JP2017060054A - 圧電振動片及び圧電振動子 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ATカット水晶基板からなる圧電板11と、圧電板11の表面13及び裏面14にそれぞれ形成された励振電極と、を備え、圧電板11の表面13及び裏面14の外周部分には、圧電板11の外周端面15に連なる緩斜面51,52が形成され、緩斜面51,52は、表面13及び裏面の内周部分に対する傾斜角度が、内周部分に対する外周端面15の傾斜角度に比べて小さくなっていることを特徴としている。
【選択図】図4
Description
その結果、CI値を低減して、振動特性を向上させることができる。なお、圧電板の内周部分とは、圧電板のうち緩斜面よりも内側で緩斜面以外の部分である。
この構成によれば、緩斜面が圧電板のうちメサ部よりも外側に配置されることになるので、メサ部内で振動エネルギーを効率的に閉じ込めることができる。その結果、圧電板のうち、メサ部よりも外側への振動漏れを抑制できる。
この構成によれば、緩斜面の傾斜角度が10°以下になっているため、圧電板の内周部分と、緩斜面と、の境界部分が急峻になるのを抑制できる。そのため、圧電板の内周部分と緩斜面との境界部分で不要振動が誘発されるのを抑制できる。
この構成によれば、圧電板を小型化した場合であっても低いCI値を維持できる。すなわち、ATカット水晶基板はX軸とZ’軸で構成される。このような構成のもと、ATカット水晶基板が厚み滑り振動をしているとき、X軸とZ’軸では電気偏極が生じる。電気偏極は電荷の偏りであり、X軸では正弦波状、Z’軸では直線状になる。電気偏極が直線状になるZ’軸を長手方向とすることで、最も強い電荷が生じる辺を長くすることができる。強い電荷が生じる領域が広がれば、よりCI値は低くなる。したがって、Z’軸を長手方向とすることでより低いCI値を維持することが可能となる。
この構成によれば、パッケージに圧電振動片を実装するためのマウント領域として、突出部を利用することで、圧電振動片における振動発生源(励振電極が形成されている部分)とマウント領域との間の間隔を確保できる。これにより、振動発生源で発生する振動エネルギーがマウント領域を経てパッケージに伝播するのを抑制し、振動漏れを抑制できる。
また、圧電板をパッケージにマウントするための実装部材との付着面積を確保できるので、実装部材と圧電板との接合強度を確保できる。
その結果、小型化を図った上で、長期に亘って優れた振動特性を備える圧電振動片を提供できる。
この構成によれば、緩斜面が圧電板の+X軸方向の端部に形成されているため、例えばメサ部エッチング工程でのエッチング異方性を利用して簡単に緩斜面を形成することができる。また、+X軸方向の端部において圧電板をパッケージに実装する場合には、圧電板の+X軸方向の端部に形成されるマウント電極の断切れ等を抑制できる。これにより、電気的信頼性を向上させることができる。
この構成によれば、上記本発明の圧電振動片を備えているため、振動特性の優れた圧電振動子を得ることができる。
[第1実施形態]
<圧電振動片>
図1は、圧電振動片10の平面図である。
図2は、圧電振動子1の分解斜視図である。
図1、図2に示すように、圧電振動片10は、厚みすべりモードで振動する圧電振動片10である。圧電振動片10は、圧電板11と、圧電板11を厚みすべり振動させる電極膜12と、を有している。
頂面24は、平面視において、Z’軸方向を長手方向とする矩形状に形成されている。頂面24は、Y’軸方向に直交する方向に延在する平坦面になっている。
図3に示すように、圧電板11の裏面14は、表面13に対して面対称に形成されている。具体的に、圧電板11の裏面14は、中央部に形成された裏面メサ部31と、外周部分に位置して裏面メサ部31の周囲を取り囲む裏面額縁部32と、を有している。
頂面34は、平面視において、Z’軸方向を長手方向とする矩形状に形成されている。頂面34は、Y’軸方向に直交する方向に延在する平坦面になっている。
図2、図4に示すように、外周端面15は、ATカット水晶基板の自然結晶面に倣った角度に形成される。図4に示すように、外周端面15のうち、+X軸方向に位置する+X軸端面40は、複数の傾斜面がY’軸方向に連なって形成されている。したがって、圧電板11のうち、少なくとも+X軸方向端部は、+X軸方向に向かうに従いY’軸方向の厚さが漸次薄くなっている。図示の例において、+X軸端面40は、圧電板11における+X軸方向の最外部を形成するエッジ部41と、エッジ部41と表面13の外周縁とを接続する表面傾斜部42と、エッジ部41と裏面14の外周縁とを接続する裏面傾斜部43と、を有している。
表面傾斜部42において、表面メサ部21の頂面24(又は表面額縁部22の内周部分)に対する第1傾斜部42aの傾斜角度θ1は、第2傾斜部42bの傾斜角度θ2に比べて小さくなっている(θ1<θ2)。
裏面傾斜部43において、裏面メサ部31の頂面34(又は裏面額縁部32の内周部分)に対する第1傾斜部43aの傾斜角度θ3は、第2傾斜部43bの傾斜角度θ4に比べて小さくなっている(θ3<θ4)。なお、各傾斜部42,43において、各第1傾斜部42a,43aの傾斜角度θ1、θ3は同等になっており、各第2傾斜部42b,43bの傾斜角度θ2、θ4は同等になっている。
裏面緩斜面52は、裏面額縁部32の外周部分に形成されている。裏面緩斜面52は、−X軸方向に向かうに従い+Y’軸方向に延在している。裏面緩斜面52は、裏面メサ部31の頂面34(又は裏面額縁部32の内周部分)に対する傾斜角度θbが上述した外周端面15での傾斜角度θ1〜θ4よりも小さくなっている。
第2励振電極62は、裏面メサ部31の頂面34上に形成されている。第2励振電極62は、平面視で矩形状に形成されている。したがって、各励振電極61,62は、Y’軸方向で重なり合っている。なお、各励振電極61は、少なくとも対応するメサ部21,31の頂面24,34に形成されていれば、対応する側面25,35や額縁部22,32に跨って形成されていても構わない。
第1マウント電極63は、圧電板11のうち+X,+Z’軸方向に位置する角部において、表面額縁部22、裏面額縁部32及び外周端面15に亘って形成されている。
第2マウント電極64は、圧電板11のうち+X,−Z’軸方向に位置する角部において、表面額縁部22、裏面額縁部32及び外周端面15に亘って形成されている。なお、第2マウント電極64は、少なくとも裏面額縁部32側に形成されていれば構わない。
第2引き回し配線66は、圧電板11の裏面14において、第2励振電極62と第2マウント電極64とを接続している。
図2に示すように、本実施形態の圧電振動子1は、上述した圧電振動片10と、圧電振動片10を気密封止するパッケージ70と、を備えている。
パッケージ70は、ベース基板71と、ベース基板71に重ね合わされたリッド基板72と、を備えている。ベース基板71及びリッド基板72は、ともにセラミックス材料等により形成されている。
底壁部71aの表面(+Y’軸方向に位置する面)には、一対の内部電極75が形成されている。各内部電極75は、底壁部71aの+X軸方向端部において、Z’軸方向に間隔をあけて形成されている。また、底壁部71aの裏面(−Y軸方向に位置する面)には、一対の外部電極(不図示)が形成されている。内部電極75及び外部電極は、底壁部71aをY’軸方向に貫通する貫通電極(不図示)によって電気的に接続されている。なお、内部電極75と外部電極との接続形態はこれに限定されるものではなく、例えば、セラミックシートの面方向に延出する配線を介して、内部電極75と外部電極とを接続する形態であってもよい。
次に、上述した圧電振動片10の製造方法について説明する。なお、以下の説明では、ATカット水晶基板(以下、単にウエハSという。)から複数の圧電振動片10を一括で形成する方法について説明する。
本実施形態の圧電振動片10は、主にウエハ準備工程と、外形形成工程と、メサ部形成工程と、電極膜形成工程と、個片化工程と、を経て形成される。
ウエハ準備工程では、水晶のランバート原石をATカットして一定の厚みとしたウエハS(図5参照)をラッピングして粗加工した後、加工変質層をエッチングで取り除く。その後、ポリッシュ等の鏡面研磨加工を行なって所定の厚みのウエハSを準備する。なお、以下の説明において、ウエハSの表裏面は、上述した圧電板11の表裏面に対応している。
図5〜図8は、外形形成工程を説明するための工程図である。
図5〜図8に示すように、外形形成工程は、ウエハSのうち圧電振動片10の形成領域を圧電板11に対応する外形に形成する工程である。
まず図5に示すように、ウエハSの両面にエッチング保護膜80を成膜する。エッチング保護膜80は、例えばクロムを数10nm成膜したエッチング保護膜と、金を数10nm成膜したエッチング保護膜と、が順次積層された積層膜である。エッチング保護膜80は、ウエハSの両面に、それぞれスパッタリング法や蒸着法等によって成膜する。
図9に示すように、上述した外形エッチング工程では、ウエハSが自然結晶面に倣ってエッチングされる。これにより、圧電板11の外周端面15のうち+X軸端面40に相当する部分には、傾斜部85及び傾斜部86と、これら傾斜部85,86の外周縁同士が接続されてなる上述したエッジ部41と、が形成される。各傾斜部85,86は、ウエハSの両面に対する傾斜角度が一様な単一の傾斜面に形成される。この場合、各傾斜部85,86の傾斜角度は、上述した第2傾斜部42b,43b(図4参照)の傾斜角度θ2,θ4と同等になっている。
以上により、外形形成工程が終了する。
図10〜図13は、メサ部形成工程を説明するための工程図である。
図10〜図13に示すように、メサ部形成工程は、ウエハSに形成された圧電板11の両面にメサ部21,31(図4参照)を形成する工程である。
続いて、図12に示すように、メサ部マスク91aをマスクとしてエッチング保護膜90にメサ部パターン90aを形成する。メサ部パターン90aの形成方法は、上述した外形パターン80a(図7参照)の形成方法と同様である。
図14に示すように、上述したメサ部エッチング工程では、ウエハSが自然結晶面に倣って形成される。このとき、圧電板11の+X軸方向端部では、額縁部22,32と+X軸端面40との境界部分のうち、額縁部22,32の外周部分に緩斜面51,52が形成される。また、額縁部22,32と+X軸端面40との境界部分のうち、+X軸端面40側には傾斜部85,86に対して緩やかな傾斜部95,96が形成される。これら傾斜部95,96の傾斜角度は、上述した第1傾斜部42a,43a(図4参照)の傾斜角度θ1,θ3と同等になっている。これにより、+X軸端面40は、傾斜角度の異なる複数の傾斜面が連なって形成されるとともに、額縁部22,32に緩斜面51,52を介して滑らかに連なることになる。なお、各傾斜部85,86,95,96のX軸方向における幅は、エッチング時間等により調整可能である。すなわち、エッチング時間を長くすることにより、メサ部エッチング工程で形成される傾斜部95,96の幅を広げることができる。
以上により、メサ部形成工程が終了する。
次に、電極膜形成工程において電極膜12をウエハS上に形成した後、個片化工程においてウエハSを各圧電板11毎に個片化する。
以上の工程により、ウエハSから複数の圧電振動片10を一括して製造することができる。なお、本実施形態では、外形形成工程の後、メサ部形成工程を行う方法について説明したが、これに限らず、メサ部形成工程の後、外形形成工程を行っても構わない。
この構成によれば、額縁部22,32と+X軸端面40との境界部分が緩やかに連なることになる。これにより、額縁部22,32と+X軸端面40との境界部分において不要振動が誘発されるのを抑制できる。
その結果、CI値を低減して、振動特性を向上させることができる。
この構成によれば、緩斜面51,52が圧電板11のうちメサ部21,31よりも外側に配置されることになるので、メサ部21,31内で振動エネルギーを効率的に閉じ込めることができる。その結果、圧電板11のうち、メサ部21,31よりも外側への振動漏れを抑制できる。
次に、第2実施形態について説明する。図15は、第2実施形態に係る圧電振動片110の平面図である。第2実施形態では、圧電板111に突出部112,113を形成した点で第1実施形態と相違している。なお、以下の説明では、上述した第1実施形態と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
振動部114は、上述した第1実施形態におけるメサ部21,31及び額縁部22,32を有する部分である。
突出部112,113は、振動部114のうち、+X軸方向端部であって、Z’軸方向の両端部にそれぞれ形成されている。
第1突出部112には、第1マウント電極121が形成されている。第1マウント電極121は、第1突出部112の全面(表面13、裏面14及び外側端面15)に亘って形成されている。第1突出部112は、圧電板11の表面13上において、第1引き回し配線125を介して第1励振電極61に接続されている。
第2突出部113には、第2マウント電極122が形成されている。第2マウント電極122は、第2突出部113の全面(表面13、裏面14及び外側端面15)に亘って形成されている。第2突出部113は、圧電板11の裏面14上において、第2引き回し配線126を介して第2励振電極62に接続されている。
また、圧電板111と実装部材78との付着面積を確保できるので、実装部材78と圧電板111との接合強度を確保できる。
その結果、小型化を図った上で、長期に亘って優れた振動特性を備える圧電振動片110を提供できる。
また、突出部112,113の平面視外形は、適宜変更が可能である。
例えば、上述した実施形態では、圧電板が、Z’軸方向を長手方向とする構成について説明したが、これに限らず、X軸方向を長手方向としても構わない。
上述した実施形態では、各傾斜部42,43が複数の傾斜面からなる構成について説明したが、これに限られない。各傾斜部42,43は、額縁部22,32とエッジ部41との間で一様な角度に形成しても構わない。
上述した実施形態では、圧電振動片として、メサ型のうち、表面13及び裏面14にそれぞれ一段のメサ部21,31が形成された構成について説明したが、これに限られない。例えば、メサ部を多段に形成してもよく、表面13及び裏面14の何れか一方の面のみにメサ部を形成しても構わない。
また、圧電振動片としては、メサ型に限らず、いわゆる逆メサ型やベベル型、コンベックス型であってもよく、平板状であってもよい。
10…圧電振動片
11…圧電板
13…表面(第1面、一方の面)
14…裏面(第2面、一方の面)
15…外周端面
21…表面メサ部(メサ部)
22…表面額縁部(額縁部)
24…頂面(内周部分)
31…裏面メサ部(メサ部)
32…裏面額縁部(額縁部)
34…頂面(内周部分)
51…表面緩斜面
52…裏面緩斜面
61…第1励振電極
62…第2励振電極
70…パッケージ
110…圧電振動片
111…圧電板
112…第1突出部(突出部)
113…第2突出部(突出部)
Claims (7)
- ATカット水晶基板からなる圧電板と、
前記圧電板のうち厚さ方向で対向する第1面と第2面とにそれぞれ形成された励振電極と、を備え、
前記第1面及び前記第2面のうち、少なくとも一方の面の外周部分には、前記圧電板の外周端面に連なる緩斜面が形成され、
前記緩斜面は、前記一方の面のうち前記緩斜面よりも内側に位置する内周部分に対する傾斜角度が、前記内周部分に対する前記外周端面の傾斜角度に比べて小さくなっていることを特徴とする圧電振動片。 - 前記圧電板は、
少なくとも前記一方の面の前記内周部分に形成され、前記圧電板の厚さ方向に膨出するメサ部と、
前記メサ部の周囲を取り囲む額縁部と、を有し、
前記緩斜面は、前記額縁部のうち前記外周端面に連なる部分に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の圧電振動片。 - 前記緩斜面の前記傾斜角度は、10°以下になっていることを特徴とする請求項1又は2に記載の圧電振動片。
- 前記圧電板は、前記厚さ方向から見た平面視において、前記ATカット水晶基板のZ’軸方向を長手方向とする矩形板状に形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載の圧電振動片。
- 前記圧電板のうち前記ATカット水晶基板のZ’軸方向に離間する両端部には、前記圧電板の面方向に突出する突出部が、それぞれ形成されていることを特徴とする請求項1から請求項4の何れか1項に記載の圧電振動片。
- 前記緩斜面は、前記圧電板における+X軸方向の端部に形成されていることを特徴とする請求項1から請求項5の何れか1項に記載の圧電振動片。
- 請求項1から請求項6の何れか1項に記載の圧電振動片と、
前記圧電振動片が実装されたパッケージと、を備えていることを特徴とする圧電振動子。
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JP7465454B2 (ja) | 2019-12-27 | 2024-04-11 | 株式会社村田製作所 | 圧電振動素子、圧電振動子及び電子装置 |
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2015
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