JP2008228451A - 鉄道車両の駆動システム - Google Patents

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Abstract

【課題】回生ブレーキ中に集電装置から電力線への電流経路が断たれたとき、瞬時に回生電力を蓄電装置で吸収する充電制御を開始し、またその後も連続的に蓄電装置による回生電力の吸収を可能とする。
【解決手段】鉄道車両の駆動システムが、電力線から電力を得る集電手段と、電力線電力に基づく高圧直流電力を交流電力に変換するインバータ手段と、インバータ手段により駆動される電動機と、低圧直流電力を供給する電力蓄積手段と、高圧直流電力の部分と低圧直流電力の部分間の通流電流を調整制御するスイッチ手段と、通流電流を検出する手段と、高圧直流電力の電圧を検出する手段と、これらの各手段を制御する制御手段とを備えており、高圧直流電力の部分と低圧直流電力の部分問の通流電流を調整制御するスイッチ手段を、直流電力の電圧検出値の変化量と通電電流の検出値に基づいて制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は、鉄道車両の駆動装置に係り、特に、電力蓄積手段を設備してブレーキ時の発電エネルギの蓄電を可能とし、この蓄電エネルギを再利用して駆動装置に電力を供給する技術に関する。
鉄道車両は、鉄の車輪がレール面上を転がることにより走行するため、走行抵抗が自動車に比べて小さいことが特徴である。特に、最近の電気鉄道車両では、制動時に主電動機を発電機として作用させることで制動力を得ると同時に、制動時に主電動機で発生する電気的エネルギを架線に戻して他車両の力行エネルギとして再利用する回生ブレーキ制御を行っている。この回生ブレーキを備える電気鉄道車両は、回生ブレーキを備えていない電気鉄道車両に比べて、約半分のエネルギ消費で走行することが可能とされており、走行抵抗が小さい鉄道車両の特徴を生かした省エネ手法といえる。
ところで、鉄道車両で回生ブレーキが動作するとき、回生された電力を吸収する相手が必要である。これまでの一般的な鉄道車両は、回生ブレーキで発電した電力を、車両が備える集電装置を通して架線に戻し、その車両と同じ給電区間を走行する他の車両の力行電力として再利用する。同じ給電区間を複数の車両が走行しているときは、一車両の回生ブレーキが動作するタイミングで、力行する他車両が存在する確立が高い。逆に、同じ給電区間に一車両のみ走行しているときは、その車両の回生ブレーキが動作しても、その電力を吸収する力行車両がいない。このため、架線に戻る回生ブレーキ電流が僅少であるため、回生電力によりインバータ装置の直流電圧が大きくなる。この結果、インバータ装置の許容電圧を上回り、高電圧保護で回生ブレーキ失効が発生し、以降は回生ブレーキが動作せずに空気ブレーキだけで停車するので、回生ブレーキによる省エネルギ効果が得られない。
このように、回生ブレーキ電力を架線に戻すには、その電力を吸収する力行車両が必要という制限がある。しかし、回生ブレーキ電力の蓄電できる設備を儲けられるならば、他の力行車両の存在に関わらず、回生ブレーキによる省エネルギ効果を得られる。
蓄電装置を設ける位置は、おもに地上側の給電設備に併設する場合と、車上側のインバータ装置に併設する場合が考えられる。同じ給電区に走行する車両が多い場合、その車両全てに蓄電装置を設けるよりも、給電設備に蓄電装置を併設すほうがスケールメリットの面で低コストに実現できる。しかし、前述のように元々車両数が多いならば、他の力行車両で回生ブレーキ電力を吸収できる確立が高い。このため回生ブレーキ電力を吸収する蓄電装置が必要な場合では、蓄電装置を車上側のインバータ装置への併設を選択するケースが多くなると考えられている。
例えば、特許文献1には、回生電力を吸収する蓄電装置を車上側のインバータ装置に併設する車両用駆動制御装置の例が開示されている。図9に、回生電力を吸収する蓄電装置を車上側のインバータ装置に併設する場合の機器構成の一例を示す。
力行時、インバータ105は、蓄電装置102あるいは直流電源108と蓄電装置102から受電し、モータ106を駆動する。回生時は回生電力を蓄電装置102あるいは直流電源108と蓄電装置102へ回生する。また、停車、惰行時は、直流電源108で蓄電装置102を充電したり、蓄電装置102から直流電源108へ放電させる。蓄電装置102の充放電電流は、スイッチング素子111,112をスイッチングすることにより制御される。スイッチング素子111,112は、蓄電装置の充放電時の電流が、ある設定した電流よりも大きいとき、高いスイッチング周波数で動作し、電流が小さいときには、低いスイッチング周波数で動作する。また、蓄電装置102のみで力行・回生動作をする場合、スイッチング素子111,112のオン・オフの状態を固定する。
前述のように、回生ブレーキ電力を吸収する他のカ行車両がいない場合でも、自車両に搭載した蓄電装置で回生ブレーキ電力を吸収することで回生ブレーキをさせて省エネルギ効果を得ることが可能であり、その一例が特許文献1の車両用駆動制御装置である。
特開2005−278269号公報
ところで、回生ブレーキを継続的に動作できない原因としては、前述した他のカ行車両がいない場合のほかに、架線から車両の集電装置が離別し、物理的に回生ブレーキ電力が架線に戻せなくなる状況がある。これは、架線と集電装置でダイナミクス系が異なるので、両者で固有振動数に違いがある。そのため、振動による瞬時的な離別が発生することがあり、「架線瞬断」あるいは「パンタ離線」とも呼ばれている。この架線瞬断によっても、架線に回生ブレーキ電流を戻せないので、架線瞬断が発生した瞬間にインバータ装置の直流電圧が急増し、過電圧保護による回生ブレーキ失効が発生する。
この架線瞬断の発生についても、蓄電装置を車上側のインバータ装置に併設し、回生ブレーキ電流を吸収することにより、回生ブレーキ失効を防止できる。しかし、架線瞬断が発生した場合、回生ブレーキ電流が瞬時的に断たれる一方で、インバータを流れる回生ブレーキ電流I_regenは、一時的にフィルタコンデンサに流入するので、静電容量Cの作用で直ちには零にならず、架線瞬断の発生を瞬間的には検知できない。しかし、その結果として、フィルタコンデンサ電圧、すなわちインバータ装置の直流電圧V_dcを押し上げる。架線瞬断中の回生ブレーキ電流I_regenとインバータ装置の直流電圧V_dcの関係は、フィルタコンデンサに静電容量Cを用いて次式で表わせる。
I_regen=C・(d/dt)V_dc ・・・・・ 式1
すなわち、回生ブレーキ電流I_regenからは架線瞬断の瞬間的に判断できないが、架線瞬断時は回生ブレーキ電流I_regenによりインバータ装置の直流電圧V_dcが急増することから、インバータ装置の直流電圧V_dcの時間変化率(d/dt)V_dcを求めることで、架線瞬断の検知が可能である。具体的には、インバータ装置の直流電圧の時間変化率(d/dt)V_dcが所定値を超えることにより、架線瞬断の発生を検知できる。
しかしながら、特許文献1の車両用駆動制御装置では、発明を実施するための最良の形態の欄の記載に示されるように、蓄電装置の充放電を制御するスイッチング素子111,112は、電流検出器13で検出する蓄電装置102の充放電電流IS、電流検出器14で検出するインバータ105に流れる負荷/回生電流ILなどの情報に基づいて制御されているが、スイッチング素子111,112をインバータ105の直流部電圧情報により制御することは開示されていない。
すなわち、特許文献1の車両用駆動制御装置では、回生ブレーキ電力を吸収する他のカ行車両がいない場合など、比較的低応答で回生ブレーキ電力の充電制御を始めればよいときには、充放電電流IS、インバータ105に流れる負荷/回生電流ILに基づいてスイッチング素子111、のオン/オフによる充電制御により、回生ブレーキを継続できるけれども、架線瞬断が発生した場合など、高速に回生ブレーキ電力の充電制御を始めなければならないときには、架線瞬断を瞬時に検出できるインバータ105の直流電圧V_dcの情報を得られないため、確実な回生ブレーキの継続が難しいという問題点があった。
本発明の目的は、回生ブレーキ中に集電装置から電力線への電流経路が断たれたとき、インバータ直流部の電圧検出値の変化率に基づいて、瞬時に回生電力を蓄電装置で吸収する充電制御を開始し、またその後も連続的に蓄電装置による回生電力の吸収を可能とする、環境に優しい鉄道車両の駆動システムを提供することにある。
本発明の鉄道車両の駆動システムは、電力線から電力を得る集電手段と、前記電力線電力に基づく高圧直流電力を交流電力に変換するインバータ手段と、前記インバータ手段により駆動される電動機と、低圧直流電力を供給する電力蓄積手段と、前記高圧直流電力の部分と前記低圧直流電力の部分間の通流電流を調整制御するスイッチ手段と、前記通流電流を検出する手段と、前記高圧直流電力の電圧を検出する手段と、これらの各手段を制御する制御手段とを備え、前記高圧直流電力の部分と前記低圧直流電力の部分問の前記通流電流を調整制御するスイッチ手段を、前記直流電力の電圧検出値の変化量と前記通電電流の検出値に基づいて制御することを特徴とする。
本発明によれば、回生ブレーキ中の集電装置から電力線への電流経路が断たれたとき、インバータ直流部の電圧検出値の変化率に基づいて、瞬時に回生電力を蓄電装置で吸収する充電制御を開始し、またその後も連続的に蓄電装置による回生電力の吸収を可能とする、環境に優しい鉄道車両の駆動システムを提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明していく。
図1は、本発明の電気車の駆動システムにおける一実施形態の機器構成を示す図である。
集電装置1から給電した直流電流は、フィルタリアクトル2、およびフィルタコンデンサ3で構成するLC回路(フィルタ回路)により高周波数域の変動分を除去した後、インバータ装置4に入力する。インバータ装置4は、入力された直流電力を可変電圧可変周波数(VVVF)の3相交電力に変換して、主電動機5a,5bを駆動する。なお、ここではインバータ装置4が駆動する主電動機が2台の場合を示しているが、インバータ装置4が駆動する主電動機の台数は限定しない。電圧センサ6aは、フィルタコンデンサ3の両端の直流部電圧V_dcを検出する。電流センサ7a,7b,7cは、インバータ装置4と、主電動機5a,5bの間の3相交流電力線を流れる電流を各相毎に検出して、インバータ装置に入力する。接地点100はこの回路の基準電位を決めている。スイッチング素子8a,8bは、前述の集電装置1および接地点200とインバータ装置4の間にある直流電力部のうち、高電位側と低電位側の間に直列配置する。電圧センサ6bは平滑リアクトル11と電流センサ7dの電力間に配置して、後述の蓄電装置12の端子間電圧V_btrを検出する。なお、電圧センサ6bは平滑リアクトル11電流センサ7dの電力線間に配置しているが、これは蓄電装置12と平滑リアクトル11の電力線間に配置しても、蓄電装置12の端子間電圧V_btrを検出できる。
制御装置10は、インバータ装置4の回生電力P_inv、電圧センサ6aの電圧検出値V_dc、電圧センサ6bの電圧検出値V_btr、電流センサ7dの電流検出値I_btrを入力とし、ゲートアンプ9a,9bにスイッチング素子8a,8bのオン/オフを指令するゲートパルス信号GP1,GP2を出力する。ゲートアンプ9a,9bは、ゲートパルス信号GP1,GP2を入力とし、これを基にスイッチング素子8a,8bをオン/オフ可能な電圧制御信号に変換し、スイッチング素子8a,8bをオン/オフ制御する。電圧センサ6bは後述の蓄電装置12の端子間電圧を検出する。電流センサ7dは、後述の蓄電装置12に入出力する電流を検出する。
蓄電装置12としては、架線瞬断時吸収を優先に考えると、単位面積あたりの充放電入出力特性が高性能である電気二重層キャパシタ装置などの適用が考えられる。しかし、鉄道車両ではシステム冗長性の確保が重要であるため、停電状態でも安全な退避箇所まで自力走行を実現する要求が考えられる。このため、単位面積あたりの蓄電能力が高いリチウムイオン電池などで構成することが妥当と言える。
蓄電装置12の充放電制御は、スイッチング素子8aまたは8bを周期的にオン/オフすることで実現する。この充放電制御において、平滑リアクトル11は、蓄電装置12に通流する電流の変化率を所定値内に抑える力をもつ。
まずスイッチング素子8bを周期的にオン/オフすることにより、蓄電装置12の電力を放電する制御について説明する。
前述のスイッチング素子8bを所定時間Ton_bだけオンすると、蓄電装置12の出力端子間は短絡されるが、平滑リアクトル11は、電流増加率を一定値内抑えると同時に、Ton_bの期間に通流した電流と、蓄電装置12の端子電圧の積を時間積分した電力エネルギを蓄える。その後、スイッチング素子8bを所定時間Toft_bだけオフすると、直流電力部側に平滑リアクトル11に蓄えられた電力エネルギは、スイッチング素子8aのダイオード部を介して、前述の集電装置1および接地点100とインバータ装置4の間にある直流電力部側に放出される。このとき、直流電力側で得られる電圧値V_dcは、蓄電装置12の端子電圧V_btrを基準として、前述のスイッチング素子8bをオンする時間Ton_bと、オフする時間Toft_bの比率から次式で決定する。
V_dc=V_btr×((Ton_b+Toft_b)/Toft_b) ・・・・・ 式2
次に、スイッチング素子8aを周期的にオン/オフすることにより、蓄電装置12に電力を充電する制御について説明する。
前述のスイッチング素子8aを所定時間Ton_aだけオンすると、前述の集電装置1および接地点100とインバータ装置4の間にある直流電力部の、接地点100とインバータ装置4の間にある直流電力部の、接地点100に対する電位V_dcが、蓄電装置12の端子間電圧(接地点100に対する電位)V_dcよりも高いとき(V_dc>V_bc)、直流電力部から蓄電装置12の向きに電流が流れる。このとき、平滑リアクトル11は、その電流増加率を一定値内に抑えると同時に、Ton_aの期間に通流した電流と、蓄電装置12の端子電圧の積を時間積分した電力エネルギを蓄える、その後、スイッチング素子8aを所定時間Toft_aだけでオフすると、直流電力部側に平滑リアクトル11に蓄えられた電力エネルギは、蓄電装置12の高電位側端子から、低電位側端子に抜け、スイッチング素子8bのダイオード部を経て、平滑リアクトル11に戻る一巡の回路が構成される。すなわち、スイッチング素子8aを所定時間Toft_aだけオフしている期間は、平滑リアクトル11に蓄えられた電力エネルギが放出されるに従い、放電電流は減衰していく。このとき、蓄電装置12で得られる端子間電圧値V_btrは、直流電力側V_dcを基準として、前述のスイッチング素子8aをオンする時間Ton_aとオフする時間Toft_aのp比率から次式で決定する。
V_btr=V_dc×(Ton_a/(Ton_a+Toft_a))・・・・・ 式3
以上の構成により、電圧センサ6aの直流電圧検出値V_dcの時間変化率dV_dc/dtを制御装置10で演算し、dv_dc/dtが所定値を超えたとき、電流センサ7dの電流検出値I_btrを、所定の充電電流指令値I_abs_cmb(図示しない)に追従するように、ゲートアンプ9a,9bの出力であるゲートパルス信号GP1,GP2を制御して、スイッチング素子8a,8bを駆動できる。
また、インバータ装置4の回生電力P_regenと蓄電装置12の端子間電圧V_btrより、蓄電装置12に充電可能な充電電流指令値I_regen_cmb(図示していない)を制御装置10で演算し、電流センサ7dの電流検出値I_btrを、前述の充電電流指令値I_regen_cmbに追従するように、ゲートアンプ9a,9bの出力であるゲートパルス信号GP1,GP2を制御して、スイッチング素子8a,8bを駆動できる。
これにより、回生ブレーキ中の集電装置から電力線への電流経路が断たれたとき、インバータ直流部の電圧検出値の変化率に基づいて、瞬時に回生電力を蓄電装置で吸収する充電制御を開始し、またその後も連続的に蓄電装置による回生電力の吸収を可能とする、電気車の駆動システムを実現できる。
図2は、本発明の電気車の駆動システムの一実施形態における制御方式を示すブロック図である。
電圧センサ6aの電圧検出値V_dcは、変化率演算部51に入力され、所定期間(dt)内の電圧V_dcの変化量dV_dc/dtを算出する。
比較器52aは、変化率演算部で算出したdV_dc/dtを入力とし、架線瞬断時の充電電流の増加率と回復率を選択する指令である架線瞬断検知フラグflg_i_upを出力する。比較器52aは、初期の出力値「flg_i_up=0」の状態にして、dV_dc/dtの値が架線瞬断探知レベルdV_on以上となり、その状態を継続している間は「flg_i_up=1」を出力する。また。出力値「flg_i_up=1」を出力している状態からdV_dc/dtの値が架線瞬断探知レベルdV_on未満となったときには「flg_i_up=0」を出力する。選択器53aは比較器52aが出力する架線瞬断探知フラグflg_i_upに応じて、充電電流増加率ΔI_up(正値)、または充電電流回復率ΔI_down(負値)を選択し、充電電流指令値ΔI_aとして出力する。すなわち、電圧変化率dV_dc/dtが架線瞬断検知オンレベルdV_on以上となり、その状態を継続している「flg_i_up=1」の状態では、選択器53aの出力である充電電流変化量ΔI_aは、充電電流増加率ΔI_upに等しい。また、電圧変化率dV_dc/dtが架線瞬断検知レベルdV_on未満となり、その状態を継続している「flg_i_up=0」の状態では、選択器53aの出力は充電電流回復率ΔI_downに等しい。
倫理回路54は比較器52aが出力した架線瞬断検知フラグflg_i_upと後述の比較器52bの出力であるflg_i_zeroを入力とし。flg_i_upとflg_i_zeroの論理和演算結果そして、充電電流の増加率または回復率の積分演算を制御するflg_i_sumを出力する。また、選択器53bは論理和回路54の出力flg_i_sumに応じて、零出力または充電電流変化量ΔI_aを選択して、積分器55に入力する。比較器52bは比較器55の出力結果である吸収電流指令値I_abs_cmbを入力とし、I_abs_cmbが零以下のとき「flg_i_zero=0」を出力し、I_abs_cmdが零より大きいとき「flg_i_zero=1」を出力する。
その結果このflg_i_zeroとflg_i_upを入力する論理和回路54は、dV_dc/dtが架線瞬断検知オンレベルdV_onを上回り、その状態を継続しているとき(すなわちflg_i_up=1のとき)、また、積分器55の出力I_abs_cmbが零より大きい状態のとき(すなわちflg_i_zero=1のとき)「flg_i_sum=1」を出力する。このとき、選択器53bは充電電流変化量ΔI_aを出力として選択するが、選択器53aの作用により「flg_i_up=1」の状態では充電増加率ΔI_a(加算値)であり、「flg_i_up=0」の状態では、充電回復率ΔI_down(負値)に等しくなる。すなわち、積分器55の出力はflg_i_sumとflg_i_upによりその加算/減算が制御される。「flg_i_up=1」のとき論理和回路54の出力は「flg_i_sum=1」であり、積分器55はΔI_up(正値)を積分するので、I_abs_cmbは零よりも大きい値に積算される。このとき、比較器52bはI_abs_cmbが零より大きいので「flg_i_zero=1」を出力する。その後、「flg_i_up=0」となると、論理和回路54の出力は「flg_i_zero=1」であることから引続き「flg_i_sum=1」であるが、積分器55はΔI_down(負値)を積分するのでi_abs_cmbは減算される。I_abs_cmbの減算により零に達した時点で、比較器52bの出力「flg_i_zero=0」となり、論理和回路54の出力は「flg_i_sum=0」となる。すなわち、選択器53bの出力は零となるので、積分器55の出力であるI_abs_cmbは零に達した時点でそのまま零値を継続する。
低位選択器56aは積分器55の出力である吸収電流指令値I_abs_cmbと、蓄電装置12が許容する最大充電電流(瞬時値)Imax_btr_insのうち小さい方の値を選び、制限つき吸収電流指令値I_abs_cmb_lmtを出力する。
一方、フリップフロップ回路102は、比較器52aの出力である架線瞬断検知フラグflg_i_upをセット入力、運転台からのブレーキフラグB_flgを倫理反転器103で反転した信号を入力とする、リセット優先フリップフロップであり、架線瞬断発生以降はインバータ回生電力を蓄電装置12に蓄電する蓄電回生有効フラグflg_regenを出力する。すなわち、「B_flg=0」の状態では、フリップフロップ回路102のリセット入力は「1」なので、架線瞬断検知フラグflg_i_upが「flg_i_up=1」でも、蓄電回生有効フラグflg_regenはセットされず、「B_regen_flg=0」である。運転台のブレーキ操作により「B_flg=1」の状態のとき、フリップフロップ回路102のリセット入力は「0」であり、架線瞬断検知フラグflg_i_upが「flg_i_up=1」になった時点で、蓄電回生有効フラグflg_regenは「flg_regen=1」にセットされる。乗算器58、除算器59は、インバータ回生電力P_regenから、蓄電装置電圧I_btrを割り算して、回生電流I_regen_0を算出する。選択器53cはフリップフフロップ回路102の出力である、架線瞬断検知フラグflg_i_upに応じて、回生電流指令I_regen_cmdを出力する。すなわち、「flg_i_up=0」のとき回生電流指令I_regen_cmdは零、「flg_i_up=0」のときは、回生電流指令I_regen_cmdは前述の回生電流I_regen_0に等しくする。
flg_i_up=0のとき、I_regen_cmd=0
flg_i_up=1のとき、I_regen_cmd=I_regen_0(=P_regen/V_btr)
低位選択器56bは選択器53cの出力である。回生電流指令I_regen_cmdと、蓄電装置12が許容する最大充電電流(定格値)Imax_btr_ratのうち、小さい値を選んで制限つき回生電流指令値I_abs_cmd_lmtと、制限つき回生電流指令値I_regen_cmd_lmtのうち、小さい値を選んで連続回生電流指令値I_brfree_cmdを出力する。
減算器60は、連続回生電流指令値I_brfree_cmdから、蓄電装置電流I_btrを減算し、連続回生制御指令ΔI_bfree_cmdを出力する。安定化制御器62は連続回生制御指令ΔI_brfree_cmdを入力とし、前述の連続回生電流指令値I_brfree_cmdと、蓄電装置電流I_btrの差分を速やかに一致させるための連続回生制御操作量Duty_brfree_manを出力する。低位選択器56cと高位選択器57bは、連続回生操作量Duty_brfree_manの下限値及び上限値を決定する。まず、高位選択器57bは、連続回生制御操作量Duty_brfree_manと零のうち大きい値を選んで出力し、低位選択器56cは、高位選択器57bの出力値と、1つのうち小さい値を選んで出力する。すなわち、連続回生制御操作量Duty_brfree_manは、低位選択器57bにより、その範囲を0から1に制限して、制限つき連続回生制御操作量Duty_brfree_man_lmtを出力する。ゲートパルス演算部61は、制限つき連続回生操作量Duty_brfree_man_lmtをもとに、スイッチング素子8bのオン/オフを制御する、降圧チョッパゲートパルスGP_buckを出力する。
以上の構成により、電圧センサ6aの直流部電圧検出値V_dcの時間変化率dV_dc/dtを制御装置10で演算し、dV_dc/dtを超えたとき、電流センサ7dの電流検出値I_btrを、所定の充電電流指令値I_abs_cmdに追従するように、ゲートアンプ9a,9bの出力であるゲートパルス信号GP1,GP2を制御して、スイッチング素子8a,8bを駆動できる。
また、インバータ装置4の回生電力P_regenと、蓄電装置12の端子間電圧V_btrより、蓄電装置12の充電可能な充電指令値I_regen_cmd(図示していない)を制御装置10で演算し、電流センサ7dの電流検出値I_btrを、前述の充電電流指令値I_regen_cmdを追従するように、ゲートアンプ9a,9bの出力であるゲートパルス信号GP1,GP2を制御して、スイッチング素子8a,8bを駆動できる。
これにより、回生ブレーキ中に集電装置から電力線への電流経路が断たれたとき、インバータ直流部電圧検出値の変化率に基づいて、瞬時に回生電力を蓄電装置で吸収する充電制御を開始し、またその後も連続的に蓄電装置による回生電力の吸収を可能とする、電気車の駆動システムを実現できる。
図3は、本発明の電気車の駆動システムの一実施形態における制御動作を示す波形図である。
図3の横軸は経過時間であり、縦軸は各信号の大きさを示している。
まず、時間t0で運転台の操作によりブレーキプラグB_flgがオンする。これにより、直流部回生電力P_brkが立ち上がることで減速が始まり、ロータ周波数Frが減少する。運転台からのブレーキ指令が同じと仮定とすると、VVVF制御の変調率が100%(最大電圧)で、かつ電動機の電流特性が飽和しない領域で、直流部回生電力P_brkは最大となる。図3では、時間t1からt4(ロータ周波数Fr1からFr4)までの間で直流部回生電力P_brkが最大である状態を示している。
通常時は、回生ブレーキにより発生した直流部回生電力P_brkは集電装置1から架線に戻すことで周囲を走行する車両が力行電力として利用する。しかし、架線と集電装置1がごく短時間だけ離別する架線瞬断が発生すると、直流部回生電力P_brkを吸収できないため、瞬時的に直流部の電圧が上昇し、過電圧保護動作による回生ブレーキ失効が発生する。本発明はこの架線瞬断時の回生失効を防止することをおもな目的としている。
いま、直流部回生電力P_brkが最大となる時間t1からt4の中間である時間t2において架線瞬断が発生して、ごく短時間経過したt3に復位した場合を考える。架線電圧検出値Esは、通常時は集電装置が架線に接してしるため、電圧値は実際の架線電圧Es0を示す。架線瞬断が発生する時間t2に架線電圧検出値Esは瞬間的に零となり、瞬断が解消する時間t3に再び本来の電圧値Es0に戻る。
架線瞬断が発生すると、直流回生電力P_brkは集電装置1から架線に戻せないため、その電力はフィルタコンデンサ3に充電される。フィルタコンデンサ3は、フィルタリアクトル2と組合せて、架線電流のリップルを除去するフィルタ回路の役目を果たす。このため、その時定数は10ms程度に設定する場合が多い。その一方で、フィルタリアクトル2は、架線短絡事故が発生したときの変電所機器保護のために電流変化率を所定値に抑える機能を兼ね備えている。したがって、フィルタコンデンサ3の静電容量と、フィルタリアクトル2のインダクタンス値は、トレードオフの関係にあり、フィルタコンデンサ3の静電容量Cは概ね0.01(F)程度とすることが多い。例えば、直流部回生電力P_brk=500kW、Ecf=1500Vのとき、架線瞬断時のフィルタコンデンサ電圧変化率の変化率は、dEcf/dt=(P_brk/Ecf)/C=(500*1000/1500)/0.01=33333(V/s)である。すなわち、この仮定では架線瞬断時にフィルタコンデンサ電圧が1秒間に33kV電圧上昇する。
このように、架線瞬断が発生したときにフィルタコンデンサ電圧Ecf、すなわち直流部電圧V_dcが急増することに着目し、直流部電圧検出値V_dcの変化率dV_dc/dtが所定値を超えたとき、架線瞬断が発生したと判断して瞬断検知フラグflg_itrをオンすることにより、「瞬時電力吸収制御」を行う。
「瞬時電力吸収制御」では、瞬断検知フラグflg_itrがオンしている期間は、降圧チョッパ操作量I_abs_cmdを増加させて、直流部から蓄電装置12への充電電流を瞬時に通流させる。これにより、フィルタコンデンサ電圧Ecfの増加は最小限に抑えられて、フィルタコンデンサ電圧変化率Ecfは減少していく。フィルタコンデンサ電圧変化率Ecfの減少により所定値を下回った時点で瞬断検知フラグflg_itrをオフし、降圧チョッパ操作量I_abs_cmdを零まで低減して、瞬時電力吸収制御を完了する。
一方、瞬時電力吸収制御を完了した後においても、架線瞬断が発生した原因が解消されているときは限らない。このため、瞬時電力吸収制御完了後は、「回生電力吸収制御」に移行して、回生ブレーキを継続させる、「回生電力吸収制御」では、直流部回生電力P_brkを、ちょうど蓄電装置12に充電するための降圧チョッパ制御操作量I_regen_cmdを演算する。これに基づいてスイッチング素子8aを制御することにより、ブレーキフラグB_flgのオンが継続している期間中の回生電力は、集電装置1から架線に戻すことなく蓄電装置12に充電することで、架線瞬断の発生に影響されない、安定した連続回生ブレーキを実現する。
以上のように本発明の構成によれば、回生ブレーキ中に集電装置から電力線への電流経路が断たれたとき、インバータ直流部の電圧検出値の変化率に基づいて、瞬時に回生電力を蓄電装置で吸収する充電制御を開始し、またその後も連続的に蓄電装置による回生電力の吸収を可能とする、電気車の駆動システムを実現できる。
図4は、本発明の電気車の駆動システムにおける第二の実施形態の機器構成を示す図である。
集電装置1から給電した直流電力は、フィルタリアクトル2、およびフィルタコンデンサ3で構成するLCフィルタリング回路により高周波数域の変動分を除去した後、インバータ装置4に入力する。インバータ装置4は、入力された直流電力を可変電圧可変周波数(VVVF)の3相交流電力に変換して、主電動機5a,5bを駆動する。なお、ここではインバータ装置4が駆動する主電動機が2台の場合を示しているが、インバータ装置4が駆動する主電動機の台数は限定しない。電圧センサ6aは、フィルタコンデンサ3の両端の直流部電圧V_dcを検出する。電流センサ7a,7b,7cは、インバータ装置4と、主電動機5a,5bの間の3相交流電力線を流れる電流を各相毎に検出して、インバータ装置4入力する。接地点100はこの回路の基準電位を決めている。スイッチング素子8a,8bは、前述の集電装置1および接地点100とインバータ装置4の間にある直流電力部のうち、高電圧側と低電圧側の間に直列配置する。また、スイッチング素子8cは、前述の集電装置1および接地点100とインバータ装置4の間にある直流電力部のうち、高電位側と低電位側の間に、ブレーキ抵抗器13と共に直列配置する。電圧センサ6bは平滑リアクトル11と電流センサ7dの電力線間に配置して、後述の蓄電装置12の端子間電圧V_btrを検出する。なお、電圧センサ6bは平滑リアクトル11と電流センサ7dの電力線間に配置しているが、これは蓄電装置12と平滑リアクトル11の電力線間に配置しても、蓄電装置12の端子間電圧V_btrを検出できる。
制御装置10は、インバータ装置4の回生電力P_inv、電圧センサ6aの電圧検出値V_dc電圧センサ6bの電圧検出値V_btr、電流センサ7dの電流検出値I_btrを入力とし、ゲートアンプ9a,9b,9cにスイッチング素子8a,8b,8cのオン/オフを指令するゲートパルス信号GP1,GP2,GP3を出力する。ゲートアンプ9a,9b,9cは、ゲートパルス信号GP1,GP2,GP3を入力とし、これを基にスイッチング素子8a,8b、8cをオン/オフ可能な電圧制御信号に交換し、スイッチング素子8a,8b,8cをオン/オフ制御する。電圧センサ6bは後述の蓄電装置12の端子間電圧を検出する。電流センサ7dは、後述の蓄電装置12に入出力する電流を検出する。
蓄電装置12としては、架線瞬断時の回生電力の瞬時吸収を優先に考えると、単位体積あたりの充放電入出力特性が高性能である電気二重層キャパシタ装置などの適用が考えられる。しかし、鉄道車両ではシステム冗長性の確保が重要であるため、停電状態でも安全な退避箇所までの自力走行を実現する要求が考えられる。このため、単位体積あたりの蓄電能力が高いリチウムイオン電池などで構成することが妥当と言える。
蓄電装置12の充放電制御は、スイッチング素子8aまたは8bを周期的にオン/オフすることで実現する。この充放電制御において、平滑リアクトル11は、蓄電装置12に通流する電流の変化率を所定値内に抑える機能を持つ。
まず、スイッチング素子8bをオン/オフすることにより、蓄電装置12の放電する制御について説明する。
前述のスイッチング素子8bを所定時間Ton_bだけオンすると、蓄電装置12の出力端子間は短絡されるが、平滑リアクトル11は、その電流増加率を一定値内に抑ると同時に、Ton_bの期間に通流した電流と蓄電装置12の端子電圧の積を時間積分した電力エネルギを蓄える。その後、スイッチング素子8bを所定時間Toff_bだけオフすると、直流電力部側に平滑リアクトル11に蓄えられた電力エネルギは、スイッチング素子8aのダイオード部を介して、前述の集電装置1および接地点100とインバータ装置4の間にある直流電力部側に放出される。このとき、直流電力側で得られる電圧値V_dcは、蓄電装置12の端子電圧V_btrを基準として、前述のスイッチング素子8bをオンする時間Ton_bと、オフする時間Toff_bの比率から次式で決定する。
V_dc=V_btr×((Ton_b+Toff_b)/Toff_b)・・・式2
次に、スイッチング素子8bをオン/オフすることにより、蓄電装置12に電力に電力を充電する制御について説明する。
前述のスイッチング素子8bを所定時間Ton_aだけオンすると、前述の集電装置1および接地点100とインバータ装置4の間にある直流電力部の、接地点100に対する電位V_dcが、蓄電装置12の端子間電圧(接地点100に対する電位)V_bcよりも高いとき(V_dc>V_bc)、直流電力部から蓄電装置12の向きに電流が流れる。このとき、平滑リアクトル11は、その電流増加率を一定値内に抑えると同時に、Ton_aの期間に通流した電流と、蓄電装置12の端子電圧の積を時間積分したエネルギを蓄える。その後、スイッチング素子8bを所定時間Toff_aだけオフすると、直流電力部側に平滑リアクトル11に蓄えられた電力エネルギは、蓄電装置12の高電位側端子から、低電位側端子に抜け、スイッチング素子8bのダイオード部を経て、平滑リアクトル11に戻る一巡の回路が構成される。すなわちスイッチング素子8aを所定時間Toff_aだけオフしている期間は、平滑リアクトル11に蓄えられた電力エネルギが、蓄電装置12に充電電流が流れ続け、平滑リアクトル11に蓄えられた電力エネルギが放出されるに従い、充電電流は減衰していく。このとき、蓄電装置12で得られる端子間電圧値V_btrは、直流電力側V_dcを基準として、前述のスイッチング素子8aをオンする時間Ton_aと、オフする時間Toff_aの比率から次式で決定する。
V_btr=V_dc×(Ton_a/(Ton_a+Toff_a))・・・式3
さらに、スイッチング素子8cをオン/オフすることにより、ブレーキ抵抗器13から直流部の電力を瞬時に熱エネルギに変換して放出する制御(ブレーキチョッパ制御)について説明する。
前述のスイッチング素子8cを所定時間Ton_cだけオンすると、その期間は前述の集電装置1および接地点100とインバータ装置4の間にある直流電力部は、ブレーキ抵抗器13に介して接続される。従って、インバータ装置4の回生ブレーキ運転中に、スイッチング素子8cのオン/オフを適切に制御すると、インバータ回生電力の一部または全てをブレーキ抵抗器13で消費できる。集電装置1および接地点100とインバータ装置4の間にある直流電力部側に放出される。このとき、ブレーキ抵抗器13の通流電流I_brrは、回生ブレーキ電流I_inv_regenを基準として、前述のスイッチング素子8bをオンする時間Ton_cと、オフする時間Toff_cの比率から次式で決定する。
I_r_brk=I_inv_regen×(Ton_c/(Ton_c+Toff_c)) ・・・・・ 式4
以上の構成により、電圧センサ6bの直流部電圧検出器V_dcの時間変化率dV_dc/dtを制御装置10で演算し、dV_dc/dtが所定値を超えたとき、電流センサ7eの電流検出器I_brrを、所定の充電電流指令値I_abs_cmd(図示していない)に追従するように、ゲートアンプ9cの出力であるゲートパルス信号GP3を制御して、スイッチング素子8cを駆動できる。
また、インバータ装置4の回生電力P_invと、蓄電装置12の端子間電圧V_btrより、蓄電装置12に充電可能な充電電流指令値I_regen_cmd(図示していない)を制御装置10で演算し、電流センサ7dの電流検出器I_btrを、前述の充電電流指令値I_regen_cmd_bに追従するように、ゲートアンプ9a,9bの出力であるゲートパルス信号GP1,GP2を制御して、スイッチング素子8a,9bを駆動できる。
これにより、回生ブレーキ中に集電装置から電力線への電流経路が断たれたとき、インバータ直流部の電圧検出値の変化率に基づいて、瞬時に回生電力を蓄電装置で吸収する充電制御を開始し、またその後も連続的に蓄電装置による回生電力の吸収を可能とする、電気車の駆動システムを実現できる。
図5は、本発明の電気車の駆動システムの第二の実施形態の制御方式を示すブロック図である。
電圧センサ6aの直流部電圧検出値V_dcは、変化率演算部51に入力され、所定期間(dt)内の直流部電圧V_dcの変化量ΔV_dc/Δtを算出する。比較器52aは、変化率演算部で算出したdV_dc/dtを入力とし、架線瞬断時の充電電流の増加率と回復率を選択する指令である架線瞬断検知フラグflg_i_upを出力する。比較器52aは、初期の出力値「flg_i_up=0」の状態に対して、dV_dc/dtの値が架線瞬断検知レベルdV_on以上となりその状態を継続している間は「flg_i_up=1」を出力する。また、出力値「flg_i_up=1」を出力している状態から、dV_dc/dtの値が架線瞬断検知レベルdV_on未満となったときには「flg_i_up=0」を出力する。選択器53aは、比較器52aが出力する架線瞬断検知フラグflg_i_upに応じて、充電電流増加率ΔI_up(正値)、または、充電電流回復率ΔI_down(負値)を選択し、充電電流指令値ΔI_aとして出力する。すなわち、電圧変化率dV_dc/dtが架線瞬断検知オンレベルdV_on以上となり、その状態を継続している「flg_i_up=1」の状態では、選択器53aの出力である充電電流変化率ΔI_aは、充電電流増加率ΔI_upに等しく、電圧変化率dV_dc/dtが架線瞬断検知レベルdV_on未満となり、その状態を継続している「flg_i_up=0」の状態では、選択器53aの出力は充電電流回復率ΔI_downに等しい。論理和回路54は比較器52aが出力した架線瞬断検知フラグflg_i_upと、後述の比較器52bの出力であるflg_i_zeroを入力とし、flg_i_upとflg_i_zeroの論理和の演算結果として、充電電流の増加率または回復率の積分演算を制御するflg_i_sumを出力する。また、選択器53bは、論理和回路54の出力flg_i_sumに応じて、零出力または充電電流変化量ΔI_aを選択して、積分器55に入力する。比較器52bは積分器55の出力結果である吸収電流指令値I_abs_cmdを入力とし、I_abs_cmdが零以下のとき「flg_i_zero=0」を出力し、i_abs_cmdが零より大きいとき「flg_i_zero=1」を出力する。
その結果、このflg_i_zeroと、flg_i_upを入力する論理和回路54は、dV_dc/dtが架線瞬断検知オンレベルdV_onを上回り、その状態を継続しているとき(すなわちflg_i_up=1のとき)、または、積分器55の出力i_abs_cmdが零より大きい状態のとき(すなわちflg_i_zero=1のとき)「flg_i_sum=1」を出力する。このとき、選択器53bは充電電流変化量ΔI_aを出力として選択するが、選択器53aの作用により「flg_i_up=1」の状態では、充電電流増加率ΔI_up(加算値)であり、「flg_i_up=0」の状態では、充電電流回復率ΔI_down(負値)に等しくなる。すなわち、積分器55の出力はflg_i_sumとflg_i_upにより、その加算/減算が制御される。「flg_i_up=1」のとき、論理和回路54の出力は「flg_i_sum=1」であり、積分器55はΔ_up(正値)を積分するので、I_abs_cmdは零よりも大きい値に積算される。このとき、比較器52bはI_abs_cmdは零より大きいので、「flg_i_zero=1」を出力する。その後、「flg_i_up=0」となると、論理和回路54の出力は「flg_i_zero=1」であることから引続き「flg_i_sum=1」であるが、積分器55はΔI_down(負値)を積分するのでi_abs_cmdは減算される。I_abs_cmdの減算により零に達した時点で、比較器52bの出力「flg_i_zero=0」となり、論理和回路54の出力は「flg_i_sum=0」となる。すなわち、選択器53bの出力は零となるので、積分器55の出力であるI_abs_cmdは例に達した時点でそのまま零値を継続する。低位選択器56aは、積分器55の出力である吸引電流指令値I_abs_cmdと、蓄電装置12が許容する最大充電電流(瞬時値)Imax_btr_insのうち小さい方の値を選び、制限つき吸収電流指令値I_abs_lmtを出力する。
減速器60aは、連続回生電流指令値I_abs_lmtから、ブレーキ抵抗器電流I_btrを減算し、連続回生制御指令ΔI_brfree_cmd_aを出力する。安定化制御器62aは、連続回生制御指令ΔI_brfree_cmd_aを入力とし、前述の連続回生電流指令値I_brfree_cmd_aと、ブレーキ抵抗器電流I_brrの差分を速やかに一致させるための連続回生制御操作量Duty_brfree_man_aを出力する。低位選択器56cと高位選択器57bは、連続回生制御操作量Duty_brfree_man_aの下限値および上限値を決定する。まず、高位選択器57bは、連続回生制御操作量Duty_brfree_man_aと、零のうち大きい値を選んで出力し、低位選択器56cは、高位選択器57bの出力値と、1のうち小さい値を選んで出力する。すなわち、連続回生制御操作量Duty_brfree_man_aは、低位選択器56cと高位選択器57bにより、その範囲を0から1に制限して、制限つき連続回生制御操作量Duty_brfree_man_a_lmtを出力する。ゲートパルス演算部61aは、制限つき連続回生制御操作量Duty_brfree_man_a_lmtをもとに、スイッチング素子8aのオン/オフを制御する。降圧チョッパゲートパルスGP_bchを出力する。
一方、フリップフロップ回路102は、比較器52aの出力である架線瞬断検知フラグflg_i_upをセット入力、運転台からのブレーキフラグB_flgを論理反転器103で反転した信号を入力する、リセット優先フリップフロップであり、架線瞬断発生以降はインバータ回生電力を蓄電装置12に蓄電する蓄電回生有効フラグflg_regenを出力する。すなわち、「B_flg=0」の状態では、フリップフロップ回路102のリセット入力は「1」なので、架線瞬断検知フラグflg_i_upが「flg_i_up=1」でも、蓄電回生有効フラグflg_regenはセットされず、「B_regen_flg=0」である。運転台のブレーキ操作により「B_flg=1」の状態のとき、フリップフロップ回路102のリセット入力は「0」であり、架線瞬断検知フラグflg_i_upが「flg_i_up=1」になった時点で、蓄電回生有効フラグflg_regenは「flg_regen=1」にセットされる。乗算器58、除算器59は、インバータ回生電力P_regenから、蓄電装置電圧I_btrを割り算して、回生電流I_regen_0を算出する。選択器53cはフリップフロップ回路102の出力である、架線瞬断検知フラグflg_i_upに応じて、回生電流指令I_regen_cmdを出力する。すなわち、「flg_i_up=0」のときは、回生電流指令I_regen_cmdは零、「flg_i_up=1」のときは、回生電流指令I_regen_cmdは前述の回生電流I_regen_0に等しくする。
flg_i_up=0のとき、I_regen_cmd=0
flg_i_up=1のとき、I_regen_cmd= I_regen_0(=P_regen/V_btr)
低位選択器56bは、選択器53cの出力である、回生電流指令I_regen_cmdと、蓄電装置12が許容する最大充電電流(定格値)Imax_btr_ratのうち、小さい値を選んで制限つき回生電流指令I_regen_cmd_lmtを出力する。高位選択器57aは、制限つき吸収電流指令値I_abs_cmd_lmtと、制限つき回生電流指令値I_regen_cmd_lmtのうち、小さい値を選んで連続回生電流指令値I_brfree_cmdを出力する。
減算器60bは、連続回生電流指令値I_brfree_cmd_bから、蓄電装置電流I_btrを減算し、連続回生制御指令ΔI_brfree_cmd_bを出力する。安定化制御器2bは、連続回生制御指令ΔI_brfree_cmd_bを入力とし、前述の連続回生電流指令値I_brfree_cmd_bと、蓄電装置電流I_btrの差分を速やかに一致させるための連続回生制御操作量Duty_brfree_man_bを出力する。低位選択器56dと高位選択器57cは、連続回生制御操作量Duty_brfree_man_bの下限値及び上限値を決定する。まず、高位選択器57bは、連続回生制御操作量Duty_brfree_man_bと、零のうち大きい値を選んで出力し、低位選択器56dは、高位選択器57cの出力値と、1のうち小さい値を選んで出力する。すなわち、連続回生制御操作量Duty_brfree_man_bは、低位選択器56dと高位選択器57cにより、その範囲を0から1に制限して、制限つき連続回生制御操作量Duty_brfree_man_lmtを出力する。ゲートパルス演算部61bは、制限つき連続回生制御操作量Duty_brfree_man_lmtをもとに、スイッチング素子8bのオン/オフを制御する、降圧チョッパゲートパルスGP_buckを出力する。
以上の構成により、電圧センサ6bの直流部電圧検出値V_dcの時間変化率dV_dc/dtを制御装置10で演算し、dV_dc/dtが所定値を超えたとき、電流センサ7eの電流検出値I_brrを、所定の充電電流指令値I_abs_cmdに追従するように、ゲートアンプ9cの出力であるゲートパルス信号GP3を制御して、スイッチング素子8cを駆動できる。
また、インバータ装置4の回生電力P_invと、蓄電装置12の端子間電圧V_btrより、蓄電装置12に充電可能な充電電流指令値I_regen_cmdを制御装置10で演算し、電流センサ7dの電流検出値I_btrを、前述の充電電流指令値I_regen_cmd_bに追従するように、ゲートアンプ9a,9bの出力であるゲートパルス信号GP1,GP2を制御して、スイッチング素子8a,8bを駆動できる。
これにより、回生ブレーキ中に集電装置から電力線への電流経路が断たれたとき、インバータ直流部の電圧検出値の変化率に基づいて、瞬時に回生電力を蓄電装置で吸収する充電制御を開始し、またその後も連続的に蓄電装置による回生電力の吸収を可能とする、電気車の駆動システムを実現できる。
図6は、本発明の電気車の駆動システムの第二の実施形態の制御動作を示す波形図である。図6の横軸は経過時間であり、縦軸は各信号の大きさを示している。
まず、時間t0で運転台の操作によりブレーキフラグB_flgがオンする。これにより、直流部回生電力P_brkが立ち上がることで減速が始まり、ロータ周波数Frが減少する。運転台からのブレーキ力指令が同じと仮定すると、VVVF制御の変調率が100%(最大電圧)で、かつ電動機の電流特性が飽和しない領域で、直流部回生電力P_brkは最大となる。図6では、時間がt1からt4(ロータ周波数FrlからFr4)までの間で直流部回生電力P_brkが最大である状態を示している。
通常時は、回生ブレーキにより発生した直流部回生電力P_brkは、集電装置1から架線に戻すことで周囲を走行する車両が力行電力として利用する。しかし、架線と集電装置1がごく短時間だけ離別する架線瞬断が発生すると、直流部回生電力P_brkを吸収できないため、瞬時的に直流部の電圧が上昇し、過電圧保護動作による回生ブレーキ失効が発生する。本発明はこの架線瞬断時の回生失効を防止することをおもな目的としている。
いま、直流部回生電力P_brkが最大となる時間がt1からt4の中間である時間t2において架線瞬断が発生して、ごく短時間経過したt3に復位した場合を考える。架線電圧検出値Esは、通常時は集電装置が架線に接しているため、電圧値は実際の架線電圧Es0を示す。架線瞬断が発生する時間t2に架線電圧検出値Esが瞬間的に零となり、瞬断が解消する時間t3に再び本来の電圧Es0に戻る。
架線瞬断が発生すると、直流部回生電力P_brkは集電装置1から架線に戻せないため、その電力はフィルタコンデンサ3に充電される。フィルタコンデンサ3は、フィルタリアクトル2と組合せて、架線電流のリップルを除去するフィルタ回路の役目を果たす。このため、その時定数は10ms程度に設定する場合が多い。その一方で、フィルタリアクトル2は、架線短絡事故が発生したときの変電所機器保護のために電流変化率を所定値に抑える機能を兼ね備えている。したがって、フィルタコンデンサ3の静電容量と、フィルタリアクトル2のインダクタンス値は、トレードオフの関係にあり、フィルタコンデンサ3の静電容量Cは概ね0.01(F)程度とすることが多い。例えば、直流部回生電力P_brk=500kW,Ecf=1500Vのとき、架線瞬断時のフィルタコンデンサ電圧変化率の変化率は、dEcf/dt(P_brk/Ecf)/C=(500*1000/1500)/0.1=33333(V/s)である。すなわち、この仮定では架線瞬断時にフィルタコンデンサ電圧が1秒間に33kV電圧上昇する。
このように、架線瞬断が発生したときにフィルタコンデンサ電圧Ecf、すなわち、直流部電圧V_dcが急増することに着目し、直流電圧検出値V_dcの変化率dV_dc/dtが所定値を超えたとき、架線瞬断が発生したと判断して瞬断検知フラグflg_itrをオンすることにより、「瞬時電力吸収制御」を行う。
「瞬時電力吸収制御」では、瞬断検知フラグflg_itrがオンしている期間は、ブレーキチョッパ制御操作量I_brfree_cmd_aを増加させて、直流部から蓄電装置12への充電電流を瞬時に通流させる。これにより、フィルタコンデンサ電圧Ecfの増加は最小限に抑えられて、フィルタコンデンサ電圧変化率Ecfは減少していく。フィルタコンデンサ電圧変化率Ecfの減少により所定値を下回った時点で瞬断検知フラグflg_itrをオフし、ブレーキチョッパ制御操作量I_brfree_cmd_aを零まで低減して、瞬時電力吸収制御を完了する。
一方、瞬時電力吸収制御を完了した後においても、架線瞬断が発生した原因が解消されているとは限らない。このため、瞬時電力吸収制御完了後は、「回生電力吸収制御」に移行して、回生ブレーキを継続させる。「回生電力吸収制御」では、直流部回生電力P_brkを、ちょうど蓄電装置12に充電するための降圧チョッパ制御操作量I_brfee_cmd_bを演算する。これに基づいてスイッチング素子8aを制御することにより、ブレーキフラグB_flgのオンが継続している期間中の回生電力は、集電装置1から架線に戻すことなく蓄電装置12に充電することで、架線瞬断の発生し影響されない、安定した連続回生ブレーキを実現する。
以上のように、本発明の構成によれば、回生ブレーキ中に集電装置から電力線への電流経路が断たれたとき、インバータ直流部の電圧検出値の変化率に基づいて、瞬時に回生電力を蓄電装置で吸収する充電制御を開始し、またその後も連続的に蓄電装置による回生電力の吸収を可能とする。電気車の駆動システムを実現できる。
図7は、本発明の電気車の駆動システムにおける第三の実施形態の機器構成を示す図である。
集電装置1から給電した直流電力は、フィルタリアクトル2、およびフィルタコンデンサ3で構成するLC回路(フィルタ回路)により高周波数域の変動分を除去した後、インバータ装置4に入力する。インバータ装置4は、入力された直流電力を可変電圧可変周波数(VVVF)の3相直流電力に変換して、主電動機5a,5bを駆動する。なお、ここではインバータ装置4が駆動する主電動機が2台の場合を示しているが、インバータ装置4が駆動する主電動機の台数は限定しない。電圧センサ6aは、フィルタコンデンサ3の両端の直流部電圧V_dcを検出する。電流センサ7a,7b,7cは、インバータ装置4と、主電動機5a,5bの間の3相交流電力線を流れる電流を各相毎に検出して、インバータ装置4に入力する。接地点100はこの回路の基準電位を決めている。スイッチング素子8a,8bは、前述の集電装置1および接地点100とインバータ装置4の間にある直流電力部うち、高電位側と低電位側の間に直列配置する。電圧センサ6bは平滑リアクトル11と電流センサ7dの電力線間に配置して、蓄電装置12の端子間電圧V_btrを検出する。なお、電圧センサ6bは平滑リアクトル11と電流センサ7dの電力線間に配置しているが、これは蓄電装置12と平滑リアクトル11の電力線間に配置しても、後述の蓄電装置12の端子間電圧V_btrを検出できる。
制御装置10は、インバータ装置4の回生電力P_inv、電圧センサ6aの電圧検出値V_dc、電圧センサ6bの電圧検出値V_btr、電流センサ7dの電流検出値I_btrを入力とし、ゲートアンプ9a,9bにスイッチング素子8a,8bのオン/オフを指令するゲートパルス信号GP1,GP2を出力する。ゲートアンプ9a,9bは、ゲートパルス信号GP1,GP2を入力とし、これを基にスイッチング素子8a,8bをオン/オフ可能な電圧制御信号に変換し、スイッチング素子8a,8bをオン/オフ制御する。電圧センサ6bは後述の蓄電装置12の端子間電圧を検出する。電流センサ7dは、後述の蓄電装置12に入出力する電流を検出する。
蓄電装置12としては、架線瞬断時の回生電力の瞬時吸収を優先に考えると、単位面積あたりの充放電入出力特性が高性能である電気二重層キャパシタ装置などの適用が考えられる。しかし、鉄道車両ではシステム冗長性の確保が重要であるため、停電状態でも安全な退避箇所までの自力走行を実現する要求が考えられる。このため、単位面積あたりの蓄電能力が高いリチウムイオン電池などで構成することが妥当と言える。
蓄電装置12の充放電制御は、スイッチング素子8aまたは8bを周期的にオン/オフすることで実現する。この充放電制御において、平滑リアクトル11は、蓄電装置12に通流する電流の変化率を所定値内に抑える機能をもつ。
まず、スイッチング素子8bを周期的にオン/オフすることにより、蓄電装置12の電力を放電する制御について説明する。
前述のスイッチング素子8bを所定時間Ton_bだけオンすると、蓄電装置12の出力端子間は短絡されるが、平滑リアクトル11は、その電流増加率を一定値内に抑えると同時に、Ton_bの期間に通流した電流と、蓄電装置12の端子間電圧の積を時間積分した電力エネルギを蓄える。その後、スイッチング素子8bを所定時間Toft_bだけオフすると、直流電力部側に平滑リアクトル11に蓄えられた電力エネルギは、スイッチング素子8aのダイオード部を介して、前述の集電装置1および接地点100とインバータ装置4の間にある直流電力部側に放出される。このとき、直流電力側で得られる電圧値V_dcは、蓄電装置12の端子電圧V_btrを基準として、前述のスイッチング素子8bをオンする時間Ton_bと、オフする時間Toft_bの比率から次式で決定する。
V_dc=V_btr×((Ton_b+Toft_b)/Toft_b) ・・・・・ 式2
次に、スイッチング素子8aを周期的にオン/オフすることにより、蓄電装置12に電力を充電する制御について説明する。
前述のスイッチング素子8aを所定時間Ton_aだけオンすると、前述の集電装置1および接地点100とインバータ装置4の間にある直流電力部の、接地点100に対する電位V_dcが、蓄電装置12の端子間電圧(接地点100に対する電位)V_dcよりも高いとき(V_dc>V_bc)、直流電流部から蓄電装置12の向きに電流が流れる。このとき、平滑リアクトル11は、その電流増加率を一定値内に抑えると同時に、Ton_aの期間に通流した電流と、蓄電装置12の端子電圧の積を時間積分した電力エネルギを蓄える。その後、スイッチング素子8aを所定時間Toft_aだけオフすると、直流電流部側に平滑リアクトル11に蓄えられた電力エネルギは、蓄電装置12の高電位側端子から、低電位側端子に抜け、スイッチング素子8bのダイオード部を経て、平滑リアクトル11に戻る一巡の回路が構成される。すなわち、スイッチング素子8aを所定時間Toft_aだけオフしている期間は、平滑リアクトル11に蓄えられた電力エネルギが、蓄電装置12に充電電流が流れ続け、平滑リアクトル11に蓄えられた電力エネルギが放出されるに従い、充電電流は減衰していく。このとき、蓄電装置12で得られる端子間電圧値V_btrは、直流電力側V_dcを基準として、前述のスイッチング素子8aをオンする時間Ton_aと、オフする時間Toft_aの比率から次式決定する。
V_btr=V_dc×(Ton_a/(Ton_a+Toft_a)) ・・・・・ 式3
補助電源装置14は、蓄電装置12の出力端子直近に接続し、蓄電装置12に蓄えられた電力、架線から集電装置1を経て供給される電力、またはインバータ装置4から供給される電力をもとに、車両制御器の電源、証明の空調機のサービス機器に電源を供給する。前述のように、蓄電装置12にはインバータ装置14の回生制動電力より充電されるので、車両の停止中や力行中は、まず蓄電装置12に蓄えられた電力により補助電源装置14を駆動する。蓄電量が低下して、車両制御器やサービス機器に充分な電力を供給できないときは、前述のスイッチング素子9aをオン/オフすることにより、架線から集電装置1を経て供給される電力、またはインバータ装置4から供給される電力を蓄電装置12の電圧レベルにあわせて制御して補助電源装置14に供給する。
以上の構成により、電圧センサ6aの直流部電圧検出値V_dcの時間変化率dV_dc/dtを制御装置10で演算し、dV_dc/dtが所定値を超えたとき、電流センサ7dの電流検出値I_btrを、所定の充電電流指令値I_abs_cmd(図示していない)に追従するように、ゲートアンプ9a、9bの出力であるゲートパルス信号GP1、GP2を制御して、スイッチング素子8a、8bを駆動できる。
また、インバータ装置4の回生電力P_regenと、蓄電装置12の端子間電圧V_btrより、蓄電装置12に充電可能な充電電流指令値I_regen_cmd(図示していない)を制御装置10で演算し、電流センサ7dの電流検出値I_btrを、前述の充電電流指令値I_regen_cmdに追従するように、ゲートアンプ9a,9bの出力であるゲートパルス信号GP1,GP2を制御して、スイッチング素子8a,8bを駆動できる。
これにより、回生ブレーキ中に集電装置から電力線への電流経路が断たれたとき、インバータ直流部の電圧検出値の変化率に基づいて、瞬時に回生電力を蓄電装置で吸収する充電制御を開始、またその後も連続的に蓄電装置に回生電力の吸収を可能とする、電気車の駆動システムを実現できる。また、蓄電装置に吸収した回生電力は、車両制御器の電源、照明や空調機のサービス機器に常に電源を供給する補助電源装置の駆動に優先的に用いることで、スイッチング素子を動作させることなく、低損失に蓄電装置の放電を促進して回生電力の吸収余裕を確保できる。また、蓄電装置が接続された安定な直流電流により補助電源装置を駆動できるので、補助電源装置の入力電圧変動の許容範囲を小さく設定して、補助電源コストを抑えられる。
図8は、本発明の電気車の駆動システムにおける第四の実施形態の機器構成を示す図である。
集電装置1から給電した直流電力は、フィルタリアクトル2、及びフィルタコンデンサ3で構成するLCフィルタリング回路により高周波数域の変動分を除去した後、インバータ装置4に入力する。インバータ装置4は、入力された直流電力を可変電圧可変周波数(VVVF)の3相交流電力に変換して、主電動機5a,5bを駆動する。なお、ここではインバータ装置4が駆動する主電動機が2台の場合を示しているが、インバータ装置4が駆動する主電動機の台数は限定しない。電圧センサ6aは、フィルタコンデンサ3の両端の直流部電圧V_dcを検出する。電圧センサ7a,7b,7cは、インバータ装置4と、主電動機5a,5bの間の3相交流電力線を流れる電流を各相毎に検出して、インバータ装置4に入力する。接地点100はこの回路の基準電位を決めている。スイッチング素子8a,8bは、前述の集電装置1および接地点100とインバータ装置4の間にある直流電力部うち、高電位側と低電位側の間に直列配置する。また、スイッチング素子8cは、前述の集電装置1および接地点100とインバータ装置4の間にある直流電力部うち、高電位側と低電位側の間に、ブレーキ抵抗器13と共に直列配置する。電圧センサ6bは平滑リアクトル11と電流センサ7dの電力線間に配置して、蓄電装置12の端子間電圧V_btrを検出する。なお、電圧センサ6bは平滑リアクトル11と電流センサ7dの電力線間に配置しているが、これは蓄電装置12と平滑リアクトル11の電力線間に配置しても、後述の蓄電装置12の端子間電圧V_btrを検出できる。
制御装置10は、インバータ装置4の回生電力P_inv、電圧センサ6aの電圧検出値V_dc、電圧センサ6bの電圧検出値V_btr、電流センサ7dの電流検出値I_btrを入力とし、ゲートアンプ9a,9b,9cにスイッチング素子8a,8b,8cのオン/オフを指令するゲートパルス信号GP1,GP2,GP3を出力する。ゲートアンプ9a,9b,9cは、ゲートパルス信号GP1,GP2,GP3を入力とし、これを基にスイッチング素子8a,8bをオン/オフ可能な電圧制御信号に変換し、スイッチング素子8a,8b,8cをオン/オフ制御する。電圧センサ6bは後述の蓄電装置12の端子間電圧を検出する。電流センサ7dは、後述の蓄電装置12に入出力する電流を検知する。
蓄電装置12としては、架線瞬断時の回生電力の瞬時吸収を優先に考えると、単体体積あたりの充放電入出力特性が高性能である電気二重層キャパシタ装置などの適用が考えられる。しかし、鉄道車両ではシステム冗長性の確保が重要でああるため、停電状態でも安全な退避箇所までの自力走行を実現する要求が考えられる。このため、単体面積あたりの蓄電能力が高いリチウムイオン電池などの構成することが妥当と言える。
蓄電装置12の充放電制御はスイッチング素子8a,8bを周期的にオン/オフすることで実現する。この充放電制御において、平滑リアクトル11は、蓄電装置12に通流する電流の変化率を所定値内に抑える機能をもつ。
まず、スイッチング素子8bをオン/オフすることにより、蓄電装置12の電力を放電する制御について説明する。
前述のスイッチング素子8bを所定時間Ton_bだけオンすると、蓄電装置12の出力端子間は短絡されるが、平滑リアクトル11はその電流増加率を一定値内に抑ると同時に、Ton_bの期間に通流した電流の蓄電装置12の端子電圧の積を時間積分した電力エネルギを蓄える。その後、スイッチング素子8bを所定時間Toft_bだけオフすると、直流電力部側に平滑リアクトル11に蓄えられた電力エネルギはスイッチング素子8aのダイオード部を介して、前述の集電装置1および接地点100とインバータ装置4の間にある直流電力部側に放出される。このとき、直流電流側で得られる電圧値V_dcは、蓄電装置12の端子電圧V_btrを基準として、前述のスイッチング素子8bをオンする時間Ton_bと、オフする時間Toft_bの比率から次式で決定する。
V_dc=V_btr×((Ton_b+Toft_b)/Toft_b) ・・・・・ 式2
次に、スイッチイング素子8aをオン/オフすることにより、蓄電装置12に電力を充電する制御について説明する。
前述のスイッチング素子8aを所定の時間Ton_aだけオンすると、前述の集電装置1および接地点100とインバータ装置4の間にある直流電力部の、接地点100に対する電位V_dcが、蓄電装置12の端子間電圧(接地点100に対する電位)V_dcよりも高いとき(V_dc>V_bc)、直流電力部から蓄電装置12の向きに電流が流れる。このとき、平滑リアクトル11は電流増加率を一定値内に抑ると同時に、Ton_aの期間に通流した電流と、蓄電装置12の端子電圧の積を時間積分した電力エネルギを蓄える。その後、スイッチング素子8aを所定時間Toft_aだけオフすると、直流電力部側に平滑リアクトル11に蓄えられた電力エネルギは蓄電装置12の高電位側端子から、低電位側端子に抜け、スイッチング素子8bのダイオード部を経て、平滑リアクトル11に戻り一巡の回路が構成される。すなわち、スイッチング素子8aを所定時間Toft_aだけオフしている期間は平滑リアクトル11に蓄えられた電力エネルギが蓄電装置12に充電電流が流れ続け、平滑リアクトル11に蓄えられた電力エネルギが放出されるに従い、充電電流は減衰していく。このとき、蓄電装置12で得られる端子間電圧値V_btrは、直流電力側V_dcを基準として、前述のスイッチング素子8aをオンする時間Toft_aと、オフする時間Toft_aの比率から次式で決定する。
V_btr=V_dc×(Ton_a/(Ton_a+Toff_a)) ・・・・・ 式3
さらに、スイッチング素子8cをオン/オフすることにより、ブレーキ抵抗器13から直流部の電力を瞬時に熱エネルギに変換して放出する制御(ブレーキチョッパ制御)について説明する。
前述のスイッチング素子8cを所定時間Ton_cだけオンすると、その期間は前述の集電装置1および接点地100とインバータ装置4の間にある直流電力部は、ブレーキ抵抗器13を介して接続される。従って、インバータ装置4を回生ブレーキ運転中に、スイッチング素子8cのオン/オフを適切に制御すると、インバータ回生電力の一部または全てをブレーキ抵抗器13で消費できる。集電装置1および接点地100とインバータ装置4の間にある直流電力部側に放出される。このとき、ブレーキ抵抗器13の通流電力I_brrは、回生ブレーキ電流I_inv_regenを基準として、前述のスイッチング素子8bをオンする時間Ton_bと、オフする時間Toff_bの比率から次式で決定する。
I_r_brk=I_inv_regen×(Ton_a/(Ton_a+Toff_a)) ・・・・・ 式4
補助電源装置14は、蓄電装置12の出力端子に接続し、蓄電装置12に蓄えられた電力、架線から集電装置1を経て供給される電力、またはインバータ装置4から供給される電力をもとに、車両制御器の電源、照明や空調機のサービス機器に電源を供給する。前述のように、蓄電装置12にはインバータ装置14の回生制電電力より充電されるので、車両の停止中や力行中は、まず蓄電装置12に蓄えられた電力により補助電源装置14を駆動する。蓄電量が低下して、車両制御器やサービス機器に充分な電力を供給できないときは、前述のスイッチング素子9aをオン/オフすることにより、架線から集電装置1を経て供給される電力、またはインバータ装置4から供給される電力を蓄電装置12の電圧レベルにあわせて制御して補助電源装置14に供給する。
以上の構成により、電圧センサ6bの直流部電圧検出値V_dcの時間変化率dV_dc/dtを制御装置10で演出し、dV_dc/dtが所定値を超えたとき、電流センサ7eの電流検出値I_brrを、所定の充電電流指令値I_abs_cmd(図示していない)に追従するように、ゲートアンプ9cの出力であるゲートパルス信号GP3を制御して、スイッチング素子8cを駆動できる。
また、インバータ装置4の回生電力P_invと、蓄電装置12の端子間電圧V_btrより、蓄電装置12に充電可能な充電電流指令値I_regen_cmd(図示していない)を制御装置10で演算し、電流センサ7dの電流検出値I_btrを、前述の充電電流指令値I_regen_cmd_bに追従するように、ゲートアンプ9a,9bの出力であるゲートパルス信号GP1,GP2を制御して、スイッチング素子8a,8bを駆動できる。
これにより、回生ブレーキ中に集電装置から電力線への電流経路が断たれたとき、インバータ直流部の電圧検出値の変化率に基づいて、瞬時に回生電力を蓄電装置で吸収する充電制御を開始し、またその後も連続的に蓄電装置による回生電力の吸収を可能とする、電気車の駆動システムを実現できる。また、蓄電装置に吸収した回生電力は、車両制御器の電源、照明や空調機のサービス機器に常に電源を供給する補助電源装置の駆動に優先的に用いることで、スイッチング素子を動作させることなく、低損失に蓄電装置の放電を促進して回生電力の吸収余裕を確保できる。また、蓄電装置が接続された安定な直流電源により補助電源装置を駆動できるので、補助電源装置の入力電圧変動の許容範囲を小さく設定して、補助電源装置のコストを抑えられる。
本発明の実施例1の電気車の駆動システムの機器構成を示す図である。 本発明の実施例1の電気車の駆動システムの制御方式を示すブロック図である。 本発明の実施例1の電気車の駆動システムの制御動作を示す波形図である。 本発明の実施例2の電気車の駆動システムの機器構成を示す図である。 本発明の実施例2の電気車の駆動システムの制御方式を示すブロック図である。 本発明の実施例2の電気車の駆動システムの制御動作を示す波形図である。 本発明の実施例3の電気車の駆動システムの機器構成を示す図である。 本発明の実施例4の電気車の駆動システムの機器構成を示す図である。 従来例の回生電力を吸収する蓄電装置を車上側のインバータ装置に併設する場合の機器構成の一例である。
符号の説明
1 集電装置
2 フィルタリアクトル
3 フィルタコンデンサ
4 インバータ装置
5 主電動機
6 電圧センサ
7 電流センサ
8 スイッチング素子
9 ゲートアンプ
10 制御装置
11 平滑リアクトル
12 蓄電装置
13 ブレーキ抵抗器
14 補助電源装置
51 変化率演算部
52 比較器
53 選択器
54 論理和回路
55 積分器
56 低位選択器
57 高位選択器
58 乗算器
59 除算器
60 加算器
61 ゲートパルス演算部
62 安定化制御器
101 リアクトル
102 蓄電装置
103 主スイッチ
104 平滑リアクトル
105 インバータ
106 モータ
107 平滑コンデンサ
108 直流電源
110 架線
111 スイッチング素子
113 電流検出器
114 電流検出器。

Claims (4)

  1. 電力線から電力を得る集電手段と、前記電力線電力に基づく高圧直流電力を交流電力に変換するインバータ手段と、前記インバータ手段により駆動される電動機と、低圧直流電力を供給する電力蓄積手段と、前記高圧直流電力の部分と前記低圧直流電力の部分間の通流電流を調整制御するスイッチ手段と、前記通流電流を検出する手段と、前記高圧直流電力の電圧を検出する手段と、これらの各手段を制御する制御手段を備え、
    前記高圧直流電力の部分と前記低圧直流電力の部分問の前記通流電流を調整制御するスイッチ手段を、前記直流電力の電圧検出値の変化量と、前記通電電流の検出値に基づいて制御することを特徴とする鉄道車両の駆動システム。
  2. 電力線から電力を得る集電手段と、前記電力線電力に基づく高圧直流電力を交流電力に変換するインバータ手段と、前記インバータ手段により駆動される電動機と、低圧直流電力を供給する電力蓄積手段と、前記高圧直流電力の部分と前記低圧直流電力の部分間の通流電流を調整制御する第一のスイッチ手段と、前記通流電流を検出する手段と、前記高圧直流電力の電圧を検出する手段と、前記高圧直流電力を放電する抵抗手段と、前記抵抗手段の通流電流を調整制御する第二のスイッチ手段と、これらの各手段を制御する制御手段を備え、
    前記抵抗手段の前記通流電流を調整制御する前記第二のスイッチ手段を、前記直流電力の電圧検出値の変化量に基づいて制御し、前記高圧直流電力の部分と前記低圧直流電力の部分間の前記通流電流を調整制御する前記第一のスイッチ手段を、前記通流電流の検出値に基づいて制御することを特徴とする鉄道車両の駆動システム。
  3. 電力線から電力を得る集電手段と、前記電力線電力に基づく高圧直流電力を交流電力に変換する第一のインバータ手段と、前記第一のインバータ手段により駆動される電動機と、低圧直流電力を供給する電力蓄積手段と、前記電力蓄積手段の蓄電量を検出する手段と前記高圧直流電力部分と低圧直流電力部分間の通流電流を調整制御するスイッチ手段と、前記通流電流を検出する手段と、前記高圧直流電力の電圧を検出する手段と、これらの各手段を制御する制御手段を備え、前記電力蓄積手段の供給する低圧直流電力を交流電力に変換する第二のインバータ手段を備え、
    前記高圧直流電力部分と低圧直流電力部分間の通流電流を調整制御するスイッチ手段を、前記高圧直流電力の電圧検出値の変化量と、前記通流電流の検出値と、前記蓄電量の検出値に基づいて制御することを特徴とする鉄道車両の駆動システム。
  4. 電力線から電力を得る集電手段と、前記電力線電力に基づく高圧直流電力を交流電力に変換する第一のインバータ手段と、前記第一のインバータ手段により駆動される電動機と、低圧置流電力を供給する電力蓄積手段と、前記電力蓄積手段の蓄電量を検出する手段と、前記高圧直流電力部分と低圧直流電力部分間の通流電流を調整制御するスイッチ手段と、前記通流電流を検出する手段と、前記高圧直流電力の電圧を検出する手段と、前記高圧直流電力を放電する抵抗手段と、前記抵抗手段の通流電流を調整制御するスイッチ手段と、これらの各手段を制御する制御手段を備え、
    前記電力蓄積手段の供給する低圧直流電力を交流電力に変換する第二のインバータ手段を備え、前記放電手段の通流電流を調整制御するスイッチ手段を、前記高圧直流電力の電圧検出値の変化量に基づいて制御し、前記高圧直流電力部分と低圧直流電力部分間の通流電流を調整制御するスイッチ手段を、前記通流電流の検出値と、前記蓄電量の検出値に基づいて制御することを特徴とする鉄道車両の駆動システム。
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