JP5262596B2 - アルコールインターロックシステム - Google Patents

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Description

本発明は、運転者の飲酒を検知すると車両が動かないようにするアルコールインターロックシステムに関する。
従来のアルコールインターロックシステムでは、運転者の呼気中のアルコール濃度をアルコール検出器により検出する。
現在、呼気中のアルコール濃度の検出方式としては半導体式、燃料電池式、赤外線式、化学物質利用式を含む各種検出方式がある。
これらいずれかのアルコール濃度の検出方式により運転者の呼気中のアルコール濃度が一定量検出されると、運転者は乗り込んでいる自動車のエンジンを始動することは出来ない。一方、運転者の呼気中のアルコール濃度が数値として全く検出されない場合、その自動車のエンジンは通常と同じように始動できる。
このような、アルコール検出器により運転者の呼気中のアルコール濃度を検出して酒気帯び運転や飲酒運転を防止するものとしては、呼気中の成分を検知するセンサ機構を乗り物に備えた乗員用の呼気検知装置が提案されている(特許文献1参照)。
すなわち、この呼気検知装置では、前記センサ機構に向けて呼気を吹き込むための呼気吹込み部をシートベルトのウエッピング部に配置し、また前記呼気吹込み部をシートベルトのタングに設けることにより、シートベルトのウエッピング部に配置する。
前記センサ機構はCO を検知するCO センサと、CO 以外の呼気中の成分を検知する呼気成分センサとを備える。
前記センサ機構からの情報を乗り物側の制御装置へ伝達する伝達手段を設け、乗員の呼気中のアルコール濃度を一定数値以上検出すると前記制御装置によりエンジンの始動が許可されないように構成されている。
特開2005−001572号公報
しかしながら、従来の呼気検知装置では、アルコール検出器において故障が発生した場合、通常、フェールセーフを前提としているためエンジンを始動することが出来ないようにシステム構成されているのが一般的である。
そのため、アルコール検出器において故障が発生すると、エンジンを始動することが出来ず、ディーラなどの修理工場へ車両を移動させようとしても自走することが出来ないことから、運搬車を呼ばなければならず利便性に欠けるという課題があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、呼気中のアルコール濃度の測定結果をもとにエンジンの始動の可否を決定する、アルコール検出器を含むアルコールインターロックに故障が発生したときの機能性を、安全性を確保した上でさらに向上できるアルコールインターロックシステムを提供することを目的とする。
上述の目的を達成するため、本発明にかかるアルコールインターロックシステムは、車両に設けられ呼気中のアルコール濃度を測定するアルコール検出器と、前記アルコール検出器を含む、前記呼気中のアルコール濃度の測定結果をもとにエンジンの始動の可否を決定するアルコールインターロックの故障について自己診断を行い、前記アルコール検出器を含むアルコールインターロックに故障が生じていると判定すると故障判定信号を出力し、前記アルコールインターロックの前記自己診断の結果、前記アルコール検出器を含むアルコールインターロックの故障が生じていないと判定すると、前記アルコール検出器による前記アルコール濃度の測定結果をもとに前記車両のエンジン始動の可否を制御する通常シーケンスを実行するアルコールインターロック故障検出部と、前記故障判定信号をもとに、前記アルコールインターロックに故障が生じているとき前記車両のエンジン始動および走行速度が制限された車両走行を許可するエンジンコントロールユニットと、を備え、前記アルコールインターロックは、前記アルコール検出器による呼気中のアルコール濃度の測定結果を無線通信により前記エンジンコントロールユニットへ送信し、前記エンジンコントロールユニットが前記呼気中のアルコール濃度の測定結果をもとにエンジンの始動の可否を決定し、アルコールインターロック故障検出部は、前記アルコールインターロックからの前記アルコール濃度の測定結果の認識不能状態を検出することを特徴とする。
本発明によれば、アルコール検出器を含むアルコールインターロック部に故障が発生しても、速度が制限された状態で車両の運転、移動が可能になるため、アルコール検出器を含むアルコールインターロックに故障が発生したときの機能性を、安全性を確保した上でさらに向上できる効果がある。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態であるアルコールインターロックシステムの構成を示すブロック図である。
このアルコールインターロックシステムは、アルコールインターロック部1と、アルコールインターロック故障検出部3と、自己診断部2と、表示部4とを備えている。
アルコールインターロック部1は、呼気中のアルコール濃度を測定するアルコール検出器と、前記アルコール検出器による呼気中のアルコール濃度の測定結果をもとにエンジンの始動を禁止する信号をエンジン制御部へ無線送信する送信部51および送信アンテナ52とを備えている。
アルコールインターロック故障検出部3は自己診断部2を有し、マイクロコンピュータにより構成され、前記アルコール検出器を含むアルコールインターロック部1の故障を検出し故障判定信号を出力する。
表示部4は、アルコールインターロック故障検出部3から出力された故障判定信号をもとに、前記アルコール検出器の故障についての判定結果やアルコールインターロック部1に発生した故障についての前記自己診断部2による診断結果および車両の状態を視覚的にランプ表示したり、聴覚的に音声出力する。
なお、表示部4に表示される車両の状態は、現在の車両がどのような状態で運転操作可能であるかを示す運転モードを指しており、“通常モード”と“故障モード”とがある。
“通常モード”は、現在の車両の運転モードが通常運転操作が可能な状態となっていることを示すモードである。
“故障モード”は、現在の車両の運転モードについて上限速度がたとえば十分な安全性を維持できる時速30Km程度に制限される状態となっていることを示すモードである。
エンジンコントロールユニット7は、速度制御部5と、エンジン制御部6と、前記送信部51から送信された前記エンジンの始動を禁止する信号を受信する受信部41および受信アンテナ42を備え、エンジン8や自動変速機/コントロールユニット9を制御する。
エンジンコントロールユニット7の速度制御部5は、アルコールインターロック故障検出部3から出力される前記故障判定信号をもとに、車両の速度を例えば時速15Kmから30Km程度に制限するためのエンジントルクやスロットル開度を制限する信号を含む制御信号をエンジン制御部6へ出力する。
あるいは、アルコールインターロック故障検出部3において故障が検出されないとき、前記インターロック制御装置における通常シーケンスの実行結果をもとに、アルコールインターロック機能に従ったエンジントルクやスロットル開度を制御する信号を含む制御信号をエンジン制御部6へ出力する。
エンジン制御部6は、速度制御部5から出力された前記制御信号をもとにエンジン8および自動変速機/コントロールユニット9を制御する。
このときエンジン8に対しては、スロットル開度、燃料噴射パルス、点火タイミングを含む各種制御パラメータがエンジン制御部6により制御される。
また、自動変速機/コントロールユニット9に対しては、アルコールインターロック故障検出部3から前記故障判定信号が出力された場合には車両の速度が時速15Kmから30Km程度に制限されるようにDレンジにおけるシフトアップのシーケンスが制御される。
図2は、図1に示すアルコールインターロック部1とアルコールインターロック故障検出部3の構成を示すブロック図である。
図2に示すようにアルコールインターロック部1はアルコール検出器11とセンサ回路12と送信部51と送信アンテナ52とを備えている。
アルコール検出器11は、半導体式、燃料電池式、赤外線式、化学物質利用式を含む各種検出方式のいずれかの方式により呼気中のアルコール濃度を測定する装置である。
この実施の形態では、アルコール検出器11はシートベルトバックルに組み込まれている構成とするが、運転座席近傍に配置されている構成を含む他の構成であってもよい。
また、電源は車両のバッテリから直接供給される構成、あるいは内蔵する電池により供給される構成いずれであってもよい。
また、アルコール検出器11において得られたアルコール濃度検出結果、アルコール検出器11と制御部31との間の各種データの送受信は、有線方式あるいは無線方式いずれであってもよい。
センサ回路12は、アルコール検出器11を制御し、アルコール検出器11によりアル
コール濃度検出を行う。
アルコールインターロック故障検出部3は、センサ回路用のインタフェース13、自己診断プログラム21や通常シーケンス実行プログラム22を格納したROM14、RAM15、表示用インタフェース16、エンジンコントロールユニット用のインタフェース17および制御部31などを含んで構成されている。
センサ回路用のインタフェース13は、アルコール検出器11により検出したアルコール濃度をデジタルデータに変換するADコンバータを含む。
ROM14は、アルコール検出器11やアルコールインターロック故障検出部3の自己診断を行うための自己診断プログラム21と、アルコールインターロック部1の動作を規定する通常シーケンス実行用のプログラムである通常シーケンス実行プログラム22が記憶されたメモリである。
自己診断プログラム21は、アルコール検出器11を含むアルコールインターロック部1の故障を自己診断するプログラムである。
通常シーケンス実行プログラム22は、このアルコールインターロックシステムにおいてアルコール検出器11を含むアルコールインターロック部1に故障が生じていないときのアルコールインターロック機能を規定するプログラムである。
RAM15は、ワークエリアを含むデータの一時記憶用のメモリである。
表示用インタフェース16は、表示部4にアルコール検出器11の故障についての判定結果、アルコールインターロック部1に発生した故障についての自己診断結果および“通常モード”または“故障モード”を含む車両の状態を表示するための各種データを、表示部4と制御部31との間で送受するための回路である。
エンジンコントロールユニット用のインタフェース17は、エンジンコントロールユニット7の速度制御部5やエンジン制御部6を制御する制御信号、アルコールインターロック故障検出部3が出力した故障判定信号を、エンジンコントロールユニット7と制御部31との間で送受するための回路である。
制御部31はマイクロコンピュータにより構成されており、アルコールインターロック部1、アルコールインターロック故障検出部3、表示部4およびエンジンコントロールユニット7を含む各部を制御する。
また、制御部31は、自己診断プログラム21や通常シーケンス実行プログラム22を実行し、自己診断プログラム21実行により故障が生じていないと判定すると通常シーケンス実行プログラム22を実行する。そして、アルコール検出器11のアルコール濃度測定結果をもとにエンジンコントロールユニット7の速度制御部5やエンジン制御部6を制御する制御信号を生成し出力し、一定のアルコール濃度が検出されたときにはアルコールインターロック機能によりエンジンを始動させない。
また、自己診断プログラム21の実行によりアルコール検出器11を含むアルコールインターロック部1が故障しているとの判定結果を得た場合には、アルコールインターロック故障検出部3から出力される故障判定信号をもとに、エンジンコントロールユニット7ではスロットル開度、燃料噴射パルス、点火タイミングを含むエンジン8の各種制御パラメータがエンジン制御部6により制御され、車両の速度が時速30Km程度に制限される。
制御部31と自己診断プログラム21とにより、図1に示すアルコールインターロック故障検出部3および自己診断部2が構成されている。
図1に示すアルコールインターロック故障検出部3は、自己診断部2により前記アルコール検出器を含むアルコールインターロック部1の故障の有無や故障個所を検出し、故障を検出したときには故障判定信号を出力する。
図2では、故障判定信号は、制御部31がインタフェース17を介してエンジンコントロールユニット7へ出力する。
制御部31と自己診断プログラム21とにより構成される自己診断部2は、アルコールインターロック部1の電源がたとえば電池であるときの電池切れや紛失、盗難による認識不能状態を含む故障も検出する。
次に動作について説明する。
図3は、このアルコールインターロックシステムにおける制御部31の動作を示すフローチャートである。
このアルコールインターロックシステムでは、先ず運転者が車両に乗り込み、運転座席に着座する。そして、運転キーをキーシリンダーに挿入した後、所定の角度、運転キーを回転させ、車両の電源オン操作を行う。
この結果、車両に搭載されているバッテリから車両の各種電気装置に対し電源が供給された状態となり、前記バッテリからの電源はアルコールインターロック部1やアルコールインターロック故障検出部3にも供給された状態となる。
この結果、制御部31はイニシャライズ実行後、先ず自己診断部2によるアルコールインターロック部1の自己診断を開始する(ステップS1)。
この自己診断では、アルコール検出器11やアルコールインターロック部1の各部の状態を診断し、故障しているか否かを判定する(ステップS2)。
この結果、アルコール検出器11やアルコールインターロック部1の各部の状態に故障個所がないと診断され、正常であると判定されると、ROM14に格納されている通常シーケンス実行プログラム22を読み出して実行し、通常のアルコールインターロック判定処理を実行する(ステップS5)。
このアルコールインターロック判定処理では、アルコールインターロック部1のアルコール検出器11により測定された運転者の呼気中のアルコール濃度測定値が、アルコールインターロック部1からエンジンコントロールユニット7のエンジン制御部6へ無線通信により送信される。
エンジン制御部6は、アルコール検出器11の示す呼気中のアルコール濃度測定値が問題のない範囲である場合に限りエンジンの始動を許可する。エンジンの始動が許可されると、キーシリンダーに挿入した運転キーをさらに回転させる操作、あるいは、電子キー(携帯機)のFOB−IDの認証がなされた状態でのプッシュキーの押圧操作(イグニッションノブの回転操作)などの従来公知のさまざまな人為的なエンジンの始動操作により、スタータが駆動されエンジンが始動する。
一方、ステップS2の故障判定処理において、アルコール検出器11を含むアルコールインターロック部1に故障個所、異常個所があると診断され、故障していると判定されると、アルコールインターロック故障検出部3は表示部4とエンジンコントロールユニット7へ故障判定信号を出力する(ステップS3)。
この結果、表示部4では故障判定結果が表示される。この表示部4による故障判定結果の表示は、例えばスピードメータ周囲近傍の視認しやすい個所へ表示する。
一方、故障判定信号が出力されたエンジンコントロールユニット7では、速度制限制御が実施される。
この速度制限制御では、速度制御部5が、車両の速度を例えば時速15Kmから30Km程度に制限するための制御信号をエンジン制御部6へ出力する。
この制御信号は、エンジントルクやスロットル開度を制限する信号を含む。
エンジン制御部6は、速度制御部5から出力された前記制御信号をもとにエンジン8および自動変速機/コントロールユニット9を制御し、エンジン8に対しては、スロットル開度、燃料噴射パルス、点火タイミングを含む各種制御パラメータを制御し、自動変速機/コントロールユニット9に対しては、車両の速度が時速15Kmから30Km程度に制限されるようにDレンジにおけるシフトアップのシーケンスを制御する。
以上、説明したように、この実施の形態によれば、アルコール検出器11を含むアルコールインターロック部1に故障が発生しても、速度が制限された状態で車両の運転、移動が可能になる。
このため、アルコール検出器11の電源が内蔵する電池から供給される構成である場合に、前記電池切れによりアルコール検出器11が全く機能しない状態になっても、あるいは故障によりアルコール検出器11が全く機能しない状態になっても運転速度を制限するという制限付きで車両を運転して移動させることが出来る。
従って、従来のようにアルコール検出器11が故障して車両を全く動かすことが出来ないという、アルコール検出器11という車両として本質的な機能ではない付属的な機能の故障が本来の車両の機能を無効にしてしまう不便な状況を、安全性を確保しつつ有効に回避できる効果がある。
また、故障が発生した状態と結果的には同等な、故意に破壊されてアルコール検出器11を含むアルコールインターロック部1が全く機能しない状態に陥った場合でも、運転速度を制限するという制限付きで車両を運転して移動させることが出来る。
このため、アルコール検出器11を含むアルコールインターロック部1が故意に破壊されるような状況に対しても安全性を確保することが出来る。
(第2の実施の形態)
次に、この発明の第2の実施の形態について説明する。
この実施の形態のアルコールインターロックシステムにおいても、前記第1の実施の形態において説明した図1、図2のブロック図が適用される。
この実施の形態のアルコールインターロックシステムでは、図1に示すアルコールインターロック故障検出部3へ高速道路のパーキングエリア(サービスエリア)にいるか否かを示すGPSによる高速道路における高速走行途中情報、および、ETCによる高速走行途中情報が供給される。
制御部31は、前記高速走行途中情報をもとに高速道路走行途中である、つまり現在位置が高速道路のパーキングエリア(サービスエリア)内であり停車していると判定すると、エンジンの始動は可能であるが走行することは出来ないように、エンジンコントロールユニット7を介してエンジン8、自動変速機/コントロールユニット9を制御する。
図4は、この実施の形態のアルコールインターロックシステムの制御部31の動作を示すフローチャートである。
なお、図4において図3と同一のステップについては同一の符号を付し説明を省略する。以下、このフローチャートに従って動作を説明する。
制御部31は、ステップS10において前記GPSおよびETCによる高速走行途中情報をもとに高速道路走行途中であるか否か、つまり現在位置が高速道路のパーキングエリア(サービスエリア)内であり停車しているか否か判定を行う。
この結果、高速道路走行途中、つまり現在位置が高速道路のパーキングエリア(サービスエリア)内で停車していると判定すると、エンジンの始動は可能であるが走行することは出来ないことを示す故障判定信号を表示部4とエンジンコントロールユニット7とへ出力し(ステップS3)、エンジンコントロールユニット7を制御してエンジンの始動は可能であるが走行することは出来ないように、エンジン7の始動のみを許可し(ステップS11)、走行を不許可とする(ステップS12)。
このため、制御部31は、エンジンコントロールユニット7を介してエンジン8、自動変速機/コントロールユニット9を制御し、たとえば自動変速機/コントロールユニット9に対しパーキング以外のシフトレバー位置を無効とするなどの制御を行う。
なお、ステップS10において高速走行途中ではないと判定したときには、前記第1の実施の形態と同一内容となり、ステップS21において故障判定信号を表示部4とエンジンコントロールユニット7へ出力し、続くステップS22においてエンジンコントロールユニット7によるエンジン始動を許可し、次のステップS4では速度を制限した状態での運転操作を許可する。
従って、高速走行途中ではない状態、つまり現在位置が高速道路のパーキングエリア(サービスエリア)内ではない一般道路を含むエリア内にある場合には、アルコール検出器11を含むアルコールインターロック部1に故障が発生するとエンジン始動と速度を制限した状態での運転操作が可能になる。
以上説明したように、この実施の形態によれば、高速道路走行途中、つまり現在位置が高速道路のパーキングエリア(サービスエリア)内で停車している状態にあるときには、アルコール検出器11を含むアルコールインターロック部1に故障が発生すると、エンジンの始動は可能であるが走行は全く出来ないようになる。
このためパーキングエリア内でアルコール検出器11を含むアルコールインターロック部1に故障が発生しても高速道路には出られないため、高速道路における安全性が確保できる効果がある。
また、アルコール検出器11を含むアルコールインターロック部1の電源が内蔵する電池により供給される構成であり、電池切れによりアルコール検出器1を含むアルコールインターロック部11が全く機能しない状態になっても、あるいは故障によりアルコール検出器11を含むアルコールインターロック部1が全く機能しない状態になってもエンジンの始動は可能であることから、厳冬期あるいは炎天下であっても、高速道路走行途中、つまり現在位置が高速道路のパーキングエリア(サービスエリア)内で停車しているときの車両室内の状況を快適な環境に維持でき、高速道路における車両室内環境の快適性を確保できる効果がある。
また、アルコール検出器を含むアルコールインターロック部1に故障が発生した状態と同等な、アルコール検出器11を含むアルコールインターロック部1が故意に破壊されて全く機能しない状態に陥っても、エンジンの始動は可能であるが走行は全く出来ないことから、高速道路における安全性が確保でき、さらに厳冬期あるいは炎天下であっても高速道路走行途中における車両室内の状況を快適な環境に維持でき、車両室内環境の快適性を確保できる効果がある。
本発明の第1の実施の形態であるアルコールインターロックシステムの構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施の形態であるアルコールインターロックシステムにおけるアルコールインターロック部の構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施の形態であるアルコールインターロックシステムの動作を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施の形態であるアルコールインターロックシステムの動作を示すフローチャートである。
符号の説明
1……アルコールインターロック部、2……自己診断部、3……アルコールインターロック故障検出部、7……エンジンコントロールユニット、11……アルコール検出器、41……受信部、42……受信アンテナ、51……送信部、52……送信アンテナ。

Claims (3)

  1. 車両に設けられ呼気中のアルコール濃度を測定するアルコール検出器と、
    前記アルコール検出器を含む、前記呼気中のアルコール濃度の測定結果をもとにエンジンの始動の可否を決定するアルコールインターロックの故障について自己診断を行い、前記アルコール検出器を含むアルコールインターロックに故障が生じていると判定すると故障判定信号を出力し、前記アルコールインターロックの前記自己診断の結果、前記アルコール検出器を含むアルコールインターロックの故障が生じていないと判定すると、前記アルコール検出器による前記アルコール濃度の測定結果をもとに前記車両のエンジン始動の可否を制御する通常シーケンスを実行するアルコールインターロック故障検出部と、
    前記故障判定信号をもとに、前記アルコールインターロックに故障が生じているとき前記車両のエンジン始動および走行速度が制限された車両走行を許可するエンジンコントロールユニットと、を備え、
    前記アルコールインターロックは、前記アルコール検出器による呼気中のアルコール濃度の測定結果を無線通信により前記エンジンコントロールユニットへ送信し、前記エンジンコントロールユニットが前記呼気中のアルコール濃度の測定結果をもとにエンジンの始動の可否を決定し、
    アルコールインターロック故障検出部は、前記アルコールインターロックからの前記アルコール濃度の測定結果の認識不能状態を検出することを特徴とするアルコールインターロックシステム。
  2. 高速道路のパーキングエリアにいるか否かを判定する高速道路走行途中判定部をさらに備え、
    前記エンジンコントロールユニットは、前記故障判定信号と、前記高速道路走行途中判定部における高速道路のパーキングエリアにいるか否かの判定結果とをもとに、前記アルコールインターロックに故障が生じており、高速道路のパーキングエリアにいるとき、前記車両のエンジンの始動を許可するとともに車両走行を不許可とすることを特徴とする請求項記載のアルコールインターロックシステム。
  3. 前記高速道路走行途中判定部は、高速道路のパーキングエリアにいるか否かをGPS情報およびETC情報をもとに判定する請求項記載のアルコールインターロックシステム。
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