JP2008224015A - クランクシャフト - Google Patents

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Abstract

【課題】クランクウェブおよびカウンターウェイトの等価曲げ剛性の改善と等価質量の低減がはかられたクランクシャフトを提供する。
【解決手段】メインジャーナル13とクランクピン5とを連結するクランクウェブ14を有し、クランクウェブ14のメインジャーナル中心17を挟んでクランクピン5と反対側の位置にカウンターウェイト15が設けられたクランクシャフト4において、クランクウェブ14のクランクピン側となる内側面14aに、メインジャーナル中心17と同心状に段差16が設けられ、この段差16よりもメインジャーナル中心17寄りの部分に対して、この段差16より外周側の部分が薄肉となるよう形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関等に用いられるクランクシャフトに関する。
内燃機関やレシプロ式コンプレッサに用いられるクランクシャフトは、大まかに言えばクランクシャフトを内燃機関本体に対して回転可能に支承する部位であるメインジャーナルと、メインジャーナルの回転中心より偏心した部位に配置されコネクティングロッドに連結されるクランクピンと、メインジャーナルとクランクピンとを連結するクランクウェブから構成される。また多くの場合、クランクウェブのメインジャーナル中心を挟んでクランクピンと反対側の位置にカウンターウェイトが設けられている。カウンターウェイトはクランクウェブにボルト等で連結されるか、あるいは一体に形成されており、メインジャーナル回転中心を中心としたクランクピン及び該クランクピンに連結されるコネクティングロッドによって発生する回転アンバランスを相殺する。
一方、従来の可変圧縮比内燃機関として、特許文献1や特許文献2に記載の複リンク式ピストンクランク機構を用いた構成が知られている。
図5は、この公知の複リンク式ピストンクランク機構の正面図(内燃機関前方からクランク軸に平行な視線で見た図)を示し、図6は、このような構成を直列4気筒内燃機関として適用した場合の図5の右側から見た縦断面図を示している。図6において左側が内燃機関前方であり、左側から順に1番〜4番気筒となる。
この公知の複リンク式ピストンクランク機構は、ピストン1のピストンピン2に連結されるアッパーリンク3と、このアッパーリンク3とクランクシャフト4のクランクピン5とを連結するロアリンク6と、クランクシャフト4に略並行に延びるコントロールシャフト7と、一端がコントロールシャフト7に揺動可能に支持され他端がロアリンク6に連結されるコントロールリンク8と、を備えている。また、コントロールシャフト7に対するコントロールリンク8の揺動中心と、コントロールシャフト7の回転中心とが偏心しており、このコントロールシャフト7の回転位置に応じてロアリンク6の姿勢が変化し、クランクピン5からピストンピン2までの距離が変化するようになっている。
アッパーリンク3とロアリンク6とはアッパーピン9を介して、コントロールリンク8とロアリンク6とはコントロールピン10を介して、それぞれ揺動可能に連結される。
尚、クランクシャフト7は、内燃機関前端、各気筒間および内燃機関後端の5箇所のバルクヘッドに設けられたメインベアリング11a〜11eによってシリンダブロック12に保持されている。
特開2001−227367号公報 特開2002−61501号公報 特開平4−64715号公報 特開昭61−262217号公報 特公昭58−28446号公報 特公平1−29966号公報 特開昭63−88217号公報
クランクシャフトは微視的に見れば弾性体であるため、内燃機関の運転時に弾性変形する。特にクランクシャフトの振動系の共振周波数と内燃機関の回転速度の整数倍の周波数とが一致した場合、クランクシャフトの共振が励起され、振れ回るクランクシャフトがクランクシャフトの軸受部を経由して内燃機関本体に加振力を伝達するために内燃機関の運転騒音が悪化したり、クランクシャフトが変形しメインジャーナルやクランクピンの軸中心が連結される相手側部品の穴中心とずれるために潤滑状態が悪化するなどの不具合が発生する場合が有る。
クランクシャフトの共振には、大きく分けて、クランクシャフトがメインジャーナルの回転中心を中心としてねじり変形する場合と、クランクシャフトがメインジャーナルの回転軸と直交する向きに曲げ変形する場合と、がある。後者の曲げ共振を改善するためにはクランクピンおよびメインジャーナルの曲げ剛性の改善、クランクウェブの曲げ剛性の改善、カウンターウェイトの等価曲げ質量の低減および等価曲げ剛性の改善等の方策が考えられるが、クランクピンおよびメインジャーナルの寸法は摩擦損失を低減する観点からあまり大きく出来ないため、現実にはクランクウェブやカウンターウェイトでの曲げ共振対策が必要になる。
クランクウェブやカウンターウェイト部の形状に着目した従来技術としては、特許文献3〜6などが挙げられるが、いずれもクランクウェブやカウンターウェイトに凹部を形成するという特徴を有しているものの、ベアリング配置や潤滑性や鋳造性の改善を目的としたものである。
また、クランクウェブのメインジャーナル回転中心に近い部位に凹部を設けた構成では、これらはクランクウェブの等価剛性を減少させるばかりでなく、等価質量に大きく寄与するカウンターウェイト外周付近の質量はほとんど減少させないために、曲げ変形にとっては悪化要因となりうるものである。
従って、本発明の第1の目的は、クランクシャフトの曲げ共振の対策としてクランクウェブおよびカウンターウェイト部の等価曲げ剛性の改善と等価質量の低減である。
一方、前述の複リンク式内燃機関においては、圧縮比を可変に構成することが出来るというメリットに加え、複リンク式ピストンクランク機構のロアリンク6が梃子のような作用をすることによってクランクスロー(メインジャーナル回転中心からクランクピン5中心までの距離)に比べてピストン往復動のストロークを大きくすることが出来るというメリットを有する。すなわち、単リンク式のピストンクランク機構を用いる従前の内燃機関ではピストン往復動のストロークを拡大するためにはクランクスローを拡大しなければならず、クランクシャフトが回転する際の生存空間を大きくしなければならなかったが、複リンク機構を適切に設計すればクランクシャフトの生存空間はコンパクトに保ったままピストンストロークを拡大することが可能であるということであり、特にクランクシャフト4の回転中心よりも下方の内燃機関寸法を小さく保ったまま大排気量の内燃機関を実現することができ、内燃機関ひいてはそれが搭載される車両の低重心化に寄与する。
しかしながら、複リンク式ピストンクランク機構を用いてピストンストロークの拡大をしようとする際、ピストンストロークの拡大分だけ内燃機関の全高が増えるという問題点がある。仮に、内燃機関の全高を一定に保ったままピストンストロークを拡大しようとすると、下死点におけるピストン1の位置がクランクシャフト4回転中心に近接してくることになり、クランクシャフト4外周部とピストン1の干渉の恐れがでてくる。また、往復運動するピストン1を支えるシリンダボアはおおよそ下死点におけるピストンスカートの位置まで設ける必要が有り、同様にシリンダボアとクランクシャフト4外周部との干渉の恐れもでてくる。
尚、ピストンとクランクシャフトの干渉問題に着目した従来技術としては特許文献7という例があるが、これはピストン側に切り欠きを設けてクランクシャフトのカウンターウェイトとの干渉を防止するものである。
本発明の第2の目的は、これらの干渉の恐れをクランクシャフト側の形状によって解消し、内燃機関の全高を増やすことなくピストンストロークの拡大を実現することである。
そこで、本発明は、メインジャーナルとクランクピンとを連結するクランクウェブを有し、上記クランクウェブのメインジャーナル中心を挟んで上記クランクピンと反対側の位置にカウンターウェイトが設けられたクランクシャフトにおいて、上記クランクウェブのクランクピン側となる内側面に、メインジャーナル中心と同心状に段差を設け、この段差よりメインジャーナル中心寄りの部分よりも、この段差より外周側の部分が薄肉となるよう形成されていることを特徴としている。
本発明によれば、カウンターウェイトが内燃機関前後方向に曲がるように振動する共振モードの周波数を高くすることができ、運転中のクランク共振による騒音の悪化や潤滑状態の悪化を抑制することが可能になる。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、複リンク式ピストンクランク機構の基本的な構成自体は前述した公知技術のものと特に変わりがないので、対応する部分には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
図1〜図4は、本発明の第1実施例の説明図である。図1は、クランクシャフトの側面図であり、直列4気筒の複リンク式内燃機関の1気筒分の構成部品を抜き出して図示したものである。図2は、図1におけるA−A線に沿った断面図であり、図1のクランクシャフトをクランクピンの長手方向中心で切断した断面図である。図3は、本発明に係るクランクシャフトが適用された複リンク式ピストンクランク機構をクランクシャフト軸方向から見た構成説明図であり、図4は、本発明に係るクランクシャフトが適用された複リンク式ピストンクランク機構をクランクシャフト軸直角方向から見た構成説明図である。
クランクシャフト4はシリンダブロック12のバルクヘッドのメインベアリング11にメインジャーナル13で支持され、クランクピン5にロアリンク6が回転自由に連結されている。本実施例の場合はクランクシャフト4は4気筒分すべてを連続した単一の材料から形成されている。クランクピン5とメインジャーナル13とはクランクウェブ14で連結されている。クランクウェブ14のメインジャーナル中心17を挟んでクランクピンと反対側の位置に、カウンターウェイト15が形成されている。カウンターウェイト15は、クランクピン5とロアリンク6の質量に起因するメインジャーナル中心17周りの回転アンバランスをなるべく釣り合わせるように設定されている。カウンターウェイト15の外周は、メインジャーナル中心17を中心とする円弧状に形成されている。
そして、本実施例では、クランクウェブ14のクランクピン5の方向を向いた内側面14aに、メインジャーナル中心17と同心円状に段差16が形成されており、段差16よりもメインジャーナル中心17に近い部位のクランクウェブ14及びカウンターウェイト15の肉厚は、段差16よりも外周側のカウンターウェイト15に比べて厚くなるよう形成されている。
内燃機関の運転時には、クランクピン5にはそれに連結される部品から燃焼荷重や慣性力が入力される。これらの入力のうち図1の上下方向の成分はクランクシャフト4を曲げ変形させようとする力として作用する。この力が交番荷重として作用することにより、クランクシャフト4は図1の矢印Pに示される方向に変形する。この変形時にカウンターウェイト15の先端部は片持ち梁の曲げ振動に類似した振動モードを示すが、段差16を境にカウンターウェイト15の根元側が厚く、先端側が薄くなっているため、カウンターウェイト15の全体を同一の肉厚で形成する場合や、先端側を根元側に比べて厚くする場合に比べ、本実施例のクランクシャフト4は片持ち梁の曲げ振動モードの等価質量が小さくなり、かつ等価剛性が高い形状になっている。従って、クランクシャフト4の曲げ共振の周波数、特にカウンターウェイトが振動の腹となるような共振モードの固有振動数は、従来技術のクランクシャフトに比較して高くなる。また、同一振幅の荷重がクランクピン5に作用した際のカウンターウェイト15の振幅は従来技術より本実施例のほうが小さくなる。このように曲げ振動特性が改善されることにより、内燃機関運転時のクランク曲げ振動、特に回転速度の整数倍とクランクシャフト4の曲げ振動の固有振動数が一致する運転条件でのクランク曲げ振動が低減され、内燃機関に発生する騒音を減少させることができると共に、メインジャーナル13やクランクピン5の軸受に対する傾きや偏心が減少するので、メインジャーナル中心17やクランクピン中心18が連結される相手側部品(メインベアリング11やロアリンク6)の穴中心とずれるために生じる潤滑状態の悪化が防止され、フリクションロスを低減することができる。
本実施例においては、クランクシャフト4のカウンターウェイト15の最大外径(最大半径)、すなわちメインジャーナル中心17からカウンターウェイト先端部15aまでの距離が、従来技術のクランクシャフトよりも大きく形成されており、図3のように内燃機関を前方から見た際に、カウンターウェイト15がシリンダボアの下端20と重なる。このように、カウンターウェイト15の最大外径(最大半径)がメインジャーナル中心17からシリンダボア下端20までの距離よりも大きく構成されていることにより、カウンターウェイト15は充分大きい質量をもつことになり、クランクピン5およびロアリンク6に起因するメインジャーナル中心17を基準とした回転アンバランスをさらに好適な方向に釣り合わせることが可能になる。尚、カウンターウェイト先端部15aと干渉するシリンダボア下端部20には切り欠き21が設けられている。
また、カウンターウェイト15に設けられた段差16は、メインジャーナル中心17から段差16まで距離が、メインジャーナル中心17からピストン下死点時のピストンスカート下端22までの距離より短くなるよう設定されていると共に、メインジャーナル中心17からシリンダボア下端20までの距離より短くなるよう設定されている。
このように段差16を設けることにより、クランクウェブ14のピストンスカートと干渉しない部分及び、クランクウェブ14のシリンダボアと干渉しない部分の厚さをそれぞれ大きくすることができ、クランクウェブ14の剛性、ひいてはクランクシャフト4の剛性を高くすることができる。
そして、カウンターウェイト15をその一般断面部15bにおいては厚肉にし良好な回転バランス改善効果と曲げ振動低減効果を得つつ、カウンターウェイト15との干渉を避けるためのシリンダボア下端の切り欠き21をより小さくし、かつピストンスカートをより幅広い形状にすることができる。すなわち、段差16を設けたことにより前述の振動特性改善のみならず、カウンターウェイト15の最大外径を大きな値にしつつもピストン1やシリンダボアとの干渉問題は最小限の範囲でしか発生し得ないという効果も得ることができる。また、メインジャーナル中心17からカウンターウェイト先端部15aまでの距離、すなわちカウンターウェイト15のメインジャーナル中心17を基準とした半径、を大きく保ちつつもピストン1が下降した際にピストン1とクランクシャフト4とが干渉することを防止でき、ピストン1の下降量すなわち内燃機関の行程容積を拡大することが可能になる。
さらに、本実施例では、シリンダブロック12のシリンダボア下端20は、従来の内燃機関より低い位置まで下げられており、メインジャーナル中心17からシリンダボア下端20までの距離はカウンターウェイト15の最大外径よりも小さくなっている。つまり、筒状に下方に延びたシリンダボア壁の側方をカウンターウェイト先端部15aが通過する。このように構成することにより、前述のようにピストン1を従来より下方までストロークさせた場合にもピストン1の姿勢を安定させることが可能になる。
また、本実施例では、上記のように構成したことにより、従来のピストンクランク機構を用いる内燃機関や従来の複リンク式内燃機関よりも、下死点におけるピストン1の下端からメインジャーナル中心17までの距離を小さくすることが可能になる。換言すれば、内燃機関のシリンダーブロックの高さを一定に保ったまま、本発明のクランクシャフト4を適用することによりピストン1のストローク量を大きくすることができ、排気量を拡大することが可能になる。通常の単リンク式ピストンクランク機構を用いる内燃機関においてはピストンのストローク量はクランクスロー(メインジャーナル中心17からクランクピン中心18までの距離)の略2倍であるが、複リンク式ピストンクランク機構を用いる内燃機関においてはロアリンク6がてこのような役割をすることにより、クランクスローの2倍以上のピストンストロークが得られる。特に、複リンク式ピストンクランク機構のリンクジオメトリ(各リンク節の長さ)を適切に設定すれば、大きなピストンストローク拡大効果が得られる。
上記実施形態から把握し得る本発明の技術的思想について、その効果とともに列記する。
(1) メインジャーナルとクランクピンとを連結するクランクウェブを有し、上記クランクウェブのメインジャーナル中心を挟んで上記クランクピンと反対側の位置にカウンターウェイトが設けられたクランクシャフトにおいて、上記クランクウェブのクランクピン側となる内側面に、メインジャーナル中心と同心状に段差が設けられ、この段差よりもメインジャーナル中心寄りの部分に対して、この段差より外周側の部分が薄肉となるよう形成されている。これによって、カウンターウェイトが内燃機関前後方向に曲がるように振動する共振モードの周波数を高くすることができ、運転中のクランク共振による騒音の悪化や潤滑状態の悪化を抑制することが可能になる。また、クランクウェブもしくはカウンターウェイトの一部分と、ピストンスカートもしくはシリンダボア壁との干渉を避けることができる。換言すれば、上記段差を設けないクランクシャフトを採用する場合に比べてピストンスカートもしくはシリンダボア壁をクランクシャフト回転中心により近い位置に配置することが可能になり、内燃機関の高さを一定に保ったままピストンストロークを拡大することが可能になる。
(2) 上記(1)に記載のクランクシャフトは、ピストンにピストンピンを介して一端が連結されたアッパーリンクと、このアッパーリンクの他端とクランクシャフトのクランクピンとを連結するロアリンクと、一端が本体部の支持点に揺動可能に支持され、他端が上記ロアリンクに連結されたコントロールリンクと、を備えてなるピストンクランク機構に適用される。これによって、クランクシャフトの共振を抑制することが出来るため、内燃機関の潤滑性能改善や音振性能改善に大きく寄与することができる。また、上記ピストンクランク機構の各リンク節の長さを適切に設計すれば、クランクスローに比べてピストンストロークを大きく設定することが出来るため、クランクウェブもしくはカウンターウェイトの一部分と、ピストンスカートもしくはシリンダボア壁との干渉を避け内燃機関の高さを一定に保ったままピストンストロークを従来よりも拡大できる効果がより顕著に得られる。
(3) 上記(1)または(2)に記載のクランクシャフトにおいて、上記カウンターウェイトの最大半径が、上記メインジャーナル中心からシリンダボア下端までの距離より大きくなるよう設定されている。これによって、カウンターウェイトを上記段差を設けない場合よりも大きな径に形成することができ、各クランクスローでのクランクシャフトのバランス率を改善することができ、内燃機関の音振性能を効果的に改善することができる。
(4) 上記(1)〜(3)のいずれかに記載のクランクシャフトにおいて、上記メインジャーナル中心から上記段差までの距離が、該メインジャーナル中心からピストン下死点時のピストンスカート下端までの距離より短くなるよう設定されている。これによって、カウンターウェイトのメインジャーナル中心を基準とした半径を大きく保ちつつも、ピストンが下降した際にピストンとクランクシャフトとが干渉することを防止でき、ピストンの下降量すなわち内燃機関の行程容積を拡大することが可能になる。その際に、上記段差が設けられているためにピストンスカートと干渉しない部分のクランクウェブの厚さは大きくすることができ、クランクシャフトの剛性を高くできるため潤滑状態や音振性能を改善することが可能になる。
(5) 上記(1)〜(4)のいずれかに記載のクランクシャフトのおいて、上記メインジャーナル中心から上記段差までの距離が、該メインジャーナル中心からシリンダボア下端までの距離より短くなるよう設定されている。これによって、カウンターウェイトのメインジャーナル中心を基準とした半径を大きく保ちつつも、シリンダボアとクランクシャフトとが干渉することを防止でき、ピストンの下降量すなわち内燃機関の行程容積を拡大することが可能になる。その際に、上記段差が設けられているためにシリンダボアと干渉しない部分のクランクウェブの厚さは大きくすることができ、クランクシャフトの剛性を高くできるため潤滑状態や音振性能を改善することが可能になる。
(6) 上記(1)〜(5)のいずれかに記載のクランクシャフトのおいて、ピストン往復のストロークが、クランクピン中心から上記メインジャーナル中心までの距離の2倍より大きくなるよう設定されている。これによって、クランクシャフトのクランクスローに比べて内燃機関の排気量を拡大することが可能になる。特にピストンの往復位置を段差を設けない従来のクランクシャフトを採用する場合よりも全体的に下側にすることが可能になり、大きなピストン往復量を確保しつつも内燃機関全体の高さを低く保つことが可能になる。
本発明に係るクランクシャフトの側面図。 図1のA−A線に沿った断面図。 本発明に係るクランクシャフトが適用された複リンク式ピストンクランク機構をクランクシャフト軸方向から見た構成説明図。 本発明に係るクランクシャフトが適用された複リンク式ピストンクランク機構をクランクシャフト軸直角方向から見た構成説明図。 公知の複リンク式ピストンクランク機構の構成説明図。 直列4気筒内燃機関の例の縦断面図。
符号の説明
5…クランクピン
13…メインジャーナル
14…クランクウェブ
15…カウンターウェイト
16…段差
17…メインジャーナル中心
18…クランクピン中心

Claims (6)

  1. メインジャーナルとクランクピンとを連結するクランクウェブを有し、上記クランクウェブのメインジャーナル中心を挟んで上記クランクピンと反対側の位置にカウンターウェイトが設けられたクランクシャフトにおいて、
    上記クランクウェブのクランクピン側となる内側面に、メインジャーナル中心と同心状に段差が設けられ、この段差よりもメインジャーナル中心寄りの部分に対して、この段差より外周側の部分が薄肉となるよう形成されていることを特徴とするクランクシャフト。
  2. ピストンにピストンピンを介して一端が連結されたアッパーリンクと、このアッパーリンクの他端とクランクシャフトのクランクピンとを連結するロアリンクと、一端が本体部の支持点に揺動可能に支持され、他端が上記ロアリンクに連結されたコントロールリンクと、を備えてなるピストンクランク機構に適用されることを特徴とする請求項1に記載のクランクシャフト。
  3. 上記カウンターウェイトの最大半径が、上記メインジャーナル中心からシリンダボア下端までの距離より大きくなるよう設定されていることを特徴とする請求項1または2に記載のクランクシャフト。
  4. 上記メインジャーナル中心から上記段差までの距離が、該メインジャーナル中心からピストン下死点時のピストンスカート下端までの距離より短くなるよう設定されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のクランクシャフト。
  5. 上記メインジャーナル中心から上記段差までの距離が、該メインジャーナル中心からシリンダボア下端までの距離より短くなるよう設定されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のクランクシャフト。
  6. ピストン往復のストロークが、クランクピン中心から上記メインジャーナル中心までの距離の2倍より大きくなるよう設定されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のクランクシャフト。
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