JPH08168264A - 電力変換装置の起動保護方法 - Google Patents

電力変換装置の起動保護方法

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JPH08168264A
JPH08168264A JP6310466A JP31046694A JPH08168264A JP H08168264 A JPH08168264 A JP H08168264A JP 6310466 A JP6310466 A JP 6310466A JP 31046694 A JP31046694 A JP 31046694A JP H08168264 A JPH08168264 A JP H08168264A
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Chuzo Mitomi
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 1組の主電源投入回路により複数のインバー
タに直流主電源を並列給電するよう構成した電力変換装
置において、インバータの短絡モード不良発生時の保護
を、過大な主回路電流を流すことなく行い、不良インバ
ータを切り離す。 【構成】 起動電流抑制機能を有する直流主電源投入回
路と、インバータを構成するスイッチング素子に順番に
動作試験用ゲート信号を出力するゲート回路と、インバ
ータ入力端電圧検出器と、各インバータ入力電流検出器
とを具え、起動指令により前記直流主電源投入回路にオ
ン指令を与えるとともに、ゲート回路に動作試験用ゲー
ト信号発生の指令を与えて試験的に導通させ、インバー
タ入力端電圧が低電圧の場合にはインバータ構成要素が
短絡モードで不良と判定すると同時に入力電流検出器の
出力により不良インバータを識別記憶する起動制御器を
も具える電力変換器置保護回路を構成し、前記起動制御
器が短絡モード不良と判定した時、前記直流主電源投入
回路をオフし、電力変換装置の起動を停止させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、1組の電源投入回路に
より複数のインバータに並列給電する構成のインバータ
の保護に関するものであり、特に電気車駆動用の誘導電
動機を制御するインバータや静止形補助電源装置の電力
変換装置保護方法に関するするものである。
【0002】
【従来の技術】自己消弧型電力素子の発展にともない電
気車両用電気装置は急速に電子化が進み、走行用主回
路、補助電源装置、空調装置への適用は急速である。ま
た、スイッチング素子の種類や回路構成など、多くのバ
リエーションがある。
【0003】例えば、VVVF(可変電圧可変周波数)イン
バータと誘導電動機との組み合わせによる走行装置にお
いても、1台のインバータで4台、または8台の誘導電
動機を一括駆動する方式や、台車単位(2台)、個別単
位(1台)と制御単位を細分化する方式など、車系の要
求品質により使い分けられている。
【0004】また、回路方式も2レベルインバータや、
3レベルインバータなど、スイッチング素子もGTO、
IGBT、トランジスタなど、またその素子のパッケー
ジの形態も、平形素子やモジュール形など種々のパリエ
ーションがある。
【0005】このような発展の中で、システムの冗長系
向上などを目的に、走行装置において制御単位の細分化
が脚光を浴びている。また、補助電源装置においても、
低歪率や制御応答の改善などから、高速素子化への移行
が始まっている。一方、素子の電流容量の点などによ
り、並列駆動や、また走行装置の制御単位の細分化と同
様、電源分割化等の要請がある。
【0006】しかしながら、鉄道車両は機器を艤装でき
る範囲には限界がある。また、コストアップの問題もあ
る。かかる点から機器の信頼性などを考慮し、主電源を
投入・遮断する回路は1重系とし、その後段に複数のイ
ンバータを並列接続する方法が一般的になっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】かかる構成において
は、次のような3っの問題点がある。
【0008】第1の問題点は、1つのインバータが導通
モードで壊れた場合、入力電源系統が短絡され過電流が
流れるため、主電源投入遮断回路をオフして保護する。
このため、該回路につながるすべてのインバータの主電
源がオフするため、すべてのインバータが停止する。従
って一重系の故障でシステム全体が停止となり、当初の
目的である系の冗長系が達成できない。
【0009】第2の問題点は、インバータ主回路が並列
接続であるため、1つのインバータが導通モードで壊れ
ると、前記の通り主回路投入回路をオフするためすべて
のインバータが停止する。このため、どのインバータが
壊れたかが識別できないために、何らかの手段により各
インバータを一つずつ切り離して再起動するか、1つの
インバータずつ再起動して故障インバータを識別するし
か、故障インバータを特定できない。
【0010】第3の問題点として、前記故障インバータ
特定の過程において、故障インバータが特定できるまで
主電源短絡モードが発生する。かかる状態において変電
設備が弱い場合には、架線停電に至る可能性がある。
【0011】本発明は、以上に述べた従来の欠点を除去
するために、複数の並列駆動されるインバータが安全に
起動でき、かつ一回の操作により故障インバータを特定
できる電力変換装置の起動保護方法を提供することを目
的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記の目的を
達成するために、1組の主電源投入回路により複数のイ
ンバータに直流主電源を並列給電するごとく構成した電
力変換装置において、起動電流抑制機能を有する直流主
電源投入回路と、インバータを構成するスイッチング素
子に順番に動作試験用ゲート信号を出力するゲート回路
と、インバータ入力端電圧検出器と、各インバータ入力
電流検出器とを具えるとともに、電力変換装置起動指令
により前記直流主電源投入回路にオン指令を与えると同
時に、ゲート回路に動作試験用ゲート信号発生の指令を
与えて試験的に導通させ、前記インバータ入力端電圧検
出器の出力であるインバータ入力端電圧が低電圧である
場合にはインバータ構成要素が短絡モードで不良である
と判定すると同時に、インバータ入力電流検出器の出力
信号によりどのインバータに電流が流れているかを識別
記憶する電力変換装置起動制御器をも具える電力変換装
置保護回路を構成して、前記電力変換装置起動制御器が
短絡モード不良と判定した時、前記直流主電源投入回路
をオフし、電力変換装置の起動を停止させることを特徴
とする。
【0013】前記直流主電源投入回路は、電力変換装置
の起動時に起動抵抗器を挿入することなどによる電流制
限機能がある。本発明による電力変換装置起動制御器
は、起動時にインバータゲート回路に試験用ゲート信号
を発生させる信号と、起動完了時にインバータ入力電圧
検出器及び入力電圧検出器からの出力信号を受け、それ
らの論理積によりインバータ構成要素の短絡モードの識
別と表示とを行う。
【0014】また、各インバータと直流主電源投入回路
との間にそれぞれインバータ切り離し回路を設け、その
回路の動作は前記電力変換装置起動制御器の識別信号と
切り離し信号とで制御する。
【0015】
【作用】前述の構成により、電力変換装置起動時に直流
主電源投入回路の電流制限機能を生かした状態で直流主
電源投入回路を投入し、各インバータに直流主電源から
給電する。インバータゲート回路は、電力変換装置起動
制御器から、スイッチング素子の各相アームの上下素子
群に交互にゲート信号を与える。
【0016】スイッチング素子が短絡している場合に
は、上下アームが短絡するため、インバータ入力端電圧
は素子オン電圧以下となり、短絡アームには電流が流れ
る。この短絡電流は前記直流主電源投入回路に設けた電
流制限機能により制限されただけしか流れない。これに
より全インバータの入力端電圧は直流主電源に比し非常
に低電圧になる。電力変換装置起動制御器は該低電圧検
出信号を受け、どのインバータのスイッチング素子が短
絡モードであるかを判定する。
【0017】また、短絡モードに故障しているインバー
タのみに入力電流が流れる。該電流検出信号を電力変換
装置起動制御器に与えて、どのインバータが故障してい
るかを判定する。このようにインバータ入力端電圧検出
器と、各インバータ入力電流検出器の出力信号により、
電力変換装置起動制御器がスイッチング素子に短絡モー
ドが発生しているか否か、またどのインバータが故障し
ているかを判定する。
【0018】電圧検出器が低電圧を検出した場合に、直
流主電源投入回路をオフし、電力変換装置を停止させ
る。これにより、いたずらに直流電源によりインバータ
に電流を流すことを防止する。また、低電圧を検出した
場合に、電流検出器の状態を識別することにより、短絡
モードに故障しているインバータを特定する。
【0019】この特定した信号を記憶しておき、運転士
又は他の自動装置よりの切り離し信号との論理積を取
り、成立したインバータの主回路切り離し回路を動作さ
せることにより、短絡モードのインバータを直流主電源
投入回路から切り離して、電力変換装置を運転すること
ができ系の冗長系を維持することができる。
【0020】起動完了時に電圧検出器の低電圧検知が出
力しない時は、直流主電源投入回路の電流制限機能を無
くすと同時に、インバータのゲート回路をインバータ本
来の運転モードに切り換えることにより電力変換装置と
して運転し、インバータとして機能させ起動を完了す
る。
【0021】
【実施例】以下、本発明の電力変換装置の起動保護方法
の一実施例を図1を用いて説明する。図1は直流架線電
源を直流主電源とし、2台のVVVFインバータで各々1台
の誘導電動機を駆動する個別制御用VVVF装置に、本発明
の電力変換装置の起動保護方法を適用した一実施例を示
す回路図である。1は直流主電源で、変電所電源を示し
ている。パンタグラフ2が直流主電源を架線から受電
し、直流主電源投入回路3を介して電圧形インバータ4
及び5に給電し、該電圧形インバータで変換した交流電
力を誘導電動機7及び8へそれぞれ与え、電気車を駆動
・制動する。
【0022】6は前記電力変換装置の起動制御器であ
り、運転台等からよりの起動指令6iを受け、直流主電源
投入回路3に投入指令を与えるとともに、ゲート回路47
及び57に動作試験用ゲート信号発生の指令を与える。更
に、インバータ構成要素の短絡モードを判定するタイミ
ングの決定するとともに、インバータ入力電流検出器45
及び55の検出信号と、インバータ入力端電圧検出器43及
び53の検出信号とで、インバータ構成要素の短絡モード
の有無の判定を行う。
【0023】その判定出力の結果が正常な時は、直流主
電源投入回路3へ起動電流抑制機能のオフ指令を出力
し、且つゲート回路47及び57へは動作試験用ゲート信号
の代わりにインバータとしてのゲートタイミング発生指
令を出力する。
【0024】前記の判定出力の結果が短絡モードである
時は、インバータ入力電流検出器45及び55の検出信号か
ら電流が流れているインバータを記憶するとともに、直
流主電源投入回路3にオフ指令を出して、VVVF装置を停
止する。また、起動制御回路6はリセット指令6Rを受け
ると、前記電流検出器の記憶信号と論理積をとり、その
出力で主回路切り離し回路41, 51の制御コイル41a, 51a
を励磁する。すなわち前記論理積の成立している制御コ
イルがオン励磁され、主回路切り離し回路が動作し、故
障している側の電圧形VVVFインバータが直流主電源投入
回路3から切り離される。
【0025】次いで、起動指令6iを受けると、前述の電
力変換装置の起動保護方法による起動制御を行う。故障
インバータは上記により切り離されているので、起動制
御器6は正常の判定信号を出力し、VVVF装置の動作を開
始する。
【0026】次に、本実施例の各構成要素を図1により
説明する。主電源投入回路3は高速度遮断器(HB)31と起
動抵抗器33及び断流器(LB)32で構成し、高速度遮断器3
1、断流器32はそれぞれの投入コイル31a, 32aにより動
作する。各投入コイルがオン励磁されると各機器はオン
動作し、励磁がなくなるとオフする。該投入コイル31a,
32a は起動制御器6の論理出力により制御される。
【0027】VVVF装置の起動時に起動制御器6への起動
指令6iの加圧により線62を加圧し、高速度遮断器投入コ
イル31a を励磁する。これによって高速度遮断器31がオ
ンする。断流器32は起動制御器6の起動指令加圧後の
(オンディレイ)遅延回路(タイマ1)により一定時間
後に励磁される。該高速度遮断器31がオンしてから断流
器32がオンする迄の間、起動抵抗器33が直流主電源投入
回路に挿入される。
【0028】起動制御が完了すると断流器32がオンする
ので起動抵抗器33は短絡される。電圧形VVVFインバータ
4,5は主回路切り離し回路41, 51で直流主電源投入回
路と接続している。主回路切り離し回路41, 51は該回路
用励磁コイル41a, 51aが励磁されると開放される常閉回
路で、起動制御器6の出力により制御される。
【0029】42, 52は直流フィルタリアクトル、44, 54
はフィルタコンデンサである。該L型フィルタで、イン
バータ46, 56が発生する高調波成分を直流主電源側の軌
道回路に流さないためのフィルタを構成する。
【0030】インバータ45, 46は2レベルの三相PWM
交流を出力する、GTO6個で構成する三相インバータ
であり、ゲート回路47, 57で制御される。該インバータ
のスナバ回路やゲート回路のPWM制御等については、
本発明に直接関与しないので説明を省略する。
【0031】次に、起動時に起動制御器6から動作試験
用ゲート信号発生指令を受けた場合に、ゲート回路47,
57から発生するゲート信号について説明する。動作試験
用ゲート信号は、各GTO素子1個づつ順番にオン・オ
フ動作用ゲート信号を与える方法や、ブリッジ構成の上
側3個と下側3個毎に組にしてオン・オフ動作用ゲート
信号を与える方法等により行う。
【0032】動作試験用ゲート信号は負荷に電流が流れ
ないように与えれば、どのように与えてもよい。例え
ば、ブリッジ構成の上側3個と下側3個毎に組にして各
組に、前記動作試験用ゲート信号をインバータ46, 56に
対して与えると、全GTOが健全な時にはアーム短絡が
生じない限りインバータには電流が流れないが、1個で
も短絡モードの不良が存在すると健全素子のオン時にア
ーム短絡が生じ、インバータ46, 56の直流入力端は短絡
される。
【0033】該短絡動作により、インバータ46, 56に
は、直流主電源投入回路3の高速度遮断器31、起動抵抗
器33、主回路切り離し回路41, 51、及び直流フィルタリ
アクトル42, 52、インバータ46, 56のアーム短絡回路、
電流検出器45, 55、を介して、直流主電源のアース回路
に電流が流れる。また、同時にフィルタコンデンサ44,5
4もインバータ46, 56のアーム短絡回路で短絡される。
【0034】ゲート回路47, 57は、起動制御器6から動
作試験用ゲート信号発生指令を受けている間は、前述の
ゲート信号を順番に発生し続ける。該ゲート回路47, 57
のゲート信号により、インバータ46, 56の各GTOに短
絡モードの不良がない場合はインバータには電流が流れ
ないため、フィルタコンデンサ44, 54は、高速度遮断器
31、起動抵抗器33、主回路切り離し回路41, 51、直流フ
ィルタリアクトル42,52、フィルタコンデンサ44, 54、
電流検出器45, 55を介する直流主電源アースへの回路で
充電され続け、直流主電源に比例した高電圧に充電され
る。
【0035】インバータ46, 56を構成するいずれかのG
TOに短絡モードの不良がある場合は、対になる健全側
の素子がオンするとアーム短絡が生じ、前記フィルタコ
ンデンサ充電電流と、フィルタコンデンサに充電された
電荷はアーム短絡回路に流れるため、フィルタコンデン
サ44, 54は低電圧に維持され続ける。
【0036】また、直流フィルタリアクトル42, 52の直
流抵抗値は小さいことと、フィルタ回路の遮断周波数が
ゲート回路47, 57の発生する動作試験用ゲート信号の周
波数より小さいことのため、電流検出器44, 55には略直
流主電源電圧を起動抵抗値33で除した値の平均電流の直
流電流が流れる。
【0037】以上の動作により検出した電圧検出器43,
53の検出信号43a, 53aと、電流検出器45, 55の検出信号
45a, 55aとを、起動制御器6の低電圧比較器CP1, CP2
と、電流比較器CP3, CP4とへそれぞれ出力する。
【0038】起動制御器6は起動指令6iを受けると、前
述の通り直流主電源投入回路3の高速度遮断器31と、ゲ
ート回路47, 57とを制御すると同時に、(タイマ1)>
(タイマ2)なる時素を有する二つの遅延回路(タイマ
1)と(タイマ2)とを起動させる。またゲート回路4
7, 57へ与える動作試験用ゲート信号発生指令は、(タ
イマ1)がオンする迄与え続ける。
【0039】遅延回路(タイマ1)がオンする前に遅延
回路(タイマ2)がオンする。該タイマ2がオンした時
点で、記憶装置(メモリ2)及び(メモリ3)の内容の
不在を条件として、タイマ2の出力信号と低電圧比較器
CP1, CP2を介した電圧検出器43, 53の検出信号43a, 53a
との論理積を論理積回路AND1により取って、その出力に
より記憶装置(メモリ1)をセットする。
【0040】記憶装置(メモリ1)がオンすると、それ
ぞれ電流比較器CP3, CP4を介した電流検出器45, 55の検
出信号45a, 55aと記憶装置(メモリ1)の出力とを、論
理積回路AND2, AND3でそれぞれ論理積を取り、その結果
を記憶装置(メモリ2)及び(メモリ3)にセットす
る。記憶装置(メモリ2)及び(メモリ3)が成立して
いる場合は、これにより不良インバータ表示ランプ46a,
56aが点灯される。
【0041】また、記憶装置(メモリ1)がセットされ
るとリレー6aをオンし、該リレー6aのb接点6a-bを開と
し、直流主電源投入回路3の高速度遮断器31のコイル31
a をオフし、直流主電源投入回路3をオフさせてVVVFイ
ンバータを停止させる。
【0042】遅延回路(タイマ2)がオンした時、電圧
検出器43, 53の検出信号43a, 53aが高電圧レベルである
と、論理積回路AND1は成立しないのでリレー6aはオンし
ないで起動保護動作をし続け、次いでタイマ1がオンし
直流主電源投入回路3の断流器32の励磁コイル32a をオ
ンし、直流主電源投入回路3の抵抗器33を短絡する。ま
た、同時に該断流器32の連動補助接点32a-b が開となる
ので、線61によるゲート回路47, 57への動作試験用ゲー
ト信号発生指令がオフされる。これによりゲート回路4
7, 57をPWMゲート発生モードに切り換え、VVVFイン
バータとして動作させる。本動作により正常時の本発明
の起動保護を完了する。
【0043】一方、本発明による起動保護の検出動作に
よりVVVF装置が停止した場合、運転台よりの指令や別の
仕組みによる自動再起動等による指令であるリセット指
令6Rが与えられると、該リセット指令信号と前記の記憶
装置(メモリ2,メモリ3)の出力との論理積により、
主回路切り離し回路41または51の励磁コイル41a, 51aを
励磁する。この励磁により、電流検出器に電流が流れて
いた側の主回路切り離し回路41または51が開となる。こ
の動作により短絡モードの不良であるインバータが切り
離される。
【0044】また、リセット指令6Rにより記憶装置(メ
モリ1)はリセットされ、リレー6aはオフする。この状
態で起動指令6iが起動制御器6に与えられると、再度起
動保護のモードを経て正常にVVVFインバータは立ち上が
る。起動制御器6の論理積回路AND6, AND7は、最初の起
動制御により短絡を検出し、主回路切り離し回路41又は
51を切り離して再起動した場合、切り離した側の電圧検
出器の検出信号は零となり、再度記憶装置(メモリ1)
が動作することを防止する論理ゲートである。
【0045】本実施例では、直流主電源投入回路を有接
点機構で実施しているが、電子化してもよいし、また起
動抵抗器33を断流器32で短絡する構成としているが、電
磁接触器で切り離す回路や、断流器を電子スイッチに置
き代えてもよい。
【0046】電圧検出器43, 53は各群に設けているが、
起動抵抗器33の抵抗に比し直流フィルタリアクトル42,
52の抵抗値が小さい場合は、直流主電源投入回路3の出
力端に一組だけ設けてもよい。
【0047】インバータ電流検出器45, 55はアース線側
に設けているが、インバータ各群の電流が検出できれば
どこに接続してもよい。なお、本実施例で使用している
構成要素は、起動制御器6の本発明に係る一部の回路要
素を除き、個別制御用VVVFインバータとしての必要要素
であり、本発明のために特に必要な回路要素はない。
【0048】
【発明の効果】以上説明したごとく、本発明よれば、主
回路要素に特別な機器を設けることなく、インバータ起
動制御器を変更することで、並列接続されているインバ
ータの短絡モード検出を主回路に過大な電流を流すこと
なく検出できるだけでなく、不良側のインバータを自動
的に検出でき、システムに要求される冗長系を満たすこ
とができる。
【0049】この効果は並列インバータの数が多ければ
多いほど大となるだけでなく、最低限のリセット操作に
より正常に復帰できる。また、本発明を適用しない場合
に比べ、不良インバータの発見が自動的で容易であり、
変電所のトリップ等がなくその効果は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電力変換装置の起動保護方法の一実施
例を示す構成図である。
【符号の説明】
1 直流主電源(変電所電源) 2 パンタグラフ 3 直流主電源投入回路 4,5 電圧形インバータ 6 電力変換装置の起動制御回路 6i 起動指令 6R リセット指令 7,8 誘導電動機 31 高速度遮断器(HB) 31a 高速度遮断器の投入コイル 32 断流器(LB) 32a 断流器の投入コイル 33 起動抵抗器 41, 51 主回路切り離し回路 41a, 51a 主回路切り離し回路の制御コイル 42, 52 直流フィルタリアクトル 43, 53 インバータ入力端電圧検出器 44, 54 フィルタコンデンサ 45, 55 インバータ入力電流検出器 46, 56 インバータ 46a, 56a 不良インバータ表示ランプ 47, 57 ゲート回路 62 線 CP1, CP2 低電圧比較器 CP3, CP4 電流比較器 6a リレー 6a-b リレー6aのb接点

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1組の主電源投入回路により複数のイン
    バータに直流主電源を並列給電するごとく構成した電力
    変換装置において、起動電流抑制機能を有する直流主電
    源投入回路と、インバータを構成するスイッチング素子
    に順番に動作試験用ゲート信号を出力するゲート回路
    と、インバータ入力端電圧検出器と、各インバータ入力
    電流検出器とを具えるとともに、電力変換装置起動指令
    により前記直流主電源投入回路にオン指令を与えると同
    時に、ゲート回路に動作試験用ゲート信号発生の指令を
    与えて試験的に導通させ、前記インバータ入力端電圧検
    出器の出力であるインバータ入力端電圧が低電圧である
    場合にはインバータ構成要素が短絡モードで不良である
    と判定すると同時にインバータ入力電流検出器の出力信
    号によりどのインバータに電流が流れているかを識別記
    憶する電力変換装置起動制御器をも具える電力変換装置
    保護回路を構成して、前記電力変換装置起動制御器が短
    絡モード不良と判定した時、前記直流主電源投入回路を
    オフし、電力変換装置の起動を停止させることを特徴と
    する電力変換装置の起動保護方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の電力変換装置の起動保護
    方法において、各インバータ直流主電源結合路に切り離
    し回路を設け、前記電力変換装置起動制御器により短絡
    モード検出時に直流主電源投入回路をオフした後、電力
    変換装置リセット指令信号とどのインバータが不良と判
    定されたかを記憶している記憶装置の記憶信号との論理
    積により成立した信号に該当する切り離し回路をオフ動
    作させるようにしたことを特徴とする電力変換装置の起
    動保護方法。
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