JP2008250085A - 電子写真感光体塗布用分散液の製造方法及びその分散液を用いて形成した電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 - Google Patents

電子写真感光体塗布用分散液の製造方法及びその分散液を用いて形成した電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 Download PDF

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Abstract

【課題】有機顔料の分散安定性と塗布性に優れた電子写真感光体用塗布液の製造方法及びその分散液を用いて形成した電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供する。
【解決手段】動的光散乱法による測定値における体積平均粒径(D50)が0.50μm以上6.00μm以下のポリアミド樹脂粒子を含有したポリアミド樹脂液を有機顔料との分散に使用し、電子写真感光体塗布用分散液を製造する。並びに前記電子写真感光体塗布用分散液を用いて電子写真感光体を形成し、プロセスカートリッジ及び電子写真装置に使用する。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子写真感光体用塗布液の製造方法及びその分散液を用いて形成した電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置に関する。詳しくは、ポリアミド樹脂粒子を含有したポリアミド樹脂液と有機顔料を分散して得られる電子写真感光体塗布用分散液の製造方法に関する。また、該製造方法により得られた電子写真感光体塗布用分散液を用いて形成された電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置に関する。
アゾ顔料等の有機電子写真材料を用いる電子写真感光体は、従来のSe、CdS等の無機電子写真材料を用いる電子写真感光体に比べて無公害で製造が容易であり、構成材料の選択の多様性から機能設計の自由度が高いという利点を有する。このような有機電子写真材料を用いる電子写真感光体は、近年のレーザービームプリンターや複写機の急速な普及により広く市場で用いられるようになっている。
電子写真感光体は、基本的には帯電及び光を用いた露光により潜像を形成する感光層と、その感光層を設けるための支持部材としての支持体からなる。一般的に、支持体上に直接感光層を形成した場合、支持体表面の汚れ、形状や性状の不均一、粗さはそのまま感光層の成膜ムラとなって現れる。その結果得られる画像に白抜け、黒点、濃度ムラ等の画像欠陥が発生したり、支持体から感光層が剥離するという問題が生じる。
これまでに、支持体との密着性確保、感光層の電気的破壊の保護、感光層のキャリア注入性の改良等のために、支持体と感光層の間に下引き層を設けることが行われてきた。この下引き層は、上記のメリットを有する反面、支持体と感光層間の電荷移動を阻害する為、電荷が蓄積され易いというデメリットも併せ持つ。このため連続プリント時において電位変動が大きくなり画像不具合が発生する。例えば、上記下引き層を有する電子写真感光体を、現在プリンターや複写機で広く使用されている暗部電位部分を非現像部分とし明部電位部分を現像部分とする現像プロセス(いわゆる反転現像系)に使用した場合、次の問題が生じる。連続プリント時の明部電位の上昇により前プリント時に光が当たった所の感度が遅くなり、画像濃度変動が発生して、次プリント時に全面黒画像をとると、前プリント部分が白く浮き出る、いわゆるゴースト現象(ネガゴースト)が顕著に現れてしまうことがある。また、逆に明部電位や残留電位の低下により前プリント時に光が当たった所の感度が速くなり、次プリント時に全面白画像をとると、前プリント部分が黒く浮き出る、いわゆるゴースト現象(ポジゴースト)が顕著に現れてしまうことがある。
このような下引き層を設けた電子写真感光体を用いた場合の連続プリント時における残留電位の上昇や、初期電位の低下等による電位変動を更に抑制する様々な方法が提案されている。しかし、初期の感度が低下したり、帯電能が低下したり、弊害を生じる場合も多く、また高温高湿環境下又は低温低湿環境下などの特定環境下での耐久使用において完全に要求を満たしているとはいえないのが現状である(例えば、特許文献1−7参照)。
また最近、プリンター及び複写機の高画質カラー化が進む中で、電子写真感光体の品質に対する要求も厳しさが増しており、画像欠陥が無く、使用環境の変動や耐久的な使用においても電位変動等の特性の変化を起こさない電子写真感光体が望まれている。このような流れの中で、下引き層の更なる特性改善の為、有機顔料を下引き層に分散する様々な方法が提案されている。例えば、低い残留電位(特許文献8参照)、繰り返し使用時の残留電位の上昇抑制(特許文献9参照)、プリント1回転目のプロセスから帯電性安定(特許文献10参照)、連続プリント時の電位変動やゴーストを抑制(特許文献11−13参照)である。
しかし、これらの提案では顔料の分散液を用いている。このため、分散した顔料粒子の沈降による分散液の局所的な固形分変動や、分散した顔料粒子の凝集による粒径増加によって、電子写真感光体の膜厚が不均一になり塗布面や画像に濃度ムラや画像欠陥が増加したりするという潜在的な問題を抱えている。このような濃度ムラや画像欠陥は先に述べたプリンター及び複写機の高画質化において有機感光体の致命的な欠陥となりうる。また、分散した顔料粒子の沈降や凝集によって、分散液の塗料ライフが短くなる問題もあり、これらの問題を解決する為にも分散液の分散状態の更なる安定化が求められている。
特開昭62−269966号公報 特開昭62−279347号公報 特公平7−72806号公報 特公平02−059458号公報 特許第3010601号公報 特開平5−27469号公報 特開平7−175249号公報 特許第3384231号公報 特公平7−111586号公報 特許第3417145号公報 特許第3774673号公報 特開2003−316049号公報 WO2005/116777号公報
本発明は上記背景技術の問題に鑑みなされたものである。すなわち、有機顔料の分散安定性と有機感光体への塗布性に優れた電子写真感光体塗布用分散液の製造方法及びその分散液を用いて形成した連続プリント時における明部電位、残留電位の電位変動や画像欠陥の少ない電子写真感光体を提供することを課題とする。また、その電子写真感光体を用いたプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供することを課題とする。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、電子写真感光体塗布用分散液の製造に使用されるポリアミド樹脂液に着目した。すなわち、該電子写真感光体塗布用分散液の製造において、動的光散乱法による測定値における体積平均粒径(D50)が0.50μm以上6.00μm以下のポリアミド樹脂粒子を含有したポリアミド樹脂液を有機顔料との分散に使用する。このことにより、該電子写真感光体塗布用分散液の動的光散乱法による測定値における体積平均粒径(D50)及び遠心沈降法による測定値における平均粒径(メジアン径)を極めて小さくすることができ、長期にわたって分散安定性を維持できる事を見出した。また、該電子写真感光体塗布用分散液を用いて電子写真感光体を形成することで、連続プリント時における明部電位、残留電位の電位変動や画像欠陥の少ない電子写真感光体を提供できることを見出し、本発明を完成させた。また、その電子写真感光体を用いたプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供できることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は以下の通りである。
少なくともポリアミド樹脂液と有機顔料を分散して得られる電子写真感光体塗布用分散液の製造方法において、前記ポリアミド樹脂液が、動的光散乱法による測定値における体積平均粒径(D50)が0.50μm以上6.00μm以下のポリアミド樹脂粒子を含有したポリアミド樹脂液であることを特徴とする電子写真感光体塗布用分散液の製造方法。
本発明の電子写真感光体塗布用分散液の製造方法は、動的光散乱法による測定値における体積平均粒径(D50)が0.50μm以上6.00μm以下のポリアミド樹脂粒子を含有したポリアミド樹脂液を有機顔料との分散に使用する。このことで該電子写真感光体塗布用分散液の動的光散乱法による測定値における体積平均粒径(D50)及び遠心沈降法による測定値における平均粒径(メジアン径)を極めて小さくすることができ、長期にわたって分散安定性を維持できるという顕著な効果を奏する。また、本発明によれば、該電子写真感光体塗布用分散液を用いて電子写真感光体を形成することで、連続プリント時における明部電位、残留電位の電位変動や画像欠陥の少ない電子写真感光体を提供することができる。また、本発明によれば、その電子写真感光体を用いたプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供することができる。
以下に、本発明の形態を詳細に述べる。
本発明の電子写真感光体塗布用分散液の製造方法は、動的光散乱法による測定値における体積平均粒径(D50)が0.50μm以上6.00μm以下のポリアミド樹脂粒子を含有したポリアミド樹脂液と有機顔料を分散することで作製される方法である。
ポリアミド樹脂粒子を含有したポリアミド樹脂液は、動的光散乱法による測定値における体積平均粒径(D50)が0.50μm以上6.00μm以下のポリアミド樹脂粒子を含有したポリアミド樹脂液であることが好ましい。また、動的光散乱法による測定値における体積平均粒径(D50)が1.00μm以上5.00μm以下であることが更に好ましい。
動的光散乱法による測定値における体積平均粒径(D50)が0.50μm以上6.00μm以下のポリアミド樹脂粒子を含有したポリアミド樹脂液は、次の条件を組み合わせて製造する事ができる。
(1)ポリアミド樹脂の種類: 所望のポリアミド樹脂粒子を発生させる事ができればポリアミド樹脂の種類は特に限定されないが、ポリアミド樹脂の種類は溶剤への溶解性、ポリアミド樹脂粒子の生成のしやすさ及び材料の入手性を考慮して決定される。ポリアミド樹脂は、1種類または2種類以上のポリアミド樹脂を組み合わせて用いることもできる。ポリアミド樹脂の種類は、少なくともN−アルコキシアルキル化ナイロンが含まれることが好ましく、少なくともN−アルコキシアルキル化率が20%以上40%以下のN−アルコキシアルキル化ナイロンが含まれることが更に好ましい。また、少なくともN−メトキシメチル化率が20%以上40%以下のN−メトキシメチル化ナイロンが含まれることが特に好ましい。ポリアミド樹脂の1種であるN−アルコキシアルキル化ナイロンは、主鎖に複数の種類のナイロンを化学的に結合したものである共重合ナイロンと比較して、ナイロン主鎖の繰り返し単位が一定であることから結晶性に優れ、ポリアミド樹脂粒子が生成しやすい。また、N−アルコキシアルキル化ナイロンはN−アルコキシアルキル化率が20%より低いと溶剤への溶解性の低下及びポリアミド樹脂液の安定性が損なわれることがある。N−アルコキシアルキル化率が40%より高いと溶剤への溶解性が上がり、ポリアミド樹脂粒子の生成のしやすさが悪化することがある。
(2)ポリアミド樹脂液の保管温度: 所望のポリアミド樹脂粒子を発生させる事ができればポリアミド樹脂液の保管温度は特に限定されない。ただし、効率よく安定してポリアミド樹脂粒子を得る為には、10℃以下の温度で動的光散乱法による測定値における体積平均粒径(D50)が0.50μm未満のポリアミド樹脂液を冷却することが望ましい。また、動的光散乱法による測定値における体積平均粒径(D50)が0.50μm未満のポリアミド樹脂液は10℃以下の温度で密閉状態で静置保管することがより望ましい。またさらに、動的光散乱法による測定値における体積平均粒径(D50)が0.50μm以上6.00μm以下のポリアミド樹脂粒子を含有したポリアミド樹脂液は、20℃以上25℃以下の温度で密閉状態で静置保管することが望ましい。
(3)ポリアミド樹脂液の溶剤: 所望のポリアミド樹脂粒子を発生させる事ができれば溶剤の種類は特に限定されないが、好ましくはアルコール系溶剤である。また、溶剤はポリアミド樹脂の溶解性とポリアミド樹脂粒子の生成のしやすさを加味して、1種類又は2種類以上の溶剤を組み合わせても良い。前記アルコール系溶剤しては、アルコールが好ましく、炭素数が1以上6以下の直鎖または分岐鎖をもつアルコールがより好ましい。また、少なくともメタノール、エタノール、イソプロパノール、1−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール及びイソブタノールのいずれかを含有することが特に好ましい。
(4)ポリアミド樹脂液のポリアミド樹脂固形分: 所望のポリアミド樹脂粒子を発生させる事ができればポリアミド樹脂液のポリアミド樹脂固形分は特に限定されない。ポリアミド樹脂液の安定性を考慮すれば、ポリアミド樹脂液の固形分は好ましくは質量%で1%以上15%以下であり、更に好ましくは3%以上10%以下である。ポリアミド樹脂液の固形分が高すぎるとポリアミド樹脂液がゲル化することもあり、また、逆にポリアミド樹脂の固形分が低すぎるとポリアミド樹脂粒子が発生しないこともある。
動的光散乱法による測定値における体積平均粒径(D50)が0.50μm以上6.00μm以下のポリアミド樹脂粒子を含有したポリアミド樹脂液の調製は、以下の工程を含むことが好ましい。
A.ポリアミド樹脂を溶剤に加熱溶解させ、ポリアミド樹脂液を調製し;
B.次いで、ポリアミド樹脂液を濾過して得られる動的光散乱法による測定値における体積平均粒径(D50)が0.50μm未満のポリアミド樹脂液を調製し;
C.次いで、動的光散乱法による測定値における体積平均粒径(D50)が0.50μm未満のポリアミド樹脂液を10℃以下の温度で密閉状態で静置保管し、動的光散乱法による測定値における体積平均粒径(D50)が0.50μm以上6.00μm以下のポリアミド樹脂粒子を含有したポリアミド樹脂液を調製し;
D.動的光散乱法による測定値における体積平均粒径(D50)が0.50μm以上6.00μm以下のポリアミド樹脂粒子を含有したポリアミド樹脂液を20℃以上25℃以下の温度で密閉状態で静置保管する。
電子写真感光体塗布用分散液は、少なくとも上述の動的光散乱法による測定値における体積平均粒径(D50)が0.50μm以上6.00μm以下のポリアミド樹脂粒子を含有したポリアミド樹脂液及び有機顔料を分散して調製することができる。分散は、溶剤、有機顔料及び動的光散乱法による測定値における体積平均粒径(D50)が0.50μm以上6.00μm以下のポリアミド樹脂粒子を含有したポリアミド樹脂液を同時に分散してもよい。また、有機顔料だけをあらかじめ溶剤中で分散した後に、動的光散乱法による測定値における体積平均粒径(D50)が0.50μm以上6.00μm以下のポリアミド樹脂粒子を含有したポリアミド樹脂液を加えて分散してもよい。分散方法としては、既知の方法、例えばペイントシェーカー、ボールミル、サンドミル、超音波分散機、高圧ホモジナイザー等の分散装置を用いて分散する方法を用いることができる。
前記有機顔料は、モノアゾ、ビスアゾ、トリスアゾ及びテトラキスアゾ等のアゾ顔料、ガリウムフタロシアニン及びチタニルフタロシアニン等のフタロシアニン顔料、ペリレン系顔料等の従来有機電子写真感光体に用いられる公知のものを用いることができる。有機顔料の種類は、特に限定されない。また、有機顔料はこれらを1種類もしくは2種類以上を組み合わせて使用する事が出来る。
電子写真感光体塗布用分散液に含まれる、前記有機顔料と前記ポリアミド樹脂液中の樹脂の質量比は該分散液の液安定性と該分散液を用いて形成された電子写真感光体の連続プリント時における明部電位、残留電位の電位変動の抑制効果を考慮して決定される。好ましくは電子写真感光体塗布用分散液に含まれる、前記有機顔料と前記ポリアミド樹脂液中の樹脂の質量比が2/1以下1/1000以上である。更に好ましくは電子写真感光体塗布用分散液に含まれる、前記有機顔料と前記ポリアミド樹脂液中の樹脂の質量比が1/2以下1/100以上である。電子写真感光体塗布用分散液に含まれる、前記有機顔料と前記ポリアミド樹脂液中の樹脂の質量比が2/1よりも高い場合、顔料の分散性が悪化して電子写真感光体塗布用分散液の液安定性が劣ることがある。また、電子写真感光体塗布用分散液に含まれる、前記有機顔料と前記ポリアミド樹脂液中の樹脂の質量比が1/1000よりも低いと電子写真感光体での連続プリント時における残留電位の上昇や初期電位の低下等による電位変動の抑制効果が劣ることもある。
電子写真感光体塗布用分散液の固形分は電子写真感光体塗布用分散液の安定性、塗工性を考慮して決定され、好ましくは質量%で1%以上15%以下であり、更に好ましくは3%以上10%以下である。電子写真感光体塗布用分散液の固形分が15%より高いと電子写真感光体塗布用分散液がゲル化したり、分散性が悪くなり電子写真感光体塗布用分散液の液安定性が低下したりすることがある。また、電子写真感光体塗布用分散液の固形分が1%より低いと電子写真感光体塗布用分散液を用いた電子写真感光体の塗布ムラ、膜ダレなどによる画像濃度ムラや画像欠陥が発生することもある。
上記ポリアミド樹脂液及び上記電子写真感光体塗布用分散液の動的光散乱法による測定値における体積平均粒径(D50)は、次の機器を用いて測定されたものである。動的光散乱法を測定原理とする「MICROTRAC PARTICLE−SIZE ANALYZER 9340 UPA」(Leeds&Northrup社製)。測定条件は次の通りである。なお、ポリアミド樹脂液の体積平均粒径(D50)は、分散に使用するポリアミド樹脂液を希釈せずに原液のままで測定した。また、電子写真感光体塗布用分散液はLoading Index値が0.08以上0.12以下になるようにメタノールで希釈し測定した。
(マイクロトラックUPA測定条件)
演算用及び制御用プログラムバージョン : 4.53E
Mode : FullRange
Transparent Particles : Yes
Spherical Particles : No
Particle Refractive Index : 1.51
Particle Density : 1.20g/cc
Fluid : Methanol
Fluid Refractive Index : 1.33
Fluid High Temp : 25.0℃ Viscosity 0.547mPa・s
Fluid Low Temp : 20.0℃ Viscosity 0.597mPa・s
Run Time : 180sec
また、本発明の製造方法により得られた電子写真感光体塗布用分散液を用いて形成された電子写真感光体は、導電性支持体上に少なくとも下引き層と感光層が積層して形成される。前記感光層は、電荷輸送材料と電荷発生材料を同一の層に含有する単層型感光層(図1(a))であっても、電荷発生材料を含有する電荷発生層と電荷輸送材料を含有する電荷輸送層とに分離した積層型(機能分離型)感光層(図1(b))であってもよい。電子写真特性の観点からは積層型感光層が好ましい。なお、図1(a)および(b)中、101は支持体、102は下引き層、103は感光層、104は電荷発生層、105は電荷輸送層を示す。以下では、積層型(機能分離型)感光層を含有する電子写真感光体について詳細に述べる。
導電性支持体は導電性を有するものであればよく、アルミニウム、ステンレス及びニッケル等の金属、又は導電層を設けた金属、プラスチック及び紙等が挙げられ、形状としては円筒状及びフィルム状等が挙げられる。特に円筒状のアルミニウムが機械強度、電子写真特性及びコストの点で優れている。これらの導電性支持体は素管のまま用いても良いが、切削及びホーニング等の物理処理、陽極酸化処理又は酸等を用いた化学処理を施した物を用いてよい。その中でも切削又はホーニング等の物理処理を行うことにより、表面粗さをRz値で0.1μm以上3.0μm以下に処理することで、干渉縞防止機能を持たせることができる。
導電性支持体と下引き層との間に干渉縞防止層(図1中不図示)を設けることもできる。干渉縞防止層は、支持体自身に干渉縞防止機能を持たせた場合は必要ないが、導電性支持体を素管のまま用い、これに塗工により干渉縞防止層を形成することにより、簡便な方法により導電性支持体に干渉縞防止機能を付与できる。このため、生産性、コストの面から非常に有用である。干渉縞防止層を形成する好ましい方法としては、酸化スズ、酸化インジウム、酸化チタン、硫酸バリウム等の無機粒子をフェノール樹脂等の硬化性樹脂と共に適当な溶剤に分散して塗布液を作製し、導電性支持体に塗工、乾燥する方法が挙げられる。干渉縞防止層の膜厚は1μm以上20μm以下であることが好ましい。
支持体上もしくは干渉縞防止層の上には、支持体との密着性確保、感光層の電気的破壊の保護、感光層のキャリア注入性の改良等のために下引き層が必要である。
下引き層は、有機顔料とポリアミド樹脂からなる前記電子写真感光体塗布用分散液を導電性支持体もしくは干渉縞防止層上に塗工することにより形成され、その膜厚は好ましくは0.01μm以上30μm以下である。さらに好ましくは0.1μm以上20μm以下である。有機顔料を下引き層に含有させることにより、連続プリント時における明部電位、残留電位の電位変動を抑制することができる。
電荷発生材料としては、モノアゾ、ビスアゾ、トリスアゾ及びテトラキスアゾ等のアゾ顔料、ガリウムフタロシアニン及びチタニルフタロシアニン等のフタロシアニン顔料、ペリレン系顔料等を用いることができる。好ましくは環境変動による特性安定性の観点から、ガリウムフタロシアニン顔料である。更に好ましくは、高感度、光メモリー特性の観点から、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ=7.4°±0.3°及び2θ=28.2°±0.3°の位置に強いピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶である。
電荷発生層の塗工液は、前述の電荷発生材料を適当な溶剤を溶媒として上述の既知の分散方法にて調製される。適当な溶剤としては、例えばテトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、メタノール、メチルセルソルブ、アセトン、ジオキサンおよびN,N−ジメチルホルムアミドが挙げられる。この時に結着剤として高分子物質を一緒に加えても良いし、顔料と溶媒だけであらかじめ分散した後、結着剤を加えても良い。
結着剤としては広範な絶縁性樹脂から選択でき、またポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセンやポリビニルポレンなどの有機光導電性ポリマーからも選択できる。好ましくは、ポリビニルブチラール、ポリアリレート(ビスフェノールAとフタル酸の縮重合体など)、ポリカーボネート、ポリエステル、フェノキシ樹脂、ポリ酢酸ビニル、アクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂などの絶縁性樹脂を挙げることができる。また、ポリアミド、ポリビニルピリジン、セルロース系樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどの絶縁性樹脂を挙げることができる。
また、電荷発生層は上記の様な物質を含有する分散液を下引き層上に塗布することによって形成され、その膜厚は5μm以下が好ましく、特には0.05μm以上1μm以下が好ましい。
電荷輸送層は主として電荷輸送材料と結着剤とを溶剤中に溶解させた塗料を塗工乾燥して形成する。
用いられる電荷輸送材料としては各種のトリアリールアミン系化合物、ヒドラゾン系化合物、スチルベン系化合物、ピラゾリン系化合物、オキサゾール系化合物、チアゾール系化合物、トリアリルメタン系化合物などが挙げられる。電荷輸送材料と溶媒だけであらかじめ分散溶解した後、結着剤を加えても良い。また、結着剤としては上述したものを用いることができる。
電荷輸送層の膜厚は好ましくは5μm以上40μm以下であり、更に好ましくは10μm以上30μm以下である。
電荷輸送層が単一層の場合も上述したような物質を用いて同様に形成することができ、その膜厚は5μm以上40μm以下が好ましく、特には10μm以上30μm以下が好ましい。
また、本発明においては電荷輸送層上には耐久性、転写性及びクリーニング性の向上を目的として、保護層を設けてもよい。
保護層は、樹脂を有機溶剤によって溶解して得られる保護層用塗布液を塗布し、乾燥することによって形成することができる。樹脂としてはポリビニルブチラール、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリアリレート、ポリウレタンなどが挙げられる。また、スチレン−ブタジエンコポリマー、スチレン−アクリル酸コポリマーおよびスチレン−アクリロニトリルコポリマーなどが挙げられる。
また、保護層に電荷輸送能を併せ持たせるために、電荷輸送能を有するモノマー材料や高分子型の電荷輸送材料を種々の架橋反応を用いて硬化させることによって保護層を形成してもよい。硬化させる反応としては、ラジカル重合、イオン重合、熱重合、光重合、放射線重合(電子線重合)、プラズマCVD法、光CVD法などが挙げられる。
さらに、保護層中に導電性粒子や紫外線吸収剤、及び耐摩耗性改良剤などを含ませてもよい。導電性粒子としては、例えば、酸化錫粒子などの金属酸化物が好ましい。耐摩耗性改良剤としてはフッ素系樹脂微粉末、アルミナ、シリカなどが好ましい。
保護層の膜厚は0.5μm以上20μm以下であることが好ましく、特には1μm以上10μm以下であることが好ましい。
これら各種層の塗布方法としては、ディッピング法、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ビードコーティング法、ブレードコーティング法およびビームコーティング法などを用いることができる。
図2に本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成を示す。
図2において、1はドラム状の本発明の電子写真感光体であり、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度(プロセススピード)をもって回転駆動される。電子写真感光体1は、回転過程において、一次帯電手段3によりその周面に正又は負の所定電位の均一帯電を受ける。次いで、スリット露光やレーザービーム走査露光等のイメージ露光手段(不図示)から出力される目的の画像情報の時系列電気デジタル画像信号に対応して強度変調された露光光4を受ける。こうして電子写真感光体1の周面に対し、目的の画像情報に対応した静電潜像が順次形成されていく。
形成された静電潜像は、次いで現像手段5内の荷電粒子(トナー)で正規現像又は反転現像により可転写粒子像(トナー像)として顕画化される。次いで不図示の給紙部から電子写真感光体1と転写手段6との間に電子写真感光体1の回転と同期して取り出されて給送された転写材7に、電子写真感光体1の表面に形成担持されているトナー像が転写手段6により順次転写されていく。この時、転写手段にはバイアス電源(不図示)からトナーの保有電荷とは逆極性のバイアス電圧が印加される。
トナー画像の転写を受けた転写材7は、電子写真感光体面から分離されて像定着手段8へ搬送されてトナー像の定着処理を受けることにより画像形成物(プリント、コピー)として装置外へプリントアウトされる。
トナー像転写後の電子写真感光体1の表面は、クリーニング手段9によって転写残りトナー等の付着物の除去を受けて清浄面化される。近年、クリーナレスシステムも研究され、転写残りトナーを直接、現像器等で回収することもできる。更に、前露光手段(不図示)からの前露光光10により除電処理された後、繰り返し画像形成に使用される。なお、一次帯電手段3が帯電ローラー等を用いた接触帯電手段である場合は、前露光は必ずしも必要ではない。
本発明においては、上述の電子写真感光体1、一次帯電手段3、現像手段5及びクリーニング手段9等の構成要素のうち、複数のものを容器に納めてプロセスカートリッジとして一体に結合して構成してもよい。また、このプロセスカートリッジを複写機やレーザービームプリンター等の電子写真装置本体に対して着脱自在に構成してもよい。例えば、一次帯電手段3、現像手段5及びクリーニング手段9の少なくとも1つを電子写真感光体1と共に一体に支持してカートリッジ化して、装置本体のレール等の案内手段12を用いて装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジ11とすることができる。
また、電子写真装置が複写機やプリンターである場合には、原稿からの反射光や透過光、あるいは、センサーで原稿を読取り、信号化する。露光光4は、この信号に従って行われるレーザービームの走査、LEDアレイの駆動又は液晶シャッターアレイの駆動等により照射される光である。
本発明の電子写真感光体塗布用分散液を用いて得られた電子写真感光体は、電子写真複写機に利用する。その他に、レーザービームプリンター、CRTプリンター、LEDプリンター、FAX、液晶プリンター及びレーザー製版等の電子写真応用分野にも幅広く適用し得るものである。
以下に、具体的な実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。ただし、本発明の実施の形態は、これらにのみ限定されるものではない。なお、実施例中の「%」及び「部」は、それぞれ「質量%」及び「質量部」を意味する。
ポリアミド樹脂液の粘度は単一円筒回転粘度計 ビスメトロン回転粘度計VS−A1型(芝浦システム社製)を用いて、以下の条件で測定した。
(ビスメトロン回転粘度計測定条件)
測定温度 25℃
ローター 低粘度
回転数 6rpm
測定タイマー 30秒
ポリアミド樹脂液及び電子写真感光体塗布用分散液の動的光散乱法による測定値における体積平均粒径(D50)は、次の機器を用いて測定されたものである。動的光散乱法を測定原理とする「MICROTRAC PARTICLE−SIZE ANALYZER 9340 UPA」(Leeds&Northrup社製)。測定条件は次の通りである。なお、ポリアミド樹脂液の体積平均粒径(D50)は、分散に使用するポリアミド樹脂液を希釈せずに原液のままで測定した。また、電子写真感光体塗布用分散液はLoading Index値が0.08以上0.12以下になるようにメタノールで希釈し測定した。
(マイクロトラックUPA測定条件)
演算用及び制御用プログラムバージョン : 4.53E
Mode : FullRange
Transparent Particles : Yes
Spherical Particles : No
Particle Refractive Index : 1.51
Particle Density : 1.20g/cc
Fluid : Methanol
Fluid Refractive Index : 1.33
Fluid High Temp : 25.0℃ Viscosity 0.547mPa・s
Fluid Low Temp : 20.0℃ Viscosity 0.597mPa・s
Run Time : 180sec
また、電子写真感光体塗布用分散液の平均粒径(メジアン径)は遠心沈降式粒度分布測定装置 CAPA−700(堀場製作所製)を用いて、以下の条件で測定した。
(CAPA−700測定条件)
溶媒 エタノール
DISP.VISC. 1.20mPa・s
DISP.DENS. 0.79g/cc
SAMP.DENS. 1.20g/cc
D(MAX) 1.00μm
D(MIN) 0.10μm
D(DIV) 0.05μm
SPEED 7000rpm
まず、本発明の電子写真感光体塗布用分散液の製造に必要な動的光散乱法による測定値における体積平均粒径(D50)が0.50μm以上6.00μm以下のポリアミド樹脂粒子を含有したポリアミド樹脂液の調製法について述べる。
〈調製例1〉
ナイロン6−66−610−12四元ナイロン共重合体樹脂(商品名:CM8000、東レ社製) 4.3部
N−メトキシメチル化6ナイロン樹脂(商品名:トレジンEF−30T、ナガセケムテックス社製、メトキシメチル化率:34.84%) 12.9部
メタノール 180部
ブタノール 90部
上記構成で、メタノールとブタノールの混合溶媒にナイロン6−66−610−12四元ナイロン共重合体樹脂とN−メトキシメチル化6ナイロン樹脂を50℃で加熱溶解した。次いでメンブランフィルター(FP−022、孔径0.22μm、住友電気工業社製)で濾過した溶液を密閉容器中で0℃、3日間の環境で静置保管し、ポリアミド樹脂液1−1Aを調製した。
前述したマイクロトラックUPA粒度分布測定器を用い、前記ポリアミド樹脂液1−1Aの体積平均粒径(D50)を測定し、前述したビスメトロン回転粘度計を用い、粘度を測定した。
前記ポリアミド樹脂液1−1A 5mlをポアサイズ0.45μのディスクフィルター(マイショリディスクH−25−5、東ソー社製)を用いて濾過が可能であるか評価した。評価結果は、前記ポリアミド樹脂液1−1A 5mlを前記ディスクフィルターで濾過しきれるものを「可能」、前記ポリアミド樹脂液1−1A 5mlを前記ディスクフィルターで濾過しきれないものを「不可能」とした。また、前記ポリアミド樹脂液1−1Aの液色を目視により確認した。評価結果は、ポリアミド樹脂液の液色が無色透明なものを「透明」、ポリアミド樹脂液の液色がやや白色を帯びているものを「薄く白色」、ポリアミド樹脂液の液色が白濁しているものを「白色」とした。結果を表1に示す。
〈調製例2〉
調製例1において保管環境を0℃、3日間から0℃、7日間に代えた以外は、調製例1と同様の方法を用いてポリアミド樹脂液1−2Aを調製し、調製例1と同様に測定、評価を行った。結果を表1に示す。
〈調製例3〉
調製例1において保管環境を0℃、3日間から5℃、4日間に代えた以外は、調製例1と同様の方法を用いてポリアミド樹脂液1−3Aを調製し、調製例1と同様に測定、評価を行った。結果を表1に示す。
〈調製例4〉
調製例1において保管環境を0℃、3日間から5℃、6日間に代えた以外は、調製例1と同様の方法を用いてポリアミド樹脂液1−4Aを調製し、調製例1と同様に測定、評価を行った。結果を表1に示す。
〈調製例5〉
調製例1において保管環境を0℃、3日間から5℃、11日間に代えた以外は、調製例1と同様の方法を用いてポリアミド樹脂液1−5Aを調製し、調製例1と同様に測定、評価を行った。結果を表1に示す。
〈調製例6〉
ナイロン6−66−610−12四元ナイロン共重合体樹脂(商品名:CM8000、東レ社製) 0.7部
N−メトキシメチル化6ナイロン樹脂(商品名:トレジンEF−30T、ナガセケムテックス社製、メトキシメチル化率:32.45%) 2.0部
メタノール 30部
ブタノール 240部
上記構成で、メタノールとブタノールの混合溶媒にナイロン6−66−610−12四元ナイロン共重合体樹脂とN−メトキシメチル化6ナイロン樹脂を50℃で加熱溶解した。次いでメンブランフィルター(FP−022、孔径0.22μm、住友電気工業社製)で濾過した溶液を密閉容器中で0℃、15日間の環境で静置保管し、ポリアミド樹脂液1−6Aを調製した。調製例1と同様に測定、評価を行った。結果を表1に示す。
〈調製例7〉
ナイロン6−66−610−12四元ナイロン共重合体樹脂(商品名:CM8000、東レ社製) 2.1部
N−メトキシメチル化6ナイロン樹脂(商品名:トレジンEF−30T、ナガセケムテックス社製、メトキシメチル化率:36.04%) 6.3部
メタノール 90部
ブタノール 180部
上記構成で、メタノールとブタノールの混合溶媒にナイロン6−66−610−12四元ナイロン共重合体樹脂とN−メトキシメチル化6ナイロン樹脂を50℃で加熱溶解した。次いでメンブランフィルター(FP−022、孔径0.22μm、住友電気工業社製)で濾過した溶液を密閉容器中で0℃、7日間の環境で静置保管し、ポリアミド樹脂液1−7Aを調製した。調製例1と同様に測定、評価を行った。結果を表1に示す。
〈調製例8〉
ナイロン6−66−610−12四元ナイロン共重合体樹脂(商品名:CM8000、東レ社製) 6.7部
N−メトキシメチル化6ナイロン樹脂(商品名:トレジンEF−30T、ナガセケムテックス社製、メトキシメチル化率:37.20%) 20.0部
メタノール 216部
ブタノール 54部
上記構成で、メタノールとブタノールの混合溶媒にナイロン6−66−610−12四元ナイロン共重合体樹脂とN−メトキシメチル化6ナイロン樹脂を50℃で加熱溶解した。次いでメンブランフィルター(FP−022、孔径0.22μm、住友電気工業社製)濾過した溶液を密閉容器中で5℃、7日間の環境で静置保管し、ポリアミド樹脂液1−8Aを調製した。調製例1と同様に測定、評価を行った。結果を表1に示す。
〈調製例9〉
ナイロン6−66−610−12四元ナイロン共重合体樹脂(商品名:CM8000、東レ社製) 11.9部
N−メトキシメチル化6ナイロン樹脂(商品名:トレジンEF−30T、ナガセケムテックス社製、メトキシメチル化率:37.97%) 35.7部
メタノール 270部
上記構成で、メタノールにナイロン6−66−610−12四元ナイロン共重合体樹脂とN−メトキシメチル化6ナイロン樹脂を50℃で加熱溶解した。次いでメンブランフィルター(FP−022、孔径0.22μm、住友電気工業社製)で濾過した溶液を密閉容器中で5℃、5日間の環境で静置保管し、ポリアミド樹脂液1−9Aを調製した。調製例1と同様に測定、評価を行った。結果を表1に示す。
〈調製例10〉
調製例1において保管環境を0℃、3日間から25℃、1日間に代えた以外は、調製例1と同様の方法を用いてポリアミド樹脂液2−1Aを調製し、調製例1と同様に測定、評価を行った。結果を表1に示す。
〈調製例11〉
調製例1において保管環境を0℃、3日間から25℃、30日間に代えた以外は、調製例1と同様の方法を用いてポリアミド樹脂液2−2Aを調製し、調製例1と同様に測定、評価を行った。結果を表1に示す。
〈調製例12〉
調製例7において保管環境を0℃、7日間から25℃、30日間に代えた以外は、調製例7と同様の方法を用いてポリアミド樹脂液2−3Aを調製し、調製例1と同様に測定、評価を行った。結果を表1に示す。
〈調製例13〉
調製例8において保管環境を5℃、7日間から25℃、30日間に代えた以外は、調製例8と同様の方法を用いてポリアミド樹脂液2−4Aを調製し、調製例1と同様に測定、評価を行った。結果を表1に示す。
〈調製例14〉
ナイロン6−66−610−12四元ナイロン共重合体樹脂(商品名:CM8000、東レ社製) 4.3部
N−メトキシメチル化6ナイロン樹脂(商品名:トレジンEF−30T、ナガセケムテックス社製、メトキシメチル化率:34.84%) 12.9部
メタノール 180部
トルエン 90部
上記構成で、メタノールとトルエンの混合溶媒にナイロン6−66−610−12四元ナイロン共重合体樹脂とN−メトキシメチル化6ナイロン樹脂を50℃で加熱溶解した。次いでメンブランフィルター(FP−022、孔径0.22μm、住友電気工業社製)で濾過した溶液を密閉容器中で0℃、7日間の環境で静置保管し、ポリアミド樹脂液2−5Aを調製した。調製例1と同様に測定、評価を行った。結果を表1に示す。
表1から明らかなように、調製例1−9のポリアミド樹脂液はマイクロトラックUPAの体積平均粒径(D50)が0.57μm以上であり、調製例10−14のポリアミド樹脂液はマイクロトラックUPAの体積平均粒径(D50)は0.01μmであった。
なお、調製例10−14のポリアミド樹脂液は、(1)マイクロトラックUPAの体積平均粒径(D50)がメタノール、ブタノール溶剤単体のマイクロトラックUPAの体積平均粒径(D50)である0.01μmと同等である。(2)ディスクフィルター濾過が可能である。このことから、動的光散乱法による測定値における体積平均粒径(D50)が0.50μm未満のポリアミド樹脂液である。
また、調製例1−9のポリアミド樹脂液は、(1)マイクロトラックUPAの体積平均粒径(D50)が調製例10−14のポリアミド樹脂液及びメタノール、ブタノール溶剤単体のマイクロトラックUPAの体積平均粒径(D50)より大きい値である。(2)ディスクフィルター濾過が不可能である。このことから、動的光散乱法による測定値における体積平均粒径(D50)が0.50μm以上6.00μm以下のポリアミド樹脂粒子を含有したポリアミド樹脂液である。
次に、前述で調製したポリアミド樹脂液を用いた電子写真感光体塗布用分散液の調製について述べる。
〈実施例1〉
前記ポリアミド樹脂液1−1A 4.6部
φ1.0ガラスビーズ 11部
下記式(1)ビスアゾ顔料 0.028部
上記構成で、ペイントシェーカーを用い4時間分散し、ビスアゾ顔料とポリアミド樹脂の質量比が1:10である電子写真感光体塗布用分散液1−1Bを得た。
マイクロトラックUPA粒度分布測定器を用い、前記電子写真感光体塗布用分散液1−1Bの体積平均粒径(D50)を測定した。また、遠心沈降式粒度分布測定装置 CAPA−700(堀場製作所製)を用いて、前記電子写真感光体塗布用分散液1−1Bの平均粒径(メジアン径)を測定した。
前記電子写真感光体塗布用分散液1−1Bを調製後、有栓メスシリンダー(容量10ml)に液面高さが50mmになる量を入れ、1ヵ月静置後、3ヵ月静置後の前記電子写真感光体塗布用分散液1−1Bの液安定性を目視評価した。評価結果はビスアゾ顔料の分離が全く認められないものを「沈降なし」、液面高さから1mm程度の位置でビスアゾ顔料とポリアミド樹脂液の分離が認められるものを「僅かに沈降」とした。また、液面高さから10mmより低い位置でビスアゾ顔料とポリアミド樹脂液の分離が認められるものを「完全に沈降」とした。結果を表2に示す。
〈実施例2〉
実施例1において前記ポリアミド樹脂液1−1Aから前記ポリアミド樹脂液1−2Aに代えた以外は、実施例1と同様の方法を用いて電子写真感光体塗布用分散液1−2Bを調製し、実施例1と同様に測定、評価を行った。結果を表2に示す。
〈実施例3〉
実施例1において前記ポリアミド樹脂液1−1Aから前記ポリアミド樹脂液1−3Aに代えた以外は、実施例1と同様の方法を用いて電子写真感光体塗布用分散液1−3Bを調製し、実施例1と同様に測定、評価を行った。結果を表2に示す。
〈実施例4〉
実施例1において前記ポリアミド樹脂液1−1Aから前記ポリアミド樹脂液1−4Aに代えた以外は、実施例1と同様の方法を用いて電子写真感光体塗布用分散液1−4Bを調製し、実施例1と同様に測定、評価を行った。結果を表2に示す。
〈実施例5〉
実施例1において前記ポリアミド樹脂液1−1Aから前記ポリアミド樹脂液1−5Aに代えた以外は、実施例1と同様の方法を用いて電子写真感光体塗布用分散液1−5Bを調製し、実施例1と同様に測定、評価を行った。結果を表2に示す。
〈実施例6〉
前記ポリアミド樹脂液1−6A 4.6部
φ1.0ガラスビーズ 11部
前記式(1)ビスアゾ顔料 0.0046部
上記構成で、ペイントシェーカーを用い4時間分散し、ビスアゾ顔料とポリアミド樹脂の質量比が1:10である電子写真感光体塗布用分散液1−6Bを得た。実施例1と同様に測定、評価を行った。結果を表2に示す。
〈実施例7〉
前記ポリアミド樹脂液1−7A 4.6部
φ1.0ガラスビーズ 11部
前記式(1)ビスアゾ顔料 0.014部
上記構成で、ペイントシェーカーを用い4時間分散し、ビスアゾ顔料とポリアミド樹脂の質量比が1:10である電子写真感光体塗布用分散液1−7Bを得た。実施例1と同様に測定、評価を行った。結果を表2に示す。
〈実施例8〉
前記ポリアミド樹脂液1−8A 4.6部
φ1.0ガラスビーズ 11部
前記式(1)ビスアゾ顔料 0.041部
上記構成で、ペイントシェーカーを用い4時間分散し、ビスアゾ顔料とポリアミド樹脂の質量比が1:10である電子写真感光体塗布用分散液1−8Bを得た。実施例1と同様に測定、評価を行った。結果を表2に示す。
〈実施例9〉
前記ポリアミド樹脂液1−9A 4.6部
φ1.0ガラスビーズ 11部
前記式(1)ビスアゾ顔料 0.069部
上記構成で、ペイントシェーカーを用い4時間分散し、ビスアゾ顔料とポリアミド樹脂の質量比が1:10である電子写真感光体塗布用分散液1−9Bを得た。実施例1と同様に測定、評価を行った。結果を表2に示す。
〈実施例10〉
800mlスケールバッチ式縦型サンドミル装置を用い、ベッセルにポリアミド樹脂液1−2A 210部、直径1mmのガラスビーズ40部を投入した後、前記式(1)ビスアゾ顔料1.3部、直径1mmのガラスビーズ466部を投入した。次いでディスク回転数1400rpmで4時間分散し、ビスアゾ顔料とポリアミド樹脂の質量比が1:10である電子写真感光体塗布用分散液1−10Bを得た。分散時の液温は25℃であった。実施例1と同様に測定、評価を行った。結果を表2に示す。
〈比較例1〉
実施例1において前記ポリアミド樹脂液1−1Aから前記ポリアミド樹脂液2−1Aに代えた以外は、実施例1と同様の方法を用いて電子写真感光体塗布用分散液2−1Bを調製し、実施例1と同様に測定、評価を行った。評価結果を表2に示す。
〈比較例2〉
実施例1において前記ポリアミド樹脂液1−1Aから前記ポリアミド樹脂液2−2Aに代えた以外は、実施例1と同様の方法を用いて電子写真感光体塗布用分散液2−2Bを調製し、実施例1と同様に測定、評価を行った。評価結果を表2に示す。
〈比較例3〉
実施例7において前記ポリアミド樹脂液1−7Aから前記ポリアミド樹脂液2−3Aに代えた以外は、実施例7と同様の方法を用いて電子写真感光体塗布用分散液2−3Bを調製し、実施例1と同様に測定、評価を行った。評価結果を表2に示す。
〈比較例4〉
実施例8において前記ポリアミド樹脂液1−8Aから前記ポリアミド樹脂液2−4Aに代えた以外は、実施例8と同様の方法を用いて電子写真感光体塗布用分散液2−4Bを調製し、実施例1と同様に測定、評価を行った。評価結果を表2に示す。
〈比較例5〉
実施例1において前記ポリアミド樹脂液1−1Aから前記ポリアミド樹脂液2−5Aに代えた以外は、実施例1と同様の方法を用いて電子写真感光体塗布用分散液2−5Bを調製し、実施例1と同様に測定、評価を行った。評価結果を表2に示す。
〈比較例6〉
実施例10において前記ポリアミド樹脂液1−2Aから前記ポリアミド樹脂液2−2Aに代えた以外は、実施例10と同様の方法を用いて電子写真感光体塗布用分散液2−6Bを調製し、実施例1と同様に測定、評価を行った。評価結果を表2に示す。
表2から次のことが明らかである。実施例1−10は、動的光散乱法による測定値における体積平均粒径(D50)が0.50μm以上6.00μm以下のポリアミド樹脂粒子を含有したポリアミド樹脂液と前記式(1)ビスアゾ顔料を分散している。このため、比較例1−6と比べ、電子写真感光体塗布用分散液のマイクロトラックUPAの体積平均粒径(D50)及びCAPA−700の平均粒径(メジアン径)が極めて小さい。且つ、1ヶ月静置後、3ヶ月静置後の液状態においてもほとんど沈降が認められない。このことから、動的光散乱法による測定値における体積平均粒径(D50)が0.50μm以上6.00μm以下のポリアミド樹脂粒子を含有したポリアミド樹脂液と前記式(1)ビスアゾ顔料を分散している実施例1−10は、液安定性が非常に高いことが判る。
前述で調製したポリアミド樹脂液を用い、ビスアゾ顔料とポリアミド樹脂の質量比を2:1から1:1000の範囲で振った電子写真感光体塗布用分散液の調製について述べる。
〈実施例11〉
ポリアミド樹脂液1−2A 4.6部
φ1.0ガラスビーズ 11部
前記式(1)ビスアゾ顔料 0.55部
上記構成で、ペイントシェーカーを用い4時間分散し、ビスアゾ顔料とポリアミド樹脂の質量比が2:1である電子写真感光体塗布用分散液3−1Bを得た。
マイクロトラックUPA粒度分布測定器を用い、前記電子写真感光体塗布用分散液3−1Bの体積平均粒径(D50)を測定した。また、遠心沈降式粒度分布測定装置 CAPA−700(堀場製作所製)を用いて、前記電子写真感光体塗布用分散液3−1Bの平均粒径(メジアン径)を測定した。
前記電子写真感光体塗布用分散液3−1Bを調製後、有栓メスシリンダー(容量10ml)に液面高さが50mmになる量を入れ、1ヵ月静置後、3ヵ月静置後の電子写真感光体塗布用分散液の液安定性を目視評価した。評価結果は、ビスアゾ顔料の分離が全く認められないものを「沈降なし」、液面高さから1mm程度の位置でビスアゾ顔料とポリアミド樹脂液の分離が認められるものを「僅かに沈降」とした。また、液面高さから3mm程度の位置でビスアゾ顔料とポリアミド樹脂液の分離が認められるものを「少し沈降」、液面高さから10mmより低い位置でビスアゾ顔料とポリアミド樹脂液の分離が認められるものを「完全に沈降」とした。結果を表3に示す。
〈実施例12〉
実施例11において、前記式(1)ビスアゾ顔料0.55部から前記式(1)ビスアゾ顔料0.28部に代えた。それ以外は、実施例11と同様の方法を用いてビスアゾ顔料とポリアミド樹脂の質量比が1:1である電子写真感光体塗布用分散液3−2Bを調製し、実施例11と同様に測定、評価を行った。結果を表3に示す。
〈実施例13〉
実施例11において前記式(1)ビスアゾ顔料0.55部から前記式(1)ビスアゾ顔料0.14部に代えた。それ以外は、実施例11と同様の方法を用いてビスアゾ顔料とポリアミド樹脂の質量比が1:2である電子写真感光体塗布用分散液3−3Bを調製し、実施例11と同様に測定、評価を行った。結果を表3に示す。
〈実施例14〉
実施例11において前記式(1)ビスアゾ顔料0.55部から前記式(1)ビスアゾ顔料0.055部に代えた。それ以外は、実施例11と同様の方法を用いてビスアゾ顔料とポリアミド樹脂の質量比が1:5である電子写真感光体塗布用分散液3−4Bを調製し、実施例11と同様に測定、評価を行った。結果を表3に示す。
〈実施例15〉
実施例11において前記式(1)ビスアゾ顔料0.55部から前記式(1)ビスアゾ顔料0.0055部に代えた。それ以外は、実施例11と同様の方法を用いて顔料とポリアミド樹脂の質量比が1:50である電子写真感光体塗布用分散液3−5Bを調製し、実施例11と同様に測定、評価を行った。結果を表3に示す。
〈実施例16〉
実施例11において前記式(1)ビスアゾ顔料0.55部から前記式(1)ビスアゾ顔料0.0028部に代えた。それ以外は、実施例11と同様の方法を用いてビスアゾ顔料とポリアミド樹脂の質量比が1:100である電子写真感光体塗布用分散液3−6B調製し、実施例11と同様に測定、評価を行った。結果を表3に示す。
〈実施例17〉
実施例11において前記式(1)ビスアゾ顔料0.55部から前記式(1)ビスアゾ顔料0.00028部に代えた。それ以外は、実施例11と同様の方法を用いてビスアゾ顔料とポリアミド樹脂の質量比が1:1000である電子写真感光体塗布用分散液3−7B調製し、実施例11と同様に測定、評価を行った。結果を表3に示す。
〈比較例7〉
実施例11においてポリアミド樹脂液1−2A 4.6部、前記式(1)ビスアゾ顔料0.55部からポリアミド樹脂液2−2A 4.6部、前記式(1)ビスアゾ顔料0.00028部に代えた。それ以外は、実施例11と同様の方法を用いてビスアゾ顔料とポリアミド樹脂の質量比が1:1000である電子写真感光体塗布用分散液4−1B調製し、実施例11と同様に測定、評価を行った。評価結果を表3に示す。
表3は、電子写真感光体塗布用分散液中のビスアゾ顔料とポリアミド樹脂の質量比を1:1000以上2:1以下の範囲で変えて分散した場合である。実施例11−17は、動的光散乱法による測定値における体積平均粒径(D50)が0.50μm以上6.00μm以下のポリアミド樹脂粒子を含有したポリアミド樹脂液と前記式(1)ビスアゾ顔料を分散している。このため、電子写真感光体塗布用分散液のマイクロトラックUPAの体積平均粒径(D50)及びCAPA−700の平均粒径(メジアン径)が比較例7と比べ極めて小さい。且つ、1ヵ月静置後、3ヵ月静置後の液状態においてもほとんど沈降が認められない。このことから、実施例11−17は、液安定性が非常に高いことが判る。特に、実施例13−17では、3ヵ月静置後においてもビスアゾ顔料の沈降が認められない。
前述で調製したポリアミド樹脂液を用い、有機顔料の種類を変更した電子写真感光体塗布用分散液の調製について述べる。
〈実施例18〉
ポリアミド樹脂液1−2A 4.6部
φ1.0ガラスビーズ 11部
下記式(2)ビスアゾ顔料 0.028部
上記構成で、ペイントシェーカーを用い4時間分散した後、メタノール1.0部、ブタノール0.5部を加え、ビスアゾ顔料とポリアミド樹脂の質量比が1:10である電子写真感光体塗布用分散液5−1Bを得た。
マイクロトラックUPA粒度分布測定器を用い、電子写真感光体塗布用分散液5−1Bの体積平均粒径(D50)を測定した。また、遠心沈降式粒度分布測定装置CAPA−700(堀場製作所製)を用いて、電子写真感光体塗布用分散液5−1Bの平均粒径(メジアン径)を測定した。
前記電子写真感光体塗布用分散液5−1Bを調製後、有栓メスシリンダー(容量10ml)に液面高さが50mmになる量を入れ、1ヵ月静置後、3ヵ月静置後の電子写真感光体塗布用分散液の液安定性を目視評価した。評価結果は、ビスアゾ顔料の分離が全く認められないものを「沈降なし」、液面高さから1mm程度の位置でビスアゾ顔料とポリアミド樹脂液の分離が認められるものを「僅かに沈降」とした。また、液面高さから3mm程度の位置でビスアゾ顔料とポリアミド樹脂液の分離が認められるものを「少し沈降」、液面高さから10mmより低い位置でビスアゾ顔料とポリアミド樹脂液の分離が認められるものを「完全に沈降」とした。結果を表4に示す。
〈実施例19〉
実施例18においてビスアゾ顔料を前記式(2)から下記式(3)のビスアゾ顔料に代えた以外は、実施例18と同様の方法を用いて電子写真感光体塗布用分散液5−2Bを調製し、実施例18と同様に測定、評価を行った。結果を表4に示す。
〈実施例20〉
実施例18においてビスアゾ顔料を下記式(4)のビスアゾ顔料に代えた以外は、実施例18と同様の方法を用いて電子写真感光体塗布用分散液5−3Bを調製し、実施例18と同様に測定、評価を行った。結果を表4に示す。
〈実施例21〉
ポリアミド樹脂液1−2A 4.6部
φ1.0ガラスビーズ 11部
前記式(4)ビスアゾ顔料 0.0028部
上記構成で、ペイントシェーカーを用い4時間分散した後、メタノール0.6部、ブタノール0.3部を加え、ビスアゾ顔料とポリアミド樹脂の質量比が1:100である電子写真感光体塗布用分散液5−4Bを得た。実施例18と同様に測定、評価を行った。結果を表4に示す。
〈実施例22〉
実施例21において前記式(4)ビスアゾ顔料0.0028部を前記式(4)ビスアゾ顔料0.00028部に代えた。それ以外は、実施例21と同様の方法を用いてビスアゾ顔料とポリアミド樹脂の質量比が1:1000である電子写真感光体塗布用分散液5−5Bを調製し、実施例18と同様に測定、評価を行った。結果を表4に示す。
〈実施例23〉
実施例18においてビスアゾ顔料を前記式(2)から下記式(5)のビスアゾ顔料に代えた以外は、実施例18と同様の方法を用いて電子写真感光体塗布用分散液5−6Bを調製し、実施例18と同様に測定、評価を行った。結果を表4に示す。
〈実施例24〉
実施例18においてビスアゾ顔料を前記式(2)から下記式(6)のビスアゾ顔料に代えた以外は、実施例18と同様の方法を用いて電子写真感光体塗布用分散液5−7Bを調製し、実施例18と同様に測定、評価を行った。結果を表4に示す。
〈実施例25〉
実施例18において前記式(2)のビスアゾ顔料を次のガリウムフタロシアニン結晶に代えた。下記式(7)のCuKα特性X線回折におけるフラッグ角2θ=7.4°±0.3°及び2θ=28.2°±0.3°の位置に強いピークを有するガリウムフタロシアニン結晶(特許第3639691号公報に記載のもの)。それ以外は、実施例18と同様の方法を用いて電子写真感光体塗布用分散液5−8Bを調製し、実施例18と同様に測定、評価を行った。結果を表4に示す。
〈実施例26〉
φ1.0ガラスビーズ 11部
メタノール 2.8部
ブタノール 1.4部
式(4)ビスアゾ顔料 0.10部
上記構成で、ペイントシェーカーを用い20時間分散し、ポリアミド樹脂液1−2A 16.7部を追加して更に2時間分散した。次に、メタノール0.7部、ブタノール0.3部を加え、ビスアゾ顔料とポリアミド樹脂の質量比が1:10である電子写真感光体塗布用分散液5−9Bを調製し、実施例18と同様に測定、評価を行った。結果を表4に示す。
〈実施例27〉
ポリアミド樹脂液1−6A 4.6部
φ1.0ガラスビーズ 11部
前記式(4)ビスアゾ顔料 0.0046部
上記構成で、ペイントシェーカーを用い4時間分散し、ビスアゾ顔料とポリアミド樹脂の質量比が1:10である電子写真感光体塗布用分散液5−10Bを得た。実施例18と同様に測定、評価を行った。結果を表4に示す。
〈実施例28〉
ポリアミド樹脂液1−7A 4.6部
φ1.0ガラスビーズ 11部
前記式(4)ビスアゾ顔料 0.014部
上記構成で、ペイントシェーカーを用い4時間分散し、ビスアゾ顔料とポリアミド樹脂の質量比が1:10である電子写真感光体塗布用分散液5−11Bを得た。実施例18と同様に測定、評価を行った。結果を表4に示す。
〈比較例8〉
実施例18においてポリアミド樹脂液1−2Aをポリアミド樹脂液2−2Aに代えた以外は、実施例18と同様の方法を用いて電子写真感光体塗布用分散液6−1Bを調製し、実施例18と同様に測定、評価を行った。結果を表4に示す。
〈比較例9〉
実施例20においてポリアミド樹脂液1−2Aをポリアミド樹脂液2−2Aに代えた以外は、実施例20と同様の方法を用いて電子写真感光体塗布用分散液6−2Bを調製し、実施例18と同様に測定、評価を行った。結果を表4に示す。
〈比較例10〉
実施例21においてポリアミド樹脂液1−2Aをポリアミド樹脂液2−2Aに代えた以外は、実施例21と同様の方法を用いて電子写真感光体塗布用分散液6−3Bを調製し、実施例18と同様に測定、評価を行った。結果を表4に示す。
〈比較例11〉
実施例22においてポリアミド樹脂液1−2Aをポリアミド樹脂液2−2Aに代えた以外は、実施例22と同様の方法を用いて電子写真感光体塗布用分散液6−4Bを調製し、実施例18と同様に測定、評価を行った。結果を表4に示す。
〈比較例12〉
実施例24においてポリアミド樹脂液1−2Aをポリアミド樹脂液2−2Aに代えた以外は、実施例24と同様の方法を用いて電子写真感光体塗布用分散液6−5Bを調製し、実施例18と同様に測定、評価を行った。結果を表4に示す。
〈比較例13〉
実施例25においてポリアミド樹脂液1−2Aをポリアミド樹脂液2−2Aに代えた以外は、実施例25と同様の方法を用いて電子写真感光体塗布用分散液6−6Bを調製し、実施例18と同様に測定、評価を行った。結果を表4に示す。
〈比較例14〉
実施例26においてポリアミド樹脂液1−2Aをポリアミド樹脂液2−2Aに代えた以外は、実施例26と同様の方法を用いて電子写真感光体塗布用分散液6−7Bを調製し、実施例18と同様に測定、評価を行った。結果を表4に示す。
表4では、有機顔料の種類を変えている。実施例18−28は、動的光散乱法による測定値における体積平均粒径(D50)が0.50μm以上6.00μm以下のポリアミド樹脂粒子を含有したポリアミド樹脂液と有機顔料を分散している。このため電子写真感光体塗布用分散液のマイクロトラックUPAの体積平均粒径(D50)及びCAPA−700の平均粒径(メジアン径)が比較例8−14と比べ極めて小さい。且つ、1ヵ月静置後、3ヵ月静置後の液状態においてもほとんど沈降が認められない。このことから、動的光散乱法による測定値における体積平均粒径(D50)が0.50μm以上6.00μm以下のポリアミド樹脂粒子を含有したポリアミド樹脂液と有機顔料を分散している実施例18−28は、液安定性が非常に高いことが判る。
次いで、上記で得られた電子写真感光体塗布用分散液を用い、電子写真感光体を作成した。
〈実施例29〉
酸化スズで被覆した酸化チタン粉体(商品名クロノスECT−62、チタン工業社製)50部、レゾール型フェノール樹脂25部、メチルセロソルブ20部、球状シリコーン樹脂粉末(商品名トスパール120、東芝シリコーン社製)3.8部。加えて、メタノール5部及びシリコーンオイル(ポリジメチルシロキサン・ポリオキシアルキレン共重合体、平均分子量3000)0.002部を、直径0.8mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置で2時間分散して、干渉縞防止層用塗布液を調製した。導電性支持体としてのアルミニウムシリンダー(直径30mm、引き抜き管)上に、この塗布液を浸漬塗布し、140℃で30分間乾燥させ、膜厚が15μmの干渉縞防止層を形成した。
得られた干渉縞防止層上に、1日前に調製した前記電子写真感光体塗布用分散液5−1Bを、上記干渉縞防止層上に浸漬塗布し、100℃で10分間乾燥して、膜厚が0.5μmの下引き層を形成した。
次に、以下のヒドロキシガリウムフタロシアニン10部、下記式(8)で示される化合物0.1部と以下のポリビニルブチラール樹脂5部をシクロヘキサノン250部に添加し、直径0.8mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置で3時間分散した。CuKα特性X線回折における回折角(2θ±0.2°)が7.5°、9.9°、16.3°、18.6°、25.1°及び28.3°の位置に強いピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン。ポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業社製)。これにシクロヘキサノン100部と酢酸エチル450部を更に加えて希釈して電荷発生層用塗布液を得た。得られた塗布液を下引き層上に浸漬塗布し、100℃で10分間乾燥することにより、膜厚が0.16μmの電荷発生層を形成した。
次に、下記式(9)で示される電荷輸送材料10部、ポリカーボネート樹脂(商品名:ユーピロンZ−200、三菱エンジニアリングプラスチックス社製)10部をモノクロロベンゼン70部に溶解し、得られた溶液を電荷発生層上に浸漬塗布した。次いで110℃で1時間乾燥することにより、膜厚25μmの電荷輸送層を形成し、電子写真感光体1を作製した。また、目視により、電子写真感光体1の塗布欠陥の有無を目視確認した。評価結果はドラムの塗布面にポチが全く認められないものを「ポチなし」とした。また、ドラムの塗布面の一部にポチが認められるものを「一部ポチあり」、ドラムの塗布面の全面にポチが認められるものを「全面ポチあり」、ドラムの塗布面に濃度ムラが認められるものを「塗布ムラ」とした。結果を表5に示す。
次に、作製した電子写真感光体1−9,16及び17について、明部電位測定を行った。
評価機としてジェンテック社製のドラム試験機:CYNTHIA59を用いた。電子写真感光体表面の帯電にはスコロトロン式コロナ帯電器を用いた。1次電流を70μAに設定し、グリッド電圧は電子写真感光体表面の印加電圧が−700Vとなるように設定した。像露光光源としてキセノンランプを用いた。780nm干渉フィルターを用いて露光光波長を選択し、明部電位が−200Vとなるように光量を調節した。前露光光源としてハロゲンランプを用いた。676nm干渉フィルターを用いて前露光光波長を選択し、像露光光量の5倍の光量に調節した。サイクルスピードは1sec/cycleとした。これに上記電子写真感光体1を装着して評価を行った。電子写真感光体に対する電位測定プローブの位置は電子写真感光体軸方向においてほぼ中央、電子写真感光体表面からのギャップを3mmとした。
電子写真感光体1を、23℃/5%RHの常温低湿(N/L)環境下で3日間放置した後、同環境(N/L)下で500枚の連続耐久印字(全面黒画像モード)を行い、耐久印字後の明部電位の測定を行った。ΔVD、ΔVL、ΔVRはそれぞれ印加電圧、明部電位、残留電位の初期電位(−V)からの耐久後電位(−V)の変動量を示す(例えば、初期VD電位が−700V、耐久後VD電位が−695Vの場合、変動量ΔVDは−5Vと表記する)。結果を表5に示す。
〈実施例30〉
実施例29において前記電子写真感光体塗布用分散液5−1Bを前記電子写真感光体塗布用分散液5−3Bに代えた以外は、実施例29と同様の方法を用いて電子写真感光体2を作成し、同様に測定、評価を行った。結果を表5に示す。
〈実施例31〉
実施例29において前記電子写真感光体塗布用分散液5−1Bを前記電子写真感光体塗布用分散液5−4Bに代えた以外は、実施例29と同様の方法を用いて電子写真感光体3を作成し、同様に測定、評価を行った。結果を表5に示す。
〈実施例32〉
実施例29において前記電子写真感光体塗布用分散液5−1Bを前記電子写真感光体塗布用分散液5−5Bに代えた以外は、実施例29と同様の方法を用いて電子写真感光体4を作成し、同様に測定、評価を行った。結果を表5に示す。
〈実施例33〉
実施例29において前記電子写真感光体塗布用分散液5−1Bを前記電子写真感光体塗布用分散液5−7Bに代えた以外は、実施例29と同様の方法を用いて電子写真感光体5を作成し、同様に測定、評価を行った。結果を表5に示す。
〈実施例34〉
実施例29において前記電子写真感光体塗布用分散液5−1Bを前記電子写真感光体塗布用分散液5−8Bに代えた以外は、実施例29と同様の方法を用いて電子写真感光体6を作成し、同様に測定、評価を行った。結果を表5に示す。
〈実施例35〉
実施例29において前記電子写真感光体塗布用分散液5−1Bを前記電子写真感光体塗布用分散液5−9Bに代えた以外は、実施例29と同様の方法を用いて電子写真感光体7を作成し、同様に測定、評価を行った。結果を表5に示す。
〈実施例36〉
実施例29において前記電子写真感光体塗布用分散液5−1Bを前記電子写真感光体塗布用分散液5−10Bに代えた以外は、実施例29と同様の方法を用いて電子写真感光体8を作成し、同様に測定、評価を行った。結果を表5に示す。
〈実施例37〉
実施例29において前記電子写真感光体塗布用分散液5−1Bを前記電子写真感光体塗布用分散液5−11Bに代えた以外は、実施例29と同様の方法を用いて電子写真感光体9を作成し、同様に測定、評価を行った。結果を表5に示す。
〈比較例15〉
実施例29において前記電子写真感光体塗布用分散液5−1Bを前記電子写真感光体塗布用分散液6−1Bに代えた以外は、実施例29と同様の方法を用いて電子写真感光体10を作成し、同様に測定、評価を行った。結果を表5に示す。
〈比較例16〉
実施例29において前記電子写真感光体塗布用分散液5−1Bを前記電子写真感光体塗布用分散液6−2Bに代えた以外は、実施例29と同様の方法を用いて電子写真感光体11を作成し、同様に測定、評価を行った。結果を表5に示す。
〈比較例17〉
実施例29において前記電子写真感光体塗布用分散液5−1Bを前記電子写真感光体塗布用分散液6−3Bに代えた以外は、実施例29と同様の方法を用いて電子写真感光体12を作成し、同様に測定、評価を行った。結果を表5に示す。
〈比較例18〉
実施例29において前記電子写真感光体塗布用分散液5−1Bを前記電子写真感光体塗布用分散液6−5Bに代えた以外は、実施例29と同様の方法を用いて電子写真感光体13を作成し、同様に測定、評価を行った。結果を表5に示す。
〈比較例19〉
実施例29において前記電子写真感光体塗布用分散液5−1Bを前記電子写真感光体塗布用分散液6−6Bに代えた以外は、実施例29と同様の方法を用いて電子写真感光体14を作成し、同様に測定、評価を行った。結果を表5に示す。
〈比較例20〉
実施例29において前記電子写真感光体塗布用分散液5−1Bを前記電子写真感光体塗布用分散液6−7Bに代えた以外は、実施例29と同様の方法を用いて電子写真感光体15を作成し、同様に測定、評価を行った。結果を表5に示す。
〈比較例21〉
実施例29において前記電子写真感光体塗布用分散液5−1Bを前記ポリアミド樹脂液1−2Aに代えた以外は、実施例29と同様の方法を用いて電子写真感光体16を作成し、同様に測定、評価を行った。結果を表5に示す。
〈比較例22〉
実施例29において前記電子写真感光体塗布用分散液5−1Bを前記ポリアミド樹脂液2−2Aに代えた以外は、実施例29と同様の方法を用いて電子写真感光体17を作成し、同様に測定、評価を行った。結果を表5に示す。
表5から次のことが明らかである。実施例29−37は動的光散乱法による測定値における体積平均粒径(D50)が0.50μm以上6.00μm以下のポリアミド樹脂粒子を含有したポリアミド樹脂液と有機顔料を分散して得られる電子写真感光体塗布用分散液を用いた電子写真感光体である。このため、実施例29−37は、比較例15−20と比べ、電子写真感光体の目視確認結果において塗工欠陥が認められないことが判る。また、実施例36ではポチによる塗工欠陥は認められないが、電子写真感光体の端部に電子写真感光体塗布用分散液の固形分が低い為に発生したと思われる実用上は問題ない軽微な塗布ムラが認められた。
また、表5から次のことが明らかである。有機顔料を分散しないポリアミド樹脂液を用いた電子写真感光体の比較例21,22では、電子写真感光体の目視確認結果において塗工欠陥は認められない。しかし、実施例29−37は、有機顔料を分散しないポリアミド樹脂液を用いた電子写真感光体の比較例21,22と比べ、N/L環境下でのΔVL,ΔVRの各電位変動量が非常に小さいことが判る。実施例29−37は、動的光散乱法による測定値における体積平均粒径(D50)が0.50μm以上6.00μm以下のポリアミド樹脂粒子を含有したポリアミド樹脂液と有機顔料を分散して得られる電子写真感光体塗布用分散液を用いた電子写真感光体である。
感光層の構成を示す図である。 本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の一例を示す図である。
符号の説明
101 支持体
102 下引き層
103 感光層
104 電荷発生層
105 電荷輸送層
1 電子写真感光体
2 軸
3 帯電手段
4 露光光
5 現像手段
6 転写手段
7 転写材
8 定着手段
9 クリーニング手段
10 前露光光
11 プロセスカートリッジ
12 案内手段

Claims (18)

  1. 少なくともポリアミド樹脂液と有機顔料を分散して得られる電子写真感光体塗布用分散液の製造方法において、前記ポリアミド樹脂液が、動的光散乱法による測定値における体積平均粒径(D50)が0.50μm以上6.00μm以下のポリアミド樹脂粒子を含有したポリアミド樹脂液であることを特徴とする電子写真感光体塗布用分散液の製造方法。
  2. 前記ポリアミド樹脂粒子を含有したポリアミド樹脂液が、動的光散乱法による測定値における体積平均粒径(D50)が1.00μm以上5.00μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体塗布用分散液の製造方法。
  3. 前記ポリアミド樹脂粒子を含有したポリアミド樹脂液が、動的光散乱法による測定値における体積平均粒径(D50)が0.50μm未満のポリアミド樹脂液を10℃以下の温度で密閉状態で静置保管することにより得られたことを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真感光体塗布用分散液の製造方法。
  4. 前記ポリアミド樹脂粒子を含有したポリアミド樹脂液の樹脂固形分が、質量%で1%以上15%以下の範囲であることを特徴とする請求項1−3のいずれかに記載の電子写真感光体塗布用分散液の製造方法。
  5. 前記ポリアミド樹脂固形分が質量%で3%以上10%以下の範囲であることを特徴とする請求項4に記載の電子写真感光体塗布用分散液の製造方法。
  6. 前記ポリアミド樹脂液に含まれるポリアミド樹脂が、少なくともN−アルコキシアルキル化ナイロンを含有することを特徴とする請求項1−5のいずれかに記載の電子写真感光体塗布用分散液の製造方法。
  7. 前記N−アルコキシアルキル化ナイロンが、メトキシメチル化率が20%以上40%以下であるN−メトキシメチル化ナイロンであることを特徴とする請求項6に記載の電子写真感光体塗布用分散液の製造方法。
  8. 前記ポリアミド樹脂液の溶剤がアルコール系溶剤であることを特徴とする請求項1−7のいずれかに記載の電子写真感光体塗布用分散液の製造方法。
  9. 前記有機顔料がアゾ顔料であることを特徴とする請求項1−8のいずれかに記載の電子写真感光体塗布用分散液の製造方法。
  10. 前記アゾ顔料がビスアゾ顔料であることを特徴とする請求項9に記載の電子写真感光体塗布用分散液の製造方法。
  11. 前記電子写真感光体塗布用分散液に含まれる、前記有機顔料と前記ポリアミド樹脂液中の樹脂の質量比が2:1以下1:1000以上であることを特徴とする請求項1−10のいずれかに記載の電子写真感光体塗布用分散液の製造方法。
  12. 前記質量比が1:2以下1:100以上である請求項11に記載の電子写真感光体塗布用分散液の製造方法。
  13. 少なくとも、導電性支持体と、該導電性支持体上に形成された下引き層と、該下引き層上に形成された電荷発生材料を含有する感光層を有する電子写真感光体において、前記下引き層が請求項1−12のいずれかに記載の電子写真感光体塗布用分散液の製造方法により得られた塗布液を用いて形成されたことを特徴とする電子写真感光体。
  14. 前記電荷発生材料がフタロシアニン顔料を含むことを特徴とする請求項13に記載の電子写真感光体。
  15. 前記フタロシアニン顔料がガリウムフタロシアニン顔料であることを特徴とする請求項14に記載の電子写真感光体。
  16. 前記ガリウムフタロシアニン顔料が、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ=7.4°±0.3°及び2θ=28.2°±0.3°の位置に強いピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶であることを特徴とする請求項15に記載の電子写真感光体。
  17. 請求項13−16のいずれかに記載の電子写真感光体と、帯電手段、イメージ露光手段、現像手段、及び転写手段を装着したことを特徴とする電子写真装置。
  18. 請求項13−16のいずれかに記載の電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、及びクリーニング手段からなる群より選ばれる少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
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