JP2746052B2 - 鋼材の表面処理方法 - Google Patents

鋼材の表面処理方法

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JP2746052B2 JP5105269A JP10526993A JP2746052B2 JP 2746052 B2 JP2746052 B2 JP 2746052B2 JP 5105269 A JP5105269 A JP 5105269A JP 10526993 A JP10526993 A JP 10526993A JP 2746052 B2 JP2746052 B2 JP 2746052B2
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    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C2222/00Aspects relating to chemical surface treatment of metallic material by reaction of the surface with a reactive medium
    • C23C2222/10Use of solutions containing trivalent chromium but free of hexavalent chromium

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  • Chemical Treatment Of Metals (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鋼材の表面処理方法に
係わり、大気腐食環境に対する保護作用を有する、いわ
ゆる耐候性錆を安定した状態で生成する方法に関する。
さらには、海塩粒子飛来環境においても、その効果を顕
著に発揮するものである。
【0002】
【従来の技術】鋼に、P,Cu,Cr,Ni等の元素を
添加すると、大気中における鋼の耐食性は向上する。こ
れらの低合金鋼は一般に耐候性鋼と呼ばれ、屋外におい
て数年で腐食に対して保護性のある錆(以下、耐候性錆
という)を形成し、以後の塗装等の耐食処理作業を不要
とするいわゆるメンテナンスフリー鋼である。
【0003】しかし、耐候性錆を形成するまでに数年か
かるため、その間に赤錆や黄錆等の浮き錆や流れ錆を生
じてしまい、外見的に好ましくないばかりでなく、周囲
環境の汚染の原因ともなるものであり、その傾向は海辺
等の海塩粒子飛来環境において特に顕著であった。
【0004】上記問題について、たとえば特開平1−1
42088号公報にリン酸塩皮膜を形成させる表面処理
方法が提案されているものの、この方法では、リン酸塩
皮膜を形成させる以前に適当な前処理を施す必要があ
る、鋼材の溶接が必要な溶接部に処理を施すことは容易
ではなく、建築構造物には適用が困難である等の問題が
あるものであった。
【0005】そこで本発明者等は、特願平3−3206
46号において、鋼材表面あるいは鋼材の錆層に適当量
の硫酸クロム(3価)〔以下、硫酸クロム(III)とい
う〕あるいはFe,P,Cu,Niイオン等を含んだ硫
酸クロム(III)を塗布することで、耐候性錆の生成を促
進する方法を提案している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記本発明者等による
提案技術は、その施工性は優れているが、耐候性錆の保
護性皮膜を生成するまでに時間を要し、その間の流れ錆
を完全に防止することはできないものであった。すなわ
ち、最初の硫酸クロム水溶液処理時において鋼材表面の
錆層が十分形成されてない場合、連続した耐候性錆を形
成するのに時間を要し、流れ錆の原因となるものであっ
た。また、十分形成された錆層に上記処理をしても、耐
候性錆として安定するまでに降雨があると、やはり流れ
錆を生じるものであった。
【0007】したがって本発明の課題は、鋼材の表面あ
るいはその錆層に施工性および経済性に優れた表面処理
を行い、浮き錆、流れ錆を生じることなく、耐候性錆を
早期に形成させることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題は、次に示す本
発明にかかる方法により解決される。
【0009】第1の方法;硫酸クロム(III) 水溶液を塗
布液として、クロム付着量が乾燥重量で1.0g/m2
以上となるように、鋼材表面あるいは鋼材の錆層に塗布
し、水分乾燥後、乾燥膜厚で5μm以上150μm以下
となるよう有機樹脂被覆を行う。
【0010】第2の方法;Fe,P,Cu,Niイオン
の一種あるいは二種以上のイオンと、硫酸クロム(III)
とを含んだ水溶液を塗布液として、クロム付着量が乾燥
重量で1.0g/m2 以上、Fe,P,Cu,Niイオ
ンの一種あるいは二種以上のイオンの総付着量が0.1
g/m2 以上となるように、鋼材表面あるいは鋼材の錆
層に塗布し、水分乾燥後、乾燥膜厚で5μm以上150
μm以下となるよう有機樹脂被覆を行う。
【0011】第3の方法;鋼材表面あるいは鋼材の錆層
に、銅付着量が乾燥重量で1.0g/m2 以上となるよ
う硫酸銅水溶液を塗布し、水分乾燥後、乾燥膜厚で5μ
m以上150μm以下の有機樹脂被覆を行う。
【0012】第4の方法;鋼材表面あるいは鋼材の錆層
に、Fe,P,Cr,Niイオンのうちの一種あるいは
二種以上のイオンと、硫酸銅とを含んだ水溶液を、銅付
着量が乾燥重量で1.0g/m2 以上、Fe,P,C
r,Niイオンのうちの一種あるいは二種以上のイオン
の総付着量が0.1g/m2 以上となるよう塗布し、水
分乾燥後、乾燥膜厚で5μm以上150μm以下となる
よう有機樹脂被覆を行う。
【0013】
【作用】
(1)硫酸クロム(III)、硫酸銅水溶液の塗布 錆の構造が緻密であれば、物理的に大気腐食環境を遮断
しやすく、浮き錆や流れ錆の根本的な原因であるFeイ
オンの溶出は減少するが、錆中に割れや細孔があると水
や酸素の供給経路となり、錆の防食性は低減する。そこ
で硫酸クロム(III)水溶液または硫酸銅水溶液を塗布す
ると、形成される錆は緻密になり、さらに割れや細孔の
少ない構造になる。あるいは、錆中の割れや細孔に硫酸
クロム(III)水溶液または硫酸銅水溶液が流入し、それ
らの欠陥を埋めて、錆を緻密にするものでもある。その
ためには、乾燥重量で1.0g/m2 以上のクロムある
いは銅付着量が必要である。
【0014】その際、上限は特に限定されないが、施工
性、経済性を考慮すると、500g/m2 以下であるこ
とが好ましい。特に硫酸銅の場合は、付着量が500g
/m2 を超えると、硫酸銅から置換析出した金属銅が鋼
材表面を完全に被覆している、いわゆる銅メッキ状態と
なり、本発明の目的の1つである耐候性安定錆の生成促
進効果を妨げるため、付着量を500g/m2 とするの
が非常に望ましい。
【0015】また、硫酸クロムおよび硫酸銅中の硫酸根
は、初期段階において鋼表面を腐食するため、耐候性錆
の形成を促進させる働きをも有する。
【0016】(2)イオン添加 Fe,P,Cu,Niイオンは、Crイオンと共存する
と、(1)に示した硫酸クロム(III)水溶液の塗布処理
効果をより高め、錆と鋼の界面構造を緻密にするととも
に、錆粒子自体を緻密にする効果も奏する。そのために
は、Fe,P,Cu,Niイオンの一種あるいは二種以
上を0.1g/m2 以上表面に付着させる必要があり、
好ましくは、二種以上のイオンを添加するのがよい。
【0017】一方、Fe,P,Cr,Niイオンと、C
uイオンの間にも同様のことが言える。すなわち、F
e,P,Cr,Niイオンは、Cuイオンと共存する
と、(1)に示した硫酸銅水溶液の塗布処理効果をより
高め、錆と鋼の界面構造を緻密にするとともに、錆粒子
自体を緻密にする効果も奏する。そのためには、Fe,
P,Cr,Niイオンの一種あるいは二種以上を0.1
g/m2 以上表面に付着させる必要があり、好ましく
は、二種以上のイオンを添加するのがよい。
【0018】これらの下塗り処理は、通常のエアスプレ
ー、エアレススプレー、刷毛塗り等通常の簡単な方法で
行うことができる。この時、硫酸クロム水溶液の濃度は
1.0〜45.0重量%、また、硫酸銅水溶液の濃度は
10.0〜20.0重量%の範囲内とするが好ましい。
これより薄い濃度の硫酸クロム水溶液または硫酸銅水溶
液を使用すると、クロムまたは銅を1.0g/m2 以上
付着させるのに数回の塗り重ねを必要とし、施工性に悪
影響を与えるからである。
【0019】(3)有機樹脂被覆 前記の硫酸クロム(III)水溶液または硫酸銅水溶液によ
る下塗り塗布に対して、有機樹脂皮膜による上塗り被覆
が行われる。この上塗り被覆は、適度の水分や酸素を鋼
面に透過させて、下地鋼面での安定錆の生成または変態
反応を進行させる反面で、その間において、Feイオン
の滲み出しを防止して、流れ錆の生成を防止しながら、
安定錆の生成を完了させる機能を有する。また、海塩粒
子飛来環境において、塩素イオンの透過による過度の腐
食を防止する働きもある。
【0020】この上塗りの有機樹脂被覆は、乾燥膜厚で
5〜150μm、より好ましくは5〜50μmとされ
る。5μmより薄い膜厚の有機樹脂被膜では、Feイオ
ンや塩素イオンの透過の透過に対するバリアー効果が低
く、下地鋼材の腐食で生成されてくるFeイオンの滲み
出しを完全に防ぐことができず、流れ錆を生じてしま
う。また、海塩粒子飛来環境において、塩素イオンの透
過により、過度の腐食を生じ、連続した安定錆被膜の生
成が阻害されてしまうため、有機樹脂被膜厚を5μm以
上と限定した。
【0021】一方、150μmを超える膜厚にすると、
経済的に不利となるばかりでなく、錆層が形成されてな
い下地に150μmを超える被覆をすると、バリアー効
果が高くなり過ぎ、下地鋼面に安定錆を形成するのに長
時間を要するようになる。さらに、前述した硫酸クロム
(III) または硫酸銅の効果により、錆が安定化する前に
樹脂のバリアー効果はより高くなり安定錆形成に悪影響
をおよぼす。このとき安定錆が生成する以前に、衝撃等
何らかの理由により、樹脂被膜が剥落すると、その部分
から流れ錆が生じ、安定錆の形成が阻害される可能性が
あるため、有機樹脂被膜厚は150μm以下と限定し
た。
【0022】本発明に使用される有機樹脂は、特に限定
しない。有機樹脂の例として、エポキシ樹脂、ウレタン
樹脂、ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、
アルキド樹脂、ブチラール樹脂、フタル樹脂等、あるい
はこれらの組み合わせまたは積層して用いることができ
る。また、上記樹脂を塗料化して塗装を行うが、溶剤系
の塗料としても、水性の塗料としても特に問題はない。
ただし、フェノール樹脂のように硬化に加熱を要するも
の、ポリエチレン樹脂のように接着する時に加熱して溶
融させる必要がある樹脂は、施工性、経済性の点では好
ましくない。
【0023】また、有機樹脂被膜中には、ベンガラ、二
酸化チタン、カーボンブラック、フタロシアニンブルー
等の着色顔料、タルク、シリカ、マイカ、硫酸バリウ
ム、炭酸カルシウム等の体質顔料、酸化クロム、クロム
酸亜鉛、クロム酸塩、塩基性硫酸鉛等の防錆顔料、その
他チキソ剤、分散剤、酸化防止剤等慣用の添加剤を含ま
せることができる。特に、上塗りの有機樹脂被覆が将来
的に損耗ないしは剥落しても外観を損なわないように、
着色顔料により安定錆と同色の茶色ないしチョコレート
色にしておくことが好ましい。
【0024】以上述べてきた下塗り処理液、上塗り塗料
のどちらも、通常の塗装方法と同じく、エアスプレー、
エアレススプレー、あるいは、刷毛塗り等の方法によっ
て塗布することができるため、場所を選ばず施工ができ
る。したがって加工現場において、鋼材を切断、加工し
た直後にも容易に対応することができるという優れた施
工性をもつものである。また、下塗りと上塗りの2回の
塗布作業で効果があるため、経済性にも優れているとい
える。
【0025】なお、本発明に用いられる鋼材は、特に鋼
種を問わない。普通鋼であっても、耐候性鋼であっても
よい。本発明の下塗りに使用される処理液の作用によ
り、普通鋼であっても、その錆は、最終的に化学的に安
定で、緻密な耐候性錆に変態し、鋼材の保護作用を発揮
するからである。
【0026】ただし、こうして生成された保護性の錆層
に何らかの外力が作用して、亀裂が生じたり、剥離が起
こったとき、普通鋼は、その損傷部において再度安定錆
を生成する自己修復性能に劣るため、耐候性鋼に用いる
方が本発明の効果をより一層発揮する。
【0027】
【実施例】以下、本発明の効果を実施例により具体的に
説明する。
【0028】(実施例1)本発明の実施例に用いた試験
片の化学成分を表1に示す。また、本処理を行う前の鋼
材の前処理方法を表2に示し、下塗り処理液の組成を表
3に示し、上塗り塗料組成を表4に示す。試験片は、寸
法150×70×3.2mmとし、処理前の表面はエメ
リー紙研磨およびバフ研磨により鏡面となっている。な
お、上塗り塗料組成中の、硬化剤はエポキシ樹脂につい
てはアミン系硬化剤、ウレタン樹脂についてはイソシア
ネート系硬化剤、顔料はベンガラ5.0 重量%、カーボン
ブラック0.3 重量%、シリカ14.7重量%とし、合計で上
塗り塗料中にいずれも20.0重量%添加した。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】
【表3】
【0032】
【表4】
【0033】下塗り処理液はエアスプレー塗装により、
また上塗り塗料はエアレススプレー塗装により被覆し
た。このサンプル試験片を同一条件のもとに、海岸より
10mの位置にある兵庫県の尼崎市の工業地帯に1年間
暴露し、その間経時的に流れ錆発生有無を評価した。ま
た暴露後のサンプルについて偏光顕微鏡による断面観察
により安定錆生成有無(安定錆部分は消光)を確認し、
画像解析処理により全錆中に対する安定錆量を百分率で
求めた。サンプルの作製条件および試験結果を表5およ
び表6に示す。
【0034】
【表5】
【0035】
【表6】
【0036】実施例の結果を見てみると、試験番号1〜
26では、流れ錆の発生が認められず、下地鋼面部分に
安定錆が高い割合で生成しているのが認められた。特に
試験番号3〜7の場合には、クロム以外の添加のイオン
の効果により安定錆の生成比率が高く、安定錆生成に対
する促進効果が顕著であった。また、安定錆生成率が4
5%を超えるものは、概ね安定錆が連続被膜として生成
しているのに対し、40%以下のものは、不連続被膜に
なる傾向を示しており、防食効果に劣ることが分かっ
た。
【0037】一方、比較例である試験番号27〜34に
示すように下塗り処理で付着させるクロム量が、1g/
2 未満であったり、上塗り塗料の被膜厚が5〜150
μmの範囲外の時は、流れ錆を生じたり、安定錆の生成
が不十分になったりするために、本目的である流れ錆を
生じることなく早期に安定錆を生成させることができな
くなることが分かった。
【0038】また、試験番号27、28、34のクロム
量が1g/m2 未満の場合を除いて、樹脂被覆中には硫
酸クロム(III) が含有されていることが元素分析により
明らかとなった。
【0039】さらに、試験番号7、19の1年間暴露後
のサンプルにナイフにより鉄素地に達する傷を入れ、更
に3か月間暴露を継続した。その結果、試験番号19は
傷部からは非常に多くの流れ錆の発生が認められたが、
試験番号7については、少量の流れ錆しか認められなか
った。これにより、安定錆生成に関して、耐候性鋼の方
が普通鋼よりも優れた自己修復機能を有することが分か
った。
【0040】(実施例2)下塗り処理液の組成以外の条
件は、実施例1と全く同様の条件下で試験を行った。な
お、下塗り処理液の組成は表7に示す。また、サンプル
の作成条件および試験の結果を表8および表9に示す。
【0041】
【表7】
【0042】
【表8】
【0043】
【表9】
【0044】実施例の結果を見てみると、試験番号35
〜60では、流れ錆の発生が認められず、下地鋼面部分
に安定錆が高い割合で生成しているのが認められた。特
に試験番号37〜41の場合には、銅以外の添加のイオ
ンの効果により安定錆の生成比率が高く、安定錆生成に
対する促進効果が顕著であった。また、安定錆生成率が
45%を超えるものは、概ね安定錆が連続被膜として生
成しているのに対し、40%以下のものは、不連続被膜
になる傾向を示しており、防食効果に劣ることが分かっ
た。
【0045】一方、比較例である試験番号61〜68に
示すように下塗り処理で付着させる銅の量が、1g/m
2 未満であったり、上塗り塗料の被膜厚が5〜150μ
mの範囲外の時は、流れ錆を生じたり、安定錆の生成が
不十分になったりするために、本目的である流れ錆を生
じることなく早期に安定錆を生成させることができなく
なることが分かった。
【0046】さらに、試験番号41、53の1年間暴露
後のサンプルにナイフにより鉄素地に達する傷を入れ、
更に3か月間暴露を継続した。その結果、試験番号53
は傷部からは非常に多くの流れ錆の発生が認められた
が、試験番号41については、少量の流れ錆しか認めら
れなかった。これにより、安定錆生成に関して、耐候性
鋼の方が普通鋼よりも優れた自己修復機能を有すること
が分かった。
【0047】
【発明の効果】以上の説明から明らかな如く本発明によ
れば、大気腐食環境中、特に海岸近傍の海塩粒子飛来環
境において、腐食速度を低減する機能を持ついわゆる耐
候性安定錆を浮き錆や流れ錆を生じることなく、早期に
形成することが可能となる。しかもその処理は容易であ
り、土木あるいは建築構造物として使用される鋼材等に
広く用いることが可能であり、それら鋼材がメンテナン
ス不要となるなどの利点ももたらされる。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】硫酸クロム(III) 水溶液を塗布液として、
    クロム付着量が乾燥重量で1.0g/m2 以上となるよ
    うに、鋼材表面あるいは鋼材の錆層に塗布し、水分乾燥
    後、乾燥膜厚で5μm以上150μm以下となるよう有
    機樹脂被覆を行うことを特徴とする鋼材の表面処理方
    法。
  2. 【請求項2】Fe,P,Cu,Niイオンの一種あるい
    は二種以上のイオンと、硫酸クロム(III) とを含んだ水
    溶液を塗布液として、クロム付着量が乾燥重量で1.0
    g/m2 以上、Fe,P,Cu,Niイオンの一種ある
    いは二種以上のイオンの総付着量が0.1g/m2 以上
    となるように、鋼材表面あるいは鋼材の錆層に塗布し、
    水分乾燥後、乾燥膜厚で5μm以上150μm以下とな
    るよう有機樹脂被覆を行うことを特徴とする鋼材の表面
    処理方法。
  3. 【請求項3】鋼材表面あるいは鋼材の錆層に、銅付着量
    が乾燥重量で1.0g/m2 以上となるように、硫酸銅
    水溶液を塗布液を塗布し、水分乾燥後、乾燥膜厚で5μ
    m以上150μm以下となるよう有機樹脂被覆を行うこ
    とを特徴とする鋼材の表面処理方法。
  4. 【請求項4】鋼材表面あるいは鋼材の錆層に、Fe,
    P,Cu,Niイオンの一種あるいは二種以上のイオン
    と、硫酸銅とを含んだ水溶液を、銅付着量が乾燥重量で
    1.0g/m2 以上、Fe,P,Cr,Niイオンの一
    種あるいは二種以上のイオンの総付着量が0.1g/m
    2 以上となるように塗布し、水分乾燥後、乾燥膜厚で5
    μm以上150μm以下となるよう有機樹脂被覆を行う
    ことを特徴とする鋼材の表面処理方法。
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