JP2008160253A - 振動子及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、振動特性に優れた高い信頼性と高い精度を兼ね備えた小型で高周波数対応の振動子を提供することを目的としている。さらに高い信頼性と高い精度を兼ね備えた小型で高周波数対応の振動子の製造方法を提供することを目的としている。
【解決手段】ATカットの水晶からなる板状の薄板部材と、薄板部材の片面の一部に接合されるシリコンからなる補強部材とを有しており、薄板部材の補強部材が接合されていない部分が振動する。また、その製造方法は、水晶ウェハーとシリコンウェハーを接合する接合工程と、シリコンウェハーと接合された水晶ウェハーを所望の厚みに加工する薄板化工程と、水晶ウェハーと接合されたシリコンウェハーをエッチング法によって加工するエッチング工程と、水晶ウェハーに電極を形成する電極形成工程と、接合された水晶ウェハーとシリコンウェハーを振動子の大きさに加工する小片化工程とからなる。
【選択図】図1

Description

カーエレクトロニクス製品や携帯型電子機器などに用いられる小型の振動子とその製造方法に関し、特に生産性に優れ、高い信頼性と高い精度を有する小型の振動子とその製造方法に関する。
近年、各種通信機器の高周波数化や、PCに代表される電子機器の動作周波数の高周波数化にともなって、それらの機器に組み込まれる振動子にも高周波数化の要求が高まっている。
こうした状況の中で、高周波数化に対応した振動子としては、水晶を用いた水晶振動子が安価で小型化が可能であるという理由から広く普及している。
一般に水晶振動子は水晶の結晶軸からの切り出し角度によって、使用する振動の周波数温度特性が大きく影響することが知られている。そこで古くから、常温付近で安定した振動を得られる切り出し角の研究が行われており、多くの切り出し面(カット面)が考案されている。中でも、ATカットと呼ばれるカット面は、常温付近で安定した高周波数の厚み滑り振動を発生させることができるため、高周波数対応の水晶振動子に最も多く利用されている。なおATカットは、水晶のX軸に平行でZ軸から35度15分の角度で切り出したカット面のことを言う。
以下に従来最も多く使われているATカットによる厚み滑り振動を利用した水晶振動子を示す。
図4は従来の水晶振動子の構造を示した断面図である。図4(a)は水晶片105の片面にキャビティ(凹部)を形成して板厚の薄い部分(薄肉部)を設けた構造の水晶振動子50である(例えば、特許文献1参照。)。図4(b)は水晶片106の両面にキャビティ(凹部)を形成して板厚の薄い部分(薄肉部)を設けた構造の水晶振動子60である(例えば、特許文献2参照。)。なお、このようなキャビティを形成した水晶振動子50、60のことを、通常、逆メサ型水晶振動子と称している。
図4(a)の水晶振動子50、図4(b)の水晶振動子60、いずれとも、水晶片105、106はATカットの水晶ウェハーから加工されたものであり、薄肉部の両面に電極205、206を形成して電界を印可することにより、水晶片105、106の薄肉部に厚み滑り振動を発生させている。厚み滑り振動は薄肉部の厚みが薄ければ薄いほど高周波数にすることが可能であり、従来の水晶振動子50、60では10〜20μm程度の厚みで薄肉部が形成されることが多かった。
図5は従来の水晶振動子の製造方法を示した図である。図4(a)に示す片面にキャビティが形成された水晶振動子50も、図4(b)に示す両面にキャビティが形成された水晶振動子60も、基本的な製造方法はほぼ同じである。よって、ここでは、図4(a)に示す片面にキャビティが形成された水晶振動子50を例に挙げ、その製造方法を説明する。
まず、図5(a)に示すように、水晶ブロックからATカット面で水晶ウェハー125(一般にAT板と称する。)を切り出し、表面を研磨加工して、水晶ウェハー125が所望の厚み(例えば、50〜60μm程度)になるように形成する。本工程を研磨工程と称
する。
次に、水晶ウェハー125を、部分的にエッチングして、10〜20μm程度の厚みで薄肉部が残るように、キャビティを形成する(図5(b))。なお、エッチングの方式としては、ドライエッチング法、ウェットエッチング法等が利用されていた。本工程をエッチング工程と称する。
次に、図5(c)に示すように、水晶ウェハー115の薄肉部を両面から挟むようにして電極205を形成する。なお電極205は外部に電気信号を取り出すため、振動特性に直接関係しない厚肉部にも一部形成されている。本工程を電極形成工程と称する。
最後に、図5(d)に示すように、水晶ウェハー115をダイシング加工により小片化し、水晶片105の表面に電極205が形成された水晶振動子50が完成する。本工程を小片化工程と称する。
特開2006−5676号公報(第4頁、図1) 特開2005−354588号公報(第10頁、図20)
従来の水晶振動子50、60において、水晶片105、106に形成されるキャビティは、ドライエッチング法、ウェットエッチング法等によって加工されていた。これらエッチング加工法は、微細な形状を形成するには優れた加工法であるが、加工面の面粗度や平坦度に関して言えば、それほど優れた加工法とは言い難い。
図6は従来の水晶振動子の製造方法におけるエッチング工程での不良例を示した図である。ドライエッチング法によってキャビティを加工すると、図6(a)に示すように、その加工面は粗く加工されてしまい、水晶片105の振動部である薄肉部は非常に面粗度が悪くなってしまう。このように面粗度が悪い状態の水晶片106を使って水晶振動子50を完成させると、必要とされる振動以外にも多くの余計な振動が発生してしまい、振動特性に優れた高い信頼性を有する水晶振動子50を得ることは難しかった。
一方、ウェットエッチング法によってキャビティを加工すると、図6(b)に示すように、その加工面の平坦度は悪くなってしまい、水晶片106の振動部である薄肉部の厚みは均一でなくなってしまう。薄肉部の厚みは厚み滑り振動の周波数に直接影響するので、このように薄肉部の厚みが均一でない水晶片106を使って水晶振動子60を完成させると、必要とする周波数と異なった周波数の振動が発生してしまう。その結果、高い精度を有する水晶振動子60を得ることは難しかった。
本発明は、面粗度が良好で、且つ平坦度に優れ厚みが均一な振動部(薄肉部)を達成することで、振動特性に優れた高い信頼性と高い精度を兼ね備えた小型で高周波数対応の振動子を提供することを目的としている。さらに高い信頼性と高い精度を兼ね備えた小型で高周波数対応の振動子の製造方法を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明の振動子は、厚み滑り振動を利用した振動子において、水晶からなる板状の薄板部材とこの薄板部材を補強するための補強部材とを有し、この薄板部材は、少なくとも一方の面の一部に補強部材を接合し、補強部材が接合されてい
ない非接合部で薄板部材が振動することを特徴としている。
さらに、薄板部材はATカットの水晶であるのが望ましい。
さらには、補強部材はシリコンからなるのが望ましい。
また、本発明の振動子の製造方法は、厚み滑り振動を利用した振動子の製造方法において、水晶ウェハーとシリコンウェハーを接合する接合工程と、シリコンウェハーに接合された水晶ウェハーを所定の厚みに加工する薄板化工程と、水晶ウェハーに接合されたシリコンウェハーをエッチング法によって加工するエッチング工程と、水晶ウェハーに電極を形成する電極形成工程と、接合された水晶ウェハーとシリコンウェハーとを振動子の大きさに加工する小片化工程とを有することを特徴としている。
さらに、水晶ウェハーはATカットされた水晶ウェハーであるのが望ましい。
(作用)
本発明の振動子では、非常に薄く、板厚が均一で、面精度が良好な水晶からなる薄板部材を形成し、その薄板部材を厚み滑り振動させることによって、高い信頼性と高い精度での振動を可能にした。
但し、高周波数の振動数を達成させるためには、薄板部材を非常に薄く形成する必要があり、高周波数対応にすればするほど薄板部材の強度は低下してしまう。そこで、本発明では薄板部材の片面の一部に強度を保つための補強部材を接合し、薄板部材と補強部材が積層構造をなす振動子にした。これにより、強度的な信頼性も確保することができた。
なお、薄板部材にはATカットの水晶を用いるのが望ましい。ATカットと呼ばれるカット面は、常温付近で安定した高周波数の厚み滑り振動を発生させることができるため、振動特性の面で高い信頼性を得ることができる。
一方、補強部材にはシリコン(Si)を用いるのが望ましい。SiはLSI分野で大量に使われているため、安価で入手できる。さらに、近年ではMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術の急速な進歩により、微細で精度の高い加工が可能になった。よって本発明の補強部材にSiを用いれば、補強部材を微細な形状で形成することができるので振動子の小型化が容易になる。
本発明の振動子において、最も重要な点は、非常に薄く、板厚が均一で、面粗度が良好な薄板部材を形成する点にある。
本発明の振動子の製造方法では、薄板部材となる水晶ウェハーを補強部材となるSiウェハーと接合してから水晶ウェハーを研磨して薄く加工している。水晶ウェハーだけの状態で数十ミクロンの薄さに研磨加工すると、強度が低下し、加工中に割れ等の不良を発生してしまうが、Siウェハーと接合してからであれば、高い強度を保ったまま研磨加工が可能であるので、割れ等の不良を防ぐことができる。
また、研磨加工は加工面全体を均等に加工することができるので、もともと平坦で板厚が均一な水晶ウェハーは、薄く加工された後でも均一な板厚を保つことができる。
また本発明の振動子の製造方法では、薄板部材となる水晶ウェハーを薄くした後、補強部材となるSiウェハーをエッチングして、部分的に薄い水晶ウェハーを露出させる。Siウェハーのエッチングは、ドライエッチング法であっても、ウェットエッチング法であ
ってもかまわない。ドライエッチング法もウェットエッチング法も、Siのエッチング条件と水晶のエッチング条件は異なっているので、本発明の製造方法のようにSiウェハーをエッチングし続け、水晶ウェハーが加工部に露出したとしても、水晶ウェハーがエッチングされてしまうことはない。そのため、水晶ウェハーは元の鏡面に近い状態(面精度が良好な状態)で、加工部に露出することになる。なお、水晶ウェハーのSiウェハーが接合されていない側の面は研磨加工によって加工された面であり、当然のごとく、こちらの面も面粗度は良好である。
その後、水晶ウェハー、Siウェハーの大きさの状態で電極を形成するが、この電極形成工程はLSI分野で通常的に行われている工程なので、精度は良く、且つ信頼性も高い。
そして最後にダイシング法等によって、所望の振動子の大きさに小片化する。この製造方法では、振動子の大きさが小さくなればなるほど、一枚の水晶ウェハーから取り出せる個数は多くなるので、大量生産に適している。
なお、後に薄板部材となる水晶ウェハーにはATカットの水晶ウェハーを用いるのが望ましい。ATカットと呼ばれるカット面は、常温付近で安定した高周波数の厚み滑り振動を発生させることができるため、振動特性の面で高い信頼性を得ることができる。
本発明によれば、振動特性に優れた高い信頼性と高い精度を兼ね備えた小型で高周波数対応の振動子を提供することができる。また生産性に優れた高い信頼性と高い精度を兼ね備えた小型で高周波数対応の振動子の製造方法を提供することができる。
(第1の実施形態)
図1は本発明の振動子を示した図である。なお図1(a)は本発明の振動子を斜め上方から見た図であり、図1(b)はA−A断面を示した図である。図1に示すように、本発明の振動子10は水晶からなる板状の薄板部材100と、薄板部材100の片面の外周部に接合される補強部材300と、薄板部材100の両面に形成され、さらに補強部材300に向かって配線される電極200とで構成されている。
本発明の振動子10における振動部分は薄板部材100である。本発明では薄板部材100にATカットの水晶を用いるのが望ましい。ATカットと呼ばれるカット面は、常温付近で安定した高周波数の厚み滑り振動を発生させることが可能であり、振動特性の面で高い信頼性を得ることができる。本実施形態では、ATカットの水晶からなる薄板部材100を10μm厚という非常に薄い厚みで形成することによって、155MHzという高周波数の振動を安定して得ることができた。
なお、このように高周波数の振動を達成させるためには、薄板部材100を非常に薄く形成する必要があり、高周波数対応にすればするほど強度は低下してしまう。そこで、本発明の振動子10では、薄板部材100の片面の外周部に補強部材300を接合し、薄板部材100と補強部材300とを積層構造にすることによって、強度を確保している。これにより強度的にも信頼性を得ることができた。そして、補強部材300が接合されない非接合部100aで薄板部材100が振動し、高周波数を高精度に出力している。
このように補強部材300は強度を確保すること目的とするものなので、補強部材300に使用する材料は、ある程度の強度を有する材料であれば、特に限定されるものではない。本実施形態では、LSI分野で大量に使われているため安価であるという利点と、近
年のMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術の急速な進歩により、微細で精度の高い加工が可能になったという利点を考慮し、補強部材300にシリコン(Si)を利用した。
図2は本発明の振動子の製造方法を示した図である。以下に、本実施形態の振動子10の製造方法について説明する。
まず始めに、図2(a)に示すように、厚みが一定で、且つ面精度も優れた水晶ウェハー120とSiウェハー320を用意し、それぞれを接合する。本実施形態では、研磨加工及びポリッシング加工を施した100μmの厚みのATカットされた水晶ウェハー120と、同様に研磨加工及びポリッシング加工を施した100μmの厚みのSiウェハー320をそれぞれ用意し、それらを表面活性化接合法によって接合させた。本発明では本工程を接合工程と称している。
次に、図2(a)で接合された水晶ウェハー120とSiウェハー320に対して、水晶ウェハー120側の面を研磨加工し、図2(b)に示すように、水晶ウェハー110が所定の厚さになるまで薄くする。本発明では本工程を薄板化工程と称する。なお本実施形態では、本工程で水晶ウェハー110を10μmの厚みにした。また本実施形態では、研磨加工だけでなくポリッシング加工も行うことによって、水晶ウェハー110の加工表面を滑らかにすることができた。
本発明の振動子10の製造方法では、のちに薄板部材100となる水晶ウェハー120を、のちに補強部材300となるSiウェハー320を接合してから、水晶ウェハー120を研磨して薄い水晶ウェハー110に加工している。
Siウェハー320が接合されていない水晶ウェハー120だけの状態で、本実施形態のように10μmの薄さまで研磨加工すると、水晶ウェハー120の強度が低下し、加工中に割れてしまう危険性が高いが、Siウェハー320と接合されている状態であれば、高い強度を保ったまま研磨加工が可能であるので、割れの発生を防ぐことができる。
また、研磨加工は加工面全体を均等に加工することができ、水晶ウェハー120のどの位置においても加工量が一定であるので、本実施形態のようにもともと平坦で板厚が均一な水晶ウェハー120であれば、薄く加工された水晶ウェハー110の状態になっても、均一な板厚を保つことができる。
次に、Siウェハー320をドライエッチング法によって加工し、最終的に図2(c)に示すような、水晶ウェハー110の所定の領域が表面に現れるまで貫通させたSiウェハー310を形成する。本発明では本工程をエッチング工程と称する。
なお、通常ドライエッチング法において、Siをエッチングすることのできる条件と、水晶をエッチングすることのできる条件はまったく異なっている。すなわち本発明の製造方法のように、Siウェハー310をエッチングし続け、水晶ウェハー110が加工部に露出したとしても、水晶ウェハー110はほとんどエッチングされることはない。
よって、水晶ウェハー110は、Siウェハー320と接合される前に施された研磨加工とポリッシング加工で得られた鏡面に近い状態(面精度が良好な状態)が、加工部分に露出することになる。
その後、図2(d)に示すように、水晶ウェハー110、Siウェハー310の上部に所望の形状で電極200を形成する。本発明では本工程を電極形成工程と称する。この電
極形成工程はLSI分野で通常的に行われているフォトリソグラフィー法とエッチング法による工程を流用すれば、高い精度で、且つ信頼性も高い電極形成が可能である。
本実施形態では、下層が0.03μm厚のクロム(Cr)膜で、上層が0.1μm厚の金(Au)膜からなる、積層構造の電極200を形成した。
そして最後に、図2(e)に示すように、ダイシング法等の切断加工法によって、所望の振動子10の大きさに小片化し、水晶からなる板状の薄板部材100と、薄板部材100の片面の外周部に形成される補強部材300と、薄板部材100の両面に形成され、さらに補強部材300に向かって配線される電極200とで構成される振動子10が完成する。なお本発明では本工程を小片化工程と称している。
このような本発明の製造方法において、振動子10の大きさが小さくなればなるほど、一枚の水晶ウェハー120から多くの振動子10を製造することができる。すなわち振動子10が小型化されればされるほど、大量生産に適している。
また、上述のように、本発明の振動子10は、LSI製造技術やMEMS技術を利用して製造されるので、微細で精度の高い加工が可能であり、振動子10の小型化に適している。
なお、本実施形態の振動子10では、薄板部材100の片方の面に補強部材300が構成されている例を示したが、振動子10の強度をより高めるために、薄板部材100の両方の面に補強部材300を構成してもよい。このような構成は、図2(c)に示すエッチング工程の後に、水晶ウェハー110(後に薄板部材100となる)のSiウェハー310(後に補強部材300となる)が接合されていない側の面に、さらに別のSiウェハー310(後に補強部材300となる)を接合する工程を追加することによって製造することが可能である。
(第2の実施形態)
図3は本発明の別の振動子の製造方法におけるエッチング工程から小片化工程までを示した図である。本発明の別の振動子11の製造方法において、接合工程と薄板化工程は、図2に示す振動子10の製造方法と同じである。
本実施形態でも、接合工程は、図2(a)に示すように、厚みが100μmで一定で、且つ面精度が優れたATカットされた水晶ウェハー120と、表面が<100>面であるSiウェハー320を用意し、それぞれを接合する。
さらに薄板化工程では、図2(b)に示すように、研磨加工とポリッシング加工によって水晶ウェハー110が10μmの厚さになるまで薄くした。
本実施形態の別の振動子11の製造方法の最も大きな特徴は、次工程のエッチング工程でウェットエッチング法を用いている点である。表面が<100>面であるSiウェハー320(図2(a))をウェットエッチング法によって加工すると、Si特有のエッチング異方性により、図3(c)に示すような、表面311aに対して約50度の角度をなす側壁面311bを有するSiウェハー311が形成される。なお、ウェットエッチング法での加工は水晶ウェハー110の所定の領域が表面に現れるまで行われる。
本実施形態では、水酸化カリウム(KOH)水溶液を用いて、Siウェハー311のウェットエッチングを行った。KOH水溶液によるウェットエッチングにおいて、Siがエッチングされる加工速度と、水晶がエッチングされる加工速度は大きく異なっており、その結果、Siウェハー311をエッチングし続け、水晶ウェハー110が加工部に露出したとしても、水晶ウェハー110はほとんどエッチングされることはなかった。
よって、水晶ウェハー110は、Siウェハー320と接合される前に施された研磨加工とポリッシング加工で得られた鏡面に近い状態(面精度が良好な状態)が、加工部分に露出した。
その後、図3(d)に示すように、水晶ウェハー110、Siウェハー311の上部に所望の形状で電極201を形成する(電極形成工程)。本実施形態でも、LSI分野で通常的に行われている電極形成工程を用いて電極201を形成したが、本実施形態の場合、壁面311bが表面311aに対して垂直な角度ではないので、稜線部311c(表面311aと側壁面311bの境界部分)での断線の心配はほとんど無く、電極201の信頼性がより向上する。
なお本実施形態では、下層が0.03μm厚のクロム(Cr)膜で、上層が0.1μm厚の金(Au)膜からなる、積層構造の電極201を形成した。
そして最後に、図3(e)に示すように、ダイシング法等の切断加工法によって、所望の振動子11の大きさに小片化し、水晶からなる板状の薄板部材100と、薄板部材100の片面の外周部に形成される補強部材301と、薄板部材100の両面に形成され、さらに補強部材301に向かって配線される電極201とで構成される振動子11が完成する。
本発明の第1の実施形態における振動子を示した図である。 本発明の第1の実施形態における振動子の製造方法を示した図である。 本発明の第2の実施形態の振動子の製造方法におけるエッチング工程から小片化工程までを示した図である。 従来の水晶振動子の構造を示した断面図である。 従来の水晶振動子の製造方法を示した図である。 従来の水晶振動子の製造方法におけるエッチング工程での不良例を示した図である。
符号の説明
10、11 振動子
50、60 水晶振動子
100 薄板部材
100a 非接合部
105、106 水晶片
110、115、116、117、120、125 水晶ウェハー
200、201、205、206 電極
300、301 補強部材
310、311、320 Siウェハー
311a 表面
311b 側壁面
311c 稜線部

Claims (5)

  1. 厚み滑り振動を用いた振動子において、
    水晶からなる板状の薄板部材と、
    この薄板部材を補強するための補強部材と、を有し、
    前記薄板部材は、少なくとも一方の面の一部に前記補強部材を接合し、前記補強部材が接合されていない非接合部で前記薄板部材が振動することを特徴とする振動子。
  2. 前記薄板部材はATカットの水晶であることを特徴とする請求項1に記載の振動子。
  3. 前記補強部材はシリコンからなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の振動子。
  4. 厚み滑り振動を利用した振動子の製造方法において、
    水晶ウェハーとシリコンウェハーを接合する接合工程と、
    前記シリコンウェハーに接合された前記水晶ウェハーを所定の厚みに加工する薄板化工程と、
    前記水晶ウェハーに接合された前記シリコンウェハーをエッチング法によって加工するエッチング工程と、
    前記水晶ウェハーに電極を形成する電極形成工程と、
    接合された前記水晶ウェハーと前記シリコンウェハーとを振動子の大きさに加工する小片化工程とを有することを特徴とする振動子の製造方法。
  5. 前記水晶ウェハーはATカットされた水晶ウェハーであることを特徴とする請求項4に記載の振動子の製造方法。
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