JP2008205888A - 圧電振動片の製造方法及び圧電振動素子 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】水晶基板1と、水晶基板1とはエッチングレートが異なるシリコン基板2とを貼り合わせる貼合工程と、水晶基板1を研磨する研磨工程と、シリコン基板2をエッチングするベースエッチング工程と、水晶基板1をエッチングする水晶エッチング工程とを含むようにした。ベースエッチング工程によりシリコン基板2のエッチングを行った後、水晶エッチング工程により水晶基板1のエッチングを行ったり、或いは、水晶エッチング工程により水晶基板1のエッチングを行った後、ベースエッチング工程によりシリコン基板2のエッチングを行ったりするようにした。
【選択図】図2
Description
しかしながら、MEMSセンサは、周波数−温度特性が悪く、安定した周波数が得られない欠点があった。そこで、上記したような欠点がないジャイロセンサとして、例えば音叉型圧振動素子を用いたものが提案されている。
この図8に示す音叉型水晶振動素子100は、X検軸(電気軸)、Y軸(機械軸)及びZ軸(光軸)が図示する方向となるように水晶の単結晶から切り出され、所謂水晶Z板により形成されている。また音叉型水晶振動素子100は、基部101と、この基部101からY軸方向に突出するように形成された2本の振動腕102、103とを有している。2本の振動腕102、103の両主面及び側面には駆動電極104、105が形成されている。このように構成される音叉型水晶振動素子100では、各振動腕102、103の駆動電極104、105に駆動電圧を印加することにより、各振動腕102、103に電界を発生させて各振動腕102、103を屈曲振動させるようにしている。なお、音叉型水晶振動子の先行文献としては特許文献1等がある。
一方、水晶基板の強度を高めるために基板を厚くした場合は、水晶基板を音叉型にエッチング加工するのに時間を要するため、製造コストが高くなるという問題点があった。
本発明は上記したような問題点を鑑みてなされたものであり、製造時の扱いが容易な圧電振動片の製造方法を提供する。また低コストで実現できる圧電振動片の製造方法を提供する。また異方性の影響が小さい圧電振動片の製造方法を提供する。さらにこれらの圧電振動片を用いた圧電振動素子を提供する。
このような本発明によれば、圧電基板を薄く研磨加工した場合でも、圧電基板は貼り合わせたベース基板により支持されるので圧電基板の強度を保つことができる。よって、圧電基板を大口径化した場合でも、製造時において圧電基板を容易に取り扱うことができる。
また、圧電基板を薄くできるので、エッチング加工により圧電基板を、例えば音叉型の外形に加工する加工時間を短縮することができ、この点からも製造コストが下げることが可能になる。
さらに、圧電基板の薄型化したことにより異方性エッチングの影響が小さくなるので、圧電基板を例えば音叉型の外形に加工した際の外形精度を高めることができる。
このような本発明によれば、電気軸方向に強い電界をかけることが可能になり、クリスタルインピーダンス値を小さい圧電振動素子を実現することが可能になる。
このような本発明によれば、圧電振動片の軽量化を図ることができるので振動腕上に形成した圧電薄膜による駆動が容易になりクリスタルインピーダンス値を小さい圧電振動素子を実現することが可能になる。
図1、図2は本発明の実施形態に係る圧電振動片の製造工程の一例を示した図である。
この場合は、先ず、図1(a)に示す貼合工程S1において、例えば、ウェハ状の水晶基板(圧電基板)1と、ベースとなるウェハ状のシリコン基板(ベース基板)2とを直接接合により貼り合わせる。なお、本実施形態ではベース基板としてシリコン基板2を例に挙げて説明するが、ベース基板は水晶基板1とエッチングレートが異なる基板であれば適用可能であり、例えばガラス基板やカット角が異なる水晶基板等を用いることが可能である。また直接接合とは、例えば水晶基板1とシリコン基板2とを接着剤を用いずに直接貼り合わせることであり、例えば、過酸化水素水やアンモニア等の酸と純水の混合液を用いて水晶基板1とシリコン基板2の接触面の洗浄と表面処理を行う。このような処理を行った基板表面は、水が非常に良く馴染んで基板表面に広がる性質(親水性)を示すようになる(以下、親水化処理と称する)。この後、親水化処理した表面同士を重ね合わせて接合することにより、基板の表面同士がお互いに引きつけ合う力(表面間引力)により自動的に接合することができる。
次に、図1(c)に示すベースエッチング工程S3において、シリコン基板2にマスキングを施すなどしてシリコン基板2の所望位置だけをウエットエッチングないしはドライエッチングする。このとき、水晶基板1とシリコン基板2とはエッチングレートが異なることから水晶基板1がエッチストップとなり、例えば、図1(c)に拡大して示すようにシリコン基板2には升目状に多数の貫通穴3を形成することができる。
このように音叉型水晶振動片4を製造すれば、水晶基板1を薄く研磨加工した場合でも、水晶基板1は貼り合わせたシリコン基板2により支持されるので、水晶基板1の強度を保つことができる。よって、水晶基板1を大口径化した場合でも製造時において水晶基板1を容易に取り扱うことができる。
また、水晶基板1を薄くできるので、エッチング加工により水晶基板1を、例えば音叉型の外形に加工する加工時間を短縮することができ、この点からも製造コストが下げることが可能になる。
さらに、水晶基板1の薄型化したことにより異方性エッチングの影響が小さくなるので、水晶基板1を例えば音叉型の外形に加工した際の外形精度を高めることができる。
また、本実施形態では、ベースエッチング工程S3おいてシリコン基板2のエッチングを行った後、水晶エッチング工程S4により水晶基板1のエッチングを行うようにしている。このようにすればシリコン基板2を、水晶基板1を補強する補強板として機能させることが可能になる。
図4は、本実施形態の音叉型水晶振動素子の構成を示した図であり、(a)は斜視図、(b)は(a)に示すB−B断面図である。なお、図4に示した音叉型水晶振動素子10においてはベースとなるシリコン基板2の図示は省略する。
この図4に示す音叉型水晶振動素子10の音叉型水晶振動片11は、基部16と、この基部16から突出するように形成された2本の振動腕12、13とを有する。2本の振動腕12、13の両主面には、図4(b)に示すように互い異なる駆動電極14、15がそれぞれ対向するように形成されている。そして、この場合は、図4(a)に示すように音叉型水晶振動片11の厚み方向がX軸(電気軸)、振動腕12、13の突出方向がY軸(機械軸)、振動腕12、13と直交方向がZ軸(光軸)となるように音叉型水晶振動片11が形成されている。即ち、図4に示す音叉型水晶振動素子10は、音叉型水晶振動片11が、その板厚方向がX軸(電気軸)となる所謂X板と呼ばれる水晶基板を用いて形成されている点に特徴がある。
図6に示す従来の音叉型水晶振動素子100においては、2本の振動腕102、103の両主面及び側面に駆動電極104、105がそれぞれ形成されている。このような従来の音叉型水晶振動素子100では、音叉型水晶振動片の外形をウエットエッチングにより形成しているため、生産効率の観点から、通常はエッチング速度が速いZ軸(光軸)が厚み方向となるように切り出した水晶基板(所謂Z板)を用いるようにしていた。しかしながら、Z板を用いた場合は、図6に示すように駆動電極104、105間の距離が離れているため、図6に矢印で示した電界の効率が悪い。このため、振動腕102、103の屈曲振動が弱く、クリスタルインピーダンス(以下、CI値と称する)が高くなってしまうという問題点があった。
図7に示す音叉型水晶振動素子110は、振動腕112、113の各主面に、その表裏から溝114、114、溝115、115がそれぞれ形成されており、これら溝114、115に夫々駆動電極116、117が形成されている。また振動腕112及び113の両側面にもそれぞれ駆動電極117、116が形成されている。このように構成される音叉型水晶振動素子110では、各振動腕112、113の駆動電極116、117に駆動電圧を印加することにより、各振動腕102、103に、例えば矢印で示すように電界を発生させて各振動腕112、113を屈曲振動させるようにしている。このような音叉型水晶振動素子110は、図6に示した音叉型水晶振動素子100に比べて強い電界をかけることができる。しかしながら、この場合は、各振動腕112、113に溝114、114、115、115を形成していることから剛性が低下してしまい、電界効率をより高めて且つ小型化を図ろうとすると安定した屈曲振動が得られなくなるという問題点があった。
この場合、振動腕22表面の外側側縁には、振動腕22が延びる方向に沿って細い電極26aが形成されている。また、振動腕22表面の内側には振動腕22が延びる方向に沿って細い電極26bが形成されている。この電極26a、26bは振動腕22の第1の電極を構成している。一方、振動腕23表面の外側側縁には振動腕13が延びる方向に沿って細い電極27aが形成されている。また、振動腕23表面の内側には、該振動腕23が延びる方向に沿って細い電極27bが形成されている。この電極27a、27bは振動腕23の第1の電極を構成している。
電極26aと電極27aは、図示しない導電部により接続されている。電極26bと電極27bも図示しない導電部により接続されている。なお、以上の電極は、水晶の上に例えば、クロムによる下地をスパッタリングで形成し、その上に金を成膜することにより形成した電極膜をフォトリソグラフイの手法などによって処理することにより得られる。
そして、このような構造の音叉型水晶振動素子において、本実施形態の製造方法により製造した音叉型水晶振動片4を用いるようにすると水晶振動片4の薄型化により軽量化を図ることができるので、振動腕22、23上に形成した圧電薄膜による駆動が容易になりCI値を小さい圧電振動素子を実現することが可能になる。
Claims (5)
- 圧電基板と、該圧電基板とはエッチングレートが異なるベース基板と、を貼り合わせる貼合工程と、
前記圧電基板を研磨する研磨工程と、
前記ベース基板をエッチングするベースエッチング工程と、
前記圧電基板をエッチングする圧電エッチング工程と、
を含むことを特徴とする圧電振動片の製造方法。 - 前記ベースエッチング工程により前記ベース基板のエッチングを行った後、前記圧電エッチング工程により前記圧電基板のエッチングを行うことを特徴とする請求項1に記載の圧電振動片の製造方法。
- 前記圧電エッチング工程により前記圧電基板のエッチングを行った後、前記ベースエッチング工程により前記ベース基板のエッチングを行うことを特徴とする請求項1に記載の圧電振動片の製造方法。
- 請求項1乃至3の何れか一項記載の圧電振動片の製造方法により製造し、且つ、厚み方向を電気軸に沿って形成した圧電振動片を用いて構成されることを特徴とする圧電振動素子。
- 請求項1乃至3の何れか一項記載の圧電振動片の製造方法により製造した圧電振動片と、
該圧電振動片の振動腕の表面の両側縁にそれぞれ形成され、互いに異極となるようにされた第1の電極と、
該第1の電極の表面に形成した圧電薄膜と、該圧電薄膜を挟んで前記第1の電極と対となるように前記圧電薄膜の表面に形成された第2の電極と、
を有することを特徴とする圧電振動素子。
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