JP5196889B2 - 電子写真感光体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真感光体の製造方法に関する。
有機光導電性物質を用いた感光層を有する電子写真感光体(有機電子写真感光体)は、無機光導電性物質を用いた感光層を有する電子写真感光体(無機電子写真感光体)に比べて製造が容易である。また、有機電子写真感光体は、材料選択の多様性から機能設計の自由度が高いという利点を有する。このため、有機電子写真感光体は、近年のレーザービームプリンターの急速な普及により、広く市場で用いられるようになっている。
有機電子写真感光体の感光層としては、耐久性や感度特性の観点から、支持体側から電荷発生物質を含有する電荷発生層、電荷輸送物質を含有する電荷輸送層の順に積層してなる層構成を有する積層型の感光層が主流となっている。
また、支持体と電荷発生層との間には、支持体の表面の欠陥の被覆、支持体と感光層との間の接着性の向上、干渉縞の防止、感光層の電気的破壊に対する保護、支持体から感光層への電荷注入の阻止などを目的とした層が設けられることが多い。以下、支持体と電荷発生層との間の層を「中間層」と称する。
この中間層は、上記のメリットを有する反面、電荷が蓄積されやすいというデメリットも併せ持つ。このため、連続してプリント(画像出力)した際、電位変動が大きくなり、出力画像に不具合が発生する場合がある。
たとえば、中間層を有する電子写真感光体を、現在プリンターで広く採用されている反転現像系の電子写真装置に使用した場合、明部電位の上昇により、連続出力画像における濃度ムラや色味ムラが発生することがある。なお、反転現像系とは、暗部電位の部分を非現像部分とし、明部電位の部分を現像部分とする現像系のことである。
また、最近、高速化、高画質化、カラー化の流れの中で、電子写真感光体に対する要求も厳しさが増している。すなわち、使用環境の変動により特性の変化が少ない電子写真感光体が望まれている。
特に、低湿環境下において、中間層の抵抗の上昇に起因する初期(1回転目から500回転目までの期間程度)の急激な電位変動(明部電位の上昇)による出力画像の濃度ムラや色味ムラを解決することが望まれている。
上記の問題を解決する方法の1つとして、特許文献1には、アゾ顔料を中間層に含有させる方法が開示されている。
しかしながら、低湿環境下におけるさらなる明部電位の上昇の抑制が求められている。
また、電荷発生層に関しては、露光光源に対応する吸収波長を有し、かつ優れた感度特性を有することからフタロシアニン顔料やアゾ顔料を電荷発生物質として用いることが現在主流になっている。たとえば、特許文献2には、フタロシアニン顔料の分散方法の改良によって、分散液(電荷発生層用塗布液)中のフタロシアニン顔料の粒径を小さくし、顔料分散後の分散液の安定性を確保することが開示されている。
しかしながら、電荷発生層用塗布液中の顔料の粒径と上述の低湿環境下における連続プリント時の初期電位変動の関係についての報告はこれまでにはされていない。
WO2005/116777 特開2002−99105号公報
本発明の目的は、低湿環境下において連続プリント時の初期の急激な明部電位の変動による出力画像の濃度ムラや色味ムラを抑制することができる電子写真感光体の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討の結果、中間層用塗布液中のアゾ顔料の平均粒径と電荷発生層用塗布液中のフタロシアニン顔料とアゾ顔料の平均粒径に着目した。そして、これらの平均粒径をそれぞれ特定の範囲に収めた中間層用塗布液・電荷発生層用塗布液を用いることによって上記目的を達成することができることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、アゾ顔料、ゲル化したポリアミド樹脂をアルコール溶剤に分散させた中間層用塗布液を用いて支持体上に中間層を形成する工程、
フタロシアニン顔料、アゾ顔料、樹脂および溶剤を含有する電荷発生層用塗布液を用いて該中間層上に電荷発生層を形成する工程、および
電荷輸送物質を含有する電荷輸送層用塗布液を用いて該電荷発生層上に電荷輸送層を形成する工程
を有する電子写真感光体の製造方法であって、
該中間層用塗布液に含有されるアゾ顔料の平均粒径が0.06〜0.30μmであり、該電荷発生層用塗布液に含有されるフタロシアニン顔料とアゾ顔料の平均粒径が0.06〜0.12μmであり、
該電荷発生層用塗布液に含有されるフタロシアニン顔料の質量が該電荷発生層用塗布液に含有される顔料全質量に対して50質量%超であって、かつ、該電荷発生層用塗布液に含有されるアゾ顔料の質量が該電荷発生層用塗布液に含有される顔料全質量に対して50質量%未満である
ことを特徴とする電子写真感光体の製造方法である。
本発明によれば、低湿環境下において連続プリント時の初期の急激な明部電位の変動による出力画像の濃度ムラや色味ムラを抑制することができる電子写真感光体の製造方法を提供することができる。
本発明の製造方法によって製造される電子写真感光体は、支持体上に中間層、電荷発生層および電荷輸送層をこの順に形成してなる電子写真感光体である。
支持体は、導電性を有するもの(導電性支持体)であればよく、たとえば、アルミニウム、ステンレスおよびニッケルなどの金属製の支持体、または、表面に導電性被膜を設けた金属、プラスチックまたは紙製の支持体などが挙げられる。また、支持体の形状としては、円筒状およびフィルム状などが挙げられる。特に円筒状のアルミニウム製支持体が、機械強度、電子写真特性およびコストの点で優れている。これらの支持体は、素管のまま用いてもよいが、切削やホーニングなどの物理処理、陽極酸化処理または酸などを用いた化学処理を施したものを用いてもよい。その中でも、切削やホーニングなどの物理処理で表面粗さをRzで0.1〜3.0μmに調整することによって、干渉縞防止機能を持たせることができる。
支持体と中間層との間には、導電層(干渉縞防止層)を設けることもできる。導電層(干渉縞防止層)は支持体自体に干渉縞防止機能を持たせた場合は必ずしも必要ないが、支持体を素管のまま用い、この表面に塗工により導電層(干渉縞防止層)を形成することにより、簡便に支持体に干渉縞防止機能を付与することができる。このため、生産性、コストの面から非常に有用である。
導電層(干渉縞防止層)は、無機粒子をフェノール樹脂などの硬化性樹脂とともに適当な溶剤に分散させることによって調製された導電層用塗布液を支持体上に塗布し、これを乾燥させることによって形成することができる。無機粒子としては、たとえば、酸化スズ、酸化インジウム、酸化チタン、硫酸バリウムなどが挙げられる。
導電層の膜厚は1〜40μmであることが好ましい。
本発明においては、支持体と電荷発生層との間に、支持体との密着性確保、電荷発生層の電気的破壊に対する保護、電荷発生層のキャリア注入性の改良などのために中間層が設けられる。
上述のとおり、中間層の形成は、アゾ顔料、ポリアミド樹脂およびアルコール溶剤を含有する中間層用塗布液を用いて行われる。具体的には、ポリアミド樹脂およびアルコール溶剤を用いてアゾ顔料を分散させることによって調製された中間層用塗布液を支持体上に塗布し、これを乾燥させることによって形成する。アゾ顔料を中間層に含有させることにより、低湿環境下における連続プリント時の初期の明部電位の変動を抑制することができる。また、中間層用塗布液に含有されるアゾ顔料の平均粒径は0.06〜0.30μmである必要がある。好ましくは、0.07〜0.20μmである。アゾ顔料の平均粒径が大きすぎると電子写真感光体の外観上にポチが発生しやすく、また、画像欠陥が生じる場合がある。一方、アゾ顔料の平均粒径が小さすぎると明部電位の変動を抑制する効果が薄れる。
中間層用塗布液に含有させるアゾ顔料の種類は、中間層用塗布液中で平均粒径が0.06〜0.30μmの範囲で分散されるものであれば特に限定されない。また、複数種のアゾ顔料を組み合わせて用いてもよい。
中間層用塗布液に含有させるポリアミド樹脂は、アルコール溶剤への溶解性や、アゾ顔料との分散性の相性を考慮することが好ましい。各種ポリアミド樹脂の中でも、N−メトキシメチル化ナイロンが好ましい。また、他の共重合ナイロンとともにN−メトキシメチル化ナイロンを用いてもよい。
中間層用塗布液に含有させるアルコール溶剤は、中間層用塗布液中でアゾ顔料を平均粒径0.06〜0.30μmの範囲に分散することができるものであれば特に限定されない。アルコール溶剤の中でも、メタノール、エタノール、プロパノール(n−プロパノール、iso−プロパノール)、ブタノール(n−ブタノールなど)や、それらを混合したものが好ましい。また、分散性や分散後の保存安定性の観点から、中間層用塗布液中の溶剤中のメタノール比率は50質量%以下が好ましい。
中間層用塗布液中に含有されるアゾ顔料の質量(c)とポリアミド樹脂の質量(d)との比率(c/d)は、中間層用塗布液中でアゾ顔料が平均粒径0.06〜0.30μmの範囲で分散されれば特に限定されない。分散性や分散後の保存安定性の観点から、比率(c/d)は1/1000〜2/1であることが好ましく、1/100〜1/1であることがより好ましい。
中間層用塗布液中の固形分の量は、塗布液の安定性や塗工性を考慮することが好ましい。中間層用塗布液中の固形分の量は、中間層用塗布液全質量に対して1〜15質量%であることが好ましく、2〜10質量%であることがより好ましい。塗布液中の固形分が多すぎると塗布液の流動性が失われやすく、アゾ顔料の分散性が悪くなったり、塗布液の安定性が低下したりすることがある。一方、塗布液中の固形分が少なすぎると塗布ムラや膜ダレなどが発生することがある。
中間層の膜厚は0.01〜5.0μmであることが好ましく、0.1〜3.0μmであることがより好ましい。
中間層用塗布液中のアゾ顔料の平均粒径は、メジアン径であり、遠心沈降式粒度分布測定装置CAPA−700(堀場製作所製)を用いて、以下の条件で測定した。なお、SAMP.DENS.には実際に中間層用塗布液中に含有させるアゾ顔料の比重(g/cm)を入力した。また、試料濃度はDATA表示が0.90になるように調整した。
・中間層用塗布液中のアゾ顔料の平均粒径の測定条件
溶剤:エタノール
DISP.VISC.:1.20mPa・s
DISP.DENS.:0.79g/cc
D(MAX):1.00μm
D(MIN):0.10μm
D(DIV):0.05μm
SPEED:7000rpm
中間層上には電荷発生層が形成される。
上述のとおり、電荷発生層の形成は、フタロシアニン顔料、アゾ顔料、樹脂および溶剤を含有する電荷発生層用塗布液を用いて行われる。具体的には、樹脂および溶剤を用いてフタロシアニン顔料およびアゾ顔料を分散させることによって調製された電荷発生層用塗布液を中間層上に塗布し、これを乾燥させることによって形成する。電荷発生層用塗布液中のフタロシアニン顔料とアゾ顔料の平均粒径を0.06〜0.12μmにすることによって、低湿環境下における連続プリント時の初期の明部電位の変動を抑制することができる。電荷発生層用塗布液中のフタロシアニン顔料とアゾ顔料の平均粒径は、好ましくは0.07〜0.11μmである。電荷発生層用塗布液中のフタロシアニン顔料とアゾ顔料の平均粒径が大きすぎても小さすぎても、明部電位の変動を抑制する効果が薄れる。また、フタロシアニン顔料とアゾ顔料を併用するのは、高感度な電荷発生物質であるフタロシアニン顔料に対してアゾ顔料を混合することにより、顔料の小粒径化や電荷発生層用塗布液の安定化を目的としている。また、高感度を維持するためには、電荷発生層用塗布液に含有されるフタロシアニン顔料の質量が顔料全質量に対して50質量%超であって、かつ、アゾ顔料の質量が顔料全質量に対して50質量%未満である必要がある。本発明において、顔料全質量とは、フタロシアニン顔料の質量とアゾ顔料の質量の合計である。また、電荷発生層用塗布液中のフタロシアニン顔料とアゾ顔料の平均粒径を0.12μm以下にするためには、アゾ顔料が顔料全質量に対して5質量%以上必要になることが多い。さらに、高感度化と明部電位の変動を抑制する効果の観点から、フタロシアニン顔料の質量(a)とアゾ顔料の質量(b)との比率(a/b)は80/20〜95/5であることが好ましい。
フタロシアニン顔料の種類やアゾ顔料の種類は、フタロシアニン顔料とアゾ顔料が、電荷発生層用塗布液中で平均粒径が0.06〜0.12μmの範囲で分散されるものであれば特に限定されない。また、複数種のフタロシアニン顔料や、複数種のアゾ顔料を組み合わせて用いてもよい。
フタロシアニン顔料の中でも、高感度の観点から、ガリウムフタロシアニン顔料やオキシチタニウムフタロシアニンが好ましい。より好ましくは、環境変動による特性安定性の観点から、ガリウムフタロシアニン顔料である。さらには、高感度、光メモリー特性の観点から、ヒドロキシガリウムフタロシアニンが好ましく、その中でも、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θの7.4°±0.3°および28.2°±0.3°に強いピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニンが好ましい。
本発明において、X線回折の測定は、CuKα線を用いて次の条件で行った。
使用測定機:マック・サイエンス社製、全自動X線回折装置MXP18
X線管球:Cu
管電圧:50kV
管電流:300mA
スキャン方法:2θ/θスキャン
スキャン速度:2deg./min
サンプリング間隔:0.020deg.
スタート角度(2θ):5deg.
ストップ角度(2θ):40deg.
ダイバージェンススリット:0.5deg.
スキャッタリングスリット:0.5deg.
レシービングスリット:0.3deg.
湾曲モノクロメーター使用
電荷発生層用塗布液に含有させる溶剤としては、たとえば、テトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、メタノール、メチルセルソルブ、アセトン、ジオキサンおよびN,N−ジメチルホルムアミドなどが挙げられる。
フタロシアニン顔料とアゾ顔料は、これらと樹脂と溶剤とを同時に仕込んで分散(同時分散)してもよいが、アゾ顔料と溶剤とを前分散処理した後、これに、樹脂を溶解させてなる溶液とフタロシアニン顔料とを加えてさらに後分散処理してもよい。この前分散処理および後分散処理を用いた分散によれば、電荷発生層用塗布液中のフタロシアニン顔料とアゾ顔料の平均粒径を0.06〜0.12μmに調整しやすくなる。また、同様の理由により、後分散処理が終了したときの分散液中の固形分は分散液全質量に対して10〜20質量%であることが好ましく、13〜18質量%であることがより好ましい。ここでいう固形分とは、下記式で表されるものである。
固形分={(フタロシアニン顔料+アゾ顔料+樹脂)/(フタロシアニン顔料+アゾ顔料+樹脂+溶剤)}×100[質量%]
また、固形分の測定は、以下のように電子天秤を用いて行う。
1.アルミケーキカップを秤量する(A[mg])。
2.アルミケーキカップが電子天秤に載った状態でゼロにする。
3.アルミケーキカップ内に分散液をスポイトで1g程度滴下し、分散液を秤量する(B[mg])。
4.分散液が入ったアルミケーキカップを150℃に設定された乾燥機で30分間保管する。
5.乾燥機からアルミケーキカップを取り出し秤量する(C[mg])。
6.次の式により固形分を算出する。
固形分={(C−A)/B}×100[質量%]
7.測定精度を高めるために5回同様に測定し、5回のうちmax値とmin値を除いた真ん中3点を採用し、平均化した値を上記固形分とする。
電荷発生層用塗布液に含有させる樹脂としては、様々な絶縁性の樹脂から選択することができ、また、ポリ−N−ビニルカルバゾールやポリビニルアントラセンやポリビニルポレンなどの有機光導電性ポリマーからも選択することができる。好ましくは、ポリビニルブチラール、ポリアリレート(ビスフェノールAとフタル酸の縮重合体など)、ポリカーボネート、ポリエステル、フェノキシ樹脂、ポリ酢酸ビニル、アクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂などを挙げることができる。これらの中でも、ポリビニルブチラールが好ましい。分散処理の際、樹脂は、通常、該樹脂を溶解しうる溶剤で溶解させて樹脂溶液として用いられる。
電荷発生層用塗布液に含有させる顔料全質量(e)と樹脂の質量(f)との比率(e/f)は、フタロシアニン顔料とアゾ顔料が電荷発生層用塗布液中で平均粒径0.06〜0.12μmの範囲で分散されれば特に限定されない。電子写真特性、分散性、塗布液の保存安定性や塗工性の観点から、比率(e/f)は1/10〜10/1であることが好ましく、1/2〜5/1であることがより好ましい。
電荷発生層用塗布液の固形分は、塗布液の安定性や塗工性を考慮して決定することが好ましく、0.5〜10質量%であることが好ましく、1.0〜3.0質量%であることがより好ましい。塗布液中の固形分が多すぎると塗布液の流動性が失われたり、分散性が悪くなって塗布液の安定性が低下したりすることがある。一方、塗布液中の固形分が少なすぎると塗布ムラや膜ダレなどが発生することがある。
電荷発生層の膜厚は0.01〜3.0μmであることが好ましく、0.05〜2.0μmであることがより好ましい。
電荷発生層用塗布液中のフタロシアニン顔料とアゾ顔料の平均粒径は、メジアン径であり、遠心沈降式粒度分布測定装置CAPA−700(堀場製作所製)を用いて、以下の条件で測定した。なお、SAMP.DENS.には実際に電荷発生層用塗布液中に含有させるフタロシアニン顔料の比重(g/cm)とアゾ顔料の比重(g/cm)をこれらの質量比率に応じて入力した。たとえば、フタロシニン顔料が90質量%、アゾ顔料が10質量%であれば、フタロシアニン顔料の比重×0.9+アゾ顔料の比重×0.1となる。また試料濃度はDATA表示が0.90になるように調整した。
・電荷発生層塗布液中のフタロシアニン顔料とアゾ顔料の平均粒径の測定条件
溶剤:テトラヒドロフラン(THF)
DISP.VISC.:0.51mPa・s
DISP.DENS.:0.89g/cc
D(MAX):1.00μm
D(MIN):0.10μm
D(DIV):0.05μm
SPEED:5000rpm
電荷発生層上には電荷輸送層が形成される。
上述のとおり、電荷輸送層の形成は、電荷輸送物質を含有する電荷輸送層用塗布液を用いて行われる。具体的には、電荷輸送物質と必要に応じて樹脂とを溶剤に溶解させることによって調製された電荷輸送層用塗布液を電荷発生層上に塗布し、これを乾燥させることによって形成する。樹脂を用いる場合、電荷輸送物質だけを溶剤に溶解させた後、これに樹脂を加えてもよい。
電荷輸送物質としては、たとえば、トリアリールアミン系化合物、ヒドラゾン系化合物、スチルベン系化合物、ピラゾリン系化合物、オキサゾール系化合物、チアゾール系化合物、トリアリルメタン系化合物などが挙げられる。
樹脂としては、上述した各種樹脂を用いることができる。
電荷輸送層の膜厚は5〜50μmであることが好ましく、8〜40μmであることがより好ましい。
また、電荷輸送層上には、耐久性、転写性およびクリーニング性の向上を目的として、保護層を設けてもよい。
保護層は、樹脂を溶剤に溶解させることによって得られる保護層用塗布液を電荷輸送層上に塗布し、乾燥させることによって形成することができる。樹脂としては、たとえば、ポリビニルブチラール、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリアリレート、ポリウレタン、スチレン−ブタジエンコポリマー、スチレン−アクリル酸コポリマーおよびスチレン−アクリロニトリルコポリマーなどが挙げられる。
また、保護層に電荷輸送能を併せ持たせて第二の電荷輸送層としてもよい。電荷輸送能を持つ保護層は、電荷輸送能を有するモノマー材料や高分子型の電荷輸送物質を架橋反応により硬化させることによって形成することができる。硬化させる反応としては、ラジカル重合、イオン重合、熱重合、光重合、放射線重合(電子線重合)、プラズマCVD法、光CVD法などが挙げられる。
さらに、保護層中には、導電性粒子、紫外線吸収剤、耐摩耗性改良剤などを含有させてもよい。導電性粒子としては、酸化スズ粒子などの金属酸化物が好ましい。耐摩耗性改良剤としては、フッ素原子含有樹脂粒子、アルミナ粒子、シリカ粒子などが好ましい。
保護層の膜厚は0.5〜20μmであることが好ましく、1〜10μmであることがより好ましい。
これら各層の塗布方法としては、たとえば、浸漬塗布法(ディッピング法)、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ビードコーティング法、ブレードコーティング法およびビームコーティング法などが挙げられる。
図1に、本発明の製造方法で製造された電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成を示す。
図1において、1はドラム状の本発明の製造方法で製造された電子写真感光体であり、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度(プロセススピード)をもって回転駆動される。電子写真感光体1は、回転過程において、一次帯電手段3によりその周面に正または負の所定電位の均一帯電を受ける。次いで、スリット露光やレーザービーム走査露光などのイメージ露光手段(像露光手段、不図示)から出力される目的の画像情報の時系列電気デジタル画像信号に対応して強度変調された露光光4を受ける。こうして電子写真感光体1の周面に対し、目的の画像情報に対応した静電潜像が順次形成されていく。
形成された静電潜像は、次いで現像手段5内の荷電粒子(トナー)で正規現像または反転現像により可転写粒子像(トナー像)として顕画化される。次いで不図示の給紙部から電子写真感光体1と転写手段6との間に電子写真感光体1の回転と同期して取り出されて給送された転写材7に、電子写真感光体1の表面に形成担持されているトナー像が転写手段6により順次転写されていく。この時、転写手段にはバイアス電源(不図示)からトナーの保有電荷とは逆極性のバイアス電圧が印加される。
トナー画像の転写を受けた転写材7は、電子写真感光体面から分離されて像定着手段8へ搬送されてトナー像の定着処理を受けることにより画像形成物(プリント、コピー)として装置外へプリントアウトされる。
トナー像転写後の電子写真感光体1の表面は、クリーニング手段9によって転写残りトナーなどの付着物の除去を受けて清浄面化される。近年、クリーナレスシステムも研究され、転写残りトナーを直接、現像器などで回収することもできる。さらに、前露光手段(不図示)からの前露光光10により除電処理された後、繰り返し画像形成に使用される。
本発明においては、上述の電子写真感光体1、一次帯電手段3、現像手段5およびクリーニング手段9などから選択される構成要素のうち、複数のものを容器に納めてプロセスカートリッジとして一体に結合して構成してもよい。また、このプロセスカートリッジを複写機やレーザービームプリンターなどの電子写真装置本体に対して着脱自在に構成してもよい。たとえば、一次帯電手段3、現像手段5およびクリーニング手段9の少なくとも1つを電子写真感光体1とともに一体に支持してカートリッジ化して、装置本体のレールなどの案内手段12を用いて装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジ11とすることができる。
また電子写真装置が複写機やプリンターである場合には、原稿からの反射光や透過光、あるいは、センサーで原稿を読取り、信号化する。露光光4は、この信号にしたがって行われるレーザービームの走査、LEDアレイの駆動または液晶シャッターアレイの駆動などにより照射される光である。
本発明の製造方法で製造された電子写真感光体は、電子写真複写機に利用する。その他に、レーザービームプリンター、CRTプリンター、LEDプリンター、FAX、液晶プリンターおよびレーザー製版などの電子写真応用分野にも幅広く適用し得るものである。
以下に、具体的な実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例中の「%」および「部」は、それぞれ「質量%」および「質量部」を意味する。
(実施例1)
・支持体
支持体として、直径30mmのアルミニウムシリンダー(引き抜き管)を準備した。
・導電層(干渉縞防止層)用塗布液の調製
下記に示す材料を直径0.8mmのガラスビーズ125部を用いたサンドミル装置で2000pmで3時間分散した。
酸化スズで被覆した酸化チタン粉体(商品名:クロノスECT−62、チタン工業社製) 50部
レゾール型フェノール樹脂 25部
1−メトキシ−2−プロパノール 20部
球状シリコーン樹脂粉末(商品名:トスパール120、東芝シリコーン社製) 3.8部
メタノール 5部
シリコーンオイル(ポリジメチルシロキサン・ポリオキシアルキレン共重合体、平均分子量3000) 0.002部
分散終了後、ガラスビーズをメッシュ濾過により分離し、1−メトキシ−2−プロパノール:メタノール=1:1の混合液で固形分が55%になるように希釈した。なお、固形分は上述の固形分の測定と同様にした(以下同じ)。
このようにして、導電層用塗布液を調製した。
なお、この導電層用塗布液の調製や、後述の中間層用塗布液の調製および電荷発生層用塗布液の調製に用いたサンドミル装置は、以下のタイプのサンドミル装置を使用した。
ベッセル容積が900mlスケールのバッチ式縦型
デイスク枚数:5枚
冷却水温度:18℃に設定
・導電層(干渉縞防止層)の形成
上記導電層用塗布液を上記支持体上に浸漬塗布し、これを30分間140℃で乾燥させることによって、膜厚が15μmの導電層を形成した。
・中間層用塗布液の調製
N−メトキシメチル化6ナイロン樹脂(商品名:トレジンEF−30T、ナガセケムテックス社製、メトキシメチル化率:36.8%)20部
n−ブタノール180部
n−ブタノール180部にN−メトキシメチル化6ナイロン樹脂(商品名:トレジンEF−30T、ナガセケムテックス社製、メトキシメチル化率:36.8%)20部を65℃で加熱しながら溶解させた後、メンブランフィルター(FP−022、孔径0.22μm、住友電気工業社製)で濾過した溶液を、密閉容器中で5℃、5日間の環境で静置保管し、ゲル化したポリアミド樹脂を得た。
このゲル化したポリアミド樹脂160部、エタノール65部および下記構造式で示されるアゾ顔料(1)5.3部
Figure 0005196889
を、直径0.8mmのガラスビーズ506部を用いたサンドミル装置で1500rpm(分散回転数)で8時間分散した。
分散終了後、ガラスビーズをメッシュ濾過により分離し、エタノール:n−ブタノール=4:1の混合液で固形分が3.0%になるように希釈することによって中間層用塗布液を調製した。この中間層用塗布液中のアゾ顔料の平均粒径を上述の方法で測定した結果、0.09μmであった。
・中間層の形成
上記中間層用塗布液を上記導電層上に浸漬塗布し、これを10分間100℃で乾燥させることによって、膜厚が0.45μmの中間層を形成した。
・電荷発生層用塗布液の調製
下記構造式で示されるアゾ顔料(2)1.05部
Figure 0005196889
およびシクロヘキサノン60部を、直径0.8mmのガラスビーズ130部を用いたサンドミル装置で1800rpmで64時間分散した(前分散処理)。
次に、この分散液に、ポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業社製)を5質量%含むシクロヘキサノン溶液105.3部、および、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の7.5°、9.9°、16.3°、18.6°、25.1°および28.3°に強いピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン9.45部、ならびに、直径0.8mmのガラスビーズ376部を加え、1800rpmで2時間分散した(後分散処理)。後分散処理が終了したときの分散液中の固形分は13.5%であった。
その後、ガラスビーズをメッシュ濾過により分離し、シクロヘキサノン:酢酸エチル=1:2の混合液で固形分が1.8%になるように希釈することによって、電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液中のフタロシアニン顔料とアゾ顔料の平均粒径を上述の方法で測定した結果、0.08μmであった。
・電荷発生層の形成
上記電荷発生層用塗布液を上記中間層上に浸漬塗布し、これを10分間100℃で乾燥させることによって、膜厚が0.17μmの電荷発生層を形成した。
・電荷輸送層用塗布液の調製
電荷輸送物質としての下記構造式で示される化合物(1)7部
Figure 0005196889
およびポリカーボネート樹脂(商品名:ユーピロンZ200、三菱エンジニアリングプラスチックス社製)10部をモノクロロベンゼン70部に溶解させることによって、電荷輸送層用塗布液を調製した。
・電荷輸送層の形成
上記電荷輸送層用塗布液を上記電荷発生層上に浸漬塗布し、これを60分間120℃で乾燥させることによって、膜厚が20μmの電荷輸送層を形成した。
以上のようにして、電子写真感光体1を作製した。
・評価
作製した電子写真感光体1をキヤノン(株)製複写機GP−40の改造機(露光手段の光源を光量が可変な778nmの半導体レーザーにした。前露光手段の光源を光量が可変な赤色LEDにした。プロセススピードを可変なモーターに変更した。)に搭載し、耐久電位特性を評価した。
評価手法としては、上記複写機本体から現像器ユニットを取り外し、代わりに電位測定用プローブを現像位置に固定することにより、電位の測定を行った。なお、その際に転写ユニットは電子写真感光体に非接触とし、紙は非通紙とした。
まず、電子写真感光体1を上記複写機とともに、23℃/5%RHの常温超低湿環境下で3日間放置した後、同環境下で暗部電位(Vd)が−700Vになるように、明部電位(Vl)が−200Vになるように、前露光はその光量が−700Vの表面電位を−200Vに減衰するLED光量の3倍の光量になるように、プロセススピードは320mm/sになるように、帯電設定、像露光量、前露光量およびプロセススピードの調整をした。
その後、連続50000回転のVl耐久試験(全画面黒画像モード)を行った。5000回転目の明部電位の測定を行った結果、−211Vであった。この場合の初期と5000回転目のVl差(変動値)をΔVL=│−211│−│−200│=+11Vとする(以下同様)。
また、電子写真感光体1の外観上の欠陥(塗布欠陥)の有無について目視評価をした。なお、評価基準は、以下のとおりにした。
電子写真感光体の表面にポチが認められないもの:ポチなし
電子写真感光体の表面に1個〜2個のポチが認められるもの:ポチ少
電子写真感光体の表面に3個〜5個のポチが認められるもの:ポチ中
電子写真感光体の表面に6個以上のポチが認められるもの:ポチ多」とした。
評価の結果、電子写真感光体1は「ポチなし」であった。
(実施例2)
実施例1において、中間層用塗布液の調製におけるサンドミル装置での分散時間を8時間から16時間に変更した以外は、実施例1と同様にして中間層用塗布液を調製した。この中間層用塗布液中のアゾ顔料の平均粒径を測定した結果、0.07μmであった。この中間層用塗布液を用いて中間層を形成した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体2を作製し、評価した。
(実施例3)
実施例1において、中間層用塗布液の調製におけるサンドミル装置での分散回転数を1500rpmから1000rpmに変更した以外は、実施例1と同様にして中間層用塗布液を調製した。この中間層用塗布液中のアゾ顔料の平均粒径を測定した結果、0.14μmであった。この中間層用塗布液を用いて中間層を形成した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体3を作製し、評価した。
(実施例4)
実施例1において、中間層用塗布液の調製におけるサンドミル装置での分散時間を8時間から4時間に変更し、さらに分散回転数を1500rpmから800rpmに変更した以外は、実施例1と同様にして中間層用塗布液を調製した。この中間層用塗布液中のアゾ顔料の平均粒径を測定した結果、0.20μmであった。この中間層用塗布液を用いて中間層を形成した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体4を作製し、評価した。
(実施例5)
実施例1において、中間層用塗布液の調製におけるサンドミル装置での分散時間を8時間から2時間に変更し、さらに分散回転数を1500rpmから600rpmに変更した以外は、実施例1と同様にして中間層用塗布液を調製した。この中間層用塗布液中のアゾ顔料の平均粒径を測定した結果、0.30μmであった。この中間層用塗布液を用いて中間層を形成した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体5を作製し、評価した。
(実施例6)
実施例1において、中間層用塗布液の調製におけるサンドミル装置での分散時間を8時間から24時間に変更し、さらに分散回転数を1500rpmから1800rpmに変更した以外は、実施例1と同様にして中間層用塗布液を調製した。この中間層用塗布液中のアゾ顔料の平均粒径を測定した結果、0.06μmであった。この中間層用塗布液を用いて中間層を形成した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体6を作製し、評価した。
(実施例7)
実施例1において、電荷発生層用塗布液の調製における前分散処理でシクロヘキサノン60部から30部に変更し、さらに前分散時間を64時間から20時間に変更して前分散を行った以外は、実施例1と同様に前分散処理および後分散処理を行った。後分散処理が終了したときの分散液中の固形分は17.6%であった。その後、実施例1と同様にして電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液中のフタロシアニン顔料とアゾ顔料の平均粒径を測定した結果、0.09μmであった。この電荷発生層用塗布液を用いて電荷発生層を形成した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体7を作製し、評価した。
(実施例8)
実施例1において、電荷発生層用塗布液の調製における前分散処理でシクロヘキサノンを60部から45部に変更し、さらに前分散時間を64時間から20時間に変更して前分散を行った以外は、実施例1と同様に前分散処理および後分散処理を行った。後分散処理が終了したときの分散液中の固形分は14.2%であった。その後、実施例1と同様にして電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液中のフタロシアニン顔料とアゾ顔料の平均粒径を測定した結果、0.11μmであった。この電荷発生層用塗布液を用いて電荷発生層を形成した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体8を作製し、評価した。
(実施例9)
実施例1において、電荷発生層用塗布液の調製における前分散処理でシクロヘキサノンを60部から100部に変更し、さらに前分散時間を64時間から100時間に変更して前分散を行った以外は、実施例1と同様に前分散処理および後分散処理を行った。後分散処理が終了したときの分散液中の固形分は12.8%であった。その後、実施例1と同様にして電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液中のフタロシアニン顔料とアゾ顔料の平均粒径を測定した結果、0.06μmであった。この電荷発生層用塗布液を用いて電荷発生層を形成した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体9を作製し、評価した。
(実施例10)
実施例1において、電荷発生層用塗布液の調製における前分散処理でシクロヘキサノンを60部から100部に変更し、さらにポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業社製)を5質量%含むシクロヘキサノン溶液105.3部から同ポリビニルブチラール樹脂を10質量%含むシクロヘキサノン溶液52.5部に変更して後分散を行った以外は、実施例1と同様に前分散処理および後分散処理を行った。後分散処理が終了したときの分散液中の固形分は18.2%であった。その後、実施例1と同様にして電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液中のフタロシアニン顔料とアゾ顔料の平均粒径を測定した結果、0.12μmであった。この電荷発生層用塗布液を用いて電荷発生層を形成した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体10を作製し、評価した。
(実施例11)
実施例1において、電荷発生層用塗布液の調製における前分散処理でアゾ顔料(2)を1.05部から0.525部に変更して前分散を行い、さらにヒドロキシガリウムフタロシアニンを9.45部から9.975部に変更して後分散を行った以外は、実施例1と同様に前分散処理および後分散処理を行った。後分散処理が終了したときの分散液中の固形分は13.6%であった。その後、実施例1と同様にして電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液中のフタロシアニン顔料とアゾ顔料の平均粒径を測定した結果、0.12μmであった。この電荷発生層用塗布液を用いて電荷発生層を形成した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体11を作製し、評価した。
(実施例12)
実施例1において、電荷発生層用塗布液の調製における前分散処理でアゾ顔料(2)を1.05部から2.10部に変更して前分散を行い、さらにヒドロキシガリウムフタロシアニンを9.45部から8.40部に変更して後分散を行った以外は、実施例1と同様に前分散処理および後分散処理を行った。後分散処理が終了したときの分散液中の固形分は13.4%であった。その後、実施例1と同様にして電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液中のフタロシアニン顔料とアゾ顔料の平均粒径を測定した結果、0.07μmであった。この電荷発生層用塗布液を用いて電荷発生層を形成した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体12を作製し、評価した。
(実施例13)
実施例1において、電荷発生層用塗布液の調製における前分散処理でアゾ顔料(2)を1.05部から3.15部に変更して前分散を行い、さらにヒドロキシガリウムフタロシアニンを9.45部から7.35部に変更して後分散を行った以外は、実施例1と同様に前分散処理および後分散処理を行った。後分散処理が終了したときの分散液中の固形分は13.4%であった。その後、実施例1と同様にして電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液中のフタロシアニン顔料とアゾ顔料の平均粒径を測定した結果、0.06μmであった。この電荷発生層用塗布液を用いて電荷発生層を形成した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体13を作製し、評価した。
(実施例14)
実施例1において、中間層用塗布液の調製における前分散処理でアゾ顔料(1)5.3部から下記構造式で示されるアゾ顔料(3)5.3部
Figure 0005196889
に変更した以外は、実施例1と同様にして分散処理を行った。その後、実施例1と同様にして中間層用塗布液を調製した。この中間層用塗布液中のアゾ顔料の平均粒径を測定した結果、0.11μmであった。この中間層用塗布液を用いて中間層を形成した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体14を作製し、評価した。
(実施例15)
実施例1において、中間層用塗布液の調製における前分散処理でアゾ顔料(1)5.3部から下記構造式で示されるアゾ顔料(4)5.3部
Figure 0005196889
に変更した以外は、実施例1と同様にして分散処理を行った。その後、実施例1と同様にして中間層用塗布液を調製した。この中間層用塗布液中のアゾ顔料の平均粒径を測定した結果、0.12μmであった。この中間層用塗布液を用いて中間層を形成した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体15を作製し、評価した。
(実施例16)
実施例1において、電荷発生層用塗布液の調製における前分散処理でアゾ顔料(2)1.05部から下記構造式で示されるアゾ顔料(5)1.05部
Figure 0005196889
に変更して前分散を行い、さらにポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業社製)から下記構造式で示される繰り返し構造単位
Figure 0005196889
を有し、かつ、下記製造法で製造されたポリビニルアセタール樹脂(1)に変更して後分散を行った以外は、実施例1と同様に前分散処理および後分散処理を行った。後分散処理が終了したときの分散液中の固形分は13.7%であった。その後、実施例1と同様にして電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液中のフタロシアニン顔料とアゾ顔料の平均粒径を測定した結果、0.09μmであった。この電荷発生層用塗布液を用いて電荷発生層を形成した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体16を作製し、評価した。
・ポリビニルアセタール樹脂(1)の製造法
ポリビニルアルコール(商品名:ポバール1400、キシダ化学(株)製)3部および下記構造式で示されるアルデヒド化合物54部
Figure 0005196889
を、トルエン25部およびエタノール25部中で撹拌した中に、濃塩酸0.2部を滴下し、50℃に昇温させて5時間加熱撹拌を行った。反応物を水酸化ナトリウム0.4部を溶かしたメタノール1000部に撹拌下滴下し、析出物を濾取した。得られた濾物をトルエン100部およびアセトン100部に溶解させ、不溶分をひだ濾紙により除去後、メタノール2000部に撹拌下滴下し、析出物を濾取した。得られた濾物を再度トルエン/アセトン=1/1の混合溶液180部に溶解させた後、メタノール2000部に撹拌下滴下し、析出物を濾取し、ポリビニルアセタール樹脂(1)を7.4部得た。得られた樹脂のIRのデータを以下に示す。
IR(cm−1,KBr):3525,3025,2919,2859,1607,1507,1319,1272,1138,1056,814,714
(実施例17)
実施例1において、電荷発生層用塗布液の調製における後分散処理でヒドロキシガリウムフタロシアニン9.45部から特開平3−128973号公報に開示されている製造例にしたがって製造されたオキシチタニウムフタロシアニン9.45部へ変更して後分散を行った以外は、実施例1と同様に前分散処理および後分散処理を行った。後分散処理が終了したときの分散液中の固形分は13.9%であった。その後、実施例1と同様にして電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液中のフタロシアニン顔料とアゾ顔料の平均粒径を測定した結果、0.06μmであった。この電荷発生層用塗布液を用いて電荷発生層を形成した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体17を作製し、評価した。
(比較例1)
実施例1において、中間層用塗布液の調製におけるサンドミル装置での分散時間を8時間から1時間に変更し、さらに分散回転数を1500rpmから800rpmに変更した以外は、実施例1と同様にして中間層用塗布液を調製した。この中間層用塗布液中のアゾ顔料の平均粒径を測定した結果、0.33μmであった。この中間層用塗布液を用いて中間層を形成した以外は、実施例1と同様にして比較電子写真感光体1を作製し、評価した。
(比較例2)
以下に示すとおりに調製された中間層用塗布液を用いて中間層を形成した以外は、実施例1と同様にして比較電子写真感光体2を作製し、評価した。
・中間層用塗布液の調製
N−メトキシメチル化6ナイロン樹脂(商品名:トレジンEF−30T、ナガセケムテックス社製、メトキシメチル化率:36.8%)20部をメタノール180部に加熱溶解させ、メンブランフィルター(FP−022、孔径0.22μm、住友電気工業社製)で濾過した溶液を密閉容器中で23℃、5日間の環境で静置保管し、ポリアミド樹脂溶液を得た。
次に、このポリアミド樹脂溶液160部、ブタノール65部およびアゾ顔料(1)5.3部を、直径0.8mmのガラスビーズ506部を用いたサンドミル装置で1500rpmで8時間分散した。分散終了後、ガラスビーズをメッシュ濾過により分離し、メタノール:n−ブタノール=2:1の混合液で固形分が3.0%になるように希釈することによって、中間層用塗布液を調製した。この中間層用塗布液中のアゾ顔料の平均粒径を上述の方法で測定した結果、0.50μmであった。
(比較例3)
以下に示すとおりに調製された中間層用塗布液を用いて中間層を形成した以外は、実施例1と同様にして比較電子写真感光体3を作製し、評価した。
・中間層用塗布液の調製
N−メトキシメチル化6ナイロン樹脂(商品名:トレジンEF−30T、ナガセケムテックス社製、メトキシメチル化率:36.8%)3部を、メタノール65部/n−ブタノール32.5部の混合液に65℃で加熱溶解させ、メンブランフィルター(FP−022、孔径0.22μm、住友電気工業社製)で濾過することによって、アゾ顔料が含有されていないポリアミド樹脂溶液である中間層用塗布液を調製した。
(比較例4)
実施例1において、中間層用塗布液の調製におけるサンドミル装置での分散時間を8時間から60時間に変更し、さらに分散回転数を1500rpmから2000rpmに変更した以外は、実施例1と同様にして中間層用塗布液を調製した。この中間層用塗布液中のアゾ顔料の平均粒径を測定した結果、0.05μmであった。この中間層用塗布液を用いて中間層を形成した以外は、実施例1と同様にして比較電子写真感光体4を作製し、評価した。
(比較例5)
以下に示すとおりに調製された電荷発生層用塗布液を用いて電荷発生層を形成した以外は、実施例1と同様にして比較電子写真感光体5を作製し、評価した。
・電荷発生層用塗布液の調製
アゾ顔料(2)2.1部、上記ヒドロキシガリウムフタロシアニン18.9部およびポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業社製)を5質量%含むシクロヘキサノン溶液210部を、直径0.8mmのガラスビーズ506部を用いたサンドミル装置で1800rpmで4時間分散した(同時分散)。その後、ガラスビーズをメッシュ濾過により分離し、シクロヘキサノン:酢酸エチル=1:2の混合液で固形分が1.8%になるように希釈することによって、電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液中のフタロシアニン顔料とアゾ顔料の平均粒径を上述の方法で測定した結果、0.15μmであった。
(比較例6)
比較例5において、電荷発生層用塗布液の調製における分散処理でアゾ顔料(2)2.1部から下記構造式で示されるアゾ顔料(6)2.1部
Figure 0005196889
に変更した以外は、比較例5と同様にして分散を行った(同時分散)。その後、比較例5と同様にして電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液中のフタロシアニン顔料とアゾ顔料の平均粒径を測定した結果、0.18μmであった。この電荷発生層用塗布液を用いて電荷発生層を形成した以外は、比較例5と同様にして比較電子写真感光体6を作製し、評価した。
(比較例7)
比較例5において、電荷発生層用塗布液の調製における分散処理でアゾ顔料(2)2.1部を添加しないことに変更し、さらにヒドロキシガリウムフタロシアニンを18.9部から21部に変更した以外は、比較例5と同様にして分散を行った(同時分散)。その後、比較例5と同様にして電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液中のフタロシアニン顔料の平均粒径を測定した結果、0.35μmであった。この電荷発生層用塗布液を用いて電荷発生層を形成した以外は、比較例5と同様にして比較電子写真感光体7を作製し、評価した。
(比較例8)
実施例1において、電荷発生層用塗布液の調製における前分散処理でシクロヘキサノンを60部から100部に変更し、さらに前分散時間を64時間から100時間に変更し、さらに前分散と後分散の各分散回転数を1800rpmから2200rpmに変更した以外は、実施例1と同様にして前分散処理および後分散処理を行った。後分散処理が終了したときの分散液中の固形分は9.3%であった。その後、実施例1と同様にして電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液中のフタロシアニン顔料とアゾ顔料の平均粒径を測定した結果、0.05μmであった。この電荷発生層用塗布液を用いて電荷発生層を形成した以外は、実施例1と同様にして比較電子写真感光体8を作製し、評価した。
(比較例9)
実施例1において、電荷発生層用塗布液の調製における前分散処理でアゾ顔料(2)を1.05部から0.315部に変更して前分散を行い、さらにヒドロキシガリウムフタロシアニンを9.45部から10.185部に変更して後分散を行った以外は、実施例1と同様に前分散処理および後分散処理を行った。後分散処理が終了したときの分散液中の固形分は13.6%であった。その後、実施例1と同様にして電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液中のフタロシアニン顔料とアゾ顔料の平均粒径を測定した結果、0.17μmであった。この電荷発生層用塗布液を用いて電荷発生層を形成した以外は、実施例1と同様にして比較電子写真感光体9を作製し、評価した。
(比較例10)
実施例1において、電荷発生層用塗布液の調製における前分散処理でアゾ顔料(2)を1.05部から4.20部に変更して前分散を行い、さらにヒドロキシガリウムフタロシアニンを9.45部から6.30部に変更して後分散を行った以外は、実施例1と同様に前分散処理および後分散処理を行った。後分散処理が終了したときの分散液中の固形分は13.3%であった。その後、実施例1と同様にビーズ分離と希釈を行い、電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液中のフタロシアニン顔料とアゾ顔料の平均粒径を測定した結果、0.05μmであった。この電荷発生層用塗布液を用いて電荷発生層を形成した以外は、実施例1と同様にして比較電子写真感光体10を作製し、評価した。
(比較例11)
実施例1において、電荷発生層用塗布液の調製における前分散処理でアゾ顔料(2)1.05部からアゾ顔料(1)1.05部に変更して前分散を行った以外は、実施例1と同様にして後分散を行った。その後、実施例1と同様にビーズ分離と希釈を行い、電荷発生層用塗布液を調製した。後分散の分散固形分は13.6%であった。この電荷発生層用塗布液中のフタロシアニン顔料とアゾ顔料の平均粒径を測定した結果、0.25μmであった。この電荷発生層用塗布液を用いて電荷発生層を形成した以外は、実施例1と同様にして比較電子写真感光体11を作製し、評価した。
(比較例12)
以下に示すとおりに調製された中間層用塗布液を用いて中間層を形成した以外は、実施例1と同様にして比較電子写真感光体12を作製し、評価した。
・中間層用塗布液の調製
ナイロン6−66−610−12四元ナイロン共重合体樹脂(商品名:CM8000、東レ社製)20部をメタノール180部に65℃で加熱溶解させ、メンブランフィルター(FP−022、孔径0.22μm、住友電気工業社製)で濾過した溶液を密閉容器中で23℃、5日間の環境で静置保管し、ポリアミド樹脂溶液を得た。
次に、上記ポリアミド樹脂溶液160部、ブタノール65部およびアゾ顔料(1)5.3部を、直径0.8mmのガラスビーズ506部を用いたサンドミル装置で1500rpmで8時間分散した。分散終了後、ガラスビーズをメッシュ濾過により分離し、メタノール:n−ブタノール=2:1の混合液で固形分が3.0%になるように希釈することによって、中間層用塗布液を調製した。この中間層用塗布液中のアゾ顔料の平均粒径を上述の方法で測定した結果、0.75μmであった。
以上の結果を表1に示す。
Figure 0005196889
表1中、中間層用塗布液のCAPA(μm)は、中間層用塗布液中のアゾ顔料の平均粒径(μm)を意味する。また、電荷発生層用塗布液のCAPA(μm)は、電荷発生層用塗布液中のフタロシアニン顔料とアゾ顔料の平均粒径(μm)を意味する。
表1より、中間層用塗布液中のアゾ顔料の平均粒径と電荷発生層用塗布液中のフタロシアニン顔料とアゾ顔料の平均粒径をそれぞれ所定の範囲にすることにより、低湿環境下における連続プリント時の初期の急激な明部電位の変動を抑制することができる。その結果、出力画像の濃度ムラや色味ムラを抑制することができる。また同時に、電子写真感光体の外観上におけるポチの目視評価も「ポチなし」あるいは「ポチ少」であり、良好であるのがわかる。
(実施例18)
実施例1と同様にして電荷発生層まで形成した。
・電荷輸送層用塗布液の調製
電荷輸送物質として、下記構造式で示される構造を有する化合物(2)5部、
Figure 0005196889
下記構造式で示される構造を有する化合物(3)5部、
Figure 0005196889
および、ポリカーボネート樹脂(ユーピロンZ−400、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製)10部を、モノクロルベンゼン70部に溶解させることによって、電荷輸送層用溶液を調製した。
・電荷輸送層の形成
上記電荷輸送層用塗布液を電荷発生層上に浸漬塗布し、これを30分間100℃で乾燥させることによって、膜厚が18μmの電荷輸送層を形成した。
・保護層(第二電荷輸送層)用塗布液の調製
電荷輸送物質として下記構造式で示される化合物(4)36部、
Figure 0005196889
および、ポリテトラフルオロエチレン樹脂粒子(ルブロンL−2、ダイキン工業(株)製)4部をn−プロピルアルコール60部に混合した後に超高圧分散機にて分散混合し、保護層(第二電荷輸送層)用塗布液を調製した。
・保護層(第二電荷輸送層)の形成
上記保護層(第二電荷輸送層)用塗布液を上記電荷輸送層上に塗布した後、これに窒素中において加速電圧60kV、線量0.8Mradの条件で電子線を照射した後、引き続いて電子写真感光体の温度が150℃になる条件で5分間加熱処理を行った。このときの酸素濃度は20ppmであった。さらに、電子写真感光体を大気中で120℃で1時間後処理を行って、膜厚が5μmの保護層を形成した。
このようにして、表面層が保護層(第二電荷輸送層)である電子写真感光体18を作製した。
・評価
実施例1と同様にして常温超低湿環境下での初期と5000回転目のVl差(変動値)を測定した結果、ΔVL=+6Vであった。その後、200000回転のVl耐久試験を実施した後、1週間後に再び初期と5000回転目のVl差(変動値)を測定した結果、ΔVL=+14Vであった。一連の評価はすべて常温超低湿環境下で行い、Vl耐久試験中も前露光はON状態で実施した。
(比較例13)
比較例7と同様にして電荷発生層まで形成し、次に、電荷輸送層と保護層は実施例18と同様にして形成することによって、比較電子写真感光体13を作製した。
実施例18と同様にして常温超低湿環境下での初期と5000回転目のVl差(変動値)を測定した結果、ΔVL=+15Vであった。その後200000回転のVl耐久試験を実施した後、1週間後に再び初期と5000回転目のVl差(変動値)を測定した結果、ΔVL=+30Vであった。一連の評価はすべて常温超低湿環境下で行い、Vl耐久試験中も前露光はON状態で実施した。
実施例18は比較例13に比べて、200000回転のVl耐久試験後においても低湿環境下における連続プリント時の初期の急激な明部電位の変動の低減効果を維持していることがわかる。
本発明の製造方法で製造された電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の一例を示す図である。
符号の説明
1 電子写真感光体
2 軸
3 帯電手段
4 露光光
5 現像手段
6 転写手段
7 転写材
8 定着手段
9 クリーニング手段
10 前露光光
11 プロセスカートリッジ
12 案内手段

Claims (7)

  1. アゾ顔料、ゲル化したポリアミド樹脂アルコール溶剤に分散させた中間層用塗布液を用いて支持体上に中間層を形成する工程、
    フタロシアニン顔料、アゾ顔料、樹脂および溶剤を含有する電荷発生層用塗布液を用いて該中間層上に電荷発生層を形成する工程、および
    電荷輸送物質を含有する電荷輸送層用塗布液を用いて該電荷発生層上に電荷輸送層を形成する工程
    を有する電子写真感光体の製造方法であって、
    該中間層用塗布液に含有されるアゾ顔料の平均粒径が0.06〜0.30μmであり、該電荷発生層用塗布液に含有されるフタロシアニン顔料とアゾ顔料の平均粒径が0.06〜0.12μmであり、
    該電荷発生層用塗布液に含有されるフタロシアニン顔料の質量が該電荷発生層用塗布液に含有される顔料全質量に対して50質量%超であって、かつ、該電荷発生層用塗布液に含有されるアゾ顔料の質量が該電荷発生層用塗布液に含有される顔料全質量に対して50質量%未満である
    ことを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
  2. 前記中間層用塗布液に含有されるアゾ顔料の平均粒径が0.07〜0.20μmであり、かつ、前記電荷発生層用塗布液に含有されるフタロシアニン顔料とアゾ顔料の平均粒径が0.07〜0.11μmである請求項1に記載の電子写真感光体の製造方法。
  3. 前記ゲル化したポリアミド樹脂がN−メトキシメチル化ナイロンである請求項1または2に記載の電子写真感光体の製造方法。
  4. 前記電荷発生層用塗布液に含有されるフタロシアニン顔料の質量(a)とアゾ顔料の質量(b)との比率(a/b)が80/20〜95/5である請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子写真感光体の製造方法。
  5. 前記電荷発生層用塗布液が、アゾ顔料と溶剤とを前分散処理した後、これに樹脂を溶解させてなる溶液とフタロシアニン顔料とを加えてさらに後分散処理することによって得られた分散液である請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子写真感光体の製造方法。
  6. 前記後分散処理が終了したときの分散液中の固形分が分散液全質量に対して13〜18質量%である請求項5に記載の電子写真感光体の製造方法。
  7. 前記電荷発生層用塗布液に含有される樹脂が、下記式構造式で示される繰り返し構造単位を有するポリビニルアセタール樹脂である請求項1〜6のいずれか1項に記載の電子写真感光体の製造方法。
    Figure 0005196889
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