JP2008236588A - 弾性境界波装置及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】電気機械結合係数などの他の特性をさほど低下させることなく、群遅延時間温度係数TCDや周波数温度係数TCFを調整することが可能な弾性境界波装置を提供する。
【解決手段】圧電体2と誘電体3との界面にIDT電極4が配置されており、該IDT電極4の電極指4aに沿うように設けられており、かつ周期的に配置された第1の弾性的不連続部5a及び/または第1の弾性的不連続部5bが形成されており、第1の弾性的不連続部5a,5bの弾性境界波伝搬方向に沿う寸法である幅W1が0.07λ以下とされており、あるいはIDT電極4の複数本の電極指4a,4a間のスペース間から、垂直な方向にギャップを隔てて誘電体3内に配置された第2の弾性的不連続部6が形成されており、複数の第2の弾性的不連続部6がλ/2の周期で設けられている、弾性境界波装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば帯域フィルタや共振子などに用いられる弾性境界波装置及びその製造方法に関し、より詳細には、弾性境界波が伝搬する媒質中に弾性的不連続部が形成されている弾性境界波装置及びその製造方法に関する。
従来、帯域フィルタや共振子として弾性表面波装置が広く用いられている。また、小型化を図り得るため、弾性表面波装置に代えて、弾性境界波装置が注目されている。例えば、下記の特許文献1には、図28に示す弾性境界波装置1001が開示されている。弾性境界波装置1001は、圧電体1002と、誘電体1003とを積層した構造を有する。圧電体1002と誘電体1003との界面に、IDT電極1004及び反射器1005,1006が形成されている。ここでは、IDT電極1004として、Auのような密度の大きい金属を用いることにより、IDT電極1004が設けられている部分に振動エネルギーを集中させて弾性境界波が励振されている。
WO2004/070946
上記特許文献1に記載の弾性境界波装置では、圧電体として例えばLiNbOを用い、誘電体としてSiOを用いた構造が開示されており、上から順に積層構造を表現した場合、SiO/IDT電極/LiNbOの積層構造が示されている。このような構造は比較的単純であるが、弾性境界波装置1001において、群遅延時間温度係数TCDを改善するには、圧電体1002、誘電体1003及びIDT電極1004の材料を種々変更したり、IDT電極1004の厚みや電極指の幅を調整したりする必要がある。
しかしながら、このような材料の変更やIDT電極1004の厚みや電極指幅を調整した場合、弾性境界波の伝搬特性に大きく影響しがちであった。そのため、弾性境界波装置のTCD以外の特性が劣化するおそれがあり、他の性能を損なうことなく、群遅延時間温度係数TCDを改善することは困難であった。
本発明の目的は、上述した従来技術の現状に鑑み、弾性境界波の伝搬特性への影響をさほど与えることなく、すなわち他の特性をさほど劣化させることなく、群遅延時間温度係数TCDの絶対値を小さくすることが可能とされている弾性境界波装置及びその製造方法を提供することにある。
本願の第1の発明によれば、圧電体と、前記圧電体上に積層された誘電体と、複数本の電極指を有し、前記圧電体と前記誘電体との界面に配置されたIDT電極とを備え、前記IDT電極の各電極指の側壁に沿うように第1の弾性的不連続部が形成されており、前記IDT電極により励振される弾性境界波の波長をλとしたときに、前記第1の弾性的不連続部の弾性境界波伝搬方向の寸法が0.07λ以下とされていることを特徴とする、弾性境界波装置が提供される。
第1の発明にかかる弾性境界波装置では、好ましくは、前記第1の弾性的不連続部が、各電極指の両側の側壁に沿うように形成されている。電気機械結合係数Kの劣化をより一層抑制しつつ、群遅延時間温度係数TCDの絶対値や周波数温度係数TCFの絶対値を調整することができる。
第1の発明の弾性境界波装置のある特定の局面では、前記IDT電極が前記圧電体の前記誘電体に積層されている圧電体面上に形成されており、前記第1の弾性的不連続部が前記誘電体内に形成されている。
第1の発明にかかる弾性境界波装置の他の特定の局面では、前記IDT電極が、前記誘電体の前記圧電体に積層されている誘電体面上に形成されており、前記第1の弾性的不連続部が、前記圧電体内に形成されている。
本願の第2の発明によれば、圧電体と、前記圧電体に積層された誘電体と、前記圧電体と前記誘電体との界面に配置されており、複数本の電極指を有するIDT電極とを備え、前記複数本の電極指において、隣合う電極指間のスペースから、前記界面と垂直な方向にギャップを隔てて前記誘電体または前記圧電体内に配置された第2の弾性的不連続部が形成されており、隣合う電極指間のスペースの全てにおいて、該スペースと前記ギャップを隔てて第2の弾性的不連続部が形成されており、IDTにより励振される弾性境界波の波長をλとしたときに、弾性境界波伝搬方向に沿って上記複数の第2の弾性的不連続部がλ/2の周期で設けられていることを特徴とする、弾性境界波装置が提供される。
第2の発明において、好ましくは、前記ギャップの前記界面に対して垂直な方向に沿う寸法が0.05λ以上、1λ以下とされている。この場合には、第2の弾性的不連続部の下端が上下に変動したとしても、群遅延時間温度係数TCDが変動し難い。従って、群遅延時間温度係数TCDのばらつきの少ない弾性境界波装置を提供することができる。
第2の発明にかかる弾性境界波装置においては、好ましくは、前記IDT電極の各電極指の側壁に沿って第1の弾性的不連続部が形成されている。第1の弾性的不連続部は、IDT電極の厚みを大きくした場合に生じやすいが、そのような場合においても、第2の弾性的不連続部が設けられているため、群遅延時間温度係数TCDの絶対値を小さくすることが可能となる。
本願の第3の発明によれば、圧電体の一方面に下層誘電体膜を形成する工程と、前記下層誘電体膜上に、複数本の電極指を有するIDTの平面形状に合致した窓部を有するようにレジスト膜を形成する工程と、前記レジスト膜をマスクとして、下層誘電体膜をエッチングする工程と、金属膜を全面に形成する工程と、前記レジスト膜とともに、レジスト膜上の不要金属膜を除去し、IDT電極を圧電体上に形成させる工程と、前記IDT電極及び下層誘電体膜を覆うように上層誘電体膜を成膜する工程とを備え、前記成膜工程において、前記IDT電極の電極指の側壁と、前記下層誘電体膜との間に第1の弾性的不連続部が形成されるように、前記圧電体表面に対して斜めスパッタ粒子が入射されるようにスパッタリングにより前記上層誘電体膜を成膜することを特徴とする、弾性境界波装置の製造方法が提供される。
本願の第4の発明によれば、圧電体または誘電体の一方面に複数本の電極指を有するIDT電極を形成する工程と、堆積法により前記IDT電極を覆うように誘電体または圧電体を成膜する成膜工程とを備え、前記成膜工程において、IDT電極の隣合う電極指間のスペースに対して前記誘電体と前記圧電体との界面に対して垂直な方向にギャップを隔てて第2の弾性的不連続部が形成されるように前記圧電体または前記誘電体の表面に対して斜めにスパッタ粒子が入射するようにスパッタリングすることにより前記誘電体または圧電体を成膜することを特徴とする、弾性境界波装置の製造方法が提供される。
第1の発明にかかる弾性境界波装置では、IDT電極の各電極指の側壁に沿うように第1の弾性的不連続部が形成されており、該第1の弾性的不連続部の弾性境界波伝搬方向の寸法が0.07λ以下とされているため、電気機械結合係数の低下をさほど招くことなく、弾性境界波装置の温度特性を調整することができる。
また、第2の発明によれば、第2の弾性的不連続部がλ/2の周期で設けられているので、弾性的不連続部が設けられていない場合に比べて、他の特性をさほど低下させることなく、群遅延時間温度係数TCDの絶対値を小さくすることができ、それによって温度変化による特性の変化が小さい弾性境界波装置を提供することができる。
第3の発明によれば、IDTの電極指の側壁と下層誘電体膜との間に第1の弾性的不連続部が形成されるように、スパッタ粒子が圧電体表面に対して斜め方向に入射されるようにスパッタリングされることにより上層誘電体膜が形成されるので、第1の弾性的不連続部を容易にかつ確実に形成することができ、それによって第1の発明にかかる弾性境界波装置を容易に提供することが可能となる。
第4の発明によれば、成膜工程において、誘電体と圧電体との界面に対して垂直な方向にギャップを隔てて第2の弾性的不連続部が形成されるように、圧電体または誘電体の表面に対して斜めにスパッタ粒子が入射するようにスパッタリングが行われて誘電体または圧電体が成膜されるので、第2の弾性的不連続部を容易にかつ確実に形成することができる。よって、第2の弾性的不連続部を有する本願の第2の発明かかる弾性境界波装置を容易にかつ確実に提供することが可能となる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態を説明することにより、本発明を明らかにする。
図1(a)は、本発明の一実施形態に係る弾性境界波装置の模式的正面断面図であり、(b)は、(a)中の一点鎖線Aで示した部分を拡大して示す部分正面断面図である。
弾性境界波装置1は、圧電体2と、圧電体2上に積層された誘電体3とを有する。本実施形態では、圧電体2は15°YカットX伝搬のLiNbOからなる。また、誘電体3は、SiOからなる。LiNbOは、負の周波数温度係数TCFを有する材料であり、SiOは正の周波数温度係数TCFを有する材料である。
圧電体2の上面には、IDT電極4が形成されている。IDT電極4は、弾性境界波の波長λとしたときに、厚み0.05λのAu膜上に、厚み0.05λのAl膜を積層した、積層金属膜からなる。IDT電極4のデューティ比は0.6とされている。
弾性境界波装置1では、上記IDT電極を有する弾性境界波境界波共振子が構成されている。
弾性境界波装置1では、IDT電極4に交流電界を印加することにより、SH成分主体のSH型の弾性境界波が励振され、該SH型弾性境界波に基づく共振特性が取り出される。
本発明の特徴は、上記弾性境界波装置1において、第1の弾性的不連続部5a,5b及び第2の弾性的不連続部6が形成されていることにある。
第1の弾性的不連続部5a,5bは、IDT電極4の電極指4aの両側の側壁4a,4aに沿うように形成されている。弾性的不連続部5a,5bは、誘電体3内に配置されており、かつ誘電体3が存在しない空隙により形成されている。図1から明らかなよう、本実施形態では、上記弾性的不連続部5a,5bの高さH1は、IDT電極4の高さすなわち厚みTよりも低くされている。第1の弾性的不連続部5a,5bの幅、すなわち弾性境界波伝搬方向に沿う寸法を幅W1とする。
他方、第2の弾性的不連続部6は、IDT電極4が形成されている圧電体2の上面よりも上方に、すなわちIDT電極4の隣り合う電極指4a,4b間のスペースの上方において、該スペースとギャップを隔てて配置されている。第2の弾性的不連続部6もまた、誘電体3が存在しない空隙により形成されている。第2の弾性的不連続部6の高さ方向寸法、すなわち図1(b)に示すように、IDT電極の4の厚み方向に沿う寸法をH2とする。また、第2の弾性的不連続部6の幅をW2とする。第2の弾性的不連続部6の幅W2は、第1の弾性的不連続部5a,5bの幅W1と同様に、弾性境界波伝搬方向に沿う寸法である。
上記第2の弾性的不連続部6は、弾性境界波伝搬方向に沿って、λ/2の周期で設けられている。すなわち、図1(a)に示されているように、隣り合う電極指4a,4a間のスペースにそれぞれ1つの第2の弾性的不連続部6が配置されており、複数の第2の弾性的不連続部6は、弾性境界波伝搬方向においてλ/2のピッチで配置されている。
さらに、IDT電極4の上面と、第2の弾性的不連続部6の下端との間のIDT電極4の厚み方向に沿う寸法をP1とする。この寸法P1は、IDT電極4の電極指4a,4bが隣り合っている部分において両側の電極指4a,4b間の上端と第2の弾性的不連続部6の下端との間のギャップの高さ方向寸法に相当する。従って、寸法P1を、上記ギャップの高さ方向寸法とする。
弾性境界波装置1では、複数の第1の弾性的不連続部5aは周期的に配置されている。すなわち、複数の第1の弾性的不連続部5aは、弾性境界波伝搬方向において、等しいピッチで配置されている。同様に複数の第1の弾性的不連続部5bも、弾性境界波伝搬方向において等しいピッチで配置されている。さらに、複数の第2の弾性的不連続部6もまた、弾性境界波伝搬方向において等ピッチで配置されている。
本実施形態では、第1の弾性的不連続部5a,5bが設けられており、かつ第1の弾性的不連続部5a,5bの幅W1が0.07λ以下とされているため、弾性的不連続部5a,5bが存在しない場合と電気機械結合係数Kを同等とすることができる。
また、第2の弾性的不連続部6が、上記ギャップの高さ方向寸法P1が0.05λ以上となるように設けられているので、弾性的不連続部6が設けられていない場合に比べて、群遅延時間温度係数TCDの絶対値を小さくすることができる。なお、群遅延時間温度係数TCD=−周波数温度係数TCFである。
よって、弾性境界波装置1では、圧電体2、誘電体3及びIDT電極4の材料を種々変更せずとも、上記第1の弾性的不連続部5a,5b及び第2の弾性的不連続部6の存在により、弾性境界波の伝搬特性にさほど影響を与えることなく、群遅延時間温度係数TCDの絶対値を小さくすることができる。従って、温度特性が良好な弾性境界波装置1を容易に提供することができる。これをより具体的に説明する。
弾性境界波装置1は、上方から順に、誘電体3としてのSiO、IDT電極4及び圧電体2としての15°YカットX伝搬のLiNbOを積層した構造を有する。このような積層構造を、SiO/IDT電極/15°YカットX伝搬のLiNbOと表す。すなわち、積層体の上方から順に各層を/を挟んで記載して積層構造を表わすこととする。
いま、下記の表1に示すように、上記弾性境界波装置1において、LiNbOからなる圧電体2及びSiOからなる誘電体3の厚みをいずれも8λとし、ギャップの高さ方向寸法P1を0.020λ、第2の弾性的不連続部6の幅W2=0.005λ及び高さH2=0.030λとした。このような構造の弾性境界波装置について、上記第1の弾性的不連続部5の高さH1及び幅W1を変数として群遅延時間温度係数TCD及び弾性境界波装置1の弾性境界波の伝搬特性を求めた。
計算は、「周期構造圧電性導波路の有限要素法解析」(電子通信学会論文誌vol.J68-C No1,1985/1,pp.21-27)に提案されている有限要素法を拡張して、図1に示すように半波長区間に1本のストリップを配置し、電気的に解放したストリップと短絡したストリップの阻止域上端と下端における音速を求めた。解放ストリップ下端音速をVo1、上端音速をVo2、短絡ストリップ下端音速をVs1、上端音速をVs2とする。なお、一部の図ではVs1はVを略記している。境界波の振動はIDTの上下1λ付近に大半のエネルギーを集中しているので、今回は上下方向に十分大きな8λを解析領域として、表面と裏面の境界条件は弾性的に固定とした。次に、「モード結合理論による弾性表面波すだれ状電極の励振特性評価」(電子情報通信学会技術研究報告,NW90-62,1990,pp.69-74)に提案されている方法に基づき、ストリップにおける境界波の反射量を表わすκ12/kと電気機械結合係数Kを求めた。なお、κ12はモード結合理論に基づくモード間結合係数を示し、kはIDT電極を伝搬する弾性波の波数2π/λを示す。なお、前記文献で扱った構造に比べると、表1の構造では音速の周波数分散が大きいため、κ12/kは周波数分散の影響を考慮して求めた。また、TCDは、15、25、35℃における短絡ストリップの阻止域下端の位相速度V15℃、V25℃、V35℃より式〔1〕により求めた。
ここで、αは境界波伝搬方向におけるLiNbO基板の線膨張係数である。
第1の弾性的不連続部5a,5bの幅W1を0.01λ、0.05λ及び0.09λと変化させた場合の群遅延時間温度係数TCDの変化、電気機械結合係数K(%)の変化、電極指の反射係数κ12/kの変化及び弾性境界波の音速V(m/秒)の変化を、それぞれ、図2〜図5に示す。
図2から明らかなように、弾性境界波装置1では、第1の弾性的不連続部5a,5bの幅W1が0.01、0.05及び0.09のいずれの場合においても、高さH1が増加するにつれて群遅延時間温度係数TCDが+側にシフトしていることがわかる。これは、TCDが正の値であるLiNbOからなる圧電体2に近接するように第1の弾性的不連続部5a,5bが設けられているため、弾性境界波装置における群遅延時間温度係数TCDが+側にシフトしているためと考えられる。
すなわち、本願発明者は、周期的に配置された第1の弾性的不連続部に弾性境界波の振動エネルギーが分配している場合、弾性境界波の振動分布が第1の弾性的不連続部5a,5bの存在により変化し、弾性的不連続部5a,5b側に振動エネルギーが移行しやすくなることを見いだした。そのため、弾性的不連続部5a,5bに近接した媒質の群遅延時間温度係数TCDに、弾性境界波の群遅延時間温度係数TCDが近くなる。すなわち、群遅延時間温度係数TCDが正の値の媒質自体や媒質に近接させて第1の弾性的不連続部を形成すると、弾性境界波装置1全体の群遅延時間温度係数TCDが+側にシフトすることとなる。
逆に、群遅延時間温度係数TCDが負の値である媒質自体や媒質に近接させて第1の弾性的不連続部5a,5bを形成すると、弾性境界波装置全体の群遅延時間温度係数TCDは−側にシフトすることとなる。
次に、下記の表2に示すように弾性境界波装置1の仕様を変化させ、同様に弾性境界波装置1を伝搬する弾性境界波の特性を求めた。結果を図6〜図9に示す。図6〜図9は、第1の弾性的不連続部5a,5bの高さH1が0.045とされた場合の第1の弾性的不連続部5a,5bの幅W1と、群遅延時間温度係数TCD、電気機械結合係数K(%)、反射係数κ12/k及び音速V(m/秒)との関係をそれぞれ示す図である。
図6から明らかなように、群遅延時間温度係数TCDは幅W1を変化させてもさほど変化しない。しかしながら、図7から明らかなように、W1>0.07の場合、電気機械結合係数K(%)が小さくなる傾向のあることがわかる。従って、W1は0.07以下であることが必要であり、その場合には、電気機械結合係数Kの低下を抑制し得ることがわかる。
次に、下記の表3に示すように弾性境界波装置1の仕様を変更し、表3に示した仕様の弾性境界波装置1を伝搬する弾性境界波の特性を同様にして求めた。ここでは、第2の弾性的不連続部6の高さH2及び幅W2を変数とした。
図10〜図13は、表3に示した構造の弾性境界波装置を伝搬する弾性境界波装置の特性を示す。すなわち、図10〜図13は、第2の弾性的不連続部6の幅W2を0.0、0.01、0.05または0.10とし、第2の弾性的不連続部6の高さH2を変化させた場合の群遅延時間温度係数TCDの変化、電気機械結合係数K(%)の変化、反射係数κ12/kの変化及び音速V(m/秒)の変化を示す図である。
第2の弾性的不連続部6は、群遅延時間温度係数TCDが負の値であるSiO中に配置されており、群遅延時間温度係数TCDが正の値であるLiNbOから離れている。従って、弾性境界波の群遅延時間温度係数TCDが、第2の弾性的不連続部6を設けることにより−側にシフトし、良化していることがわかる。言い換えれば、弾性境界波装置1の群遅延時間温度係数TCDの絶対値が小さくなり、改善されていることがわかる。
また、第2の弾性的不連続部6の幅を0の場合を基準として、応力と変位を不連続として解析した条件においても、群遅延時間温度係数TCDの絶対値が小さくなり改善していることがわかる。従って、第2の弾性的不連続部がさほど大きな幅を有する必要のないことがわかる。
なお、第2の弾性的不連続部を設けなかった場合はW2=0.00かつH2=0.00となる1点である。
また、群遅延時間温度係数TCD以外の弾性境界波の伝搬特性である電気機械結合係数K、電極指の反射係数に対応するモード間結合係数κ12及び音速Vの変化は十分に小さいことがわかる。
次に、下記の表4に示す仕様で弾性境界波装置を構成した場合の弾性境界波の伝搬特性を上記と同様にして求めた。ここでは、第2の弾性的不連続部6と隣り合う電極指間のスペースとの間のギャップの高さP1を変数とした。
図14〜図17は、表4に示した構造の弾性境界波装置を伝搬する弾性境界波の特性を示す。図14〜図17は、ギャップの高さP1を変化させた場合の群遅延時間温度係数TCDの変化、電気機械結合係数K(%)の変化、反射係数κ12/kの変化及び音速V(m/秒)の変化を示す図である。
また、下記の表5に示す仕様で弾性境界波装置1を作製し、上記と同様に第2の弾性的不連続部6の下端と隣り合う電極指間のスペースの上端との間のギャップの高さP1を変数として、弾性境界波装置1の弾性境界波の伝搬特性を求めた。
図18〜図21は、表5に示した構造の弾性境界波装置を伝搬する弾性境界波の特性を示す。すなわち、図18〜図21は、ギャップの高さP1を変化させた場合の群遅延時間温度係数TCDの変化、電気機械結合係数K(%)の変化、反射係数κ12/kの変化及び音速V(m/秒)の変化を示す図である。
図14〜図21から明らかなように、上記ギャップの高さP1が大きくなると、すなわち第2の弾性的不連続部6の下端がIDT電極4の上面よりも上方に離れると、特にP1≧0.05λとなると、群遅延時間温度係数TCDが安定化され得ることがわかる。
よって、好ましくは、P1≧0.05λとすることにより、温度変化により特性の安定な弾性境界波装置1を提供することができる。
図22は、表5に示した構造において、上記ギャップの高さP1と、弾性境界波の音速Vとの関係を示す図である。図22から明らかなように、第2の弾性的不連続部6がIDT電極4の上面よりも上方に遠ざかると、特に上記ギャップの高さP1が1λよりも大きくなると、弾性境界波の音速が安定することがわかる。従って、弾性境界波の振動モードは、第2の弾性的不連続部6が設けられている部分にはほとんど分布していないことがわかる。よって、第2の弾性的不連続部6は、IDT電極4の電極指4a間のスペースの上端よりも1λ以内の位置に配置することが望ましく、それによって第2の弾性的不連続部6を設けたことによる効果の得られることがわかる。よって、上記ギャップの高さP1は、0.05λ以上、1λ以下であることが望ましい。
次に、弾性境界波装置1の製造方法についての実施形態を説明する。
弾性境界波装置1の製造に際しては、LiNbOからなる圧電体2上にフォトリソグラフィ法によりIDT電極4を形成する。IDT電極4の形成は、周知のフォトリソグラフィ法により行われ得る。しかる後、全面にSiO膜をRFマグネトロンスパッタにより成膜温度270℃及びAr,Oからなるガスのガス圧0.3Pa条件でスパッタリングする。通常は、SiO膜のスパッタリングによる形成に際しては、ガス圧は0.1Pa程度とされる。しかしながら、上記のようにガス圧を高くすることにより、スパッタ粒子の直進性が劣化し、スパッタ粒子が斜め方向に進行する。そのため、電極指4の側壁4a,4aがSiOにより確実に被覆される。他方、上記斜め方向にスパッタ粒子が進行するため、上記電極指側壁に形成されたSiO膜が横方向に十分に成長し、他方、下方のIDT電極4の存在による圧電体2の上面の凹凸構造により、電極指間のスペース中央においてSiO膜が堆積しながら衝突する。その結果、上記弾性的不連続部6を形成することができる。言い換えれば、隣り合う電極指4a,4a間の中央において、両側から成長してきたSiO膜が堆積し、衝突する結果、上記第1の弾性的不連続部6が形成される。
図23は、上記のように製造された弾性境界波装置の一例における第2の弾性的不連続部6を示すための弾性境界波装置の断面を示す電子顕微鏡写真である。なお、ここでは、IDT電極は、NiCr/Ti/Al/Ti/Ni/Au/Ni/Tiの順序でこれらを積層してなる積層金属膜を用いた。なお各層の厚みは、NiCr/Ti/Al/Ti/Ni/Au/Ni/Ti=10/10/150/10/10/160/10/10(単位はnm)とした。また、IDT電極4における電極指の周期は3.6μmとし、デューティは0.6とした。IDT電極以外は、表1に示した条件と同一とした。
さらに、IDT電極を、NiCr/Ti/Al/Ti/Ni/Au/Ni/Ti=10/10/50/10/10/70/10/10(単位はnm)の積層金属膜からなり、電極指の周期が1.6μm、デューティは0.5としたことを除いては上記と同様にして他の例の弾性境界波装置を作製した。この他の例の弾性境界波装置では、その他の点は上記の例と同様とした。このようにして得られた他の例の弾性境界波装置におけるIDT電極が形成されている部分の断面を図24に電子顕微鏡写真で示す。図23に示した電子顕微鏡写真の構造では、群遅延時間温度係数TCDは、第2の不連続部を形成しない場合に比べて3ppm/℃良化し、図24に示した構造では、6ppm/℃良化していることが確かめられた。
また、図25に、図23に示した第2の弾性的不連続部が周期的に配置されている状態を倍率を変えた電子顕微鏡写真で示す。
次に、図26及び図27を参照して、本発明の弾性境界波装置の製造方法の他の実施形態の一例を説明する。ここでは、圧電体としてのLiNbO上に、まず多層SiO膜を25nmの厚みとなるようにスパッタリングにより形成した。しかる後、下層SiO膜上にフォトレジストパターンを形成し、該フォトレジストパターンをマスクとして、多層SiO膜をエッチングし、しかる後、IDTを形成するための積層金属膜を蒸着法により形成した。そして、上記フォトレジストパターンとフォトレジストパターン上に形成されている積層金属膜をリフトオフ法により除去した。このようにして、LiNbOの上面に、25nmの厚みのSiO膜と、SiO膜が設けられていない部分に同じく280nmの厚みのIDT電極4が形成されている構造を得た。ここまでは、従来より周知の弾性境界波装置の製造工程とほぼ同様である。なお、上記積層金属膜としては、AlCu/Ti/Ni/Au/Ni=100/10/10/150/10(nm)の厚みでこれらを積層した積層金属膜を用い、IDT電極の電極指の周期は3.6μmとし、デューティは0.6とした。
しかる後、RFマグネトロンスパッタにより、成膜温度270℃及びガス圧0.2PaでSiOを成膜し、上層SiO膜を形成した。ここでは、下層SiO膜とIDT電極の電極指4aの側壁4a,4aとの間に僅かに隙間を開けるように、IDT電極と下層SiO膜が形成されている。従って、上層SiO膜の成膜に際してのスパッタ粒子が一定の比率で上記隙間に斜め方向から入射することになる。そのため、IDT電極4と下層SiO膜との間に空洞あるいはSiOが疎な領域が形成され、弾性的不連続部5a,5bが形成されることとなる。なお、下層SiO膜の厚みを厚くすると、弾性的不連続部5a,5bが大きくなる。
図27は、下層SiO膜の厚みを変化させた場合の弾性境界波装置1の周波数温度係数TCFの変化を示す図である。下層SiO膜の厚みを厚くした場合、周波数温度係数TCFの絶対値が大きくなることがわかる。
なお、図1(a)に示した弾性境界波装置1では、圧電体2の上面にIDT電極4が形成され、かつSiOからなる誘電体3が形成されていたが、逆に、誘電体の圧電体が積層される面側にまずIDT電極が形成され、しかる後圧電体が成膜されてもよい。その場合には、図1(a)に示す誘電体2と圧電体3とが逆転されることになり、弾性的不連続部5a,5b,6は圧電体内に配置されることになる。
また、上記図23〜図27を参照して説明した弾性境界波装置の製造方法の各実施形態においても、誘電体をまず用意し、誘電体の上面にIDT電極を形成した後圧電体を成膜してもよい。
なお、本発明において、IDT電極は必ずしも複数の金属膜を積層した積層金属膜から形成される必要はなく、単一の金属により形成されてもよい。また、上記のように、Al/Au積層金属膜の他、Au、Pt、Ag、Cu、Ni、Ti、Fe、W、Taなどの様々な金属を組み合わせ、積層金属膜を形成してもよい。さらに、密着性や耐電力性を高めるために、Ti、Cr、NiCr、Ni、PtまたはPdなどからなる薄い金属層を誘電体層との間、圧電体との間あるいは電極を形成している多層金属膜間に配置してもよい。
また、圧電体としては、LiNbOに限らず、LiTaO、KN、Ta、ZnOなどの様々な圧電材料、あるいはPZTなどの様々な圧電セラミックスを用いることができる。また、誘電体3としても、SiOに限らず、ガラス、Si、SiC、AlN、Alなどの様々な誘電体材料により形成することができる。
さらに、弾性境界波装置の強度を高めたり、腐食性ガスの侵入を防止するための保護層を形成してもよく、場合によっては、パッケージに封入された構造の弾性境界波装置を形成してもよい。上記保護層としては、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂などの適宜の合成樹脂、あるいは酸化チタン、窒化アルミニウム、もしくは酸化アルミニウムなどの無機絶縁性材料により形成することができ、また短絡を防止し得る限り、Au、AlまたはWなどの金属膜により保護層を形成してもよい。
さらに、本発明に係る弾性境界波装置は、共振子に限らず、帯域フィルタなどの様々な電極構造を有し得る。
(a),(b)は、本発明の一実施形態に係る弾性境界波装置を説明するための模式的正面断面図及び(a)中の一点鎖線Aで囲まれた部分を拡大して示す部分正面断面図。 表1に示した仕様の弾性境界波装置の第1の弾性的不連続部の幅W1を0.01、0.05、または0.09とした場合の第1の弾性的不連続部の高さH1と群遅延時間温度係数TCDとの関係を示す図。 表1に示した仕様の弾性境界波装置の第1の弾性的不連続部の幅W1を0.01、0.05、または0.09とした場合の第1の弾性的不連続部の高さH1と電気機械結合係数K(%)との関係を示す図。 表1に示した仕様の弾性境界波装置の第1の弾性的不連続部の幅W1を0.01、0.05、または0.09とした場合の第1の弾性的不連続部の高さH1とモード間結合係数κ12の割合の変化との関係を示す図。 表1に示した仕様の弾性境界波装置の第1の弾性的不連続部の幅W1を0.01、0.05、または0.09とした場合の第1の弾性的不連続部の高さH1と弾性境界波の音速Vとの関係を示す図。 表2に示した仕様の弾性境界波装置において、第1の弾性的不連続部の高さH1を0.045とし、第1の弾性的不連続部の幅W1を変化させた場合の群遅延時間温度係数TCDの変化を示す図。 表2に示した仕様の弾性境界波装置において、第1の弾性的不連続部の高さH1を0.045とし、第1の弾性的不連続部の幅W1を変化させた場合の電気機械結合係数K(%)の変化を示す図。 表2に示した仕様の弾性境界波装置において、第1の弾性的不連続部の高さH1を0.045とし、第1の弾性的不連続部の幅W1を変化させた場合のモード間結合係数κ12の割合の変化を示す図。 表2に示した仕様の弾性境界波装置において、第1の弾性的不連続部の高さH1を0.045とし、第1の弾性的不連続部の幅W1を変化させた場合の弾性境界波の音速Vの変化を示す図。 表3の仕様の弾性境界波装置において、第2の弾性的不連続部の幅W2を0.00、0.01、0.05または0.10にした場合の第2の弾性的不連続部の高さH2と、群遅延時間温度係数TCDとの関係を示す図。 表3の仕様の弾性境界波装置において、第2の弾性的不連続部の幅W2を0.00、0.01、0.05または0.10にした場合の第2の弾性的不連続部の高さH2と、電気機械結合係数K(%)との関係を示す図。 表3の仕様の弾性境界波装置において、第2の弾性的不連続部の幅W2を0.00、0.01、0.05または0.10にした場合の第2の弾性的不連続部の高さH2と、モード間結合係数κ12の割合との関係を示す図。 表3の仕様の弾性境界波装置において、第2の弾性的不連続部の幅W2を0.00、0.01、0.05または0.10にした場合の第2の弾性的不連続部の高さH2と、弾性境界波の音速Vとの関係を示す図。 表4に示した仕様の弾性境界波装置において、第2の弾性的不連続部とIDT電極の上面との間のギャップの高さP1と、群遅延時間温度係数TCDとの関係を示す図。 表4に示した仕様の弾性境界波装置において、第2の弾性的不連続部とIDT電極の上面との間のギャップの高さP1と、電気機械結合係数K (%)との関係を示す図。 表4に示した仕様の弾性境界波装置において、第2の弾性的不連続部とIDT電極の上面との間のギャップの高さP1と、モード間結合係数κ12の割合との関係を示す図。 表4に示した仕様の弾性境界波装置において、第2の弾性的不連続部とIDT電極の上面との間のギャップの高さP1と、弾性境界波の音速Vとの関係を示す図。 表5に示した仕様の弾性境界波装置において、第2の弾性的不連続部とIDT電極の上面との間のギャップの高さP1と、群遅延時間温度係数TCDとの関係を示す図。 表5に示した仕様の弾性境界波装置において、第2の弾性的不連続部とIDT電極の上面との間のギャップの高さP1と、電気機械結合係数K (%)との関係を示す図。 表5に示した仕様の弾性境界波装置において、第2の弾性的不連続部とIDT電極の上面との間のギャップの高さP1と、モード間結合係数κ12の割合との関係を示す図。 表5に示した仕様の弾性境界波装置において、第2の弾性的不連続部とIDT電極の上面との間のギャップの高さP1と、弾性境界波の音速Vとの関係を示す図。 第2の弾性的不連続部の下端とIDT電極の上端との間のギャップP1の大きさと、弾性境界波の音速Vとの関係を示す図。 第2の弾性的不連続部が形成されている弾性境界波装置の一例を示す電子顕微鏡写真。 第2の弾性的不連続部が形成されている弾性境界波装置の他の例を示す電子顕微鏡写真。 第2の弾性的不連続部が周期的に配置されている構造を示す弾性境界波装置の電子顕微鏡写真。 本発明の一実施形態の弾性境界波装置において、第1の弾性的不連続部が形成されている部分を説明するための電子顕微鏡。 下層SiO膜の厚みと弾性境界波装置の周波数温度係数TCFとの関係を示す図。 従来の弾性境界波装置を説明するための模式的正面断面図。
符号の説明
1…弾性境界波装置
2…圧電体
3…誘電体
4…IDT電極
4a…電極指
4a,4a…側壁
5a,5b…第1の弾性的不連続部
6…第2の弾性的不連続部
H1…第1の弾性的不連続部の高さ
W1…第1の弾性的不連続部の幅
H2…第2の弾性的不連続部の高さ
W2…第2の弾性的不連続部の幅
P1…ギャップの高さ方向寸法

Claims (9)

  1. 圧電体と、前記圧電体上に積層された誘電体と、複数本の電極指を有し、前記圧電体と前記誘電体との界面に配置されたIDT電極とを備え、
    前記IDT電極の各電極指の側壁に沿うように第1の弾性的不連続部が形成されており、前記IDT電極により励振される弾性境界波の波長をλとしたときに、前記第1の弾性的不連続部の弾性境界波伝搬方向の寸法が0.07λ以下とされていることを特徴とする、弾性境界波装置。
  2. 前記第1の弾性的不連続部が、各電極指の両側の側壁に沿うように形成されている、請求項1に記載の弾性境界波装置。
  3. 前記IDT電極が前記圧電体の前記誘電体に積層されている圧電体面上に形成されており、前記第1の弾性的不連続部が前記誘電体内に形成されている、請求項1または2に記載の弾性境界波装置。
  4. 前記IDT電極が、前記誘電体の前記圧電体に積層されている誘電体面上に形成されており、前記第1の弾性的不連続部が、前記圧電体内に形成されている、請求項1または2に記載の弾性境界波装置。
  5. 圧電体と、前記圧電体に積層された誘電体と、前記圧電体と前記誘電体との界面に配置されており、複数本の電極指を有するIDT電極とを備え、
    前記複数本の電極指において、隣合う電極指間のスペースから、前記界面と垂直な方向にギャップを隔てて前記誘電体または前記圧電体内に配置された第2の弾性的不連続部が形成されており、隣合う電極指間のスペースの全てにおいて、該スペースと前記ギャップを隔てて第2の弾性的不連続部が形成されており、IDTにより励振される弾性境界波の波長をλとしたときに、弾性境界波伝搬方向に沿って上記複数の第2の弾性的不連続部がλ/2の周期で設けられていることを特徴とする、弾性境界波装置。
  6. 前記ギャップの前記界面に対して垂直な方向に沿う寸法が0.05λ以上、1λ以下である、請求項5に記載の弾性境界波装置。
  7. 前記IDT電極の各電極指の側壁に沿って第1の弾性的不連続部が形成されている、請求項5または6に記載の弾性境界波装置。
  8. 圧電体の一方面に下層誘電体膜を形成する工程と、
    前記下層誘電体膜上に、複数本の電極指を有するIDTの平面形状に合致した窓部を有するようにレジスト膜を形成する工程と、
    前記レジスト膜をマスクとして、下層誘電体膜をエッチングする工程と、金属膜を全面に形成する工程と、
    前記レジスト膜とともに、レジスト膜上の不要金属膜を除去し、IDT電極を圧電体上に形成させる工程と、
    前記IDT電極及び下層誘電体膜を覆うように上層誘電体膜を成膜する工程とを備え、
    前記成膜工程において、前記IDT電極の電極指の側壁と、前記下層誘電体膜との間に第1の弾性的不連続部が形成されるように、前記圧電体表面に対して斜めにスパッタ粒子が入射されるようにスパッタリングにより前記上層誘電体膜を成膜することを特徴とする、弾性境界波装置の製造方法。
  9. 圧電体または誘電体の一方面に複数本の電極指を有するIDT電極を形成する工程と、
    堆積法により前記IDT電極を覆うように誘電体または圧電体を成膜する成膜工程とを備え、
    前記成膜工程において、IDT電極の隣合う電極指間のスペースに対して前記誘電体と前記圧電体との界面に対して垂直な方向にギャップを隔てて第2の弾性的不連続部が形成されるように前記圧電体または前記誘電体の表面に対して斜めにスパッタ粒子が入射するようにスパッタリングすることにより前記誘電体または圧電体を成膜することを特徴とする、弾性境界波装置の製造方法。
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