JP2004256794A - 抗菌性ポリウレタンフォーム - Google Patents
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Abstract
【課題】 臭いや湿気などの吸着性能及び抗菌性能に優れるとともに、無機質抗菌剤等の添加剤が配合されていることを視覚的に使用者に訴えることができる抗菌性ポリウレタンフォームを提供することにある。
【解決手段】 低反発性ポリウレタンフォーム等のポリウレタンフォーム中に、銀や二酸化チタン等の無機質抗菌剤及び炭素粉を含有していることを特徴とする抗菌性ポリウレタンフォームとする。前記炭素粉としては、多孔性の炭素粉を用いることができ、この多孔性の炭素粉中には、無機質抗菌剤を担持させることができる。
【選択図】 図1
【解決手段】 低反発性ポリウレタンフォーム等のポリウレタンフォーム中に、銀や二酸化チタン等の無機質抗菌剤及び炭素粉を含有していることを特徴とする抗菌性ポリウレタンフォームとする。前記炭素粉としては、多孔性の炭素粉を用いることができ、この多孔性の炭素粉中には、無機質抗菌剤を担持させることができる。
【選択図】 図1
Description
本発明は抗菌性ポリウレタンフォームに関する。より詳しくは、臭いや湿気などの吸着性能及び抗菌性能に優れるとともに、無機質抗菌剤等の添加剤が配合されていることを視覚的に使用者に訴えることができる抗菌性ポリウレタンフォームを提供することにある。
ポリウレタンフォームは、靴底や靴の中敷、マットレスや枕等の寝具、家庭用椅子や自動車用シート等のクッション材として、或いは床材や壁材として、幅広い分野において使用されている。
ポリウレタンフォームがマットレスや枕等の寝具、家庭用椅子や自動車用シート等のクッション材として用いられる場合、使用者の汗により、また夏場のような高温多湿の環境においては空気中の湿気により、ダニやカビ等が発生しやすくなる。上述のような用途に用いられるポリウレタンフォームは、使用者と直接触れる機会が多いことから、ダニやカビ等の発生は衛生的に好ましいことではなかった。場合によっては、ダニやカビ等が大量に繁殖することにより、アトピー性皮膚炎や喘息等のアレルギー性疾患の原因となる場合があった。
ポリウレタンフォームがマットレスや枕等の寝具、家庭用椅子や自動車用シート等のクッション材として用いられる場合、使用者の汗により、また夏場のような高温多湿の環境においては空気中の湿気により、ダニやカビ等が発生しやすくなる。上述のような用途に用いられるポリウレタンフォームは、使用者と直接触れる機会が多いことから、ダニやカビ等の発生は衛生的に好ましいことではなかった。場合によっては、ダニやカビ等が大量に繁殖することにより、アトピー性皮膚炎や喘息等のアレルギー性疾患の原因となる場合があった。
そこで、ポリウレタンフォーム中でダニやカビ等の繁殖を抑制することを目的に、無機質抗菌剤を添加することが試みられている。
例えば、銀、銅又は亜鉛イオン等の無機質抗菌剤を添加した抗菌性ポリウレタンフォーム(特許文献1参照)や、二酸化チタンを添加した抗菌性ポリウレタンフォーム(特許文献2参照)が提案されている。
例えば、銀、銅又は亜鉛イオン等の無機質抗菌剤を添加した抗菌性ポリウレタンフォーム(特許文献1参照)や、二酸化チタンを添加した抗菌性ポリウレタンフォーム(特許文献2参照)が提案されている。
しかしながら、上述の抗菌性ポリウレタンフォームには以下のような問題が存在した。
ポリウレタンフォーム中に無機質抗菌剤を添加しても、無機質抗菌剤単独では抗菌作用が低い場合があり、特に夏場の湿気の多い時期には、カビ等の繁殖を抑制することは困難な場合があり、嫌な臭いが発生することがあった。
ポリウレタンフォーム中に無機質抗菌剤を添加しても、無機質抗菌剤は通常、微細な粉末として配合されるために、使用者が無機質抗菌剤を視認することは困難であり、無機質抗菌剤等がポリウレタンフォーム中に添加されているかどうか使用者が実感することはできなかった。
ポリウレタンフォーム中に無機質抗菌剤を添加しても、無機質抗菌剤単独では抗菌作用が低い場合があり、特に夏場の湿気の多い時期には、カビ等の繁殖を抑制することは困難な場合があり、嫌な臭いが発生することがあった。
ポリウレタンフォーム中に無機質抗菌剤を添加しても、無機質抗菌剤は通常、微細な粉末として配合されるために、使用者が無機質抗菌剤を視認することは困難であり、無機質抗菌剤等がポリウレタンフォーム中に添加されているかどうか使用者が実感することはできなかった。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであって、請求項1に係る発明は、ポリウレタンフォーム中に無機質抗菌剤及び炭素粉を含有していることを特徴とする抗菌性ポリウレタンフォームに関する。
請求項2に係る発明は、前記無機質抗菌剤が銀及び/又は二酸化チタンであることを特徴とする請求項1に記載の抗菌性ポリウレタンフォームに関する。
請求項3に係る発明は、前記ポリウレタンフォームが低反発性ポリウレタンフォームであることを特徴とする請求項1又は2に記載の抗菌性ポリウレタンフォームに関する。
請求項4に係る発明は、前記低反発性ポリウレタンフォームが、イソシアネート成分と、平均官能基数が2〜4で、水酸基価が30〜60mgKOH/gのポリオールと、平均官能基数が2〜4で、水酸基価が200〜270mgKOH/gのポリオールとからなるポリオール成分と、から形成されてなる低反発性ポリウレタンフォームであることを特徴とする請求項3に記載の低反発性ポリウレタンフォームに関する。
請求項5に係る発明は、前記低反発性ポリウレタンフォームが、イソシアネート成分と、平均官能基数が2〜4で、水酸基価が80〜120mgKOH/gのポリオールと、平均官能基数が2〜4で、水酸基価が150〜210mgKOH/gのポリオールとからなるポリオール成分と、から形成されてなる低反発性ポリウレタンフォームであることを特徴とする請求項3に記載の低反発性ポリウレタンフォームに関する。
請求項6に係る発明は、前記炭素粉が多孔性の炭素粉であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の抗菌性ポリウレタンフォーム。
請求項7に係る発明は、前記無機質抗菌剤が多孔性の炭素粉中に担持されていることを特徴とする請求項6に記載の抗菌性ポリウレタンフォームに関する。
請求項2に係る発明は、前記無機質抗菌剤が銀及び/又は二酸化チタンであることを特徴とする請求項1に記載の抗菌性ポリウレタンフォームに関する。
請求項3に係る発明は、前記ポリウレタンフォームが低反発性ポリウレタンフォームであることを特徴とする請求項1又は2に記載の抗菌性ポリウレタンフォームに関する。
請求項4に係る発明は、前記低反発性ポリウレタンフォームが、イソシアネート成分と、平均官能基数が2〜4で、水酸基価が30〜60mgKOH/gのポリオールと、平均官能基数が2〜4で、水酸基価が200〜270mgKOH/gのポリオールとからなるポリオール成分と、から形成されてなる低反発性ポリウレタンフォームであることを特徴とする請求項3に記載の低反発性ポリウレタンフォームに関する。
請求項5に係る発明は、前記低反発性ポリウレタンフォームが、イソシアネート成分と、平均官能基数が2〜4で、水酸基価が80〜120mgKOH/gのポリオールと、平均官能基数が2〜4で、水酸基価が150〜210mgKOH/gのポリオールとからなるポリオール成分と、から形成されてなる低反発性ポリウレタンフォームであることを特徴とする請求項3に記載の低反発性ポリウレタンフォームに関する。
請求項6に係る発明は、前記炭素粉が多孔性の炭素粉であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の抗菌性ポリウレタンフォーム。
請求項7に係る発明は、前記無機質抗菌剤が多孔性の炭素粉中に担持されていることを特徴とする請求項6に記載の抗菌性ポリウレタンフォームに関する。
本発明に係る抗菌性ポリウレタンフォームは、臭いや湿気などを吸着する性能、遠赤外線放射性能及び抗菌性能に優れるとともに、抗菌剤等の添加剤が配合されていることを実際に使用者に訴えることができる。
またポリウレタンフォームとして低反発性ポリウレタンフォームを使用した場合、使用者の体圧の分散性に優れ、局部的な圧迫感がなく、しかも、血流阻害の防止や床擦れ防止に有効である。
またポリウレタンフォームとして低反発性ポリウレタンフォームを使用した場合、使用者の体圧の分散性に優れ、局部的な圧迫感がなく、しかも、血流阻害の防止や床擦れ防止に有効である。
以下、本発明に係る抗菌性ポリウレタンフォームについて詳述する。本発明に係る抗菌性ポリウレタンフォームは、ポリウレタンフォーム中に無機質抗菌剤及び炭素粉を含有していることを特徴とする。
無機質抗菌剤と炭素粉とを共に含有することにより、炭素粉がポリウレタンフォーム中の湿気を吸着するために、無機質抗菌剤を単独で含有した場合に比べて、より優れた抗菌効果を得ることができる。さらに、無機質抗菌剤と炭素粉とを共に含有することにより、黒色の炭素粉を背景として無機質抗菌剤の金属色が目立ち易くなり、使用者がポリウレタンフォーム中に無機質抗菌剤が配合されていることを容易に視認することができるようになる。
無機質抗菌剤と炭素粉とを共に含有することにより、炭素粉がポリウレタンフォーム中の湿気を吸着するために、無機質抗菌剤を単独で含有した場合に比べて、より優れた抗菌効果を得ることができる。さらに、無機質抗菌剤と炭素粉とを共に含有することにより、黒色の炭素粉を背景として無機質抗菌剤の金属色が目立ち易くなり、使用者がポリウレタンフォーム中に無機質抗菌剤が配合されていることを容易に視認することができるようになる。
本発明に係る抗菌性ポリウレタンフォームにおいて、無機質抗菌剤及び炭素粉が分散されて含有されるポリウレタンフォームは、通常の軟質ポリウレタンフォームが用いられる。
より具体的に説明すると、本発明で用いられるポリウレタンフォームは、少なくとも、ポリオール成分と、イソシアネート成分と、発泡剤と、触媒とから形成される。
より具体的に説明すると、本発明で用いられるポリウレタンフォームは、少なくとも、ポリオール成分と、イソシアネート成分と、発泡剤と、触媒とから形成される。
ポリオール成分は、通常の軟質ポリウレタンフォームの製造に使用されるものであれば、いずれのポリオール成分も用いることができる。具体的には、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、1,2,6−ヘキサントリオール、トリエタノールアミン、ペンタエリスリトールエチレンジアミン、トリレジンアミン、ジフェニルメタンジアミン、テトラメチロールシクロヘキサン、メチルグルコシド、2,2,6,6−テトラキス(ヒドロキシルメチル)シクロヘキサノール、ジエチレントリアミン、ポリ尿素分散ポリオール、アミン変性ポリオール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、多価アルコールと二塩基酸の縮重合により得られるポリエステルポリオール等を例示することができる。本発明においては、前記したようなポリオール成分のうちの一種のみを用いてもよく、また二種以上を混合して用いても構わない。
イソシアネート成分は、ポリウレタンフォームの製造に用いられるものであれば、いずれのイソシアネート成分も使用することができる。例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、シクロヘキシルジイソシアネート、リジンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート、トルエンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ジメチルジフェニルジイソシアネート、ジアニジンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ジメチルトリフェニルメタンテトライソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオフォスフェート、ポリメリックジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート、又はこれらの変成物を例示することができる。本発明においては、前記したようなイソシアネート成分のうちの一種のみを用いてもよく、また二種以上を混合して用いても構わない。
イソシアネート成分の配合量は、通常のポリウレタンフォームの製造における配合量であればよく、具体的には、ポリオール成分100重量部に対して、インデックスが通常60〜130、好ましくは80〜120となるように調整するとよい。この理由は、インデックスが60未満の場合、および130を超える場合のいずれも良好なウレタンフォームを得ることができない。
特に本発明ではポリウレタンフォームとして低反発性ポリウレタンフォームを使用することが好ましい。低反発性ポリウレタンフォームとは、反発弾性率が30%以下、好ましくは0〜20%、より好ましくは0〜15%となるように調整されたポリウレタンフォームである。反発弾性率が30%を超える場合は、良好な低反発性を有するフォームが得られない。
さらに、20℃の温度条件下における点加圧戻り時間が35秒以下、好ましくは5〜30秒、より好ましくは7〜25秒となるように調整された低反発性ポリウレタンフォームが望ましい。この理由は、20℃の温度条件下における点加圧戻り時間が35秒以下となるように調整することで、低反発性に優れるために、例えばクッション材として使用した場合、極めて良好な使用感が得られるとともに、優れた防臭性、吸湿性を得ることができる。尚、「点加圧戻り時間」とは、ある一定の温度条件下において、先端が鋭利な試験棒(長さ10cm、直径25mm)によって50×380×380(mm)の試験片を最大圧縮した後に、負荷を取り除いてから元の厚さに復元するまで時間のことをいう。
モールドフォームの場合は、点加圧戻り時間が20℃の温度条件下で、20秒以下であることが好ましく、スラブフォームの場合は、点加圧戻り時間が20℃の温度条件下で、10秒以下であることが好ましい。尚、本発明において用いられるポリウレタンフォームは、モールドフォーム、スラブフォームのいずれでも良いが、モールドフォームがより好ましい。
さらに、20℃の温度条件下における点加圧戻り時間が35秒以下、好ましくは5〜30秒、より好ましくは7〜25秒となるように調整された低反発性ポリウレタンフォームが望ましい。この理由は、20℃の温度条件下における点加圧戻り時間が35秒以下となるように調整することで、低反発性に優れるために、例えばクッション材として使用した場合、極めて良好な使用感が得られるとともに、優れた防臭性、吸湿性を得ることができる。尚、「点加圧戻り時間」とは、ある一定の温度条件下において、先端が鋭利な試験棒(長さ10cm、直径25mm)によって50×380×380(mm)の試験片を最大圧縮した後に、負荷を取り除いてから元の厚さに復元するまで時間のことをいう。
モールドフォームの場合は、点加圧戻り時間が20℃の温度条件下で、20秒以下であることが好ましく、スラブフォームの場合は、点加圧戻り時間が20℃の温度条件下で、10秒以下であることが好ましい。尚、本発明において用いられるポリウレタンフォームは、モールドフォーム、スラブフォームのいずれでも良いが、モールドフォームがより好ましい。
前述したような低反発性ポリウレタンフォームは、通常の製造方法で製造される低反発性ポリウレタンフォームを使用することができ、特に本発明では、ポリオール成分として、平均官能基数が2〜4で、水酸基価が30〜60mgKOH/gのポリオールと、平均官能基数が2〜4で水酸基価が200〜270mgKOH/gのポリオールの混合物を用いて製造した低反発性ポリウレタンフォームを用いることが好ましい。
前者のポリオールと後者のポリオールの配合量は特に限定されないが、前者のポリオールが34〜75重量%、後者のポリオールが25〜66重量%となるように配合して使用するとよい。この理由は、前者のポリオールの配合量が34重量%未満の場合(後者のポリオールの配合量が66重量%を超える場合)、フォームが硬くなりすぎて良好な低反発性を得ることが困難となり、また前者のポリオールの配合量が75重量%を超える場合(後者のポリオールの配合量が25重量%未満の場合)、フォームが柔らかくなりすぎて良好な低反発性を得ることが困難となる。
平均官能基数が2〜4で、水酸基価が30〜60mgKOH/gのポリオールとして、三菱化成ダウ株式会社製のボラノールV3022J(商品名)を例示することができる。また平均官能基数が2〜4で水酸基価が200〜270mgKOH/gのポリオールとしては、三井武田ケミカル社製のMN700(商品名)を例示することができる。
尚、本発明では、25℃の温度条件下におけるポリオール成分の粘度を400〜600cp、好ましくは450〜550cpに調整すると良い。ポリオール成分の粘度が400cp未満の場合、及びポリオール成分の粘度が600cpを超える場合のいずれの場合も、良好な反発弾性を有するポリウレタンフォームを形成することができない場合がある。
前者のポリオールと後者のポリオールの配合量は特に限定されないが、前者のポリオールが34〜75重量%、後者のポリオールが25〜66重量%となるように配合して使用するとよい。この理由は、前者のポリオールの配合量が34重量%未満の場合(後者のポリオールの配合量が66重量%を超える場合)、フォームが硬くなりすぎて良好な低反発性を得ることが困難となり、また前者のポリオールの配合量が75重量%を超える場合(後者のポリオールの配合量が25重量%未満の場合)、フォームが柔らかくなりすぎて良好な低反発性を得ることが困難となる。
平均官能基数が2〜4で、水酸基価が30〜60mgKOH/gのポリオールとして、三菱化成ダウ株式会社製のボラノールV3022J(商品名)を例示することができる。また平均官能基数が2〜4で水酸基価が200〜270mgKOH/gのポリオールとしては、三井武田ケミカル社製のMN700(商品名)を例示することができる。
尚、本発明では、25℃の温度条件下におけるポリオール成分の粘度を400〜600cp、好ましくは450〜550cpに調整すると良い。ポリオール成分の粘度が400cp未満の場合、及びポリオール成分の粘度が600cpを超える場合のいずれの場合も、良好な反発弾性を有するポリウレタンフォームを形成することができない場合がある。
また本発明では、ポリオール成分として、平均官能基数が2〜4で、水酸基価が80〜120mgKOH/gのポリオールと、平均官能基数が2〜4で水酸基価が150〜210mgKOH/gのポリオールとの混合物を用いて製造した低反発性ポリウレタンフォームを用いることもできる。
前者のポリオールと後者のポリオールの配合量は特に限定されないが、前者のポリオールが34〜75重量%、後者のポリオールが25〜66重量%となるように配合して使用するとよい。この理由は、前者のポリオールの配合量が34重量%未満の場合(後者のポリオールの配合量が66重量%を超える場合)、および前者のポリオールの配合量が75重量%を超える場合(後者のポリオールの配合量が25重量%未満の場合)のいずれの場合も、良好な低反発性を得ることが困難となる。
平均官能基数が2〜4で、水酸基価が80〜120mgKOH/gのポリオールとしては、三井武田ケミカル社製の商品名アクトコールLR−00を例示することができる。
平均官能基数が2〜4で水酸基価が150〜210mgKOH/gのポリオールとしては、三井武田ケミカル社製の商品名アクトコールLR−03を例示することができる。
前者のポリオールと後者のポリオールの配合量は特に限定されないが、前者のポリオールが34〜75重量%、後者のポリオールが25〜66重量%となるように配合して使用するとよい。この理由は、前者のポリオールの配合量が34重量%未満の場合(後者のポリオールの配合量が66重量%を超える場合)、および前者のポリオールの配合量が75重量%を超える場合(後者のポリオールの配合量が25重量%未満の場合)のいずれの場合も、良好な低反発性を得ることが困難となる。
平均官能基数が2〜4で、水酸基価が80〜120mgKOH/gのポリオールとしては、三井武田ケミカル社製の商品名アクトコールLR−00を例示することができる。
平均官能基数が2〜4で水酸基価が150〜210mgKOH/gのポリオールとしては、三井武田ケミカル社製の商品名アクトコールLR−03を例示することができる。
さらに、本発明では、ポリオール成分として、平均官能基数が2〜4で、水酸基価が20〜60mgKOH/gのポリオールと、平均官能基数が1.5〜4.5で水酸基価が200〜300mgKOH/gのポリオールと、平均官能基数が2〜4で、水酸基価が80〜150mgKOH/gのポリオールの混合物を用いて製造した低反発性ポリウレタンフォームを用いることもできる。
平均官能基数が2〜4で、水酸基価が20〜60mgKOH/gのポリオールの含有量は特に限定されないが、ポリオール成分全量中、40〜80重量%、好ましくは50〜70重量%とされる。
平均官能基数が1.5〜4.5で水酸基価が200〜300mgKOH/gのポリオールの含有量は特に限定されないが、ポリオール成分全量中、15〜40重量%、好ましくは20〜35重量%とされる。
平均官能基数が2〜4で、水酸基価が80〜150mgKOH/gのポリオールの含有量は特に限定されないが、ポリオール成分全量中、1〜15重量%、好ましくは5〜13重量%とされる。
平均官能基数が2〜4で、水酸基価が20〜60mgKOH/gのポリオールの含有量は特に限定されないが、ポリオール成分全量中、40〜80重量%、好ましくは50〜70重量%とされる。
平均官能基数が1.5〜4.5で水酸基価が200〜300mgKOH/gのポリオールの含有量は特に限定されないが、ポリオール成分全量中、15〜40重量%、好ましくは20〜35重量%とされる。
平均官能基数が2〜4で、水酸基価が80〜150mgKOH/gのポリオールの含有量は特に限定されないが、ポリオール成分全量中、1〜15重量%、好ましくは5〜13重量%とされる。
低反発性ポリウレタンフォームを製造する際に使用されるイソシアネート成分としては、トルエンジイソシアネート(TDI−80,TDI−65)、粗‐ジフェニルメタンジイソシアネート(Crude−MDI)等を使用することが好ましい。市販品としては、三井日曹ウレタン株式会社製のタケネート80(商品名)を例示することができる。
発泡剤は、ポリウレタンフォームの製造に用いられるものであれば、いずれの発泡剤も使用することができる。具体的には、トリクロロフルオロメタン、メチレンクロライド、ジクロロジフルオロメタン等のフロン系化合物の他、水、酸アミド、ニトロアルカン、或いは重炭素粉酸ナトリウム、炭素粉酸アンモニウム等を例示することができ、水または水とメチレンクロライドなどの低沸点有機化合物の混合物を使用することが好ましい。本発明においては、前記したような発泡剤のうちの一種のみを用いてもよく、また二種以上を混合して用いても構わない。
発泡剤の配合量は、通常のポリウレタンフォームの製造における配合量であればよく、具体的には、ポリオール成分100重量部に対して、1.0〜6.0重量部、好ましくは1.8〜5.0重量部となるように調整するとよい。この理由は、発泡剤の配合量が1.0重量部未満の場合、および6.0重量部を超える場合のいずれも良好に発泡させることができず、いずれの場合も好ましくない。
発泡剤の配合量は、通常のポリウレタンフォームの製造における配合量であればよく、具体的には、ポリオール成分100重量部に対して、1.0〜6.0重量部、好ましくは1.8〜5.0重量部となるように調整するとよい。この理由は、発泡剤の配合量が1.0重量部未満の場合、および6.0重量部を超える場合のいずれも良好に発泡させることができず、いずれの場合も好ましくない。
触媒はポリウレタンフォームの製造に用いられるものであれば、いずれの触媒も使用することができる。具体的には、ジブチルチンジラウレート、ジブチルチンジアセテート、スタナスオレエート等の錫系触媒、トリプロピルアミン、トリエチレンジアミン、ジメチルエタノールアミン、トリエチルアミン、テトラメチルヘキサメチレンジアミン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン等の三級アミン系触媒の他、公知のウレタン化触媒、例えば有機金属、有機酸等を例示することができる。本発明においては、前記したような触媒のうちの一種のみを用いてもよく、また二種以上を混合して用いても構わない。
触媒の配合量は、通常のポリウレタンフォームの製造における配合量であればよく、具体的には、ポリオール成分100重量部に対して、0.01〜5.0重量部、好ましくは0.5〜3.0重量部となるように調整するとよい。この理由は、触媒の配合量が0.01重量部未満の場合、および5.0重量部を超える場合のいずれも良好なウレタンフォームを得ることができない。
触媒の配合量は、通常のポリウレタンフォームの製造における配合量であればよく、具体的には、ポリオール成分100重量部に対して、0.01〜5.0重量部、好ましくは0.5〜3.0重量部となるように調整するとよい。この理由は、触媒の配合量が0.01重量部未満の場合、および5.0重量部を超える場合のいずれも良好なウレタンフォームを得ることができない。
本発明においては、以上説明した各成分の他、多価アルコール、鎖延長剤、可塑剤、難燃剤、整泡剤、有機質粉末、金属水酸化物、無機質粉末、顔料、染料、着色剤、無機増量剤、有機溶媒、酸化防止剤、紫外線吸収剤、加水分解防止剤等の各成分を適宜任意に配合することができる。
尚、ポリウレタンフォームの発泡率は特に限定されないが、50〜90%とすることが好ましい。
尚、ポリウレタンフォームの発泡率は特に限定されないが、50〜90%とすることが好ましい。
本発明に係る抗菌性ポリウレタンフォーム中には無機質抗菌剤が配合される。本発明で用いられる無機質抗菌剤としては金属イオン抗菌剤が好ましく、例えば、銀、銅、亜鉛、二酸化チタン等を例示することができる。
特に本発明では、銀及び/又は二酸化チタンを配合することが好ましい。この理由は、銀や二酸化チタンが抗菌活性に優れるからである。炭素粉と共に配合した場合に、より優れた抗菌効果を得ることができるからである。
尚、本発明では、無機質抗菌剤として銀及び二酸化チタンを共に配合することが好ましい。この理由は、銀と二酸化チタンを共に配合することにより、それぞれ単独で配合した場合に比べて、格段に優れた抗菌性を得ることができる。
特に本発明では、銀及び/又は二酸化チタンを配合することが好ましい。この理由は、銀や二酸化チタンが抗菌活性に優れるからである。炭素粉と共に配合した場合に、より優れた抗菌効果を得ることができるからである。
尚、本発明では、無機質抗菌剤として銀及び二酸化チタンを共に配合することが好ましい。この理由は、銀と二酸化チタンを共に配合することにより、それぞれ単独で配合した場合に比べて、格段に優れた抗菌性を得ることができる。
無機質抗菌剤の配合量は特に限定されないが、全配合成分に対して、0.01〜30重量%、好ましくは、0.1〜10重量%とされる。0.01重量%未満の含有量の場合、ポリウレタンフォームに抗菌活性を付与することができず、30重量%を超えて配合すると、ポリウレタンフォームを製造する際に発泡を阻害する場合があり、またポリウレタンフォームから脱落する場合がある。
また無機質抗菌剤として、銀及び二酸化チタンを共に配合する場合、その配合比は、特に限定されないが、前記銀及び二酸化チタンの合計の配合量が前記配合量の範囲内であるとともに、重量比で、銀:二酸化チタン=1:0.1〜10、好ましくは1:0.3〜5となるように配合することが好ましい。
また無機質抗菌剤として、銀及び二酸化チタンを共に配合する場合、その配合比は、特に限定されないが、前記銀及び二酸化チタンの合計の配合量が前記配合量の範囲内であるとともに、重量比で、銀:二酸化チタン=1:0.1〜10、好ましくは1:0.3〜5となるように配合することが好ましい。
無機質抗菌剤の粒径は特に限定されないが、0.1〜300μm、より好ましくは0.5〜100μmとされる。さらに、無機質抗菌剤の粒径は、後述する炭素粉よりも小さいことが好ましい。この理由は、無機質抗菌剤を炭素粉に担持することができるようになるとともに、無機質抗菌剤が配合されていることを使用者に訴える視覚効果に優れるからである。
尚、二酸化チタンは、アナターゼ型、ルチナ型、ブルッカイト型の二酸化チタンが存在する。本発明では、いずれのタイプの二酸化チタンを使用することもできるが、アナターゼ型の二酸化チタンが抗菌活性に優れるために好ましく用いられる。
本発明において用いられる炭素粉としては、粒径が0.01μm以上であればあらゆる炭素粉を用いることができ、更に500μm以上の粒径の炭素粉も使用することができる。
本発明では、0.01μm以上の粒径であれば、炭素粉の粒径は特に限定されないが、1μm以下の炭素粉を使用する場合、0.01〜1μm、好ましくは0.01〜0.8μm、より好ましくは0.05〜0.5μmとされる。1μm以下の炭素粉は、ウレタンフォーム全体を黒く略均一に着色させることが主な目的とされる。粒径が0.01μm未満の場合、調製が困難となるために、また1μmを超える場合、略均一に分散させて着色効果を得ることが困難となる。
また1〜500μmの炭素粉を配合する場合は、好ましくは10〜400μm、より好ましくは100〜300μmとされる。1〜500μmの炭素粉を配合する主な目的は、炭素粉が有する脱臭作用、調湿作用を効果的に得るためである。粒径が1μm以下の場合、脱臭作用や調湿作用が低下するために、また500μm以上の場合、フォーム中に分散して保持することができないことがあるために、いずれの場合も好ましくない。
また500μm以上の粒径の炭素粉を使用する場合は、500〜2000μm、好ましくは600〜1500μm、より好ましくは750〜1000μmとされる。500μm以上の粒径の炭素粉を使用する主な目的は、吸湿、脱臭作用に加えて、使用者に対して炭素粉が配合されていることを視覚的に訴える視覚効果を得るためである。粒径が500μm未満の場合、視覚的な効果を十分に得ることができず、また2000μmを超える場合、フォーム中から脱落することがあるために、いずれの場合も好ましくないからである。
本発明では、0.01μm以上の粒径であれば、炭素粉の粒径は特に限定されないが、1μm以下の炭素粉を使用する場合、0.01〜1μm、好ましくは0.01〜0.8μm、より好ましくは0.05〜0.5μmとされる。1μm以下の炭素粉は、ウレタンフォーム全体を黒く略均一に着色させることが主な目的とされる。粒径が0.01μm未満の場合、調製が困難となるために、また1μmを超える場合、略均一に分散させて着色効果を得ることが困難となる。
また1〜500μmの炭素粉を配合する場合は、好ましくは10〜400μm、より好ましくは100〜300μmとされる。1〜500μmの炭素粉を配合する主な目的は、炭素粉が有する脱臭作用、調湿作用を効果的に得るためである。粒径が1μm以下の場合、脱臭作用や調湿作用が低下するために、また500μm以上の場合、フォーム中に分散して保持することができないことがあるために、いずれの場合も好ましくない。
また500μm以上の粒径の炭素粉を使用する場合は、500〜2000μm、好ましくは600〜1500μm、より好ましくは750〜1000μmとされる。500μm以上の粒径の炭素粉を使用する主な目的は、吸湿、脱臭作用に加えて、使用者に対して炭素粉が配合されていることを視覚的に訴える視覚効果を得るためである。粒径が500μm未満の場合、視覚的な効果を十分に得ることができず、また2000μmを超える場合、フォーム中から脱落することがあるために、いずれの場合も好ましくないからである。
炭素粉としては、原木を750〜1200℃で焼き、350〜520℃で炭化させることにより得られる白炭、原木を400〜750℃で焼き、250〜450℃で炭化させることにより得られる黒炭のいずれも好ましく用いることができる。
例えば、白炭としては、ウバメガシ(Quercus phillyraeoides)を原木とし、1200℃前後で焼かれた備長炭などを挙げることができる。黒炭としては、クヌギ(Quercus acutissima)、コナラ(Quercus serrta Thunb)などを原木とした木炭を挙げることができる。更には、イネ科(Gramineae)に属する竹類を用いた竹炭、或いはカーボンブラックや活性炭も好適に用いることができる。特に本発明では、木炭又は竹炭等の多孔性の炭素粉を用いることが好ましく、備長炭を用いることがより好ましい。
例えば、白炭としては、ウバメガシ(Quercus phillyraeoides)を原木とし、1200℃前後で焼かれた備長炭などを挙げることができる。黒炭としては、クヌギ(Quercus acutissima)、コナラ(Quercus serrta Thunb)などを原木とした木炭を挙げることができる。更には、イネ科(Gramineae)に属する竹類を用いた竹炭、或いはカーボンブラックや活性炭も好適に用いることができる。特に本発明では、木炭又は竹炭等の多孔性の炭素粉を用いることが好ましく、備長炭を用いることがより好ましい。
本発明においては、木炭及び/又は竹炭とカーボンブラックの混合物を使用することもできる。この理由は、カーボンブラックを混合することで、木炭及び竹炭の分散性に優れる。さらに、カーボンブラックを配合することにより、ポリウレタンフォーム全体を黒く着色することができ、無機質抗菌剤を視認させる効果に優れる。カーボンブラックを配合する場合、その粒径は特に限定されないが、0.01〜1μmとされる。
木炭及び竹炭とカーボンブラックの配合比は特に限定されないが、重量比で木炭及び/又は竹炭:カーボンブラック=1:0.5〜5、好ましくは1:1〜3、より好ましくは1:1.5〜2.5とされる。カーボンブラックの配合量が木炭及び/又は竹炭の配合量の0.5重量倍未満であると、カーボンブラックの配合による効果が得られず、またカーボンブラックの配合量が木炭及び/又は竹炭の配合量の5重量倍を超えて配合すると、木炭及び/又は竹炭の配合量が相対的に低下して吸湿性や脱臭性が低下するために、いずれの場合も好ましくない。
炭素粉の配合量は、全配合成分に対して0.01〜30重量%とするとよい。これは、炭素粉の配合量が0.01重量%未満の場合、炭素粉を配合することによる効果が得られず、また30重量%を超えて配合すると分散性が悪く発泡が良好に行われないことがあるために、いずれの場合も好ましくない。さらに、炭素粉の粒径が0.01〜1μmの場合、好ましくは0.1〜20重量%、より好ましくは0.5〜15重量%とするとよい。また炭素粉の粒径が1μm以上の場合、好ましくは0.1〜10重量%、より好ましくは0.5〜5重量%とするとよい。
本発明では、無機質抗菌剤を多孔性の炭素粉中に担持させてポリウレタンフォーム中に分散させることもできる。無機質抗菌剤を多孔性の炭素粉の表面や炭素粉中の微細な気孔の表面に分散させて担持させることにより、無機質抗菌剤の分散性に優れるとともに、多孔性の炭素粉は比表面積が広いために、無機質抗菌剤を大量に配合することができ、抗菌性を高めることができる。
無機質抗菌剤を多孔性の炭素粉中に担持する場合、多孔性の炭素粉は、無機質抗菌剤の粒径よりも大きな粒径のものが用いられる。
無機質抗菌剤を多孔性の炭素粉中に担持する場合、多孔性の炭素粉は、無機質抗菌剤の粒径よりも大きな粒径のものが用いられる。
無機質抗菌剤を多孔性の炭素粉中に担持させる方法は特に限定されず、炭素粉と無機質抗菌剤を水中で混合することにより担持させる方法や、炭素粉の原材料である木粉等と無機質抗菌剤とを混合した後に500〜1000℃の温度条件下で焼成することにより担持させる方法等を例示することができる。木粉等と無機質抗菌剤とを混合する際に、必要に応じて粘土や接着剤等の保形剤を添加することができる。
さらに、本発明では、多孔性の炭素粉の表面や気孔内面に無機質抗菌剤を担持させる方法として、析出沈殿法、気相グラフィティング法、無電解メッキ法、蒸着法などを採用することもできる。
さらに、本発明では、多孔性の炭素粉の表面や気孔内面に無機質抗菌剤を担持させる方法として、析出沈殿法、気相グラフィティング法、無電解メッキ法、蒸着法などを採用することもできる。
上述した無機質抗菌剤と炭素粉は、前述した配合量の範囲内で配合すればよいが、特に本発明では、前述した配合量の範囲内で無機質抗菌剤と炭素粉を配合するとともに、無機質抗菌剤と炭素粉を重量比で1:0.1〜10、好ましくは1:0.5〜5となるように配合することが好ましい。この理由は、炭素粉の配合量が無機質抗菌剤の配合量の0.1重量倍未満であると、無機質抗菌剤が配合されていることを使用者に訴える視覚効果に乏しい。炭素粉の配合量が無機質抗菌剤の配合量の10重量倍を超えると、無機質抗菌剤の配合量に比べて炭素粉の配合量が多く、この場合も視覚効果に乏しい。
本発明に係る抗菌性ポリウレタンフォームは、図1に示される断面図のように、以上説明した成分から調製されるポリウレタンフォーム(2)中に炭素粉及び無機質抗菌剤が略均一となるように分散されて保持されている。また図2に示される模式断面図のように、ポリウレタンフォーム(2)中に分散されて保持された炭素粉及び無機質抗菌剤がその表面に集中して保持されている。
本発明に係る抗菌性ポリウレタンフォームは、炭素粉がポリウレタンフォーム中の嫌な臭いや湿気を吸着するとともに、無機質抗菌剤がカビ等の繁殖を抑制するために、防臭性、吸湿性、抗菌性に優れている。
しかも、ポリウレタンフォーム中の嫌な臭いや湿気に加え、ポリウレタンフォームを通過する空気中に含まれる嫌な臭いや湿気をも吸着することができるために、例えば、本発明に係る抗菌性ポリウレタンフォームを自動車用シートのクッション材として用いた場合、自動車に特有の嫌な臭いを低減することが可能である。
また、炭素粉は遠赤外線効果を有するために、例えば、抗菌性ポリウレタンフォームを寝具として使用した場合は、保温性を高めることができる。
本発明に係る抗菌性ポリウレタンフォームは、炭素粉がポリウレタンフォーム中の嫌な臭いや湿気を吸着するとともに、無機質抗菌剤がカビ等の繁殖を抑制するために、防臭性、吸湿性、抗菌性に優れている。
しかも、ポリウレタンフォーム中の嫌な臭いや湿気に加え、ポリウレタンフォームを通過する空気中に含まれる嫌な臭いや湿気をも吸着することができるために、例えば、本発明に係る抗菌性ポリウレタンフォームを自動車用シートのクッション材として用いた場合、自動車に特有の嫌な臭いを低減することが可能である。
また、炭素粉は遠赤外線効果を有するために、例えば、抗菌性ポリウレタンフォームを寝具として使用した場合は、保温性を高めることができる。
本発明に係る抗菌性ポリウレタンフォームは、ポリウレタンフォームの表面だけでなく炭素粉及び無機質抗菌剤がポリウレタンフォーム中に分散されて保持されているために、一部に偏って保持された場合と比較して炭素粉や無機質抗菌剤の比表面積が増大して防臭性、吸湿性、抗菌性を高めることができる。
本発明に係る抗菌性ポリウレタンフォームは、あらゆる用途に用いることができるが、特に、その優れた防臭性、吸湿性、抗菌性を期待して、蒲団や枕等の寝具、椅子の座部、床材、壁材、靴底等のクッション材として好適に用いることができる。
次に、以上詳述した本発明に係る抗菌性ポリウレタンフォームの好適な製造方法について説明する。
本発明に係る抗菌性ポリウレタンフォームの好適な製造方法を、含有される炭素粉の粒径に応じて説明する。
まず、炭素粉の粒径が0.01〜1μmの場合、炭素粉と無機質抗菌剤とをポリオール成分とイソシアネート成分を混合する際に同時に混合して加熱・発泡して成型する。ポリオール成分、イソシアネート成分、炭素粉及び無機質抗菌剤を同時に混合することで、触媒が炭素粉に吸着されずに、良好に発泡を行うことができる。尚、粒径が0.01〜1μmの炭素粉を使用する場合、カーボンブラックを混合して用いることが好ましい。この理由は炭素粉の分散性を高めることができるからである。
本発明に係る抗菌性ポリウレタンフォームの好適な製造方法を、含有される炭素粉の粒径に応じて説明する。
まず、炭素粉の粒径が0.01〜1μmの場合、炭素粉と無機質抗菌剤とをポリオール成分とイソシアネート成分を混合する際に同時に混合して加熱・発泡して成型する。ポリオール成分、イソシアネート成分、炭素粉及び無機質抗菌剤を同時に混合することで、触媒が炭素粉に吸着されずに、良好に発泡を行うことができる。尚、粒径が0.01〜1μmの炭素粉を使用する場合、カーボンブラックを混合して用いることが好ましい。この理由は炭素粉の分散性を高めることができるからである。
この製造方法の一例を示すと、まず、ポリオール成分、イソシアネート成分とも、固体状の場合は加熱されて溶融される。この際の加熱温度は、通常のポリウレタンフォームの製造における温度と同様とされ、具体的には、50〜80℃とされる。また、必要に応じて減圧状態におかれ、脱水、脱泡が行われる。
次に、ポリオール成分に触媒・発泡剤、或いはこの他の添加剤が混合される。この際の温度は、通常のポリウレタンフォームの製造における温度と同様とされ、具体的には、15〜60℃とされる。
最後に、様々な添加剤が混合されたポリオール成分と、イソシアネート成分を混合する際に、同時に炭素粉及び無機質抗菌剤を配合する。加熱・発泡後、成型することにより本発明に係る抗菌性ポリウレタンフォームを製造することができる。加熱温度は概ね90〜250℃とされる。
次に、ポリオール成分に触媒・発泡剤、或いはこの他の添加剤が混合される。この際の温度は、通常のポリウレタンフォームの製造における温度と同様とされ、具体的には、15〜60℃とされる。
最後に、様々な添加剤が混合されたポリオール成分と、イソシアネート成分を混合する際に、同時に炭素粉及び無機質抗菌剤を配合する。加熱・発泡後、成型することにより本発明に係る抗菌性ポリウレタンフォームを製造することができる。加熱温度は概ね90〜250℃とされる。
次に、炭素粉の粒径が1μmを超える場合の製造方法について説明する。この製造方法は、炭素粉及び無機質抗菌剤をポリオール成分に予め混合して分散させた後に、イソシアネート成分と混合して加熱・発泡して成型することを特徴としている。
この理由は、炭素粉及び無機質抗菌剤をポリオール成分中に予め混合した後に、イソシアネート成分と混合して加熱・発泡させることにより、炭素粉及び無機質抗菌剤がポリウレタンフォーム中に偏って保持されずに、ポリウレタンフォーム中に分散されて保持されるからである。
この理由は、炭素粉及び無機質抗菌剤をポリオール成分中に予め混合した後に、イソシアネート成分と混合して加熱・発泡させることにより、炭素粉及び無機質抗菌剤がポリウレタンフォーム中に偏って保持されずに、ポリウレタンフォーム中に分散されて保持されるからである。
この製造方法の一例を示すと、まず、ポリオール成分、イソシアネート成分とも、固体状の場合は加熱されて溶融される。この際の加熱温度は、通常のポリウレタンフォームの製造における温度と同様とされ、具体的には、50〜80℃とされる。また、必要に応じて減圧状態におかれ、脱水、脱泡が行われる。
次に、ポリオール成分に触媒・発泡剤、或いはこの他の添加剤が混合される。さらに、本発明においては、予め炭素粉及び無機質抗菌剤もポリオール成分に配合され、略均一となるように分散される。この際の温度は、通常のポリウレタンフォームの製造における温度と同様とされ、具体的には、15〜60℃とされる。
最後に、様々な添加剤が混合されたポリオール成分と、イソシアネート成分を混合して、加熱・発泡された後に成型することにより本発明に係る抗菌性ポリウレタンフォームを製造することができる。加熱温度は概ね90〜250℃とされる。
次に、ポリオール成分に触媒・発泡剤、或いはこの他の添加剤が混合される。さらに、本発明においては、予め炭素粉及び無機質抗菌剤もポリオール成分に配合され、略均一となるように分散される。この際の温度は、通常のポリウレタンフォームの製造における温度と同様とされ、具体的には、15〜60℃とされる。
最後に、様々な添加剤が混合されたポリオール成分と、イソシアネート成分を混合して、加熱・発泡された後に成型することにより本発明に係る抗菌性ポリウレタンフォームを製造することができる。加熱温度は概ね90〜250℃とされる。
この製造方法は、予め炭素粉が配合されて略均一となるように分散されたポリオール成分と、イソシアネート成分を混合して発泡させることにより、粒径が1μm以上であればどのような粒径の炭素粉であっても、炭素粉が一部に偏って保持されずに分散されて保持されたポリウレタンフォームを製造することができる。尚、粒径が500μm以上の炭素粉を使用すると、図2の模式断面図に示されるように、炭素粉はポリウレタンフォーム中に分散されながらより表面に炭素粉が集中するために風合いが好ましい。
また、本発明に係る抗菌性ポリウレタンフォームの製造方法は、不連続法であっても連続法であっても、いずれも好適に採用することができる。
また、本発明に係る抗菌性ポリウレタンフォームの製造方法は、不連続法であっても連続法であっても、いずれも好適に採用することができる。
本発明に係る抗菌性ポリウレタンフォームは、スラブ発泡法によっても、またモールド発泡法によっても構わない。特に段落番号[0015]に記載したようなポリオール成分を使用する場合は、スラブ発泡法によって、段落番号[0016]〜[0017]に記載したようなポリオール成分を使用する場合は、モールド発泡法によって製造することが好ましい。
尚、モールド発泡法による場合、製造されたポリウレタンフォームの表面に通気性の薄い被膜を形成することができる。ポリウレタンフォームの表面に通気性の薄い被膜が形成されることによって、ポリウレタンフォームの点加圧戻り時間が遅くなるように調節することができる。
尚、モールド発泡法による場合、製造されたポリウレタンフォームの表面に通気性の薄い被膜を形成することができる。ポリウレタンフォームの表面に通気性の薄い被膜が形成されることによって、ポリウレタンフォームの点加圧戻り時間が遅くなるように調節することができる。
実施例を示すことにより、本発明をより詳細に説明する。但し、本発明は以下の実施例により何ら限定されるものではない。
(試料の調製1)
表1に示される組成により、実施例1〜4及び比較例1の各試料を調製した。調製方法は、まず、ポリオール成分に、イソシアネート成分以外の成分を予め混合した後に、このポリオール成分とイソシアネート成分を混合して反応させた。加熱炉で60〜75℃の条件下、10分間加熱して熟成させることにより各試料を調製した。
尚、ポリオール成分としては、三菱化成ダウ株式会社製のボラノールV3022J(商品名)と三井武田ケミカル社製のMN700(商品名)を等量混合して使用した。またイソシアネート成分としては、トルエンジイソシアネート(TDI−80)を使用した。触媒としては、スタナスオクトエートを、炭素粉としては備長炭を、それぞれ使用した。
(試料の調製1)
表1に示される組成により、実施例1〜4及び比較例1の各試料を調製した。調製方法は、まず、ポリオール成分に、イソシアネート成分以外の成分を予め混合した後に、このポリオール成分とイソシアネート成分を混合して反応させた。加熱炉で60〜75℃の条件下、10分間加熱して熟成させることにより各試料を調製した。
尚、ポリオール成分としては、三菱化成ダウ株式会社製のボラノールV3022J(商品名)と三井武田ケミカル社製のMN700(商品名)を等量混合して使用した。またイソシアネート成分としては、トルエンジイソシアネート(TDI−80)を使用した。触媒としては、スタナスオクトエートを、炭素粉としては備長炭を、それぞれ使用した。
(試料の調製2)
表1に記載の組成に従って、実施例5の試料を調製した。調製方法は、まず、ポリオール成分に、炭素粉、無機質抗菌剤、カーボンブラック、及びイソシアネート成分以外の成分を予め混合した後に、このポリオール成分とイソシアネート成分と炭素粉を同時に混合して反応させた。加熱炉で60〜75℃の条件下、10分間加熱して熟成させることにより調製した。尚、カーボンブラックは1μm未満の粒径を使用した。
尚、原材料としては、実施例1〜4の試料と同様のものを使用した。
表1に記載の組成に従って、実施例5の試料を調製した。調製方法は、まず、ポリオール成分に、炭素粉、無機質抗菌剤、カーボンブラック、及びイソシアネート成分以外の成分を予め混合した後に、このポリオール成分とイソシアネート成分と炭素粉を同時に混合して反応させた。加熱炉で60〜75℃の条件下、10分間加熱して熟成させることにより調製した。尚、カーボンブラックは1μm未満の粒径を使用した。
尚、原材料としては、実施例1〜4の試料と同様のものを使用した。
(試験例1;硬さ及び戻り時間の測定)
上記調製した実施例1〜5及び比較例1の各試料の硬さをJIS−K6400に規定される方法に基づいて測定した。即ち、50×380×380(mm)の試験片を200mmφの加圧円盤を取り付けた硬さ試験機を用いて、加圧前の厚さの75%に予備圧縮したのちに、毎分100mmの速度で元の厚さの25%まで圧縮したときの荷重値を測定した。
また、上記調製した実施例1〜5及び比較例1の各試料に20℃の温度条件下において一定の負荷を加えた後に、この負荷を取り除き、負荷により形成された窪みが負荷を全く加えていない状態にまで戻るまでの時間(点加圧戻り時間)を測定した。結果を表1に示す。
上記調製した実施例1〜5及び比較例1の各試料の硬さをJIS−K6400に規定される方法に基づいて測定した。即ち、50×380×380(mm)の試験片を200mmφの加圧円盤を取り付けた硬さ試験機を用いて、加圧前の厚さの75%に予備圧縮したのちに、毎分100mmの速度で元の厚さの25%まで圧縮したときの荷重値を測定した。
また、上記調製した実施例1〜5及び比較例1の各試料に20℃の温度条件下において一定の負荷を加えた後に、この負荷を取り除き、負荷により形成された窪みが負荷を全く加えていない状態にまで戻るまでの時間(点加圧戻り時間)を測定した。結果を表1に示す。
表1の結果の通り、本発明に係る抗菌性ポリウレタンフォームは、炭素粉を含有していないポリウレタンフォームと略同等の物性値を有することが分かる。
また、各実施例の試料は炭素粉及び無機質抗菌剤がポリウレタンフォーム中に分散されて保持されていた。
また、各実施例の試料は炭素粉及び無機質抗菌剤がポリウレタンフォーム中に分散されて保持されていた。
(試験例2;抗菌性試験)
まず、表2に示される組成に従い、実施例6、7及び比較例2、3の試料を調製した。尚、使用した原材料は、上述した試料の調製の際に使用したものと同様の原材料を使用した。また、実施例7については、銀粉末は木炭に担持させたものを使用した。
次に、上記調製した各試料を45mm×5mm×2mmの大きさに切断し、切断した各試料をそれぞれ滅菌シャーレに入れた。大腸菌数が約10個/mLとなるように調整した菌液をシャーレの中の試料に0.5mLずつ滴下した。シャーレに外部から菌体が混入しないようにフィルムでシャーレの外部を覆い、室温で保管した。
24時間経過後に菌液を採取して、培地に移し培養して、その検体の菌数を測定した。
まず、表2に示される組成に従い、実施例6、7及び比較例2、3の試料を調製した。尚、使用した原材料は、上述した試料の調製の際に使用したものと同様の原材料を使用した。また、実施例7については、銀粉末は木炭に担持させたものを使用した。
次に、上記調製した各試料を45mm×5mm×2mmの大きさに切断し、切断した各試料をそれぞれ滅菌シャーレに入れた。大腸菌数が約10個/mLとなるように調整した菌液をシャーレの中の試料に0.5mLずつ滴下した。シャーレに外部から菌体が混入しないようにフィルムでシャーレの外部を覆い、室温で保管した。
24時間経過後に菌液を採取して、培地に移し培養して、その検体の菌数を測定した。
培養した結果、比較例の試料では、試験開始前の菌数と24時間経過後の菌数は、殆ど変化がないか、若干の増加が確認されたのに対して、実施例の試料では、殆ど大腸菌は検出されなかった。従って、本発明に係る抗菌性ポリウレタンフォームは優れた抗菌活性を有することがわかる。
(試験例3;視覚効果試験)
10名のパネラーに、上記調製した実施例6と比較例3の試料を目視で確認してもらい、多くの銀粉末が配合されていると感じた試料を選択してもらった。
その結果、10名のパネラー中、9名が実施例6の試料のほうが、銀粉末が多く配合されていると感じた。
従って、本発明に係る抗菌性ポリウレタンフォームは、添加剤が配合されていることを使用者に訴える視覚効果に優れるといえる。
10名のパネラーに、上記調製した実施例6と比較例3の試料を目視で確認してもらい、多くの銀粉末が配合されていると感じた試料を選択してもらった。
その結果、10名のパネラー中、9名が実施例6の試料のほうが、銀粉末が多く配合されていると感じた。
従って、本発明に係る抗菌性ポリウレタンフォームは、添加剤が配合されていることを使用者に訴える視覚効果に優れるといえる。
(試料の調製1)
表3に示される組成により、実施例8〜11及び比較例1の各試料を調製した。調製方法は、まず、ポリオール成分に、イソシアネート成分以外の成分を予め混合した後に、このポリオール成分とイソシアネート成分を混合して反応させた。加熱炉で60〜75℃の条件下、10分間加熱して熟成させることにより各試料を調製した。
尚、ポリオール成分としては、三井武田ケミカル社製の商品名アクトコールLR−00と、三井武田ケミカル社製の商品名アクトコールLR−03とを等量混合して使用した。またイソシアネート成分としては、トルエンジイソシアネート(TDI−80)を使用した。触媒としては、スタナスオクトエートを、炭素粉としては備長炭を、それぞれ使用した。
表3に示される組成により、実施例8〜11及び比較例1の各試料を調製した。調製方法は、まず、ポリオール成分に、イソシアネート成分以外の成分を予め混合した後に、このポリオール成分とイソシアネート成分を混合して反応させた。加熱炉で60〜75℃の条件下、10分間加熱して熟成させることにより各試料を調製した。
尚、ポリオール成分としては、三井武田ケミカル社製の商品名アクトコールLR−00と、三井武田ケミカル社製の商品名アクトコールLR−03とを等量混合して使用した。またイソシアネート成分としては、トルエンジイソシアネート(TDI−80)を使用した。触媒としては、スタナスオクトエートを、炭素粉としては備長炭を、それぞれ使用した。
(試料の調製2)
表3に記載の組成に従って、実施例12の試料を調製した。調製方法は、まず、ポリオール成分に、炭素粉、無機質抗菌剤、カーボンブラック、及びイソシアネート成分以外の成分を予め混合した後に、このポリオール成分とイソシアネート成分と炭素粉を同時に混合して反応させた。加熱炉で60〜75℃の条件下、10分間加熱して熟成させることにより調製した。尚、カーボンブラックは1μm未満の粒径を使用した。
尚、原材料としては、実施例8〜11の試料と同様のものを使用した。
表3に記載の組成に従って、実施例12の試料を調製した。調製方法は、まず、ポリオール成分に、炭素粉、無機質抗菌剤、カーボンブラック、及びイソシアネート成分以外の成分を予め混合した後に、このポリオール成分とイソシアネート成分と炭素粉を同時に混合して反応させた。加熱炉で60〜75℃の条件下、10分間加熱して熟成させることにより調製した。尚、カーボンブラックは1μm未満の粒径を使用した。
尚、原材料としては、実施例8〜11の試料と同様のものを使用した。
(試験例4;硬さ及び戻り時間の測定)
上記調製した実施例1〜5及び比較例1の各試料の硬さをJIS−K6400に規定される方法に基づいて測定した。即ち、50×380×380(mm)の試験片を200mmφの加圧円盤を取り付けた硬さ試験機を用いて、加圧前の厚さの75%に予備圧縮したのちに、毎分100mmの速度で元の厚さの25%まで圧縮したときの荷重値を測定した。
また、上記調製した実施例1〜5及び比較例1の各試料に20℃の温度条件下において一定の負荷を加えた後に、この負荷を取り除き、負荷により形成された窪みが負荷を全く加えていない状態にまで戻るまでの時間(点加圧戻り時間)を測定した。結果を表1に示す。
上記調製した実施例1〜5及び比較例1の各試料の硬さをJIS−K6400に規定される方法に基づいて測定した。即ち、50×380×380(mm)の試験片を200mmφの加圧円盤を取り付けた硬さ試験機を用いて、加圧前の厚さの75%に予備圧縮したのちに、毎分100mmの速度で元の厚さの25%まで圧縮したときの荷重値を測定した。
また、上記調製した実施例1〜5及び比較例1の各試料に20℃の温度条件下において一定の負荷を加えた後に、この負荷を取り除き、負荷により形成された窪みが負荷を全く加えていない状態にまで戻るまでの時間(点加圧戻り時間)を測定した。結果を表1に示す。
表1の結果の通り、本発明に係る抗菌性ポリウレタンフォームは、炭素粉を含有していないポリウレタンフォームと略同等の物性値を有することが分かる。
また、各実施例の試料は炭素粉及び無機質抗菌剤がポリウレタンフォーム中に分散されて保持されていた。
また、各実施例の試料は炭素粉及び無機質抗菌剤がポリウレタンフォーム中に分散されて保持されていた。
(試験例5;抗菌性試験)
まず、表4に示される組成に従い、実施例13、14及び比較例5、6の試料を調製した。尚、使用した原材料は、上述した試料の調製の際に使用したものと同様の原材料を使用した。また、実施例14については、銀粉末は木炭に担持させたものを使用した。
次に、上記調製した各試料を45mm×5mm×2mmの大きさに切断し、切断した各試料をそれぞれ滅菌シャーレに入れた。大腸菌数が約10個/mLとなるように調整した菌液をシャーレの中の試料に0.5mLずつ滴下した。シャーレに外部から菌体が混入しないようにフィルムでシャーレの外部を覆い、室温で保管した。
24時間経過後に菌液を採取して、培地に移し培養して、その検体の菌数を測定した。
まず、表4に示される組成に従い、実施例13、14及び比較例5、6の試料を調製した。尚、使用した原材料は、上述した試料の調製の際に使用したものと同様の原材料を使用した。また、実施例14については、銀粉末は木炭に担持させたものを使用した。
次に、上記調製した各試料を45mm×5mm×2mmの大きさに切断し、切断した各試料をそれぞれ滅菌シャーレに入れた。大腸菌数が約10個/mLとなるように調整した菌液をシャーレの中の試料に0.5mLずつ滴下した。シャーレに外部から菌体が混入しないようにフィルムでシャーレの外部を覆い、室温で保管した。
24時間経過後に菌液を採取して、培地に移し培養して、その検体の菌数を測定した。
培養した結果、比較例の試料では、試験開始前の菌数と24時間経過後の菌数は、殆ど変化がないか、若干の増加が確認されたのに対して、実施例の試料では、殆ど大腸菌は検出されなかった。従って、本発明に係る抗菌性ポリウレタンフォームは優れた抗菌活性を有することがわかる。
1 本発明に係る抗菌性ポリウレタンフォーム
2 ポリウレタンフォーム
3 炭素粉
4 無機質抗菌剤
2 ポリウレタンフォーム
3 炭素粉
4 無機質抗菌剤
Claims (7)
- ポリウレタンフォーム中に無機質抗菌剤及び炭素粉を含有していることを特徴とする抗菌性ポリウレタンフォーム。
- 前記無機質抗菌剤が銀及び/又は二酸化チタンであることを特徴とする請求項1に記載の抗菌性ポリウレタンフォーム。
- 前記ポリウレタンフォームが低反発性ポリウレタンフォームであることを特徴とする請求項1又は2に記載の抗菌性ポリウレタンフォーム。
- 前記低反発性ポリウレタンフォームが、
イソシアネート成分と、
平均官能基数が2〜4で、水酸基価が30〜60mgKOH/gのポリオールと、平均官能基数が2〜4で、水酸基価が200〜270mgKOH/gのポリオールとからなるポリオール成分と、
から形成されてなる低反発性ポリウレタンフォームであることを特徴とする請求項3に記載の低反発性ポリウレタンフォーム。 - 前記低反発性ポリウレタンフォームが、
イソシアネート成分と、
平均官能基数が2〜4で、水酸基価が80〜120mgKOH/gのポリオールと、平均官能基数が2〜4で、水酸基価が150〜210mgKOH/gのポリオールとからなるポリオール成分と、
から形成されてなる低反発性ポリウレタンフォームであることを特徴とする請求項3に記載の低反発性ポリウレタンフォーム。 - 前記炭素粉が多孔性の炭素粉であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の抗菌性ポリウレタンフォーム。
- 前記無機質抗菌剤が多孔性の炭素粉中に担持されていることを特徴とする請求項6に記載の抗菌性ポリウレタンフォーム。
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- 2003-12-26 JP JP2003432263A patent/JP2004256794A/ja active Pending
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