JP2008237996A - 微細気泡発生装置及びそれを用いた洗浄装置、シャワリング装置、生簀 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】気体供給部と、気液混合流体を圧送する圧送部と、溶解部と、液体流体を導出させるノズル部と、を備えた微細気泡発生装置であって、ノズル部は、少なくとも一方の端部が開口された円筒空間部及び当該円筒空間部の内周面に通じる流体導入路を備えた筐体と、筐体の円筒空間部内に配置され、少なくとも円筒空間部の開口方向と一致する方向の端部が開口された円筒空間部及び当該円筒空間部の周壁に開口する孔部を備えた円筒部材と、を備え、孔部は流路断面積を小さくさせるとともに、気体が溶解させられた液体流体は、孔部を通過することにより旋回流となってノズル部から導出されることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
また、微細気泡の直径にばらつきがあると、直径の異なる気泡同士が合体したりするおそれがある。これは、同一の発生方法で生成された同じくらいの直径の気泡であれば、気泡の周囲の電位は等しく、かつ、均一な状態になるため、互いに反発しあい、合体することがない一方で、直径が異なる気泡同士は電位も異なり不均一であるため、合体しやすいことによるものである。
そのため、微細気泡による浄化、殺菌、消毒等の効果発現を向上させるためには、発生する気泡の直径のばらつきを抑え、かつ、直径の大きな気泡の含有量を減らすことが望まれている。
すなわち、本発明は、直径のばらつきが抑えられた微細気泡を安定して発生させることができる微細気泡発生装置を提供することを目的とする。また、本発明の別の目的は、直径のばらつきの少ない微細気泡を含有する液体流体を利用し、効率的に浄化、殺菌等を行うことができる洗浄装置、シャワリング装置及び水槽を提供することである。
なお、それぞれの図中、同じ符号を付してあるものについては同一の部材を示しており、適宜説明が省略されている。
本発明にかかる第1の実施の形態は、流路を流れる液体流体中に気体を供給する気体供給部と、気体が混合された気液混合流体を圧送する圧送部と、気体を液体流体中に溶解させる溶解部と、気体が溶解させられた液体流体を導出させるノズル部とを備えた微細気泡発生装置である。
図1は、本実施形態にかかる微細気泡発生装置100の構成を概略的に表した図を示している。
この微細気泡発生装置100は、液体流体を収容する槽101と、槽101内の液体流体を吸い上げて圧送するポンプ103と、ポンプ103によって圧送された液体流体が流入する溶解タンク105と、圧送される液体流体を槽101内に導出する旋回流生成ノズル10とを備え、それぞれの間は液体流路107a〜107eによって接続されている。このうち旋回流生成ノズル10には、流路断面積が小さくされる孔部(図4中の23)が設けられており、ポンプ103と旋回流生成ノズル10との間の液体流路107c〜107eが高圧になるようにされている。また、ポンプ103の上流側の液体流路107bには、液体流体中に気体を供給するための気体供給装置120が接続されている。
さらに、プレパージタンク115は、気体供給装置120から供給される気体が混合される前の段階で、液体流体中の気体を除去するためのタンクであり、このプレパージタンク115には後述する循環流路109が接続されている。このプレパージタンク115には、液体流体の種類に応じて加熱手段又は冷却手段(図示せず)を取り付けることができ、気体の除去効率を高めることができる。
また、三方向弁117の取り付け位置を旋回流生成ノズル10に限りなく近づけることにより、旋回流生成ノズル内に初期の段階で滞留する気体量を減らすことができる。
これ以外に、適宜の箇所に温度検出手段を取り付け、検出される温度信号をも考慮してポンプや各電磁弁の制御を行うようにすることもできる。
気体供給装置120は、液体流体に混合する気体を発生させる気体発生装置123と、発生させた気体を減圧する減圧弁125と、液体流体中に供給する気体量を調節するための電磁弁127と、気体を冷却するための冷却装置129とを備えており、気体流路121で接続されている。
このうち、気体発生装置123は、例えば、公知の酸素発生装置やオゾン発生装置であり、微細気泡発生装置100で生成される微細気泡を含有する液体の用途に応じて、適宜選択することができる。浄化、殺菌、消毒効果を高めるためには、酸素発生装置やオゾン発生装置を備えることが有効である。また、複数の気体発生装置を同時に併用することもできる。液体流体中に混合する気体として空気を用いる場合には、気体発生装置123としてコンプレッサを用いるか、あるいは、空気取込部から大気を取り込むことができるように構成される。
また、冷却装置129は、液体流体中に供給する気体を冷却するために用いられ、液体流体中への気体の溶解効率が高められるようになっている。なお、この気体の冷却装置129は、使用環境、使用条件によって省略することが可能である。
溶解タンク105は、ポンプ103と旋回流生成ノズル10との間で高圧化された液体流体を保持し、気体が混合された液体流体中の気体を溶解させる箇所として備えられている。
また、この溶解タンク105は、例えば、図3に示すように、下方に向けて断面積が小さくされたテーパ状の容器本体81と、配置方向が中心からずらされて容器本体81の上部壁面に設けられた液体流体の導入口83と、容器本体81の底部に設けられた液体流体の流出口85とを備えた構成とすることができる。この溶解タンク105は、いわゆるサイクロン方式を利用したものであり、溶解タンク105内を移動する液体流体は旋回させられるため、混合された気体の溶解効率を著しく高めることができるようになっている。
このように溶解効率を高めるためには、溶解タンク内の壁面の一部に衝突板を設けたり、あるいは、容器本体の水平断面形状を矩形にした領域を設けたりすることによって、液体流体の衝突箇所を形成することもできる。
なお、液体流体の流れ方向が、下部から上部にかけて旋回しながら流れるようにしてもよい。
これ以外にも、気体排出通路108を槽101やプレパージタンク115に接続することによっても、装置外への水漏れを防ぐことができる。
図4は、本実施形態の微細気泡発生装置に備えられた旋回流生成ノズルの構成例を示している。図4(a)は旋回流生成ノズル10の斜視図であり、図4(b)は旋回流生成ノズル10を軸方向に沿って切断した断面図であり、図4(c)は孔部23が形成された位置で旋回流生成ノズル10を軸方向と直交する方向に沿って切断した断面図である。また、図4の旋回流生成ノズル10を構成する筐体11及び円筒部材21をそれぞれ図5及び図6に示す。
この図4の例では、円筒部材21の孔部23の配置位置よりも、導出方向に寄った位置に流体導入路11bが設けられているが、特に限定されるものではなく、使用する液体流体、生成する微細気泡の使用目的、装置の使用環境等に応じて適宜選択することができる。
このように本実施形態の旋回流生成ノズル10では、本体部13の円筒空間部11a内に円筒部材21が挿入され、一方の端部側に装着された蓋部12の開口部15及び本体部13内部の凹部16によって、円筒部材21が保持、固定されている。
ただし、導入する液体流体の組成が変わることを防止したり、効率的に高速旋回流を発生させたりするためには、導入する液体流体との濡れ性や発生させる旋回流の程度を考慮し、さらに、液体流体や溶解した気体成分と反応しにくい材料を選択して用いることが好ましい。
例えば、それぞれの部材の表面を所定の材料を用いてコーティングすることにより、容易に表面粗さを均一化することができる。ただし、コーティングを施す場合においても、導入する液体流体との濡れ性や、発生させる旋回流の程度を考慮し、さらに、液体流体や溶解した気体成分と反応しにくい材料を選択することが好ましい。
例えば、一方側の端部のみを開口して構成した場合には、他方側の端部に装着される蓋部に、別途気体の導入口を設けることができる。逆に、両側の端部を開口して構成した場合には、液体流体の流出方向を二方向に分散させることができるとともに、液体流体の処理効率を向上させることができる。
一方、孔部を複数備えている場合においても、筐体の流体導入路から導入された液体流体が、円筒部材に複数箇所から流入し、所定時間継続して液体流体を流し込むことによって所定の流れが形成され、旋回流を発生させることができる。
ただし、孔部の数は、合計面積が、ポンプと旋回流生成ノズルとの間の液体流路内を高圧状態に維持できる程度になるように設定する必要がある。
ただし、孔部の大きさは、設ける数と同様に、合計面積がポンプと旋回流生成ノズルとの間の液体流路内を高圧状態に維持できる程度になるように設定する必要がある。
気相発生領域Lの長さが長くなるにつれて、例えば、生じる微細気泡に対して静電摩擦を与える時間を長くすることができる。すなわち、微細気泡含有液を用いた浄化作用等に最適化されるように、静電摩擦を与える時間を調整することができる。
以下、図1に示す微細気泡発生装置10の動作の一例について説明する。
まず、溶解タンク101と旋回流生成ノズル10との間の三方向弁117のうち、旋回流生成ノズル10側を閉じる一方、循環流路109側を開いておく。この状態でポンプ103を作動させることによって、槽101内に貯留された液体流体が圧送されて、循環流路109側に供給される。このとき槽101内から吸い上げられる液体流体中の異物はフィルタ111によって捕集されるとともに、プレパージタンク115内で気体成分が除去される。また、吸い上げられる液体流体の流量は、ポンプ103の出力及びフィルタ111の下流側の電磁弁113によって調節されている。
本発明にかかる第2の実施の形態は、第1の実施の形態で説明した微細気泡発生装置において、旋回流生成ノズルにおける流体の導出口とは反対側の端部に気体導入口を設けた構成の微細気泡発生装置である。
本実施形態の微細気泡発生装置の構成要素のうち、旋回流生成ノズル以外は、第1の実施の形態と同様の構成とすることができるために、ここでの説明は省略する。
本実施形態では、旋回流生成ノズル160の筐体161における、微細気泡を含有する液体流体の導出口163とは反対側の端部の中央に気体導入口165が形成されており、この気体導入口165には、気体導入管167が接続されている。この気体導入管167の他方の端部は気体発生装置170に接続されるとともに、気体導入管167の途中には逆止弁169が備えられている。
本発明にかかる第3の実施の形態は、第1の実施の形態で説明した微細気泡発生装置を利用した洗浄装置であって、食品加工現場や病院等、高度な衛生管理が求められるような環境下で用いられる手洗い装置を例にとって説明する。
図14に示す手洗い装置170は、手洗い台171と微細気泡発生装置100とから構成されている。本実施形態では、微細気泡発生装置100には酸素発生装置及びオゾン発生装置が備えられており、基本的な構成は第1の実施の形態で説明した構成と同様であるため、詳細な説明は省略する。
ただし、一般の洗浄装置として用いるのであれば、図15に示すように、シンク173の排水口178から排水された微細気泡含有水が再び槽101内に戻されるように構成することもできる。
さらに、効果的に殺菌、消毒される本実施形態の手洗い装置であれば、微細気泡含有水供給口を節水ノズルとして構成することもできる。
本発明にかかる第4の実施の形態は、第1の実施の形態で説明した微細気泡発生装置100を利用したシャワリング装置190であって、美容院等で洗髪時などに用いられるシャワリング装置を例にとって説明する。
図18に示すシャワリング装置190は、洗髪台191と微細気泡発生装置100とから構成されている。本実施形態では、微細気泡発生装置100にはコンプレッサを備えており、空気を利用した微細気泡が生成されるようになっているが、コンプレッサを用いずに大気を直接取込んでもよいし、酸素発生装置を用いた構成としてもよい。微細気泡発生装置の基本的な構成は第1の実施の形態で説明した構成と同様であるため、詳細な説明は省略する。
なお、本実施形態のシャワリング装置は、第1の実施の形態の微細気泡発生装置100を用いた例であるが、この代わりに、第2の実施の形態の微細気泡発生装置150を採用しても構わない。
また、微細気泡発生装置100にシャワーノズルを取り付けたのみの構成とし、洗髪台については、従来使用している洗面化粧台をそのまま用いることもできる。
本発明にかかる第5の実施の形態は、第2の実施の形態で説明した微細気泡発生装置150を利用した生簀(水槽)200である。
図19に示す生簀200は、生簀本体201と微細気泡発生装置150とから構成されている。生簀本体201は、魚介類を収容するに十分な容量を持った第1の槽201aと、仕切りを隔てて区切られた第2の槽201bとからなっている。また、本実施形態では、微細気泡発生装置150には酸素発生装置を備えており、基本的な構成は第2の実施の形態で説明した構成と同様であるため、詳細な説明は省略する。
Claims (11)
- 流路を流れる液体流体中に気体を供給する気体供給部と、前記気体が混合された気液混合流体を圧送する圧送部と、前記気体を前記液体流体中に溶解させる溶解部と、前記気体が溶解させられた前記液体流体を導出させるノズル部と、を備えた微細気泡発生装置であって、
前記ノズル部は、少なくとも一方の端部が開口された円筒空間部及び当該円筒空間部の内周面に通じる流体導入路を備えた筐体と、前記筐体の前記円筒空間部内に配置され、少なくとも前記円筒空間部の開口方向と一致する方向の端部が開口された円筒空間部及び当該円筒空間部の周壁に開口する孔部を備えた円筒部材と、を備え、
前記孔部は流路断面積を小さくさせるとともに、前記気体が溶解させられた前記液体流体は、前記孔部を通過することにより旋回流となって前記ノズル部から導出されることを特徴とする微細気泡発生装置。 - 前記孔部の配設方向を、前記円筒部材の軸心からずらすことを特徴とする請求項1に記載の微細気泡発生装置。
- 前記孔部の配設方向を、前記液体流体の導出方向に向けて傾斜させることを特徴とする請求項1又は2に記載の微細気泡発生装置。
- 前記圧送部と前記ノズル部との間に三方向弁を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の微細気泡発生装置。
- 前記溶解部に、前記気液混合流体を旋回させるための旋回部を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の微細気泡発生装置。
- 前記液体流体中に供給される気体を冷却するための冷却部を備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の微細気泡発生装置。
- 前記溶解部は溶解タンクであり、前記溶解タンクは前記液体流体中に溶解していない前記気体を前記溶解タンク外に排出するためのリリーフ弁を備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の微細気泡発生装置。
- 前記気体供給部は、酸素発生部又はオゾン発生部、空気取込部のうちの少なくとも一つを備えることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の微細気泡発生装置。
- 請求項1〜8のいずれか一項に記載の微細気泡発生装置を備えることを特徴とする洗浄装置。
- 請求項1〜8のいずれか一項に記載の微細気泡発生装置を備えることを特徴とするシャワリング装置。
- 請求項1〜8のいずれか一項に記載の微細気泡発生装置を備えることを特徴とする生簀。
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