JP4029995B2 - 光触媒機能を有するポリウレタンフォーム - Google Patents

光触媒機能を有するポリウレタンフォーム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は光触媒機能を有するポリウレタンフォームに関し、更に詳細には、食品添加物としても認可されている安全性の高い酸化チタンをフォーム全体に分散させて、この酸化チタンの光触媒作用により、有害化学物質の分解除去、空気中の悪臭物質の分解、抗菌・防カビ等の光触媒機能を付与したポリウレタンフォームに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ポリウレタンフォームは、台所用クリーナー等の洗浄用フォーム、化粧用フォーム、エアコン等のフィルター用フォーム、カイワレダイコン等の育苗用フォーム等に使用されており、これらのフォームは近年、抗菌性が要求されている。
【0003】
このような要求に応えて、ポリウレタンフォームに抗菌性を付与させる方法としては、例えば、抗菌剤をポリウレタンフォーム表面に接着剤を介して保持させたり、抗菌剤を溶媒中に分散させ、ポリウレタンフォームをその溶媒中に含浸させたのちに乾燥させて、フォーム全体に抗菌剤を担持させる方法が行なわれていた。
【0004】
このような方法で作成された抗菌性ポリウレタンフォームは、溶媒を乾燥除去させるのが著しく困難であるばかりでなく、要求されるポリウレタンフォームの風合いを損ねたり、抗菌剤がポリウレタンフォームから流出してしまい抗菌性の持続性に乏しいという問題があった。
【0005】
また、抗菌剤としては、第4級アンモニウム塩等の有機系抗菌剤があるが、これらの抗菌剤は、持続性が乏しく、さらに食品容器又は食品製造用等に使用する場合、安全性に問題がある物が多かった。
【0006】
これらの抗菌剤と比較して、銀担持リン酸ジルコニウムや銀担持ハイドロキシアパタイト等の、銀系抗菌剤が公知であり、このものは有機系抗菌剤を添加したよりも持続性があり、安全性の面でも、有機系抗菌剤よりは比較的に好ましい物である。
【0007】
しかしながら上記銀系抗菌剤をウレタンフォームに添加した場合、ポリウレタンフォームのような空隙率の大きな素材では、最も一般的な抗菌性試験法であるフィルム密着法では、ほとんど抗菌性効果は得られなかった。
【0008】
これは、ポリウレタン樹脂中に埋設している銀系抗菌剤から、抗菌性を発揮するために必要な銀イオンが溶出してこない為と考えられる。また銀系抗菌剤の場合、ポリウレタンフォームの生成反応に使用する触媒等の作用により、抗菌性が損なわれてしまうこと等も考えられる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
近年、酸化チタンの光触媒作用により抗菌性が得られることから、酸化チタンの各種分野への利用が試みられている。しかし、酸化チタンをポリウレタンフォーム等のプラスチック材料中に分散させて利用しようとすると、光触媒作用の大きな酸化チタンは有機物の酸化作用が大きく、酸化チタンの周囲の樹脂自体も酸化劣化させて、物性の低下を引起し易いという問題があった。
【0010】
本発明は、上記の欠点を解決するためになされたものであり、フォーム自体の強度低下等がなく物性に優れ、且つ抗菌性等の光触媒機能を十分発揮可能な光触媒機能を有するポリウレタンフォームを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は(1)Cn2n+1Si(OR)3 (但し18≧n≧4、RはCH3 又はC25 )であるモノアルキルトリアルコキシ型シランカップリング剤で表面処理されたアナターゼ型酸化チタンが、全体に分散含有されていることを特徴とする光触媒機能を有するポリウレタンフォーム、(2)アナターゼ型酸化チタンの粒径が25〜40nmである上記(1)記載の光触媒機能を有するポリウレタンフォーム、(3)シランカップリング剤の処理量が、アナターゼ型酸化チタンに対する加水分解前の重量比で5〜20%である上記(1)又は(2)記載の光触媒機能を有するポリウレタンフォーム、を要旨とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明のポリウレタンフォームは、ポリオール、有機イソシアネート発泡剤等から得られるものであり、少なくとも上記の特定のシランカップリング剤で表面処理してなるアナターゼ型酸化チタンが、フォーム中に分散含有せしめられているものである。
【0013】
本発明ポリウレタンフォームの形成に使用される、ポリオール、有機イソシアネート、発泡剤等は、通常ポリウレタンフォームの製造に使用するものであればいずれのものも使用することができる。また、それらの配合量も通常のポリウレタンフォーム製造と同様の量とすることがでる。さらに、ポリウレタンフォームの製造に通常使用されるものであれば、触媒、整泡剤、顔料等の上記以外の他の成分を配合してもよい。
【0014】
本発明で光触媒作用を有し抗菌剤として使用される酸化チタンは、アナターゼ型酸化チタンの表面がCn2n+1Si(OR)3 (但し18≧n≧4、RはCH3 又はC25 )であるモノアルキルトリアルコキシ型シランカップリング剤で処理されたものであればよい。アナターゼ型酸化チタンの表面がシランカップリング剤で処理されていることで、該酸化チタンの光触媒作用による樹脂の物性低下は、通常のポリウレタンフォームを使用する場合に問題にならない程度に抑制されており、抗菌性等の特性は発揮できる。また、上記特定のシランカップリング剤で処理されたアナターゼ型酸化チタンを使用することで、ポリウレタンフォームを形成する際の反応に悪影響を与えることなく、物性の優れたポリウレタンフォームが安定的に得られる。
【0015】
アナターゼ型酸化チタンの粒径(平均粒径)は、25〜40nmのものが好ましく用いられる。酸化チタンの粒径が大きくなるほど粒子としての表面積が小さくなるため、添加量が同じであれば粒径が小さいほど光触媒作用は大きくなる。一方、ポリウレタンフォーム中への酸化チタンの添加量が多くなると、光触媒作用が大きくなるもののフォームの物性変化が大きくなってしまう。酸化チタンの粒径が40nmを越えると、十分な光触媒作用を得るために添加量を増やす必要があり、フォーム物性に対する影響が無視できなくなる虞れがある。また、酸化チタンの粒径が25μm未満になると製造が困難であると共に、後述するように、表面積が非常に大きくなり表面処理に必要なシランカップリング剤の量が増え、コスト高になる。
【0016】
酸化チタンにはアナターゼ型以外にルチル型及びブルッカイト型があり、本発明で使用する酸化チタンはアナターゼ型が100%のものに限定されず、上記のルチル型、ブルッカイト型及びアモルファス層等が含有されていてもよく、成分中においてアナターゼ型が主体となっていればよい。
【0017】
アナターゼ型酸化チタンは低温で焼成される為、シランカップリング剤で処理する前は表面に水酸基を有し、粒子表面付近の大気中の水分を吸着しやすい性質を持っている。そして酸化チタンの表面の水分を吸着した水酸基は、ポリウレタンフォームを形成する際のウレタン反応時に有機イソシアネートのイソシアネート基と反応して、ポリオールとイソシアネートとの正常な反応を阻害する。
【0018】
これに対し、図1に示すようにアナターゼ型酸化チタン粒子1を疎水性のオルガノアルコキシシランカップリング剤で処理することで、表面を疎水性に変え、酸化チタン粒子1の表面の水酸基及び吸着水とイソシアネート基とが直接反応するのを防止して、ポリウレタンフォームの物性を安定させることができる。
【0019】
シランカップリング剤のアルコキシル基(R)は、メチル基又はエチル基である。これは、酸化チタンを添加してポリウレタンを形成する際、シランカップリング剤で酸化チタン表面を処理した場合に発生するアルコール、及び未反応のシラン等を十分除去しておく必要があるが、メチル基及びエチル基はアルコールが生成してもメチルアルコール又はエチルアルコール等は真空減圧の手段で除去し易い。上記以外のアルコキシル基(例えばブチル基以上の長鎖)を有するシランカップリング剤の場合、生成するアルコールの除去が困難になる。
【0020】
またシランカップリング剤のアルキル基の長さは、Cn2n+1のnが18≧n≧4であり、nが4〜18の間で使用することができる。アルキル基の長さが長くなると疎水性が大きくなり、ポリウレタン生成反応に影響を与える虞れが小さくなる。しかし、図1に示すように、酸化チタン粒子1表面へシランカップリング剤が配列しようとする際に、アルキル基(A)が大きくなってnが19以上になると、きれいに配列するのが困難になりポリウレタンの形成反応に悪影響を与える。これに対しC18以下のアルキル基を持つシランカップリンク剤であれば、配列が十分に行われポリウレタンの形成反応が良好に行える。またシランカップリング剤のアルキル基の長さが短くなると、酸化チタンの疎水性は小さくなるが酸化チタン粒子表面へ配列し易くなり、図1に示すように酸化チタンの表面にシランカップリング剤の理想的な立体構造が形成され、表面がシランカップリング剤で完全に覆われ、ポリウレタン形成反応を阻害しない。但し、シランカップリング剤のアルキル基のnが3以下になると、疎水性の小さい点が無視できなくなり、ポリウレタン形成反応への影響が大きくなる虞れがある。アルキル基の長さ(n)は、好ましくは10≧n≧6である。更に好ましくは、n=8であり、具体的なシランカップリンク剤としてC817Si(OCH33 又はC817Si(OC253 が挙げられる。
【0021】
なおシランカップリング剤には、アルキル型以外に第4級アンモニウム塩型のものもあるが、この型のシランカップリング剤で処理した酸化チタンを用いたウレタンフォームは十分な抗菌効果が得られなかった。これはアンモニウムイオン中のカチオン等が、紫外線照射による電子放出を受け止めてしまい、中和剤として作用してしまうため、酸化チタンの光触媒作用が低下してしまうものと考えられる。
【0022】
オルガノアルコキシシランカップリング剤の酸化チタンに対する処理量は、アナターゼ型酸化チタンの粒子表面を単分子膜で被覆する量(理論量)が最適である。シランカップリング剤の最小被覆面積はアルキル基等の長さに左右されず、ほぼ一定であり、約300〜500m2 /gであるから、処理量は使用される酸化チタンの粒子径によってほぼ決定することができる。表1は、酸化チタンの粒径、表面積及びシランカップリング剤10重量%で処理した場合の酸化チタンの状況である。
【0023】
表1に示す粒径50nmの酸化チタンの場合のように、シランカップリング剤の処理量が上記理論量を越えて多くなると、余剰のシランカップリング剤が加水分解して粉末状となり酸化チタンの表面に付着してポリウレタン形成反応を阻害したり、生成されたウレタンフォームの物性低下を招くおそれがある。また、表1に示す粒径50nmの酸化チタンの場合のように処理量が理論量よりも少なくなると、酸化チタン表面の水酸基等が多量に残存することになり、ポリウレタン形成反応に対する影響が大きくなる。また、シランカップリング剤の処理量が多くなると原料コストは高くなる。
【0024】
これらの理由から、原料となるアナターゼ型酸化チタンとして粒径が25nm〜40nmのものを用い、酸化チタンに対して5〜20重量%のシランカップリング剤で処理したものを用いるのが好ましい。
【0025】
【表1】
Figure 0004029995
【0026】
本発明ポリウレタンフォームに用いられるポリオールとしては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオールのどちらか一方、又は両方を混合して用いることが可能である。ポリエーテルポリオールとしては、エチレングリコール等の多価アルコールのプロピレンオキシド又はエチレンオキシドより成るアルキルオキシド付加物、トリエタノールアミン等へのアルキルオキシド付加物、上記アルコール又はアミンのプロピレンオキシドとエチレンオキシドとの混合物より成るアルキルオキシド付加物、スチレン又は、アクリルニトリル等のグラフトタイプポリマーポリオール等があり、ポリエステルポリオールとしては、アジピン酸等の脂肪族カルボン酸あるいはフタル酸、テレフタル酸等の芳香族カルボン酸またはそれらの混合物とエチレングリコール、3メチルペンタンジオール、オクタンジオール、ネオペンチルグリコール等の脂肪族グリコールあるいはグリセリン等のトリオールとから重合して得られる末端にヒドロキシル基を有するポリエステルポリオール、あるいはカプロラクトンやβ−メチルバレロラクトンを付加開環重合で得られるポリエステルポリオール等が挙げられる。
【0027】
有機イソシアネートとしては、2個以上のイソシアネート基を同一分子中に含有する有機化合物であって、脂肪族系および芳香族系イソシアネート、ポリイソシアネート単量体、混合物およびそれらの変性物が含まれる。脂肪族イソシアネートとしてはヘキサメチレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボナンジイソシアネート等が、また芳香族イソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート等が挙げられる。
【0028】
発泡剤としては、水を主に使用するが、必要に応じてメチレンクロライド等の低沸点の有機化合物や二酸化炭素等の気体も使用することができる。
【0029】
さらに、場合によりハロゲン化燐酸エステル等の難燃剤、酸化防止剤、可塑剤、充填剤、着色剤等の助剤を配合しても良い。
【0030】
触媒としては、アミン系、錫系等またはそれらを併用して使用することができ、アミン系触媒としては、トリエチレンジアミン、ジメチルエタノールアミン、トリエチルアミン、N,N,N′,N′′, N′′−ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N,N′,N′−テトラメチルヘキサエチレンジアミン、N−エチルモルホリン、N−メチルモルホリン等があり、錫系触媒としては、ジブチルチンジラウレート、ジブチルチンジアセテート、スタナスオクトエート、スタナスオレエート等を用いることができる。
【0031】
シランカップリング剤で処理された酸化チタンをポリウレタンフォームの構成原料に配合して、所定の発泡成形反応を行うことで本発明の抗菌性ポリウレタンフォームを製造することができる。酸化チタンの配合の時期としては、通常の助剤や触媒と同時に配合してもよいし、ミキシングヘッドにて、ポリオールと有機イソシアネートの混合時に配合してもよい。酸化チタンをフォーム中に均一的に分散させるためには、予めポリオールか、有機イソシアネートに配合しておくことが望ましく、配合液の安定性等を考慮するとポリオールに配合しておくことが望ましい。酸化チタンの添加量としては、抗菌性等の要求性能によって適宜調整できるが、ポリウレタンフォームに対する重量比で0.5重量%以上が好ましく、一方、酸化チタンの添加量を増加させるほどポリオールの粘度が増加してくるために、ポリウレタンフォームの成形性を考慮すると20.0重量%以下が好ましい。
【0032】
本発明で用いる酸化チタンは粒子の表面積が、通常の粉体粒子と比較して非常に大きく、ポリオールなどへの分散がしにくい為、ペイントロールかホモジナイザーを単独または組合せ使用して分散させることが好ましい。
【0033】
実験例1〜7
下記の配合組成で、常法により成形を行ない、オルガノアルコキシシランカップリング剤で処理したアナターゼ型酸化チタンを分散させたポリウレタンフォームを得た。実験例1は酸化チタンの粒径を20nm、実験例2は25nm、実験例3は30nm、実験例4は35nm、実験例5は40nm、実験例6は45nmのものを用い、シランカップリング剤の処理量を10重量%とした。シランカップリング剤はオクチルトリメトキシシランを用いた。また、比較の為に酸化チタンを添加しないものを参考例1としてポリウレタンフォームを得た。尚、酸化チタンは、予めポリオールに分散させておいて用いた。
【0034】
〔ポリウレタンフォーム配合組成(重量部)〕
・ポリオール※1 100
・酸化チタン 1.0
・整泡剤 0.8
・水 4.2
・アミン系触媒 0.12
・増粘剤 0.28
・錫系触媒 0.3
・メチレンクロライド 4.5
・TDI−80※2 56.67
【0035】
※1:分子量3000のポリエーテルポリオール
※2:トリレンジイソシアネート
【0036】
得られたポリウレタンフォームについてフェードメーター試験及び抗菌性試験を行なった。その結果を表2及び表3に示す。ポリウレタンフォームの物性評価はJIS K 6401、6402に準じて行った。
【0037】
尚、実験例1〜6の反応性は、R.T.(ライジングタイム)が多少遅くなったがブランクの参考例1と比較してほぼ同等の反応性、物性が得られた。
【0038】
【表2】
〔フェドメーター試験結果〕
Figure 0004029995
【0039】
抗菌性試験方法は以下の通りである。各ポリウレタンフォームより、それぞれ長さ50mm×幅5.0mm×厚さ1.5mmの検体試料を作成し、それぞれを1個ずつ殺菌されたプラスチックシャーレに入れ、次に大腸菌の菌数が約105個/mlとなるように調整された菌液を、それぞれのシャーレ中の検体に0.5mlずつ滴下し、シャーレをポリエチレンフィルムで覆い外気と遮断し、検体試料上の菌液の乾燥と外部からの菌の侵入を防止した。検体の紫外線照射はシャーレにブラックライト20Wを検体から40cm離して照射した後室温に保管した。光照射4時間後に、それぞれのシャーレの検体から菌液を洗い出し、培地に移して、その生菌数を測定し、その検体の菌数とした。また、菌液を滴下した直後のものと、光を照射せずに暗室にて保管した物についても同様に生菌数の測定を行った。各検体は、同じ条件の物を3個づつ生菌数を測定し、その平均値を求めて表3に示した。尚、数値が10以下は生菌が検出されなかったことを示す。
【0040】
【表3】
〔ポリウレタンフォームの抗菌性試験結果〕
Figure 0004029995
【0041】
一般に抗菌性の効果については、検出された生菌の数がブランクに対して2桁以上の差があれば、抗菌性の効果があるといわれている。表3の結果より、紫外線照射した実験例1〜5の試験結果はいずれも10以下で抗菌性が非常に良好であり、実験例6は参考例1よりも抗菌性が良好であり、効果が確認された。
【0042】
尚、酸化チタンの粒径0.2〜0.3μmのものを使用して、実験例1〜6と同様にしてポリウレタンフォームを製造し、抗菌性について評価した。その結果は好ましい抗菌性は得られなかった。
【0043】
夏場における紫外線量は、2〜4mW/cm2 であり、今回の試験の照射量は、夏場と比較して1/3〜1/4の量であるが、このような少ない紫外線の照射で効果を得ることができるものであった。(平成10年12月20日午前12時30分の屋外で測定した光量は約1000μW/cm2 であった。また、窓ガラス越しの屋内では、約70〜140μW/cm2 であった。)
【0044】
実験例7〜10、参考例2
粒径30nmの酸化チタンをアルキル基の長さが、C4 (実験例7)、C6 (実験例8)、C8 (実験例9)、C10(実験例10)、C20(参考例2)のモノアルキルトリメトキシシランカップリング剤で処理した(処理量:10重量%)酸化チタンを使用し、実験例1〜6と同様にポリウレタンフォームを形成し、ポリウレタンフォームの発泡状態を観察した。その結果、C20の参考例2は発泡状態が悪かった。またC8 の実験例9が発泡状態は最も優れていた。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、Cn2n+1Si(OR)3 (但し18≧n≧4、RはCH3 又はC25 )であるモノアルキルトリアルコキシ型シランカップリング剤で表面処理されたアナターゼ型酸化チタンが、全体に分散含有されている構成を採用したことにより、物性が良好で抗菌性等の光触媒機能に優れたポリウレタンフォームが得られる。光触媒として用いる酸化チタンは表面がシランカップリング剤で処理されている為、樹脂に対する物性低下が抑制されポリウレタンフォームの通常の使用では物性低下の影響がない。
【0046】
更に、上記特定のシランカップリング剤で処理されたアナターゼ型酸化チタンを用いることで、ポリウレタン生成反応に影響を与えことがなく、物性の良好なポリウレタンフォームを安定的に製造することが可能である。
【0047】
本発明ポリウレタンフォームは、水洗い等を行っても抗菌性が持続し、カイワレダイコン等の育苗床として使用した場合、大腸菌等の付着の心配のない水耕栽培野菜を提供することができる。また家庭での食器などを洗浄するスポンジとして使用した場合には継続的に使用し続けても、特別な殺菌、消毒などを必要とせず、光照射だけで清潔な状態を維持できる。
【0048】
また酸化チタンの光触媒作用は抗菌性だけではなく、大気浄化性及び消臭性等の効果もあり、本発明ポリウレタンフォームは、エアコンのフィルターの空気浄化装置等にも利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】酸化チタン粒子の表面がシランカップリグ剤で処理された状態を説明する為の図である。
【符号の説明】
1 アナターゼ型酸化チタン粒子

Claims (3)

  1. n2n+1Si(OR)3 (但し18≧n≧4、RはCH3 又はC25 )であるモノアルキルトリアルコキシ型シランカップリング剤で表面処理されたアナターゼ型酸化チタンが、全体に分散含有されていることを特徴とする光触媒機能を有するポリウレタンフォーム。
  2. アナターゼ型酸化チタンの粒径が25〜40nmである請求項1記載の光触媒機能を有するポリウレタンフォーム。
  3. シランカップリング剤の処理量が、アナターゼ型酸化チタンに対する加水分解前の重量比で5〜20%である請求項1又は2記載の光触媒機能を有するポリウレタンフォーム。
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