JP2010112352A - 内燃機関 - Google Patents

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慎太郎 内海
Takanobu Arai
隆宜 荒井
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Abstract

【課題】この発明は、内燃機関の全高を抑制しつつピストン式バランサを搭載することのできる内燃機関を提供することを目的とする。
【解決手段】シリンダブロック10は、水平面に対して傾いた気筒を備える。この傾いた気筒内で、気筒内ピストン12が往復運動する。クランクシャフト16を挟んで気筒内ピストン12と対向する位置に、バランサピストン30が備えられる。バランサピストン30は、オイル50表面と平行な底面37を備える。
【選択図】図1

Description

この発明は、内燃機関に関し、特に、ピストン式のバランサを備える内燃機関に関する。
従来、例えば、実開平3−67738号公報に開示されているように、ピストン式バランサを備える内燃機関が知られている。ピストン式バランサは、内燃機関の気筒内ピストンの往復運動に応じて往復運動するバランサピストンを備えている。バランサピストンが設けられる位置は、バランサとしての機能を効果的に発揮する観点から、クランクシャフトをはさんで気筒内ピストンと対向する位置が好ましい。このような位置関係で、気筒内ピストンとバランサピストンとがそれぞれ往復運動することにより、バランサとしての機能が有効に発揮される。
上記の構成を備えるピストン式バランサを搭載する場合は、回転式のバランサを搭載する場合に比して、内燃機関の寸法が、気筒内ピストンの往復運動方向に不可避的に大きくなってしまう。しかしながら、クランクケース内のスペースを大きく取れないなどの理由から、内燃機関の全高に制限がある場合は多々ある。また、内燃機関の全高を抑えつつピストン式バランサを強引に搭載しようとすると、ピストン式のバランサを構成するバランサピストンが、クランクケース内(つまりオイルパン内)のオイル表面に近づきすぎてしまうおそれがある。往復運動の際にバランサピストンがオイルに浸かってしまうと、種々の不都合が発生しうる。
そこで、実開平3−67738号公報にかかる内燃機関では、気筒内ピストンおよびピストン式バランサを、クランクケース内に傾けて配置している。そして、実開平3−67738号公報では、バランサピストンとオイル表面とが接触しないようにバランサピストンをオイル表面から離している。これにより、内燃機関の全高を抑制しつつピストン式バランサを搭載することを図っている。
実開平3−67738号公報 特開2004−293363号公報
上記従来の技術によれば、バランサピストンとオイル表面とが接触しないようにバランサピストンをオイル表面から離している。バランサピストンがオイルに接触しないようにするためには、バランサピストンとオイル表面との離間距離を確保せざるを得ない。このような状況下では、ピストン式バランサを傾斜させて配置したとしても、内燃機関の全高を期待している程度まで小さくできない場合がある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、内燃機関の全高を抑制しつつピストン式バランサを搭載することのできる内燃機関を提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、
水平面に傾斜した状態で気筒内ピストンとバランサピストンとが対向して運動する対向バランサピストン式の内燃機関であって、
前記バランサピストンが、前記内燃機関のオイルパンのオイル面上方で摺動し、
前記バランサピストンの前記オイルパン側の端面が、前記オイル面と平行であることを特徴とする。
第2の発明は、上記の目的を達成するため、内燃機関であって、
内燃機関設置状態において水平面に対し傾斜する気筒である傾斜気筒を備えたシリンダブロックと、
前記傾斜気筒内において往復運動する気筒内ピストンと、
前記シリンダブロックの下方に配置され、その中心軸が前記傾斜気筒の中心軸と一致するように水平面に傾いて位置する筒状部を備える、シリンダライナ部材と、
前記筒状部内において前記気筒内ピストンと対向して往復運動するバランサピストンと、
前記シリンダライナ部材の下方に設けられ、少なくとも前記筒状部の下方端部の直下にオイル貯留部を有するオイルパンと、
を備え、
前記バランサピストンの前記オイルパン側部分のうち、水平面と前記バランサピストンの中心軸とが成す角度の鋭角側の部位を第1部位と区分し、かつ、前記角度の鈍角側の部位を第2部位と区分した場合に、前記第1部位の下方端部から水平面までの距離と前記第2部位の下方端部から水平面までの距離が略同じとなる程度に、前記第2部位が前記第1部位に比して前記バランサピストンの中心軸方向に大きくされていることを特徴とする。
また、第3の発明は、第2の発明において、前記バランサピストンが、
前記筒状部の形状に応じた外形のスカート部と、
前記バランサピストンの前記オイルパン側端部の表面であって、内燃機関設置状態において水平面に略平行な面である底面と、
前記スカート部から前記バランサピストンの中心軸方向に延在して、該スカート部と前記底面とを接続する中間部と、
を有するものであることを特徴とする。
また、第4の発明は、第1乃至3の発明のいずれか1つにおいて、
前記バランサピストンをクランクシャフトに接続するためのバランサ用コンロッドを備え、
前記バランサピストンが、前記バランサ用コンロッドとの接続用のピン穴を有し、
前記バランサピストンが、前記ピン穴の位置に重心位置が一致するようにその質量が分布させられたものであることを特徴とする。
また、第5の発明は、第1乃至4の発明のいずれか1つにおいて、
気筒数が2気筒であることを特徴とする。
第1の発明によれば、対向バランサピストン式の内燃機関において、バランサピストンの形状の工夫により、バランサピストンとオイル表面との接触を控えることができる。これにより、オイル干渉の問題を抑制しつつバランサピストン全体をオイル表面に近づけることができ、結果的に内燃機関の全高を低く抑えることができる。
第2の発明によれば、水平面に対して(すなわちオイル表面に対して)中心軸が傾斜した状態のバランサピストンにおいて、バランサピストンの形状の工夫により、バランサピストンとオイル表面との接触を控えることができる。これにより、オイル干渉の問題を抑制しつつバランサピストン全体をオイル表面に近づけることができ、結果的に内燃機関の全高を低く抑えることができる。さらに、第2部位の質量によって、オイル干渉の問題を抑制しつつバランサピストンに要求されるウエイトを確保できる。これにより、ピストン式バランサのバランサとしての機能を確保することができる。
第3の発明によれば、バランサピストンのオイルパン側の面が水平面と略平行な平面にされており、中間部がスカート部と底面との間を延びてそれらを接続している。バランサピストンの底面を水平面と略平行な平面としているので、バランサピストンの位置をオイル表面側により一層近づけることができる。
第4の発明によれば、ピン穴とバランサピストンの重心位置とが一致しているので、往復運動中のバランサピストンの姿勢を、バランサライナ部材との当たりが抑制される良好な姿勢にすることができる。その結果、第4の発明によれば、内燃機関の全高の問題、バランサピストンのオイル面接触の問題、バランサピストンのウエイト確保の問題、および、バランサライナ部材とバランサピストンの当たりの問題の、全てを解決することができる優れた内燃機関が提供される。
第5の発明によれば、2気筒型の内燃機関において、内燃機関の全高を抑制できるとともに、内燃機関(クランクシャフト)の回転バランスを良好に確保することができる。
実施の形態1.
[実施の形態1の構成]
(内燃機関の全体構成)
図1は、本発明の実施の形態1にかかる内燃機関の構成を模式的に示す。実施の形態1の内燃機関は、後述するように、直列2気筒型の内燃機関である。図1では、便宜的に1つの気筒を示している。実施の形態1の内燃機関は、車両(図示略)に搭載されている。図1は、車両のエンジンルーム内を示しており、符号6はダッシュパネルを示す。図1の紙面横方向を、水平面と平行な方向とする。なお、本発明は2気筒の内燃機関に限られるものではなく、気筒数に限定はない。2気筒以外(1気筒から10気筒その他の各種気筒数)の内燃機関や、直列気筒型以外の内燃機関でもよい。
図1に示すように、実施の形態1の内燃機関は、シリンダブロック10と、気筒内ピストン12とを備える。図1に示すように、実施の形態1の内燃機関では、シリンダブロック10が、車両に対して傾いた気筒を備えている。この気筒内に備えられた気筒内ピストン12が、内燃機関の搭載面に対して傾いた状態で往復運動する。気筒内ピストン12は、コンロッド14によってクランクシャフト16に接続している。
実施の形態1の内燃機関は、クランクシャフト16の下方に、ピストン式バランサを構成する各種構成を備える。具体的には、バランサライナ部材20と、バランサライナ部材20に挿入されるバランサピストン30と、バランサピストン30をクランクシャフト16と接続するバランサ用コンロッド24と、が備えられている。また、それらの構成の更に下方には、オイルパン18が設けられている。符号50は、オイルパン18内のオイルを指す。図1に示すように、オイルパン18内においてオイルが貯留される部位(すなわちオイル貯留部)が、バランサライナ部材20の下端の直下に位置している。
バランサピストン30は、ピン穴34を備えている。ピン穴34には図示しないピンが挿入され、このピンを介してバランサピストン30とバランサ用コンロッド24とが接続される。バランサピストン30は、クランクシャフト16をはさんで気筒内ピストン12と対向した位置にある。バランサピストン30は、気筒内ピストン12の往復運動に応じて、図1の矢印Xが指す方向に往復運動する。
バランサピストン30の紙面下方側部分(オイルパン18側部分)は、オイル表面と平行な底面つまり水平面と平行な底面を備えている。バランサピストン30の外形は、クランクシャフト16側については通常の円柱形状のピストンと同じである。一方、バランサピストン30のオイルパン18側の外形は、あたかも、円柱を水平面に沿って斜めに切断したような形状とされている。
クランクシャフト16の回転角がバランサピストン30を最も押し下げる位置にきたとき、底面37がオイル50表面に最も近づく。このとき底面37とオイル50表面が接触しない程度にそれらが近づくように、バランサピストン30やバランサ用コンロッド24の寸法が定められている。
図3は、図1中に示す内燃機関をA-A線に従って切断した断面図を模式的に示す。図3から判るように、実施の形態1では、2つの気筒の運動が同位相となるように、クランクシャフト16が構成されているものとする。このように、本実施形態の内燃機関は、爆発行程が等間隔となるように構成された直列2気筒型の内燃機関である。
なお、クランクシャフト16におけるクランクピン16aとメインジャーナル16bとの間の部位には、気筒毎に、カウンターウェイト16cがそれぞれ設けられている。更に、クランクシャフト16における2つのクランクピン16aの間には、これらのクランクピン16aと逆位相となる位置に(クランクシャフト16の軸中心を中心としてクランクピン16aと対称となる位置に)、バランサ用クランクピン16dが設けられている。
バランサピストン30は、バランサライナ部材20によって摺動可能に案内された状態で、クランクシャフト16の回転に伴って、気筒内ピストン12と対向して運動するように構成されている。バランサピストン30は、気筒内ピストンの慣性力に釣り合う力であって、かつ逆向きの慣性力が発生するようにその質量が調整されている。
本実施形態の内燃機関10のように等間隔で爆発が行われる直列2気筒型内燃機関では、気筒内ピストンが上下動する際の慣性力によって、内燃機関が当該ピストンの往復運動方向に振動する。これに対し、本実施形態の内燃機関は、気筒内ピストン12と対向して運動するように構成されたバランサピストン30を備えているので、気筒内ピストン12の慣性力をバランサピストン30の慣性力で打ち消すことができ、内燃機関(クランクシャフト16)の回転バランスを良好に確保することができる。
(バランサピストン形状)
図3および図4を用いて、バランサピストン30の構成を詳細に説明する。図3は、バランサピストン30を、図1の紙面下方側から見上げた状態を示す斜視図である。バランサピストン30は、底面37と、ウエイト部36と、円柱状のスカート部32とを備えている。スカート部32は、バランサライナ部材20の内径と対応した形状すなわち円柱形状である。
図4は、バランサピストン30の断面図である。図4において符号Cを付した線は、バランサピストン30の中心軸を表している。中心軸Cは、バランサピストン30の往復運動方向に平行な線であり、バランサライナ部材20の円筒状空間の中心軸と一致している。繰り返し述べるように、バランサピストン30は、あたかも円柱状のピストンを斜めに切断したような形状をしている。この斜めの切断面がちょうどオイルパン18側を向くような位置関係となるように、バランサピストン30が配置されている。結果的に、バランサピストン30のオイルパン18側部分の外形は、図4に示すように、中心軸Cを境に紙面左側半分のほうが紙面右側半分よりもオイルパン18側に隆起した形状になっている。つまり、バランサピストン30のオイルパン18側部分の外形は、中心軸Cと水平面とが成す角度の鈍角側の部位(図4における中心軸Cよりも紙面右側の部位)のほうが、中心軸Cと水平面とが成す角度の鋭角側の部位(図4における中心軸Cよりも紙面左側の部位)よりも、中心軸Cに沿って相対的に盛り上がっている。また、中心軸Cより紙面右側の部位の下端面と、中心軸Cより紙面左の部位の下端面は、連続的に接続して単一の平面(底面37)を形成している。
図4において、符号35を付した領域は、くりぬかれた中空の空間を指している。一方、図4において、符号Wを付した斜線の領域は、バランサピストン30の切り口の面すなわち材料が存在している領域である。図4における符号Gを付した点は、バランサピストン30の重心位置Gである。実施の形態1では、重心位置Gと、ピン穴34(言い換えれば図示しないピストンピン)とが一致するように、バランサピストン30の質量を分配している。
以上説明した実施の形態1によれば、バランサピストン30の形状が、中心軸Cを境にオイル50表面に近い部位(以下「第1部位」とも称す)の寸法が相対的に小さく、且つ、中心軸Cを境にオイル50表面から遠い部位(以下、「第2部位」とも称す)の寸法が相対的に大きい形状になる。この形状によれば、第1部位をオイル50表面から遠ざける(後退させる)形状とし、且つ、第1部位の寸法低減に伴って減少した質量を第2部位で補うことができる。これにより、バランサピストン30とオイル50表面との接触を控えつつ、内燃機関の全高も低く抑えることができる。尚且つ、バランサピストンに要求されるウエイトも確保できるので、ピストン式バランサのバランサとしての機能も確保することができる。
また実施の形態1によれば、バランサピストン30の底面37が水平面と略平行な平面にされており、接続部が柱状部と底面との間を延びてそれらを接続している。底面37を水平面と略平行な平面としているので、バランサピストン30の位置をオイル50表面側により一層近づけることができる。
なお、上述した実施の形態1の内燃機関はあくまでこの発明を実施するための最良の形態として示すものである。よって、実施の形態1の内燃機関の具体的構成すなわち図1、2の構成に、本発明が限定されるものではない。水平面に傾斜した状態で気筒内ピストンとバランサピストンとが対向して運動する対向バランサピストン式内燃機関に対して、本発明を適用することができる。
[実施の形態1に対する比較例]
図5乃至6は、それぞれ、実施の形態1の内燃機関に対する比較例を示す。これらの比較例との比較を行いながら、実施の形態1の内燃機関の効果を説明する。
(i)内燃機関の全高、オイル干渉
ピストン式バランサを内燃機関に搭載するにあたり、内燃機関の全高の増大の問題と、バランサピストンのオイル干渉の問題が障害になる。以下、この点について、図5を用いて説明する。
図5(a)は、内燃機関に一般的に用いられる、気筒を鉛直方向に沿って立てたタイプの内燃機関である。図5(a)は、このタイプの内燃機関に対して、ピストン式バランサを設けた状態を図示している。バランサピストン130の下方には、オイル150が位置している。本願発明者の知見では、往復運動中にバランサピストンがオイルに浸かってしまうと、例えば次のような種々の不都合が発生してしまう。バランサピストンがオイルに浸かると、フリクションが悪化する。更に、オイルの液面は波打ち、気泡が発生する。気泡を多量に含むオイルが内燃機関内に送り込まれると、内燃機関の焼き付きのおそれがある。また、オイル量をある程度確保することは必要不可欠であり、オイルパン内のオイル量は十分に確保する必要がある。そこで、図5(a)の比較例では、バランサピストン130とオイル150表面とが接触しないように、バランサピストン130をオイル150表面から離す措置が取られている。
ところで、バランサとしての機能を効果的に発揮する観点からは、バランサピストン130が設けられる位置は、クランクシャフトをはさんで気筒内ピストンと対向する位置が好ましい。一方、ピストン式バランサを搭載する場合、回転式のバランサを搭載する場合に比して、内燃機関の寸法が気筒内ピストンの往復運動方向に不可避的に大きくなってしまう。その結果、内燃機関の全高が著しく大きくなってしまう。
現実的には、種々の設計上の制約から、内燃機関の全高は特定の範囲内に収めなければならない。あるいは、省スペースなどの観点から、内燃機関の全高が小さいほど好ましい場合がある。具体的には、車両搭載用の内燃機関では、全高を低減したいという要望が大きい。車両のエンジンルームの制約として、フード、カウルと内燃機関の上部の隙間の確保や、最低地上高の制約から決まるオイルパンの下面位置の制限が挙げられる。車両では、それらの制約を満たすように、限られた範囲内に内燃機関の全高を納める必要がある。
そこで、内燃機関の全高を抑制すべく、図5(b)に示すように、気筒内ピストンおよびバランサピストン130を、水平面に対して傾けて配置することが考えられる。これにより、図5(a)のように気筒を垂直に立てる場合に比べれば、内燃機関の全高を低減できる。しかしながら、この場合でも、図5(b)に示すように、バランサピストン130の一部がオイル150の表面に浸かるおそれがある。これを回避するために、バランサピストン130とオイル表面とが接触しないようにバランサピストン130をオイル表面から離すことが考えられる。しかしながら、バランサピストン130とオイル表面との離間距離を確保することにより、内燃機関の全高が期待している程度まで抑制できないおそれがある。
以上のように、ピストン式バランサを内燃機関に搭載するにあたり、内燃機関の全高の増大の問題と、バランサピストンのオイル干渉の問題が、大きな障害になる。
この点、実施の形態1では、気筒およびピストン式バランサを傾斜させる構成において、前述したバランサピストン30が用いられている。バランサピストン30のオイルパン側の端面は、オイル50表面と平行である。つまり、バランサピストン30の形状は、中心軸Cを境にオイル50表面に近い部位(以下「第1部位」とも称す)の寸法が相対的に小さく、且つ、中心軸Cを境にオイル50表面から遠い部位(以下、「第2部位」とも称す)の寸法が相対的に大きい形状である。これにより、図5(b)の場合に比して、オイル干渉の問題を生じさせることなくバランサピストン30全体をオイル50表面に近づけることができる。
特に、実施の形態1によれば、バランサピストン30の底面37が水平面と略平行な平面にされている。底面37を水平面と略平行な平面としているので、バランサピストン30の位置をオイル50表面により一層近づけることができる。これにより、図5(b)の場合に比して、バランサピストンをオイル50表面側に近づけることができる。
(ii)バランサピストンのウエイト
図6は、バランサピストンのウエイトに関する問題を説明するために示す比較例の図である。図6の比較例も、図5(b)と同様に、水平面に対して気筒およびバランサピストンが傾斜している。一般的に、ピストンバランサは、対向位置にある気筒内ピストンの往復運動とのバランスを十分にとれる程度の重量を備える必要がある。図6の比較例では、バランサピストン134における、オイル表面と反対側(つまりクランクシャフト側)の部位に、ウエイトが配置されている。このような構成では、クランクシャフトの回転時に、符号140に示すように、例えばカウンターウェイトなどとの干渉が生じる恐れがある。これを回避するために例えばコンロッドを長くすることが考えられるが、そのような措置をとれば内燃機関の全高が増加してしまう。
この点、実施の形態1によれば、クランクシャフト16側へウエイトを配置することなく、オイルパン16側で十分なウエイトを確保している。従って、図6の比較例のようにクランクシャフト側にウエイトを搭載した場合の干渉の問題を引き起こすことなく、バランサピストンに要求されるウエイトを確保できる。
(iii)バランサピストンの打音
図7(a)の比較例では、バランサピストン130が鉛直線に沿って往復運動する。図7(b)の比較例では、バランサピストン134が、図5(b)や図6の比較例と同様に、傾斜した状態で往復運動する。往復運動時におけるバランサピストン134の姿勢が悪いと、バランサピストン134とバランサライナ部材20とが衝突して打音の問題が生ずる。
この点、実施の形態1によれば、ピン穴34とバランサピストン30の重心位置Gとが一致している。これにより、往復運動中のバランサピストン30の姿勢を、バランサライナ部材20との当たりが抑制される良好な姿勢にすることができる。
本発明の実施の形態1にかかる内燃機関を模式的に示す図である。 実施の形態1にかかる内燃機関を図1のA-A線に従って切断した面を、模式的に示す断面図である。 実施の形態1のバランサピストンの斜視図である。 実施の形態1のバランサピストンの断面図である。 実施の形態1に対する比較例を示す図である。 実施の形態1に対する比較例を示す図である。 実施の形態1に対する比較例を示す図である。
符号の説明
10 シリンダブロック 12 気筒内ピストン
14 コンロッド 16 クランクシャフト
18 オイルパン 20 バランサライナ部材
24 バランサ用コンロッド 30 バランサピストン
32 スカート部
34 ピン穴 35 中空部分
36 ウエイト部
37 底面 50 オイル
130 バランサピストン 134 バランサピストン
150 オイル
C 中心軸
G 重心位置

Claims (5)

  1. 水平面に傾斜した状態で気筒内ピストンとバランサピストンとが対向して運動する対向バランサピストン式の内燃機関であって、
    前記バランサピストンが、前記内燃機関のオイルパンのオイル面上方で摺動し、
    前記バランサピストンの前記オイルパン側の端面が、前記オイル面と平行であることを特徴とする対向バランサピストン式の内燃機関。
  2. 内燃機関設置状態において水平面に対し傾斜する気筒である傾斜気筒を備えたシリンダブロックと、
    前記傾斜気筒内において往復運動する気筒内ピストンと、
    前記シリンダブロックの下方に配置され、その中心軸が前記傾斜気筒の中心軸と一致するように水平面に傾いて位置する筒状部を備える、シリンダライナ部材と、
    前記筒状部内において前記気筒内ピストンと対向して往復運動するバランサピストンと、
    前記シリンダライナ部材の下方に設けられ、少なくとも前記筒状部の下方端部の直下にオイル貯留部を有するオイルパンと、
    を備え、
    前記バランサピストンの前記オイルパン側部分のうち、水平面と前記バランサピストンの中心軸とが成す角度の鋭角側の部位を第1部位と区分し、かつ、前記角度の鈍角側の部位を第2部位と区分した場合に、前記第1部位の下方端部から水平面までの距離と前記第2部位の下方端部から水平面までの距離が略同じとなる程度に、前記第2部位が前記第1部位に比して前記バランサピストンの中心軸方向に大きくされていることを特徴とする内燃機関。
  3. 請求項2に記載の内燃機関において、前記バランサピストンが、
    前記筒状部の形状に応じた外形のスカート部と、
    前記バランサピストンの前記オイルパン側端部の表面であって、内燃機関設置状態において水平面に略平行な面である底面と、
    前記スカート部から前記バランサピストンの中心軸方向に延在して、該スカート部と前記底面とを接続する中間部と、
    を有するものであることを特徴とする内燃機関。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の内燃機関において、
    前記バランサピストンをクランクシャフトに接続するためのバランサ用コンロッドを備え、
    前記バランサピストンが、前記バランサ用コンロッドとの接続用のピン穴を有し、
    前記バランサピストンが、前記ピン穴の位置に重心位置が一致するようにその質量が分布させられたものであることを特徴とする内燃機関。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の内燃機関において、
    気筒数が2気筒であることを特徴とする内燃機関。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105020022A (zh) * 2015-08-03 2015-11-04 湖州新奥利吸附材料有限公司 一种分体式内燃机燃烧缸活塞锁定回弹装置

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CN105020022A (zh) * 2015-08-03 2015-11-04 湖州新奥利吸附材料有限公司 一种分体式内燃机燃烧缸活塞锁定回弹装置

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