JP2008200669A - 鋼材の塗装方法および塗装鋼材 - Google Patents

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Abstract

【課題】プライマー塗装耐食鋼の修繕時に、プライマー塗装による耐食性・防錆性を向上
させ、修繕時の鋼の表面素地調整負荷を軽減し、修繕周期の延長と、経済的な負荷を抑え
る方法を提供する。
【解決手段】鋼材表面をブラスト処理し、その後、該ブラスト処理部をプライマーで塗装
する鋼材の塗装方法であって、ブラスト処理レベルはISO 8501−1 仕上げ等級
Sa 1と同等又はそれ以上であり、プライマーはZn合金粒子を乾燥塗膜中の含有量として質量%で30%以上含有し、Zn合金粒子は、質量%でMg:0.01〜30%を含有し、残部Zn及び不可避的不純物からなり、平均粒径が0.01〜200μmで、最大径と最小径のアスペクト比(最大径/最小径)の平均が1〜1.5である形状を有し、かつ、物理的破砕面を有することを特徴とする鋼材の塗装方法である。
【選択図】なし

Description

本発明は、鋼材の塗装方法および塗装鋼材に関し、特に、船舶、橋梁などの鋼板の補修の際、素地調整レベルが低く、すなわち鋼板表面レベルがISO 8501−1 仕上げ等級 Sa 1まで軽減しても、本発明のプライマーを塗布し、補修することで、著しく優れた耐食性・防食性を発揮することにより、修繕周期の延長と、経済的な負荷を抑えることができる、鋼材の防錆方法及び塗装鋼材に関する。
鉄鋼材料の腐食対策として、不可避的不純物を含有するZn金属粒子を顔料とし有機材、無機材をビヒクル(液状バインダー成分)とした構成のジンクリッチペイントが多用されている。ジンクリッチペイントは主に重防食塗装の下塗りに用いられるが、その防食機構の特徴は塗膜に含まれるZn金属粒子の犠牲防食作用である。しかし、ジンクリッチペイントの塗膜の防食能は、前述のようにZn金属粒子の犠牲防食作用に強く依存することから、使用環境によっては、亜鉛の消失速度が大きく鉄鋼材料に対する保護作用が長続きしない場合がある。そのような厳しい環境においては、ジンクリッチペイントの表層にアクリル塗装、エポキシ塗装などの重防食塗装が実施され、鋼板の防食対策を実施する。しかしながら、船舶や橋梁など海水と接するような腐食の厳しい環境では前記の重防食塗装を施しても、鋼板が腐食し、定期的な補修が必要になり、施主は莫大なメンテナンス費用と補修時間を要する場合がある。
そのような状況にあって、鋼板自身または、塗装自身の防食性向上の観点から、取り組みが行われている。例えば、鋼板の自身の防食性向上として、特許文献1に示す船舶用鋼材では、鋼材の成分組成を、質量%で、C:0.001〜0.025%、Si:0.60%以下、Mn:0.10〜3.0%、P:0.030%以下、S:0.01%以下、Al:0.01%以下、Ni:0.1〜4.0%およびCu:0.1%以下を含む高耐食性船舶用鋼材が開示されている。
また、特許文献2では、質量%で、C:0.16%以下、Si:1.5%以下、Mn:3.0%以下、P:0.035%以下、S:0.01%以下を含み、さらに、Cu:0.1%〜1.4%、Cr:0.2〜4%、Ni:0.05〜0.7%のうち1種以上を含み優れた耐食性を示す無機系ジンクリッチプライマーを鋼材表面に塗布した貨油タンク用耐食鋼が開示されている。
一方、塗装性向上の観点から、従来のジンクリッチペイントの長所を保持し、更に長期にわたり犠牲防食作用を発揮する高性能ジンクリッチペイントの開発が期待され、これまでにも各種の提案がなされてきた。
例えば、特許文献3では、Zn粒子の他にZn−Mg合金粒子とMn粒子を含有させたジンクリッチペイントに関する発明が提案された。さらに、特許文献4では、Zn−Al−Mg系合金粒子を含有する耐食性塗料に関する発明が開示された。これらは、Zn−Mg系合金粒子とエポキシ系樹脂やウレタン系樹脂などの有機系樹脂との組合せによって耐食性を向上しようとするものである。
さらに、無機系バインダーを用いた発明が特許文献5で開示された。特許文献4に記載の発明の特徴は、金属組織がZnとMgZnより構成された無機系のZn−Mg粒子の高寿命防食性能である。
更に、粒子形状からも種々検討されてきた。例えば、特許文献6では、Zn−Mg合金のフレーク状粒子を含有する無機系耐食性塗料やこの塗料を塗布してなる耐食性鉄鋼材が提案されている。
特開2002−266052号公報 特開2002−012940号公報 特開平01−311178号公報 特開2001−164194号公報 特開平02−73932号公報 特開2002−285102号公報
特許文献1で開示された船舶用鋼では、船舶用鋼において、不可避的な塗装欠陥部における錆発生による塗膜膨れを抑制し、塗装寿命を延長させることが可能となるが、完全ではない。一旦、膨れが発生すると、下地鋼材の錆面積、腐食量、板厚減少が増大し、いずれは補修・修繕を要することから、更なる改善が求められていた。また、特許文献2で開示されたプライマー塗装状態で使用する貨油タンク用耐食鋼は、酸露点腐食環境である貨油タンクではプライマーを表面に塗布することにより優れた耐食性を発揮する。しかし、その他の環境、例えば、船舶ではウォーターバラストタンクや船舶外板、その他、橋梁、プラントなど酸露点環境とは異なる環境であり、これら鋼材と無機ジンクリッチプライマーだけの組み合わせでは、十分な効果が発揮されず、修繕を要することから、更なる改善が求められていた。
また、特許文献3や特許文献4では有機系バインダーを主に、また、特許文献5では無機系バインダーを主に用い、金属粒子にはMg、Alなどの高耐食合金粒子を用いる発明が開示されている。これらは、MgZnやMgZn11の金属間化合物を形成させ、耐食性を向上させたものである。具体的には金属間化合物は合金粒子内部に存在し表面が酸化物層またはZnとMgの固溶相で覆われている。従って、高耐食性の金属間化合物相が合金粒子表面に出現しにくく、耐食性が十分に得られない問題点があった。さらに、錆の主成分に電気伝導性の小さいZnCl・4Zn(OH)・HOが生成すると、犠牲防食作用が十分に発揮されない問題点があり、更なる改善が求められていた。
また、特許文献3,4,5は、一般的な有機系塗料は、紫外線や水分、酸素などの影響を考慮する必要のある複合環境では劣化することを考慮すると、比較的短時間でメンテナンスが必要になるという副次的な問題が残されている。
また、特許文献6では、溶断・溶接時の塗膜劣化を抑制し、耐食性を向上させる効果はあるが、溶接、溶断時での作業性が低下することから更なる改善が求められていた。
さらに、上記技術は、船舶や橋梁などの鋼構造物の防食性能を向上させることが可能であるが、メンテナンスフリーが可能になる技術ではないことから、補修を必要とする。つまり、部分的でも腐食が生じるとブラスト処理を実施し、塗装タッチアップの補修を要する場合がある。プライマー密着性、その後の該プライマー部の耐食性・防錆性を確保するためには、表面清浄度レベルをISO 8501−1 仕上げ等級 Sa 2.5以上にする必要があり、非常に時間を要し、経済的な負荷が大きく、さらなる改善が求められていた。
そこで、本発明は、プライマー塗装耐食鋼の修繕時に、プライマー塗装による耐食性・防錆性を向上させ、修繕時の鋼の表面素地調整レベルをISO 8501−1 仕上げ等級Sa 2.5以上とする負荷を軽減し、修繕周期の延長と、経済的な負荷を抑えることができる、鋼材の防錆方法及び塗装鋼材を提供することを目的とする。
本発明者らは、種々検討の結果、質量%で、Mg:0.01〜30%を含有し、残部Zn及び不可避的不純物からなり、平均粒径が0.05〜200μmで、最大径と最小径のアスペクト比(最大径/最小径)の平均が1〜1.5である形状を有し、かつ、物理的破砕面および/または長さ0.01μm以上のき裂を有する、Zn合金粒子を、乾燥塗膜中の含有量として、質量%で、30%以上含有するプライマーを用いることで、ブラスト処理レベルをISO 8501−1 仕上げ等級 Sa 1に軽減して、鋼材表面をブラスト処理し、その後、該ブラスト処理部を前記プライマーで防錆しても著しい耐食性・防錆性を発揮することを見出した。
ブラスト処理レベルを従来のISO 8501−1 仕上げ等級 Sa 2.5からSa1に軽減しても著しい耐食性・防錆性が得られる理由については不明な点が多いが、物理的破砕面および/または長さ0.01μm以上のき裂を有したZn合金粒子を添加することで、鋼板表面とプライマー間に鉄の腐食生成物があっても、プライマーを錆付きの鋼板表面に塗布しても、すぐに、MgO・nHOの腐食生成物が表面に生じ、その腐食生成物が錆付きの鋼板表面に密着しやすくなり、さらに、上記腐食生成物により鋼板表面の酸性が抑制されることで、補修時のブラスト処理後に、ISO 8501−1 仕上げ等級 Sa 1レベルのミルスケール(熱間圧延または熱処理時に生成した鉄酸化物を主成分とする高温酸化物)、錆(鉄酸化物または鉄水酸化物を主な組成物とする腐食生成物)、塗膜(補修前に鋼板表面に塗装していた塗装膜)または、異物(鋼板使用時に付着または生成した化合物または生物由来の物質)が残っていても、著しい耐食性を発揮するものと考える。
なお、ISO 8501−1 仕上げ等級 Sa 1レベルの仕上げ状態は、“ISO 8501−1:1988,SIS SS 05 5900 Edition3, p.105-112.”に記載があり、さび度B「鋼材の表面はさびが発生し始めており、ミルスケールは剥離し始めている。」、C「鋼材の表面のミルスケールは、既にさびになっているか、あるいはかき落とすことができる。しかし孔食は、肉眼で僅かに認められる程度である。」、D「鋼材の表面のミルシートは既にさびとなっており、かなりの孔食が肉眼で認められる。」のそれぞれにおいて、ブラスト処理による素地調整Sa 1は、「軽いブラスト処理 拡大鏡なしで、表面には目に見える油、グリース、泥土、及び弱く付着したミルスケール、さび、塗膜、異物がないこと。写真B Sa 1, C Sa 1, D Sa 1を見よ。」と定義されている。なお、前記「写真B Sa 1, C Sa 1, D Sa 1」は、“ISO 8501−1:1988, SIS SS 05 5900 Edition3”に、仕上げ等級の代表写真例が、写真集として添付されている。
さらに、上記補修用途の優れたプライマーを詳細検討し、金属粒子形状に着目し、上記Zn合金粒子は、球状ではなく、物理的破砕面および/または長さ0.01μm以上のき裂などにより、略球状多面体になると、犠牲防食効果を損なうことなく、自己溶解性を一層低減でき、さらなる耐食性が達成できることを見出した。このとき、破砕面にMgZnやMgZn11、MgZn、MgZnまたはMgZnのうち1種以上の金属間化合物を配置することで、さらに得られる効果を高めることができることを見出した。また、Zn合金粒子中に質量%で、Al:0.01〜30%、Si:0.01〜3%の1種または2種を含有することで、さらなる防錆性が発現することを見出した。
本発明は、以上のような検討に基づきなされたものであり、その特徴は以下の通りである。
(1)鋼材表面をブラスト処理し、その後、該ブラスト処理部をプライマーで塗装する鋼材の塗装方法であって、前記ブラスト処理レベルはISO 8501−1 仕上げ等級 Sa 1と同等又はそれ以上であり、前記プライマーはZn合金粒子を乾燥塗膜中の含有量として質量%で30%以上含有し、該Zn合金粒子は、質量%でMg:0.01〜30%を含有し、残部Zn及び不可避的不純物からなり、物理的破砕面および/または長さ0.01μm以上のき裂を有し、平均粒径が0.05〜200μmで、最大径と最小径のアスペクト比(最大径/最小径)の平均が1〜1.5である形状を有することを特徴とする鋼材の塗装方法。
(2)前記Zn合金粒子が、その表面に、Mg固溶相及びZn−Mg金属間化合物を有することを特徴とする、前記(1)に記載の鋼材の塗装方法。
(3)前記Zn−Mg金属間化合物が、MgZn、MgZn11、MgZn、MgZnまたはMgZnのうち1種以上を含むことを特徴とする、前記(1)又は(2)に記載の鋼材の塗装方法。
(4)前記Zn合金粒子は、略球状多面体で、面数が2面以上であることを特徴とする、前記(1)〜(3)の何れかに記載の鋼材の塗装方法。
(5)前記Zn合金粒子が、更に、質量%で、Al:0.01〜30%、Si:0.01〜3%の1種又は2種を含有することを特徴とする、前記(1)〜(4)の何れかに記載の鋼材の塗装方法。
(6)前記Zn合金粒子に加え、更に、平均粒子径0.05〜50μmのZnおよび不可避的不純物からなるZn金属粒子を混合した金属粒子の混合物を用い、質量%で、(前記Zn合金粒子量):(前記Zn金属粒子量)の比の値を1/xとしたとき、xが300.0以下であることを特徴とする前記(1)〜(5)の何れかに記載の鋼材の塗装方法。
(7)質量%で、前記Zn合金粒子と前記Zn金属粒子の混合粒子の合計を100%としたとき、Mgの含有量が0.01〜30%未満であることを特徴とする、前記(6)に記載の鋼材の塗装方法。
(8)前記(1)〜(7)のいずれかに記載の鋼材の塗装方法により前記プライマーが塗装され、該プライマーと鋼材との間に、ISO 8501−1 仕上げ等級 Sa 1で許容される固着した残存ミルスケール、錆、塗膜または、異物を含むことを特徴とする、塗装鋼材。
本発明は、質量%でMg:0.01〜30%を含有し残部Zn及び不可避的不純物からなり、平均粒径が0.05〜200μmで、最大径と最小径のアスペクト比(最大径/最小径)の平均が1〜1.5である形状を有し、かつ、物理的破砕面および/または長さ0.01μm以上のき裂を有する、Zn合金粒子を、乾燥塗膜中の含有量として、質量%で30%以上含有するプライマーを用いることで、補修方法の手間、例えば、船舶バラストタンクなどの、アッパーデッキ裏などで、腐食が進み、再塗装を必要とするような部位において、ブラスト処理をする必要なく、高圧水洗浄で、デッキ裏の表面錆を落とし、前記プライマーをスプレー塗装することで、補修可能となる技術であり、特に下地処理の手間を大きく省略可能となる技術である。
すなわち、ブラスト処理レベルをISO 8501−1 仕上げ等級 Sa 1にまで軽減することが許容でき、鋼材表面をブラスト処理後、該ブラスト処理部を前記プライマーで防錆する方法によって、著しい耐食性・防錆性を発揮することが可能となるため、産業上の効果は極めて大きい。
本発明の限定要件を詳細に述べる。以下%はすべて質量%である。
本発明の塗装方法は、鋼材表面をブラスト処理し、その後、該ブラスト処理部をプライマーで塗装する鋼材の塗装方法であって、前記ブラスト処理レベルはISO 8501−1 仕上げ等級 Sa 1と同等又はそれ以上であり、前記プライマーはZn合金粒子を乾燥塗膜中の含有量として質量%で30%以上含有し、該Zn合金粒子は質量%でMg:0.01〜30%を含有し、残部Zn及び不可避的不純物からなり、平均粒径が0.05〜200μmで、最大径と最小径のアスペクト比(最大径/最小径)の平均が1〜1.5である形状を有し、かつ、物理的破砕面および/または長さ0.01μm以上のき裂を有することを特徴とする。
前述の通り、物理的破砕面および/または長さ0.01μm以上のき裂を有したZn合金粒子を添加することで、鋼板表面とプライマー間に鉄の腐食生成物があっても、プライマーを錆付きの鋼板表面に塗布しても、すぐに、MgO・nHOの腐食生成物が表面に生じ、その腐食生成物が錆付きの鋼板表面に密着しやすくなり、さらに、上記腐食生成物により鋼板表面の酸性が抑制される。
Zn合金粒子中のMg含有量は0.01〜30%とすることが必要である。物理的破砕面および/またはき裂を有し、かつ平均粒径が0.05〜200μmの場合に、Mg0.01%未満でも物理的破砕面および/または、き裂との組み合わせによってもたらされると見られる著しい耐食性・防食性の向上効果が顕著には得られない。すなわち、物理的破砕面および/または、き裂を有し、Mgを0.01%以上添加したZn合金粒子の相乗効果による著しい耐食性・防食性の向上効果が本発明の基本技術である。一方30%を超えて添加すると上記効果が飽和するばかりか、経済性および製造性を阻害することから、Mgの添加量は0.01%以上30%以下とした。ただし、この添加量の最適値は平均粒径によって変化し、一般にスプレー塗装において最適と考えられる平均粒径0.2〜30μmの場合には、下限は0.1%とし、上限は20%とすることが耐食性・防食性の向上効果、経済性の観点から好ましい。さらに、Mg添加量による耐食性と原料コスト、製造安定性のバランスを考慮するとMg添加量は0.2%〜15%がより好ましい。なお、本発明でいう物理的破砕面とは、球状の粒子の一部が欠落した形状を指す。Zn合金粒子が物理的破砕面を有することにより、後述のように耐食性・防食性の向上効果が顕著に得られる。また、本発明でいうき裂とは、球状の粒子表面上に存在する長さ0.01μm以上、表面からの深さ0.01μm以上の割れを意味する。き裂は長さもしくは深さで0.01μm未満では十分な耐食性向上効果が得られず、0.01μm以上の長さもしくは深さを必要とする。
Zn合金粒子の平均粒径は、スプレー塗装時に於ける付着性確保のため、0.01μm以上とし、刷毛塗り時の作業安定性確保のため、200μm以下とする。塗装安定性を考慮すると0.2〜50μmが好ましい。また、塗膜密着性を考慮すると0.2〜30μmが好ましい。
Zn合金粒子の形状を、最大径と最小径のアスペクト比(最大径/最小径)の平均が1〜1.5である形状に限定したのは、スプレー塗装を前提とした場合には、平均のアスペクト比が1.5を超えると粒子の噴霧・飛行安定性が低下し、塗膜厚および塗膜中での粒子分布安定性が低下するからである。従って値が1.5を超えるアスペクト比の粒子が部分的に存在しても問題とはならない。さらに上記したアスペクト比の値の範囲は原料としてのZn合金粒子を規定するものであり、実際に塗料に混ぜて使用するまでに、空気中の水分等を吸収して、これらのZn合金粒子が凝集し結合した場合や、塗膜として鋼材上で硬化した場合のそれぞれの粒子が結合した場合等のZn合金粒子の形状までも規定するものではない。また、製造時や保管時に、Zn合金粒子表面に小さな凹凸が生じることもあるが、これらによる形状変化もアスペクト比の平均値が1〜1.5という球状や楕円球状から逸脱するものとはしない。
本発明のZn合金粒子は、Mg:0.01〜30%を含有した上で、表面に物理的破砕面および/または、き裂を有し、かつ平均粒径が0.01〜200μmの場合に、物理的破砕面および/または、き裂との組み合わせによってもたらされると見られる著しい耐食性・防食性の向上効果が顕著に得られる。すなわち、表面に物理的破砕面および/または、き裂を有しMgを0.01%以上添加した合金粒子の相乗効果による著しい耐食性・防食性の向上効果が本発明の基本技術である。
次に、プライマー中におけるZn合金粒子の含有量は、乾燥塗膜中でのZn粒子を質量%で30質量%以上含有することが必要である。30質量%未満では耐食性等の効果が得られるまでに到らない。上限は、特に規定するものではないが、85質量%を超えると樹脂成分が少なくなり過ぎ、塗膜に欠陥が生じ易くなるため、85質量%以下が望ましい。なお、塗膜中の樹脂成分としては、成膜性を確保するために少なくとも15%とすることが好ましい。さらに、上記Zn合金粒子を30%以上含有していれば、それ以外の粉末粒子を添加してもよく、例えば、(意匠性を目的とした)Al、ステンレス等の金属粉末や酸化チタン、酸化亜鉛等の酸化物粉末、タルク、石粉等の体質顔料を含有していても良い。
本発明においては、上記の要件を満たすプライマーを用いることで、プライマー塗布前のブラスト処理レベルをISO 8501−1 仕上げ等級 Sa 1に軽減して、鋼材表面をブラスト処理し、その後、該ブラスト処理部を前記プライマーで防錆しても著しい耐食性・防錆性を発揮することを見出した。プライマー塗布前のブラスト処理レベルをISO 8501−1 仕上げ等級 Sa 2以下とすれば、従来のブラスト処理レベルに比較して軽減できるので好ましい。
ブラスト処理レベルを拡大鏡なしで、表面には目に見える油、グリース、及び弱く付着したミルスケール、錆、残存塗膜、異物がない程度のISO 8501−1 仕上げ等級Sa 1にしたのは、仕上げ等級 Sa 2以上まで実施しなくても、その後の耐食性が十分確保できること、しかし、ISO 8501−1 仕上げ等級 Sa 1未満の場合、例えば、層状剥離錆が残っているような場合では、十分な効果が得られないので、仕上げ等級 Sa 1以上とした。
前記破砕面を持つZn合金粒子の製造方法は、特に限定はしないが、例えば、汎用の粉末製造法である揮発法(蒸発凝固法)、アトマイズ法(噴霧法)により、まず、1次粒子を作成する。次に、作成した1次粒子同士の衝突あるいは1次粒子と固体との衝突によって物理的破砕面および/または、き裂を有するZn合金粒子を作製するか、又は含水率を0.3%以下としたトルエンまたはキシレン中に1次粒子を添加してスラリー状としたものを上記のZn合金粒子同士の衝突あるいは固体との衝突法によって物理的破砕面および/または、き裂を有するZn合金粒子を作製できる。
Zn合金粒子の場合は、金属間化合物を含んでいる。本発明の物理的破砕面および/または、き裂を有する合金粒子では、破砕部および/または、き裂を含む粒子にMg固溶相及びZn−Mg金属間化合物を有することでさらに耐食性と防錆性を向上することが可能である。Mg固溶相とZn−Mg金属間化合物を表面に露出することで耐食性と防錆性が向上する理由については不明点が多いが、これらの相のいずれか一方以上が物理的破砕面および/または、き裂に共存することでこれらの特性向上が特に安定に得られることを見いだしており、物理的破砕面および/または、き裂が存在することで、これらの相の化学的性質がより耐食性および防錆性に好ましいものに変化することを実験的に確認している。Mg固溶相及びZn−Mg金属間化合物はX線回折法または、エネルギー分散型X線分析装置付き走査電子顕微鏡観察により、物理的破砕面またはき裂表面のMgとZnの組成比分析によって、同定することができる。また、Mg固溶相及びZn−Mg金属間化合物は、予めZn合金粉末のX線回折測定分析によって、同定し、その存在を確認することができる。
さらに、本発明では上記金属間化合物相をMgZn、MgZn11、MgZn、MgZnまたはMgZnがのうち1種以上を含むことで、上記の耐食性と防錆性はより一層向上させることが可能である。MgZn、MgZn11、MgZn、MgZnまたは、MgZnはX線回折法または、エネルギー分散型X線分析装置付き走査電子顕微鏡観察による物理的破砕面またはき裂表面のMgとZnの組成比分析によって、同定することができる。
以上のように、本発明の物理的破砕面および/または、き裂を有するZn合金粒子は一面以上の物理的破砕面および/または、き裂の付与と同時に金属粒子の化学組成を制御することで耐食性および防錆性を従来になく向上することが可能であるが、さらにその破砕面を有する粒子の形状を非扁平の球状に近い、物理的破砕によって生じた一つの閉じた稜線で囲まれる平面または曲面を1面とする、多面体(き裂は面として含まない)で、面数が2面以上有する形状とすることで、一層優れた耐食性と防錆性および塗装性を同時に得ることができる。耐食性や防錆性向上の観点からは、物理的破砕面数は多いほど好ましいが、その破砕面数が平均1面未満では、現時点で理由は不明であるが、上記効果向上の効果のばらつきが大きくなる。また、平均のアスペクト比の値が2超で形状が極端に扁平な場合には、塗装時の作業性が低下し、好ましくない。従って、粒子の形状を非扁平の球状に近い多面体で(アスペクト比の平均値で1〜1.5)、面数が2面以上有する形状と規定した。さらに上記した形状範囲は原料としてのZn合金粒子を規定するものであり、実際に塗料に混ぜて使用するまでに、空気中の水分等を吸収して、これらのZn合金粒子が凝集し結合した場合や、塗膜として鋼材上で硬化した場合のそれぞれの粒子が結合した場合等のZn合金粒子の形状までも規定するものではない。また、製造時や保管時に、Zn合金粉末表面に小さな凹凸が生じることもあるが、これらによる形状変化もアスペクト比の平均値が1〜1.5という球状や楕円球状から逸脱するものとはしない。
さらに、このZn合金粒子に、Al:0.01〜30%、Si:0.01〜3%の1種又は2種を含有させることでさらなる防錆性が達成できる。
Zn合金粒子中のAl含有量は、0.01%未満では防食性能向上の効果は得られず、また30%より多く添加すると、AlはMgを固溶しやすく物理的破砕性を阻害するので、その範囲を0.01〜30%に限定した。更に、製造安定性、耐食性の観点から0.5〜20%が好ましい。さらに、経済性を考慮すると、1.0〜10%が好ましい。
Zn合金粒子中のSi含有量は、0.01%未満では塗膜密着性、物理的破砕および/または、き裂性の効果は得られず、また3%より多く添加すると、耐食性に悪影響を及ぼすことから、0.01〜3%に限定した。更に、最大限の塗装密着性、耐食性を発揮させるためには0.5〜3.0%が好ましい。さらに製造安定性、経済性を考慮すると1.0〜1.5%が好ましい。
また、上記範囲内であれば、Al、Siの塗膜中での配合比率は特に限定しないが、耐食性の観点からそれぞれAl:0.05〜1.5%、Si:0.01〜1.5%が好ましい。
本発明のプライマーに含有させる金属粒子として、前記Zn合金粒子に代えて、Zn合金粒子とZn金属粒子を混合した金属粒子の混合物を用い、Zn金属粒子は上述の本発明のZn金属粒子と同様のものを用いることができる。
本発明における上記した破砕面および/または、き裂を有するZn合金粒子は、利用に際して平均粒径0.05〜50μmのZn金属粒子を含有し、質量%で、前記Zn合金粒子量と前記Zn金属粒子量の比の値を1/xとしたとき、xを300以下で混在させて使用することができる。ここでいうZn金属粒子とは、Znおよび不可避的不純物からなる粒子を意味し、該Zn金属粒子と上記した破砕面および/または、き裂を有するZn合金粒子を混合して塗料顔料に用いることで、従来のようにZn金属粒子を単独使用した顔料に比較して著しく優れた耐食性・防錆性をもたらすが、Zn合金粒子量:Zn金属粒子量の質量%の比の値を1/xとしたとき、xが300.0超では、耐食性・防錆性の向上に及ぼす、Zn合金粒子の効果が十分に発揮されない。したがって、x値を300.0以下とした。さらに耐食性、経済性を考慮すると、x値は1〜120が好ましい。さらに混合安定性を考慮するとx値は1〜30が好ましい。
Zn合金粒子とZn金属粒子を混合した金属粒子混合物中のZn金属粒子の平均粒径を0.05〜50μmとする。上記した本発明における耐食性向上の効果は、混合するZn金属粒子の平均粒径が0.05〜300μmの範囲で認められるが、工業的に安定かつ安価に供給可能な平均粒径であることから、Zn金属粒子の平均粒径を0.05〜50μmとした。
一方、上記した本発明の破砕面および/または、き裂を有するZn合金粒子と前記Zn金属粒子の混合効果は、おおよそ全防錆顔料中に含まれるMgの含有量でも整理することが可能で、質量%で、本発明の物理的破砕面および/または、き裂を有するZn合金粒子と前記Zn金属粒子の混合粒子の合計を100%としたとき、Mgの含有量を0.01〜30%未満として使用することができる。さらに付け加えると破砕面および/または、き裂を有する合金粒子とZn金属粒子の混合効果が最も顕著な範囲である0.1〜20%とすることが耐食性向上の効果安定性からは好ましく、加えて経済性を考慮すると0.5〜15%とすることがより好ましいが、目的に応じて適宜適用できる。
次に乾燥塗膜中でのZn粒子とZn金属粒子の合計含有量は、質量%で、30質量%以上含有することが必要である。この点はZn粒子単独を含む前述の発明と同様である。
なお本発明において、塗膜中の樹脂成分としては、成膜性を確保するために少なくとも15%とすることが好ましい。さらに、上記Zn合金粒子を30%以上含有していれば、チタン、カーボン、べんがら、クロムバーミリオン、紺青、黄鉛などの着色顔料や、鉛丹、亜酸化鉛、塩基性クロム酸鉛などの錆止め顔料、炭酸カルシウム、タルクなどの体質顔料を添加しても良い。
また、本発明において、塗料の樹脂成分(バインダー)は、特に限定するものではなく無機系バインダー、有機系バインダーのいずれの樹脂(バインダー)でも利用できるが、船舶の現状を鑑みると、アルカリシリケートやアルキルシリケート等の無機系バインダーが好ましい。
本発明の塗装鋼材は、上記本発明の鋼材の塗装方法によりプライマーが塗装され、プライマーと鋼材との間に、ISO 8501−1 仕上げ等級 Sa 1で許容される固着した残存ミルスケール、錆、塗膜または、異物を含むことを特徴とする塗装鋼材である。プライマーと鋼材との間に、ISO 8501−1 仕上げ等級 Sa 1で許容される固着した残存ミルスケール、錆、塗膜または異物を含むにもかかわらず、本発明で使用したプライマーの耐食性・防食性が高いために、十分に良好な塗装寿命を保持することができる。
以下に、実施例を用いて本発明を説明する。
Zn合金粒子は、ガスアトマイズ法により作製したものを、あるいはガスアトマイズ法により作製したZn合金粒子同士を、含水率0.3%以下のトルエンに加えてスラリー状としたものを対抗するジェット噴流として、該ジェット噴流同士を衝突させることによって、Zn合金粒子に物理的破砕面および/またはき裂を生じさせた粒子を用いた。表1〜4の比較例1〜4、25〜28、49〜52に記載の従来Zn、比較例19〜21、43〜45、67〜69、87〜89、107〜109に記載のZn合金粒子については、ガスアトマイズ法又はミスト法によって製造した。
なお、用いた各Zn合金粒子の化学組成を、表1、2、4の「Zn合金粒子の内容」または表3「金属粒子の内容」の欄に記した。Zn合金粒子をプライマーとして添加する前に、化学分析するとともに、粉末X線回折試験を実施して、MgZn、MgZn11およびその他のZn−Mg金属間化合物の存在有無の確認を行った。さらに、電界放射型電子銃装備の走査電子顕微鏡による観察を実施し、Zn合金粒子の平均粒径を粒子数100個以上で、画像解析により平均球相当直径としてそれぞれ求め、表に記した。なお、それらの値は、別途、該Zn合金粒子のレーザー回折分散法によって求めた平均球相当直径と、10%未満の誤差で一致していた。
また、同時に、Zn合金粒子の表面状態を前記走査電子顕微鏡観察で確認し、物理的破砕面および/またはき裂の有無、および表面の面数の概要を観察者が観察像を見て判断した。表1−1〜1−4、表2−1〜2−4、表3−1〜3−4については、物理的破砕面の有無を観察した。観察結果について、●:破砕面有り、×:破砕面なしと表示した。表1−5〜1−7、表2−5〜2−7、表4−1〜4−8については、物理的破砕面とき裂の有無を観察した。観察結果について、◎:破砕面及び/又はき裂有り、×:破砕面及びき裂なしと表示した。当該観察では、それぞれの粒子の片面しか見ていないが、影になっている反対側にも、同様の形状が連続的、面対称的に存在しているものと仮定して面数を判断し、粒子数100個以上で、その平均値を有効数字1桁で表した。前述のように、物理的破砕によって生じた一つの閉じた稜線で囲まれる平面または曲面を1面としている。
また事前に、該Zn合金粒子の粉末X線回折測定によって、存在するMg固溶相、Zn−Mg金属間化合物の種類を確認した上で、前記走査電子顕微鏡観察において、適宜、同時にX線エネルギー分散型分析装置でZn、Mgの濃度の半定量マッピング観察・濃度比測定または、反射電子顕微鏡像観察で、物理的破砕面またはき裂の表面におけるMg固溶相およびZn−Mg金属間化合物の存在状態を確認した。
その後、上記合金粒子をプライマーとして、バインダーと混合して塗装を実施した。なお、表1〜4の「塗料及び塗膜成分」にそれぞれ使用したバインダーおよび塗装方法を記した。塗料調合は一般的な方法で実施し、バインダーは市販のアルカリシリケートあるいはアルキルシリケート樹脂の無機系バインダーを使用し、塗料とした。試験片は、事前に、海岸から50〜70m離れた富津市の陸地にて1年間、45°の角度において雨水にあてる大気暴露により、表面に錆を生じさせた造船用鋼板試験片表面を、ISO 8501−1 仕上げ等級 Sa 1〜Sa2.5のブラスト処理を行い、その上に、表1〜4に示す塗料をスプレー塗装または、刷毛塗装で実施し、塗装試験片とした。
腐食試験評価は、JIS K 5600に準拠した塩水噴霧試験(5%NaCl噴霧、35度)または、複合サイクル防食試験((i)塩水噴霧:30±2℃、0.5h、(ii)湿潤試験:30±2℃、(95±3)%RH、1.5h、(iii)熱風乾燥試験:50±2℃、2h、(iv)温風乾燥試験:30±2℃、2h、(i)〜(iv)を繰り返す試験)を実施した。塗装試験片には、サイズが150×70×6mmの試験片を用い、その試験片下部には、カッターでXカットを挿入した。塩水噴霧試験および複合サイクル防食試験は、それぞれ3年間実施した。腐食試験の評価は、最大板厚減少量が0.2mm以下のものを耐食性良好と判断し、◎と表示した。また、最大板厚減少量が0.2〜0.4mmのものを耐食性良と判断し○で表示した。また、最大板厚減少量が0.4〜0.6mmのものを耐食性やや良と判断し、△で表示した。また、最大板厚減少量が0.6mm以上のものを耐食性不良と判断し、×で表示した。
表1〜4において、アンダーラインは本発明範囲外であることを示す。
表1〜4より、本発明のISO 8501−1 仕上げ等級 Sa 1で実施した試験片でも塗装試験片は無機系、有機系のバインダーとも優れた塗装性及び耐食性を示すことが判る。
なお、表1の本発明例15〜20の塩水噴霧試験実施前と後の、断面の試料を作製し、エネルギー分散型X線分析装置付きの走査電子顕微鏡で観察・分析したところ、塩水噴霧試験の前後に関わりなく、鋼材と塗膜層の境界部に、塩素を含まず、鉄と酸素からなる化合物が検出された。その組成から、鋼板製造時に生成したミルスケールまたは、最初の大気暴露で生じた鉄酸化物と同じであり、ISO 8501−1 仕上げ等級 Sa 1の表清浄化処理後も残存した錆であることがわかった。したがって、このような錆が鋼材と塗膜層の境界部に残存していても、本発明によって、耐食性が高く保たれることがわかった。
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Claims (8)

  1. 鋼材表面をブラスト処理し、その後、該ブラスト処理部をプライマーで塗装する鋼材の塗装方法であって、前記ブラスト処理レベルはISO 8501−1 仕上げ等級 Sa1と同等又はそれ以上であり、前記プライマーはZn合金粒子を乾燥塗膜中の含有量として質量%で30%以上含有し、該Zn合金粒子は、質量%でMg:0.01〜30%を含有し、残部Zn及び不可避的不純物からなり、物理的破砕面および/または長さ0.01μm以上のき裂を有し、平均粒径が0.05〜200μmで、最大径と最小径のアスペクト比(最大径/最小径)の平均が1〜1.5である形状を有することを特徴とする鋼材の塗装方法。
  2. 前記Zn合金粒子が、その表面に、Mg固溶相及びZn−Mg金属間化合物を有することを特徴とする、請求項1に記載の鋼材の塗装方法。
  3. 前記Zn−Mg金属間化合物が、MgZn、MgZn11、MgZn、MgZnまたはMgZnのうち1種以上を含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の鋼材の塗装方法。
  4. 前記Zn合金粒子は、略球状多面体で、面数が2面以上であることを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載の鋼材の塗装方法。
  5. 前記Zn合金粒子が、更に、質量%で、Al:0.01〜30%、Si:0.01〜3%の1種又は2種を含有することを特徴とする、請求項1〜4の何れか1項に記載の鋼材の塗装方法。
  6. 前記Zn合金粒子に加え、更に、平均粒子径0.05〜50μmのZnおよび不可避的不純物からなるZn金属粒子を混合した金属粒子の混合物を用い、質量%で、(前記Zn合金粒子量):(前記Zn金属粒子量)の比の値を1/xとしたとき、xが300.0以下であることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の鋼材の塗装方法。
  7. 質量%で、前記Zn合金粒子と前記Zn金属粒子の混合粒子の合計を100%としたとき、Mgの含有量が0.01〜30%未満であることを特徴とする、請求項6に記載の鋼材の塗装方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の鋼材の塗装方法により前記プライマーが塗装され該プライマーと鋼材との間に、ISO 8501−1 仕上げ等級 Sa 1で許容される固着した残存ミルスケール、錆、塗膜または、異物を含むことを特徴とする、塗装鋼材。
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