JP6182715B2 - 液体処理ノズル、それを用いた液体処理方法、ガス溶解方法及びガス溶解装置 - Google Patents

液体処理ノズル、それを用いた液体処理方法、ガス溶解方法及びガス溶解装置 Download PDF

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    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
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    • B01F5/00Flow mixers; Mixers for falling materials, e.g. solid particles
    • B01F5/06Mixers in which the components are pressed together through slits, orifices, or screens; Static mixers; Mixers of the fractal type

Description

この発明は液体処理ノズル、特に、微細気泡の効率的発生やガス溶解能力に優れた液体処理ノズルに関し、また、それを用いて実現される液体処理方法、ガス溶解方法及びガス溶解装置に関するものである。
近年、マイクロバブル(ファインバブル)あるいはナノバブル(ウルトラファインバブル)と称される微細気泡が多くの用途に応用され、種々の気泡発生機構が提案されている。特許文献1に開示された二相流旋回方式のものは、外気を旋回流に巻き込んで強制粉砕することにより微細化を図るものであるが、気泡径が1μm未満となるナノバブルの発生効率が悪い欠点がある。
一方、水の流路にベンチュリやオリフィスにより絞り孔を設け、水が高流速化して通過する際のベルヌーイの定理に由来して生ずる減圧効果により、溶存空気を微細気泡として析出させる、いわゆるキャビテーション方式による微細気泡発生機構も種々提案されている(特許文献2〜10)。特に、特許文献6〜10に開示された方式は、絞り孔の途中にねじ部材を配置し、そのねじ谷、あるいは対向するねじ部材間に形成されたギャップにて水流のさらなる高速化を図るものであり、キャビテーション効率を向上させてより高密度にナノバブルを発生することができる。特許文献6及び7においては、ナノ領域の気泡が実際に得られることがレーザー回折式粒度計などを用いた気泡測定により示されている。
また、ねじ部材で形成された衝突部を水流が通過する際に、流れ迂回に基づいて発生するガルマン渦と、キャビテーションによる減圧沸騰現象とにより水流は激しく撹拌される。そこで、水流に空気やオゾンなどのガスを混合して混相流とした状態でノズルに供給すると、ねじ部材が作る強撹拌域にガスが巻き込まれ、効率よくこれを溶解できる。また、溶存しきれなかったガス相も撹拌流で微細化し、ナノバブルの形で溶存ガスとともに共存させることができる。このようなガス溶解方式については、特許文献8及び特許文献10に開示されている。
特許文献7においてすでに言及されているごとく、特許文献2〜5の機構は絞り孔が1か所設けられているのみなので、絞り孔通過時の流通抵抗が上昇し、孔内壁面からラジアル方向の背圧も受けやすい。その結果、水流量が極度に減少しやすく、たとえばシャワーなどに適用しようとした場合に水量感や洗浄力の不足を招きやすい。特に洗浄力の不足は、極度の断面縮小に伴う流体抵抗により、ねじ部を通過するときに流速が頭打ちになるので、それに由来したキャビテーション効果の不足ひいては微細気泡の発生量不足も、大いに関係するものと考えられる。
この点に鑑みれば、特許文献6に開示の機構も絞り孔が1か所のみであってまったく事情は同じである。また、特許文献7には特許文献2〜4の課題を解決したと称するノズルが開示されているが、つまるところ絞り孔内部に3本以上のねじを配置して、その分絞り孔の内径を拡大することにより、流量増加とキャビテーション効率の向上を図ろうとするものであって、絞り孔の個数が1個である点に何ら変わりはない。その結果、通常の圧力で十分なキャビテーションを起こすに足る流速を、絞り孔内に確保しようとすれば、絞り孔の内径もある程度小さくせざるを得ず、断面積不足による流量低下はいずれにしても解決されないし、断面径のみを増やせば、流量や流速は上がっても流量あたりに配分されるねじ谷の数が減るのでキャビテーション効果が低下するというジレンマが避けがたい。
こうした問題を解決するために、図39に示すように、上記特許文献に開示された単一の絞り孔を有するノズル601を分岐継手602等により複数並列に接続し、ノズルユニット600を形成する方法がある。このようにすると、ノズル601の絞り孔内径を、流速確保を優先して小さく設定した場合も、ノズル1本あたりの流量は小さくなるが、ユニット600全体ではキャビテーション効果を犠牲にすることなく十分な流量が確保できるようになる、と考えられる。
特開2008−229516号公報 特開2008− 73432号公報 特開2007−209509号公報 特開2007− 50341号公報 特開2006−116518号公報 WO2010/055702号公報 WO2013/012069号公報 特開2011−240206号公報 WO2013/011570号公報 特開2013−215421公報 特開2008−290051公報 特開2011−245472号公報
しかしながら、本発明者らが詳細に検討を行ったところ、図39に示すようなユニット600においては、流量は確かに確保しやすくなるものの、微細気泡の発生効率は必ずしも十分ではないことがわかった。これは、例えば洗髪したときの洗浄力や体感(特に髪の保湿性など)が不足しやすいことにもつながるが、こうした問題は、特に、ユニットに給水する際の水圧が不足している場合に起きやすい。また、本発明者らがさらに検討したところ、ユニットを床置きのボックス内に縦向きに組み込み、これにシャワーホースをつないで使用した場合と、シャワーホースの中間にぶら下がり形態でつないで使用した場合とで、微細気泡の発生効率ひいては体感等に大きな差が生じやすいことが判明した。具体的には、ユニットを床置きのボックス内に縦に固定して使用した場合は、微細気泡の発生効率は比較的良好であるが、シャワーホースの中間につないで使用した場合は微細気泡の発生効率が悪化しやすく、保湿や洗浄の体感においても不足を感じやすいと、多くの使用者が述べていることがわかった。
このことの原因は、図39において、継手602において分岐した流れが、各ノズル601,601の絞り部に対し、互いに分離した長い流路を経て到達する構造になっているため、流れがどちらかのノズル601に偏る、いわゆる編流現象が起きやすくなっているためであると考えられる。特に、シャワーホースの中間につないで使用する場合等では、ホースの中間にぶら下がったユニット600は空間での姿勢が不安定であり、一方のノズル601が他方のノズル601よりも少しでも下方に位置する状態になると、重力の影響を受けて流れが下方ノズル601に偏りやすくなる。
また、こうした編流現象は分岐した流路の長さが大きくなるほど、また、絞り部の区間長が長くなるほど起きやすくなる。特に、図39のユニット600では、分岐継手602へのノズル両端の接続部が長いことも相まって、ねじが取り付けられている絞り部の区間長に対し、各ノズル601を含む分岐流路の全長は、その15倍前後と非常に長くなっており、偏流が極めて起きやすくなっているものと考えられる。
一般に多分岐配管系で偏流を防止するためには、個々の分岐配管に十分な流体圧が付加できるよう流体の供給圧を十分に高める必要がある。しかし、圧変動が生じやすく、地域によっては水圧不足も懸念される水道を使用する場合、ブースターポンプを導入しない限り対策の方法は極めて限られている。また、分岐流路の長さが大きい場合、水圧が不足すると、たとえユニット600を縦に固定して使用しても、重力以外の要因(例えば、圧力の瞬時的な低下や、よどみ、乱流といった分岐継手内での流れ不均一化、継手やノズル内面の平滑度ばらつきなど)により偏流は容易に発生しうる。そして、一旦生じた偏流状態は、水圧が相当の高レベルで復帰しない限りは、容易には解消されないのである。
本発明の課題は、キャビテーションを生じさせるための衝突部を設けた絞り部を有しつつも、比較的低い流体圧で十分な流量を確保でき、かつ偏流の影響を解消して十分なキャビテーション効果、ひいてはそれによる微細気泡発生効果ないしガス溶解効率を引き出すことができる液体処理ノズルと、それを用いた液体処理方法、ガス溶解方法及びガス溶解装置を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明の液体処理ノズルは、液体流路が形成されたノズル本体と、液体流路を液体入口側の流入室と液体出口側の流出室とに区画する隔壁部と、隔壁部に貫通形成され流入室と流出室とを互いに別経路にて連通させる複数の絞り孔と、絞り孔の内面から各々突出するとともに外周面に周方向の山部と高流速部となる谷部とが複数交互に連なるように形成された衝突部とからなる処理コア部とを備え、液体流路にガスが溶存した液体を供給し衝突部に液体を衝突させることにより、該液体が谷部内にて増速するときの減圧沸騰作用により微細気泡を生じさせるようにする。そして、絞り孔は、それら絞り孔の軸断面積の合計と等価な円の直径をde、絞り孔の長さをLとして、L/deにて定義される絞り孔アスペクト比が3.5以下に設定され、ノズル本体の軸線と直交する平面への投影において、隔壁部の投影領域の中心位置に定められた基準点から複数の前記絞り孔の内周縁までの距離Tが該絞り孔の内径dよりも小さくなる程度に近接配置されてなることを特徴とする。
また、本発明の液体処理方法は、上記本発明の液体処理ノズルの液体入口に液体を供給し、該液体を衝突部に接触させて液体出口から流出させることを特徴とする。
上記本発明によると、ノズル本体において液体の流れは、衝突部に衝突してその下流に迂回する際に、谷部内にて絞られることにより増速して激しいキャビテーションを起こし、その減圧沸騰作用により気泡を生じつつ液体を激しく撹拌する。これに、衝突部を高速流が迂回する際に生ずる渦流も加わり、衝突部の周辺及び直下流域には非常に顕著な撹拌領域が形成されることとなる。気泡を析出する減圧域は衝突部周囲の谷底付近に限られており、高速の液体流はほとんど瞬時的に該領域を通過してしまうから、発生した気泡はそれほど成長せずに上記の撹拌領域に巻き込まれ、微細気泡が効率的に発生することとなる。
そして、本発明の液体処理ノズルにおいては、ノズル本体の液体流路の中間に隔壁部を形成し、隔壁部に複数個の絞り孔を設け、山部と谷部とを交互に形成した衝突部、すなわち、谷部を高流速部としてキャビテーションを発生させるための衝突部を各絞り孔内に突出配置する。つまり、図39のユニット600では絞り部前後の流路が複数のノズルとして独立配置されていた構造を、1個のノズルの隔壁部に複数の絞り部を形成し、その前後の流路区間を、該隔壁部が区画する流入室ないし流出室に集約して、それら複数の絞り部により共有化させる構造に改めるのである。これにより、流路が複数系統に分岐する区間は隔壁部に形成された絞り孔のみに短縮することができ、分岐流路が長くなることに由来した偏流発生の防止に大きく貢献する。しかし、単にこの構造を採用するだけでは偏流防止を十分に果たすことはできない。その理由は以下の通りである。
・隔壁部の厚みが大きくなり断面積の小さい絞り孔自体の長さが増すと、その前後の区間が流入室ないし流出室として集約されていたとしても、偏流は発生しやすくなる。
・隔壁部に形成する複数の絞り孔が、管内壁との流体摩擦により低流速化する隔壁部外周領域に形成されていると、その流速低下の影響により偏流が発生しやすくなる。
したがって、偏流防止のためには、上記2点を抑制するための条件が必須となるのであり、本発明においては、
(1)絞り孔の軸断面積の合計と等価な円の直径をde、絞り孔の長さをLとして、L/deにて定義される絞り孔アスペクト比を3.5以下に設定し、
(2)隔壁部の投影領域の中心位置に定められた基準点から複数の絞り孔の内周縁までの距離(絞り孔変位)Tが、該絞り孔の内径dよりも小さくなる程度に、それら絞り孔を基準点周りに近接配置すること、
により上記の問題を解決する。
すなわち、(1)の要件により、偏流の原因となる分岐区間の長さ、すなわち、衝突部を配置する絞り孔の長さが十分短くなり、(2)の要件により、絞り孔は、高流速となる隔壁部の中央に集約される、つまり、全ての絞り孔が隔壁部の中心に近い位置に集めて配置される。その結果、絞り孔内での流速の低下ないし不均一化が抑制され、偏流を確実に防止することができる。すなわち、衝突部を有する絞り孔を複数形成することで十分なキャビテーション効果と十分な流量とを両立することができ、かつ、個々の絞り孔が上記(1)(2)の要件を充足することにより、複数の絞り孔間での偏流が効果的に抑制され、キャビテーション効果に基づいた微細気泡発生を安定的に継続できるようになる。
L/deにて定義される絞り孔アスペクト比が3.5以下になるか、あるいは絞り孔変位Tが絞り孔の内径dよりも小さくなるか、のいずれが欠けた場合でも、絞り孔内での流速低下ないし偏流に由来して、微細気泡の発生効率が十分でなくなる。絞り孔アスペクト比L/deの値は、望ましくは3以下であること、より望ましくは2.5以下であるのがよい。また、絞り孔変位Tは絞り孔の内径dの望ましくは1/2以下であるのがよい。
なお、絞り孔内の流量損失を抑え、かつ、偏流を防止する観点にあっては、L/deにて定義される絞り孔アスペクト比の値は、衝突部を配置するために必要なスペースを絞り孔内面に確保できる範囲内で、なるべく小さく設定することが望ましいといえる(後述するごとく、流入室と流出室の内面を、各々隔壁部に向けて縮径するテーパ面とする場合は、このテーパ面を直結し、その結合位置に衝突部を形成する構成もあり得るが、この場合の絞り孔の長さは、衝突部の突出基端位置での外径であるものとして定義する)。また、絞り孔変位Tの値も、絞り孔内の流速を高める観点から、なるべく小さく設定することが望ましく、たとえば隔壁部中心位置で2つの絞り孔が互いに接するか、あるいは連結される場合など、ゼロとなることを妨げない。
以下、本発明の液体処理ノズルを構成する幾何学的要素の概念を明確にするための、必要な定義について列挙する。
(定義1)絞り孔は流れ軸線方向に均一な断面を有する孔としてもよいし、中間部で縮径する不均一断面を有する孔としてもよい。本明細書において、「絞り孔の軸断面積」とは、流れ軸線方向にて最もその値が小さくなる位置での軸断面積を意味するものとする。
(定義2)絞り孔の軸断面形状はたとえば円形にすることが望ましいが、過度の損失を生じない限り、楕円や正多角形状(正方形、正六角形、正八角形等)の軸断面形状も可能である。このとき、絞り孔の内径dは、定義1で規定する絞り孔の軸断面積と等価な面積を有する円の直径を意味するものとする。複数の絞り孔は、軸断面積を異ならせることも可能であるが、この場合、絞り孔の内径dは、それら複数の絞り孔についての平均値を意味するものとする。絞り孔の長さについても同様。
(定義3)隔壁部の投影領域の中心位置とは、投影領域が円形の場合はその中心を意味する。しかし、隔壁部の投影領域が正多角形状や楕円状となることも発明概念上は許容され、この場合は当該投影領域の幾何学的重心位置を中心位置として定める。
なお、本発明と同様の隔壁部を有し、これに絞り孔を複数形成した液体処理ノズルは、たとえば特許文献9の公報図2、あるいは特許文献11の公報図6などにも開示されている。しかし、特許文献9の構成は、その要部を図40に示す如く、ねじ部材513がそれぞれ1本ずつ配置された4つの絞り孔612のアスペクト比(L/4d)が、公報図2から読み取れる寸法を用いて前述の定義に従って計算すると4以上と大きい値となる。そして、隔壁部に相当する部材本体611の軸断面中心に対する絞り孔変位Tは、絞り孔内径dの2倍程度にも及ぶ。特許文献9に開示された寸法通りに実際にノズルを作成し、通水してテストしところ(後述の表1の試験結果、番号17の試験品)、微細気泡の発生効率は低く、水圧0.1MPaでの水流束(流量)は0.32L・mm/分と小さい値となったことを付言しておく。なお、図40のノズルでは、隔壁中央領域に調整孔614が1個形成されているが、この調整孔614は、キャビテーションの主体となる4つの隔壁部外周領域の絞り孔612に流れるべき流速を奪うので、各絞り孔612における低流速化あるいは偏流発生をさらに助長する心配がある。
特許文献11の構成は、そもそも絞り孔に衝突部が配置されておらず、良好なキャビテーション特性が得られないことは明らかである。そして、隔壁部には中心点を囲むように周方向に2列の絞り孔(ベンチュリ)が形成されており、アスペクト比は、絞り孔の個数が図面上特定できないので計算できないが、公報図6の断面を見る限り明らかに本発明の範囲外となっている。また、外周側のものはもちろん内周側のものも含めてすべての絞り孔の変位はその内径(ベンチュリ絞り位置)よりも明らかに大きく、これも本発明の範囲外である。それゆえ、特許文献11のノズルの絞り孔に仮に衝突部を付加しても、上記本発明の効果が達成できないことは明らかである。
絞り孔アスペクト比L/deを3.5以下とし、絞り孔変位Tを絞り孔の内径dよりも小さくした本発明の液体処理ノズルでは、液体出口側を開放して液体入口に動圧が0.1MPaとなるように水を流通させたときの液体出口から流出する水流量をQとし、絞り孔の内面と衝突部との間に形成される絞り液体流通部の処理コア部における合計断面積をSeとして、水流束Q/Sを0.5L・mm/分以上を確保することも容易である。これは、同じ供給水圧で絞り液体流通部の合計断面積が同じである場合、本発明者らが確認した特許文献9のノズルの1.5倍以上の流量が取れることを意味している。
衝突部に形成する複数巻の山部は、らせん状に一体形成することができる。このようにすると、山部の形成が容易になるほか、流れに対し山部が傾斜することで、山部の稜線部を横切る流れ成分が増加し、流れ剥離に伴う乱流発生効果が著しくなるので、気泡のさらなる微細化を図ることができる。この場合、衝突部は、脚部末端側が流路内に突出するねじ部材にて形成しておくと、該ねじ部材の脚部の外周面に形成されるねじ山を山部として利用でき、製造が容易である。本発明の液体処理ノズルの場合、たとえばコア部に形成される絞り孔の個数を2〜4個とし、絞り液体流通部の合計断面積を13mm以上25mm以下とすれば、液体入口に動圧が0.1MPaとなるように水を流通させたとき、液体出口を開放して測定した流量にて、7L/分以上20L/分以下を得ることが可能となる。すなわち、一般水道圧レベルの供給水圧を前提としたとき、微細気泡発生効果あるいは後述のガス溶解効果を損ねることなく、特許文献6〜11のいずれに開示されたノズルよりも大きな流量を確保できる。キャビテーションポイントとして作用する谷部の個数や谷の深さを十分確保して、キャビテーション効果ひいては微細気泡発生効果をより高めるためには、衝突部を呼び径M1.2以上M2.0以下(望ましくは、M1.2以上M1.6以下)のねじ部材により形成することが望ましい。
本発明の液体処理ノズルは、絞り孔の衝突部よりも下流に位置する区間の長さ(以下、残区間という)をLpとし、絞り孔の軸断面積の合計と等価な円の直径をdeとしたとき、Lp/deにて定義される残区間アスペクト比は1.0以下に設定されていることが望ましい。これにより、複数の絞り孔にてそれぞれ衝突部を通過した液体が流出室にて合流するまでに、析出気泡を含んだ流れの、流体抵抗の大きい絞り孔の残区間の通過距離が短くなり、ひいては個々の絞り孔の衝突部下流に生ずる強撹拌領域も流出室内で一体化し、気泡の微細化効果が一層高められる。
また、本発明の液体処理ノズルにおいて、その絞り孔に関しては、隔壁部の中央付近(基準点周り)に近接配置する要件を、さらに以下のように具体化することができる。すなわち、ノズル本体の軸線と直交する平面への投影において、複数の絞り孔の内周縁に対する外接円の面積をSt、絞り孔の投影領域の合計面積をSrとしたとき、K≡Sr/Stにて定義される絞り孔集約率Kを0.2以上とする。例えば、寸法と形成個数が一致する複数の絞り孔の組同士の場合、絞り孔変位Tが大きくなるほど外接円面積も大きくなる。したがって、上記絞り孔集約率Kは隔壁部中央領域への絞り孔の集中度を表すパラメータとなりえ、該Kを0.2以上とすることにより、偏流抑制効果は一層顕著となり、微細気泡の発生効率やガス溶解効率の更なる向上に貢献する。たとえば、図40に示す特許文献9のノズルの場合、図面から読み取ることができる絞り孔集約率Kは0.11である。
なお、「外接円」は、前記投影における複数の絞り孔(最小径郎)の内周縁に対し、そのすべてと外接する円として定義する。また、すべての絞り孔の内周縁に外接する円が幾何学的に描けない場合は、「1以上の絞り孔の内周縁と外接し、残余の絞り孔の内周縁とは交わらない最大の円」として定義する。
上記の外接円の面積Stは、隔壁部の投影面積の90%以上であることが望ましい。これにより、隔壁部にて絞り孔の外側に形成される流れ遮断領域の面積を小さくでき、こうした領域に特有に発生する流れのよどみや渦流に基づく損失を軽減することができる。絞り孔に対する外接円径が、液体入口の開口径よりも絞られている場合は、隔壁部の投影面積を90%以上とする上で、液体入口に続く流入室の内周面を、隔壁部に向けて縮径するテーパ面とすることが有効である。外接円の面積Stは、隔壁部の投影面積と等しくすることもできる。
液体処理ノズルは、処理コア部において複数の絞り孔のそれぞれに、ノズル本体の軸線と直交する平面への投影において衝突部が孔中心軸線を取り囲む十字形態に4つ配置されてなり、それら4つの衝突部が形成する十字の中心位置に液体流通ギャップが形成された構成とすることができる。十字形態に衝突部を配置することにより、高流速部(キャビテーションポイント)となる谷部の絞り孔内における個数を増やすことができる。また、十字の中心位置に液体流通ギャップを形成すると、最も高流速となる断面中央の流れ(中心流)が液体流通ギャップの形成により妨げられにくくなり、各衝突部にて、それよりも外側に位置する谷部に向かう流束が中心流の衝突・迂回により乱されにくくなる。その結果、絞り孔内でのキャビテーション発生効率、ひいては微細気泡の発生や後述のガス溶解の効率をさらに高めることができる。液体流通ギャップの形成による上記の効果は、4つの衝突部の液体流通ギャップを形成する先端面を平坦に形成し、前述の投影において液体流通ギャップが正方形状に形成されている場合に特に顕著である。
絞り孔にそれぞれ形成される十字形態の衝突部の組は、ノズル本体の壁部外周面側から先端が絞り孔内へ突出するようにねじ込まれる4本のねじ部材により容易に形成できる。しかし、複数の絞り孔のそれぞれに、ノズル本体の外側からそれぞれ4本ものねじ部材をねじ込もうとしたとき、幾何学的なレイアウトを誤ると、ねじ同士の干渉や、ある絞り孔に向けてねじ込まれたねじ部材が別の絞り孔内を貫通したりするなど、不具合を生じる。本発明者らが検討した結果、ノズル本体の壁部外周面側から絞り孔に向けてねじ込まれるねじ部により衝突部を形成する場合、こうした不具合を生じることなく絞り孔を隔壁部の中心領域に近接して形成する構成としては、処理コア部に絞り孔を、液体流路の中心軸線を挟んで互いに対称な位置関係で2〜4個のいずれかで形成するのが最適であることがわかった。そして、前述のねじ部材の干渉を回避するには、各絞り孔に組み込む4つのねじ部材の組は、それら絞り孔の間で軸線方向にて互いにずれた位置に配置することが適当である。偏流と流量損失を抑制する観点から、この場合の絞り孔の配置個数は2個ないし3個が好適であり、ノズル作製の容易性を考慮すれば2個とするのが最適である。
また、同一の絞り孔内にて複数の衝突部を、該絞り孔の軸線方向(流れ方向)にて互いにずれた位置に配置することも可能である。このようにすると、衝突部を流れ方向に複数設けることができ、キャビテーションポイントとなる谷部に流れを繰り返し接触させることが可能となる。これは、微細気泡の発生効率や後述のガス溶解効率の更なる向上に寄与する。
次に本発明のガス溶解方法は、上記本発明の液体処理ノズルの衝突部に液体とガスとの混相流を供給してガスを液体に溶解させた状態で液体出口から流出させることを特徴とする。また、本発明のガス溶解装置は、上記本発明の液体処理ノズルと、該液体処理ノズルの衝突部に液体とガスとの混相流を供給する混相流供給手段と、を備え、ガスを液体に溶解させた状態で液体出口から流出させるようにしたことを特徴とする。
本発明の液体処理ノズルに液体を供給すると、衝突部の周辺及び直下流域に非常に顕著な強撹拌領域が形成される。キャビテーションにより発生した気泡はそれほど成長せずに上記の強撹拌領域に巻き込まれ、微細気泡が効率的に発生する。このとき、供給する液体に積極的に外部からガスを導入し、液体とガスとの混相流として処理コア部に供給すると、混相流を形成するガスは衝突部下流の強撹拌領域に巻き込まれることで液体との混合が顕著に進み、ガス溶解をきわめて効率的に行うことができる。
衝突部の下流域に強撹拌領域が形成される大きな要因の一つは、前述のごとく、供給する液体中に溶存しているガス(注:混相流を作るために外部から導入するガスが、一旦溶存したものも含みうる)のキャビテーションによる減圧沸騰析出である。溶存ガスの減圧彿騰をきっかけとして衝突部の下流域に生ずる強撹拌領域では、外部から導入されるガスの撹拌・溶解が、減圧沸騰で損なわれるガス量を桁違いに上回る規模により進行する。また、液体に溶解しきれなかったガスも、浮上速度の非常に小さい微細気泡として液中に留まり、微細気泡特有の種々知られている効果(たとえば、洗浄効果、液体の浸透性促進効果など)がガスの種別に応じて発揮される利点もある。また、同一のガスが溶存ガスと微細気泡の両方の形態で液体中に共存することで、当該ガスの分圧を有さない雰囲気に暴露したとき、溶存ガスのみが存在する液体と比較して、見かけの溶存ガス濃度の減少速度が低下して高濃度の状態をより長時間維持するようになる。これは、溶存ガスの蒸発速度が低下するのではなく、微細気泡中のガスが周囲の液体に溶出することに起因するものである。これにより、雰囲気開放された状態で一定レベル以上のガス溶存濃度が必要とされる目的に該液体を供する場合、その高濃度を維持する寿命を延長できる、といった利点も生ずる。そして、本発明の液体処理ノズルにおける前述の偏流抑制効果は、上記のごとくガス溶解にこれを利用する場合、より大きな技術的意義を発揮することになるのである。
順に説明すると、まず、前述の特許文献に開示された絞り孔が単一のノズルに混相流を供給した場合、ガスの液体に対する供給体積比をそれほど大きく取ることができず、結果としてガス溶解量は低くならざるを得ない。これは、ガスの供給体積比が過剰になった場合、衝突部を混相流が通過する際にガス相との接触が主体的になる結果、衝突部の周囲流れが過剰なガスによってホールドアップし、結果、液相と衝突部との接触期間が極度に少なくなって、ガスを溶解させる強撹拌領域形成の原動力となるキャビテーションが十分に起きなくなるためである。
図39に示す参考例や特許文献9(図40)の構成のように、混相流を通過させる流路を複数に分岐させ、そのそれぞれに衝突部を設けておくと、一つの分岐流路がガス偏流によりホールドアップしても、残余の分岐流路をバイパス路とする形で液相流量を確保でき、ガス溶解を継続することができる。しかし、これらの構成では液相流のみの場合でも前述のごとく偏流を起こしやすいのであるから、液相よりも比重の小さいガス相との混相流になると、浮上分離しようとするガス相はより激しい偏流を起こし、分岐流路の一部のものにガス相流が集中してホールドアップを生じやすくなる。すると、ガス相の大半が撹拌溶解能力の低下したホールドアップ側の分岐流路に流れてしまい、ガス溶解効率は結局のところ期待するほどには改善されないのである。
しかしながら、本発明の液体処理ノズルは、隔壁部に形成する絞り孔アスペクト比が3.5以下に設定され、絞り孔変位が絞り孔の内径dよりも小さくなるよう、隔壁部の中央付近(基準点周り)に近接配置されることで、ガス相の偏流が効果的に抑制され、ガス相の偏流集中による衝突部のホールドアップが生じにくくなって、ガス溶解効率(あるいは微細気泡化効率)を飛躍的に高めることができるのである。
また、絞り孔の衝突部よりも下流に位置する残区間の長さLpを、前述の残区間アスペクト比が1.0以下となるように設定することは、ガス溶解を行う場合においてさらに有効となる。すなわち、ガス相が一部の絞り孔に若干偏ったとしても、残区間長さLpが小さくなっていることで、衝突部の下流では、ガス相が集中しない残余の絞り孔が形成する顕著な強撹拌領域に速やかに導くことができる。つまり、絞り孔の一部でガスが偏って、その絞り孔でのキャビテーション効果ひいては強撹拌領域の形成能力が低下しても、キャビテーション効果が健全な他の絞り孔の強撹拌領域を流出室内で共有化することができるので、より効率的なガスの溶解・粉砕が可能となるのである。このとき、流出室の内周面は、液体出口に向けて拡径するテーパ面としておくことで、個々の絞り孔で作られる強撹拌領域を、流出室内で損失させることなくスムーズに合体させることができる。
絞り孔の残区間Lpは、個々の絞り孔の強撹拌領域を流出室内でより効率的に合体させるためにはなるべく小さいことが望ましく、したがって上記残区間アスペクト比Lp/deもなるべく小さいことが望ましく、理想的にはゼロであるのがよい。
本発明のガス溶解方法においては、液体処理ノズルの衝突部に混相流を供給する方式として、液体処理ノズルの絞り孔に対し衝突部よりも上流にてガスを流入させる方式を採用可能である。この方式では、絞り孔でのベンチュリ効果による減圧吸引効果により、溶解するべきガスを比較的低圧で吸い込むことができ、また、衝突部に近い位置でのガス供給となることから導入したガス気泡が速やかに粉砕され、溶解効率を向上させやすい利点がある。この場合、使用する液体処理ノズルの構成として、そのノズル本体に、該ノズル本体の外周面に開口し、複数の衝突部の少なくとも一つのものよりも上流にて絞り孔に連通するガス導入孔を形成したものを採用可能である。ガス導入孔の該ノズル外周面側の入口にガス供給配管を接続すれば、絞り孔内に溶解するべきガスを簡単に導入することができる。この場合、本発明のガス溶解装置の混相流供給手段は、液体処理ノズルの液体入口に液体を供給する液供給部と、ガス導入孔にガスを供給するガス供給部とを備えるものとして構成しておけばよい。
このとき、ガス導入孔は、複数の絞り孔のすべてのものに形成し、すべての絞り孔にガスを分配供給するようにしてもよいが、絞り孔の一部のもの(たとえば、1つのもの)についてのみ形成することも可能である。後者の構成では、ガス導入孔を設けた絞り孔にガスが偏って供給されることになるが、残余の絞り孔には液体が十分な流速で供給されるので、ガス導入孔から流入させたガスを、各絞り孔からの強撹拌領域が合一する流出室内で十分に溶解・粉砕することができる。この効果は、前述のごとく、絞り孔の残区間アスペクト比が1.0以下に設定されている場合に特に著しい。
本発明のガス溶解方法においては、絞り孔の上流にて液体処理ノズルの流入室か、又は液体処理ノズルの液体入口よりも上流の液供給経路上にてガスを流入させる方式を採用してもよい。この方式では、ガスの供給に際して絞り部での減圧吸引効果は利用できないので、ガス供給圧力を若干高める必要はあるが、液体処理ノズルの各絞り孔に均一にガスを供給しやすい利点がある。この場合、本発明のガス溶解装置の混相流供給手段は、液体処理ノズルの液体入口に液体を供給する液供給部と、液体入口に接続されるノズル本体とは独立したガス供給ノズルを含むガス供給部とを備えるものとして構成すればよい。
本発明のガス溶解方法はガスの溶解効率に優れるので、最も簡易には、液体処理ノズルに対し液体を1パスだけ流通させつつガスを溶解させる方式を採用することができる。この場合、本発明のガス溶解装置の混相流供給手段(具体的には、その液供給部)は、外部の液供給源につながる液供給管を接続するための液供給管接続部を備え、液体処理ノズルの液体出口からは液体処理ノズルにてガスを1パスにて溶解させたガス溶解済み液体を流出させるようになっており、該液体出口側にガス溶解済み液体の排出管を接続するための液排出管接続部を設けた構成とすればよい。こうした簡易な1パスによる溶解装置であっても、本発明の液体処理ノズルを用いることにより、従来のノズルよりもはるかに高濃度に種々のガスを溶解することができるようになる。一方、ノズルから流出した液体を、ポンプを介して再びノズルに戻しつつ循環させながらガス溶解することも可能である。これにより、より高濃度のガス溶解が可能になるほか、微細気泡として液中に共存させるガス量も顕著に増大させることができる。この場合、ガス溶解装置の混相流供給手段(具体的には、その液供給部)は、液体を貯留する液体貯留部から液体処理ノズルを経て液体貯留部に戻る循環配管と、該循環配管により液体貯留部内の液体を、ガス供給部からのガスと混合しつつ液体処理ノズルを流通させたのち液体貯留部内に戻す形で循環送液させる送液ポンプとを備えるものとして構成できる。
本発明のガス溶解方法にあっては、ガスを溶解させる液体の種別は特に限定されないが、すでに言及しているごとく水(水溶液や水を溶媒とするコロイド溶液も概念として含む)を用いることができる。また、水以外では、アルコール(及びその水による希釈体)や化石燃料(ガソリン、軽油、重油等)などの有機液状物である。他方、溶解させるガスの種別も同様に限定されないが、たとえば酸素、窒素、炭酸ガス、水素、オゾン、塩素、アルゴン、ヘリウムなどであり、それらより選ばれる2種以上の混合ガスであってもよい。
以下、液体が水の場合について、本発明のガス溶解方法がとりわけ顕著に効果を発揮できる具体化内容を説明する。第一の事例は炭酸ガスを溶解させる場合である。この場合、本発明のガス溶解装置の混相流供給手段は、炭酸ガスと水の混相流を供給するものとして構成される。
炭酸ガスは水に対する溶解度が非常に高く、20℃の水の場合の1気圧(常圧:0.1MPa)での飽和溶解度は1800ppmにも達する。たとえば、常圧下で500ppmを超える高濃度の炭酸水を得るためには、常温にて水の体積の30%を超える炭酸ガスを溶解しなければならず、通常は炭酸ガス分離膜を反転利用してガス溶解効率を高める装置が使用されるが、炭酸ガス分離膜を用いたガス溶解ユニットが非常に高価であり、寿命も短い難点がある。また、エジェクタ等を用いた従来の気液混合方式では炭酸ガスの溶解効率が低く、水の体積流量の30%を超える炭酸ガスを1パスで溶解するようなことは非常に困難である。しかしながら、本発明の液体処理ノズルは、ノズルに炭酸ガスと水の混相流を供給するだけで、0.1MPa程度の水圧でも、水の体積の30%程度の炭酸ガスであれば1パスでも楽に溶解できる性能を発揮する。
本発明の液体処理ノズルは、前述の投影において、複数の絞り孔の内周縁に対する外接円の面積をSt、絞り孔の投影領域の合計面積をSrとしたとき、K≡Sr/Stにて定義される絞り孔集約率Kが0.2以上とすることにより、液体出口側を開放して液体入口に動圧が0.1MPaとなるように水を流通させたとき、液体出口から流出する水流量をQとし、絞り孔の内面と衝突部との間に形成される絞り液体流通部の処理コア部における合計断面積をSeとしたときの水流束Q/Seが0.5L・mm/分以上確保できる(以下、このように構成した本発明の液体処理ノズルを「標準構成の液体処理ノズル」という)。そして、混相流を形成するための炭酸ガス流量をQ1、水流量をQ2としたとき、液体入口側の動水圧を0.015MPa以上0.3MPa以下、炭酸ガス/水流量比Q1/Q2を0.1以上1.3以下(ただし、ガス流量は圧力0.1MPa換算での体積流量:以下、同じ)として、液体処理ノズルに水及び炭酸ガスを1パス又は循環供給すれば、炭酸ガスを水に対し溶解効率50%以上にて溶解することができるのである。液体入口側の動水圧は0.3MPaを超える高圧に設定することももちろん可能であり、溶解効率50%以上は当然達成できるが、このような高い溶解効率を0.3MPa以下の低水圧でも実現できるところに、本発明の液体処理ノズルをあえて採用することの利点がある。
そして、液体処理ノズルに水/炭酸ガスの混相流を1パスしか供給しない場合でも、炭酸ガス/水流量比Q1/Q2を0.6以上に設定すれば、液体出口側で得られる溶存炭酸濃度を600ppm以上とすることができる。炭酸ガスの溶解効率が高いので、溶解しきれなかった廃炭酸ガスの体積が少なく、ノズルから流出する水に炭酸ガスの粗大な気泡が吹き出しにくくなるので、シャワーヘッド等を接続したときの水流も静かであり、脈動等も生じにくい。
なお、炭酸ガスを溶解する場合、水としては、次亜塩素酸ナトリウム水溶液を使用することもできる。炭酸ガスが効率よく溶解することで、次亜塩素酸ナトリウム水溶液のpH値が例えば4.3〜6前後の弱酸性に保たれ、殺菌や消毒に有効な解離状態の次亜塩素酸濃度を大幅に高めることができるとともに、炭酸特有のpH緩衝作用によりpH値の変動も小さくすることができる。例えば、従来行われていた塩酸や酢酸添加によるpH調整方式よりも、pH値が4以下の低い値にアンダーシュートする現象が極めて生じにくくなり、有害な遊離塩素ガスの発生も抑えることができる。該効果を高める観点において、次亜塩素酸ナトリウム水溶液は、次亜塩素酸イオン濃度が10ppm以上1000ppm以下に調整されていることが望ましく、炭酸ガスの溶解濃度は200ppm以上1500ppm以下に調整されることが望ましい。次亜塩素酸イオン濃度が10ppm未満では消毒作用が不足し、1000ppmを超えると次亜塩素酸ナトリウム水溶液のコストアップを招く。また、炭酸ガスの溶解濃度は200ppm以上1500ppm以下に調整されることで、次亜塩素酸ナトリウム水溶液のpH値を4.3〜6の、消毒効果が最適化されるpH域に安定して維持することができる。
また、次亜塩素酸ナトリウム水溶液を用いず、通常の水に先に炭酸ガスを本発明の方法により溶解し、追って次亜塩素酸ナトリウム水溶液を添加するようにしてもよい。このようにすると、特に液体処理ノズルの衝突部の材質に要求される耐化学薬品性を大幅に軽減することができる。この場合、本発明のガス溶解装置に対しては、液体処理ノズルから送出される炭酸ガスが溶解した水に対し、次亜塩素酸ナトリウム水溶液を定量供給する次亜塩素酸ナトリウム水溶液供給部を設けることで、上記方式を実現可能である。
第二の事例は窒素を溶解させる場合である。この場合、本発明のガス溶解装置の混相流供給手段は、窒素と水の混相流を供給するものとして構成される。ボイラー給水等の水処理分野では、水中の溶存酸素に起因するボイラーや配管の腐食を防止するために、水の脱酸素処理が行われており、その一つの方式として窒素式がある。窒素式脱酸素装置は、原水を窒素ガスと接触させることにより、つまり窒素ガスを溶解させることにより、原水中の溶存酸素を窒素と置換する形で除去するものである。本発明のガス溶解方法を利用した場合、ベンチュリ管エジェクタやスタティックミキサなどを用いた従来の方式と比較して、窒素ガスの溶解効率が高くなることにより、より少ない窒素ガス流量及び循環時間にて、原水の酸素濃度を低減することができる。
窒素溶解済みの水を再び大気に接触させると、大気中の酸素の再溶解が直ちに開始されるため、従来の方法により窒素溶解・脱酸素を行った場合は溶存酸素濃度の上昇速度はかなり早い。しかし、本発明の方法を用いた場合、導入した窒素は溶存状態だけではなく、気泡径1μm以下の微細気泡の形でも多量に含有されることとなり、気泡からの窒素の溶解が大気からの酸素の溶解を抑制する結果、低溶存酸素濃度状態を長期間保つことができるようになる。
標準構成の液体処理ノズルを用いる場合は、前述の構成の混相流を形成するための窒素流量をQ1、水流量をQ2としたとき、液体入口側の動水圧を0.015MPa以上0.3MPa以下、窒素/水流量比Q1/Q2を0.1以上0.3以下として液体処理ノズルに1パス供給するか循環供給することにより、水の溶存酸素濃度を1ppm以下とすることができる。なお、循環供給するときのパス数とは、ポンプ循環の場合、ポンプ送液流量をQP(L/分)、循環時間をT(分)、タンク内の水体積をV(L)としたき、QP×T/Vにて定義する.
第三の事例は酸素を溶解させる場合である。この場合、本発明のガス溶解装置の混相流供給手段は、酸素と水の混相流を供給するものとして構成される。魚の飼育槽や、活魚(貝類も含む)を養生するための生簀、あるいは農業用水(特に、水耕栽培用水)においては、魚や植物が水中の溶存酸素を消費する結果、エアレーション等による酸素の恒常的な補給が必要であり、粗大気泡の浮上により無駄に消費される酸素量も大きい。本発明のガス溶解方法を利用した場合、ベンチュリ管エジェクタやスタティックミキサなどを用いた従来の方式と比較して、酸素ガスの溶解効率が高くなることにより、より少ない酸素ガス流量及び循環時間にて原水の溶存酸素濃度を顕著に上昇ないし維持させることができる。
用いるガスとしては純酸素を用いてもよいし、空気など窒素と酸素の混合ガスを用いてもよい。空気よりも高濃度の酸素ガスを供給すると、得られる水の溶存酸素濃度は常温常圧での大気平衡溶存濃度(約8ppm)より高くすることができるし、これよりも酸素が欠乏した水を原水とする場合は、空気を溶解させることで溶存酸素濃度レベルを向上できるようになる。
大気平衡溶存濃度よりも高濃度に酸素を溶解した水を再び大気に接触させた場合は、大気平衡溶存濃度に減少するまで酸素の蒸発が進行する。また、水中で魚や貝を飼育ないし養生する場合は、これらの魚や貝により酸素が消費されて酸素濃度は、より急激に減少する。これらの場合、従来の方法により酸素溶解を行うと溶存酸素濃度の低下速度はかなり早い。しかし、また、本発明の方法を用いた場合、導入した酸素が溶存状態だけではなく、気泡径1μm以下の微細気泡の形でも多量に含有されることとなり、蒸発や消費により減耗する酸素が気泡から溶解する酸素により補われる結果、高溶存酸素濃度状態を長期間保つことができるようになる。また、酸素の溶解効率が高いので、酸素消費体が存在する場合も、高溶存酸素濃度状態を維持するために必要な酸素供給流量も大幅に削減することができる。
たとえば標準構成の液体処理ノズルを用いる場合は、前述の構成の混相流を形成するための酸素流量をQ1、水流量をQ2としたとき、液体入口側の動水圧を0.015MPa以上0.3MPa以下、酸素/水流量比Q1/Q2を0.1以上0.3以下として液体処理ノズルに1パスないし循環供給することにより、水の溶存酸素濃度を10ppm以上40ppm以下とすることができる。
第四の事例は水素を溶解させる場合である。この場合、本発明のガス溶解装置の混相流供給手段は、水素と水の混相流を供給するものとして構成される。水中の溶存水素は顕著な還元性を示し、酸化防止効果や活性酸化種の不活性化効果を発揮し、飲用や摂取により生体内への取り込むことを前提とした製品も多数存在する。酸素や窒素と異なり、水素は水への飽和溶解度が低いばかりでなく、全ガスの中でも最も比重が小さいために、一旦溶解した水素の再蒸発が著しいため、高濃度の水素水を得るためには加圧溶解工程が必須であると考えられてきた。しかし、本発明のガス溶解方法を利用した場合、加圧を行わなくとも、液体処理ノズルを水と水素の混相流として通過させるだけで、高濃度の水素水を非常に簡便に得ることができる。また、本発明の方法を用いた場合、導入した水素が溶存状態だけではなく、気泡径1μm以下の微細気泡の形でも多量に含有されることとなり、蒸発により減耗する水素が気泡から溶解する水素により補われる結果、大気に開放した状態であっても、加圧により溶存水素のみを含有させた水素水と比較して、高溶存水素濃度状態を従来のたとえば数倍から数10倍の長期間保つことができるようになる。
例えば標準構成の液体処理ノズルを用いる場合は、前述の構成の混相流を形成するための水素流量をQ1、水流量をQ2としたとき、液体入口側の動水圧を0.015MPa以上0.3MPa以下、水素/水流量比Q1/Q2を0.1以上0.3以下として液体処理ノズルに1パスないし循環供給することにより、水の溶存水素濃度を0.3ppm以上1.8ppm以下とすることができる。
本発明の作用及び効果の詳細については、「課題を解決するための手段」の欄にすでに記載したので、ここでは繰り返さない。
図1は、本発明の液体処理ノズルの一実施形態を示す横断面を、そのA矢視拡大とともに示す図である。
図2は、図1の液体処理ノズルの処理コア部の詳細を示す断面図である。
図3は、図2の一つの絞り孔における、衝突部となるねじ部材の配置形態を実体的に描いた拡大図である。
図4は、図3の変形例を示す拡大図である。
図5は、図2の処理コア部におけるねじ部材の流れ軸線方向の配置を拡大示す図である。
図6は、図5の変形配置例を示す図である。
図7は、衝突部における山部と谷部の作用説明図である。
図8は、衝突部の作用を示す平面図である。
図9は、図1の液体処理ノズルを用いた液体処理方法の作用説明図である。
図10は、比較例のノズルによる液体処理方法の作用説明図である。
図11は、処理コア部において、複数の絞り孔の一部を重ねて一体化した実施形態を示す図である。
図12は、図1の液体処理ノズルの各絞り孔の4つのねじ部材を同一平面上に配置する変形例を示す図である。
図13は、処理コア部において、3つの絞り孔を形成する例を示す模式図である。
図14は、衝突部とノズル本体を射出成型により一体形成する場合の変形例を示す図である。
図15は、絞り孔を4つとし、衝突部となるねじ部材を各絞り孔に1本のみ配置する変形例を示す図である。
図16は、図2の処理コア部におけるねじ部材の配置の変形例を示す図である。
図17は、衝突部の全周に山部を形成しない例を示す図である。
図18は、本発明の液体処理ノズルをシャワーホースの途上に組み込む例を示す模式図である。
図19は、本発明の液体処理ノズルをトイレの便器洗浄に利用する例を示す模式図である。
図20は、ガス導入孔を設けた液体処理ノズルの実例を示す図である。
図21は、図20のノズルの両端に継手を接続した様子を示す図である。
図22は、本発明の液体処理ノズルを用いたガス溶解方法の作用説明図である。
図23は、図20の液体処理ノズルからガス導入孔を省略した変形例を示す図である。
図24は、図23のノズルを用いて、ノズル上流側でガス導入して本発明のガス溶解方法を実施するときの作用説明図である。
図25は、同じく別の作用説明図である。
図26は、図20の液体処理ノズルを用いたガス溶解装置の例を示す断面図である。
図27は、図26のガス溶解装置の使用方法の一例を示す模式図である。
図28は、図24の液体処理ノズルを用いたガス溶解装置の一例を示す断面図である。
図29は、図1の液体処理ノズルを用い、1パスで水素溶解を行うようにしたガス溶解装置の例を示す模式図である。
図30は、図26のガス溶解装置に送液ポンプを組み込んだ例を示す断面図である。
図31は、図30のガス溶解装置の使用方法の一例を示す模式図である。
図32は、図1の液体処理ノズルを用い、液をポンプ循環しながらガス溶解を行うようにした装置の例を示す模式図である。
図33は、図32の装置を、オゾン溶解が可能となるように変形した例を示す模式図である。
図34は、図30のガス溶解装置に、次亜塩素酸ナトリウム水溶液を定量供給できる機構を追加した例を示す断面図である。
図35は、実施例2の炭酸ガス溶解の結果を示す第一のグラフである。
図36は、同じく第二のグラフである。
図37は、実施例2の水素ガス溶解の結果を示す第一のグラフである。
図38は、同じく第二のグラフである。
図39は、従来の液体処理ノズルユニットの例を示す図である。
図40は、従来の液体処理ノズルの例を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態を添付の図面を用いて説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の一実施形態をなす液体処理ノズルの横断面を、液体入口側の軸線方向(A矢視)からの拡大側面とともに示すものである。この液体処理ノズル1は、液体流路3が形成されたノズル本体2を備える。ノズル本体2は円筒状に形成され、その中心軸線Oの向きに円形断面の液体流路が貫通形成されている。ノズル本体2には、液体流路3を液体入口4側の流入室6と液体出口5側の流出室7とに区画する隔壁部8と、隔壁部8に貫通形成され流入室6と流出室7とを互いに別経路にて連通させる複数の絞り孔9と、絞り孔9の内面から各々突出する衝突部10とからなる処理コア部COREが形成されている。図1において、隔壁部8に絞り孔2は中心軸線Oに関して軸対象となるように、同一内径にて2個形成されている。図3は、そのうちの一方を拡大して示すものであり、衝突部10は外周面に周方向の山部11と高流速部となる谷部12とが複数交互に連なるように形成されている。衝突部10は、この実施形態では、脚部末端側が流路内に突出するねじ部材(以下、「ねじ部材10」ともいう)であり、結果、衝突部に形成される複数巻の山部11は、らせん状に一体形形成されている。なお、山部及び谷部は、らせん状に一体化せず、周方向に閉じたものを衝突部の軸線方向に複数密接配列してもよい。また、山部及び谷部は、衝突部の周方向に全周形成されている必要は必ずしもなく、図17に示すように、キャビテーションポイントとしての機能を発揮しにくい流れ方向(白矢印)の下流側において、衝突部10の外周面に軸線方向の溝部10a等を形成することにより、山部12及び谷部10を周方向の一部区間で切り欠いた構成としてもよい。
図1に戻り、ノズル本体2の材質は、たとえばABS、ナイロン、ポリカーボネート、ポリアセタール、PTFEなどの樹脂であるが、ステンレス鋼や真鍮などの金属やアルミナ等のセラミックスとしてもよく、用途に応じて適宜選択される。また、ねじ部材10の材質はたとえばステンレス鋼であるが、用途に応じて、より耐食性の高いチタンやハステロイ、インコネル(いずれも商標名)などの耐熱合金を用いてもよいし、耐摩耗性、耐食性等が問題となる場合は石英やアルミナなどのセラミック材料を用いることも可能である。特に、金属コンタミを嫌う分野(たとえば半導体分野)への適用には、石英の採用が好適であり、樹脂製のノズル本体2はたとえばPTFEで構成するとよい。
衝突部10は、処理コア部COREにおいて複数の絞り孔9のそれぞれに、ノズル本体2の軸線Oと直交する平面への投影において、各絞り孔9の中心軸線を取り囲む十字形態に4つ配置されている。図3に示すように、各絞り孔9において、4つの衝突部10が形成する十字の中心位置には、液体流通ギャップ15が形成されている。液体流通ギャップ15を形成する4つの衝突部10の先端面は平坦に形成され、前述の投影において液体流通ギャップ15は正方形状に形成されている。なお、図4に示すように、ねじ部材10の先端部10tは円錐状に形成してもよく、この場合、液体流通ギャップ15は十字状に形成される。
図2は処理コア部COREを拡大して示すものである。絞り孔9にそれぞれ形成される衝突部の組は、ノズル本体2の壁部外周面側から先端が絞り孔9内へ突出するようにねじ込まれる4本のねじ部材10である。図1のA矢視拡大にて破線で示すように、ねじ部材10は、ノズル本体2の壁部に貫通形成されたねじ孔19にねじ込まれ、各ねじ孔19のねじスラスト方向途中位置には、ねじ頭下面を支持するための段付き面19rが形成されている。該段付き面19rの形成位置は、ねじ部材10をねじ込んだ時に、絞り孔9内に突出するねじ脚部(すなわち、衝突部となる部分)の長さが、液体流通ギャップ15を形成するのに適正となるように調整されている。ねじ孔19とねじ部材10との間は接着剤等によりセッティング固定されている。
なお、ノズル本体2の外周面には、ねじ孔19が開口するため、これを隠ぺいするためにノズル本体2の外周面を覆う筒状のカバー18が接着等により取り付けられている。なお、カバー部材18の外周面には、メッキや塗装による装飾が施されていてもよい。また、ノズル本体2の両端部外周面には、流入側接続部16と流出側接続部17とが形成されている。
また、図2に示すように、複数の絞り孔9の間でねじ部材10の干渉を回避するために、各絞り孔9に組み込む4つのねじ部材10の組は、それら絞り孔9の間で軸線方向にて互いにずれた位置に配置されている。また、図2においては、同一の絞り孔9内の複数のねじ部材10A,10Bと10C,10Dとは、該絞り孔9の軸線方向(流れ方向)にて互いにずれた位置に配置されている。具体的には、各絞り孔9において、同一平面上で互いに直交する位置に配置されたねじ部材の対10A,10B及び10C,10Dが、それぞれ流れ方向において互いに異なる位置(図中、上側の絞り孔9については下流側のA及びBの位置に、下側の絞り孔については上流側のC及びD位置)に配置されている。それぞれ図1の中心軸線Oと直交する平面への投影では、A及びBの位置の4つのねじ部材10A,10B、及びC及びD位置の4つのねじ部材10C,10Dが、それぞれ十字形態をなすように配置されることとなる。図3のごとく、各ねじ部材10の対は、先端面外周縁で接する形で(あるいは、液体流通ギャップよりも狭い隙間を介して先端面外周縁間を近接させ形で)、もう一対のねじ部材10とともに正方形状の液体流通ギャップを形成している。
図16は、各ねじ部材の対の配置にかかる変形例を示すものである。図16においては、ねじ部材の2つの対10A,10Bのそれぞれにおいて、一方のねじ部材の脚部末端10bを絞り孔9の中央に位置させる一方、その脚部末端10bの周側面に他方のねじ部材の先端面10eを接触(又はギャップを介して対向)させ、絞り孔9の中央に位置する側の脚部末瑞10b同士を、両対の間でノズル本体2(図1)の軸線方向に互いにずらせて配置している。このようにすると、流速の早い絞り孔9の中心付近にも、脚部末端10bの谷部を配置することができ、キャビテーション効果、ひいては気泡微細化効果をより高められる。
図1に戻り、複数の絞り孔9のそれぞれに、ノズル本体2の外側からそれぞれ4本ものねじ部材10をねじ込もうとしたとき、幾何学的なレイアウトを誤ると、ねじ同士の干渉や、ある絞り孔9に向けてねじ込まれたねじ部材10が別の絞り孔9内を貫通したりするなど、不具合を生じやすくなる。絞り孔9の形成個数は図1では2個であるが、ノズル本体2の壁部外周面側から絞り孔9に向けてねじ部材10をねじこんで衝突部を形成する場合は、液体流路3の中心軸線を挟んで互いに対称な位置関係で2〜4個のいずれかで形成するのが最適である。
次に、図1において、絞り孔9は、それら絞り孔9の軸断面積の合計と等価な円の直径をde、絞り孔9の長さをLとして、L/deにて定義される絞り孔アスペクト比が3.5以下に設定されている。図5において、2つの絞り孔9の内径が互いに異なる一般の場合(d1,d2)は、絞り孔アスペクト比は、L/(d1+d21/2となる。図1では、2個の絞り孔9は内径と長さが互いに等しい円筒面をなすように形成されており、2つの絞り孔9の内径をdとして、絞り孔アスペクト比は0.71L/dである。絞り孔アスペクト比L/deの値は、望ましくは3以下であること、より望ましくは2.5以下であるのがよい。
図1に戻り、ノズル本体2の軸線Oと直交する平面への投影において、隔壁部8の投影領域の中心位置に定められた基準点Oから複数の絞り孔9の内周縁までの距離(絞り孔変位)Tが該絞り孔9の内径dよりも小さくなるように、複数の絞り孔9は基準点Oの周りに近接配置されている。絞り孔変位Tは絞り孔9の内径dの望ましくは1/2以下であるのがよい。さらに、本実施形態では、同じ投影において、複数の絞り孔9の内周縁に対する外接円20の面積をSt、絞り孔9の投影領域の合計面積をSrとしたとき、K≡Sr/Stにて定義される絞り孔9集約率Kが0.2以上とされている。
すなわち、液体処理ノズル1は、以下の条件を充足するものとなっている(標準構成)。
・L/deにて定義される絞り孔アスペクト比が3.5以下;
・絞り孔変位Tが絞り孔9の内径dよりも小;
・絞り孔集約率Kが0.2以上。
これにより、液体出口5側を開放して液体入口4に動圧が0.1MPaとなるように水を流通させたとき、液体出口5から流出する水流量をQとし、絞り孔9の内面と衝突部10との間に形成される液体流通領域(図3参照:主流通領域21と液体流通ギャップ15とを含む)の処理コア部COREにおける合計断面積をSeとしたときの水流束Q/Seを0.5L・mm/分以上確保することが可能である。
また、上記の外接円20の面積Stは、隔壁部8の投影面積の90%以上(図1では100%)とされている。隔壁部8にて絞り孔9の外側に形成される流れ遮断領域の面積が小さいので、こうした領域にて特有に発生する流れのよどみや渦流に基づく損失が軽減されている。図1からも明らかなごとく、絞り孔9に対する外接円20の径は、液体入口4の開口径よりも絞られており、液体入口4に続く流入室6の内周面が隔壁部8に向けて縮径するテーパ面13とされている。
また、図5に示す如く、絞り孔9の衝突部10よりも下流に位置する区間の長さ(以下、残区間という)をLp(Lp2〜Lp4の平均値)とし、絞り孔9の軸断面積の合計と等価な前述の円の直径をdeとして、Lp/deにて定義される残区間アスペクト比は1.0以下に設定されている。また、流出室7の内周面も、液体出口5に向けて拡径するテーパ面14とされている。図5では、最も下流側に位置するねじ部材10Aに関しては、残区間の長さがゼロであるが、図6に示す如く、ねじ部材10Aに関し残区間がゼロでない長さLp1を有する場合は、上記残区間長さLpはLp1〜Lp4の平均値となる。
図1の液体処理ノズル1に対し、たとえば、液体出口5側を開放して液体入口4に動圧が0.1MPaとなるように水を流通させた場合の作用について説明する。この水はたとえば水道水であり、大気と平衡する濃度に空気が溶存しているものとする(たとえば、20℃(常温)での酸素濃度は約8ppm)。水流はまず一括してテーパ部13で絞られ、さらに個々の絞り孔9へ分配されて、図3に示すように、ねじ部材10と絞り孔9内周面との間に形成される主流通領域21と液体流通ギャップ15とからなる液流通領域により個別に絞られて、ねじ部材10に衝突しながらこれを通過する。
ねじ部材10の外周面を通過するときに、図7に示すように流れは谷部に高速領域を、山部に低速領域をそれぞれ形成する。すると、谷部の高速領域はベルヌーイの定理により負圧領域となり、キャビテーションすなわち溶存空気の減圧析出により、気泡FBが発生する。谷部はねじ部材10の外周に複数巻形成され、かつねじ部材10が絞り孔9内に4本配置されていることから、この減圧析出は絞り孔9内の谷部にて同時多発的に起こることとなる。すると、図8に示すように、水流がねじ部材10に衝突する際に谷部での減圧析出が沸騰的に激しく起こり、さらにねじ部材10の下流に迂回する際に生ずる渦流にこれを巻き込んで激しく撹拌する。これに、衝突部10の周辺及び直下流域には、微小渦流FEを無数に含んだ顕著な強撹拌領域SMが形成されることとなる。気泡を析出する減圧域は衝突部10周囲の谷底付近に限られており、高速の液体流はほとんど瞬時的に該領域を通過してしまうから、発生した気泡FBはそれほど成長せずに上記の撹拌領域に巻き込まれ、気泡径が1μm未満の微細気泡が効率的に発生する。
図1の液体処理ノズル1においては、隔壁部8に複数の絞り部を形成し、その前後の流路区間を、該隔壁部8が区画する流入室6ないし流出室7に集約して、それら複数の絞り部により共有化させる構造を採用することにより、流路が複数系統に分岐する区間は隔壁部8に形成された絞り孔9のみとなる。ここで、図10に示す参考例のノズル710ように、隔壁部708の厚みが大きくなり断面積の小さい絞り孔709自体の長さが大きくなると、白矢印で示すごとく、重力や孔内面粗さのばらつき等の影響により、複数の絞り孔709のいずれかに偏った流れ、すなわち偏流が発生しやすくなる。また、絞り孔709が隔壁部708の中心から離れ、外側周縁領域に偏っていても、流速の大きい中央流れが隔壁部708の中央領域に衝突・迂回する際の損失により、絞り孔709には流速(水圧)を落として供給されるので、偏流がやはり発生しやすくなる。
しかし、図1の本発明の液供給ノズル1の構成によれば、図9に示すごとく、
(1)前述のL/deにて定義される絞り孔アスペクト比(図5参照)を3.5以下に設定しており、偏流の原因となる分岐区間の長さ、すなわち、衝突部10を配置する絞り孔9の長さを十分短くできる。
(2)絞り孔変位T(図1参照)が該絞り孔9の内径dよりも小さくなる程度に、それら絞り孔9が基準点Oの周りに近接配置されており、絞り孔9は、高流速となる隔壁部8の中央に集約されている。
その結果、絞り孔9内での流速の低下ないし不均一化が抑制され、偏流を確実に防止することができる。すなわち、衝突部10を有する絞り孔9を複数形成することで十分なキャビテーション効果と十分な流量とを両立することができ、かつ、複数の絞り孔9間での偏流が効果的に抑制され、キャビテーション効果に基づいた微細気泡発生を安定に継続することができる。
さらに、図1の液体処理ノズルでは、Lp/deにて定義される残区間アスペクト比(図5参照)が1.0以下に設定されている。図9に示すように、絞り孔9にてそれぞれ衝突部10を通過した液体が流出室7にて合流するまでに、析出気泡FBを含んだ流れの、流体抵抗の大きい絞り孔9の残区間の通過距離が短くなり、ひいては個々の絞り孔9の衝突部10下流に生ずる強撹拌領域SMが流出室7内で一体化するので、気泡の微細化効果がさらに高められる。残区間残区間アスペクト比が大きい図10のノズル710の場合は、強撹拌領域SMが流出室707内で一体化するには至らず、偏流により流速が低下した側(図10の上側の絞り孔709)の析出気泡は、流速が大きい側の顕著な強撹拌領域SMによる粉砕作用に与ることができないので、微細気泡の発生効率が下がらざるを得なくなる。
以下、図1の液体処理ノズルの変形例について列挙する。図1の液体処理ノズルとの共通点も多いので、共通の構成要素には同一の符号を付与しつつ、おもにその相違点について説明する。まず、図11に示すごとく、複数の絞り孔9は、前述の投影において、隔壁部8の中心を含む領域において一部重なるように一体形成してもよい。その重なり領域の投影面積は、各々の絞り孔9の面積の30%以内に収まっていることが望ましい。
図12に示す液体処理ノズル51では、各絞り孔9に配置する4本のねじ部材10の組を、A−A及びB−B断面に示すごとく、各々同一平面上に配置している。この構成でも、良好な微細気泡発生効果を達成できるが、図2のごとく、直角に配置されたねじ部材10の対を軸線方向にずらせて配置すれば、両対の間には液体流通ギャップ15の位置にて、流れの軸線方向にも隙間が形成され、高速の中心流に対する抵抗損失がさらに軽減されて、ねじ部材10の先端付近により高速で流れが供給される結果、気泡微細化効果が一層向上するという利点がある。
図13は、隔壁部8に対して絞り孔9を3つ形成した例である。3つの絞り孔9の間でねじ部材10の流れ方向の位置は、ねじ外径よりも大なる距離にて互いにずれて定められている。また、3つの絞り孔9は、前述の投影において、ねじ孔9の内径よりも大きい距離をもって正三角形の各頂点をなす位置に配置されており、図2あるいは図12と同様に、前記投影にて十字状の配置をなす4つのねじ部材10の組が、1つの絞り孔9に対する残余の絞り孔9の対の側に延びるねじ孔19が、それら残余の絞り孔9の対の間を貫くように、ねじ部材10の組の配置角度が定められている。これにより、すべてのねじ孔19が、絞り孔9と干渉することなく、かつノズル本体2の外周面に開口するように形成できる。
図14は、衝突部10Fを、ノズル本体2の隔壁部8と一体に射出成型により形成した例を示す。複数の絞り孔9の衝突部10Fを一体に射出成型するには、すべての衝突部10Fの中心軸線が同一平面上に位置するようにして、流入室を形成するための第一の金型コアと、流出室を形成するための第二の金型コアとの各先端面に衝突部10F及び隔壁部8の成型キャビティを設け、上記平面を分割面としてこれら金型コアを突き合わせた状態で成型を行えばよいのである。
図15は、隔壁部8に対して絞り孔9を4つ形成した例である。4つの絞り孔9は、それぞれ直径方向に1本のねじ部材10がねじ込まれて衝突部が形成されている。具体的には4つの絞り孔9は、前述の投影において正方形の各頂点をなす位置に配置されており、ノズル本体2の外周面側から各絞り孔9に対し、ノズル本体2の中心軸線Oに向けて絞り孔9の直径方向にねじ部材9がねじ込まれている。なお、ねじ部材10はインサート成型によりノズル本体2に組み込んでもよく、図14と同様に、ノズル本体2とともに衝突部を射出成型により一体化してもよい。
以下、本発明の液体処理ノズルの使用例(つまり、液体処理方法の実施形態)について説明する。図18は、一般浴室用(あるいは美容室等の業務用)のシャワーホース流路の中間に図1の液体処理ノズルを接続し、シャワーヘッドから処理済みの温水(すなわち、微細気泡を含有した温水)を噴射できるようにした使用例である。図1のノズル本体2には液体入口4側に流入側接続部16として、図18の湯水混合栓408に液体処理ノズル1を、流入側ホース405を介して接続するための第一のホース接続ねじ部(以下、符号16を援用する)が、液体出口5側に流出側接続部17として、シャワーヘッド401と液体処理ノズル1を、流出側ホース402を介して接続するための第二のホース接続ねじ部(以下、符号17を援用する)が、それぞれ形成されている。各ねじ部16,17は、おねじ部(たとえば、R1/2ないしG1/2)として形成され、ホース402及び405は、水栓金具403、404、406及び407を介して、シャワーヘッド401、液体処理ノズル1及び湯水混合水栓408に接続されている。この状態で湯水混合栓408を開けば、温水が液体ノズル1に供給されシャワーヘッド401から噴射される。気泡発生機能を有さない既存のシャワーヘッドを用いても、液体処理ノズル1を通過する際に微細気泡が大量に温水中に混入でき、人体皮膚や髪に対する水の浸透性を高めて保湿性を向上したり、頭皮や体表面の汚れを効果的に落としたり、といった効果を享受できる。そして、シャワーホースの中間にノズル1が接続されていても、偏流の影響を受けにくく、微細気泡発生効果を安定的に享受することができる。
図19は、液体処理ノズル1をトイレ洗浄に利用する例を示すものである。トイレの便器105には洗浄水供給配管103が接続され、該配管103を経て洗浄水109が便器内面に沿って供給・流下することにより洗浄を行う。本発明の液体処理ノズル1は洗浄水供給配管103の途上に設けられ、該配管内の洗浄水は該液体処理ノズル1を通過する際に微細気泡含有水109となったのち便器105に供給され、便器105及び便器105の汚水排管107,108を洗浄する。これにより、便器105や汚水排管107,108を長期にわたって清浄に保つことができ、尿石等の付着・堆積も生じにくくなる。
図19の事例では便器105は小便器として構成され、洗浄水供給配管103の途上で便器105の使用者を検知できる位置には周知のセンサ付バルブユニット104が設けられている。上方に設けられた洗浄水タンク101に水道配管102からの浄水が貯留されるとともに、供給配管103は該洗浄水タンク101に接続されている。センサ付バルブユニット104は、便器105に接近する使用者の検知状態を所定時間以上継続した場合に、待機状態から洗浄準備状態に遷移する。洗浄準備状態では、該使用者が便器105から離間して非検知状態になるに伴いバルブを開状態として便器105内に必要量の洗浄水を流下させ、その後バルブを再び閉状態として洗浄待機状態に戻る。便器からの排水とともに汚水管108に集約され、下水道ないし浄化槽等に向け排出される。洗浄後の排水は便器105の下側に連通する個別排水管107を通り、図示しない他の便器からの排水とともに汚水管108に集約され、下水道ないし浄化槽等に向け排出される。
(実施の形態2)
次に、本発明の液体処理ノズルを用いたガス溶解方法の具体的な実施形態について説明する。図20は、図1の液体処理ノズル1と処理コア部COREを同様に構成しつつ(従って、前述の標準構成となっている)、これにガス溶解機能を付加した液体処理ノズルの一例を示すものである。液体処理ノズル71は、そのノズル本体2に、該ノズル本体2の外周面に開口し、複数の衝突部10よりも上流にて絞り孔9に連通するガス導入孔28を形成したものである。図2を援用して説明すれば、図20の構成においても、各絞り孔9において、同一平面上で互いに直交する位置に配置されたねじ部材10の対が、流れ方向において互いに異なる位置(図中、上側の絞り孔9については下流側のA及びBの位置に、下側の絞り孔については上流側のC及びD位置)に配置されている。ガス導入孔28は、2つある絞り孔9のうち、ねじ部材10が下流側であるAないしB位置に取り付けられている図面上側のノズル孔9に対し、最も下流のねじ部材10A位置よりも上流側に開口するように、ノズル本体2の壁部に対し半径方向に孔設されている。ガス導入孔28のノズル本体2の外周面側の開口にはガス供給管を接続するためのガス導入用継手30を取り付けるためのめねじ孔29が形成されている。図20では、ねじ部材の対10A及び10Bのいずれよりも上流にてガス導入孔28が開口しているが、ねじ部材の対10A及び10Bの流れ方向の配置間隔を広げ、両者の中間位置にガス導入孔28を開口させてもよい。
ガス導入用継手30(ガス供給部)にガス供給配管を接続すれば、絞り孔9内に溶解するべきガスを簡単に導入することができる。この実施形態において液体処理ノズル71のノズル本体2の両端部は、図21に示すような、ワンタッチ接続部202cとねじ接続部202rとを備えたワンタッチ管継手202を接続するための、ストレート形状の流入側接続部26及び流出側接続部27とされており、ガス導入用継手30を接続する軸線方向中間部は、流入側接続部26及び流出側接続部27よりも径大の鍔状部2aとされている。図21において、液流入側のワンタッチ管継手202にはポンプ等の送液手段や水道に接続される液供給管が接続され、液供給部としての役割を外部の送液手段とともに担う。したがって、ワンタッチ管継手202とガス導入用継手30とが本発明のガス溶解装置の混相流供給手段を構成することとなる。
図22に示すように、液体処理ノズル71の液供給口4に液体を供給すると、図9と同様に衝突部10の周辺及び直下流域に非常に顕著な強撹拌領域SMが形成される。この状態で、ガス導入孔28に溶解するべきガスを導入し、液体とガスとの混相流として処理コア部COREに供給すると、混相流を形成するガスは衝突部10の下流の強撹拌領域SMに巻き込まれることで液体との混合が顕著に進み、ガス溶解をきわめて効率的に行うことができる。
衝突部10の下流域に強撹拌領域SMを形成する要因は、液体入口4から供給される液体中にもとから溶存しているガス(すなわち、ガス導入孔28から導入されるガスではない)のキャビテーションによる減圧沸騰析出である。溶存ガスの減圧沸騰により衝突部10の下流域には微細渦流FEを無数に伴う形で形成される強撹拌領域SMが形成され、ガス導入孔28から導入されるガスがこれに巻き込まれることで、減圧沸騰で損なわれるガス量を桁違いに上回る規模によりガスの撹拌・溶解が進行する。そして、液体に溶解しきれなかったガスも、浮上速度の非常に小さい微細気泡FBとして液中に留まり、微細気泡特有の種々知られている効果(たとえば、洗浄効果、液体の浸透性促進効果など)がガスの種別に応じて発揮されることとなる。また、同一のガスが溶存ガスと微細気泡の両方の形態で液体中に共存することで、溶存ガスを含有しない雰囲気に暴露したとき、溶存ガスのみが存在する液体と比較して、見かけの溶存ガス濃度の減少速度が低下して高濃度の状態をより長時間維持するようになる。
液体処理ノズル71もまた、図1及び図5と同様に、隔壁部8に形成する絞り孔アスペクト比が3.5以下に設定され、絞り孔9変位が絞り孔9の内径dよりも小さくなるよう、隔壁部8の中央付近(基準点周り)に近接配置されている。また、絞り孔9の衝突部10よりも下流に位置する残区間の長さLpを、前述の残区間アスペクト比が1.0以下となるように設定されている。この実施形態では、2つある絞り孔9,9の一方にしかガス導入孔28が形成されていないから、図22に示すように、溶解するべきガス相GBはもっぱら片方の絞り孔9に偏って供給される。
しかし、絞り孔アスペクト比が3.5以下に設定されていることで処理コア部CORE全体での流量損失は小さく、ガス導入される側の絞り孔9内の流れF2においても、ガスが導入される分だけ他方の絞り孔9内の流れF1よりは流量は低くなるものの、これが過度に損なわれることがない。そして、残区間長さLpが小さくなっていることで、導入されたガスを衝突部10の下流で合体・拡大した強撹拌領域SMに速やかに導くことができる。つまり、ガスが非導入となる絞り孔9側で主に作られる強撹拌領域SMを、流出室7にてガス導入側となる絞り孔9からの流れが共有できるのである。ガスが片方の絞り孔9に偏って流れ込む形になっているにも拘わらず、極めて効率的なガスの溶解・粉砕が可能である。
ガス導入孔28は、もちろんすべての絞り孔9(図20の例では2つ)に対して設けてもよく、この場合は、ガスは両方の絞り孔9(の衝突部10)に対して分配されつつ供給される。また、図23の液体処理ノズル171(図21の液体処理ノズル71からガス導入孔28を省略したものに相当)のように、ノズル本体2にガス導入孔を設けない構成を採用し、液体入口4よりも上流の液供給経路上にてガスを流入させる方式としてもよい。この方式では、ガスの供給に際して絞り部での減圧吸引効果は利用できないので、ガス供給圧力を若干高める必要はあるが、液体処理ノズル171の各絞り孔9に均一にガスを供給しやすい利点がある。また、絞り孔9の上流にて液体処理ノズル171の流入室6にガス導入孔を設ける構成も可能である。
この場合もガスは両方の各絞り孔9に対して分配されつつ供給されるが、ノズル本体2の姿勢によりガスの各絞り孔9への分配状況が変化する特性がある。図24は、図21の液体処理ノズル171を流れ方向が水平になるように配置してガス溶解を行う様子を示すものである。液体入口4から混相流を導入したとき、そのガス相をなす気泡Gは重力によって上に偏って流れやすくなり、上方に位置する絞り孔9にガス相が偏りやすくなる。この場合は、絞り孔9の一方にガス導入孔28を形成する図22の場合と同様に、ガス相流量の小さい下側の絞り孔9側での液体流F1により主に作られる強撹拌領域SMを、流出室7にてガス相流量の大きい上側の絞り孔9からの流れF2が共有できるので、同様に良好なガスの溶解・粉砕が可能である。
一方、図25は、図21の液体処理ノズル171を流れ方向が垂直になるように配置してガス溶解を行う様子を示すものである。ガスを導入する液体入口4は当然下側に位置するようにして混相流を導入することとなる。複数の絞り孔9は絞り孔アスペクト比が小さく、かつ、隔壁部8の中央付近に近接配置されているので、液相・ガス相ともに偏流は生じにくく、ガス相GBは各絞り孔9に均一に分配され、一様なガス溶解が可能となる。ただし、ガス供給流量が極度に大きくなりすぎると、衝突部との液体との接触確率がどの絞り孔9でも小さくなってしまうので、強撹拌領域SMの形成が顕著でなくなり、ガス溶解効率が急減する恐れもありうる。
このように考えた場合、図22のごとく、複数の絞り孔9の一部のものについてのみガス導入孔28を形成する態様であれば、ガス導入孔28に多量のガスを供給して当該側の絞り孔9にガス相が過度に偏ったとしても、残余の絞り孔9にはガスは全く流れ込まず、液体の流量を常に十分に維持できるから、強撹拌領域SMの形成は図24の場合よりも安定であり、より多量のガスを溶解したい場合には有利であるともいえる。また、流速が上昇する絞り孔9でのガス導入となることから、ベンチュリ効果による減圧吸引効果により、溶解するべきガスを比較的低圧で吸い込むことができ、また、衝突部10に近い位置でのガス供給となることから導入したガス気泡が速やかに粉砕され、溶解効率を向上させやすくなる、等の利点もある。
本発明のガス溶解方法では、最も簡易には、液体処理ノズル1に対し液体を1パスだけ流通させつつガスを溶解させる方式を採用することができる。図26に、該方式を具現化できる本発明のガス溶解装置の一例を示し、図27にその使用例を示す。ガス溶解装置200は、混相流供給手段をなす液供給部が、外部の液供給源(たとえば水道や給湯器の湯水混合栓408(図27))につながる液供給管(流入側ホース)405(図27)を接続するための液供給管接続部202B(取付ねじ部202rを有する)にて構成される。液供給管接続部202Bの先には図20の液体処理ノズル71が設けられ、その液体出口からは液体処理ノズル71にてガスを1パスにて溶解させたガス溶解済み液体が流出するようになっている。該液体出口5側にガス溶解済み液体の排出管(流出側ホース)402(図27)を接続するための液排出管接続部202A(取付ねじ部202rを有する)が設けられている。簡易な1パスによるガス溶解装置200であるが、本発明の液体処理ノズル71を用いることにより、従来のノズルよりもはるかに高濃度にガスを溶解することができるようになる。
以下、ガス溶解装置200の詳細についてさらに説明する。ガス溶解装置200は本体ケース201を備え、その表面に金属製のねじ付管継手で構成された液排出管接続部202Aと液供給管接続部202Bが取り付けられている。液供給管接続部202Bには内部液配管205が接続され、さらに流れセンサ(フロースイッチ)204及び管継手203を介して図20の液体処理ノズル71の液体入口側が接続される一方、液体処理ノズルの液体出口側が液排出管接続部202Aにつながっている。
本体ケース201の表面には、外部のガス供給源につながるガス供給配管を接続するためのガス供給口継手211が取り付けられている。そして、液体処理ノズル71のガス導入用継手30とガス供給口継手211とは、ガス供給配管210により互いに接続されており、その途上には液体処理ノズル71側から逆止弁207、電磁バルブ208及び圧力センサ209がこの順序で配置されている。逆止弁207は、ガス供給配管210内のガス供給流が途絶えた場合に、液体処理ノズル71側からの液体流の逆流を防止するためのものであり、電磁弁208はガス供給配管210内のガス供給流を遮断状態と供給状態との間で切り替えるためのものである。また、圧力センサは、ガス供給配管210内のガス圧を検知して、ガス供給流の有無を判断するためのものである。
本体ケース201内には、さらに電源回路213、ガス供給配管210内のガス供給流を遮断状態と供給状態との間で切り替え制御するガス供給制御手段をなす制御基板212が設けられ、本体ケース201の表面には電源スイッチ214と、電源ランプ215が取り付けられている。電源スイッチ214からのスイッチ信号SS、流れセンサ204及び圧力センサ209からの検知信号SF及びSPは制御基板212に入力される。また、制御基板212にはガス流制御操作部216からの操作信号も入力される。電源回路213は電源コード217c及及び電源プラグ217(あるいはプラグ付ACアダプタ)を介して商用電源から駆動電源電圧を受電し、制御基板に各所の駆動電圧や信号源電圧を出力する。
制御基板212は次のような制御動作を行う。
(1)電源スイッチ214がオンとなるに伴い電源電圧の受電を検知し、電源ランプ215を点灯させる。
(2)以下のすべての条件が成立している場合に、電磁弁208に駆動信号SVDを出力し、電磁弁208を開状態に駆動する(これにより、液体処理ノズルにガス供給配管210を介してガスが供給される)。
a.流れセンサ204が、内部液配管205内の液体流れを検知している検知信号SFを出力していること、
b.圧力センサ209がガス供給配管210内のガス供給圧力の検知信号SPを出力していること、及び、
c.ガス流制御操作部216がガス供給を許可する操作状態となっていること。
(3)(2)のa〜cのどれか一つでも不成立になっている場合は、電磁弁208を閉状態に保つ。
図26のガス溶解装置200の使用例と、その場合の動作について図27により説明する。ここでは、ガス溶解装置200の適用先が美容室等の洗髪台であり、ガスとして炭酸ガスを用い、該炭酸ガスを溶解した洗髪用温水をシャワー401から供給する形態を例にとる。給湯器の湯水混合栓408とガス溶解装置200の液供給管接続部202Bは水栓金具406及び407により液供給管をなす流入側ホース405を介して接続されている。また、シャワーヘッド401とガス溶解装置200の液排出管接続部202Aとは、水栓金具403及び404により排出管としての流出側ホース402を介して接続されている。そして、ガス供給源となる炭酸ガスボンベ410の減圧弁411とガス溶解装置200のガス供給口継手211とがガス供給チューブ412により接続されている。
図26のガス溶解装置200は次のように動作する。
電源スイッチ214がオンになっており、炭酸ガスボンベ411のバルブが開となっている場合、この状態で湯水混合栓408を開けば、温水がガス溶解装置200に供給されシャワーヘッド401から噴射される。このとき、図26の流れセンサ204は温水の流れを検知し、圧力センサ209はガス供給配管210を経て供給される炭酸ガス圧を検知しているので、制御基板212には液体流れの検知信号SFとガス供給圧力の検知信号SPが入力されている。したがって、この状態で、ガス流制御操作部216がガス供給を許可する操作状態とされれば制御基板212は駆動信号SVPを電磁弁208に出力し、電磁弁208が開き、温水が流れ込む液体処理ノズル71に炭酸ガスが供給され、溶存炭酸ガスと微細気泡とを含んだ温水となってシャワーヘッド401から噴射される。他方、ガス流制御操作部216におけるガス供給を許可する操作状態が解除されれば制御基板212は駆動信号SVPの出力を停止し、電磁弁208が閉じて液体処理ノズル71への炭酸ガスの供給が止まる。その結果、溶存空気による微細気泡のみを含んだ温水がシャワーヘッド401から噴射される。
この実施形態では、ガス流制御操作部216はフットスイッチとして構成され、該フットスイッチ216を足により付勢した状態がガス供給を許可する操作状態として定められている(もちろん、逆であってもよい)。たとえば、美容師等の洗髪作業者は、シャワーヘッド401を握って顧客等の洗髪を行う際に、フットスイッチ216を踏んている期間は炭酸ガスが供給され、フットスイッチ216から足を外せば炭酸ガスの供給が直ちに停止する。したがって、フットスイッチ216の操作により炭酸微細気泡水と非炭酸微細気泡水との使用の切り替えを速やかにきめ細かく行うことができるのである。
炭酸微細気泡水のモードでは、頭皮への炭酸ガス浸透による血行促進効果(ひいてはそれに伴うリラックス効果:いわゆるヘッドスパ効果)が得られること、また、髪のキューティクルを開いて水分を髪にしみ込みやすくする作用などが顕著である。さらに、アミン系の毛染め剤を使用して毛染め作業を行う場合、炭酸微細気泡水で毛染め剤を洗い流すことにより、アルカリ反応による髪へのダメージを炭酸による中和効果で和らげたり、また、長い髪でも均一に美しく染め上げたりすることができる、といった利点を享受できる。他方、皮脂や頭皮汚れ、毛穴を埋める角栓質の除去といった洗浄効果や、髪の保湿性アップ、さらには作業者の皮膚保湿の維持による手荒れ防止などの効果は、微細気泡が主体となって発揮されるものであり、炭酸微細気泡水と非炭酸微細気泡水とのいずれのモードでも享受できる。また、皮脂汚れが特に強い場合には、温水のpHが酸性に傾いていないほう、つまり非炭酸微細気泡水のほうが皮脂の除去効果が顕著であるとの報告もある。炭酸微細気泡水モードでは当然炭酸ガスの消費が伴うから、上記炭酸特有の効果が特に必要でない状況では非炭酸微細気泡水を使うことにより、炭酸ガス消費を抑えるほうが経済的である。このように、炭酸微細気泡水と非炭酸微細気泡水との各モードは、シーンに応じて適宜使い分けることが望ましいといえる。
次に、図27において湯水混合栓408を閉じると、図26の電磁弁208が自動的に閉じ、炭酸ガスボンベ410のバルブが開いていても、無駄な炭酸ガスがシャワーヘッド401から流失する恐れがない。また、炭酸ガスボンベ410が空になった場合は、圧力センサ209によりガス圧力低下が検知され、同様に電磁弁208が閉じる。これにより、非炭酸微細気泡水モードで温水の使用を継続している場合でも、ガス供給配管210を経由して炭酸ガスボンベ410側へ水が逆流する心配がない。逆止弁207も水の逆流を防止するように作用するはずであるが、チェックバルブ式の市販のガス用逆止弁の多くは低圧の液体の逆流は止められないことが多く、電磁弁208を用いて確実に逆流防止を図ることが有効である。
図28は、図20の液体処理ノズル71に替えて、ガス導入孔を有さない図23の液体処理ノズル171を用い、図26と同様の機能を実現するガス溶解装置250の例を示すものである。この構成においては、液体処理ノズル171の上流側(ここでは、流れセンサ204との間)に、ティー継手(ベンチュリ型のエジェクタでもよい)を用いたガス導入部219を設けており、その分岐開口にガス導入用継手130が取り付けられ、ガス供給配管210は該ガス導入用継手130に接続されている。ガス導入部219は混相流形成手段を構成している。その余の構成及び基本動作については図26と同じであるから、共通する構成要素には図26と同一の符号を付与し、説明は省略する。
(実施の形態3)
図29は、本発明の液体処理ノズルを用いて液体に水素を1パスにて溶解させる場合の装置の例を示している。原料水(水溶液やコロイド溶液も概念として含む)502はタンク501に貯留されるとともに、該タンク501から延出する原料水供給配管51の途上に、エジェクタ等で構成されるガス導入部219、送液ポンプ505及び本発明の液体処理ノズル1(図1及び図2参照)がこの順序で設けられている。ガス導入部219には減圧弁411及びガス供給チューブ412を介して水素ガス供給源としての水素ボンベ420から水素ガスが供給されるようになっている。なお、水素ガス供給源としては水素ボンベ以外に、電解式水素発生装置や、可逆的に水素を吸着・脱着する水素吸蔵合金を水素ガス貯留部として使用し、加熱による水素吸蔵合金からの水素脱着により水素ガスを放出する水素合金キャニスターを使用してもよい。また、送液ポンプ505は、気液混相流の送液に適したベーンポンプ、渦流ポンプあるいはダイアフラムポンプにて構成され、特にベーンポンプを用いることが望ましい。
送液ポンプ505を動作させると、タンク501からの原料水はガス導入部219にて水素ボンベ420から水素ガスが供給されて水/水素ガスの混相流となり、送液ポンプ505に吸い込まれる。このとき、送液ポンプ505の内部では水素ガスがポンプ内撹拌流に巻き込まれることにより、水素ガス相があらかじめ50〜1000μm程度の気泡に予備粉砕されて、ポンプ下流側の液体処理ノズル1に供給されるので、水素ガスの溶解効率及び1μm以下の微細気泡への粉砕効率が一層高められる。水素ガス溶解済みの処理済み水514は流出口511から回収容器512に回収される。たとえば、この水を飲用として供する場合には、流出口511に図示しないボトリング用ノズルを取り付け、回収容器512に注入せず、水素透過性が低いアルミボトルやアルミパウチなどの個別容器にボトリングし、密封するようにしてもよい。
液体処理ノズル1が前述の標準構成となっていることで、を用いる場合は、前述の構成の混相流を形成するための水素流量をQ1、水流量をQ2としたとき、液体入口側の動水圧を0.015MPa以上0.3MPa以下、水素/水流量比Q1/Q2を0.1以上0.3以下として、上記のごとく1パス供給すれば、処理済み水514の溶存水素濃度は瞬時にして0.3ppm以上に高められる。特に動水圧を0.05MPa以上0.3MPa以下として、水素/水流量比Q1/Q2を0.15以上0.3以下とすれば、溶存水素濃度は1パスであるにも関わらず1ppm以上に高めることができる。なお、水素ガスの導入位置は、ポンプ505の吸引側ではなく、ノズル1とポンプ505の間に設定してもよいし、図20のノズル71を用いて、そのガス導入孔28に水素を導入するようにしてもよいが、この場合は、ポンプ505による水素ガスの予備粉砕効果は得られない。
(実施の形態4)
次に、図30のガス溶解装置260は、液体処理ノズルから流出した液体を、ポンプを介して再びノズルに戻して循環させながらガス溶解するようにした例を示すものであり、図31はその使用例を示すものである。混相流供給手段(具体的には、その液供給部)は、液体を貯留する液体貯留部430から液体処理ノズル71(図30)を経て液体貯留部430に戻る循環配管422,425と、該循環配管422,425により液体貯留部430内の液体を、ガス供給部410からのガスと混合しつつ液体処理ノズル71(図30)を流通させたのち液体貯留部430内に戻す形で循環送液させる送液ポンプ218とを備えるものとして構成されている。
図30に戻り、ガス溶解装置260の構成についてさらに説明する。該ガス溶解装置260は、内部液配管205の途上に送液ポンプ218を組み込んだ点を除くと、図26のガス溶解装置200と同一の構成を有するので、以下、主にその相違点についてのみ説明し、共通する構成要素には図26と同一の符号を付与して、詳細な説明は省略する。すなわち、該構成では、内部液配管205がポンプ入口側の第一配管205Aとポンプ出口側の第二配管205Bとに分割され、それぞれ送液ポンプ218の吸入側と吐出側に接続されている。該送液ポンプ218は電源回路213より駆動電圧を受電する。
また、図26のフットスイッチは省略されており、制御基板212は次のような制御動作を行う。
(1)電源スイッチ214がオンとなるに伴い電源電圧の受電を検知し、電源ランプ215を点灯させる。
(2)以下のすべての条件が成立している場合に、電磁弁208に駆動信号SVDを出力し、電磁弁208を開状態に駆動する(これにより、液体処理ノズルにガス供給配管210を介してガスが供給される)。
a.流れセンサ204が、内部液配管205内の液体流れを検知している検知信号SFを出力していること、
b.圧力センサ209がガス供給配管210内のガス供給圧力の検知信号SPを出力していること、及び、
(3)(2)のa,bのいずれかが不成立になっている場合は、電磁弁208を閉状態に保つ。
図30のガス溶解装置260の使用例を、その場合の動作とともに図31により説明する。ガス溶解装置200の適用先は風呂であり、液体貯留部としての浴槽430内の温水をガス溶解装置260により循環させつつ、ガスとして炭酸ガス又は水素を溶解させる、いわゆる炭酸風呂ないし水素風呂として活用するものである。ガス溶解装置260の液供給管接続部202Bには、浴槽430内の温水をガス溶解装置260に戻す、前述の循環配管の一部をなす戻り側配管425が接続されている。また、ガス溶解装置260の液排出管接続部202Aには、浴槽430内にガス溶解装置260にてガスを溶解済みの温水を吐出する、循環配管の一部をなす吐出側配管422が接続されている。そして、ガス供給源となる炭酸ガスボンベ410(又は、水素ガスボンベ420:以下、説明は炭酸ガスボンベ410の場合で代表させる)の減圧弁411とガス溶解装置260のガス供給口継手211とがガス供給チューブ412により接続されている。
図31において、まず浴槽430に対し図示しない給湯器から温水を満たす。そして、炭酸ガスボンベ411のバルブを開とし、電源スイッチ214(図30)をオンにする。すると、ポンプ218が動作を開始し、浴槽430内の温水を、戻り側配管425を経て吸い込み、液体処理ノズル71を通過させつつ吐出側配管422を経て浴槽430に戻すように循環流動させる。このとき、図30にて、流れセンサ204は温水の流れを検知し、圧力センサ209はガス供給配管210を経て供給される炭酸ガス圧を検知しているので、制御基板212には液体流れの検知信号SFとガス供給圧力の検知信号SPが入力されている。したがって、制御基板212は駆動信号SVPを電磁弁208に出力し、電磁弁208が開いて液体処理ノズル71に炭酸ガスが供給され、溶存炭酸ガスと微細気泡とを含んだ温水となって循環が継続される。図31に示すごとく、炭酸ガスの供給を継続しながらの循環となるため、循環時間の経過とともに浴槽430内の温水の炭酸ガス濃度は増加する。そして、好みの炭酸ガス濃度となったところで電源スイッチ214をオフにすると、循環が停止する。すると、図26の電磁弁208が自動的に閉じ、炭酸ガスボンベ410のバルブが開いていても、無駄な炭酸ガスが流失する恐れがない。
この状態で入浴すると、炭酸ガスを用いた場合は、皮膚への炭酸ガス浸透による血行促進効果が得られることは周知のとおりである。しかし、微細気泡が多量に含有されていることにより、皮膚の保湿性向上や汚れ落としの効果も合わせて達成される。また、炭酸ガスが微細気泡としても含有されていることにより、装置260による循環を停止した後も、溶存炭酸ガス濃度が長時間持続する利点も生ずる。
一方、炭酸ガスボンベ410が空になるか、炭酸ガスボンベ410のバルブが閉じられると、圧力センサ209によりガス圧力低下が検知され、同様に電磁弁208が閉じる。このとき、電源スイッチ214がオンになっていると、炭酸ガスが供給されない状態で浴槽430内の温水が循環されるが、この場合は浴槽430内の温水は微細気泡含有水となる。
一方、水素ガスを用いた場合は、次のような効果が期待される。すなわち、溶存水素分子の寸法が非常に小さいため、細胞の隙間など、皮膚表面からの速やかな吸収が期待されるほか、油面から蒸発する水素ガスを、呼吸によっても取り込むことができる。肌内部の細胞に浸透した溶存水素は皮膚組織内の活性酸素を、その還元作用により不活性化し、活性酸素が原因となる不具合(一般には、シミ、シワ、皮膚炎症、乾燥などの要因として活性酸素が関連付けられることが多い)の抑制が期待できる。
(実施の形態4)
図32は、本発明の液体処理ノズルを用いて液体を循環させつつ、これに水素、窒素、あるいは酸素を溶解させる場合の装置の例を示している。該装置550は、実施の形態3の図29の装置500と多くの部分において共通しているが、タンク501から延出する配管507が、1パスの原料水供給配管ではなく、タンク側出口506からガス導入部219、送液ポンプ505及び液体処理ノズル1を経てタンク側入り口に戻る循環配管として形成されている点が相違する(その余の構成要素については図29の装置500と同一であるので、同じ符号を付与し、説明は繰り返さない)。そして、図29と同様に、ガス導入部219には減圧弁411及びガス供給チューブ412を介して水素ガス供給源としての水素ボンベ420から水素ガスが供給される。
送液ポンプ505を動作させると、タンク501からの原料水はガス導入部219にて水素ボンベ420から水素ガスが供給されて水/水素ガスの混相流となり、送液ポンプ505で水素ガス相が予備粉砕された後、液体処理ノズル1にて水素ガスの溶解及び微細気泡への粉砕処理がなされ、タンク502に戻る。以降、タンク502内の水は循環しながら水素ガスの溶解及び微細気泡への粉砕が継続され、水素ガスの溶存濃度あるいは微細気泡の形成濃度が、図29の1パスの場合よりも高められることとなる。こうして得られる循環水は、タンクに設けられたバルブ504を有する取出口503から回収される。
また、水素の溶存濃度が飽和値(たとえば常温常圧にて1.6ppm)に到達した後も水素ガスを供給しながら循環を継続すると、溶存水素濃度は頭打ちとなるが、微細気泡の形成濃度は増加し続ける。その結果、たとえば加圧等により水素ガスを溶存させただけの水と比較して、溶存水素濃度自体には大きな差は見られないが、循環停止後に水を大気開放して放置したときの高溶存水素濃度の持続時間は、微細気泡水素(水素ナノバブルあるいはコロイド状水素)を多量に含む分、水素ガスを溶存させただけの水よりも相当長くなるのである(図37、図38:後述)。
図32においては、水素ボンベ420に替えて窒素ボンベ430を用いると、原料水502の窒素溶解処理、ひいてはそれによる脱酸素処理が可能となる。窒素ガスの溶解効率が高くなることにより、より少ない窒素ガス流量及び循環時間にて、原料水502の酸素濃度を低減することができる。窒素微細気泡の形成により、低溶存酸素濃度状態を長期間保つことができるようになる。液体処理ノズル1が前述の標準構成となっていることで、液体処理ノズル1の入口側でのポンプ送水圧をたとえば0.015MPa以上0.3MPa以下、窒素/水流量比Q1/Q2を0.1以上0.3以下として、たとえば高々3循環程度までで、水の溶存酸素濃度を1ppm以下とすることができる。このような酸素低減水は生鮮食品の洗浄(特に野菜洗浄機)に導入することで、酸素により酸化が抑制されることから、洗浄される食品の鮮度向上に大きく貢献する。また、酸素低減水を凍結して得られる氷は窒素氷と称され、鮮魚などの低温保存に使用することで、これもその鮮度維持等に大きな威力を発揮する。また、原料水502を、酒やワインなどのアルコール飲料とすることも可能である。その結果、循環前に溶存していた酸素が窒素置換により排出され、アルコール飲料の酸化防止を図ることができる。これにより、飲料の酸化防止に添加されていた亜硝酸塩等の酸化防止剤の添加量を削減したり、あるいは廃止したりすることが可能となる。そして、窒素微細気泡が大量に導入される結果、アルコール飲料中の酸素濃度はその後も上昇しにくくなり、長期にわたる品質保持も可能となる。
また、図32において、水素ボンベ420に替えて酸素ボンベ440を用いると、原料水502の酸素溶解処理が可能となる。少ない酸素ガス流量及び循環時間にて溶存酸素濃度を顕著に上昇させることができる。タンク501に替えて、魚の飼育槽や、活魚(貝類も含む)を養生するための生簀とすることもでき、魚や貝などの酸素消費体が存在していても、より少ない酸素ガス流量にて高溶存酸素濃度を維持でき、ひいては魚や貝の鮮度維持、あるいは飼育密度の向上などに大いに貢献する。ガスとしては純酸素を用いてもよいし、元から酸素が欠乏する原水を使用する場合は、空気など窒素と酸素の混合ガスを用いてもよい。標準構成の液体処理ノズルを用いる場合は、前述の構成の混相流を形成するための酸素流量をQ1、水流量をQ2としたとき、液体処理ノズル1の入口側でのポンプ送水圧を0.015MPa以上0.3MPa以下、酸素/水流量比Q1/Q2を0.1以上0.3以下として循環供給することにより、水の溶存酸素濃度を10ppm以上40ppm以下に上昇させることができる。なお、酸素ガス源あるいは窒素ガス源には、ボンベ以外にも、PSA(Pressure Swing Adsorption)方式による酸素濃縮器あるいは窒素濃縮器を用いてもよいし、大規模にガス溶解を実施する場合は液体酸素ないし液体窒素を利用する気化式ガス発生装置を利用することも可能である。
図33の装置560は、図32の装置を、オゾンの循環溶解が可能となるように変形したものである(図32の装置550と共通の部分には同じ符号を付与し、説明は省略する)。まず、オゾン発生源として、原料となる酸素ガスの供給源、ここでは酸素ボンベ440と、該酸素ボンベからの酸素をオゾン化するオゾン発生器(オゾナイザ)563とを有し、ガス供給チューブ412にはオゾン発生器563より、たとえば濃度10ppm以上100ppm以下のオゾン含有ガス(オゾン以外の部分はオゾン化しなかった酸素)が供給される。図32と同様に循環処理を行うことにより、原料水を、オゾン/酸素混合気の微細気泡を含有したオゾン水とすることができる。標準構成の液体処理ノズルを用いる場合は、前述の構成の混相流を形成するためのオゾン流量をQ1、水流量をQ2としたとき、液体処理ノズル1の入口側でのポンプ送水圧を0.015MPa以上0.3MPa以下、オゾン含有ガス/水流量比Q1/Q2を0.1以上0.3以下として循環供給することにより、水の溶存オゾン濃度を1ppm以上20ppm以下に上昇させることができる。なお、循環させる気液混相流中のガス相は大半が酸素であるから、溶解しなかった廃酸素/オゾン混合気(以下、廃オゾンガスという)は、タンク501内にて浮上する。そこで、本実施形態では、この浮上する廃オゾン(+酸素ガス)をオゾン発生器に戻して再利用する廃オゾンガス帰還経路413が設けられており、酸素及びオゾンの有効利用が図られている。なお、酸素源としては空気を用いることも可能である。
溶存オゾン水は一般に、大気に暴露した場合(特に、紫外線の照射下)に、オゾンの分解により、たとえば5ppm程度の溶存オゾンは数分程度で消失することが知られている。しかし、本発明の方法を用いると、得られるオゾン水にはオゾンを含有した微細気泡が多量に含有される。これにより、大気に暴露した場合の溶存オゾン濃度の持続時間を飛躍的に高めることができるようになる。
(実施の形態5)
炭酸ガスを溶解する場合、水としては、次亜塩素酸ナトリウム水溶液を使用することもできる。これにより、次亜塩素酸ナトリウム水溶液のpH値が例えば4.3〜6前後の弱酸性に保たれ、殺菌や消毒に有効な解離状体の次亜塩素酸濃度を大幅に高めることができるとともに、炭酸特有のpH緩衝作用によりpH値の変動も小さくすることができる。次亜塩素酸ナトリウム水溶液は、次亜塩素酸イオン濃度が10ppm以上1000ppm以下(30ppm〜200ppm以下が特に望ましい)であり、炭酸ガスの溶解濃度は200ppm以上1500ppm以下である。
たとえば、目標濃度の次亜塩素酸ナトリウム水溶液をあらかじめ用意し、これを図示しないタンク等に貯留して、図26あるいは図28のガス溶解装置200,250の液流入管接続部202B側から外部ポンプ等を用いて送液して炭酸ガスを溶解させ、次亜塩素酸ナトリウム水溶液のpHを4.3〜6に調整した後、液排出管接続部202A側から取り出して消毒等に用いることができる。
一方、次亜塩素酸ナトリウム水溶液を用いず、通常の水にガス溶解装置200,250を用いて炭酸ガスを溶解し、追って次亜塩素酸ナトリウム水溶液を添加するようにしてもよい。このようにすると、特に液体処理ノズルの衝突部(ねじ部材)の材質に要求される耐化学薬品性を大幅に軽減することができる。この場合、液排出管接続部202A側から取り出した炭酸ガス溶解済みの水に、目標濃度よりも高濃度の次亜塩素酸ナトリウム水溶液を添加することにより、pH調整済みの次亜塩素酸ナトリウム水溶液として用いることが可能である。
一方、図26、図28あるいは図30のガス溶解装置200,250,260において、液体処理ノズルから送出される炭酸ガスが溶解した水に対し、次亜塩素酸ナトリウム水溶液を定量供給する次亜塩素酸ナトリウム水溶液供給部を組み込んだ装置を構成することも可能である。図34の装置270は、図30のガス溶解装置260に組み込んだ例を示すものであり、次亜塩素酸ナトリウム水溶液供給部310は、次亜塩素酸ナトリウム水溶液を保持する水溶液タンク311と、液体処理ノズル71の下流に組み込まれた水溶液供給ノズル317と、水溶液タンク311の次亜塩素酸ナトリウム水溶液を水溶液供給ノズル317に定量送液する送液ポンプ312とを有する。この実施形態では、水溶液供給ノズル317はティー継手(ベンチュリ型のエジェクタでもよい)を用いて構成し、その分岐開口に液導入用継手330が取り付けられ、水溶液タンク311からの液供給配管314が送液ポンプ312を介して液導入用継手330に取り付けられている。その余の構成及び基本動作については図26と同じであり、共通する構成要素には図26と同一の符号を付与してある。
電源スイッチ214をオンにすると、ポンプ218が動作し、液流入管接続部202B側から原料水を取り込みつつ図29と同一の動作にて液体処理ノズル71により炭酸ガスが溶解する。これと同時に送液ポンプ312が動作し、液体処理ノズル71下流側で水溶液供給ノズル317から次亜塩素酸ナトリウム水溶液が定量注入される。送液ポンプ312の流量は、添加する次亜塩素酸ナトリウム水溶液の濃度と、ポンプ218が送液する原料水の流量に応じ、液排出管接続部202A側で得られる次亜塩素酸イオン濃度が10ppm以上1000ppm以下となるように設定される。
なお、次亜塩素酸ナトリウム水溶液の注入中に、炭酸ガスの供給・停止を手動又は自動により切り替え可能に構成することも可能である。図34においては切り替えスイッチ331を追加し、その切り替え信号SCを受けた制御基板201が、図26の装置におけるフットスイッチ216の作用と同様に電磁弁208の開閉を行い、炭酸ガスの供給・停止を切り替える。このようにすると、炭酸ガスの供給モードでは液排出管接続部202Aからは殺菌性の高い弱酸性次亜塩素酸水が得られ、炭酸ガスの停止モードでは洗浄性の高いアルカリ性の次亜塩素酸ナトリウム水溶液(つまり、タンク311内の次亜塩素酸ナトリウム水をポンプ218が送液する原料水で希釈しただけのもの)が得られる。たとえば、炭酸ガスの停止モードで得られるアルカリ性の次亜塩素酸ナトリウム水溶液を用いて先に油脂やタンパク系の汚れを洗浄・除去した後、炭酸ガスの供給モードに切り替えて弱酸性次亜塩素酸水により除菌処理を行うなど、より高水準の衛生維持に貢献できる。
以下、本発明の液体処理ノズルの効果を確認するために種々の試験を行った。
(実施例1)
ノズルの形態はガス溶解を行わない試験については図23に示すノズル171を、ガス溶解を行う試験については図20に示すノズル71を使用した。これら、両ノズルは、ノズル本体2の鍔状部2aにおけるガス導入孔28の有無のみである。ノズル本体2の材質はABS樹脂であり、液体入口4と液体出口5の内径はφ14mm(後述の表1:比較例である番号17,18は18mm)、流入室6及び流出室7の流れ方向の長さはそれぞれ30mmである。コア部COREについては、絞り孔9の形成個数を図2に示す配置にて2個、ないし図15に示す4個のいずれかとし、絞り孔9の内径dはφ3.0〜φ4.6mm種々の値に、絞り孔変位Tについては0.9〜5.5mmの種々の値にそれぞれ設定した。隔壁部8については、その外周縁が、絞り孔9の内径dと絞り孔変位Tの値に応じ、図1及び図15の投影に示すごとく、液体流路3の中心軸線Oを中心とした絞り孔9内周縁への外接円20とほぼ一致するように形成し、その厚みを7.0〜20.0mmの種々の値に調整した。流入室6及び流出室7の内周面は、各々液体入口4と液体出口5との内周縁から、隔壁部8の対応する側の外周縁に至る連続テーパ面として形成した。これにより、各ノズルの絞り孔アスペクト比は1.52〜6.67、絞り孔集約率Kは0.11〜0.55の種々の値に設定されている。
次に、衝突部10は脚部先端面が平坦に形成されたねじ部材により、具体的にはM1.4ないしM1.6のJIS並目ピッチのなべ小ねじ(SUS304ステンレス鋼製)を使用して形成した。このうち、図1型のレイアウトによる、絞り孔9の数が2個のノズルについては、各絞り孔に対して4本のねじ部材を図2に示す形態で配置した。図6に示すごとく、各絞り孔9について互いにずれて配置される二組のねじ対10A,10Bないし10C,10Dの軸線方向の距離Jは、使用したねじ部材の外径(1.4mmないし1.6mm)と等しく設定してある。また、絞り孔9に対する軸線方向のねじ対の配置位置は、個々のねじ対についてねじ孔9の残区間長Lp〜Lpが、その平均値(残区間平均長)にて2.8〜13.8mmの種々の値となるように設定している。他方、流入室側については、図6のごとく、最も上流側のねじ部材対10Dの上流側の縁の位置を隔壁部8の端面と一致するように定めている。一方、図15型の絞り孔9の数が4個のノズルについては、各絞り孔に対して1本のねじ部材を、絞り孔9に対する残区間長Lpが0〜7mmとなるように配置している。また、図20のガス導入孔28については、内径をφ2mmとして、対応する絞り孔9内でねじ部材よりも上流に開口する形で形成している。
また、個々のノズルのコア部COREにおける合計流通断面積Seは、液流入口4側から内部の実体写真を撮影し、その写真から液流通領域(つまり、図3等においてねじ部材10に遮られない主流通領域21及び液体流ギャップ15の合計)の面積(以下、合計流通断面積Seという)を画像解析することにより算出した。該合計流通断面積Seの値も含め、コア部COREにおける主要寸法及びパラメータの数値を表1にまとめて示している。このうち、*を付与した番号のノズルは、表中同様に*を付与した寸法ないしパラメータの値にて本発明の範囲外となっていることを示すものである。
以上のノズルを用いて、次の試験を行った。結果を表2にまとめて示している。
(1)一定水圧での流量の測定
元圧0.2MPaの水道蛇口から延びる配管を各ノズルの流入口側に接続し、かつ、その入口側に水圧計を取り付けた。そして、その状態で水道蛇口の開きを、水圧計の指示圧が0.1MPaとなるように調整し、ノズルの流出口から流出する水道水(溶存酸素濃度:8ppm)の流量(水流量Q:L/min)を測定した。また、この水流量Qを表1の合計流通断面積Seで除した値を水流束Q/S(L・mm/min)として算出した。
(2)平均気泡径の測定
(1)にて、ノズルの流出口から流出する水道水をレーザー回折式粒度分布測定装置((株)島津製作所:SALD7100H)の測定セルに導き、平均気泡径を測定した。ノズルから流出した水は1Lのビーカーに採取した後、1分間放置して粗大な気泡を浮上させたのち測定に供している。レーザー回折式粒度分布測定装置は、測定セルにレーザー光ビームを一定角度で入射し、気泡と水との屈折率差及び気泡径に応じ、気液界面で生じる光散乱の立体的な散乱分布が異なることを利用して、角度別の散乱光強度を個別の光検出器により検出し、各センサの検出強度分布から気泡径分布に係る情報を得るものである。得られる分布は体積気泡径分布であるが、装置付属のソフトウェアにより、気泡を球形近似することにより数平均径分布に変換し、これに基づいて算出した数平均気泡径を表示している。また、上記測定装置にはセルを通過するレーザー光の吸光度を測定する機能が付随しており、この吸光度が高いほどセル内には高濃度で気泡が存在することを意味する。該吸光度の値は相対的なものであり、気泡濃度の絶対値の情報は得られないが、同時に測定する複数試料の気泡濃度を相対的に比較することが可能であり、表2には該吸光度の値も合わせて表示している(なお、装置が表示する吸光度の最大値は0.2である)。
(3)炭酸ガス溶解テスト
図26のガス溶解装置200のノズル71として表1の種々のノズルを組み込み、給湯器を用いて水温35℃の温水を、液供給管接続部202B側に取り付けた水圧計にて動水圧が0.1MPaとなるように調整し流しつつ、ガス供給口継手211から炭酸ガスを、供給圧0.2MPa、炭酸ガス流量が水流量と同じになるように供給することにより、炭酸ガスを溶解させ温水を液流出管接続部202Aに接続したホースより回収して、市販の炭酸ガス濃度計を用いて炭酸ガス濃度を測定した。
(4)水素ガス溶解テスト
図32に示す装置550に表1の種々のノズル(ただし、ガス導入孔なし)を組み込み、タンク501を逆浸透膜処理した精製水180Lで満たすとともに、ポンプ循環流量をノズル1とポンプ505との間で測定した供給圧が0.1MPaとなるように調整した。この状態でガス導入部219から水素ガスを、供給圧力0.3MPa、水素ガス流量が常圧換算にて循環流量の20%となるように調整しつつ供給して水素ガス溶解を行った(タンク上部は大気開放)。循環時間は、タンク内精製水の体積をポンプ循環時間で除した時間と等しくなるように定めた。循環停止後、水素ガス溶解済みの水を取出口503から開口径18cmの樹脂製ビーカーに5Lだけ採取し、隔膜ポーラ口電極式の溶存水素計にて溶存水素濃度を直ちに測定した。
(5)窒素ガス溶解テスト
図32に示す装置550に表1の種々のノズル(ただし、ガス導入孔なし)を組み込み、タンク501を30Lの水道水(溶存酸素濃度8ppm)で満たすとともに、ポンプ循環流量をノズル1とポンプ505との間で測定した供給圧が0.1MPaとなるように調整した。この状態でガス導入部219から窒素ガスを、供給圧力0.3MPa、窒素ガス流量が常圧換算にて循環流量の20%となるように調整しつつ供給して窒素ガス溶解を行うとともに(タンク上部は大気開放)、タンク内の水の溶存酸素濃度を光学式溶存酸素計にて継続的に測定し、酸素濃度が1ppm未満の値となるまでに要する時間を特定した。
(5)酸素ガス溶解テスト
図32に示す装置550に表1の種々のノズル(ただし、ガス導入孔なし)を組み込み、周知の減圧脱気処理により脱酸素した水30Lにてタンク501を満たすとともに、ポンプ循環流量をノズル1とポンプ505との間で測定した供給圧が0.1MPaとなるように調整した。この状態でガス導入部219から純酸素ガスを、供給圧力0.3MPa、酸素ガス流量が常圧換算にて循環流量の20%となるように調整しつつ供給して酸素ガス溶解を行った(タンク上部は大気開放)。循環時間は、タンク内精製水の体積をポンプ循環流量で除した時間と等しくなるように定めた。循環停止後、酸素ガス溶解済みの水を取出口503から開口径18cmの樹脂製ビーカーに5Lだけ直ちに採取し、光学式溶存酸素計にて溶存酸素濃度を測定した。
以下、得られた結果について説明する。
(A)水流束と微細気泡の発生効率について
本発明の液体処理ノズルの要件、すなわち絞り孔アスペクト比3.5以下、及び(絞り孔変位T)<(絞り孔の内径d)を充足する実施例ノズル(番号1〜14)は、これら2つの条件をいずれも充足しない番号17及び18の比較例ノズル(このうち、番号18のノズルは図40に示した特許文献9のノズルとほぼ同一の構成を有するものである)よりも、同じ水供給圧力にて得られる水流束値が大幅に高い。また、レーザー散乱式粒度計による気泡数平均径の値は120nm〜290nmと非常に小さく、かつ、こうした微細気泡の濃度を反映した吸光度の値が比較例ノズル17,18より数倍ないし数十倍高い。すなわち、比較例ノズルよりも大流量であって、かつ微細気泡の発生効率に優れた液体処理ノズルが実現されていることが明らかである。また、絞り孔アスペクト比と絞り孔変位Tの一方のみが本発明の条件を充足しない番号15及び16の比較例ノズルは水流束及び吸光度の値は若干改善されるものの、本発明実施例である番号1〜14の液体処理ノズルには及ばない。
また、番号1〜14の実施例ノズルにおいては、絞り孔アスペクト比の値が小さくなるほど、また、絞り孔変位Tの絞り孔の内径dからの隔たりが大きくなるほど水流束の値は大きくなり、また、気泡径の数平均値の値は小さくなり、気泡形成密度を反映した吸光度の値は大きくなる傾向にある。この場合、残区間平均長の値以外を同じに設定した番号6と番号7の結果を比較すれば明らかな通り、残区間アスペクト比が小さい番号6のノズルは、残区間アスペクト比が大きい番号7のノズルと水流束の値はほぼ同じであるが、気泡径の数平均値の値は番号6のノズルのほうが小さく、吸光度の値は大きくなる傾向にある。すなわち、絞り孔の残区間長が短いノズルのほうが、微細気泡の発生効率が高いことがわかる。
また、合計流通断面積、絞り孔変位及び絞り孔アスペクト比がほぼ同じ値に設定されたノズルのうち、絞り孔9の数を2つとし、各絞り孔9に図2のごとくに4本のねじ部材を配した番号1のノズルと、図15のごとく絞り孔9の数を4つとし、各絞り孔9に1本のねじ部材を配した番号11のノズルの場合を比較すると、水流束の値はそれほど大きな開きはないものの、図2型の構成を採用した番号1のノズルのほうが、微細気泡の発生効率に優れていることがわかる。
(B)ガスの溶解効率について
本発明の液体処理ノズルの要件を充足する実施例ノズル(番号1〜14)は、これら2つの条件をいずれも充足しない番号17及び18の比較例ノズルよりも、同じ水供給圧力及び同じガス/水流量比で溶解を行っているにもかかわらず、炭酸ガス濃度、溶存水素濃度、及び溶存酸素濃度のいずれも高く、優れたガス溶解能力を発揮することがわかる。特に、水への溶解度が高く水との混合比が非常に大きくならざるを得ない炭酸ガスは、1パス溶解であるにも関わらず、実施例ノズルは比較例ノズルの2〜4倍以上の濃度にて溶解できていることがわかる。絞り孔アスペクト比と絞り孔変位Tの一方のみが本発明の条件を充足する番号15及び16の比較例ノズルは、炭酸ガス濃度は若干上昇するものの、実施例ノズルとの差は依然非常に大きい。また、水への体積溶解率が非常に小さい水素に関しても、比較例ノズルを用いた場合は非常に低い溶存水素濃度しか得られていないが、実施例ノズルでは高濃度で水素が溶解できており、条件によっては、溶存水素の飽和値である1.6ppmないしそれを超える溶存水素の測定値が得られている。隔膜ポーラ口グラフ式溶存水素計においては、水素の微細気泡が多量に含まれている場合、飽和濃度以上の溶存濃度測定値を示す現象が見られる。また、体積溶解度がさらに小さい窒素の場合、実施例ノズルは溶存酸素濃度が1ppmに到達するまでの時間が比較例ノズル(番号15,16)よりも短く、窒素置換による脱酸素能力にも優れていることがわかる(なお、比較例17,18は循環15分を経過しても溶存酸素濃度を1ppm未満とできなかったので、テストを途中で打ち切った)。
また、番号1〜14の実施例ノズルにおいては、絞り孔アスペクト比の値が小さくなるほど、また、絞り孔変位Tの絞り孔の内径dからの隔たりが大きくなるほどガスの種別によらずその溶解効率が向上していることがわかる。この場合、残区間平均長の値以外を同じに設定した番号6と番号7の結果を比較すれば明らかな通り、残区間アスペクト比が小さい番号6のノズルは、残区間アスペクト比が大きい番号7のノズルと水流束の値はほぼ同じであるが、どのガスについても番号7よりもはるかに高い溶解性能を示している。また、合計流通断面積、絞り孔変位及び絞り孔アスペクト比がほぼ同じ値に設定されノズルのうち、前述の番号1のノズルと番号11のノズルの場合を比較すると、図2型の構成を採用した番号1のノズルのほうが、ガスの種別によらず番号11の2倍以上の溶解性能を示していることもわかる。
(実施例2)
表1のノズルのうち、特にガス溶解性能の高かった番号1のノズルについて、炭酸ガス及び水素ガスの溶解能力をさらに詳細に調べた結果について説明する。まず、炭酸ガスについては、実施例1と同じ装置にて、水圧と炭酸ガス/水流量比を種々の値に設定し、得られた水のpH及び炭酸ガス濃度を測定した。具体的には、水流量(水流束)を種々の値に固定しつつ、炭酸ガスの流量(ガス圧力は実施例1と同じ)を変更しながら、上記の測定を行った。また、得られた水の炭酸ガス濃度から溶存炭酸ガス体積を計算し、流した炭酸ガスの総流量に基づいて炭酸ガスの溶解効率と、溶解しきれず廃ガスとなる流量(排ガス流量)とを算出した。以上の結果を表3に示すとともに、水流束の値ごとに各炭酸ガス/水流量比に対し炭酸ガス濃度測定結果をプロットしたグラフを図35に、同様に炭酸ガス溶解効率の計算結果をプロットした結果を図36にそれぞれ示す。
ノズルの水流束が0.35L・mm/min以上が確保されている条件では、炭酸ガス/水流量比に対し、図35のごとく炭酸ガスの溶解濃度はほぼ直線的に増加していくが、図36に示すように、炭酸ガスの溶解効率は逆に直線的に低下していく傾向にある。そして、炭酸ガスの溶解効率は、水流束が高くなるほど上昇することもわかる。注目するべきは、表3に示すごとく、一般家庭の供給される水道圧力レベルの0.1MPaないしそれよりもはるかに低い水圧レベルでも、50%〜120%もの広い炭酸ガス/水流量比にて常に50%ないしそれ以上の溶解効率が達成され、800ppm以上、多くの条件にて1000ppm以上の極めて高い炭酸ガス溶解濃度が、1パス流通にて安定的に得られている点である。なお、炭酸ガス/水流量比が115%を超える条件では、未溶解の炭酸ガスによる水流の脈動が顕著となり特にシャワーヘッドを接続した場合は、脈動に伴う騒音が増加した。
また、図37は、同じ番号1のノズルを用い、実施例1と同じ条件で水素を導入しつつ水を循環させた時の、溶存水素濃度の測定値と循環時間の関係を示すグラフである(タンク上部は大気開放)。表2によると、番号1のノズルの水圧0.1MPaでの流量は15.7Lで/分であり、タンク内の水180Lを一巡させるのに約12分が必要である。すなわち、12分後の溶存水素値は、同じ条件で水素を流通しながらノズルに水を1パス流通させた時に得られる水素濃度値をほぼ反映していると考えられるが、図37のグラフによると、12分後の溶存水素濃度はすでに1ppmを超えていることがわかり、水素ガスを向き込みながら水道圧レベルの水圧でノズルを通すだけで、加圧などの処理を施さずとも、極めて簡単に高濃度の水素を溶解できることがわかる。そして、その後、ほぼ二巡目に相当する24分後には水素濃度は常温常圧での飽和値1.6ppmに到達し、その後30分を経過した時点で飽和値を超える1.8ppm前後となったのち、60分後までほぼ同じ溶存水素値を維持し続けた。
そして、60分まで循環を行った水を、開口径18cmの樹脂製ビーカーに5L採取し、これを気温20℃の条件で大気中に暴露しながら、溶存水素濃度の変化を調べた。なお、比較のため、5Lの水を圧力容器に入れ、0.15MPaの圧力にて水素ガスを加圧し1時間保持した後圧力解除したものの溶存水素濃度の変化を同時に測定した。その結果を図38に示す。比較例の水は溶存水素のみを含んでいると推定されるが、溶存水素濃度の初期値はほぼ飽和値の1.6ppmを示したものの8時間後には初期値の半分を大きく下回る0.5ppmとなり、16時間後には0.2ppmまで減少した。これに対し、実施例の水は、16時間を経過してもなお、1.2ppmもの非常に高い溶存水素濃度を示すことがわかる。このような持続性の高い溶存水素水が、上記のごとく極めて簡単な方法で得られることは特筆に値する。
ヘンリーの法則に従う溶存水素の蒸発はヘルツ・クヌーセンの式に従って進行し、接触雰囲気における液面直上の水素濃度、すなわち溶存水素濃度に比例して蒸発速度が増加することが知られている。すなわち、同じ溶存水素濃度を示す瞬間であれば、実施例の水も比較例の水も同じ蒸発流束で溶存水素が揮散していると考えなければならない。したがって、溶存水素濃度の測定値の減少速度が小さくなるということは、水素の蒸発速度そのものが低下しているからではなく、実施例の水が溶存水素以外に水素微細気泡を大量に含んでおり、溶存水素が蒸発して濃度が減少しようとしても、微細気泡からの水素が新たに周囲の水に溶出して補われる結果、溶存水素の減少速度が見かけ上小さくなっていることに他ならない。
なお、溶存水素の蒸発速度は、ヘルツ・クヌーセンの式によれば、容器内での液面の面積に比例し液体積に反比例して変化する。従って、溶存水素濃度の持続時間を測定する場合、同じ形状の容器に同じ量だけ液体を入れて測定したデータ同士でなければ、直接比較ができないことを付言しておく。
1,51,71,171 液体処理ノズル
2 ノズル本体
O 中心軸線
3 液体流路
4 液体入口
5 液体出口
6 流入室
7 流出室
8 隔壁部
9 絞り孔
10 衝突部(ねじ部材)
CORE 処理コア部
11 山部
12 谷部
15 液体流通ギャップ
16 流入側接続部(ねじ部)
17 流出側接続部(ねじ部)
20 外接円
28 ガス導入孔
200,260,270,500,550,560 ガス溶解装置

Claims (20)

  1. 液体流路が形成されたノズル本体と、
    前記液体流路を液体入口側の流入室と液体出口側の流出室とに区画する隔壁部と、前記隔壁部に貫通形成され前記流入室と前記流出室とを互いに別経路にて連通させる複数の絞り孔と、前記絞り孔の内面から各々突出するとともに外周面に周方向の山部と高流速部となる谷部とが複数交互に連なるように形成された衝突部とからなる処理コア部とを備え、前記液体流路にガスが溶存した液体を供給し前記衝突部に前記液体を衝突させることにより、該液体が前記谷部内にて増速するときの減圧沸騰作用により微細気泡を生じさせるようにした液体処理ノズルであって、
    前記絞り孔は、それら絞り孔の軸断面積の合計と等価な円の直径をde、前記絞り孔の長さをLとして、L/deにて定義される絞り孔アスペクト比が3.5以下に設定されてなり、かつ、前記ノズル本体の前記軸線と直交する平面への投影において、前記隔壁部の投影領域の中心位置に定められた基準点から複数の前記絞り孔の内周縁までの距離Tが該絞り孔の内径dよりも小さくなる程度に近接配置されてなることを特徴とする液体処理ノズル。
  2. 前記投影において、複数の前記絞り孔の内周縁に対する外接円の面積をSt、前記絞り孔の投影領域の合計面積をSrとしたとき、K≡Sr/Stにて定義される絞り孔集約率Kが0.2以上である請求項1記載の液体処理ノズル。
  3. 前記外接円の面積Stが前記隔壁部の投影面積の90%以上である請求項2記載の液体処理ノズル。
  4. 前記絞り孔の前記衝突部よりも下流に位置する区間の長さをLpとし、前記絞り孔の投影領域の合計面積Srと等価な円の直径をdeとしたとき、Lp/deにて定義される残区間アスペクト比が1.0以下に設定されてなる請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の液体処理ノズル。
  5. 前記処理コア部において複数の前記絞り孔のそれぞれに、前記ノズル本体の前記軸線と直交する平面への投影において前記衝突部が孔中心軸線を取り囲む十字形態に4つ配置されるとともに、
    前記処理コア部には前記絞り孔が、前記液体流路の中心軸線を挟んで互いに対称な位置関係で2個又は3個形成され、それら前記絞り孔にそれぞれ形成される前記衝突部の組は前記ノズル本体の壁部外周面側から先端が前記絞り孔内へ突出するようにねじ込まれる4本のねじ部材により形成されるとともに、それら4つのねじ部材の組は、2つの前記絞り孔の間で軸線方向にて互いにずれた位置に配置されてなる請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の液体処理ノズル。
  6. 前記ノズル本体には、該ノズル本体の外周面に開口し、複数の前記衝突部の少なくとも一つのものよりも上流にて前記絞り孔に連通するガス導入孔が、複数の前記絞り孔の一部のものについてのみ形成されている請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の液体処理ノズル。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の液体処理ノズルの前記液体入口に液体を供給し、該液体を前記衝突部に接触させて前記液体出口から流出させることを特徴とする液体処理方法。
  8. 前記液体が気体を溶存させた水であり、前記液体出口から溶存した前記気体に由来する微細気泡を含有した微細気泡含有水として流出させる請求項7に記載の液体処理方法。
  9. 前記液体処理ノズルを、トイレの便器洗浄水供給配管の途上に設け、該配管内の洗浄水を前記液体処理ノズルにて前記微細気泡含有水としたのち前記便器に供給することにより、前記便器及び便器の汚水排管内を洗浄する請求項8記載の液体処理方法。
  10. 請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の液体処理ノズルの前記衝突部に液体とガスとの混相流を供給して前記ガスを前記液体に溶解させた状態で前記液体出口から流出させることを特徴とするガス溶解方法。
  11. 前記液体が水であり、前記ガスが炭酸ガスである請求項10記載のガス溶解方法。
  12. 前記液体処理ノズルとして、前記投影において、複数の前記絞り孔の内周縁に対する外接円の面積をSt、前記絞り孔の投影領域の合計面積をSrとしたとき、K≡Sr/Stにて定義される絞り孔集約率Kが0.2以上とされ、前記液体出口側を開放して前記液体入口に動圧が0.1MPaとなるように水を流通させたとき、前記液体出口から流出する水流量をQとし、前記絞り孔の内面と前記衝突部との間に形成される液体流通部の前記処理コア部における合計断面積をSeとしたときの水流束Q/Seが0.5L・mm/分以上確保されたものが使用され、
    前記混相流を形成するための炭酸ガス流量をQ1、水流量をQ2としたとき、液体入口側の動水圧を0.015MPa以上0.3MPa以下、炭酸ガス/水流量比Q1/Q2を0.05以上1.3以下として、前記液体処理ノズルに水及び炭酸ガスを1パス又は循環供給することにより、前記炭酸ガスを前記水に対し溶解効率50%以上にて溶解させる請求項11記載のガス溶解方法。
  13. 前記液体が水であり、前記ガスが窒素である請求項10記載のガス溶解方法。
  14. 前記液体処理ノズルとして、前記投影において、複数の前記絞り孔の内周縁に対する外接円の面積をSt、前記絞り孔の投影領域の合計面積をSrとしたとき、K≡Sr/Stにて定義される絞り孔集約率Kが0.2以上とされ、前記液体出口側を開放して前記液体入口に動圧が0.1MPaとなるように水を流通させたとき、前記液体出口から流出する水流量をQとし、前記絞り孔の内面と前記衝突部との間に形成される液体流通部の前記処理コア部における合計断面積をSeとしたときの水流束Q/Seが0.5L・mm/分以上確保されたものが使用され、
    前記水は初期溶存酸素濃度が3ppm以上のものが使用され、前記混相流を形成するための窒素流量をQ1、水流量をQ2としたとき、液体入口側の動水圧を0.015MPa以上0.3MPa以下、窒素/水流量比Q1/Q2を0.05以上0.5以下として前記液体処理ノズルに1パス又は循環供給することにより、前記水の溶存酸素濃度を1ppm以下とする請求項13記載のガス溶解方法。
  15. 前記液体が水であり、前記ガスが酸素である請求項10記載のガス溶解方法。
  16. 前記液体処理ノズルとして、前記投影において、複数の前記絞り孔の内周縁に対する外接円の面積をSt、前記絞り孔の投影領域の合計面積をSrとしたとき、K≡Sr/Stにて定義される絞り孔集約率Kが0.2以上とされ、前記液体出口側を開放して前記液体入口に動圧が0.1MPaとなるように水を流通させたとき、前記液体出口から流出する水流量をQとし、前記絞り孔の内面と前記衝突部との間に形成される液体流通部の前記処理コア部における合計断面積をSeとしたときの水流束Q/Seが0.5L・mm/分以上確保されたものが使用され、
    前記混相流を形成するための酸素流量をQ1、水流量をQ2としたとき、液体入口側の動水圧を0.015MPa以上0.3MPa以下、酸素/水流量比Q1/Q2を0.05以上0.5以下として前記液体処理ノズルに水及び酸素を1パス又は循環供給することにより、前記水の溶存酸素濃度を10ppm以上40ppm以下とする請求項15記載のガス溶解方法。
  17. 前記液体が水であり、前記ガスが水素である請求項10記載のガス溶解方法。
  18. 前記液体処理ノズルとして、前記投影において、複数の前記絞り孔の内周縁に対する外接円の面積をSt、前記絞り孔の投影領域の合計面積をSrとしたとき、K≡Sr/Stにて定義される絞り孔集約率Kが0.2以上とされ、前記液体出口側を開放して前記液体入口に動圧が0.1MPaとなるように水を流通させたとき、前記液体出口から流出する水流量をQとし、前記絞り孔の内面と前記衝突部との間に形成される液体流通部の前記処理コア部における合計断面積をSeとしたときの水流束Q/Seが0.5L・mm/分以上確保されたものが使用され、
    前記混相流を形成するための水素流量をQ1、水流量をQ2としたとき、液体入口側の動水圧を0.015MPa以上0.3MPa以下、水素/水流量比Q1/Q2を0.05以上0.5以下として前記液体処理ノズルに1パスまたは循環供給することにより、前記水の溶存水素濃度を0.3ppm以上とする請求項17記載のガス溶解方法。
  19. 請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の液体処理ノズルと、前記液体処理ノズルの前記衝突部に液体とガスとの混相流を供給する混相流供給手段と、を備え、前記ガスを前記液体に溶解させた状態で前記液体出口から流出させるようにしたことを特徴とするガス溶解装置。
  20. 前記混相流供給手段は水と炭酸ガスの混相流を供給するものであり、
    前記液体処理ノズルから送出される前記炭酸ガスが溶解した前記水に対し、次亜塩素酸ナトリウム水溶液を定量供給する次亜塩素酸ナトリウム水溶液供給部をさらに備える請求項19記載のガス溶解装置。
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