JPH08186467A - 拡がり振動型圧電振動子およびその製造方法 - Google Patents

拡がり振動型圧電振動子およびその製造方法

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JPH08186467A
JPH08186467A JP34026194A JP34026194A JPH08186467A JP H08186467 A JPH08186467 A JP H08186467A JP 34026194 A JP34026194 A JP 34026194A JP 34026194 A JP34026194 A JP 34026194A JP H08186467 A JPH08186467 A JP H08186467A
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thin film
support beam
vibration
piezoelectric vibrator
piezoelectric thin
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Application number
JP34026194A
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English (en)
Inventor
Masaki Takeuchi
雅樹 竹内
Yasuo Fujii
康生 藤井
Tomoji Iyoda
友二 伊豫田
Katsuhiko Tanaka
克彦 田中
Akihiko Shibata
明彦 柴田
Hidekazu Takada
英一 高田
Yoji Yamamoto
洋司 山本
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Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
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  • Piezo-Electric Or Mechanical Vibrators, Or Delay Or Filter Circuits (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 拡がり振動型圧電振動子において、共振振動
の機械的品質係数Qmを向上させると共に、1〜10M
Hzの共振周波数に設定可能として支持梁の機械的強度
を向上させる。 【構成】 圧電振動子1をシリコン材料からなる枠体2
と、枠体2に対抗する支持梁3,3を介して支持された
振動部4とから構成する。振動部4はシリコン材料から
なり支持辺6A,6Aと開放辺6B,6Bを有する振動
板6と、振動板6上に設けられた圧電薄膜7と、圧電薄
膜7の上,下に設けられた上側電極9,下側電極10と
から構成する。また、振動板6(振動部4)を正方形状
に形成し、一辺の長さ寸法の所定寸法に設定すれば、共
振周波数を1〜10MHzに設定できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、発振器,メカ
ニカルフィルタ等に用いて好適な圧電振動子に関し、特
にシリコン基板上に薄膜圧電材料を着膜形成すると共
に、圧電体の拡がり振動を用いた拡がり振動型圧電振動
子に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、半導体微細加工技術により酸化
亜鉛(ZnO)等の薄膜圧電材料を基板上に着膜形成し
た圧電振動子は知られている。このような圧電振動子
は、マイクロエレクトロニクス等の分野において発振器
やメカニカルフィルタとして用いられる。
【0003】ここで、従来技術による圧電振動子とし
て、特開昭59−141813号公報の記載によるもの
は、シリコン基板上に酸化亜鉛(ZnO)の圧電体から
なる圧電薄膜を形成した複合構造の振動部を有する圧電
振動子である。また、この従来技術による圧電振動子は
圧電体の厚み振動モードを利用しており、その共振周波
数は例えば100MHz〜1GHzである。
【0004】また、厚み振動の共振周波数は圧電薄膜を
含む圧電振動子の厚さに反比例するので、共振周波数を
数10MHz以上の高い周波数に設定して使用するのに
適している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術では、圧電体の厚み振動モードを使用しているた
め、共振周波数を例えば100MHz以上の高い周波数
に設定するのには好適だが、共振周波数を1〜10MH
zの比較的低い周波数に設定することが困難であるとい
う問題がある。
【0006】例えば、従来技術のように圧電薄膜(圧電
体)の厚み振動モードを用いた場合には、共振周波数を
100MHzに設定したいときには、圧電薄膜を含む圧
電振動子の厚さは10μm程度が必要である。しかし、
この圧電振動子の共振周波数を下げて1〜10MHzに
設定するためには、圧電薄膜を含む圧電振動子の厚さを
数10倍〜数100倍と厚くしなければならず、実際に
製造することができないという問題がある。
【0007】そこで、他の従来技術として特開昭61−
46609号公報の記載による拡がり振動型圧電振動子
がある。この圧電振動子は、圧電薄膜(圧電体)の拡が
り振動モードを使用しており、この圧電薄膜をインバ,
エリンバ等の合金材料からなる基板上に形成している。
この場合、拡がり振動モードの共振周波数は、圧電薄膜
を形成している振動部分の輪郭形状に依存する。例え
ば、圧電薄膜を形成している振動部分の形状が正方形な
らば、当該圧電振動子の共振周波数は、正方形の一辺の
長さ寸法に反比例する関係にある。これにより、圧電薄
膜を形成している振動部分の正方形の一辺の長さ寸法を
所定寸法に設定すれば、共振周波数を1〜10MHzに
設定することが可能であり、圧電薄膜の厚さとは無関係
であるから、圧電薄膜を薄く形成することができる。
【0008】しかし、他の従来技術による圧電振動子
は、基板が合金材料であるため、加工性が悪く、微細加
工が困難であるという問題がある。
【0009】一方、圧電体として、例えばPZTを用い
た圧電振動子においては、機械的品質係数Qmが低くな
り、また製造面において寸法精度が悪いため、微細加工
が困難であるという問題がある。
【0010】さらに、水晶を用いた振動子では、水晶の
コストが高く、回路との一体化等、デバイスの複合化が
困難であるという問題がある。
【0011】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、機械的品質係数Qmを向上させると共
に、共振周波数を1〜10MHz程度の比較的低い周波
数に設定し、かつマイクロデバイスとして使用できる程
度に小型化した拡がり振動型圧電振動子とその製造方法
を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、請求項1の発明が採用する拡がり振動型圧電振
動子の構成は、半導体により形成された基板部と、該基
板部から互いに対向して延びるように該基板部と一体的
に形成された一対の支持梁と、該各支持梁間で支持され
た振動部とを備え、該振動部は、各支持梁と一体に形成
された振動板と、該振動板上に設けられた圧電薄膜と、
該圧電薄膜上に着膜形成された上側電極と、前記振動板
上に位置して前記圧電薄膜の下側に着膜形成された下側
電極とからなる。
【0013】また、請求項2の発明が採用する拡がり振
動型圧電振動子の構成は、半導体により形成された基板
部と、該基板部から互いに対向して延びるように該基板
部と一体的に形成された一対の支持梁と、該各支持梁間
で支持された振動部とを備え、該振動部は、各支持梁と
一体に形成された振動板と、該振動板上に設けられた圧
電薄膜と、該圧電薄膜上に着膜形成された上側電極と、
前記振動板上に位置して前記圧電薄膜の下側に着膜形成
された下側電極とからなり、かつ前記支持梁の厚さを、
前記振動板の厚さよりも大となるように形成したことに
ある。
【0014】請求項3の発明では、前記支持梁はその下
面を振動板から基板部に向けて漸次厚くなる傾斜面とし
て形成したことにある。
【0015】請求項4の発明では、前記基板部はシリコ
ン材料によって形成され、前記支持梁はその下面をシリ
コンの(111)面によって形成したことにある。
【0016】請求項5の発明では、前記基板部はシリコ
ン材料によって形成され、前記支持梁はその下面をシリ
コンの(111)面によって形成したことにある。
【0017】請求項6の発明では、前記振動板は各支持
梁で支持される対向した辺が支持辺となり他の2辺が開
放辺となった矩形状に形成し、該振動板の支持辺の長さ
寸法をaとし、開放辺の長さ寸法をbとした場合、その
比率b/a>0.5としたことにある。
【0018】請求項7の発明では、前記支持梁には、前
記支持部の共振周波数と同一周波数で振動を行う動吸振
部を形成したことにある。
【0019】また、請求項8の発明が採用する拡がり振
動型圧電振動子の製造方法は、シリコンウェハの表面に
形成した酸化膜をエッチングして一方の表面に所定のエ
ッチングパターンを形成する工程と、エッチングパター
ンを利用して異方性エッチングを施して傾斜面が(11
1)面となり底面が(100)面となる凹溝を形成する
工程と、前記シリコンウェハの他方の表面に圧電薄膜お
よび電極を着膜形成する工程と、前記凹溝の底面の部分
は他方の表面からドライエッチングして振動部を形成す
る工程とからなる。
【0020】さらに、請求項9による拡がり振動型圧電
振動子の製造方法は、請求項8による製造方法における
所定のエッチングパターンを形成する工程と凹溝を形成
する工程との間には、前記酸化膜のエッチングパターン
の上に窒化膜によるエッチングパターンを形成し、この
エッチングパターンを利用して異方性エッチングを施し
て傾斜面が(111)面となり底面が(100)面とな
る他の凹溝を形成する工程を含んでなる。
【0021】
【作用】請求項1の発明では、振動部を構成する振動板
を例えばシリコン材料によって形成することにより、機
械的強度を大きくすることができ、振動部の機械的品質
係数Qmを増加させることができる。
【0022】また、請求項2の発明では、支持梁の厚さ
を、振動板の厚さよりも大となるように形成したから、
該支持梁の機械的強度を高め、当該支持梁の破損を防止
することができる。
【0023】請求項3の発明のように、支持梁の下面を
基板部に向けて漸次厚くなる傾斜面とすることにより、
該支持梁の機械的強度を高め、当該支持梁の破損を防止
できる。
【0024】請求項4の発明のように、基板部をシリコ
ン材料によって形成し、支持梁の下面をシリコンの(1
11)面によって形成することにより、支持梁の下面は
振動板から基板部に向けて(111)面で傾斜した面と
することができ、支持梁の厚さ寸法を振動板の厚さ寸法
よりも厚くして、該支持梁の機械的強度を高めることが
できる。
【0025】請求項5の発明のように、支持梁の下面を
シリコンの(111)面と(100)面とによって形成
することにより、支持梁の下面は振動板から基板部に向
けて(111)面と(100)面とによる傾斜した面と
水平面の段付状とすることができ、支持梁の厚さ寸法を
振動板の厚さ寸法よりも厚くして、該支持梁の機械的強
度を高めることができる。
【0026】請求項6の発明のように、前記振動板と支
持梁との関係を、該振動板の対向する2辺を支持梁で各
々支持し、他の2辺を開放辺としたから、この形状から
圧電薄膜の振動モードを拡がり振動モードとすることが
できる。
【0027】請求項7の発明のように、動吸振部が振動
部の共振周波数と同一の周波数で振動することにより、
振動部の機械的な振動エネルギが基板部側に伝搬される
のを緩和し、振動部の振動エネルギの損失を減少させる
と共に、支持梁の歪み振動を緩和し、該支持梁と基板部
の支持部位における応力集中を減少できる。
【0028】また、請求項8の発明による拡がり振動型
圧電振動子の製造方法では、所定のエッチングパターン
を形成する工程によりシリコンウェハの表面に形成した
酸化膜にエッチングを施して形成し、凹溝を形成する工
程によりこのエッチングパターンを利用して異方性エッ
チングを施して傾斜面が(111)面,底面が(10
0)面となる凹溝を形成し、圧電薄膜および電極を着膜
形成する工程により前記シリコンウェハの他方の表面に
圧電薄膜および電極を着膜形成し、振動部を形成する工
程により前記底面の部分を他方の表面からドライエッチ
ング施して振動部を形成する。これにより、該振動部を
支持する支持梁の下面をシリコンの(111)面によっ
て形成できる。
【0029】さらに、請求項9の発明による製造方法で
は、請求項8の製造方法における所定のエッチングパタ
ーンを形成する工程と凹溝を形成する工程との間に、傾
斜面が(111)面,底面が(100)面となる第1の
凹溝を形成する工程を含むことにより、枠体と振動部と
の間に(111)面の傾斜と(100)面の水平面とな
る段差を形成でき、よって支持梁の下面を(111)面
と(100)面とによる傾斜した面と水平面の段付状と
することができる。
【0030】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1ないし図35を
参照しつつ詳述する。
【0031】まず、本発明の第1の実施例を図1ないし
図8に基づいて説明する。
【0032】図中、1は本実施例による拡がり振動型圧
電振動子を示し、該圧電振動子1は、基板部としての枠
体2と、該枠体2の対向する内周面から互いに対向して
延びるように該枠体2に一体的形成された一対の支持梁
3,3と、該各支持梁3を介して支持された振動部4と
から大略構成されている。
【0033】即ち、枠体2はシリコン材料からなり、そ
の中心部位がエッチング処理により除去され、外形は正
方形をなして形成されている。また、該枠体2の上側表
面には絶縁膜5が形成されている。
【0034】また、各支持梁3は枠体2の内周面のうち
前後方向に対向する各内周面から内側に向けてそれぞれ
延び、振動部4は各支持梁3を介して枠体2に支持され
ている。さらに、振動部4は後述する振動板6,圧電薄
膜7,上側電極9および下側電極10とから大略構成さ
れている。
【0035】6はシリコン材料により各支持梁3と一体
的に形成された振動板を示し、該振動板6は正方形状の
厚さが5〜10μmの薄膜として形成され、該振動板6
の前後方向に対向する側面の長さ方向中央部は振動板6
の寸法aより狭い幅の支持梁3でそれぞれ支持され、そ
の対向する2辺は支持辺6A,6Aとなり、左右方向に
対向する2辺は開放辺6B,6Bとなっている。なお、
本実施例においては、振動板6は正方形状となっている
から、支持辺6Aの長さ寸法aと開放辺6Bの長さ寸法
bはそれぞれ等しい長さとなり、その比率b/aは1と
なる。
【0036】7は振動板6上の絶縁膜8を介してスパッ
タ等の手段によって着膜形成された圧電薄膜を示し、該
圧電薄膜7は酸化亜鉛(ZnO)の圧電体により形成さ
れ、その形状は前記振動板6とほぼ同様の正方形状で、
厚さが3〜10μmの薄膜である。
【0037】ここで、前記圧電薄膜7が着膜形成される
振動板6は正方形状に形成され、かつ該振動板6の支持
辺6A,6Aには枠体2に支持するための支持梁3,3
が形成されると共に、振動板6の他の2辺は開放辺6
B,6Bとなっているから、圧電薄膜7の振動の逃げ道
は開放辺6B,6B方向となる。このため、本実施例に
よる圧電振動子1の振動部4は拡がり振動モードで振動
する。
【0038】また、拡がり振動モードで振動する場合に
は、その共振周波数は圧電体(振動板)の輪郭形状に依
存し、当該圧電薄膜7(振動板6)は正方形状であるか
ら、正方形の一辺の長さ寸法a(b)によって共振周波
数が決定される。例えば、長さ寸法a(b)を300〜
2000μmに設定することにより、共振周波数が1〜
10MHzに設定することができる。なお、該圧電薄膜
7は、当該圧電振動子1の製造の都合上、振動板6上だ
けでなく各支持梁3上,枠体2上の部分にも一体的に形
成されている。
【0039】9は圧電薄膜7上に設けられた上側電極を
示し、該上側電極9はアルミニウム薄膜等によって形成
され、振動板6上に位置して圧電薄膜7の上側表面全体
に亘って接触し、下側電極10と共に圧電薄膜7に電界
を付与する電極部9Aと、該電極部9Aから支持梁3を
伝って枠体2上に伸長し、外部からのリード線等が接続
される端子部9Bとから構成されている。
【0040】10は圧電薄膜7と振動板6との間に位置
して設けられた下側電極を示し、該下側電極10はアル
ミニウム薄膜等によって形成され、振動板6上に位置し
て圧電薄膜7の下側表面全体に亘って接触し、上側電極
9と共に圧電薄膜7に電界を付与する電極部10Aと、
該電極部10Aから支持梁3を伝って枠体2上に伸長
し、外部からのリード線等が接続される端子部10Bと
から構成されている。また、端子部10B上にも前述し
たように圧電薄膜7が形成されているから、該圧電薄膜
7には端子部10Bが外部のリード線と接続するための
コンタクトホール10Cが形成されている。
【0041】本実施例による拡がり振動型圧電振動子1
は上述のように構成されるが、端子部9Bと10Bの間
に1〜10MHzの交流電圧を重畳した3〜5Vの直流
電圧を加えると、圧電薄膜7が振動を始め、これに伴っ
て振動部4は形状によって決まる共振周波数で拡がり振
動をする。例えば、振動部4の表面が矩形であれば、4
つの角部分が最も大きく拡がる態様の振動を行うように
なっている。
【0042】次に、拡がり振動型圧電振動子1の製造方
法を図5ないし図8を参照しつつ述べる。
【0043】まず、図5に示す絶縁膜形成工程におい
て、表面が(100)面であるシリコン材料からなるシ
リコンウェハ11の上面,下面に熱酸化によるSiO2
の絶縁膜12,マスク膜13を形成する。なお、前記シ
リコンウェハ11には、通常、直径が7.5〜15.5
cm程度で、厚さt0 が300μm程度のものが用いら
れ、圧電振動子1を製造するときには、1枚のシリコン
ウェハ上に複数個の圧電振動子1を一度に形成するよう
にしている。そこで、図6以降では説明の便宜上、1個
の圧電振動子1を製造する場合を示す。
【0044】また、前記マスク膜13には、シリコンウ
ェハ11の下側面全面に酸化膜を形成した後に、レジス
トでマスキングしてフォトリソグラフィ技術で酸化膜の
被エンチング部分のレジストを除去し、フッ酸等のエッ
チャントで酸化膜をエッチングすることによって1辺の
長さ寸法がLとなる矩形のエッチングパターン13Aが
形成されている。
【0045】次に、図6に示す第1のエッチング工程に
おいては、シリコンウェハ11をアルカリ系のエッチン
グ溶液(KOH等)によって異方性エッチングを施し、
マスク膜13に形成されたエッチングパターン13Aの
部分を利用して凹溝14を形成すると共に、該凹溝14
上にはダイヤフラム15を形成する。
【0046】次に、図7に示す圧電薄膜形成工程におい
て、シリコンウェハ11上側面の絶縁膜12上に、下側
電極16を着膜形成し、該下側電極16の上側に圧電薄
膜17をスパッタ等の手段により形成し、該圧電薄膜1
7上に上側電極18を着膜形成する。
【0047】最後に、図8に示す第2のエッチング工程
において、シリコンウェハ11にアルカリ系のエッチン
グ液を用いてウエットエッチングを施し、ダイヤフラム
15の外周側部位を貫通させ、図1,図2に示す枠体
2,振動板6等を形成し、圧電振動子1の製造を完了す
る。
【0048】次に、本実施例による圧電振動子1の動作
について説明すると、上側電極9と下側電極10との間
に電界が付与されると、振動板6と各支持梁3の形状に
より振動板6はその共振周波数の拡がり振動モードで振
動する。
【0049】ここで、本実施例による圧電振動子1は、
拡がり振動モードで振動するため、共振周波数は振動板
6の輪郭形状、即ち、正方形の一辺の長さ寸法a(b)
によって決定される。従って、長さ寸法a(b)を30
0〜2000μmとすることにより、共振周波数を1〜
10MHzに設定することができる。
【0050】また、上述した製造方法により、圧電薄膜
7の輪郭形状を容易に微細加工することができるため、
正方形の長さ寸法a(b)を高精度にエッチング加工で
き、所望の共振周波数を正確に設定することができる。
【0051】さらに、振動部4の振動板6をシリコン材
料で形成したから、機械的強度を大きくすることがで
き、機械的品質係数Qmを増加させることができる。ま
た、該振動板6をシリコン材料により形成したから、該
振動板6を上述した製造方法により高い寸法精度をもっ
て容易に微細加工することができる。
【0052】かくして、本実施例によれば、振動部4を
構成する振動板6をシリコン材料により形成すると共
に、圧電体の拡がり振動モードを利用して当該圧電振動
子1を構成したから、共振振動の機械的品質係数Qmを
増加させることができると共に、圧電薄膜7を薄く形成
した状態で、共振周波数を1〜10MHzに設定するこ
とができる。
【0053】即ち、従来技術による圧電振動子では、圧
電体の厚み振動モードを用いていたため、通常、共振周
波数が50MHz〜1GHzであり、共振周波数を1〜
10MHzの比較的低い周波数に設定するには、圧電薄
膜を非現実的な厚さに形成しなければならず、事実上の
製造がほぼ不可能だったのに対し、本実施例による圧電
振動子1は、圧電薄膜7の輪郭形状(長さ寸法a
(b))を所定の長さ寸法にエッチング加工すれば、共
振周波数を容易に1〜10MHzに設定することができ
る。
【0054】また、本実施例によれば、上述の如く圧電
薄膜7を薄く形成することができることに加え、振動板
6をシリコン材料により形成することで、振動板6をエ
ッチング加工して高精度の微細加工ができ、当該圧電振
動子1をマイクロデバイスとして使用できる程度の小型
なものとすることができる。
【0055】さらに、枠体2,振動板6をシリコン材料
によって一体形成することにより、他の半導体電子部品
またはそれらから構成された電子回路と一体化した複合
的なデバイスの製造が可能となり、種々の電子デバイス
として幅広く応用することが可能となる。
【0056】次に、本発明の第2の実施例を図9ないし
図16に基づいて説明する。
【0057】図中、21は本実施例による拡がり振動型
圧電振動子を示し、該圧電振動子21は、基板部として
の枠体22と、該枠体22の対向する内周面から互いに
対向して延びるように該枠体22に一体的に形成された
一対の支持梁23,23と、該各支持梁23を介して支
持された振動部24とから大略構成されている。
【0058】即ち、枠体22はシリコン材料からなり、
その中心部位がエッチング処理により除去され、外形は
正方形をなして形成されている。また、該枠体22の上
側表面には絶縁膜25が形成されている。
【0059】また、各支持梁23は枠体22の内周面の
うち前後方向に対向する各内周面から内側に向けてそれ
ぞれ延び、振動部24は各支持梁23を介して枠体22
に支持されている。さらに、振動部24は後述する振動
板26,圧電薄膜27,上側電極29および下側電極3
0とから大略構成されている。さらに、支持梁23の下
面は振動板26から枠体22に向けて漸次厚くなるシリ
コンの(111)面によって傾斜面23Aとして形成さ
れている。
【0060】26はシリコン材料により各支持梁23と
一体的に形成された振動板を示し、該振動板26は正方
形状の厚さが5〜10μmの薄膜として形成され、該振
動板26の前後方向に対向する側面の長さ方向中央部は
振動板26の幅aより狭い幅の支持梁23でそれぞれ支
持され、その対向する2辺は支持辺26A,26Aとな
り、左右方向に対向する2辺は開放辺26B,26Bと
なっている。なお、本実施例における振動板26は正方
形状となっているから、支持辺26Aの長さ寸法aと開
放辺26Bの長さ寸法bはそれぞれ等しい長さとなり、
その比率b/aは1となっている。
【0061】27は振動板26上の絶縁膜28を介して
スパッタ等の手段によって着膜形成された圧電薄膜を示
し、該圧電薄膜27は酸化亜鉛(ZnO)の圧電体によ
り形成され、その形状は前記振動板26とほぼ同様の正
方形状で、厚さが3〜10μmの薄膜である。
【0062】ここで、前記圧電薄膜27が着膜形成され
る振動板26は正方形状に形成され、かつ該振動板26
の支持辺26A,26Aには枠体22に支持するための
支持梁23,23が形成されると共に、振動板26の他
の2辺は開放辺26B,26Bとなっているから、圧電
薄膜27の振動の逃げ道は開放辺26B,26B方向と
なる。このため、本実施例による圧電振動子21の振動
部24は拡がり振動モードで振動する。
【0063】また、拡がり振動モードで振動する場合に
は、その共振周波数は圧電体(振動板)の輪郭形状に依
存し、当該圧電薄膜27(振動板26)の場合には正方
形状であるから、正方形の一辺の長さ寸法a(b)によ
って共振周波数が決定される。例えば、長さ寸法a
(b)を300〜2000μmに設定することにより、
共振周波数が1〜10MHzに設定することができる。
【0064】29は圧電薄膜27上に設けられた上側電
極を示し、該上側電極29はアルミニウム薄膜等によっ
て形成され、振動板26上に位置して圧電薄膜27の上
側表面全体に亘って接触し、下側電極30と共に圧電薄
膜27に電界を付与する電極部29Aと、該電極部29
Aから支持梁23を伝って枠体22上に伸長し、外部か
らのリード線等が接続される端子部29Bとから構成さ
れている。
【0065】30は圧電薄膜27と振動板26との間に
位置して設けられた下側電極を示し、該下側電極30は
アルミニウム薄膜等によって形成され、振動板26上に
位置して圧電薄膜27の下側表面全体に亘って接触し、
上側電極29と共に圧電薄膜27に電界を付与する電極
部30Aと、該電極部30Aから支持梁23を伝って枠
体22上に伸長し、外部からのリード線等が接続される
端子部30Bとから構成されている。
【0066】本実施例による拡がり振動型圧電振動子2
1は上述のように構成され、端子部29Bと30Bの間
に1〜10MHzの交流電圧を重畳した3〜5Vの直流
電圧を加えると、圧電薄膜27が振動を始め、これに伴
って振動部24は形状によって決まる共振周波数で拡が
り振動をする。例えば、振動部24の表面が矩形であれ
ば、4つの角部分が最も大きく拡がる態様の振動を行う
ようになっている。
【0067】次に、拡がり振動型圧電振動子21の製造
方法について、図13ないし図16を参照しつつ述べ
る。
【0068】まず、図13に示す絶縁膜形成工程におい
て、表面が(100)面であるシリコン材料からなるシ
リコンウェハ31の上面,下面に熱酸化によるSiO2
の絶縁膜32,マスク膜33を形成する。なお、前記シ
リコンウェハ31には、通常、直径が7.5〜15.5
cm程度で、厚さt0 が300μm程度のものが用いら
れ、圧電振動子21を製造するときには、1枚のシリコ
ンウェハ上に複数個の圧電振動子21を一度に形成する
ようにしている。そこで、図14以降では説明の便宜
上、1個の圧電振動子1を製造する場合を示す。
【0069】また、前記マスク膜33には、シリコンウ
ェハ31の下側面全面に酸化膜を形成した後に、レジス
トでマスキングしてフォトリソグラフィ技術で酸化膜の
被エンチング部分のレジストを除去し、フッ酸等のエッ
チャントで酸化膜をエッチングすることによって1辺の
長さ寸法がLとなる矩形のエッチングパターン33Aが
形成されている。
【0070】次に、図14に示す第1のエッチング工程
においては、シリコンウェハ31をアルカリ系のエッチ
ング溶液(KOH等)によって異方性エッチングを施
し、マスク膜33に形成されたエッチングパターン33
Aの部分を利用して凹溝34を形成する。このとき、該
凹溝34の底面34Aは(100)面となり、シリコン
ウェハ31の上面との間には厚さ寸法tのダイヤフラム
35が形成されると共に、凹溝34の傾斜面34B,3
4Bはシリコンウェハ31の下面とのなす角度がθ(θ
=54.7°)となるシリコンの(111)面となる。
【0071】ここで、エッチングパターン33Aの1辺
の長さLは次の数1によって算出することができる。
【0072】
【数1】L={(t0 −t)/tanθ}×2+S 但し、S:ダイヤフラム35(振動板26)の1辺の長
【0073】ここで、上記数1によって長さLを求める
場合の具体例として、例えば、t0=300μm、t=
10μm、S=1000μmとすると、θ=54.7°
であるから、被エッチング部分の1辺の長さL=140
6μmとなる。このように、凹溝34を異方性エッチン
グによって形成することにより、必ず(111)面の傾
斜面34Bが形成できる。
【0074】次に、図15に示す圧電薄膜形成工程にお
いて、シリコンウェハ31上側面の絶縁膜32上に、下
側電極36を着膜形成し、該下側電極36の上側に圧電
薄膜37をスパッタ等の手段により形成し、該圧電薄膜
37上に上側電極38を着膜形成する。
【0075】最後に、図16に示す第2のエッチング工
程において、シリコンウェハ31の上面側からRIE
(反応性イオンエッチング)を施し、ダイヤフラム35
の外周側部位を貫通させ、図1,図2に示す枠体22,
支持梁23および振動部24等を形成し、圧電振動子2
1の製造を完了する。
【0076】これにより、枠体22に支持梁23,23
を介して振動部24を支持することができると共に、前
記各支持梁23の傾斜面23Aを振動板26から枠体2
2に向けて漸次厚くなる(111)面の傾斜面とし得る
から、支持梁23の厚さ寸法を振動板26の厚さ寸法t
よりも厚く形成することができる。そして、支持梁23
の機械的強度を高めることができる。
【0077】本実施例による圧電振動子21はこのよう
に製造されるが、次に本実施例の圧電振動子21の動作
について説明すると、本実施例による圧電振動子21に
おいても第1の実施例と同様の作用効果を得ることがで
き、上側電極29と下側電極30との間に電界を付与す
ることにより、振動板26と各支持梁23の形状により
振動板26はその共振周波数の拡がり振動モードで振動
する。また、当該圧電振動子21は拡がり振動モードで
振動するため、共振周波数は振動板26の輪郭形状、即
ち、正方形の一辺の長さ寸法aとbによって決定され、
長さ寸法aとbを300〜2000μmとすることによ
り、共振周波数を1〜10MHzに設定することができ
る。
【0078】また、上述した製造方法により、圧電薄膜
27の輪郭形状を容易に微細加工することができるた
め、正方形の長さ寸法aとbを高精度にエッチング加工
でき、所望の共振周波数を正確に設定することができ
る。
【0079】さらに、支持梁23は図14で示したよう
に、ダイヤフラム35(振動板26)を形成するための
凹溝34の傾斜面34Bを(111)面とすることによ
り形成しているから、支持梁23の傾斜面23Aを振動
板26から枠体22に向けて漸次厚くなる傾斜面として
形成することができ、各支持梁23の機械的強度を高め
ることができる。これにより、第2のエッチング行程時
における支持梁23の破損を確実に防止し、歩留りを向
上できる。
【0080】かくして、本実施例によれば、圧電体によ
る拡がり振動モードを利用して当該圧電振動子21を構
成したから、共振振動の機械的品質係数Qmを増加させ
ると共に、圧電薄膜27を薄く形成した状態で、共振周
波数を1〜10MHzに設定することができる。
【0081】また、本実施例では、支持梁23の傾斜面
23Aを振動板26から枠体22に向けて漸次厚くなる
傾斜面として形成することにより、各支持梁23の機械
的強度を高め、製造時の損傷を防止し、生産効率を高め
ることができる。
【0082】次に、本発明による第3の実施例を図17
ないし図26に基づいて説明するに、本実施例の特徴
は、支持梁の下面を(111)面と(100)面の段付
き状に形成したことにある。なお、前記第2の実施例と
同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略す
るものとする。
【0083】図中、41は本実施例による拡がり振動型
圧電振動子を示し、該圧電振動子41は第2の実施例で
述べた圧電振動子21とほぼ同様に、シリコン材料によ
り形成された基板部としての枠体42と、該枠体42に
支持梁43,43を介して支持された振動部44とから
構成されている。
【0084】ここで、前記振動部44は、前記第2の実
施例で述べた振動部24と同様に、シリコン材料によっ
て各支持梁43と一体形成され、支持辺45A,45A
と開放辺45B,45Bとが等しい長さ寸法の正方形状
となった振動板45と、該振動板45上の絶縁膜46を
介して設けられた圧電薄膜47と、該圧電薄膜47を上
側表面と下側表面とにそれぞれ接触して配設された上側
電極48と下側電極49とから構成されている。さら
に、上側電極48,下側電極49は振動板45上に位置
する部位が、圧電薄膜47に電界を付与する電極部48
A,49Aとなり、各支持梁43を伝って枠体42上に
伸長した部位が、外部からのリード線等を接続する端子
部48B,49Bとなっているものの、本実施例の特徴
は、各支持梁43の下面を、シリコンの(111)面と
なる傾斜面43A、(100)面による水平面43Bか
らなる段付き状に形成したものである。なお、枠体42
の表面にも絶縁膜50が形成されている。
【0085】即ち、前記各支持梁43の下面には図19
に示すように、振動板45から枠体42に向けて(11
1)面の傾斜面43Aと(100)面の水平面43Bが
漸次厚くなるように段付き状に形成されている。
【0086】なお、本実施例の枠体42には、支持梁4
3の下面をなす水平面43Bに連続する傾斜面42Aが
形成されており、この傾斜面42Aもシリコンの(11
1)面となっている。
【0087】本実施例による拡がり振動型圧電振動子4
1は上述のような構成を有するもので、次に当該圧電振
動子41の製造方法を図20ないし図25に基づいて説
明する。
【0088】まず、図20に示す絶縁膜形成工程におい
ては、前述した第1の実施例における絶縁膜形成工程と
同様に、表面が(100)面であるシリコン材料からな
るシリコンウェハ51の上面,下面に熱酸化によるSi
2 の絶縁膜52,マスク膜53を形成する。
【0089】また、前記マスク膜53には、シリコンウ
ェハ51の下側面全面に酸化膜を形成した後に、レジス
トでマスキングしてフォトリソグラフィ技術で酸化膜の
被エンチング部分のレジストを除去し、フッ酸等のエッ
チャントで酸化膜をエッチングすることによって1辺の
長さ寸法がLとなる矩形のエッチングパターン53Aが
形成されている。
【0090】さらに、図21に示す窒化膜形成行程にお
いては、シリコンウェハ51の上,下表面にシリコン窒
化膜(SiN)54,マスク膜55を形成する。また、
該マスク膜55には1辺の長さ寸法がL′となる矩形の
エッチングパターン55Aが形成される。
【0091】次に、図22に示す第1のエッチング工程
において、シリコンウェハ51にアルカリ系のエッチン
グ液(KOH等)を用いて異方性エッチングを施し、マ
スク膜55のエッチングパターン55Aを利用して他の
凹溝となる第1の凹溝56を形成する。このとき、該第
1の凹溝56の底面56Aは(100)面となると共
に、該底面56Aとシリコンウェハ51の上面との厚さ
寸法がt′となるようにエッチングする。また、第1の
凹溝56には、シリコンウェハ51の下面から第1の凹
溝56の底面56Aに向けて角度θ(θ=54.7°)
となる(111)面の傾斜面56B,56Bが形成され
ている。
【0092】また、図23に示す窒化膜除去行程では、
シリコンウェハ51の上,下面に形成したシリコン窒化
膜54,マスク膜55を熱リン酸によってエッチング除
去する。
【0093】さらに、図24に示す第2のエッチング工
程においては、アルカリ系のエッチング液(KOH等)
を用いて異方性エッチングを施し、マスク膜53のエッ
チングパターン53Aを利用してその中心のシリコンウ
ェハ51の厚さ寸法がtとなるまでエッチングを行い、
第2の凹溝57を形成する。
【0094】ここで、前記第2の凹溝57は、先に形成
された第1の凹溝56に対してエッッチングされるため
に、2段の段付き状に形成されている。即ち、シリコン
ウェハ51の厚さ寸法tの(100)面となる底面57
Aと、該底面57Aからシリコンウェハ51の下面に向
けて延びる(111)面となった第1の傾斜面57B,
57Bと、該各第1の傾斜面57Bから(100)面と
なって形成された水平面57C,57Cと、該各水平面
57Cからシリコンウェハ51の下面に延びる第2の傾
斜面57D,57Dとからなる。また、第2の凹溝57
の底面57Aとシリコンウェハ51の上面との間には厚
さ寸法tの前述した振動板45となるダイヤフラム58
が形成されている。
【0095】ここで、第2の凹溝57が傾斜面57B,
57Dが形成される条件を考えると、下記の数2に示す
ように、マスク膜53のエッチングパターン53Aの1
辺の長さLと、マスク膜55のエッチングパターン55
Aの1辺の長さL′に依存していることがわかる。
【0096】
【数2】L ={(t0 −t)/tanθ}×2+(S
+2S′) L′={(t0 −t)/tanθ}×2+S 但し、S :ダイヤフラム58(振動板46)の1辺の
長さ S′:支持梁43の長さ寸法
【0097】次に、図25に示す圧電薄膜形成工程にお
いて、シリコンウェハ51上面の絶縁膜52上に、下側
電極59を着膜形成し、該下側電極59の上側に圧電薄
膜60をスパッタ等の手段により形成し、該圧電薄膜6
0上に上側電極61を着膜形成する。
【0098】最後に、第3のエッチング工程において、
シリコンウェハ51の上面からRIE(反応性イオンエ
ッチング)を施し、ダイヤフラム58の外周側部位を貫
通させ、図17に示す枠体42,支持梁43および振動
部44等を形成し、圧電振動子41の製造を完了する。
【0099】これにより、枠体42に支持梁43,43
を介して振動部44を支持することができると共に、前
記各支持梁43の下面を振動板45から枠体42に向け
て漸次厚くなる(111)面の傾斜面43Aと、(10
0)面の水平面43Bによって形成することができ、支
持梁43の厚さ寸法を振動板45の厚さ寸法tよりも厚
く形成することができる。そして、支持梁43の機械的
強度を高めることができる。
【0100】このように構成される本実施例の拡がり振
動型圧電振動子41においても、前記第1の実施例と第
2の実施例と同様の作用効果を得ることができる。
【0101】特に、本実施例による圧電振動子41は支
持梁43の長さ寸法S′にかかわらず、該支持梁43の
厚さ寸法t′をシリコンウェハ51の厚さ寸法t0 より
も薄くしたから、ダイヤフラム58の外周側部位を貫通
させる第3のエッチングにおけるエッチング時間を短く
することができ、エッチング工程を簡略化することがで
きる。そして、エッチング時における破損を少なくし
て、第2の実施例よりも歩留りを向上できる。
【0102】なお、前記第3の実施例では、支持梁43
の下面の形状を傾斜面43Aと水平面43Bとからなる
1段の段付状に形成したが、本発明はこれに限らず、図
26に示す第3実施例に対する変形例のように、支持梁
43′の下面を傾斜面43A′,水平面43B′および
傾斜面43C′となる2段の段付状に形成してもよく、
複数段に形成してもよい。
【0103】また、前記第2と第3の実施例では、端子
部29B(48B)と30B(49B)の間には、電界
のみを印加すればよいから、圧電薄膜27(47)と電
極29(48),30(49)の間に絶縁膜を形成し、
この絶縁膜としては酸化シリコン(SiO2 )や窒化シ
リコン(SiN)等でもよく、絶縁膜を形成することに
より電極間の絶縁抵抗を大きくすることができ、さらに
絶縁膜は一方の電極と圧電薄膜の間にのみ形成すればよ
い。
【0104】次に、本発明による第4の実施例を図27
および図28に基づいて説明するに、本実施例の特徴
は、支持梁に動吸振部を設け、振動部の振動エネルギが
基板側に伝搬されるのを緩和するようにしたことにあ
る。なお、本実施例では、前述した第1の実施例による
圧電振動子と同一の構成要素に同一の符号を付し、その
説明を省略するものとする。
【0105】図中、71は本実施例による拡がり振動型
圧電振動子を示し、該圧電振動子71は前記第1の実施
例で述べた圧電振動子1とほぼ同様の構成であるが、該
圧電振動子71は、各支持梁3のうち、振動部4と枠体
2との中間に位置する部位に、長方形状の動吸振部7
2,72が形成されている。
【0106】即ち、該各動吸振部72は、各支持梁3と
一体的に形成された下側板部72Aと、該下側板部72
A上に絶縁膜72Bを介して形成され、酸化亜鉛(Zn
O)の圧電体からなる圧電体部72Cとから構成されて
いる。そして、該圧電体部72Cは、振動部4の圧電薄
膜7と同一の共振周波数で付加振動を行うように設定さ
れている。
【0107】本実施例による圧電振動子71は上述のよ
うな構成を有するもので、各支持梁3に各動吸振部72
を設けた各動吸振部72が振動部4の圧電薄膜7と同一
の共振周波数で付加振動を行うことにより、振動部4の
機械的な振動エネルギが枠体2側に伝搬されるのを緩和
することができる。
【0108】かくして、本実施例によれば、各支持梁3
に各動吸振部72を設けることにより、振動部4の機械
的な振動エネルギが枠体2側に伝搬されるを緩和するこ
とができるため、振動部4の振動エネルギの損失を減少
させることができ、機械的品質係数Qmを増加させるこ
とができる。
【0109】また、動吸振部72により振動部4の機械
的な振動エネルギが各支持梁3を介して枠体2側に伝搬
されるのを緩和できるから、振動部4の機械的振動が各
支持梁3に伝搬されることによって各支持梁3に歪み振
動が生じ、各支持梁3と枠体2との結合部位に応力が集
中するのを効果的に防止することができる。これによ
り、各支持梁3と枠体2との結合部位の機械結合強度を
向上させることができ、各支持梁3の局部的な経時劣
化,破損を確実に防止でき、耐久性の向上を図ることが
できる。また、各支持梁3と枠体2との結合部に応力集
中するのを防止できるため、各支持梁3と枠体2との結
合部を強化すべく各支持梁3の形状を考慮する等の必要
がなくなり、設計段階,製造段階において各支持梁3の
固定方法に制限がなくなる。
【0110】次に、本発明の第5の実施例を図29およ
び図30に基づいて説明するに、本実施例の特徴は、基
板部を凹部を有する基板によって形成し、該凹部内で振
動部を支持する構成としたことにある。なお、本実施例
では、前述した第1の実施例による圧電振動子と同一の
構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するもの
とする。
【0111】図中、81は本実施例による拡がり振動型
圧電振動子を示し、該圧電振動子81は第1の実施例で
述べた圧電振動子1とほぼ同様に、シリコン材料により
形成され、凹部82Aを有する基板部としての基板82
と、該基板82の凹部82A内に一対の支持梁83,8
3を介して振動可能に支持された振動部84とから構成
され、前記基板82の上側面には絶縁膜85が形成され
ている。
【0112】ここで、前記振動部84は、前記第1の実
施例で述べた振動部4と同様に、シリコン材料によって
各支持梁83と一体形成され、支持辺86A,86Aと
開放辺86B,86Bとが等しい長さ寸法の正方形状と
なった振動板86と、該振動板86上の絶縁膜87を介
して設けられた圧電薄膜88と、該圧電薄膜88を上側
表面と下側表面とにそれぞれ接触して配設された上側電
極89と下側電極90とから構成されている。さらに、
上側電極89,下側電極90は振動板86上に位置する
部位が、圧電薄膜88に電界を付与する電極部89A,
90Aとなり、各支持梁83を伝って基板82上に伸長
した部位が、外部からのリード線等を接続する端子部8
9B,90Bとなっている。また、下側電極90の端子
部90B上にはコンタクトホール90Cが形成されてい
る。
【0113】このように構成される本実施例の拡がり振
動型圧電振動子81においても、前記第1の実施例と同
様の作用効果を得ることができる。
【0114】特に、本実施例による圧電振動子81は基
板82に凹部82Aを形成し、該凹部82A内に振動部
84を設ける構成としたから、当該圧電振動子81を製
造する際には、シリコン材料からなる単一の基板(シリ
コンウェハ)の上方から酸素のイオン注入法やRIE法
を併用して、基板82の凹部82Aを形成し、振動部8
4の振動板86を分離して形成することができる。これ
により、圧電振動子81のエッチング工程を簡略化する
ことができる。
【0115】次に、本発明の第6の実施例を図31ない
し図33に基づいて説明するに、本実施例の特徴は、平
板の基板上に基板部を固着し、振動部を該基板から離間
させて設けたことにある。なお、本実施例では、前述し
た第1の実施例による圧電振動子と同一の構成要素に同
一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0116】図中、91は本実施例による拡がり振動型
圧電振動子を示し、該圧電振動子91は、シリコン材料
からなる基板92と、該基板92上に位置し、前後方向
に対向して設けられたシリコン材料からなる一対の基板
部となる支持部93,93と、該各支持部93に対向す
る支持梁94,94を介して支持された振動部95とか
ら大略構成となっている。そして、振動部95は各支持
梁94によって基板92に対して上側に浮上した状態で
支持されている。
【0117】一方、振動部95は、前記第1の実施例で
述べた振動部4と同様に、シリコン材料によって形成さ
れ、支持辺96A,96Aと開放辺96B,96Bとが
等しい長さ寸法の正方形状となった振動板96と、該振
動板96上に絶縁膜97を介して設けられた圧電薄膜9
8と、該圧電薄膜98を上側表面と下側表面とにそれぞ
れ接触して配設された上側電極99と下側電極100と
から構成されている。さらに、上側電極99,下側電極
100は振動板96上に位置する部位が、圧電薄膜98
に電界を付与する電極部99A,100Aとなり、各支
持梁93を伝って基板82上に伸長した部位が、外部か
らのリード線等を接続する端子部99B,100Bとな
っている。また、下側電極100の端子部100B上に
はコンタクトホール100Cが形成されている。
【0118】このように構成される本実施例による圧電
振動子91においても、前記第1の実施例と同様の作用
効果を得ることができる。しかも、本実施例による圧電
振動子91は、前記第1の実施例による圧電振動子1の
ように枠体2に直接エッチングを施し、振動板6を分離
して形成するのではなく、基板92の上側表面にシリコ
ン薄膜、圧電薄膜等を着膜していくことにより、支持部
93,振動部95等を形成する製造方法を採用してい
る。また、振動部95が基板92から浮上した構造は、
基板92上にPSG膜等の犠牲層を形成した後に、該犠
牲層の上にシリコン膜を形成し、最終的に、前記犠牲層
をエッチング液を用いて除去するといった方法で実現で
きる。これにより、基板92の上方からのみの着膜およ
びエッチング加工によって当該圧電振動子91の製造す
ることができ、製造を簡略化することができる。さら
に、基板92はエッチングしないから、機械的な強度は
前記各実施例に比べて高くなっている。
【0119】なお、前記各実施例では、振動板6(2
6,45,86,96)、圧電薄膜7(27,47,8
8,98)を正方形状に形成するものとして述べたが、
本発明はこれに限るものでなく、例えば、長方形状に形
成してもよい。
【0120】この場合、圧電体が拡がり振動する条件は
鋭意実験の結果、振動板の支持辺の長さ寸法aと開放辺
の長さ寸法bとの比率μは次式の関係になる。
【0121】
【数3】
【0122】そして、図34に示す第1の変形例は前述
した第1の実施例において比率μを1.3とした場合で
あり、図35に示す第2の変形例は比率μを0.75に
設定したものである。この2つの変形例においても圧電
体が拡がり振動モードで振動して拡がり振動型圧電振動
子を構成することができる。さらに、図35に示す第2
の変形例において、振動部4の角部を削り長円形状に構
成してもよい。
【0123】一方、前記各実施例では、支持梁3(2
3,43)の形状を、下面からの異方性エッチングと上
面からのRIEによるエッチングによって形成したが、
振動部4(24,45)と支持梁3(23,43)との
結合部分にウェットまたはドライによる等方性エッチン
グを施すことにより丸みを持たせてもよく。この場合に
は、各支持梁3(23,43)と枠体2(22,42)
との結合部位に働く応力集中を緩和することができ、機
械的強度を向上させることができ、局部的な経時変化、
破損を確実に防止し、耐久性の向上を図ることができ
る。
【0124】また、前記第2,第3等の実施例では圧電
薄膜27,47は枠体22,42上に残存しないように
形成したが、第1の実施例に示すように、圧電薄膜2
7,47は枠体22,42上に一体的に形成残存しても
よく、この場合には下側電極30,49の端子部30
B,49B上に位置した圧電薄膜27,47にはコンタ
クトホールを穿設し、該コンタクトホールを介して外部
のリード線と接続可能にすればよい。
【0125】また、前述した各実施例においては、半導
体材料としてシリコン材料について述べたが、酸化シリ
コン(SiO2 ),窒化シリコン(SiN)を用いるこ
とができる。
【0126】さらに、前記第4の実施例で示した動吸振
部72は、第1の実施例による支持梁3に形成するもの
として述べたが、本発明はこれに限らず、他の実施例に
よる支持梁23,43,83,94に形成してもよいこ
とは勿論である。
【0127】
【発明の効果】以上詳述した通り、請求項1の発明によ
れば、振動部を構成する振動板を機械的強度の大きい半
導体によって形成したことにより、機械的品質係数Qm
を増加させることができる。また、半導体として例えば
シリコン材料で形成した場合には、半導体微細加工技術
により寸法精度の高い加工が可能となり、振動板の加工
を精度よく行うことができる。これにより、共振周波数
を正確なものとすることができ、共振振動を安定化させ
ることができる。
【0128】また、圧電振動子の振動モードを拡がり振
動モードとすることにより、圧電薄膜を薄く形成した状
態で、共振周波数を1〜10MHzの比較的低い周波数
帯域に設定することができ、当該圧電振動子をマイクロ
デバイスとして使用できる程度の小型なものとすること
ができる。従って、基板部を例えばシリコン材料等の半
導体によって形成することにより、他の半導体電子部品
またはそれらから構成された電子回路と一体化した複合
的なデバイスの製造が可能となり、種々の電子デバイス
として幅広く応用することが可能となる。
【0129】また、請求項2の発明では、支持梁の厚さ
を、前記振動板の厚さよりも大となるように形成したか
ら、支持梁の機械的強度を高め、当該支持梁の破損を防
止し、圧電振動子の信頼性を大幅に向上できる。そし
て、製造工程における歩留りを向上できる。
【0130】請求項3の発明では、支持梁の下面を基板
部に向けて漸次厚くなる傾斜面とすることによって、該
支持梁の機械的強度を高め、当該支持梁の破損を防止
し、圧電振動子の信頼性を大幅に向上できる。さらに、
製造工程における歩留りを向上できる。
【0131】請求項4の発明では、支持梁の下面をシリ
コンの(111)面によって形成することにより、支持
梁の下面は振動板から基板部に向けて(111)面で傾
斜した面とすることができ、支持梁の厚さ寸法を振動板
の厚さ寸法よりも厚くして、該支持梁の機械的強度を高
めることができる。
【0132】請求項5の発明では、支持梁の下面をシリ
コンの(111)面と(100)面とによって段付状に
形成することにより、支持梁の下面は振動板から基板部
に向けて(111)面と(100)面とによる傾斜した
面と水平面の段付状とすることができ、支持梁の厚さ寸
法を振動板の厚さ寸法よりも厚くして、該支持梁の機械
的強度を高めることができる。
【0133】請求項6の発明によれば、圧電薄膜が形成
される振動板の開放辺と支持辺の長さ寸法の比率b/a
>0.5とすることにより、圧電薄膜に発生する振動の
うち振動の逃げ道は各開放辺側となり、これにより圧電
薄膜によって発生する振動モードを拡がり振動モードと
することができる。
【0134】請求項7の発明によれば、支持梁に動吸振
部を設けることにより、振動部の機械的な振動エネルギ
が基板部側に伝搬させるのを緩和することができ、振動
部の振動エネルギの損失を低減させることができる。ま
た、振動部の機械的な振動エネルギが支持梁を伝わって
基板部側に伝搬されるのを緩和できるから、支持梁に歪
み振動が生じるのを緩和でき、支持梁と基板部との支持
部位における応力集中を減少させ、機械結合強度を向上
させることができる。
【0135】また、請求項8の発明による拡がり振動型
圧電振動子の製造方法では、所定のエッチングパターン
を形成する工程によりシリコンウェハの表面に形成した
酸化膜にエッチングを施して形成し、凹溝を形成する工
程によりこのエッチングパターンを利用して異方性エッ
チングを施して傾斜面が(111)面,底面が(10
0)面となる凹溝を形成し、圧電薄膜および電極を着膜
形成する工程により前記シリコンウェハの他方の表面に
圧電薄膜および電極を着膜形成し、振動部を形成する工
程により前記底面の部分を他方の表面からドライエッチ
ング施して振動部を形成する。これにより、該振動部を
支持する支持梁の下面をシリコンの(111)面によっ
て傾斜させて形成でき、支持梁の機械的強度を強くで
き、製造工程における歩留りを向上できる。
【0136】さらに、請求項9の発明による製造方法で
は、請求項8の製造方法における所定のエッチングパタ
ーンを形成する工程と凹溝を形成する工程の間に、傾斜
面が(111)面,底面が(100)面となる第1の凹
溝を形成する工程を含むことにより、枠体と振動部との
間に(111)面の傾斜と(100)面の水平面となる
段差を形成でき、よって支持梁の下面を(111)面と
(100)面とによる傾斜面と水平面との段付状とする
ことができ、支持梁の機械的強度を強くでき、製造工程
における歩留りを向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例による拡がり振動型圧電
振動子を示す斜視図である。
【図2】第1の実施例による拡がり振動型圧電振動子を
示す平面図である。
【図3】図2中の矢示III −III 方向からみた縦断面図
である。
【図4】図2中の矢示IV−IV方向からみた縦断面図であ
る。
【図5】第1の実施例による拡がり振動型圧電振動子の
製造工程において絶縁膜形成工程を示す縦断面図であ
る。
【図6】絶縁膜形成工程に続く第1のエッチング工程を
示す縦断面図である。
【図7】第1のエッチング工程に続く圧電薄膜形成工程
を示す縦断面図である。
【図8】圧電薄膜形成工程に続く第2のエッチング工程
を示す縦断面図である。
【図9】本発明の第2の実施例による拡がり振動型圧電
振動子を示す斜視図である。
【図10】第2の実施例による拡がり振動型圧電振動子
を示す平面図である。
【図11】図10中の矢示XI−XI方向からみた縦断面図
である。
【図12】図10中の矢示XII −XII 方向からみた縦断
面図である。
【図13】第2の実施例による拡がり振動型圧電振動子
の製造工程において絶縁膜形成工程を示す縦断面図であ
る。
【図14】絶縁膜形成工程に続く第1のエッチング工程
を示す縦断面図である。
【図15】第1のエッチング工程に続く圧電薄膜形成工
程を示す縦断面図である。
【図16】圧電薄膜形成工程に続く第2のエッチング工
程を示す縦断面図である。
【図17】本発明の第3の実施例による拡がり振動型圧
電振動子を示す平面図である。
【図18】図17中の矢示XVIII −XVIII 方向からみた
縦断面図である。
【図19】図17中の矢示XIX −XIX 方向からみた縦断
面図である。
【図20】第3の実施例による拡がり振動型圧電振動子
の製造工程において酸化膜形成工程を示す縦断面図であ
る。
【図21】酸化膜形成工程に続く窒化膜形成工程を示す
縦断面図である。
【図22】窒化膜形成工程に続く第1のエッチング工程
を示す縦断面図である。
【図23】第1のエッチング工程に続く窒化膜除去工程
を示す縦断面図である。
【図24】窒化膜除去工程に続く第2のエッチング工程
を示す縦断面図である。
【図25】第2のエッチング工程に続く圧電薄膜形成工
程および第3のエッチング工程を示す縦断面図である。
【図26】第3の実施例による拡がり振動型振動子の変
形例を示す縦断面図である。
【図27】本発明の第4の実施例による拡がり振動型振
動子を示す平面図である。
【図28】図27中の要部を拡大して示す斜視図であ
る。
【図29】本発明の第5の実施例による拡がり振動型振
動子を示す斜視図である。
【図30】図29中の矢示XXX −XXX 方向からみた縦断
面図である。
【図31】本発明の第6の実施例による拡がり振動型振
動子を示す斜視図である。
【図32】図31中の矢示XXXII −XXXII 方向からみた
縦断面図である。
【図33】図31中の矢示XXXIII−XXXIII方向からみた
縦断面図である。
【図34】本発明の各実施例による拡がり振動型圧電振
動子の第1の変形例を示す平面図である。
【図35】本発明の各実施例による拡がり振動型圧電振
動子の第2の変形例を示す平面図である。
【符号の説明】
1,21,41,71,81,91 拡がり振動型圧電
振動子 2,22,42 枠体(基板部) 3,23,43,83,94 支持梁 23A,43A 傾斜面 4,24,44,84,95 振動部 6,26,45,86,96 振動板 6A,26A,45A,86A,96A 支持辺 6B,26B,45B,86B,96B 開放辺 7,27,47,88,98 圧電薄膜 9,29,48,89,99 上側電極 10,30,49,90,100 下側電極 34 凹溝 34A,57A 底面 43B 水平面 56 第1の凹溝(他の凹溝) 57 第2の凹溝 72 動吸振部 82,92 基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 克彦 京都府長岡京市天神二丁目26番10号 株式 会社村田製作所内 (72)発明者 柴田 明彦 京都府長岡京市天神二丁目26番10号 株式 会社村田製作所内 (72)発明者 高田 英一 京都府長岡京市天神二丁目26番10号 株式 会社村田製作所内 (72)発明者 山本 洋司 京都府長岡京市天神二丁目26番10号 株式 会社村田製作所内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体により形成された基板部と、該基
    板部から互いに対向して延びるように該基板部と一体的
    に形成された一対の支持梁と、該各支持梁間で支持され
    た振動部とを備え、該振動部は、各支持梁と一体に形成
    された振動板と、該振動板上に設けられた圧電薄膜と、
    該圧電薄膜上に着膜形成された上側電極と、前記振動板
    上に位置して前記圧電薄膜の下側に着膜形成された下側
    電極とから構成してなる拡がり振動型圧電振動子。
  2. 【請求項2】 半導体により形成された基板部と、該基
    板部から互いに対向して延びるように該基板部と一体的
    に形成された一対の支持梁と、該各支持梁間で支持され
    た振動部とを備え、該振動部は、各支持梁と一体に形成
    された振動板と、該振動板上に設けられた圧電薄膜と、
    該圧電薄膜上に着膜形成された上側電極と、前記振動板
    上に位置して前記圧電薄膜の下側に着膜形成された下側
    電極とからなり、かつ前記支持梁の厚さを、前記振動板
    の厚さよりも大となるように形成してなる拡がり振動型
    圧電振動子。
  3. 【請求項3】 前記支持梁はその下面を振動板から基板
    部に向けて漸次厚くなる傾斜面として形成してなる請求
    項1または2記載の拡がり振動型圧電振動子。
  4. 【請求項4】 前記基板部はシリコン材料によって形成
    され、前記支持梁はその下面をシリコンの(111)面
    によって形成してなる請求項1または2記載の拡がり振
    動型圧電振動子。
  5. 【請求項5】 前記基板部はシリコン材料によって形成
    され、前記支持梁はその下面をシリコンの(100)面
    と(111)面とによって形成してなる請求項1または
    2記載の拡がり振動型圧電振動子。
  6. 【請求項6】 前記振動板は各支持梁で支持される対向
    した辺が支持辺となり他の2辺が開放辺となった矩形状
    に形成し、該振動板の支持辺の長さ寸法をaとし、開放
    辺の長さ寸法をbとした場合、その比率b/a>0.5
    としてなる請求項1,2,3,4または5記載の拡がり
    振動型圧電振動子。
  7. 【請求項7】 前記支持梁には、前記支持部の共振周波
    数と同一周波数で振動を行う動吸振部を形成してなる請
    求項1,2,3,4,5または6記載の拡がり振動型圧
    電振動子。
  8. 【請求項8】 シリコンウェハの表面に形成した酸化膜
    をエッチングして一方の表面に所定のエッチングパター
    ンを形成する工程と、このエッチングパターンを利用し
    て異方性エッチングを施して傾斜面が(111)面とな
    り底面が(100)面となる凹溝を形成する工程と、前
    記シリコンウェハの他方の表面に圧電薄膜および電極を
    着膜形成する工程と、前記凹溝の底面の部分は他方の表
    面からドライエッチングして振動部を形成する工程とか
    らなる拡がり振動型圧電振動子の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記所定のエッチングパターンを形成す
    る工程と凹溝を形成する工程との間には、前記酸化膜の
    エッチングパターンの上に窒化膜によるエッチングパタ
    ーンを形成し、このエッチングパターンを利用して異方
    性エッチングを施して傾斜面が(111)面となり底面
    が(100)面となる他の凹溝を形成する工程を含んで
    なる請求項8記載の拡がり振動型圧電振動子の製造方
    法。
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