしくは担持した塗料
粒子を用いる場合、該塗料粒子が電気泳動すれば前記の
場合と同様の方法で陽極酸化皮膜の細孔中に光触媒を充
填することができる。また、塗料中に陽極酸化皮膜を形
成したアルミ合金基板を浸漬する方法でも可能である。
更に、通常の大気圧下で塗料中に浸漬しても陽極酸化皮
膜の細孔中に光触媒が充填できないような場合は、適当
な真空容器中に陽極酸化皮膜を形成したアルミ合金基板
を設置し、内部を真空排気した後、塗料を導入し、真空
中で又は減圧下で陽極酸化皮膜を形成したアルミ合金基
板を塗料に浸漬する方法等が採用できる。
【0020】以上のような方法により、図1に示すよう
に、陽極酸化皮膜1の細孔2中に光触媒3を充填したア
ルミ建材が得られる。図1のように陽極酸化皮膜の上端
部まで光触媒を充填したものは、抗菌・防黴・防汚性を
目的とした場合の態様である。すなわち、図2に示すよ
うに陽極酸化皮膜の細孔の下部にのみ光触媒を充填した
ような場合では、菌やカビ、汚れ物質が陽極酸化皮膜の
細孔中を光触媒表面まで拡散しなければ抗菌・防黴・防
汚性が発現できないため、良好に前記特性を発現させる
には陽極酸化皮膜の上端部まで光触媒を充填し、アルミ
建材の表面で抗菌・防黴・防汚性が発現できるようにす
ることが望ましい。また、さらには図3に示すように、
光触媒3で陽極酸化皮膜1の凹凸をコーティングしたよ
うな態様も可能である。この場合、細孔2中に充填され
ていない光触媒が剥離し易く、最終的には図1の場合と
図2の場合の中間程度の抗菌・防黴・防汚性を示す。
【0021】さらに、光触媒を充填した後に該光触媒作
用によって銀や銅などの抗菌性金属又は抗菌性金属を含
む化合物を析出させることにより、前述したように暗時
であっても抗菌・防黴効果が発現される。
【0022】抗菌性金属又は抗菌性金属を含む化合物を
析出させる方法は、硝酸銀や硫酸銅などの銀や銅などの
抗菌性金属を含む適当な化合物の溶液を調製し、一つの
方法としては、陽極酸化皮膜の細孔中に光触媒を充填し
たアルミ建材を該溶液中に浸し、紫外線ランプやブラッ
クライト等で紫外線を照射すると、光触媒作用によって
生じた電子により抗菌性金属イオン又は抗菌性金属化合
物イオンが還元され、光触媒表面に抗菌性金属又は抗菌
性金属を含む化合物が析出する。この場合、抗菌性金属
又は抗菌性金属を含む化合物の析出量は、溶液中の抗菌
性金属イオンの量、すなわち調製した溶液の濃度や紫外
線の照射時間によって制御される。また、別の方法とし
ては、前記溶液を陽極酸化皮膜の細孔中に光触媒を充填
したアルミ建材表面にスプレー法等で塗布した後、紫外
線を照射する方法がある。この方法では、水溶液中の抗
菌性金属イオンの量、すなわち調製した溶液の濃度や塗
布量によって抗菌性金属又は抗菌性金属を含む化合物の
析出量が制御できる。また、どちらの方法においても、
光触媒の表面を抗菌性金属又は抗菌性金属を含む化合物
で完全に被覆してしまうと光触媒作用が発現できなくな
るため、表面を被覆しない程度の析出量に制御する必要
がある。
【0023】抗菌性金属又は抗菌性金属を含む化合物を
析出させる場合、図4に示すように陽極酸化皮膜1の細
孔2内にその上端部まで光触媒3を充填した後に抗菌性
金属又は抗菌性金属を含む化合物4をアルミ建材表面に
析出させることも、図5に示すように光触媒3を陽極酸
化皮膜1の細孔2内部にのみ充填しておき、陽極酸化皮
膜の細孔中に抗菌性金属又は抗菌性金属を含む化合物4
を析出させることもできる。また、図6に示すように光
触媒3で陽極酸化皮膜1の凹凸をコーティングした後
に、この光触媒表面に抗菌性金属又は抗菌性金属を含む
化合物4を析出させることもできる。図4の場合、抗菌
・防黴効果は高いが、抗菌性金属又は抗菌性金属を含む
化合物が表面に析出しているため、抗菌性金属又は抗菌
性金属を含む化合物が剥離するなど効果の持続性に劣る
ことがある。図5のような場合は、抗菌・防黴効果は図
4の場合よりも低下するが、抗菌性金属又は抗菌性金属
を含む化合物が陽極酸化皮膜の細孔中に入っているた
め、剥離し難く、効果の持続性は図4の場合よりも向上
する。図6の場合、抗菌性金属又は抗菌性金属を含む化
合物が表面から陽極酸化皮膜細孔内にまで析出している
ため、表面に析出した抗菌性金属又は抗菌性金属を含む
化合物が剥離しても、細孔内の抗菌性金属又は抗菌性金
属を含む化合物は剥離し難いため、効果の持続性は図5
の場合と同等である。どのような態様を採用するかは、
抗菌・防黴効果とその寿命から適当な態様を選択すれば
良い。
【0024】また、従来、電解着色によって陽極酸化皮
膜の細孔中にニッケル、スズ、銅等の金属を析出させ、
アルミ建材の着色を行っていたが、本発明によれば、前
述の抗菌性金属又は抗菌性金属を含む化合物に限らず、
電解着色によって析出させていた金属も前述の抗菌性金
属又は抗菌性金属を含む化合物の析出と同様の方法で陽
極酸化皮膜の細孔中に析出させることができる。また、
この場合の析出金属量の制御、すなわち、色調の制御
は、前述の抗菌性金属又は抗菌性金属を含む化合物の析
出量制御と同様の方法で実施できる。着色については、
前述したように陽極酸化皮膜の細孔中に光触媒を充填し
たアルミ建材表面に、金属イオンを含有する溶液をスプ
レー法等の適当な方法で塗布した後、紫外線を照射する
方法を採用する。例えば、図7に示すように、コンベア
等の搬送装置5でアルミ建材6を搬送しながら、噴霧器
7により金属イオンを含有する溶液をスプレーし、その
後、紫外線照射装置8により紫外線を照射する製造工程
とすれば、従来の電解浴を用いたバッチ式とは異なり、
連続式の製造工程となり、生産性が向上するばかりか、
電解着色で必要だった巨大な電解浴や電源が全く不要に
なる。
【0025】アルミ建材の着色に前記のような光触媒作
用を利用する場合、陽極酸化皮膜1の細孔2中への光触
媒3の充填は図2に示すような態様が好ましい。図2に
示すような光触媒の充填状態であれば、着色用金属9は
図8に示すように陽極酸化皮膜1の細孔2中に析出し、
従来の電解着色によって析出させた金属と同等の密着力
が確保できる。また、着色にのみ光触媒作用を利用し、
以後、光触媒作用による抗菌・防黴・防汚性が不要とい
う場合は、その後さらに、従来のアルミ建材の表面処理
と同様に陽極酸化皮膜1の封孔(図9)、あるいは、さ
らに静電塗装等による塗膜10の形成(図10)ができ
る。
【0026】また、図8に示すような充填状態でも、光
触媒作用によって抗菌・防黴・防汚性を示すが、さらに
光触媒作用を向上させる場合は、図11に示すように、
着色用金属9の析出後に再度光触媒3を陽極酸化皮膜上
端部まで充填する。特に光触媒に用いる半導体がTiO
2であれば、このTiO2は殆ど透明であるため、下部に
析出させた着色用金属の色調を変化させることがなく、
また着色用金属によって様々な色調が選択できる上に、
十分な抗菌・防黴・防汚性を示すことになる。また、有
機系の塗料を陽極酸化皮膜の細孔中に析出した後、光触
媒を形成する場合、その光触媒作用によって有機塗料自
体が分解し退色現象を引き起こすが、金属による着色で
あれば光触媒作用に対して安定であり、長期に亘って色
調を維持しつつ、良好な抗菌・防黴・防汚性を示すこと
ができる。
【0027】
【実施例】以下、実施例を示して本発明の効果について
さらに具体的に説明するが、本発明が下記実施例に限定
されるものでないことはもとよりである。
【0028】実施例1 リン酸20%、シュウ酸5%を含有する30℃の電解浴
中でアルミニウムを陽極として直流200Vを印加して
陽極酸化処理を行い、孔径約250nm、孔の深さ約5
μmの細孔を有する陽極酸化皮膜を生成させた。次い
で、光触媒であるTiO2の微粉末(平均粒径10n
m)を10重量%混入し均一に分散させたシリケートを
エタノールで10倍に希釈し、光触媒担持塗料を作製
し、1気圧(試料1)又は0.2気圧(試料2)の圧力
下で、前記陽極酸化皮膜を形成したアルミニウム基板を
塗料に浸漬し、静かに引き上げた後、大気圧中、150
℃で30分間保持し前記シリケートを反応させ、光触媒
を担持したシリカ塗膜をコーティングした。また、比較
の為に陽極酸化皮膜を形成していないアルミニウム基板
を用いて、同様に1気圧(比較例1)又は0.2気圧
(比較例2)の条件で、前記試料と同様に光触媒を担持
したシリカ塗膜をコーティングした。
【0029】膜厚測定及び表面粗さ測定: 上記試料1〜2及び比較例1〜2の陽極酸化皮膜上の光
触媒膜の膜厚及び表面粗さを触針接触式膜厚計で測定し
た。その結果を表1に示す。
【表1】
【0030】防汚性評価1: 上記試料1〜2及び比較例1〜2の表面に0.1mg/
cm2になるようにサラダ油を均一に塗布し、100W
の紫外線ランプで紫外線を照射し、サラダ油が完全に分
解されるまでの時間を測定した。その結果を表2に示
す。
【表2】
【0031】密着性評価: 上記試料1〜2及び比較例1〜2の光触媒膜の密着性を
スコッチテープ試験(JIS H 8602の5.8項
に記載のセロハン粘着テープを用いた塗膜の付着性試
験)を行い、また、JIS H 8504に規定する方
法にしたがってスクラッチ試験を行った。その結果を表
3に示す。
【表3】
【0032】防汚性評価2: 試料1〜2の基材表面の光触媒膜を#1200のサンド
ペーパーで完全に剥離させた後、前述の防汚性評価1と
同様の方法でサラダ油が完全に分解されるまでの時間を
測定した。その結果を表4に示す。
【表4】
【0033】表1からわかるように、試料1〜2と比較
例1〜2の光触媒膜の膜厚は殆ど同じであったが、表面
粗さは、試料2が試料1や比較例1〜2と比較して大き
かった。一方、表2において、試料1と比較例1〜2の
サラダ油の分解に必要な時間は殆ど同じであったが、試
料2の場合のみ所要時間が多少長くなっている。これら
の結果は、試料2の光触媒膜が、陽極酸化皮膜の細孔中
に充填されただけでなく、陽極酸化皮膜の凹凸全体をコ
ーティングしたことを示している(前記図3に示した態
様)。この場合、光触媒膜は、陽極酸化皮膜の凹凸の状
態を反映するため、試料1と比較して表面が粗くなる。
また、大気圧下では陽極酸化皮膜の細孔中に光触媒が入
り込めず、それ故、基材表面に平坦な光触媒膜が形成さ
れたため、試料1では、陽極酸化皮膜を形成していない
比較例1〜2と同等な表面粗さになったものである。ま
た、防汚性評価1において、試料2は光触媒の表面被覆
率が小さくなるために、サラダ油の分解に時間を要した
ことがわかる。
【0034】表3に示すように、試料1〜2においては
膜の剥離が認められなかった。これは、陽極酸化皮膜上
に光触媒膜を形成する場合、そのコーティング圧力が大
気圧下であっても減圧下であっても、陽極酸化皮膜のア
ンカー効果によって膜の密着性が向上したことを示して
いる。比較例1〜2において膜の剥離が認められたこと
から、陽極酸化皮膜を形成していない基板を用いた場
合、膜の密着性はコーティング圧力に依存しないことを
示している。表4からわかるように、試料1では全くサ
ラダ油を分解できなかったが、試料2では、表2に示し
た結果よりも所要時間は長くなったが、サラダ油を分解
しており、防汚性を発揮している。試料1は、表面にの
み光触媒膜が存在し、それが全て剥離してしまったため
に防汚性が失われたが、試料2では、たとえ表面の光触
媒膜が剥離しても陽極酸化皮膜細孔内に充填された光触
媒膜が存在するため、防汚性が失われないことを示して
おり、光触媒膜の耐久性及び光触媒作用の持続性は、試
料2の方が試料1よりも格段に優れていることがわか
る。以上から、0.2気圧という必ずしも高真空ではな
い条件で半導体微粒子を含んだ塗料をコーティングする
ことにより、陽極酸化皮膜の細孔中に光触媒が入り込
み、光触媒作用を発揮しながらも、該光触媒が陽極酸化
皮膜の細孔中に充填されているため、その脱落もなく非
常に強く密着していることが確認できた。
【0035】実施例2 上記実施例1での試料1〜2及び比較例1の試料を0.
01モル/リットルの硝酸銀水溶液0.5リットルに浸
漬し、100Wの紫外線ランプで紫外線を照射し、試料
1〜2及び比較例1の試料上に0.1mg/cm2の銀
を析出させた。
【0036】密着性試験: 得られた試料1〜2及び比較例1の試料について、前記
実施例1の場合と同様にスコッチテープ試験、スクラッ
チ試験を実施した。その結果を表5に示す。
【表5】
【0037】防黴性試験1: 試料1〜2及び比較例1の試料について、JIS Z
2911の5に記載の一般工業製品の防黴性試験に基づ
き、試料1〜2及び比較例1の表面に胞子懸濁液を塗布
し、温度28℃、湿度95%中に28日間放置し、黴の
発生状態を観察した。また、光の照射の有無による防黴
性の差異を観察するため、各々の試料について20W蛍
光灯で光を照射した場合と、光を全く照射しない場合に
ついて防黴性試験を実施した。その結果を表6に示す。
表6中には、黴の試料表面の被覆率を示す。
【表6】
【0038】防黴性試験2: 試料1〜2の光触媒膜を#1200のサンドペーパーで
完全に剥離させた後、前述の防黴性試験1と同様の方法
で防黴性試験を実施した。その結果を表7に示す。表7
中には、黴の試料表面の被覆率を示す。
【表7】
【0039】銀を析出させた試料は薄茶色になってお
り、光触媒作用によって種々の金属によるアルミ建材の
着色が行えることを示している。また、表5及び実施例
1の場合の表3からわかるように、銀の密着性は、その
銀が付着している光触媒膜とアルミ建材の密着力の影響
を受けており、比較例1〜2においては光触媒と基材の
間で剥離しており、たとえ銀と光触媒の密着力が強くて
も基材から光触媒ごと剥離しては実際に使用することは
できない。試料1〜2の場合は、光触媒膜の剥離が認め
られず、また、銀の剥離も認められなかった。これら
は、表3に示されるように、光触媒膜の密着性が陽極酸
化皮膜のアンカー効果で向上したこと及び光触媒膜と銀
の密着性が十分であることを示している。
【0040】表6から明らかなように、試料2の光照射
無しの場合のみ、他の試料と比較して若干黴の発育面積
が広かった。これは、他の試料では、試料の表面のみに
銀が析出していることに対し、試料2では陽極酸化皮膜
の細孔中に銀が入り込み、表面被覆率が減少しているた
めに防黴効果が低下したものである。しかし、この程度
の防黴性の差異が実使用時に問題になることは有り得な
い。また、光照射を行った場合では、銀の抗菌・防黴効
果と光触媒の抗菌・防黴効果の両方が発揮されるため、
全く黴の発育は認められなかった。また、基材表面をサ
ンドペーパーで研磨し、表面に付着している光触媒膜を
完全に剥離させると、試料1ではアルミ基材自体の色調
に戻ったが、試料2では陽極酸化皮膜表面を露出させて
も薄茶色のままであった。また、表7に示されるよう
に、試料2の防黴効果は維持されており、陽極酸化皮膜
細孔中に光触媒及び銀が充填されていることにより、試
料2の防黴性効果の耐久性、持久性が試料1よりも格段
に優れていることがわかる。これらの結果から、陽極酸
化皮膜の細孔中に光触媒を充填し、さらに該光触媒の光
触媒作用を利用して前記細孔中に銀を析出させた試料
は、銀の剥離・脱落等の問題が無く、また、暗時、光照
射時において十分な防黴効果を示すことが確認できた。
【0041】
【発明の効果】以上のように、本発明の方法により得ら
れるアルミ建材は、アルミ合金からなる基材の表面に陽
極酸化皮膜を形成し、さらにこの陽極酸化皮膜の細孔中
に光触媒作用を有する半導体微粒子あるいは半導体微粒
子を含有もしくは担持した塗料粒子を充填したものであ
るため、光触媒の剥離といった問題もなく、また、光が
当たる材料表面に十分な量の半導体微粒子が存在するた
め、優れた抗菌・防黴・防汚性を示す。従って、本発明
によれば、特別の装置を要することなくメンテナンスフ
リーであり、しかも抗菌・防黴・防汚性の光触媒がアル
ミ合金陽極酸化皮膜細孔中に充填されたものであるた
め、この光触媒が脱落することもない自己浄化性のアル
ミ建材が提供される。
【0042】さらに、この陽極酸化皮膜細孔中に充填さ
れた光触媒の還元作用によって、陽極酸化皮膜細孔中に
任意の金属を析出させることができ、抗菌性金属又は抗
菌性金属を含む化合物を析出させれば、光の照射がない
状態でも優れた抗菌・防黴効果を示し、光照射下では抗
菌性金属又は抗菌性金属を含む化合物と光触媒の相乗効
果によって更に優れた抗菌・防黴・防汚性を示し、さら
に陽極酸化皮膜細孔中に抗菌性金属又は抗菌性金属を含
む化合物と光触媒が充填されているため、それらが脱落
することもない自己浄化性のアルミ建材が提供される。
また、アルミ建材の電解着色に用いられていた種々の金
属を陽極酸化皮膜細孔中に析出できることから、電解着
色法よりも生産性に優れた方法でアルミ建材の着色が行
える。さらに、抗菌性金属又は抗菌性金属を含む化合物
や着色に使用されていた金属以外にも種々の機能性物質
を光触媒作用を利用して陽極酸化皮膜細孔中に析出させ
ることが可能であり、種々の機能性アルミ建材が提供で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従ってアルミ合金の陽極酸化皮膜の細
孔中に光触媒を完全に充填したアルミ建材の部分概略断
面図である。
【図2】本発明に従ってアルミ合金の陽極酸化皮膜の細
孔中に光触媒を部分的に充填したアルミ建材の部分概略
断面図である。
【図3】本発明に従ってアルミ合金の陽極酸化皮膜の凹
凸全体を光触媒でコーティングしたアルミ建材の部分概
略断面図である。
【図4】図1に示す状態のアルミ建材に抗菌性金属又は
抗菌性金属を含む化合物を析出させた状態を示す部分概
略断面図である。
【図5】図2に示す状態のアルミ建材に抗菌性金属又は
抗菌性金属を含む化合物を析出させた状態を示す部分概
略断面図である。
【図6】図3に示す状態のアルミ建材に抗菌性金属又は
抗菌性金属を含む化合物を析出させた状態を示す部分概
略断面図である。
【図7】光触媒作用により金属を析出させる製造工程例
を示す概略説明図である。
【図8】図2に示す状態のアルミ建材に着色用金属を析
出させた状態を示す部分概略断面図である。
【図9】図8に示すアルミ建材に封孔処理した状態を示
す部分概略断面図である。
【図10】図8に示すアルミ建材表面に塗膜をコーティ
ングした状態を示す部分概略断面図である。
【図11】図8に示すアルミ建材の陽極酸化皮膜の細孔
中にさらに光触媒を充填した状態を示す部分概略断面図
である。
【符号の説明】
1 陽極酸化皮膜 2 細孔 3 光触媒 4 抗菌性金属又は抗菌性金属を含む化合物 5 搬送装置 6 アルミ建材 7 噴霧器 8 紫外線照射装置 9 着色用金属 10 塗膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 橋本 和仁 神奈川県横浜市栄区飯島町2073番地2 ニューシティ本郷台D練213号 (72)発明者 中田 信之 富山県黒部市堀切1300 (72)発明者 新井 敏夫 富山県富山市藤木841 (56)参考文献 特開 平8−296060(JP,A) 特開 平8−302498(JP,A) 特開 昭62−182298(JP,A) 特開 平6−278241(JP,A) 特開 平7−462(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C25D 11/18 A61L 2/16 B01J 35/02 E04F 13/12 E06B 1/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光触媒作用を有する半導体微粒子を含む
    分散液又は塗料溶液中に、陽極酸化皮膜を形成し、細孔
    径拡大処理を施したアルミニウム又はアルミニウム合金
    からなる基材を浸漬し、電気泳動法により上記基材の陽
    極酸化皮膜の細孔中に半導体微粒子又は半導体微粒子を
    含有もしくは担持した塗料粒子を充填させることを特徴
    とする抗菌・防黴・防汚性の建築材料の製造方法。
  2. 【請求項2】 光触媒作用を有する半導体微粒子を含む
    分散液又は塗料溶液中に、大気圧以下の圧力下、陽極酸
    化皮膜を形成したアルミニウム又はアルミニウム合金か
    らなる基材を浸漬し、上記基材の陽極酸化皮膜の細孔中
    に半導体微粒子又は半導体微粒子を含有もしくは担持し
    た塗料粒子を充填させることを特徴とする抗菌・防黴・
    防汚性の建築材料の製造方法。
  3. 【請求項3】 陽極酸化皮膜の細孔中に光触媒作用を有
    する半導体微粒子又は半導体微粒子を含有もしくは担持
    した塗料粒子が充填されてなるアルミニウム又はアルミ
    ニウム合金からなる基材の上記陽極酸化皮膜を、抗菌性
    金属イオン又は抗菌性金属化合物イオンを含む溶液と接
    触せしめ、紫外線を照射することにより、上記半導体微
    粒子の光触媒作用によって抗菌性金属イオン又は抗菌性
    金属化合物イオンを還元し、上記陽極酸化皮膜の細孔に
    抗菌性金属又は抗菌性金属を含む化合物を析出させるこ
    とを特徴とする抗菌・防黴・防汚性の建築材料の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 陽極酸化皮膜の細孔中に光触媒作用を有
    する半導体微粒子又は半導体微粒子を含有もしくは担持
    した塗料粒子が充填されてなるアルミニウム又はアルミ
    ニウム合金からなる基材の上記陽極酸化皮膜を、着色性
    の金属イオンを含む溶液と接触せしめ、紫外線を照射す
    ることにより、上記半導体微粒子の光触媒作用によって
    上記金属イオンを還元し、上記陽極酸化皮膜の細孔に上
    記金属を析出させることを特徴とする抗菌・防黴・防汚
    性の建築材料の製造方法。
JP25204495A 1995-09-06 1995-09-06 抗菌・防黴・防汚性のアルミ建材及び着色アルミ建材の製造方法 Expired - Fee Related JP3251475B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25204495A JP3251475B2 (ja) 1995-09-06 1995-09-06 抗菌・防黴・防汚性のアルミ建材及び着色アルミ建材の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25204495A JP3251475B2 (ja) 1995-09-06 1995-09-06 抗菌・防黴・防汚性のアルミ建材及び着色アルミ建材の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0971897A JPH0971897A (ja) 1997-03-18
JP3251475B2 true JP3251475B2 (ja) 2002-01-28

Family

ID=17231799

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP25204495A Expired - Fee Related JP3251475B2 (ja) 1995-09-06 1995-09-06 抗菌・防黴・防汚性のアルミ建材及び着色アルミ建材の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3251475B2 (ja)

Families Citing this family (22)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11100695A (ja) * 1997-09-26 1999-04-13 Nippon Alum Co Ltd 光触媒活性を有するチタン材の製造方法
JP3611727B2 (ja) * 1998-07-31 2005-01-19 昭 藤嶋 抗菌性ファスニング部品及びその作製方法
JP2001303296A (ja) * 2000-04-25 2001-10-31 Chukin:Kk 光触媒機能を有する金属基材及びその製造方法
DK1575550T3 (da) 2002-11-19 2008-06-16 Univ Danmarks Tekniske Anvendelse af biologisk hæmmende materiale til hæmning af levende celler
JP2005103505A (ja) * 2003-10-02 2005-04-21 Denka Himaku Kogyo Kk 光触媒活性表面を有するマグネシウム金属材料の製造法
JP4784722B2 (ja) * 2003-10-02 2011-10-05 電化皮膜工業株式会社 光触媒活性表面を有するマグネシウム金属材料及びその製造法
JP4524142B2 (ja) * 2004-05-28 2010-08-11 三井金属鉱業株式会社 複合エレメント
JP4654083B2 (ja) * 2005-07-20 2011-03-16 富士フイルム株式会社 金属粒子型反応触媒およびその製造方法、並びに該触媒を用いた有機合成反応装置
JP4611236B2 (ja) * 2006-04-07 2011-01-12 株式会社エヌ・ティー・エス 熱伝導材、放熱構造を備えた装置、及び、熱伝導材の製造方法
JP2008057003A (ja) * 2006-08-31 2008-03-13 Gha:Kk 機能性物の製造方法及びこれを用いて製造した機能性粒状/粉状物
AU2012305805B2 (en) * 2011-09-07 2017-02-16 Nbc Meshtec, Inc. Anti-virus aluminum member and method for producing same
TWI506168B (zh) * 2014-01-29 2015-11-01 Catcher Technology Co Ltd 抗微生物複合表面的製造方法
CN106662415B (zh) 2014-08-07 2018-11-30 夏普株式会社 热交换器、金属构件、电热水器、饮料供应器和饭盒盖
TWI558854B (zh) * 2014-11-28 2016-11-21 可成科技股份有限公司 抗菌複合表面及形成抗菌複合表面的加工方法
CN105714352A (zh) * 2014-12-05 2016-06-29 可成科技股份有限公司 抗菌复合表面及形成抗菌复合表面的加工方法
CN106334628B (zh) * 2016-08-23 2018-11-16 江苏众富智能电气研究院有限公司 一种用于环境工程领域的高速离心机
WO2018134970A1 (ja) * 2017-01-20 2018-07-26 株式会社G.H.A アルミニウム又はアルミ合金の着色処理方法
CN107385405B (zh) * 2017-07-22 2019-04-09 北京工商大学 一种离子注入改性层深度可控的不锈钢部件及其制备工艺
CN107419234B (zh) * 2017-07-22 2019-04-09 北京工商大学 一种耐磨抗菌的食品加工机械不锈钢部件及其制备工艺
CN109881235A (zh) * 2019-03-18 2019-06-14 刘闪闪 一种铝合金的表面抗菌处理方法
KR102512457B1 (ko) * 2021-01-21 2023-03-20 엘지전자 주식회사 방오 표면처리 방법 및 이의 방오 표면처리 구조체
CN114481256A (zh) * 2022-02-24 2022-05-13 九牧厨卫股份有限公司 一种除臭复合材料、制备方法及其除臭产品

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62182298A (ja) * 1986-01-17 1987-08-10 Nippon Alum Mfg Co Ltd:The 抗菌・防黴性複合皮膜付アルミニウム製品
JPH06278241A (ja) * 1992-09-22 1994-10-04 Takenaka Komuten Co Ltd 建築材料
JPH07462A (ja) * 1993-06-17 1995-01-06 Takenaka Komuten Co Ltd 院内感染防止方法
JP3210546B2 (ja) * 1995-05-10 2001-09-17 ワイケイケイ株式会社 抗菌・防黴性の建築材料
JP3210544B2 (ja) * 1995-04-21 2001-09-17 ワイケイケイ株式会社 抗菌・抗黴性のアルミニウム建築材及びそれを用いた建具

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0971897A (ja) 1997-03-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3251475B2 (ja) 抗菌・防黴・防汚性のアルミ建材及び着色アルミ建材の製造方法
US5753322A (en) Antibacterial, antifungal aluminum building materials and fixtures using the materials
KR100361564B1 (ko) 광촉매기능을 갖는 다기능 재료 및 그의 제조방법
US5670206A (en) Deodorizing lamp and method for production thereof
CA2127552C (en) Photocatalytic air treatment process under room light
EP0684075A1 (en) Multi-functional material having photo-catalytic function and production method therefor
WO1996010917A1 (fr) Solide antibacterien, son procede de preparation et son procede d'utilisation
JP3210544B2 (ja) 抗菌・抗黴性のアルミニウム建築材及びそれを用いた建具
JP3267880B2 (ja) 抗菌性アルミニウム又はアルミニウム合金材料及びその製造方法
JP3210546B2 (ja) 抗菌・防黴性の建築材料
JP3523787B2 (ja) 光触媒層を有する屋外で使用される建築用材料
JP3246235B2 (ja) 光触媒機能を有する多機能材及びその製造方法
JP3267884B2 (ja) 抗菌性・防汚性アルミニウム又はアルミニウム合金材料及びその製造方法
CN1326777C (zh) 锐钛型氧化钛溶液和成膜用的涂布溶液的制备方法
US11906157B2 (en) Photocatalyst formulations and coatings
US11819824B2 (en) Surface coatings for self-decontamination
JP3311570B2 (ja) 防汚性網戸ネット
JP3645985B2 (ja) 防臭・脱臭材及びその製造方法
JP3326071B2 (ja) 光触媒膜がコーティングされたアルミニウム又はアルミニウム合金材料及びその製造方法
JPH11166332A (ja) 抗菌性建築用操作部材
JPH07102678A (ja) 院内感染防止方法
JPH11158694A (ja) 親水性メッキを施した物品及びメッキ方法
JP2000290779A (ja) チタニア造膜部材及びその製造方法
US11964739B2 (en) Coatings that reduce or prevent barnacle attachment to a marine structure
JP2000202939A (ja) 抗菌性積層体

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees