JP2000050410A - 永久磁石形同期電動機電車の駆動回路 - Google Patents

永久磁石形同期電動機電車の駆動回路

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JP2000050410A
JP2000050410A JP21601098A JP21601098A JP2000050410A JP 2000050410 A JP2000050410 A JP 2000050410A JP 21601098 A JP21601098 A JP 21601098A JP 21601098 A JP21601098 A JP 21601098A JP 2000050410 A JP2000050410 A JP 2000050410A
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voltage
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inverter
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Wataru Takanami
渉 高波
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 負荷接触器の開閉動作回数を低減し、その寿
命を延ばす。 【解決手段】 永久磁石形同期電動機13が回生運転中
に架線に停電が発生すると、架線停電検知手段14が架
線の停電を検知し、回生検知手段15が永久磁石形同期
電動機の回生運転を検知し、かつ第2の過電圧検知手段
8bが過電圧検知信号を出力すると、制御手段16が自
己消弧形素子10を投入して永久磁石形同期電動機の回
生エネルギを直列回路の抵抗9に導いて消費させ、フィ
ルタコンデンサ7の電圧上昇を抑制する。したがって、
回生エネルギによってフィルタコンデンサ7の電圧が第
1の過電圧検知手段8aが検知する第1の過電圧レベル
にまで到達する機会が少なくなって、第1の過電圧検知
手段による負荷接触器12の開放動作回数が低減する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、永久磁石形同期電
動機電車の駆動回路に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、永久磁石形同期電動機電車の駆動
回路は、図7に示す構成であった。架線から交流電力を
集電するパンタグラフ1に架線電源を遮断するための遮
断器2、変圧器3、接地ブラシ4が接続されている。ま
た変圧器3の二次コイル側に接触器5、交流電力と直流
電力との変換を行うコンバータ6が接続されている。こ
のコンバータ6の直流側に、フィルタコンデンサ7、そ
してフィルタコンデンサ7の電圧を検出する電圧検出器
(VD)8が接続され、さらに回生エネルギ消費用の抵
抗9と自己消弧形素子10とで成る直列回路が接続され
ている。そしてコンバータ6の直流側に、フィルタコン
デンサ7を介してインバータ11の直流側が接続されて
おり、このインバータ11の交流側に負荷接触器12を
介して永久磁石形同期電動機(PMSM)13が接続さ
れている。
【0003】電圧検出器8に対して、その検出電圧が第
1の過電圧レベルV1を超えるときにインバータ11を
ゲートオフし、また負荷接触器12を開放動作させる第
1の過電圧検出部(OVD−1)8aが接続されてい
る。電圧検出器8に対しては、また、その検出電圧が第
1の過電圧レベルV1よりも大きい第2の過電圧レベル
V2(V2>V1)を超えるとき自己消弧形素子10を
ターンオンさせて抵抗9に直流電力を通流させる第2の
過電圧検出部(OVD−2)8bが接続されている。
【0004】この従来の永久磁石形同期電動機電車の駆
動回路において、電車が回生運転しているときのエネル
ギの流れを説明する。永久磁石形同期電動機13の回生
エネルギはインバータ11で直流電力に変換され、その
直流電力はフィルタコンデンサ7に充電された後、コン
バータ6で交流電力に変換される。この交流電力は変圧
器3で架線電圧に昇圧されて、パンタグラフ1を経て架
線に返還される。
【0005】ところが、回生運転中に架線が停電して回
生エネルギを架線に返還できなくなることがあるが、そ
の場合には、回生エネルギは次のように流れる。架線が
停電すると、コンバータ6は直流電力を交流電力に変換
できない。このため、インバータ11で直流電力に変換
された回生エネルギは、フィルタコンデンサ7に充電さ
れ続け、フィルタコンデンサ7の電圧が上昇する。フィ
ルタコンデンサ7の電圧が上昇して第1の過電圧レベル
V1に達すると、第1の過電圧検知部(OVD−1)8
aが過電圧を検知してインバータ11をゲートオフ開放
する。
【0006】ここで問題となるのは、永久磁石形同期電
動機電車では、インバータ11がゲートオフしても電車
が惰性で動いている限り、永久磁石形同期電動機13が
発電機として作用してしまうことである。このときの誘
起電圧最大値がフィルタコンデンサ7の電圧よりも大き
い場合、インバータ11がゲートオフしていても、回生
エネルギはインバータ11で整流されてフィルタコンデ
ンサ7に流れ込み、フィルタコンデンサ7の電圧がさら
に上昇することになる。
【0007】そのため、フィルタコンデンサの電圧が第
2の過電圧レベルV2に達したときには、第2の過電圧
検知部(OVD−2)8bが過電圧を検知して自己消弧
形素子10をターンオンさせて直流回路に回生電流が流
れるようにし、抵抗9で回生エネルギを消費し、フィル
タコンデンサ7の電圧上昇を抑制する。なお、この抵抗
9は第2の過電圧レベルV2に達するまでにフィルタコ
ンデンサ7が蓄えたエネルギを消費するだけの容量を持
つ必要があり、また第2の過電圧レベルV2に対する耐
電圧特性を有している必要もあるので、抵抗9には比較
的大きな抵抗器が必要となるが、車両機器としての大形
化を避ける設計上の要求から無制限に大きな抵抗器を採
用することはできない。
【0008】また、誘起電圧最大値がフィルタコンデン
サ7の電圧よりも大きい場合、永久磁石形同期電動機1
3とフィルタコンデンサ7との間にインピーダンスがな
いために、インバータ11には大電流が流れ、インバー
タ11内の半導体素子が破損する可能性がある。
【0009】このため、従来では、上述したように第1
の過電圧レベルV1に達すると、インバータ11をゲー
トオフすると共に、負荷接触器12を開放することによ
り、誘起電圧最大値がフィルタコンデンサ7の電圧より
も大きくても回生エネルギがフィルタコンデンサ7に流
れ込まないようにしているのである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
従来の永久磁石形同期電動機電車の駆動回路では、次の
ような問題点があった。例えば、新幹線では、切替セク
ションによる架線停電が約20kmに1回あるので、電車
の1回の走行で回生運転中の架線停電による負荷接触器
12の開閉操作が多数回に上る。この負荷接触器の寿命
はその開閉回数に大きく依存するので、回生運転中の架
線停電によって負荷接触器を頻繁に開放動作させること
は、負荷接触器の寿命を縮めることになる問題点があっ
た。
【0011】本発明はこのような従来の問題点に鑑みて
なされたもので、回生運転中に架線が停電した場合で
も、負荷接触器を開く必要がある条件が成立する機会を
可能な限り低減することによって、負荷接触器の開閉回
数を低減し、その寿命を長くすることができる永久磁石
形同期電動機電車の駆動回路を提供することを目的とす
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明の永久磁
石形同期電動機電車の駆動回路は、車両駆動用の永久磁
石形同期電動機と、前記永久磁石形同期電動機を駆動す
るインバータと、前記永久磁石形同期電動機と前記イン
バータとの間に接続された負荷接触器と、前記インバー
タの直流側に挿入されたフィルタコンデンサと、架線か
らの交流電力を直流電力に変換するため、前記インバー
タの直流側に自身の直流側が接続されたコンバータと、
前記インバータの直流側に設置された回生エネルギ消費
用の抵抗と自己消弧形素子で成る直列回路と、前記フィ
ルタコンデンサの電圧を検出する電圧検出手段と、前記
電圧検出手段の検出する電圧が第1の過電圧レベルを超
えるときに、前記インバータをゲートオフし、かつ前記
負荷接触器を開放する第1の過電圧検知手段と、架線の
停電を検知する架線停電検知手段と、前記永久磁石形同
期電動機が回生運転中であることを検知する回生検知手
段と、前記電圧検出手段の検出する電圧が前記第1の過
電圧レベルよりも低い第2の過電圧レベルを超えるとき
に過電圧検知信号を出力する第2の過電圧検知手段と、
前記架線停電検知手段が架線の停電を検知し、前記回生
検知手段が前記永久磁石形同期電動機の回生運転を検知
し、かつ前記第2の過電圧検知手段が過電圧検知信号を
出力するときに、前記自己消弧形素子を投入する制御手
段とを備えたものである。
【0013】請求項1の発明の永久磁石形同期電動機電
車の駆動回路では、永久磁石形同期電動機が回生運転中
に架線に停電が発生すると、架線停電検知手段が架線の
停電を検知し、回生検知手段が永久磁石形同期電動機の
回生運転を検知し、かつ第2の過電圧検知手段が過電圧
検知信号を出力すると、制御手段が自己消弧形素子を投
入して永久磁石形同期電動機の回生エネルギを直列回路
の抵抗に導いて消費させ、フィルタコンデンサの電圧上
昇を抑制する。したがって、回生エネルギによってフィ
ルタコンデンサの電圧が第1の過電圧レベルに達するま
で到達する機会が少なくなって、第1の過電圧検知手段
による負荷接触器の開放動作回数が低減する。
【0014】請求項2の発明は、請求項1の発明の永久
磁石形同期電動機電車の駆動回路において、前記第2の
過電圧検知手段が前記第2の過電圧レベルに対してデッ
ドバンドを有し、前記自己消弧形素子をオフする電圧レ
ベルを前記第2の過電圧レベルよりも小さい値に設定し
たものであり、これによって、自己消弧形素子がオンし
て抵抗によって回生エネルギを有効に消費し、フィルタ
コンデンサの電圧が低下してくれば当該自己消弧形素子
をオフするようになるので、自己消弧形素子が頻繁にオ
ン/オフを繰返すことがなくて動作が安定する。
【0015】請求項3の発明は、請求項1又は2の発明
の永久磁石形同期電動機電車の駆動回路において、さら
に、前記架線停電検知手段が架線の停電を検知し、かつ
前記回生検知手段が前記永久磁石形同期電動機の回生運
転を検知しているときに、前記永久磁石形動機電動機の
回生トルクが零になるように前記インバータをゲート制
御するトルク零制御手段を備えたものであり、これによ
って、回生運転中に架線停電が発生すれば、永久磁石形
動機電動機のトルク零制御を開始して回生エネルギを零
にし、フィルタコンデンサに流れ込む回生エネルギも零
とする。したがって、回生運転中に架線停電が発生して
もフィルタコンデンサ電圧が第1の過電圧レベルに達す
ることがなく、インバータをゲートオフし、負荷接触器
を開放動作させる機会がいっそう少なくなり、第1の過
電圧検知手段による負荷接触器の開放動作回数がより低
減する。
【0016】請求項4の発明は、請求項1又は2の発明
の永久磁石形同期電動機電車の駆動回路において、さら
に、前記架線停電検知手段が架線の停電を検知し、かつ
前記回生検知手段が前記永久磁石形同期電動機の回生運
転を検知しているときに、当該同期電動機の磁束を小さ
くするように前記インバータをゲート制御する弱め磁束
制御手段を備えたものであり、これによって、回生運転
中に架線停電が発生すれば、同期電動機の磁束を小さく
するようにインバータをゲート制御することによって回
生エネルギを減少させ、フィルタコンデンサに流れ込む
回生エネルギを減少させる。したがって、回生運転中に
架線停電が発生してフィルタコンデンサ電圧が第2の過
電圧レベルに達しても、自己消弧形素子をオンして抵抗
で回生エネルギを消費させなければならないエネルギが
小さく、回生エネルギを消費させるための抵抗に容量の
小さい小形のものを採用できる。
【0017】請求項5の発明の永久磁石形同期電動機電
車の駆動回路は、車両駆動用の永久磁石形同期電動機
と、前記永久磁石形同期電動機を駆動するインバータ
と、前記永久磁石形同期電動機と前記インバータとの間
に接続された負荷接触器と、前記インバータの直流側に
挿入されたフィルタコンデンサと、架線からの交流電力
を直流電力に変換するため、前記インバータの直流側に
自身の直流側が接続されたコンバータと、前記インバー
タの直流側に設置された回生エネルギ消費用の抵抗と自
己消弧形素子で成る直列回路と、前記フィルタコンデン
サの電圧を検出する電圧検出手段と、前記電圧検出手段
の検出する電圧が第1の過電圧レベルを超えるときに、
前記インバータをゲートオフし、かつ前記負荷接触器に
対する開放判定信号を出力する第1の過電圧検知手段
と、前記永久磁石形同期電動機の誘起電圧最大値を算出
する誘起電圧最大値演算手段と、前記電圧検出手段の検
出する前記フィルタコンデンサの電圧と前記誘起電圧最
大値演算手段の算出する前記誘起電圧最大値とを比較す
る比較手段と、前記第1の過電圧検知手段が前記接触器
に対する開放判定信号を出力し、かつ前記比較手段が前
記誘起電圧最大値の方が前記フィルタコンデンサの電圧
よりも大きいとする判断信号を出力するときに前記接触
器を開放する第1の制御手段と、架線の停電を検知する
架線停電検知手段と、前記永久磁石形同期電動機が回生
運転中であることを検知する回生検知手段と、前記電圧
検出手段の検出する電圧が前記第1の過電圧レベルより
も低い第2の過電圧レベルを超えるときに過電圧検知信
号を出力する第2の過電圧検知手段と、前記架線停電検
知手段が架線の停電を検知し、前記回生検知手段が前記
永久磁石形同期電動機の回生運転を検知し、かつ前記第
2の過電圧検知手段が過電圧検知信号を出力するとき
に、前記自己消弧形素子を投入する第2の制御手段とを
備えたものである。
【0018】請求項5の発明の永久磁石形同期電動機電
車の駆動回路では、永久磁石形同期電動機が回生運転中
に架線に停電が発生し、架線停電検知手段が架線の停電
を検知し、回生検知手段が永久磁石形同期電動機の回生
運転を検知し、かつ第2の過電圧検知手段が過電圧検知
信号を出力すると、第2の制御手段が自己消弧形素子を
投入して直列回路に回生電流を導き、抵抗によって回生
エネルギを消費させる。そしてフィルタコンデンサの電
圧がさらに上昇して第1の過電圧レベルに達したときに
は、第1の過電圧検知手段がインバータをゲートオフ
し、かつ負荷接触器に対する開放判定信号を出力する
が、これと並行して比較手段が同期電動機の誘起電圧最
大値をフィルタコンデンサの電圧と比較し、同期電動機
の誘起電圧最大値の方がフィルタコンデンサの電圧より
も大きいとする判断信号を出力するときに初めて第1の
制御手段が負荷接触器を開放する。
【0019】こうして、永久磁石形同期電動機が回生運
転中に架線に停電が発生し、回生エネルギによってフィ
ルタコンデンサの電圧が一時的に第1の過電圧レベルに
達するまでに上昇しても、同期電動機の誘起電圧最大値
がフィルタコンデンサ電圧よりも小さい間はフィルタコ
ンデンサの電圧が回生エネルギによってそれ以上に上昇
する恐れがなく、やがては抵抗で消費されることになる
ので、負荷接触器を開放させないようにすることによっ
てその開閉動作回数を低減する。
【0020】請求項6の発明は、請求項5の発明の永久
磁石形同期電動機電車の駆動回路において、前記第2の
過電圧検知手段が前記第2の過電圧レベルに対してデッ
ドバンドを有し、前記自己消弧形素子をオフする電圧レ
ベルを前記第2の過電圧レベルよりも小さい値に設定し
たものであり、これによって、自己消弧形素子がオンし
て抵抗によって回生エネルギを有効に消費し、フィルタ
コンデンサの電圧が低下してくれば当該自己消弧形素子
をオフするようになるので、自己消弧形素子が頻繁にオ
ン/オフを繰返すことがなく、回生エネルギの消費動作
が安定する。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図に
基づいて詳説する。図1は本発明の第1の実施の形態の
永久磁石形同期電動機電車の駆動回路の構成を示してい
る。架線から交流電力を集電するパンタグラフ1に架線
電源を遮断するための遮断器2、変圧器3、接地ブラシ
4が接続されている。また変圧器3の二次コイル側に接
触器5、交流電力と直流電力との変換を行うコンバータ
6が接続されている。このコンバータ6の直流側に、フ
ィルタコンデンサ7、そしてフィルタコンデンサ7の電
圧を検出する電圧検出器(VD)8が接続され、さらに
回生エネルギ消費用の抵抗9と自己消弧形素子10とで
成る直列回路が接続されている。そしてコンバータ6の
直流側に、フィルタコンデンサ7を介してインバータ1
1の直流側が接続されており、このインバータ11の交
流側に負荷接触器12を介して永久磁石形同期電動機
(PMSM)13が接続されている。
【0022】電圧検出器8に対して、その検出電圧が第
1の過電圧レベルV1を超えるときにインバータ11を
ゲートオフし、また負荷接触器12を開放動作させる第
1の過電圧検出部(OVD−1)8aが接続されてい
る。
【0023】電圧検出器8に対してはまた、その検出電
圧が第1の過電圧レベルV1よりも低い第2の過電圧レ
ベルV2(V2<V1とする)を超えるときに第2の過
電圧レベル到達信号s1を出力する第2の過電圧検出部
(OVD−2)8bが接続されている。
【0024】加えて、架線停電を検知して架線停電検知
信号s2を出力する架線停電検知部14と、電車の回生
運転中であることを検知して回生検知信号s3を出力す
る回生検知部15と、第2の過電圧検出部8bからの第
2の過電圧レベル到達信号s1、架線停電検知部14か
らの架線停電検知信号s2、回生検知部15からの回生
検知信号s3が共に入力されるときに自己消弧形素子1
0をターンオンさせ、それ以外の時には自己消弧形素子
10をターンオフさせる制御手段としての論理積回路1
6とが設けられている。
【0025】次に、上記の構成の永久磁石形同期電動機
電気車の駆動回路の動作を説明する。電車が回生運転し
ているときのエネルギの流れを説明する。永久磁石形同
期電動機13の回生エネルギはインバータ11で直流電
力に変換され、その直流電力はフィルタコンデンサ7に
充電された後、コンバータ6で交流電力に変換される。
この交流電力は変圧器3で架線電圧に昇圧されて、パン
タグラフ1を経て架線に返還される。
【0026】ところが、回生運転中に架線が停電して回
生エネルギを架線に返還できなくなると、インバータ1
1で直流電力に変換された回生エネルギは、フィルタコ
ンデンサ7に充電され続け、フィルタコンデンサ7の電
圧が上昇する。フィルタコンデンサ7の電圧が上昇して
第2の過電圧レベルV2に達すると、第2の過電圧検知
部(OVD−2)8bが第2の過電圧レベル到達信号s
1を論理積回路16に出力し始める。
【0027】いま、架線は停電しているので架線停電検
知部14は架線停電検知信号s2を論理積回路16に出
力し、また回生検知部15は電車の回生運転中であるこ
とを検知して回生検知信号s3を論理積回路16に出力
している。
【0028】したがって、論理積回路16は第2の過電
圧検知部8bから第2の過電圧レベル到達信号s1が入
力されると、信号s1〜s3の論理積により自己消弧形
素子10をターンオンさせて直流回路に回生電流が流れ
るようにし、抵抗9で回生エネルギを消費し、フィルタ
コンデンサ7の電圧上昇を抑制する。
【0029】ここで、抵抗9で消費されるエネルギが回
生エネルギよりも小さい場合、フィルタコンデンサ7の
電圧は回生エネルギの流入によってさらに上昇する。そ
こでフィルタコンデンサ7の電圧が第1の過電圧レベル
V1に達すると、第1の過電圧検知部8aは過電圧検知
信号s4を出力し、これによってインバータ11をゲー
トオフし、同時に負荷接触器12を開放させる。
【0030】一方、抵抗9で消費されるエネルギが回生
エネルギよりも大きい場合、フィルタコンデンサ7の電
圧は低下する。そこでこのフィルタコンデンサ7の電圧
が第2の過電圧レベルV2よりも下がると、第2の過電
圧検知部8bからの第2の過電圧レベル到達信号s1の
出力が停止し、論理積回路16は自己消弧形素子10を
ターンオフさせる。したがって、設計段階において抵抗
9として予想される回生エネルギよりも大きなエネルギ
を消費することができる容量の抵抗器を用意し、あるい
は負荷接触器12の開閉動作を十分低減できる程度まで
回生エネルギを消費できる容量の抵抗器を採用すること
により、フィルタコンデンサ7の電圧はインバータ11
をゲートオフする第1の過電圧レベルV1まで達しない
ので、回生運転中にインバータ11をゲートオフし、負
荷接触器12を開放動作させる必要がなくなり、あるい
はインバータ11をゲートオフし、負荷接触器12を開
放動作させる回数を低減することができるようになる。
【0031】このようにして、第1の実施の形態によれ
ば、回生運転中に架線停電が発生すれば、フィルタコン
デンサ7の電圧がまず第2の過電圧レベルV2に達した
ときに自己消弧形素子10をオンして抵抗9によって回
生エネルギを消費させることによってフィルタコンデン
サ7の電圧上昇を抑制し、あるいは低下させるようにし
たので、フィルタコンデンサ7が第1の過電圧レベルV
1(V1>V2)に達してインバータ11をゲートオフ
し、負荷接触器12を開放動作させる機会を少なくし、
その開閉動作回数を低減して寿命を延ばすことができ
る。
【0032】次に、本発明の第2の実施の形態を、図2
及び図3に基づいて説明する。第2の実施の形態の特徴
は、図1に示した第1の実施の形態における第2の過電
圧検知部(OVD−2)8bに代えて、図3に示すよう
なヒシテリシス特性を備えた第3の過電圧検知部(OV
D−3)8cを備えた点にあり、その他の部分はすべて
図1に示した第1の実施の形態と共通である。
【0033】すなわち、第3の過電圧検知部(OVD−
3)8cは、電圧検出器(VD)8が検出するフィルタ
コンデンサ7の電圧が、第1の過電圧検知部(OVD−
1)8aの動作レベルである第1の過電圧レベルV1よ
りも低い第2の過電圧レベルV2を超えたときに第2の
過電圧レベル到達信号s1を出力するが、逆に第2の過
電圧レベル到達信号s1を出力している間は、フィルタ
コンデンサ7の電圧が復帰レベルV3(V3<V2)を
切らなければその第2の過電圧レベル到達信号s1の出
力を停止しない特性を持っている。
【0034】この第2の実施の形態の場合、回生運転中
に架線停電が発生すると、次のように動作する。架線が
停電すると回生エネルギを架線に返還することができな
いので、回生エネルギはフィルタコンデンサ7に充電さ
れていく。これによってフィルタコンデンサ7の電圧V
Dは上昇し、第2の過電圧レベルV2を超える(VD>
V2)と、第3の過電圧検知部8cが第2の過電圧レベ
ル到達信号s1を出力するようになる。これにより、論
理積回路16は自己消弧形素子10をターンオンさせて
抵抗9に回生電力を導いて消費させ、フィルタコンデン
サ7の電圧上昇を抑制する。
【0035】ここで、抵抗9による電力消費が回生エネ
ルギよりも大きければフィルタコンデンサ7の電圧VD
は低下する。その場合、第3の過電圧検知部8cのヒシ
テリシス特性により、フィルタコンデンサ電圧VDが第
2の過電圧レベルV2を下回る復帰レベルV3まで低下
すれば第2の過電圧レベル到達信号s1の出力を停止す
る。この結果、論理積回路16は自己消弧形素子10を
オフさせ、抵抗9に回生エネルギが流れるのを停止させ
る。この後も回生運転が継続され、回生エネルギが再び
フィルタコンデンサ7に充電されるようになれば、フィ
ルタコンデンサ電圧VDが再び第2の過電圧レベルV2
を超えるようになれば自己消弧形素子10を再びオンさ
せて抵抗9によって回生エネルギを消費させる。
【0036】このようにして第2の実施の形態では、第
1の実施の形態と同様に負荷接触器12の開閉動作回数
を低減することができる上に、第2の過電圧レベルV2
に対してデッドバンドV3〜V2を設定し、フィルタコ
ンデンサ電圧VDが第2の過電圧レベルV2を超えなけ
れば自己消弧形素子10をオンさせず、逆に復帰レベル
V3を切らなければ自己消弧形素子10をオフさせない
ようにすることにより、回生エネルギが抵抗9の消費エ
ネルギと拮抗するような場合に自己消弧形素子10が頻
繁にオン/オフ動作を繰返す事態が発生するのを避け、
動作の安定性を高めることができる。
【0037】次に、本発明の第3の実施の形態を図4に
基づいて説明する。第3の実施の形態の永久磁石形同期
電動機電車の駆動回路は、図1に示した第1の実施の形
態において、さらに、架線停電検知部14が架線の停電
を検知し、かつ回生検知部15が永久磁石形同期電動機
13の回生運転を検知しているときに、永久磁石形動機
電動機13の回生トルクが零となるようにインバータ1
1をゲート制御するトルク零制御部17を追加的に備え
たことを特徴とする。その他の構成については、図1に
示した第1の実施の形態と共通であり、同一の符号を用
いて示してある。
【0038】この第3の実施の形態の永久磁石形同期電
動機電車の駆動回路では、電車が回生運転中に架線が停
電すると、架線停電検知部14が架線停電信号s2を出
力し、また回生検知部15は回生検知信号s3を出力す
る。トルク零制御部17は、これらの信号s2,s3を
同時に受けるとトルク零制御を開始し、永久磁石形同期
電動機13の回生トルクが零になるようにインバータ1
1にゲート信号を与える。
【0039】ここで、回生トルクTmと回生エネルギP
mとの関係は、次の式(1)で表わされる。
【0040】Pm=k1・Nr・Tm …(1) ただし、Pm:回生エネルギ(W)、k1:第1の定数、
Nr:電動機回転速度(rpm)、Tm:回生トルク
(W)である。
【0041】いま、回生トルクTm=0となるように制
御しているので、回生エネルギPm=0となり、フィル
タコンデンサ7に流れ込む回生エネルギは零となり、フ
ィルタコンデンサ7の電圧は上昇しない。したがって各
部が正常に動作する時には、過電圧検知によってインバ
ータ11をゲートオフする必要はなく、また、負荷接触
器12を開く必要がなくなる。
【0042】このようにして第3の実施の形態によれ
ば、架線停電検知時、かつ回生運転検知時にトルク零制
御を行うことにより、フィルタコンデンサ7の電圧上昇
を抑制することができ、負荷接触器12の開閉動作回数
を低減することができ、その寿命を延ばすことができ
る。
【0043】なお、この第3の実施の形態では、第2の
過電圧検知部8bに代えて、図2に示した第2の実施の
形態と同様のヒシテリシス特性を備えた第3の過電圧検
知部8cを使用することもできる。
【0044】次に、本発明の第4の実施の形態を図5に
基づいて説明する。第4の実施の形態の永久磁石形同期
電動機電車の駆動回路は、図1に示した第1の実施の形
態において、さらに、架線停電検知部14が架線の停電
を検知し、かつ回生検知部15が永久磁石形同期電動機
13の回生運転を検知しているときに、永久磁石形同期
電動機13の磁束が小さくなるようにインバータ11を
ゲート信号を与える弱め磁束制御部18を備えたことを
特徴とする。その他の構成は、図1に示した第1の実施
の形態と共通であり、同一の部分には同一の符号を付し
て示してある。
【0045】この第4の実施の形態の永久磁石形同期電
動機電車の駆動回路では、電車が回生運転中に架線が停
電すると、架線停電検知部14が架線停電信号s2を出
力し、また回生検知部15は回生検知信号s3を出力す
る。弱め磁束制御部18は、これらの信号s2,s3を
同時に受けると弱め磁束制御を開始し、永久磁石形同期
電動機13の磁束が小さくなるようにインバータ11に
ゲート信号を与える。
【0046】ここで、永久磁石形同期電動機13の磁束
Φと回生エネルギPmとの関係は、次の(2)式によっ
て表わされる。
【0047】Pm=k2・Φ・Nr・Iq …(2) ただし、Pm:回生エネルギ(W)、k2:第2の定数、
Φ:永久磁石形同期電動機の磁束(Wb)、Nr:電動
機回転速度(rpm)、Iq:トルク電流(A)であ
る。
【0048】いま、磁束Φが小さくなるように制御して
いるので、回生エネルギPmが小さくなる。したがっ
て、フィルタコンデンサ7に流れ込む回生エネルギは弱
め磁束制御を行わないときよりも小さくなる。この結
果、フィルタコンデンサ7の電圧が第2の過電圧レベル
V2に達して自己消弧形素子10がオンしても、抵抗9
で消費しなければならないエネルギは小さいので、抵抗
9に消費エネルギ容量が小さいものを採用することがで
きる。また、抵抗9でエネルギを消費することによって
フィルタコンデンサ7の電圧が第1の過電圧レベルV1
に達することを抑制することができるので、各部が正常
に動作する時には、インバータ11をゲートオフし、ま
た負荷接触器12を開放動作させる機会が少なくなる。
【0049】このようにして第4の実施の形態では、永
久磁石形同期電動機13の回生運転中で架線停電が発生
しても、同期電動機13を弱め磁束制御することによっ
てその回生エネルギを減少させ、フィルタコンデンサ7
の電圧上昇を抑制することができ、負荷接触器12の開
閉回数を低減してその寿命を延ばすことができる。
【0050】なお、この第3の実施の形態でも、第2の
過電圧検知部8bに代えて、図2に示した第2の実施の
形態と同様のヒシテリシス特性を備えた第3の過電圧検
知部8cを使用することができる。
【0051】次に、本発明の第5の実施の形態を、図6
に基づいて説明する。第5の実施の形態の永久磁石形同
期電動機電車の駆動回路は、図1に示した第1の実施の
形態に対して、さらに、同期電動機13の速度を検出す
る速度検出器(TG)19と、この速度検出器19の検
出速度に基づいて同期電動機13の誘起電圧最大値Vmp
を算出する誘起電圧最大値演算部20と、電圧検出器8
の検出するフィルタコンデンサ7の電圧VDと誘起電圧
最大値演算部20の算出する誘起電圧最大値Vmpとを比
較して、誘起電圧最大値Vmpの方が大きいときに信号s
5を出力する比較部21と、第1の過電圧検知部8aが
出力する第1の過電圧レベル到達信号s4と比較部21
が出力する信号s5とが共に入力されるときに負荷接触
器12に開放信号を出力する第1の制御手段としての論
理積回路22とを追加的に備えたことを特徴とする。
【0052】次に、この第5の実施の形態の永久磁石形
同期電動機電車の駆動回路の動作を説明する。永久磁石
形同期電動機13が回生運転中に架線に停電が発生し、
架線停電検知部14が架線の停電を検知して信号s2を
出力し、回生検知部15が永久磁石形同期電動機13の
回生運転を検知して信号s3を出力し、かつ第2の過電
圧検知部8bがフィルタコンデンサ電圧VDの第2の過
電圧レベルV2への到達を検知して第2の過電圧レベル
到達信号s1を出力すると、第2の制御手段としての論
理積回路16は自己消弧形素子10をオンさせて直列回
路に回生電流を導き、抵抗9によって回生エネルギを消
費させる。
【0053】そしてフィルタコンデンサ7の電圧VDが
さらに上昇して第1の過電圧レベルV1に達したときに
は、第1の過電圧検知部8aが第1の過電圧レベル到達
信号s4をインバータ11と論理積回路22に出力す
る。インバータ11はこの信号s4によってゲートオフ
する。しかしながら、負荷接触器12はこの信号s4だ
けでは開放動作しない。
【0054】これと並行して、誘起電圧最大値演算部2
0は、速度検出器19の検出する電動機13の回転速度
から、次の(3)式に基づいて誘起電圧最大値Vmpを算
出して比較部21に出力する。
【0055】Vmp=k3・Φ・Nr …(3) ただし、Vmp:誘起電圧最大値(V)、k3:第3の定
数、Φ:永久磁石形同期電動機の磁束(Wb)、Nr:
電動機回転数(rpm)である。
【0056】比較部21では、この誘起電圧最大値Vmp
をフィルタコンデンサ7の電圧VDと比較し、同期電動
機13の誘起電圧最大値Vmpの方がフィルタコンデンサ
7の電圧VDよりも大きいと判断したときに初めて信号
s5を第1の制御手段としての論理積回路22に出力す
る。
【0057】こうして、論理積回路22は、フィルタコ
ンデンサ7が第1の過電圧レベルV1に到達し、かつ回
生運転中の同期電動機13の誘起電圧最大値Vmpがフィ
ルタコンデンサ電圧VDよりも大きくなったときに初め
て、負荷接触器12を開放することになる。
【0058】すなわち、永久磁石形同期電動機13が回
生運転中に架線に停電が発生し、回生エネルギによって
フィルタコンデンサの電圧VDが一時的に第1の過電圧
レベルV1に達するまで上昇しても、同期電動機13の
誘起電圧最大値Vmpがフィルタコンデンサ電圧VDより
も低い間はフィルタコンデンサ7の電圧VDが回生エネ
ルギによってそれ以上に上昇する恐れがなく、やがては
抵抗9で消費されることになるので、負荷接触器12を
開放させないようにすることによってその開閉動作回数
を低減するのである。この結果、負荷接触器12の開閉
動作回数が低減してその寿命を延ばすことができる。
【0059】なお、この第5の実施の形態でも、第2の
過電圧検知部8bに代えて、図2に示した第2の実施の
形態と同様のヒシテリシス特性を備えた第3の過電圧検
知部8cを使用することができる。
【0060】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明によれ
ば、永久磁石形同期電動機が回生運転中に架線に停電が
発生した場合、フィルタコンデンサ電圧が第2の過電圧
レベルに到達すると第2の過電圧検知手段が自己消弧形
素子を投入して永久磁石形同期電動機の回生エネルギを
直列回路の抵抗に導いて消費させ、フィルタコンデンサ
の電圧上昇を抑制するので、回生エネルギによってフィ
ルタコンデンサの電圧が第2の過電圧レベルよりも高い
第1の過電圧レベルに到達する機会が少なくなって、第
1の過電圧検知手段による負荷接触器の開放動作回数を
低減し、その寿命の延ばすことができる。
【0061】請求項2の発明によれば、請求項1の発明
の効果に加えて、第2の過電圧検知手段が第2の過電圧
レベルに対してデッドバンドを有し、自己消弧形素子を
オフする電圧レベルを第2の過電圧レベルよりも小さい
値に設定したので、自己消弧形素子がオンして抵抗によ
って動機電動機の回生エネルギを有効に消費し、フィル
タコンデンサの電圧が低下してくれば当該自己消弧形素
子をオフするようになり、自己消弧形素子が頻繁にオン
/オフを繰返すのを防止して動作を安定させることがで
きる。
【0062】請求項3の発明によれば、請求項1又は2
の発明の効果に加えて、回生運転中に架線停電が発生す
れば、永久磁石形動機電動機のトルク零制御を開始して
回生エネルギを零にし、フィルタコンデンサに流れ込む
回生エネルギも零とすることにより、回生運転中に架線
停電が発生してもフィルタコンデンサ電圧が回生エネル
ギの充電によって第1の過電圧レベルに達するのを防止
し、インバータをゲートオフし、負荷接触器を開放動作
させる機会をいっそう少なくして、第1の過電圧検知手
段による負荷接触器の開放動作回数をより低減すること
ができる。
【0063】請求項4の発明によれば、請求項1又は2
の発明の効果に加えて、回生運転中に架線停電が発生す
れば、永久磁石形同期電動機の磁束を小さくするように
インバータをゲート制御することによって回生エネルギ
を減少させ、フィルタコンデンサに流れ込む回生エネル
ギを減少させるようにしたので、回生運転中に架線停電
が発生してフィルタコンデンサ電圧が第2の過電圧レベ
ルに達しても、自己消弧形素子をオンして抵抗で回生エ
ネルギを消費させなければならないエネルギが小さくな
り、回生エネルギを消費させるための抵抗に容量の小さ
い小形のものが採用できる。
【0064】請求項5の発明によれば、永久磁石形同期
電動機が回生運転中に架線に停電が発生し、回生エネル
ギによってフィルタコンデンサの電圧が一時的に第1の
過電圧レベルに達するまでに上昇しても、同期電動機の
誘起電圧最大値がフィルタコンデンサ電圧よりも小さい
間はフィルタコンデンサの電圧が回生エネルギによって
それ以上に上昇する恐れがなく、やがては抵抗で消費さ
れることになるので、その間は負荷接触器を開放させな
いようしたことにより、その開閉動作回数を低減するこ
とができ、寿命を延ばすことができる。
【0065】請求項6の発明によれば、請求項5の発明
の効果に加えて、第2の過電圧検知手段が第2の過電圧
レベルに対してデッドバンドを有し、自己消弧形素子を
オフする電圧レベルを第2の過電圧レベルよりも小さい
値に設定したので、自己消弧形素子がオンして抵抗によ
って永久磁石形動機電動機の回生エネルギを有効に消費
し、フィルタコンデンサの電圧が低下してくれば当該自
己消弧形素子をオフするようになり、自己消弧形素子が
頻繁にオン/オフを繰返すのを防止して動作を安定させ
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の構成を示す回路
図。
【図2】本発明の第2の実施の形態の構成を示す回路
図。
【図3】上記の実施の形態における第2の過電圧検知部
のヒシテリシス特性を示すグラフ。
【図4】本発明の第3の実施の形態の構成を示す回路
図。
【図5】本発明の第4の実施の形態の構成を示す回路
図。
【図6】本発明の第5の実施の形態の構成を示す回路
図。
【図7】従来例の回路図。
【符号の説明】
1 パンタグラフ 3 変圧器 6 コンバータ 7 フィルタコンデンサ 8 電圧検出器 8a 第1の過電圧検知部 8b 第2の過電圧検知部 8c 第3の過電圧検知部 9 抵抗 10 自己消弧形素子 11 インバータ 12 負荷接触器 13 永久磁石形同期電動機 14 架線停電検知部 15 回生検知部 16 論理積回路 17 トルク零制御部 18 弱め磁束制御部 19 速度検出器 20 誘起電圧最大値演算部 21 比較部 22 論理積回路

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両駆動用の永久磁石形同期電動機と、 前記永久磁石形同期電動機を駆動するインバータと、 前記永久磁石形同期電動機と前記インバータとの間に接
    続された負荷接触器と、 前記インバータの直流側に挿入されたフィルタコンデン
    サと、 架線からの交流電力を直流電力に変換するため、前記イ
    ンバータの直流側に自身の直流側が接続されたコンバー
    タと、 前記インバータの直流側に設置された回生エネルギ消費
    用の抵抗と自己消弧形素子で成る直列回路と、 前記フィルタコンデンサの電圧を検出する電圧検出手段
    と、 前記電圧検出手段の検出する電圧が第1の過電圧レベル
    を超えるときに、前記インバータをゲートオフし、かつ
    前記負荷接触器を開放する第1の過電圧検知手段と、 架線の停電を検知する架線停電検知手段と、 前記永久磁石形同期電動機が回生運転中であることを検
    知する回生検知手段と、 前記電圧検出手段の検出する電圧が前記第1の過電圧レ
    ベルよりも低い第2の過電圧レベルを超えるときに過電
    圧検知信号を出力する第2の過電圧検知手段と、 前記架線停電検知手段が架線の停電を検知し、前記回生
    検知手段が前記永久磁石形同期電動機の回生運転を検知
    し、かつ前記第2の過電圧検知手段が過電圧検知信号を
    出力するときに、前記自己消弧形素子を投入する制御手
    段とを備えて成る永久磁石形同期電動機電車の駆動回
    路。
  2. 【請求項2】 前記第2の過電圧検知手段は、前記第2
    の過電圧レベルに対してデッドバンドを有し、前記自己
    消弧形素子をオフする電圧レベルを前記第2の過電圧レ
    ベルよりも小さい値に設定したことを特徴とする請求項
    1に記載の永久磁石形同期電動機電車の駆動回路。
  3. 【請求項3】 前記架線停電検知手段が架線の停電を検
    知し、かつ前記回生検知手段が前記永久磁石形同期電動
    機の回生運転を検知しているときに、前記永久磁石形動
    機電動機の回生トルクが零になるように前記インバータ
    をゲート制御するトルク零制御手段を備えて成る請求項
    1又は2に記載の永久磁石形同期電動機電車の駆動回
    路。
  4. 【請求項4】 前記架線停電検知手段が架線の停電を検
    知し、かつ前記回生検知手段が前記永久磁石形同期電動
    機の回生運転を検知しているときに、当該同期電動機の
    磁束を小さくするように前記インバータをゲート制御す
    る弱め磁束制御手段を備えて成る請求項1又は2に記載
    の永久磁石形同期電動機電車の駆動回路。
  5. 【請求項5】 車両駆動用の永久磁石形同期電動機と、 前記永久磁石形同期電動機を駆動するインバータと、 前記永久磁石形同期電動機と前記インバータとの間に接
    続された負荷接触器と、 前記インバータの直流側に挿入されたフィルタコンデン
    サと、 架線からの交流電力を直流電力に変換するため、前記イ
    ンバータの直流側に自身の直流側が接続されたコンバー
    タと、 前記インバータの直流側に設置された回生エネルギ消費
    用の抵抗と自己消弧形素子で成る直列回路と、 前記フィルタコンデンサの電圧を検出する電圧検出手段
    と、 前記電圧検出手段の検出する電圧が第1の過電圧レベル
    を超えるときに、前記インバータをゲートオフし、かつ
    前記負荷接触器に対する開放判定信号を出力する第1の
    過電圧検知手段と、 前記永久磁石形同期電動機の誘起電圧最大値を算出する
    誘起電圧最大値演算手段と、 前記電圧検出手段の検出する前記フィルタコンデンサの
    電圧と前記誘起電圧最大値演算手段の算出する前記誘起
    電圧最大値とを比較する比較手段と、 前記第1の過電圧検知手段が前記接触器に対する開放判
    定信号を出力し、かつ前記比較手段が前記誘起電圧最大
    値の方が前記フィルタコンデンサの電圧よりも大きいと
    する判断信号を出力するときに前記接触器を開放する第
    1の制御手段と、 架線の停電を検知する架線停電検知手段と、 前記永久磁石形同期電動機が回生運転中であることを検
    知する回生検知手段と、 前記電圧検出手段の検出する電圧が前記第1の過電圧レ
    ベルよりも低い第2の過電圧レベルを超えるときに過電
    圧検知信号を出力する第2の過電圧検知手段と、 前記架線停電検知手段が架線の停電を検知し、前記回生
    検知手段が前記永久磁石形同期電動機の回生運転を検知
    し、かつ前記第2の過電圧検知手段が過電圧検知信号を
    出力するときに、前記自己消弧形素子を投入する第2の
    制御手段とを備えて成る永久磁石形同期電動機電車の駆
    動回路。
  6. 【請求項6】 前記第2の過電圧検知手段は、前記第2
    の過電圧レベルに対してデッドバンドを有し、前記自己
    消弧形素子をオフする電圧レベルを前記第2の過電圧レ
    ベルよりも小さい値に設定したことを特徴とする請求項
    5に記載の永久磁石形同期電動機電車の駆動回路。
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