JP6570388B2 - 圧電振動片及び圧電振動子 - Google Patents
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Description
そこで、圧電板の表裏面のうち、少なくとも一方の面にメサ部を形成した、いわゆるメサ型の圧電振動片が知られている(例えば、下記特許文献1参照)。メサ型の圧電振動片では、振動領域となる圧電板の中央領域の厚みを、圧電板の周縁部の厚みよりも厚くすることができ、振動エネルギーを振動領域内に閉じ込めることが可能になる。よって、圧電振動片のクリスタルインピーダンス(以下、CI値)を低減することが可能になる。
上記(1)の態様によれば、圧電板の面方向における側面(斜面)の外形が頂面から離間するものほど大きくなっているため、厚さ方向で隣り合う面同士が垂直に交わる階段状の側面に比べて、厚さ方向で隣り合う面同士がなす角度を緩やかにすることができる。そのため、厚さ方向で隣り合う面の境界部分において、不要振動が誘発されるのを抑制できる。
また、頂面と側面との境界部分、及び圧電板のうち側面の外側に連なる部分と側面との境界部分のうち、少なくとも一方の境界部分での傾斜角度が、側面が頂面に対して一様な傾斜角度で形成されている場合に比べて緩やかになる。そのため、少なくとも一方の境界部分において、不要振動が誘発されるのを抑制できる。
その結果、CI値を低減して、振動特性を向上させることができる。
上記(2)の場合、圧電板を小型化した場合であっても低いCI値を維持できる。
すなわち、ATカット水晶基板はX軸とZ´軸で構成される。このような構成のもと、ATカット水晶基板が厚み滑り振動をしているとき、X軸とZ´軸では電気偏極が生じる。電気偏極は電荷の偏りであり、X軸では正弦波状、Z´軸では直線状になる。電気偏極が直線状になるZ´軸を長辺とすることで、最も強い電荷が生じる辺を長くすることができる。強い電荷が生じる領域が広がれば、よりCI値は低くなる。したがって、Z´軸を長辺とすることでより低いCI値を維持することが可能となる。
上記(3)の場合、パッケージに圧電振動片を実装するためのマウント領域として、突出部を利用することで、振動領域(励振電極が形成されている部分)とマウント領域との間の間隔を確保できる。これにより、振動領域で発生する振動エネルギーがマウント領域を経て実装部材やパッケージに伝播するのを抑制し、振動漏れを抑制できる。また、圧電板と実装部材との付着面積を確保できるので、実装部材と圧電板との接合強度を確保できる。
上記(4)の場合、例えば、側面が圧電板の外周端面に連なる場合に、頂面と側面との境界部分、及び圧電板の外周端面と側面との境界部分の双方での境界部分での傾斜角度が、側面が頂面に対して一様な傾斜角度で形成されている場合に比べて緩やかになる。そのため、これらの境界部分において不要振動が誘発されるのを抑制できる。
上記(5)の場合、例えば、圧電板のうち側面の外側に側面を取り囲む辺縁部を形成した場合に、側面と辺縁部との境界部分での傾斜角度が、側面が頂面に対して一様な傾斜角度で形成されている場合に比べて緩やかになる。そのため、この境界部分において不要振動が誘発されるのを抑制できる。
上記(6)の場合、圧電板表面の凹凸を小さくできるので、凹凸部分で不要振動が誘発されるのを抑制できる。その結果、更なる振動特性の向上を図ることができる。
上記(7)の場合、圧電振動片が小型であっても、上述の境界部分において不要振動が誘発されるのを抑制できる。
上記(8)の態様によれば、上述した圧電振動片を備えているため、優れた振動特性を備える小型の圧電振動子を得ることができる。
最初に、第1実施形態の圧電振動片及び圧電振動子について説明する。
図1は、第1実施形態に係る圧電振動片10を示す図である。図1(a)は圧電振動片10の平面図であり、図1(b)は図1(a)のIb−Ib線に相当する部分断面図である。図2は、第1実施形態に係る圧電振動子1の分解斜視図である。図3は、図2のIII−III線に相当する断面図である。
図1〜図3に示すように、圧電振動片10は、圧電板11と、励振電極51A,51B(第1励振電極51A,第2励振電極51B)と、マウント電極13A,13Bと、引き回し配線16A,16Bと、を備える。
ここで、ATカットは、人工水晶の結晶軸である電気軸(X軸)、機械軸(Y軸)及び光学軸(Z軸)の3つの結晶軸のうち、Z軸に対してX軸周りに35度15分だけ傾いた方向(Z´軸方向)に切り出す加工手法である。ATカットによって切り出された圧電板11を有する圧電振動片10は、周波数温度特性が安定しており、構造や形状が単純で加工が容易であり、CI値が低いという利点がある。
なお、以下の説明において、各図の構成を説明する際には、XY´Z´座標系を用いる。このXY´Z´座標系のうち、Y´軸はX軸及びZ´軸に直交する軸である。また、X軸方向、Y´軸方向及びZ´軸方向は、図中矢印方向を+方向とし、矢印とは反対の方向を−方向として説明する。
なお、本実施形態において、圧電板11は、最大長さ寸法(本実施形態ではZ´軸方向の寸法)が2.5mm未満になっている。
なお、適宜に、Y´軸方向から見た平面視でメサ部20,30より外側の圧電板11の部分(辺縁面24,辺縁面34,外周端面11Cを含む圧電板11の部分)を、辺縁部40と呼ぶ。
第1頂面21は、XZ´軸方向に延在する平坦面となっている。第1頂面21の外形は、Y´軸方向から見た平面視において、Z´軸方向を長手方向とする矩形状に形成されている。
第1斜面上段22aは、その内周縁が第1頂面21の外周縁の各辺に接続されている。第1斜面上段22aは、第1頂面21に対する傾斜角度が20°未満に設定されている。
第2頂面31は、XZ´軸方向に延在する平坦面となっている。第2頂面31の外形は、Y´軸方向から見た平面視において、Z´軸方向を長手方向とする矩形状に形成されている。
第2斜面上段32aは、その内周縁が第2頂面31の外周縁の各辺に接続されている。第2斜面上段32aは、第2頂面31に対する傾斜角度が20°未満に設定されている。
なお、メサ部20,30(頂面21,31及び側面22,32(斜面22a,22b,32a,32b)の平面視外形は、適宜変更可能である。
なお、励振電極51A,51Bの平面視外形は、頂面21,31の平面視外形に合わせて、適宜変更可能である。
この構成によれば、主面のみに励振電極が形成されている場合に比べて励振電極の面積を確保できる。その結果、CI値を低減して、振動特性を向上させることができる。
この場合、励振電極51Aの外周縁が辺縁面24上まで配置され、励振電極51Bの外周縁が辺縁面34上まで配置されていてもよい。
なお、マウント電極13Bは、少なくとも第2面11B側の面に形成されていれば構わない。
次いで、圧電振動片10を備える圧電振動子1について説明する。
図2に示すように、本実施形態の圧電振動子1は、パッケージ5のキャビティCの内部に圧電振動片10を収容したものである。パッケージ5は、ベース基板2とリッド基板3とを重ね合わせて形成されている。なお、ベース基板2及びリッド基板3は、ともにセラミック材料等により形成されている。
側壁部2bは、底壁部2aの周縁部における全周に亘って形成されている。
底壁部2aのうち、Y´軸方向+側に位置する面(底壁部表面)には、一対の内部電極7が形成されている。一対の内部電極7は、Z´軸方向に離間して形成されている。また、底壁部2aのうち、Y´軸方向−側に位置する面(底壁部裏面)には、一対の外部電極(不図示)が形成されている。そして、内部電極7及び外部電極は、底壁部2aを厚さ方向に貫通する貫通電極(不図示)により電気的に接続されている。なお、内部電極7と外部電極との接続形態はこれに限定されるものではなく、例えば、セラミックシートの面方向に延出する配線を介して、内部電極7と外部電極とを接続する形態であってもよい。
ベース基板2の底壁部2a及び側壁部2bとリッド基板3とで囲まれた領域に、キャビティCが形成されている。
圧電振動片10は、導電ペースト等の実装部材9を介して、ベース基板2の底壁部2aに実装される。より具体的には、ベース基板2の底壁部2aに形成された一対の内部電極7に対して、圧電振動片10の対応するマウント電極13A,13Bが第2面11B側から実装される。これにより、圧電振動片10は、パッケージ5に機械的に保持されると共に、マウント電極13A,13Bと内部電極7とがそれぞれ導通された状態となっている。
次に、図4を参照して、圧電振動片10の製造方法について説明する。
図4は、圧電振動片10の製造工程の手順を示す断面図である。
以下の説明では、ATカット水晶基板(以下、単にウエハSという。)から複数の圧電振動片10を一括で形成する方法について説明する。
また、以下の説明では、ウエハSの片面(Y´軸方向+側の面)にのみメサ部(第1メサ部20)を形成する工程を示すが、ウエハSの両面(Y´軸方向+側の面及びY´軸方向−側の面)にメサ部(第1メサ部20及び第2メサ部30)を同時に形成してもよい。
以下の説明において、適宜に、上述した圧電板11の第1面11Aに相当する面を、ウエハSの表面と呼ぶ。
ドライエッチング工程では、例えばウエハSの表面のうち、第1斜面上段22aに相当する部分と、第2斜面下段22bに相当する部分と、に対して図示しないマスク等を用いてそれぞれドライエッチングを施す。このとき、第1斜面上段22aに相当する部分に対するエッチング強度と、第1斜面下段22bに相当する部分に対するエッチング強度と、を異ならせてドライエッチングを行う。
ドライエッチングとしては、例えばリアクティブイオンエッチング(RIE)や、逆スパッタ等を選択できる。
この工程により、ウエハSの表面が平坦化される。このとき、ウエハSの表面粗さは、JIS B 0031に規格化されている算術平均粗さRaで例えば10nm未満(Ra<10nm)、最大高さRyで例えば100nm未満(Ry<100nm)に形成されることが好ましい。
なお、ドライエッチングの範囲や強度は、後述するウエハSに側面22(斜面22a,22b)を形成するエッチング工程(図4(e)、メサ部形成工程)において、側面22(第1斜面上段22a,第1斜面下段22b)が形成できる範囲や強度で少なくとも施されていれば、特に限定されない。また、第1斜面上段22aに相当する部分と、第2斜面下段22bに相当する部分と、でエッチングの回数や時間を異ならせても構わない。
エッチング保護膜80は、例えば、クロム(Cr)を数10nm成膜したエッチング保護膜と、金(Au)を数10nm成膜したエッチング保護膜とが、順次積層された積層膜である。
この工程においては、まず、ウエハSの表面に、順次、エッチング保護膜80を、それぞれスパッタリング法や蒸着法等により成膜する。
次いで、エッチング保護膜80上に、スピンコート法等によりレジスト材料を塗布して、フォトレジスト膜81を形成する。
本実施形態で用いるレジスト材料としては、環化ゴム(例えば、環化イソプレン)を主体にしたゴム系ネガレジストが好適に用いられている。ゴム系ネガレジストは、環化ゴムを有機溶剤に溶解し、さらにビスアジド感光剤を加えて、ろ過し、不純物を除去することで精製されたものである。
具体的には、まずメサ部20の平面視外形に対応する外形パターンが形成された露光用マスクを用いて、ウエハS上に形成されたフォトレジスト膜81を露光する。その後、フォトレジスト膜81を現像する。
これにより、フォトレジスト膜81に、フォトマスク81aが形成される。
具体的には、フォトマスク81aが形成されたフォトレジスト膜81をマスクとして、マスクされていないエッチング保護膜80にエッチング加工を行ない、エッチング保護膜80を選択的に除去する。その後、フォトレジスト膜81を剥離する。なお、フォトレジスト膜81を残存させても構わない。
メサ部マスク形成工程におけるエッチング加工には、エッチング保護膜80とフォトレジスト膜81が形成されたウエハSを、薬液に浸漬して行うウェットエッチング方式を用いることができる。例えば、エッチング保護膜80が、金(Au)からなる場合には、薬液としてヨウ素を用いてエッチングすることができる。
具体的には、メサ部マスク80aが形成されたエッチング保護膜80をマスクとして、ウエハSの表面のうちマスクされていない部分(以下、単に露出面という。)にエッチング加工を行う。
メサ部形成工程におけるエッチング加工には、メサ部マスク80aが形成されたウエハSを、薬液に浸漬して行うウェットエッチング方式を用いることができる。例えば、薬液としてフッ酸を用いてエッチングすることができる。
しかしながら、本実施形態では、メサ部形成工程においてウエハSにエッチング加工を行う前に、ウエハSに第1側面22(第1斜面上段22a,第1斜面下段22b)に応じたドライエッチング加工を行っている。そのため、メサ部形成工程におけるウェットエッチングが、ウエハSのマスク面の外周部分にまで進行し、ウエハSのマスク面に、自然結晶面の角度に依存しない緩やかな傾斜角度を有する側面(上述した第1メサ部20の第1側面22(第1斜面上段22a,第1斜面下段22b)に相当)が形成される。
これにより、ウエハSの表面には、ウエハSのうち、露出面を底面とし、マスク面の外周部分を内側面とする凹部82が形成される。このとき、凹部82の内側面は、上述したドライエッチング工程での処理に応じて傾斜角度の異なる複数の斜面22a,22bが形成される。具体的に、凹部82の内側面は、マスク面の中央部(マスク面のうちエッチングされていない部分)に対して緩やかな角度θ(0°<θ<20°)で交差する第1斜面上段22aと、第1斜面上段22aに対して緩やかな角度θ(0°<θ<20°)で交差する第1斜面下段22bと、を含んで形成される。
以上の工程により、ウエハSの表面(Y´軸方向+側の面)にメサ部(第1メサ部20)が形成されたウエハSが得られる。
この構成によれば、圧電板11の面方向における側面22,32(斜面22a,22b,32a,32b)の外形が頂面21,31から離間するものほど大きくなっているため、厚さ方向で隣り合う面同士が垂直に交わる階段状の側面に比べて、厚さ方向で隣り合う面同士がなす角度を緩やかにすることができる。そのため、厚さ方向で隣り合う面の境界部分において、不要振動が誘発されるのを抑制できる。
また、頂面21,31と側面22,32(斜面22a,32a)との境界部分、及び圧電板11のうち側面22,32(斜面22b,32b)の外側に連なる部分と側面22,32(斜面22b,32b)との境界部分のうち、少なくとも一方の境界部分での傾斜角度が、側面が頂面に対して一様な傾斜角度で形成されている場合に比べて緩やかになる。そのため、これらの境界部分のうち少なくとも一方において、不要振動が誘発されるのを抑制できる。
その結果、CI値を低減して、振動特性を向上させることができる。
この構成によれば、圧電板を小型化した場合であっても低いCI値を維持できる。
すなわち、ATカット水晶基板はX軸とZ´軸で構成される。このような構成のもと、ATカット水晶基板が厚み滑り振動をしているとき、X軸とZ´軸では電気偏極が生じる。電気偏極は電荷の偏りであり、X軸では正弦波状、Z´軸では直線状になる。電気偏極が直線状になるZ´軸を長辺とすることで、最も強い電荷が生じる辺を長くすることができる。強い電荷が生じる領域が広がれば、よりCI値は低くなる。したがって、Z´軸を長辺とすることでより低いCI値を維持することが可能となる。
この構成によれば、例えば、側面22,32(斜面22b,32b)が圧電板11の外周端面11Cに連なる場合に、頂面21と側面22(斜面22a)との境界部分、頂面31と側面32(斜面32a)との境界部分、圧電板11の外周端面11Cと側面22(斜面22b)との境界部分、及び圧電板11の外周端面11Cと側面32(斜面32b)での境界部分での傾斜角度が、側面が頂面に対して一様な傾斜角度で形成されている場合に比べて緩やかになる。そのため、これらの境界部分において不要振動が誘発されるのを抑制できる。
この構成によれば、圧電板表面の凹凸を小さくできるので、凹凸部分で不要振動が誘発されるのを抑制できる。その結果、更なる振動特性の向上を図ることができる。
この構成によれば、圧電振動片10が小型であっても、上述の境界部分において不要振動が誘発されるのを抑制できる。
次に、第2実施形態の圧電振動子及び圧電振動片について説明する。
図5は、第2実施形態に係る圧電振動片110を示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のVb−Vb線に相当する部分断面図である。
図5に示す圧電振動片110は、圧電板11に、突出部112A,112Bと、メサ部20´と、を形成した点で、第1実施形態の圧電振動片10と異なっている。
なお、以下の説明では、上述した第1実施形態と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
なお、メサ部30´は、メサ部20´と同様の構成であるため、説明や図示を適宜に省略している。
なお、以下便宜的に、メサ部20,30をコンベックス型メサ部、メサ部20´,30´を山型メサ部と呼ぶことがある。
第1斜面上段22a´は、その内周縁が第1頂面21´の外周縁の各辺に接続されている。
なお、各斜面22a´,22b´は、上述した第1実施形態と同様にドライエッチング工程でのドライエッチングの強度や範囲、回数等を適宜調整することで形成できる。
第1突出部112Aには、第1マウント電極113Aが形成されている。第1マウント電極113Aは、第1突出部112Aの表面全体(第1面111A、第2面111B及び外周端面111C)に亘って形成されている。第1マウント電極113Aは、圧電板111の第1面111A上(第1突出部112AのY´軸方向+側の面上)において、引き回し配線116Aを介して圧電板111の第1頂面21に形成された第1励振電極51Aに接続されている。
第2突出部112Bには、第2マウント電極113Bが形成されている。第2マウント電極113Bは、第2突出部112Bの表面全体(第1面111A、第2面111B及び外周端面111C)に亘って形成されている。第2マウント電極113Bは、圧電板111の第2面111B上(第2突出部112BのY´軸方向−側の面上)において、引き回し配線116Bを介して圧電板111の第2頂面31に形成された第2励振電極51Bに接続されている。
なお、マウント電極113Bは、少なくとも第2面111B側(第2突出部112BのY´軸方向−側)の面に形成されていれば構わない。
この構成によれば、パッケージ5に圧電振動片10を実装するためのマウント領域として、突出部112A,112Bを利用することで、振動領域(励振電極51A,51Bが形成されている部分)とマウント領域との間の間隔を確保できる。これにより、振動領域で発生する振動エネルギーがマウント領域を経て実装部材9やパッケージ5に伝播するのを抑制し、振動漏れを抑制できる。また、圧電板111と実装部材9との付着面積を確保できるので、実装部材9と圧電板111との接合強度を確保できる。
また、突出部112A,112Bの平面視外形は、適宜変更が可能である。
この構成によれば、例えば、圧電板111のうち第1側面22´の外側に第1側面22´を取り囲む辺縁部40を形成した場合に、第1側面22b´(第1斜面下段22b´)と辺縁部40との境界部分での傾斜角度が、側面が頂面に対して一様な傾斜角度で形成されている場合に比べて緩やかになる。そのため、この境界部分において不要振動が誘発されるのを抑制できる。
上述した実施形態では、圧電振動片として、メサ型のうち、圧電板の第1面及び第2面にそれぞれ一段のメサ部が形成された構成について説明したが、これに限られない。例えば、メサ部を多段に形成してもよい。また、第1面及び第2面のうちの一方にメサ部が形成されている構成であってもよい。
また、圧電振動片としては、メサ型に限らず、いわゆるベベル型(辺縁部がない構成)であってもよい。
例えば、図6に示す圧電板11´ような、第1実施形態の圧電板11から辺縁部40を取り除いた構成であってもよい。
また、上述した実施形態では、結晶軸におけるZ´軸方向を長手方向とする圧電板について説明したが、X軸方向を長手方向とする圧電板を用いてもよい。
10,110…圧電振動片
11,111…圧電板
11A,111A…第1面
11B,111B…第2面
13A,113A…第1マウント電極(マウント電極)
13B,113B…第2マウント電極(マウント電極)
20…第1メサ部(メサ部)
21…第1頂面(頂面)
22…第1側面(側面)
22a…第1斜面上段(斜面)
22b…第1斜面下段(斜面)
30…第2メサ部(メサ部)
31…第2頂面(頂面)
32…第2側面(側面)
32a…第2斜面上段(斜面)
32b…第2斜面下段(斜面)
40…辺縁部
51A…第1励振電極(励振電極)
51B…第2励振電極(励振電極)
112A…第1突出部(突出部)
112B…第2突出部(突出部)
Claims (7)
- ATカット水晶基板により形成された圧電板と、
前記圧電板のうち厚さ方向で対向する第1面と第2面とにそれぞれ形成された励振電極
と、を備え、
少なくとも前記第1面には、
前記励振電極が形成されている頂面と、
前記頂面の外周縁に接続され、前記頂面を取り囲む側面と、が形成され、
前記側面は、Z´軸方向+側を向く面と、Z´軸方向−側を向く面と、X軸方向−側を向く面と、X軸方向+側を向く面とを含むとともに、当該四面全ての面の前記頂面に対する傾斜角度が互いに異なり前記厚さ方向に連なる複数の斜面を含み、かつ前記四面全ての面が前記厚さ方向に沿う断面視で内周縁と外周縁とを結ぶ仮想直線に対して前記頂面側に膨出し、
前記圧電板の面方向における前記複数の斜面の外形は、前記頂面から離間するものほど大きくなっている
ことを特徴とする圧電振動片。 - ATカット水晶基板により形成された圧電板と、
前記圧電板のうち厚さ方向で対向する第1面と第2面とにそれぞれ形成された励振電極
と、を備え、
少なくとも前記第1面には、
前記励振電極が形成されている頂面と、
前記頂面の外周縁に接続され、前記頂面を取り囲む側面と、が形成され、
前記側面は、Z´軸方向+側を向く面と、Z´軸方向−側を向く面と、X軸方向−側を向く面と、X軸方向+側を向く面とを含むとともに、当該四面全ての面の前記頂面に対する傾斜角度が互いに異なり前記厚さ方向に連なる複数の斜面を含み、かつ前記四面全ての面が前記厚さ方向に沿う断面視で内周縁と外周縁とを結ぶ仮想直線に対して前記頂面側とは反対側に窪み、
前記圧電板の面方向における前記複数の斜面の外形は、前記頂面から離間するものほど大きくなっている
ことを特徴とする圧電振動片。 - 前記厚さ方向から見た平面視で、前記圧電板は、前記ATカット水晶基板のZ´軸方向を長手方向とする矩形状に形成されている
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の圧電振動片。 - 前記圧電板のうち前記ATカット水晶基板のZ´軸方向に離間した両端部には、前記圧
電板の面方向に突出する突出部が、それぞれ形成されている
ことを特徴とする請求項1から3何れか1項に記載の圧電振動片。 - 前記斜面の表面粗さは、算術平均粗さRaで10nmより小さく、最大高さRyで10
0nmより小さい
ことを特徴とする請求項1から4何れか1項に記載の圧電振動片。 - 平面視で、前記圧電板の最大長さ寸法は、2.5mm未満になっている
ことを特徴とする請求項1から5何れか1項に記載の圧電振動片。 - 請求項1から6何れか1項に記載の圧電振動片と、
前記圧電振動片が実装されるパッケージと、を備える
ことを特徴とする圧電振動子。
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