JP2008208195A - 真空紫外線励起発光素子用蛍光体 - Google Patents

真空紫外線励起発光素子用蛍光体 Download PDF

Info

Publication number
JP2008208195A
JP2008208195A JP2007045342A JP2007045342A JP2008208195A JP 2008208195 A JP2008208195 A JP 2008208195A JP 2007045342 A JP2007045342 A JP 2007045342A JP 2007045342 A JP2007045342 A JP 2007045342A JP 2008208195 A JP2008208195 A JP 2008208195A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
phosphor
surface area
specific surface
raw material
fluorescent substance
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2007045342A
Other languages
English (en)
Inventor
Akira Watanabe
晃 渡辺
Masayoshi Kawahara
正佳 河原
Takehisa Fukui
武久 福井
Kenji Toda
健司 戸田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Niigata University NUC
Hosokawa Powder Technology Research Institute
Original Assignee
Niigata University NUC
Hosokawa Powder Technology Research Institute
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Niigata University NUC, Hosokawa Powder Technology Research Institute filed Critical Niigata University NUC
Priority to JP2007045342A priority Critical patent/JP2008208195A/ja
Publication of JP2008208195A publication Critical patent/JP2008208195A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Luminescent Compositions (AREA)

Abstract

【課題】真空紫外線により励起されて発光する蛍光体において、粒径をナノメートルオーダとし、且つ表面欠陥を少なく結晶性を高くする。
【解決手段】比表面積が5m2/g以上のナノ粒子からなる蛍光体前駆体を焼成して、比表面積が2m2/g以上のナノ粒子構造とする。ここで、より高い発光効率を得る観点から、蛍光体前駆体として、結晶母体を構成する金属と賦活剤を構成する金属とを含有する原料液滴流、及び当該原料液滴流を覆う反応気体流を高温雰囲気の反応空間に流入させ、前記原料液滴流の外周部で熱処理によって微粒子を形成するとともに、当該微粒子を前記反応気体流で冷却して生成したものを用いるのが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は真空紫外線(波長200nm以下)により励起されて発光する蛍光体に関し、より詳細にはプラズマディスプレイ(PDP;Plasma Display Panel)に好適に用いられる真空紫外線励起発光素子用蛍光体に関するものである。
近年、平面型表示装置として液晶ディスプレイと共にプラズマディスプレイ(PDP)が広く使用されつつある。このPDPは、電極が表面に形成された2枚のガラス板の一方の表面に微小な溝を形成し、溝内に赤、緑、青の蛍光体層を形成し、それら2枚のガラス板を狭い間隔で対向させてその間に希ガス(ネオンやキセノン)を封入し、これらの電極間に電圧をかけてガス放電させることによって真空紫外線を発生させ蛍光体を発光させて表示を行うものである。
希ガスとしてキセノンガスを用いた場合、電圧印加によって発生する真空紫外線の波長は147nmである。波長147nmの真空紫外線が蛍光体に進入する深さはおおよそ50nm程度であると考えられるため、蛍光体の粒径を小さくして比表面積を増加させれば、高い発光効率が得られると考えられる。
そこでこれまで、蛍光体の粒径を小さくして比表面積を増加させる検討が種々なされているが(例えば特許文献1〜4)、蛍光体の粒径を小さくすると、表面欠陥が増加し結晶性も悪くなって発光強度が低下する。このような事情から現在のPDPでは、1〜3μm程度の粒径の蛍光体が一般に使用されている。
特開平7−292354号公報 特開2003−342563号公報 特開2004−168641号公報 特開2004−210949号公報
本発明は従来のこのような問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、ナノメートルオーダの粒径を有し、しかも表面欠陥が少なく結晶性が高い蛍光体を提供することにある。
本発明によれば、真空紫外線により励起されて発光する蛍光体であって、比表面積が5m2/g以上のナノ粒子からなる蛍光体前駆体を焼成して作製され、比表面積が2m2/g以上のナノ粒子構造を有することを特徴とする蛍光体が提供される。なお本明細書において、「比表面積」とはBET法によって測定した比表面積である。また「ナノ粒子」はナノメートルオーダの粒径を有する粒子を意味する。さらに「ナノ粒子構造」とは、各ナノ粒子がナノメートルオーダの粒径の粒子形態を維持しつつ互いに分離した状態もしくは接触点において固着した状態のものを意味する。
ここで、より高い発光効率を得る観点から、前記蛍光体前駆体として、結晶母体を構成する金属と賦活剤を構成する金属とを含有する原料液滴流、及び当該原料液滴流を覆う反応気体流を高温雰囲気の反応空間に流入させ、前記原料液滴流の外周部で熱処理によって微粒子を形成するとともに、当該微粒子を前記反応気体流で冷却して生成したものを用いるのが好ましい。
前記結晶母体として組成がBaMgAl1017で表されるものを使用し、前記賦活剤としてEuイオンを用いる、あるいは結晶母体として組成がY23で表されるものを使用し、賦活剤としてEuイオンを用いるのが好ましい。
前記焼成の条件としては、焼成温度1000〜1600℃の範囲、焼成時間1〜12時間の範囲が好ましい。
本発明の蛍光体は、比表面積が5m2/g以上のナノ粒子からなる蛍光体前駆体を焼成して作製された、比表面積が2m2/g以上のナノ粒子構造を有するものであるので、焼結後も、各粒子はナノメートルオーダの一次粒子径を維持し、または焼成によって表面欠陥が少なく高い結晶性を有するようになる。これにより、真空紫外線による蛍光体の発光効率が従来に比べて格段に高くなる。
また前記蛍光体前駆体として、結晶母体を構成する金属と賦活剤を構成する金属とを含有する原料液滴流、及び当該原料液滴流を覆う反応気体流を高温雰囲気の反応空間に流入させ、前記原料液滴流の外周部で熱処理によって微粒子を形成するとともに、当該微粒子を前記反応気体流で冷却して生成したものを用いると、ナノメートルオーダで均質な蛍光体前駆体を得て焼結後もナノ粒子構造を維持しやすくなり、より高い発光効率が得られるようになる。
本件発明に係る蛍光体は、焼結前の蛍光体前駆体として比表面積が5m2/g以上のナノ粒子を用いることが大きな特徴の一つである。蛍光体前駆体を焼結すると結晶が成長して一般に粒径が大きくなる。したがって、ナノ粒子構造を有する蛍光体を得るためには、蛍光体前駆体としてナノ粒子を用いる必要がある。加えて、蛍光体前駆体の比表面積が5m2/g以上であることが重要である。蛍光体前駆体の比表面積を5m2/g以上とすることにより、焼結した後の蛍光体粒子の一次粒子径をナノメートルオーダにすることが容易となるからである。
本発明で使用する蛍光体前駆体は、比表面積が5m2/g以上のナノ粒子であればその製造方法に限定はなく、液相法、噴霧熱分解法、水熱合成法、気相法など従来公知の方法を用いて作製することができる。中でも、ナノメートルオーダで均質な蛍光体前駆体を得て焼結後もナノ粒子構造を維持しやすくするには次のような方法が好ましい。すなわち、結晶母体を構成する金属と賦活剤を構成する金属とを含有する原料液滴流、及び当該原料液滴流を覆う反応気体流を高温雰囲気の反応空間に流入させ、前記原料液滴流の外周部で熱処理によって微粒子を形成するとともに、当該微粒子を前記反応気体流で冷却して蛍光体前駆体を生成する。以下、この方法を「FCM法」(Flash Creation Method)と記すことがある。
結晶母体を構成する金属と賦活剤を構成する金属とを含有する原料液滴流、及び当該原料液滴流を覆う反応気体流を高温雰囲気の反応空間に流入させると、反応気体流で覆われた原料液滴流の外周部で原料液滴流が熱処理されて、結晶母体と賦活剤の各金属成分からなる微粒子の核が生成する。生成した核粒子は反応気体流と共に移動するときに反応気体流によって速やかに冷却される。これにより、生成粒子同士の合体・凝集や蒸気の粒子表面への凝縮・反応等が十分に抑制され、その結果、結晶母体と賦活剤の各金属成分からなる小粒子径の蛍光体前駆体が得られる。
本発明に係る蛍光体のもう一つの大きな特徴は、前述のように作製された蛍光体前駆体をさらに焼成して、比表面積が2m2/g以上のナノ粒子構造を備えるようにした点にある。すなわち、前述のナノ粒子からなる蛍光体前駆体を焼成せずにそのままの使用しようとすると、良好な発光効率が得られないが、本発明の蛍光体では、ナノ粒子からなる蛍光体前駆体をさらに焼成するので、表面欠陥が少なくなって結晶性が高くなり従来に比べて発光効率が高くなる。
蛍光体前駆体を焼成する条件としては、焼成温度が1000〜1600℃の範囲で、焼成時間が1〜12時間の範囲が好ましい。焼成条件をこれらの範囲にすることにより、比表面積が2m2/g以上のナノ粒子構造が得られやすくなるからである。焼成後に、焼成物が固化していた場合は、湿式又は乾式のボールミル等で微粉砕(解砕)して製品としての蛍光体とする。なお、焼成時に必要により、焼結防止剤や融剤(フラックス)として、AlF3やMgF2などを添加してもよい。また、表面被覆剤として、Al,In,Si,Sn,Ti,Zn,Zrなどを添加してもよい。
前述のFCM法で使用する結晶母体としては各種の金属酸化物を用いることができ、例えばBaMgAl1017,Y23,Gd23,Zn2SiO4,CaMgSi26が挙げられる。
また結晶母体にドープする賦活剤としては各種の希土類金属イオン及び金属イオンを用いることができ、例えばEu,Mnなどの金属イオンが挙げられる。
そして、上記結晶母体と賦活剤の組み合わせとしては例えば、BaMgAl1017:Eu,Y23:Eu,Gd23:Eu,Zn2SiO4:Mn,CaMgSi26:Euなどが挙げられる。この中でもBaMgAl1017:Eu又はY23:Euの組み合わせが特に好ましい。
そして前述のFCM法では、上記結晶母体と賦活剤を構成する各金属の有機金属化合物(金属錯体など)を溶剤に希釈した状態で原料液として使用する。使用できる有機金属化合物としては下記の物が例示される。
Al:アルミニウムモノ‐n‐ブトキシジエチルアセト酢酸エステル、エチルアセトアセテートアルミニウムジノルマルブチレート、及びこれらの混合物。または2−エチルヘキサン酸アルミニウム
Ba:2‐エチルヘキサン酸バリウム
Ca:2‐エチルヘキサン酸カルシウム
Eu:2‐エチルヘキサン酸ユーロピウム
Gd:2‐エチルヘキサン酸ガドリニウム
Mg:2‐エチルヘキサン酸マグネシウム
Mn:2‐エチルヘキサン酸マンガン
Si:オクタメチルシクロテトラシロキサン、叉は、ポリジメチルシロキサン、および、これらの混合物
Y:2‐エチルヘキサン酸イットリウム
Zn:2‐エチルヘキサン酸亜鉛
また上記有機金属化合物の希釈溶剤としては、ミネラルスピリット、ミネラルシンナー、ペトロリウムスピリット、ホワイトスピリット、ミネラルターペン、灯油(ケロシン)、n−ヘキサン、ヘキサン酸、2−エチルヘキサン酸、シクロヘキサン、イソヘプタン、エタノール、メタノール、1−プロパノール、酢酸、1−ペンタノール、吉草酸、トルエン、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、イソブチルアルコール、n−ブチルアルコール、ベンゼン、キシレンなどが挙げられる。
FCM法で使用できる無機物原料としては下記の物が例示される。
Al: 硝酸アルミニウム
Ba: 硝酸バリウム
Eu: 硝酸ユーロピウム
Gd: 硝酸ガドリニウム
Mg: 硝酸マグネシウム
Y: 硝酸イットリウム
上記無機物原料の希釈液としては、水、メタノール、エタノール、2‐プロパノール、イソブチルアルコールなどが挙げられる。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
Ba0.9Eu0.1MgAl1017(青色蛍光体、以下「BAM」と記す)
BAMの蛍光体前駆体をFCM法を用いて作製した。具体的には、2−エチルヘキサン酸バリウム、2−エチルヘキサン酸マグネシウム、アルミニウムモノ−n−ブトキシジエチルアセト酢酸エチル、エチルアセトアセテートアルミニウムジ−n−ブチレート、2−エチルヘキサン酸ユーロピウム、及びミネラルスピリットを所定モル比となるように調合し混合して原料溶液とした。次にこの原料溶液を反応気体(酸素ガス)と共に噴霧ノズルを使用して高温雰囲気の反応空間(例えば、熱プラズマにより発生させる)に噴霧し、反応気体流で覆われた原料の液滴流を生成すると共に液滴の蒸発気化による粒子核生成と粒子成長を行わさせた後、周囲の反応ガスで急速冷却して、蛍光体前駆体としてのBAM粒子を作製した。作製したBAMの蛍光体前駆体の比表面積をBET法によって測定した。測定結果を表1に示す。またBAMの蛍光体前駆体のFE−SEM写真を図1に示す。これらの比表面積値と図1のFE−SEM写真から、このBAMの蛍光体前駆体は比表面積9.6m2/gのナノ粒子からなることがわかる。
次に、この作製したBAMの蛍光体前駆体を還元雰囲気下(95vol%Ar+5vol%H2、以下同じ)で1400℃×6時間の焼成を行いBAM蛍光体を得た。得られたBAM蛍光体の比表面積をBET法によって測定した。測定結果を表1に合わせて示す。またBAM蛍光体のFE−SEM写真を図2に示す。さらに図4及び図5に、BAM蛍光体のX線回折パターン及び真空紫外線励起スペクトル測定結果を示す。加えて図4と図5には、比較のため、後述する比較例1の、固相法で作製したBAM蛍光体のX線回折パターン及び真空紫外線励起スペクトル測定結果も合わせて示す。なお、励起スペクトル強度と発光強度とは相関関係があり、励起スペクトル強度が高ければ発光強度も高いと考えられるので、本実施例及び比較例では、蛍光体の発光強度の指標として真空紫外線励起スペクトルを測定した。また、図5(以下、図10,図15において同じ)での縦軸の値はサリチル酸ソーダの場合を100としたときの相対強度である。
比表面積値と図2のFE−SEM写真から、実施例1のBAM蛍光体は、比表面積5.9m2/gの板状のナノ粒子が接触点で部分溶着したナノ粒子構造を有していることがわかる。また図4に示すX線回折パターンでは、実施例1と比較例1のBAM蛍光体に大きな差は見られず、ともに高い結晶性が得られることがわかる。さらに図5から明らかなように、実施例1のBAM蛍光体は、比較例1のBAM蛍光体に比べて、波長147nmにおいて約1.6倍の励起スペクトル強度を有していた。したがって、実施例1のBAM蛍光体は、比較例1のそれに比べて格段に高い発光強度を有していると考えられる。
(比較例1)
BAM(固相法)
原料としてBaCO3(純度3N)、MgO(純度4N)、Al23(純度4N)、Eu23(純度4N)をBa0.9Eu0.1MgAl1017の化学量論比に従って秤量し、メノウ乳鉢を用いてアセトン湿式混合を行った。その後、一軸加圧機によって30MPaでペレット成型を行い、得られたペレットを還元雰囲気下で1500℃で6時間焼成した。得られたBAM蛍光体を乳鉢で軽く解砕した後、比表面積をBET法によって測定した。測定結果を表1に合わせて示す。またBAM蛍光体のFE−SEM写真を図3に示す。比表面積値と図3のFE−SEM写真から、比較例1のBAM蛍光体は、比表面積1.0m2/gで粒径が数μm程度の粒子が溶着した構造を有しており、ナノ粒子構造ではないことがわかる。なお比較例1のBAM蛍光体のX線回折パターン及び真空紫外線励起スペクトル測定結果については前述のように図4及び図5に合わせて示されている。
(実施例2)
1.96Eu0.043(赤色蛍光体、以下「YO」と記す)
YOの蛍光体前駆体をFCM法を用いて作製した。具体的には原料溶液として、2−エチルヘキサン酸イットリウム、2−エチルヘキサン酸ユーロピウム、及びミネラルスピリットを所定モル比となるように調合し混合したものを用いた以外は実施例1と同様にしてYOの蛍光体前駆体を作製した。作製したYOの蛍光体前駆体の比表面積をBET法によって測定した。測定結果を表1に合わせて示す。またYO蛍光体前駆体のFE−SEM写真を図6に示す。比表面積値と図6のFE−SEM写真から、このYO蛍光体前駆体は比表面積19.1m2/gのナノ粒子からなることがわかる。
次に、この作製したYOの蛍光体前駆体を還元雰囲気下で1400℃×3時間の焼成を行いYO蛍光体を得た。得られたYO蛍光体の比表面積をBET法によって測定した。測定結果を表1に合わせて示す。またYO蛍光体のFE−SEM写真を図7に示す。さらに図9及び図10に、YO蛍光体のX線回折パターン及び真空紫外線励起スペクトル測定結果を示す。前記と同様に図9と図10には、比較のため、後述する比較例2の、固相法で作製したYGB蛍光体のX線回折パターン及び真空紫外線励起スペクトル測定結果も合わせて示す。
比表面積値と図7のFE−SEM写真から、実施例2のYO蛍光体は、比表面積4.5m2/gの粒状のナノ粒子が個々に分離して存在した状態および接触点で部分溶着した状態のナノ粒子構造を有していることがわかる。また図9に示すX線回折パターンから単相であり、結晶性も高いことがわかる。さらに図10から明らかなように、実施例2のYO蛍光体は、比較例2のYGB蛍光体に比べて、真空紫外線領域である波長147nmにおいて約3.4倍の励起スペクトル強度を有していた。したがって、実施例2のYO蛍光体は、比較例2のYGB蛍光体に比べて格段に高い発光強度を有していると考えられる。
比較例2
YGB(固相法)
原料としてY23(純度4N)、Gd23(純度4N)、H3BO3(純度2N)、Eu23(純度4N)をY0.6Gd0.3Eu0.1の化学量論比に従って秤量し、メノウ乳鉢を用いてアセトン湿式混合を行った。その後、一軸加圧機によって30MPaでペレット成型を行い、得られたペレットをアルミナボートを用いて1200℃で6時間焼成した。得られたYGB蛍光体を乳鉢で軽く解砕した後、比表面積をBET法によって測定した。測定結果を表1に合わせて示す。またYGB蛍光体のFE−SEM写真を図8に示す。比表面積値と図8のFE−SEM写真から、比較例2のYGB蛍光体は、比表面積2.4m2/gで粒径が数μm程度の粒子が溶着した構造を有しており、ナノ粒子構造ではないことがわかる。なお比較例2のYGB蛍光体のX線回折パターン及び真空紫外線励起スペクトル測定結果については前述のように図9及び図10に合わせて示されている。
実施例3
Ca0.99Eu0.01MgSi26(蛍光体、以下「CMS」と記す)
CMSの蛍光体前駆体をFCM法を用いて作製した。具体的には原料溶液として、2−エチルヘキサン酸カルシウム、2−エチルヘキサン酸マグネシウム、オクタメチルシクロテトラシロキサン、2−エチルヘキサン酸ユーロピウム、及びミネラルスピリットを所定モル比となるように調合し混合したものを用いた以外は実施例1と同様にしてCMSの蛍光体前駆体を作製した。測定結果を表1に合わせて示す。またCMS蛍光体前駆体のFE−SEM写真を図11に示す。比表面積値と図11のFE−SEM写真から、このCMS蛍光体前駆体は比表面積12.5m2/gのナノ粒子からなることがわかる。
次に、この作製したCMSの蛍光体前駆体を還元雰囲気下で1100℃×6時間の焼成を行いCMS蛍光体を得た。得られたCMS蛍光体の比表面積をBET法によって測定した。測定結果を表1に合わせて示す。またCMS蛍光体のFE−SEM写真を図12に示す。さらに図14及び図15に、CMS蛍光体のX線回折パターン及び真空紫外線励起スペクトル測定結果を示す。図14と図15には、後述する比較例3の、固相法で作製したCMS蛍光体のX線回折パターン及び真空紫外線励起スペクトル測定結果も合わせて示す。
図14に示すX線回折パターンにおいて、実施例3のCMS蛍光体と、固相法で作製した比較例3のCMS蛍光体とで大きな差は見られず、実施例3のCMS蛍光体も、固相法で作製したものと同等の高い結晶性を有していると推測される。比表面積値と図12のFE−SEM写真から、実施例3のCMS蛍光体は、比表面積0.68m2/gの数μm程度の粒子が部分的に溶着して固まり状態となった構造を有しており、ナノ粒子構造ではないことがわかる。このため、図15に示すように、実施例3のCMS蛍光体は、真空紫外線領域である波長147nmにおいて、固相法で作製した比較例3のCMS蛍光体と略同等の励起スペクトル強度であった。
比較例3
CMS(固相法)
原料としてCaCO3(純度4N)、MgO(純度4N)、SiO2(純度3N)、Eu23(純度4N)をCa0.99Eu0.01MgSi26の化学量論比に従って秤量し、メノウ乳鉢を用いてアセトン湿式混合を行った。その後、一軸加圧機によって30MPaでペレット成型を行い、得られたペレットを還元雰囲気下で1200℃で6時間焼成した。得られたCMS蛍光体を乳鉢で軽く解砕した後、比表面積をBET法によって測定した。測定結果を表1に合わせて示す。またCMS蛍光体のFE−SEM写真を図13に示す。比表面積値と図13のFE−SEM写真から、比較例3のCMS蛍光体は、比表面積2.0m2/gで粒径が数μm程度の粒子が溶着した構造を有しており、ナノ粒子構造ではないことがわかる。なお比較例3のCMS蛍光体のX線回折パターン及び真空紫外線励起スペクトル測定結果については前述のように図14及び図15に合わせて示されている。
実施例1のBAM蛍光体前駆体のFE−SEM写真である。 実施例1のBAM蛍光体のFE−SEM写真である。 比較例1のBAM蛍光体のFE−SEM写真である。 実施例1と比較例1のBAM蛍光体のX線回折パターンを示す図である。 実施例1と比較例1のBAM蛍光体の真空紫外線励起スペクトル測定結果を示す図である。 実施例2のYO蛍光体前駆体のFE−SEM写真である。 実施例2のYO蛍光体のFE−SEM写真である。 比較例2のYGB蛍光体のFE−SEM写真である。 実施例2のYO蛍光体と比較例2のYGB蛍光体のX線回折パターンを示す図である。 実施例2のYO蛍光体と比較例2のYGB蛍光体の真空紫外線励起スペクトル測定結果を示す図である。 実施例3のCMS蛍光体前駆体のFE−SEM写真である。 実施例3のCMS蛍光体のFE−SEM写真である。 比較例3のCMS蛍光体のFE−SEM写真である。 実施例3と比較例3のCMS蛍光体のX線回折パターンを示す図である。 実施例3と比較例3のCMS蛍光体の真空紫外線励起スペクトル測定結果を示す図である。

Claims (5)

  1. 真空紫外線により励起されて発光する蛍光体であって、比表面積が5m2/g以上のナノ粒子からなる蛍光体前駆体を焼成して作製され、比表面積が2m2/g以上のナノ粒子構造を有することを特徴とする蛍光体。
  2. 前記蛍光体前駆体が、結晶母体を構成する金属と賦活剤を構成する金属とを含有する原料液滴流、及び当該原料液滴流を覆う反応気体流を高温雰囲気の反応空間に流入させ、前記原料液滴流の外周部で熱処理によって微粒子を形成するとともに、当該微粒子を前記反応気体流で冷却して生成したものである請求項1記載の蛍光体。
  3. 前記結晶母体の組成がBaMgAl1017で表され、前記賦活剤がEuイオンである請求項2記載の蛍光体。
  4. 前記結晶母体の組成がY23で表され、前記賦活剤がEuイオンである請求項2記載の蛍光体。
  5. 前記焼成の条件が、焼成温度1000〜1600℃の範囲、焼成時間1〜12時間の範囲である請求項1〜4のいずれかに記載の蛍光体。
JP2007045342A 2007-02-26 2007-02-26 真空紫外線励起発光素子用蛍光体 Pending JP2008208195A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007045342A JP2008208195A (ja) 2007-02-26 2007-02-26 真空紫外線励起発光素子用蛍光体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007045342A JP2008208195A (ja) 2007-02-26 2007-02-26 真空紫外線励起発光素子用蛍光体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008208195A true JP2008208195A (ja) 2008-09-11

Family

ID=39784795

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007045342A Pending JP2008208195A (ja) 2007-02-26 2007-02-26 真空紫外線励起発光素子用蛍光体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2008208195A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019127570A (ja) * 2018-01-26 2019-08-01 堺化学工業株式会社 青緑色蛍光体の製造方法

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11199867A (ja) * 1997-03-13 1999-07-27 Matsushita Electric Ind Co Ltd 蛍光体とこれを用いた蛍光体含有物ならびにこれらの製造方法
JP2003183644A (ja) * 2001-12-19 2003-07-03 Sumitomo Chem Co Ltd ケイ酸塩蛍光体の製造方法
JP2003342563A (ja) * 2002-05-24 2003-12-03 Konica Minolta Holdings Inc 無機蛍光体、無機蛍光体ペースト及び無機蛍光体の製造方法
JP2005272831A (ja) * 2004-02-27 2005-10-06 Sumitomo Chemical Co Ltd ケイ酸塩蛍光体の製造方法
JP2006052337A (ja) * 2004-08-12 2006-02-23 Fujikura Ltd サイアロン蛍光体およびその製造方法
JP2006077153A (ja) * 2004-09-10 2006-03-23 Hosokawa Funtai Gijutsu Kenkyusho:Kk 蛍光体の製造方法及び製造装置、並びに蛍光体粒子及びその前駆体
JP2007084409A (ja) * 2005-09-26 2007-04-05 Hosokawa Funtai Gijutsu Kenkyusho:Kk 誘電体粉末の製造方法及び製造装置、並びに誘電体粒子
JP2007254269A (ja) * 2006-02-21 2007-10-04 Ube Material Industries Ltd フッ素含有酸化マグネシウム粉末及びその製造方法
JP2010138067A (ja) * 2006-02-21 2010-06-24 Ube Material Industries Ltd フッ素含有酸化マグネシウム粉末の製造方法

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11199867A (ja) * 1997-03-13 1999-07-27 Matsushita Electric Ind Co Ltd 蛍光体とこれを用いた蛍光体含有物ならびにこれらの製造方法
JP2003183644A (ja) * 2001-12-19 2003-07-03 Sumitomo Chem Co Ltd ケイ酸塩蛍光体の製造方法
JP2003342563A (ja) * 2002-05-24 2003-12-03 Konica Minolta Holdings Inc 無機蛍光体、無機蛍光体ペースト及び無機蛍光体の製造方法
JP2005272831A (ja) * 2004-02-27 2005-10-06 Sumitomo Chemical Co Ltd ケイ酸塩蛍光体の製造方法
JP2006052337A (ja) * 2004-08-12 2006-02-23 Fujikura Ltd サイアロン蛍光体およびその製造方法
JP2006077153A (ja) * 2004-09-10 2006-03-23 Hosokawa Funtai Gijutsu Kenkyusho:Kk 蛍光体の製造方法及び製造装置、並びに蛍光体粒子及びその前駆体
JP2007084409A (ja) * 2005-09-26 2007-04-05 Hosokawa Funtai Gijutsu Kenkyusho:Kk 誘電体粉末の製造方法及び製造装置、並びに誘電体粒子
JP2007254269A (ja) * 2006-02-21 2007-10-04 Ube Material Industries Ltd フッ素含有酸化マグネシウム粉末及びその製造方法
JP2010138067A (ja) * 2006-02-21 2010-06-24 Ube Material Industries Ltd フッ素含有酸化マグネシウム粉末の製造方法

Non-Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
JPN6012042668; 高温学会誌, Vol.34, No.3,, P.130-135 *
JPN6012042669; 2007年電気化学秋季大会講演要旨集, , P.90 *
JPN6012042670; 日本セラミックス協会 第19回秋季シンポジウム講演予稿集, , P.81 *
JPN6012042671; 日本セラミックス協会 第20回秋季シンポジウム講演予稿集, , P.349 *

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019127570A (ja) * 2018-01-26 2019-08-01 堺化学工業株式会社 青緑色蛍光体の製造方法
JP7102748B2 (ja) 2018-01-26 2022-07-20 堺化学工業株式会社 青緑色蛍光体の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5323131B2 (ja) 蛍光粒子及び発光ダイオード並びにこれらを用いた照明装置及び液晶パネル用バックライト装置
JP5910498B2 (ja) 珪窒化物蛍光体用窒化珪素粉末並びにそれを用いたCaAlSiN3系蛍光体、Sr2Si5N8系蛍光体、(Sr,Ca)AlSiN3系蛍光体及びLa3Si6N11系蛍光体、及びその製造方法
JP5036975B2 (ja) 窒素を含有する蛍光体およびその製造方法、並びに発光装置
TWI471408B (zh) 鋁氧化物螢光體及其製造方法
JP4971630B2 (ja) 蛍光体およびその製造方法、並びに発光装置
JP2008263209A (ja) 蛍光体を用いた発光器具
JP5578739B2 (ja) アルカリ土類金属シリケート蛍光体及びその製造方法
US11286422B2 (en) Suspension of a magnesium silicate, method for making same and use thereof as a phosphor
JP6181292B2 (ja) 粉末状の前駆材料を製造する方法、粉末状の前駆材料およびその使用方法
Sun et al. CaTiO3: Eu3+ layers coated SiO2 particles: Core-shell structured red phosphors for near-UV white LEDs
Kang et al. Morphology Control of BaMgAl10 O 17: Eu Particles: The Use of Colloidal Solution Obtained from Alkoxide Precursor in Spray Pyrolysis
JP6143949B2 (ja) 粉末状の前駆材料を製造する方法、粉末状の前駆材料およびその使用方法
KR100947192B1 (ko) 실리케이트 형광체 제조 방법
JP2014506266A (ja) コアシェルアルミン酸塩を含む組成物、この組成物から得られる蛍りん光体、及び製造方法
JP2002180043A (ja) 真空紫外線励起型蛍光体
JP2008208195A (ja) 真空紫外線励起発光素子用蛍光体
KR20070064663A (ko) 알칼리 토금속 알루미네이트형의 전구체 화합물 및결정화된 화합물 및 이의 제조 방법 및 인광체로서결정화된 화합물을 사용하는 방법
TW201402784A (zh) 矽酸鹽螢光體及其製造方法
TW201213507A (en) Method for preparing Eu solid solution β type SiAlON
JP2003183644A (ja) ケイ酸塩蛍光体の製造方法
JP2008174690A (ja) ユーロピウム賦活酸化イットリウム蛍光材料及びその製造方法
JP4373670B2 (ja) 真空紫外線励起発光体の製造方法およびプラズマディスプレイパネルの製造方法
JP2006348221A (ja) 蛍光体粒子
JP2006265307A (ja) 蛍光体粉末の製造方法
JP2008063574A (ja) ユーロピウム賦活酸化イットリウム及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20090722

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100219

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120802

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20120820

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A02 Decision of refusal

Effective date: 20130108

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02